JP4836181B2 - アシル化合物の製造法とその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アシル化合物、その製造方法及び装置に関するものであり、更に詳しくは、高温高圧状態の水あるいは酢酸、それらの混合溶媒を反応溶媒とし、無触媒かつ一段階でアシル化合物を製造する方法、その装置及びアシル化合物組成物に関するものである。本発明は、温度100〜400℃、圧力0.1〜40MPaの水あるいは酢酸、それらの混合溶媒を反応溶媒として、触媒無添加で無水カルボン酸とヘテロ水素化物のヒドロキシル基を有するアルコール化合物からアシル化合物を一段階かつ短時間で、連続的に合成する方法、その装置及びその反応成物を提供するものである
アシル化合物は、原料、基質の機能性を改質向上し、更に、付加価値を付与するため、特に、香料、医薬品、食品等の分野において有用である。通常、アシル化合物を合成する場合、従来法では、非プロトン性有機溶媒に加えて酸・塩基触媒が必要であり、例えば、食品、医薬品に利用される場合、残存する有機溶媒、触媒は、それらの除去に大きな労力を必要とし、また、環境に影響を与えるのみならず生体に有害である等の問題点を有していた。本発明は、無水カルボン酸とアルコール、アミン、チオール等のヘテロ水素化物から、無触媒で、水を用いるプロセスのみでアシル化合物を合成する方法とその装置及びその反応組成物を提供するものであり、香料、医薬品や食品のみならず、化成品合成にも応用可能であり、アシル化合物を効率良く、短時間で、連続的に生産し、提供することを可能にするものである。
従来、無水カルボン酸とヘテロ水素化物、アルコール、アミン、チオール等からアシル化合物を合成する方法が種々報告されている(例えば、非特許文献1)。ここで、アルコールと無水カルボン酸からアシル化合物を合成する技術を完成すれば、通常はアミンやチオール等の他のヘテロ水素化物からアシル化合物を合成することが可能となるため、特に、アルコールからアシル化合物を合成する技術の報告例は非常に多い。先行技術文献によれば、アシル化合物の合成法では、例えば、無溶媒あるいは非プロトン性有機溶媒中、触媒として、強酸である硫酸、TsOH(非特許文献2)、金属塩化物であるZnCl(非特許文献3)、CoCl(非特許文献4)、MeSiCl(非特許文献5のa)及びb))、塩基であるBuP(非特許文献6)、NaOAc(非特許文献7)、ピリジン(非特許文献8)等が使用されてきた。また、安定なアシル中間体形成を経由することでアシル基を活性化するDMAPの発見とその応用は革新的な技術とされた(特許文献の9a)及びb))。
ところが、DMAPは、1等量以上のアミンを利用することから、ルイス酸である金属トリフラートが提案され、MeSiOTf(非特許文献10)、Sc(OTf)(特許文献1、2及び非特許文献11のa)及びb))、In(OTf)(非特許文献12)、Bi(OTf)(非特許文献13)、Sc(NTf)(非特許文献14)、HNTf(特許文献1、2)が高収率でアシル化合物を与えることが示された。更に、V(OTf)が触媒活性を示さないが、そのオキソ化合物であるV(O)(OTf)が触媒活性があることが見出され、V=Oの触媒活性化が注目された(特許文献3、非特許文献15)。これらの触媒により、1,2級アルコールから95%以上の収率で、また、3級アルコールから80%以上の収率で、アシル化合物が得られると報告されている(図1)。
ここで、上記の先行技術文献では、有機塩基、ルイス酸、固体酸のような触媒に加えて、有機溶媒がアシル化にとって必要不可欠である。また、高温条件では不純物が生成し、選択率を低下させるという理由から、アシル化は常温で行うのが最適であり、高温条件は不適であるとされている(特許文献1、2)。一方、アシル化における溶媒としての水の可能性に関しては、通常、粗生成物にアシル化剤を添加し、無水条件でアシル化する方法が一般的であって、水はアシル化を阻害するとされ(特許文献4)、ある特許文献では、溶媒として水を列挙しているが、実際には使用されていない(特許文献1、2)。
ところが、アルドール反応に対する触媒活性と水中でのルイス酸の安定性との相関を元素ごと系統的に比較検討し、他の反応への適用可能性を示唆した例も存在する(非特許文献16)。更に、Bi(OTf)が触媒の場合には、脱水処理をしていない水を含有する、湿った有機溶媒が反応を促進し、収率向上が観察された文献も存在する(非特許文献13)。したがって、アシル化に対する溶媒としての水の有効性はこれまで明確ではなく、水の使用は実施されなかった。他方、Bi(OTf)を触媒とする場合の無溶媒条件では、収率が低下し、有機溶媒が必要であると報告されている(非特許文献13)。
