JP4516764B2 - 高靭性frc材料の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は,引張試験(材齢28日)において1%以上の引張ひずみを示すクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(高靭性FRC材料)を生コン工場で製造する方法に関す
る。
短繊維を配合してコンクリートまたはモルタルを練混ぜ,その短繊維を3次元ランダム配向させることにより,引張および曲げ強度を向上させるFRC材料が普及している。このようなFRC材料の分野において,補強繊維として適切なPVA(ポリビニールアルコール)の短繊維(ビニロン短繊維)を使用し,これを適切なセメント系調合材料に配合し
てなるクラック分散型の繊維補強セメント複合材料が最近開発された。
このクラック分散型の繊維補強セメント複合材料は,特許文献1に記載されているように,配合するPVA短繊維の強度,寸法および配合量と,セメント系マトリックスの材料配合とを適切に組み合わせることによって,硬化体に初期クラックが生じても,そのクラックに架橋した繊維が引張張力を負担し,その間に別の箇所でクラックが生じ,そのクラックが架橋繊維で伝播が防止されている間に次のクラックが発生するという具合に,繊維で架橋された微細なクラックが順次発生するというメカニズムによって,みかけ上は非常に大きな引張ひずみが生じても(曲げ変形が生じても)荷重に耐えることができるものである。本明細書では,このようなクラック分散型のPVA補強セメント複合材料を「高靭
性FRC材料」と称する。
特開平2000−7395号公報
前記のような高靭性FRC材料において,材齢28日の硬化体の引張試験において引張ひずみが1%以上を示すには,PVA短繊維がセメント系調合材料中に均一に分散された状態で混合されることが必要である。しかし,攪拌羽根をもついわゆる機械的な掻き混ぜ方式では均一分散するのに限界があるので,これまで,オムニミキサーの如く,攪拌羽根を持たないで拡散混練する方式のものが使用されてきた。そして,このような特殊ミキサーで製造された高靭性FRC材料では,引張ひずみ1%以上を示すことも確認されている
一方,この高靭性FRC材料を大規模工事に適用するには,市中のレディーミクストコンクリート工場(本明細書では「生コン工場」という)で製造することが不可欠である。しかし,生コン工場で使用されているミキサーは一般に強制二軸練りコンクリートミキサー(強制二軸式ミキサー)であり,このミキサーの通常の操業では,オムニミキサーのよ
うに引張ひずみ1%以上を示す高靭性FRC材料を製造することはできない。
すなわち,強制二軸練りミキサーで大量に高靭性FRC材料を製造しようとした場合,PVA短繊維がダマ(ファイバーボール)となりやすく,また粉体材料が塊となって偏在し,均一に分散しない状態が起きるので,このものが硬化した状態では,前記のような一様なクラック分散型の挙動を示すことができない。このため,せっかくの高靭性FRC材
料であっても,これを大規模工事に適用することはできなかった。
したがって本発明はこの問題を解決すること,すなわち高靭性FRC材料を生コン工場
で製造できる技術を確立することを課題としたものである。
本発明によれば,セメント系調合材料にPVA短繊維を配合することにより引張試験(材齢28日)において1%以上の引張ひずみを示すクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(高靭性FRC材料)を製造するにあたり,セメント系調合材料にPVA短繊維を配合する混練装置として強制二軸練りミキサーを使用し,この強制二軸練りミキサーにおいてセメント系調合材料をPVA短繊維と次の(1) 〜(4) の手順で混練することを特徴とする高靭性FRC材料の製造法を提供する。
〔練り混ぜ手順〕
(1) 結合材,骨材成分およびを練り混ぜる。
(2) 高性能AE減水剤およびを添加して練り混ぜ,J14ロート流下時間が5〜30秒の流動物とする。
(3) 増粘剤を添加して練り混ぜる。
(4) PVA短繊維を添加して練り混ぜる。
練り混ぜ手順(4) のあとに,さらに(5) 高性能AE減水剤を添加して練り混ぜることもできる。セメント系調合材料にはさらに膨張材を含ませることができ,この場合には,膨張材を手順(1) で配合することができる。セメント系調合材料にはさらに収縮低減剤を含
ませることができ,この場合には,収縮低減剤を手順(1) で配合することができる。
