JP2006182645A - 結合材 - Google Patents

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Atsushi Matsui
淳 松井
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Taiheiyo Cement Corp
太平洋セメント株式会社
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Abstract

【課題】流動状態になる練り混ぜ時間が短く、かつ高強度のモルタル組成物ないしコンクリート組成物を形成することができる結合材を提供する。
【解決手段】シリカ質微粉末とセメントからなる結合材であり、シリカ質微粉末のBET比表面積が8〜13m2/gであって、結合材中のシリカ質微粉末の含有量が10〜40重量%であることを特徴とする結合材であり、好ましくは、水結合材比(W/B)14%以上〜18%以下の範囲において、流動化時間が100+(18−W/B)×25秒以下のセメント組成物を形成する結合材。
【選択図】 なし

Description

本究明は、流動化時間の短いセメント組成物を製造する結合材に関する。なお、以下の説明において、モルタル組成物およびコンクリート組成物を含めてセメント組成物と云い、モルタルおよびコンクリートを含めてコンクリート等と云う。
従来、設計基準強度58.8N/mm2(600kgf/cm2)以上の高強度コンクリートが開発されており、高層建築物や高安全性を要求される構造物に使用されている。一般にコンクリート等の強度を高める手段として、ポロシティーを減少させて組織を緻密化することや、セメントと共に微粉末混和材を使用し、組織の空隙部を充填して組織を緻密化することが知られている。この微粉末混和材としてシリカフューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石灰石微粉末等が用いられている。一方、ポロシティーを減少させる直接的な方法は水セメント比を低減することであるが、水セメント比が過少になると流動性が低下して施工性を損なうので、最小限の水セメント比を維持する必要がある。最近は高性能AE減水剤の使用によって水セメント比20%前後で適度な流動性を維持したコンクリートが得られている。
微粉末混和材を配合する方法としては、例えば、シリカフュームのBET比表面積を21m2/g以上および平均粒径を0.12μm以下に限定してポゾラン反応性を高めることによってコンクリートの高強度化を図ったものが知られている(特許文献1)。このように、従来はポゾラン反応性等を高める観点から出来るだけ微粒子の混和材が用いられていた。ところが、水セメント比が小さい領域において微細粒子の混和材を用いると、練混時に空練りの時間が長くなり、流動状態になるまで長時間を要し、その結果、出荷速度が遅くなるという問題があった。また、良好な流動性およびワーカビリティーを確保できず、ポンプ圧送や打設が困難という問題もあった。
そこで、重量平均粒径を2μm以下、BET比表面積を5〜20m2/gの範囲に限定した微粉末混和材を用いることによって、コンクリートの流動性と強度を高めることが提案されている(特許文献2)。これは水セメント比20%前後において、従来よりもやや粗粒の混和材を用いることによって流動性を高めているが、流動状態になるまでの練り混ぜ時間を短縮したものではない。
特公平07−12960号公報 特開2000−7400号公報
本発明は、微粉末混和材を用いた従来の高強度コンクリート等における上記問題を解決したものであり、流動化時間の短いセメント組成物を製造する結合材を提供する。
本発明は、以下の構成によって上記課題を解決した結合材に関する。
(1) シリカ質微粉末とセメントからなる結合材であり、シリカ質微粉末のBET比表面積が8〜13m2/gであって、結合材中のシリカ質微粉末の含有量が10〜40重量%であることを特徴とする結合材。
(2) シリカ質微粉末とセメントからなり、シリカ質微粉末のBET比表面積8〜13m2/g、結合材中のシリカ質微粉末の含有量10〜40重量%であって、水結合材比(W/B)14%以上〜18%以下の範囲において、流動化時間が100+(18−W/B)×25秒以下のセメント組成物を形成する上記(1)に記載する結合材。