反応後における後処理は、通常の触媒・有機溶媒中でのアシル化では、反応混合物に中和剤を添加して中和後、抽出溶媒と水あるいは飽和食塩水を加え、分液し、溶媒層は、その後、乾燥、溶媒除去、蒸留あるいは精留のプロセスを得て目的物を得るが、水層には、水の他に、触媒、有機溶媒、酢酸、基質、生成物、副生成物、無機物の複雑な反応系成分の混合物が含有される。ここで、水層からの触媒の分離が容易である場合には、回収再生され、再使用されるが、分離が困難である場合には、そのまま廃棄・処分される(図2)。無触媒・高温高圧水中でのアシル化の場合のように、水層に触媒、有機溶媒が含有されず、水、酢酸、生成物のみが含有されるならば、生成物をデカンテーションにより分離後、水層に対して共沸混合物を形成する物質を添加した共沸蒸留を行うことで、水と氷酢酸とに分離することが可能である(特許文献5)。このことは、この方法は、水の再生を可能にし、通常法に比べて環境低減型のプロセスであることを意味する(図3)。
特開平9−169690号公報 特開平9−176081号公報 米国特許第6,541,659号明細書 米国特許第6,005,122号明細書 米国特許第5,980,696号明細書 W. Green, P. G. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., Wiley, New York, 1999, p150 A. C. Cope, E. C. Herrick, Org. Syn. Coll., Vol. 4, 1963 304 R. H. Baker, E. C. Herrick, Org. Syn. Coll., Vol. 3, 1955, 141 S. Ahmad, J. Iqbal, Chem. Commun.,1987, 114 a) N. C. Braus, R. P. Sharma, J.N. Baruah, Tetrahedron Lett., 1983, 24, 1189; b) J. Org. Chem., 1987, 52, 5034 E. Vedejs, N. S. Bannet, L. M. Conn, S. T. Diver, J.Org. Chem., 1993, 58, 7286 The Miner Laboratories, Org. Syn. Coll. Vol. 1, 1941, 285. Joseph B. Lambert, Gen Tai Wang, Rodney B. Finzel, and Douglas H. Teramura , J. Am. Chem. Soc., 1987, 109. 7838 a) G. Hofle,W. Steglich, H. Vorbruggen., Angrew. Chem. Int. Ed., 1978, 17, 569、 b) A. Hassner, L. R. Krepski, V. Alexanian, Tetrahedron, 1978, 34, 2069 P. A. Procopiu, S. P. D. Baugh,S. S. Flack, G. G. A. Inglis, J.Org., Chem., 1998, 63, 2342 a) K. Ishihara, M. Kubota, H. Kurihara, H. Yamamoto, J. Org. Chem., 1996, 61, 4560、b) K. Ishihara, M. Kubota, H. Kurihara, H. Yamamoto, J. Am.Chem. Soc., 1995, 117, 4413 K. K. Chauhan, C. G. Frost, I. Love, D. Waite, Synlett, 1999, 1743 J. Otera, A. Orita, C. Tanahashi, A. Kakuta, Angrew. Chem. Int. Ed., 2000, 39, 2877 K. Ishihara, M. Kubota, Synlett, 1996, 265 C-T. Chen, J-H. Kuo, C-H. Li, N. B. Barhate, S-W. Hon, T-W. Li, S-D. Chao, C-C. Liu, Y-C. Li, I-H. Chang, J-S. Lin, C-J. Liu and Y-C. Chou, Org. Lett., 2001, 3, 3729 S. Kobayashi, S.Nagayama, T.Busujima, J. Am. Chem. Soc., 1998, 120, 8287
このように、従来法では、アシル化の場合、触媒及び有機溶媒が必要であるため、製品の品質上、反応後の分離操作において、触媒、有機溶媒やカルボン酸の除去が必要であり、分離操作後の水層は廃棄物となりやすく、廃液の問題を生じる。更に、環境に対する影響や生体への有害性への配慮から、また、ヒトが経口する食品・医薬品の安全性から、触媒・有機溶媒のより高度分離が要求される。これらの高度分離に必要なコストは、合成操作と同程度であり、望ましくは触媒と有機溶媒を使用しない方が良い。以上のことから、当該技術分野においては、簡単、低コスト、環境低減型の合成プロセスで、分離操作が容易で、かつ反応系成分の高度分離が可能で、触媒や有機溶媒の残存しないアシル化合物の連続的合成を可能とする合成手法が強く要請されていた。