セメント系調合材料のうち,結合材には,普通ポルトランドセメントと,必要に応じて添加されたシリカ系粉末(人工ポゾラン)とを使用し,骨材成分としては最大粒径0.8
mmの細粒体を使用するのがよい。
さらに本発明によれば,前記の方法に従って製造された高靭性FRC材料の混練品をアジテータ車に搭載して打設現場に搬送するさいに,該アジテータ車のアジテータの回転を停止するかまたは可能な限り回転速度を落として打設現場に搬送することを特徴とする高
靭性FRC材料混練品の搬送法を提供する。
本発明は生コン工場で一般に使用されている強制二軸練りミキサーを用いて高靭性FRC材料を製造する点に特徴があり,この場合,得られる高靭性FRC材料は材齢28日の硬化体の引張試験において引張ひずみが1%以上を示すものを目標としている。この目標が達成できなければ,せっかくの高靭性FRC材料の製造の意味が失われるからである。本発明者らの試験によると,この目標を強制二軸練りミキサーで達成することは必ずしも容易ではなく,このためには,材料配合と練混ぜ手順に特別の配慮が必要であることがわ
かった。
本発明において,高靭性FRC材料を得るための材料配合としては,基本的には特許文献1に記載されたものが適用されるが,これに加えて,各種の混和材,混和剤,骨材成分等を配合する。すなわち,基本的には,下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合材料に,下記〔F1〕の条件を満たすPVA短繊維(ビニロン繊維)を1〜3vol.%(重量換算
では13〜39Kg/m3)の配合量で配合する。
〔M1〕(セメント系調合材料)
水結合材比:25%以上
骨材成分と結合材の重量比:1.5以下(0を含む)
単位水量:250〜450Kg/m3
高性能AE減水剤:30Kg/m3未満
〔F1〕(ビニロン繊維)
繊維径:50μm以下
繊維長:5〜20mm
繊維引張強度:1500〜2400MPa
ここで,M1のセメント系調合材料のうち,結合材としては,普通ポルトランドセメントを使用することができ,この普通ポルトランドセメントに加えてシリカ系粉末(人工ポゾラン)を使用することができる。シリカ系粉末としては,シリカフューム,フライアッシュ,各種スラグ粉などが適用できる。したがって,前記M1において,水結合材比≧25%,骨材成分と結合材の重量比≦1.5と規定する「結合材」は,シリカ系粉末を含む
場合には「ポルトランドセメント+シリカ系粉末」を意味する。
骨材成分としては,最大粒径0.8mmの細粒体を使用するのが好ましく,とくに平均粒径が0.4mm以下のものがよい。この条件を満たす細粒体であれば硅砂や石灰石粉等の任意のものを骨材成分として使用できる。この細粒体と結合材との重量比(S/C)が
1.5以下となるようにこれらを配合するのがよい。
混和剤としては,高性能AE減水剤,増粘剤,収縮低減剤などが使用でき,このうち,高性能AE減水剤と増粘剤の使用は本発明において重要である。高性能AE減水剤としては,ポリカルボン酸系,ポリエーテル系,ナフタレン系,メラミン系,アミノスルホン酸系等のものが使用できる。この中でもポリカルボン酸系またはポリエーテル系のものが好ましい。増粘剤としてはコンクリート用増粘剤として公知の水溶性高分子系のものが使用できるが,とくに微生物醗酵によるバイオサッカライド系の増粘剤例えばウエランガムやデュータンガム等を使用することが好ましい。このようなバイオポリマーを使用する場合には,その添加量としては,単位水量に対して0.01〜10%程度(単位重量としては0.04〜40Kg/m3程度)を配合すればよい。市場で入手し得るウエランガムとして例えばデュータンKT(三晶株式会社製)があり,これを使用する場合には20Kg/
3程度を配合すればよい。また,収縮低減剤や膨張材も必要に応じて使用できる。
〔F1〕の条件を満たすPVA(ビニロン)短繊維としては,ポリビニールアルコール樹脂を原料として製造されたコンクリートと同等以上の弾性係数を有する短繊維であるのが好ましく,代表的なものとして,引張強度が1600N/mm2級,弾性係数(ヤング率)が40000(4.0×104)N/mm2級で,比重が約 1.3で形状が0.04mmφ×12mmの公知のもの(株式会社クラレ製)が使用できる。ビニロン短繊維の配合量が1vol.%未満ではクラック発生後の耐力が十分ではない。他方,ビニロン短繊維の配合量が3.0vol.%を超えるような多量となると,施工上必要な流動性を満たすことが困難なる。単位重量でのビニロン繊維の配合量としては13〜39Kg/m3の範囲とすれ
ばよい。