(3) 上記BET比表面積および配合量のシリカ質微粉末と共に化学混和剤を含む上記(1)または上記(2)に記載する結合材。
〔具体的な説明〕
超高強度コンクリートは、一般に、先にモルタルを調製し、その練り混ぜ時に目視でモルタルの状態を確認しながら練り混ぜ時間を決定している。つまり、モルタルが流動状態になったことを確認した後に、粗骨材を投入して一定時間練り混ぜる方法が一般的である。この練り混ぜ中に、モルタルの性状は、空練り状態(バサバサの状態)からもち状(まとまった状態)を経て、流動状態(ネバネバの状態)に変化する。
先に述べたように、練り混ぜ時に、モルタルの水セメント比(水結合材比)が小さく、また微粉末混和材が微細であると、空練りの時間が長くなり、流動状態になるまで長時間を要する。そこで、本発明は、シリカ質微粉末とセメントからなる結合材において、シリカ質微粉末の粒度と含有量を一定範囲に限定することによって、水セメント比が大幅に少ない場合にも、練り混ぜ時間が短くても優れた流動性を有するセメント組成物を形成することができる結合材を開発した。
すなわち、本発明は、シリカ質微粉末とセメントからなる結合材であり、シリカ質微粉末のBET比表面積が8〜13m2/gであって、結合材中のシリカ質微粉末の含有量が10〜40重量%であることを特徴とする結合材である。
本発明の結合材によれば、水結合材比(W/B)14%以上〜18%以下の範囲において、流動化時間が100+(18−W/B)×25秒以下のセメント組成物を形成することができる。具体的には、例えば、水結合材比14%において流動化時間が200秒以下、水結合材比16%において流動化時間が150秒以下、水結合材比18%において流動化時間が100秒以下のセメント組成物を形成することができる。
本発明の結合材は、上記シリカ質微粉末およびセメントと共に、化学混和剤を含有することができる。化学混和剤としてはAE剤、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤などが用いられる。
本発明の結合材について、試験例に基づいて具体的に説明する。以下に示す基準条件に従ってモルタルを調製し、流動化時間およびモルタルフローを測定した。この結果を表1および図1〜図3に示した。なお、モルタル部分が同一配合条件であれば、コンクリートはモルタルが流動化した後に粗骨材を加えて調製するので、コンクリートの流動化時間はモルタルの流動化時間と同じである。
本発明において流動化時間とは、以下の条件下で調整したときのモルタルフローが250mmになるまでに要した練り混ぜ開始からの時間を云う。因みに、コンクリートミキサでモルタルを練り混ぜた場合の練り混ぜ時のミキサ負荷電流の変化についてみると、流動状態になる前は負荷電流が増加してピークを示すが、流動状態付近になると負荷電流が減少し、流動状態では負荷電流の変化がほぼ平坦な安定状態になるので、この負荷電流の変化によっても流動化時間を把握することができる。換言すれば、練り混ぜ開始から負荷電流がほぼ平坦な安定状態に入るときまでに要した時間が流動化時間である。
(1)使用材料:結合材はセメントとシリカ質微粉末とを配合したものである。セメントはポルトランドセメントを使用した。シリカ質微粉末はBET比表面積の異なるシリカフュームを用いた。なお、比較例の一部はシリカフュームに石灰石微粉末を添加したものを用いた。細骨材は「JISA5308附属書1レデイーミクストコンクリート用骨材」に規定されている骨材を使用した。混和剤は「JISA6204コンクリート用化学混和剤」に規定されている高性能AE減水剤を用い、練り混ぜ水は上水道水を用いた。
(2)練り混ぜ機械:練混用ミキサは「JISR5201セメントの物理試験方法」に規定されている機械練り用練り混ぜ機を用いた。
(3)配合:練り混ぜ水重量179.2g、結合材重量1120gとし、細骨材を含むモルタルの総体積が800ccとなるようにした。また、化学混和剤(高性能AE減水剤)の使用量は結合材重量の1.5%とした。なお、化学混和剤(高性能AE減水剤)の重量は練り混ぜ水を含む重量である。この配合は水結合材比(W/B)が0.16であるコンクリートのモルタル部分に相当する。