〔M1〕の条件を満たすセメント系調合材料と〔F1〕の条件を満たすPVA短繊維とを強制二軸練りミキサーを用いて混練する場合には,前記(1) 〜(4) および(5) の手順を経て練り混ぜた場合に,目標とする引張ひずみ1%以上のクラック分散型の高靭性FRC
材料が得られることがわかった。
すなわち,強制二軸練りコンクリートミキサーに,まず(1) 結合材,骨材成分および配合水の一部を投入して練り混ぜる。この場合,結合材および膨張材などの粉体成分を該ミキサーに全量投入し配合水の一部(例えば2/3程度)を添加して混練するのがよい。ついで,(2) 高性能AE減水剤および配合水の残部を添加して練り混ぜ,J14ロート流下
時間が5〜30秒の流動体とする。
この手順(2) においては,高性能AE減水剤の目標添加量の一部を使用し,残部は以後
の手順(5) で添加することができる。このように高性能AE減水剤を手順(2) と手順(5)
で分割添加する場合,手順(2) ではその2/3程度を添加し,手順(5) では残部とするのがよく,しかも,手順(2) の段階では,先ず配合水の残部を添加して所定の時間練り混ぜてから,分割された高性能AE減水剤を添加して練り混ぜるのが好ましい。いずれにしても,手順(2) ではJ14ロート試験において,流下時間が5〜30秒を示すような流動性の良い混練物とすることが肝要である。すなわち,増粘剤およびPVA短繊維を添加する前の段階においては,粉体の全体が均一に混練物中に分散しており(乾いた粉状のものが
偏在していない),ロート中をゆっくり流れるような流動性を示すことが必要である。
この条件が満たされると,増粘剤およびPVA短繊維を添加して混練すれば,繊維が均一に分散した混練物を得ることができる。しかし,増粘剤を添加して混練したあと繊維を添加して混練することがより好ましく,この順序が逆の場合には)すなわち繊維を添加して混練したあと増粘剤を添加して混練すると),繊維の分散性が前者より若干劣るようになる。したがって,まず手順(3) により増粘剤を添加して練り混ぜ,ついで,手順(4) に
よりPVA短繊維を添加して練り混ぜることが好ましい。
最後に,流動性の調整のために高性能AE減水剤を投入して練り混ぜる手順(5) を採用することが好ましく,これにより,スランプフロー300〜700mmの範囲で,その流
動性を自由に調整できる。
本発明者らの経験によると,強制二軸練りミキサーを用いて高靭性FRC材料を混練する場合には,増粘剤を粉体材料と共に初期に投入してしまうと,たとえ高靭性FRC材料の実現可能な範囲で水量および高性能AE減水剤を増加させても,繊維が分散するのに十分な流動性は得られず,粉体および繊維の分散状況が悪くて,高靭性FRC材料を練り混ぜることはできないことがわかった。また,増粘剤は後添加として,粉体材料に,混和剤および配合水全量を加えて練り混ぜてから繊維を投入した場合には,増粘剤を繊維の投入前または後にしても,繊維の分散性が悪く粉体の分散性も悪くて,高靭性FRC材料を練
り混ぜることはできない。
したがって,前記手順(1) 〜(5) に従って練り混ぜ,これによって,混練物の形態次のように変化させることが望ましい。すなわち,まず初期の段階では粉体材料を水の一部で練り固め,ミキサーの内表面に粉体として残留するような状態を回避する。このためには最初に投入した粉体材料に対して,水と高性能AE減水剤を分割投入して粉体を十分に攪拌し(増粘剤は添加しない),少ない水量で流動性を大きくする。そして,さらに残部の水を加えて流動性を高くし,増粘剤添加前の性状としてはJ14ロート流下時間が5〜30秒の範囲のものとする。
先述のように,強制二軸練りミキサーにおいては,始めから増粘剤を添加してしまうと材料が分散せず,高靭性FRC材料の実現可能な範囲内で水量・高性能AE減水剤を増加させても,繊維が分散するのに十分な流動性が得られないので,増粘剤は,十分な流動性が得られた段階で添加するのが好ましい。そして,増粘剤添加後手順(3)の後の性状としては,J14ロート通過時間が30秒以上,もしくはJ14ロートを通過しない性状であるのがよく,この性状が得られるように増粘剤を添加・混練する。この状態では材料分離はほぼ完全に抑制できる。
PVA短繊維についても,強制二軸練りミキサーにおいては,先述のように練り混ぜ初期に投入すると,もはや均一に分散させることは困難となることがわかった。このため,流動性と材料分離抵抗が十分に備わった手順(3) の後で,繊維を添加して混練するのがよ
い。
以上の手順により,強制二軸練りミキサーを用いても高靭性FRC材料を製造することが可能となり,いわゆる生コン工場で高靭性FRC材料を練り混ぜ,これを打設現場に搬送して打設するという通常のコンクリート工事と同様な生産体制を構築が可能となる。しかしながら,これをアジテータ車で搬送する過程で変質することも考えられ,この点が明