〔コンクリート示方配合〕
W=150kg/m3、B=937.6kg/m3、Vg=330L/m3
〔モルタル示方配合〕
モルタル単位量=コンクリート単位量×1000/670
W=224kg/m3、B=1400kg/m3(粗骨材を除いた配合)
〔モルタル試験計量値〕
材料計量値=モルタル単位量×800/1000000
W=179.2g、B=1120g、S=算出値
配合量を示す上記式において、Wは練り混ぜ水,Bは結合材であってセメントとシリカ質微粉末の和、Vgは粗骨材容積、Sは細骨材である。
(4)練り混ぜ方法:細骨材と結合材を15秒空練りし、混和剤を溶解した練り混ぜ水を加えて流動するまで低速で練り混ぜる。
(5)モルタルフロー:JISR5201規定のフローコーンを用い、ガラス板上で落下運動無しのフロー(0打フロー)を測定した。
(6)流動化時間:日視により測定した(単位:秒)。目視で流動状態になったと認められた時間(流動化時間:秒)を図1〜図3に示し、この時のモルタルフロー値(cm)を表1に示した。
本発明の結合材および比較例の結合材を用いたモルタル組成物について、結合材中のシリカ質微粉末の含有量(ie,シリカ微粉末置換率)の相違による流動化時間の変化を図1〜図3に示した。なお、図中、シリカ質微粉末置換率は結合材中のシリカフューム含有量である。また、図1〜図3に用いた各試料について、結合材中のシリカフューム含有量(7.5%〜30.0%)ごとのシリカフュームBET比表面積を表1に示した。
図1に示すように、水結合材比18%のモルタル組成物において、本発明の結合材(シリカフュームのBET比表面積8〜13m2/gおよび含有量10〜40重量%)を用いたものは、流動化時間が60秒以下である。一方、シリカフュームのBET比表面積および含有量が本発明の範囲を外れる結合材(比較例)を用いたものは何れも流動化時間が概ね120秒を上回り、BET比表面積16.6m2/gのシリカフュームを含有する比較例の結合材を用いたものは流動化時間が概ね180秒以上であり、また、BET比表面積5.9m2/gのシリカフュームを含有する比較例の結合材を用いたものは一部の含有量範囲を除き流動化時間が180秒以上であり、本発明の結合材を用いたものよりも流動化時間が格段に長い。
図2に示すように、水結合材比16%のモルタル組成物においても図1と同様の傾向が見られる。シリカフュームの含有量15〜40重量%およびBET比表面積8.1〜12.9m2/gのシリカフュームを含む本発明の結合材を用いたものは流動化時間が150秒以下であるが、BET比表面積14.7m2/g、5.9m2/gのシリカフュームを含む比較例の結合材を用いたものはシリカフューム含有量15〜30重量%の範囲において、流動化時間が概ね180〜240秒前後であり、本発明例の1.5倍〜2倍である。また、BET比表面積16.6m2/gのシリカフュームを含む比較例の結合材を用いたものはシリカフューム含有量13%付近から流動化時間が急激に増加し、含有量20%で流動化時間が480秒付近に達する。さらに、BET比表面積21.5m2/g、2.3m2/gのシリカフュームを含む比較例の結合材を用いたものは何れも流動化時間が420秒以上であり、本発明例の3.5倍〜4倍である。なお、BET比表面積8.1〜12.9m2/gのシリカフュームを含有する場合においても、シリカフュームの含有量が40重量%を上回ると流動化時間が増加に転じる傾向が強くなるので、シリカ質微粉末の含有量は10〜40重量%が適当である。
図3に示すように、水結合材比14%のモルタル組成物においても図1、図2と同様の傾向が見られる。シリカフューム含有量15〜25重量%の範囲において、BET比表面積9.2〜12.9m2/gのシリカフュームを含む結合材を用いた本発明例は流動化時間が180秒以下である。一方、BET比表面積5.9m2/g、14.7m2/gのシリカフュームを含む結合材を用いた比較例は何れも流動化時間が300秒を上回り、シリカフューム含有量に比例して流動化時間が長くなる。