らかにされないと,実際の施工ができない。
この点について,種々の試験を行ったが,アジテータ車に高靭性FRC材料の混練品を搭載してアジテータを回転しながら搬送すると,せっかく均一にPVA短繊維が分散した高靭性FRC材料混練品であっても,搬送時間が長くなるにつれて,ファイバーボールの発生を見るようになり,これを打設しても,引張ひずみ1%以上を示すクラック分散型の硬化体を得ることが困難になることを知った。ところが,アジテータ車に高靭性FRC材料の混練品を搭載しても,アジテータの回転を休止して,場合によっては回転数を出来るだけ落として搬送する場合には,強制二軸練りミキサーでの練り混ぜ直後の性状がほぼ維持され,これを打設すれば,引張ひずみ1%以上を示すクラック分散型の硬化体が得られ
ることがわかった。
したがって,本発明従って生コン工場で製造された高靭性FRC材料の混練品をアジテータ車に搭載して打設現場に搬送するさいには,該アジテータ車のアジテータの回転を停止した状態で打設現場に搬送する。
〔実施例1〕
容量100Lの強制二軸練りコンクリートミキサーを混練装置として使用し,この混練装置において,表1に示したセメント調合材料とPVA短繊維を,表2に示す配合のもと
で,図1〜図6のケース1〜6に示したように,練り混ぜ手順を変えて混練した。
各ケース1〜6において,PVA短繊維投入前の混練物をサンプリングしてJ14ロート流下時間を測定すると共に,練上げ終了後のスランプフローおよび空気量を測定した。それらの結果を表3に示した。さらに,各ケース1〜6で得られた混練物から試料を採取し,PVA短繊の分散状況と,粉体の分散状況を目視観察し,その良否を次の基準で3段
階評価した。それらの結果も表3に示した。
PVA短繊の分散状況:
×印:ファイバーボールが多く,繊維が全く分散していない状況。
△印:目視では確認できないものの,触れることによりファイバーボールが確認できる状
況。
○印:目視及び触れた場合でもファイバーボールが確認されず,繊維が均一に分散できて
いると判断された状況。
粉体の分散状況:
×印:粉体のだま(塊)が多く,分散が非常に悪い状況。
△印:目視では確認できないものの,触れることにより粉体の塊が点在していることが確
認できる状況。
○印:目視及び触れた場合でも粉体の塊が確認されず,粉体が均一に分散できていると判
断された状況。
さらに,各ケース1〜6で得られた混練物から圧縮強度,引張強度および引張ひずみを測定するための供試体を作製し,材齢28日でのこれらの試験を行なった。それらの結果
も表3に併記した。
Figure 0004516764
Figure 0004516764
Figure 0004516764
表3の結果から明らかなように,ケース1および2のように,増粘剤(VIS)を初期に投入してしまうと,繊維を最初に投入(ケース1)または後の投入(ケース2)でも,たとえ高靭性FRC材料の実現可能な範囲で水量(W)および高性能AE減水剤(SP)を増加させても,繊維が分散するのに十分な流動性は得られず,粉体および繊維の分散状
況が悪くて,高靭性FRC材料を練り混ぜることはできない。
ケース3および4のように,粉体材料に,増粘剤を除く混和剤および配合水全量を加えて練り混ぜてから繊維を投入すると,増粘剤と繊維の投入順序を変えても(ケース3では増粘剤の投入・練り混ぜ後に繊維投入,ケース4では繊維の投入・練り混ぜ後に増粘剤投入),繊維の分散性が悪く粉体の分散性も良くない。このため,高靭性FRC材料を練り
混ぜることはできない。
ケース5および6では,結合材,骨材成分および配合水の一部を練り混ぜてから,高性能AE減水剤を添加して練り混ぜ,次いで配合水の残部を添加して練り混ぜることによって,粉体が良好に分散した混練物が得られており,この混練物(一次混練物という)に対して,増粘剤と繊維の投入順序を変えて(ケース5では繊維投入・練り混ぜ後に増粘剤添加)したものである。これにより,いずれも粉体および繊維が分散した混練物が得られたが,ケース5では材齢28日での引張ひずみが0.78%であり,ケース6では材齢28日での引張ひずみが3.3%を示した。すなわち,ケース6では非常に良好な高靭性FR
C材料が製造できた。
ケース5では繊維投入前のJ14ロート流下時間が10.5秒であり,ケース6では50.1秒である。ケース6では増粘剤と繊維の投入・混練の順序を増粘剤投入・混練後に繊維を投入・混練としたことが,強制二軸練りミキサーでの練り混ぜであっても,繊維の分散性を高め,ひいては高い引張ひずみを示す高靭性FRC材料が得られたものと考えら