図1〜図3に示すように、本発明の結合材を用いたモルタル組成物は、水結合材比(W/B)14%以上〜18%以下の範囲において、流動化時間が100+(18−W/B)×25秒以下のものであり、具体的には、例えば、水結合材比18%〜14%の範囲において、水結合材比18%での流動化時間が100秒以下、好ましくは60秒以下、水結合材比16%での流動化時間が150秒以下、好ましくは100秒以下、水結合材比14%での流動化時間が200秒以下、好ましくは180秒以下のものである。
なお、図示するように、シリカ質微粉末のBET比表面積が8m2/gより小さく、あるいは13m2/gより大きいと流動化時間が長くなる。また、結合材中のシリカ質微粉末の含有量が10重量%より少ないと流動化時間を短縮する効果が不十分であり、また40重量%を上回ると流動化時間が増加に転じる傾向が強くなる場合がある。
以上のように、本発明の結合材はモルタル組成物の流動化時間を短縮することができる。従って、本発明の結合材を用いたモルタル組成物は練り混ぜ時間が短くても適度なモルタルフローを示す。コンクリートのフレッシュ性状の評価指標であるスランプフローはモルタル試験のフローに概ね比例する。一般的にコンクリートのスランプフローは60〜80cmを要求されるので、モルタルフローは300mm以上が必要であるが、表1に示すように、発明のモルタル組成物は何れもこの要求を満足している。
本発明の結合材を用いたモルタル組成物およびコンクリート組成物は、水結合材比14〜18%において流動化時間が格段に短い。この結果、本発明の結合材を用いたモルタル組成物およびコンクリート組成物は、実機製造において、粗骨材を投入するまでの時間、すなわち出荷時間を大幅に短縮することができる。なお、一般に、建築学会では設計基準強度が36N/mm2を上回る普通コンクリートを高強度コンクリートとし、土木学会では設計基準強度60〜100N/mm2程度のものを高強度コンクリートとしているが、本発明の結合材を用いたものは、水結合材比20%以下で、流動化時間が大幅に短く、かつ好ましくは実施例に示すように140N/mm2以上の超高強度コンクリートを得ることができる。
以下に本発明を実施例によって具体的に示す。
〔使用材料および配合〕
表2に示す材料を用い、表3の配合量に従ってモルタルを調製し、これを流動化した後に粗骨材を投入してコンクリートを調製した。なお、化学混和剤(高性能AE減水剤)は結合材重量の1.5%を使用した。
〔練り混ぜ方法〕
練り混ぜはモルタルミキサに粉体(セメント+シリカフューム)と細骨材を投入し、15秒空練りした後に水および高性能AE減水剤を加え低速で練り混ぜた。
〔結果〕
シリカフュームのBET比表面積と置換率、モルタルの水結合材比、単位水量、流動化時間、およびコンクリートのスランプフロー、強度を表3にまとめて示した。
表3に示すように、本発明のモルタルは流動化時間が30秒〜180秒であり、従来のシリカフューム混合モルタルよりも大幅に短く、かつコンクリートの圧縮強度は143N/mm2〜171N/mm2であり、何れも超高強度である。
シリカ質微粉末を混合したモルタル(水結合材比18%)の混入率およびBET比表面積(m2/g)と流動化時間(秒)との関係を示すグラフ。 シリカ質微粉末を混合したモルタル(水結合材比16%)の混入率およびBET比表面積(m2/g)と流動化時間(秒)との関係を示すグラフ。 シリカ質微粉末を混合したモルタル(水結合材比14%)の混入率およびBET比表面積(m2/g)と流動化時間(秒)との関係を示すグラフ。

Claims (3)

  1. シリカ質微粉末とセメントからなる結合材であり、シリカ質微粉末のBET比表面積が8〜13m2/gであって、結合材中のシリカ質微粉末の含有量が10〜40重量%であることを特徴とする結合材。
  2. シリカ質微粉末とセメントからなり、シリカ質微粉末のBET比表面積8〜13m2/g、結合材中のシリカ質微粉末の含有量10〜40重量%であって、水結合材比(W/B)14%以上〜18%以下の範囲において、流動化時間が100+(18−W/B)×25秒以下のセメント組成物を形成する請求項1に記載する結合材。
  3. 上記BET比表面積および配合量のシリカ質微粉末と共に化学混和剤を含む請求項1または2に記載する結合材。

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