れる。
なお図6に示したケース6の(a+b)が本文に記載した手順(1) に相当し,ケース6の(c+d)が本文の手順(2) に相当し,ケース6の(e)が本文の手順(3) に相当し,
ケース6の(f)が本文の手順(4) に相当し,そしてケース6の(g)が本文の手順(5)
に相当している。
〔実施例2〕
市中生コン工場の容量2.5m3の強制二軸練りコンクリートミキサーを使用し,このプラントで,表1に示したセメント調合材料とPVA短繊維を,表2に示す配合のもとで,図6のケース6の手順で混練した。練り上がり直後のフレッシュ性状の例を表4に示し
た。
得られた混練物をアジテータ車に積み込み,表5にその条件を示したように,アジテータを回転させて運搬した場合(No.1および2)と,回転させないで運搬した場合(No.3および4)とに分けて,所定の運搬時間後にサンプリングし,表3の場合と同様の評価
試験を行なって,性状変化を調べた。その結果を表6に示した。
Figure 0004516764
Figure 0004516764
Figure 0004516764
表6の結果に見られるように,アジテータの回転を行った場合には,回転時間の経過と共に粉体の分散性が悪くなり,練り上がり直後に有していた良好な高靭性FRC材料の性質が劣化した。例えば回転を90分続けたNo.2ではファイバーボールの発生も見られ,空気量の低下も観測され,材齢28日での引張ひずみは0.8%にまで低下した。他方,アジテータの回転を行わない場合は,練り上がり直後に有していた良好な高靭性FRC材料の性質は,例えばNo.4のように90分経過後も殆んど変化なく維持しており,これを
現場打設用に使用することにより,高品質の高靭性FRC硬化体を得ることができる。
強制二軸練りミキサーで高靭性FRC材料を練り混ぜたさいの比較例の手順を示す図である。 強制二軸練りミキサーで高靭性FRC材料を練り混ぜたさいの比較例の手順を示す図である。 強制二軸練りミキサーで高靭性FRC材料を練り混ぜたさいの比較例の手順を示す図である。 強制二軸練りミキサーで高靭性FRC材料を練り混ぜたさいの比較例の手順を示す図である。 強制二軸練りミキサーで高靭性FRC材料を練り混ぜたさいの参考例の手順を示す図である。 強制二軸練りミキサーで高靭性FRC材料を練り混ぜたさいの本発明例の手順を示す図である。

Claims (6)

  1. セメント系調合材料にPVA短繊維を配合することにより引張試験(材齢28日)において1%以上の引張ひずみを示すクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(高靭性FRC材料)を製造するにあたり,セメント系調合材料にPVA短繊維を配合する混練装置として強制二軸練りミキサーを使用し,この強制二軸練りミキサーにおいてセメント系調合材料をPVA短繊維と次の(1) 〜(4) の手順で混練することを特徴とする高靭性FRC材料の製造法。
    〔練り混ぜ手順〕
    (1) 結合材,骨材成分およびを練り混ぜる。
    (2) 高性能AE減水剤およびを添加して練り混ぜ,J14ロート流下時間が5〜30秒の流動物とする。
    (3) 増粘剤を添加して練り混ぜる。
    (4) PVA短繊維を添加して練り混ぜる。
  2. 練り混ぜ手順(4) のあとに,次の手順(5) を付加した請求項1に記載の高靭性FRC材料の製造法。
    (5) 高性能AE減水剤を添加して練り混ぜる。
  3. セメント系調合材料には膨張材が含まれ,この膨張材は練り混ぜ手順(1) で配合される請求項1または2に記載の高靭性FRC材料の製造法。
  4. セメント系調合材料には収縮低減剤が含まれ,この収縮低減剤は練り混ぜ手順(1) で配合される請求項1,2または3記載の高靭性FRC材料の製造法。
  5. 結合材は,普通ポルトランドセメントと,必要に応じて添加されたシリカ系粉末(人工ポゾラン)とからなる混和材からなり,骨材成分は最大粒径0.8mmの細粒体からなる請求項1ないし4のいずれかに記載の高靭性FRC材料の製造法。
  6. 請求項1ないし5に従って製造された高靭性FRC材料の混練品をアジテータ車に搭載して打設現場に搬送するさいに,該アジテータ車のアジテータの回転を停止して打設現場に搬送することを特徴とする高靭性FRC材料混練品の搬送法。
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