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、低コストで、環境に優しい簡単な高速合成プロセスで、上記アシル化合物を連続的に合成することができる新しい合成方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、高温高圧水、又は亜臨界水、又は超臨界水を反応溶媒とすることで、無触媒で無水カルボン酸とヘテロ水素化物からアシル化合物を合成できることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、無水カルボン酸とヘテロ水素化物からアシル化合物を無触媒で、短時間の反応条件下で連続的に合成する方法、その装置及びその反応組成物を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、無水カルボン酸と基質のヘテロ水素化物のヒドロキシル基を有するアルコール化合物とのアシル化反応で合成される反応成物のアシル化合物であって、触媒及び有機溶媒の残存がなく、生体適合性を有することを特徴とする上記反応生成物、である。この反応生成物は、カルボン酸無水物とヘテロ水素化物のヒドロキシル基を有するアルコール化合物からの反応物であり、触媒、有機溶媒の残存がなく、生体適合性を有することを特徴としている。また、本発明は、無水カルボン酸と上記ヘテロ水素化物からアシル化合物を合成する方法において、亜臨界ないし超臨界を反応溶媒として使用し、触媒及び有機溶媒を用いることなく、無水カルボン酸と上記ヘテロ水素化物から一段階の合成反応でアシル化合物を選択的、連続的に合成することを特徴とするものである。また、本発明は、基質の反応点に隣接する1級、2級、3級の骨格に対して、収率を向上させる温度又は無水カルボン酸量の条件を対応させるアシル化合物の製造方法、である。
また、本発明の方法は、(1)亜臨界ないし超臨界を反応溶媒とし、有機溶媒及び触媒を用いることなく、カルボン酸無水物と上記ヘテロ水素化物から一段階の合成反応でアシル化合物を選択的に合成すること、(2)流通式高温高圧装置に、基質及び反応溶媒を導入し、反応時間を3〜60秒の範囲で変化させることで合成反応を実施すること、を好ましい態様としている。
また、本発明は、上記アシル化合物の製造方法で使用する装置であって、水を送液する水送液ポンプ、水加熱用コイル、高温高圧フローセル、基質を送液する反応物送液ポンプ、炉体、反応物を炉体に導入する反応物導入管、反応溶液を排出する排出液ライン、冷却フランジ及び圧力を設定する背圧弁を具備していることを特徴とするアシル化合物合成装置、である。更に、本発明は、上記方法によりアシル化後、得られるアシル化合物とカルボン酸を含む水溶液に水を注入してデカンテーションし、アシル化合物/カルボン酸水溶液の油/水二層溶液に分離後、アシル化合物を含む油層を分液回収する一方、水層からはカルボン酸と水を共沸蒸留によって分離し、回収する、上記方法、である。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、アシル化合物の合成において、化1のカルボン酸無水物と化2のヘテロ水素化物から、化3に示すように、アシル化合物を、一段階の反応プロセスで、触媒無添加、短時間の反応条件下で、選択的かつ連続的に合成することを特徴とするものである(ここで、化1〜化3は、本発明及び参考として示す参考例を含む)。本発明では、上記反応の溶媒として、温度100〜400℃、圧力0.1〜40MPaの亜臨界、超臨界が用いられ、好適には亜臨界水が用いられる。また、反応条件として、好適には、温度200〜250℃、圧力5MPa、反応時間が60秒以下、好適には3〜60秒の範囲であり、反応時間は、より好適には10秒程度に調整される。化1の式中、Rはアルキル基及びアルキル基以外のヘテロ原子を含む置換基であり、化2の式中、R1,R2,R3はアルキル基及びアルキル基以外のヘテロ原子を含む置換基であり、Qは炭素及び炭素以外のヘテロ原子、置換ヘテロ原子である。Qはヘテロ原子又は置換ヘテロ原子であり、具体的には、酸素(O)、硫黄(S)、窒化水素(NH)、アルキル置換窒素(NR’)、である。
Figure 0004836181
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本発明においては、上記基質及び反応溶媒を反応容器に導入して、所定の反応時間で合成反応を実施するものである。したがって、上記反応器としては、例えば、バッチ式の高温高圧反応容器、及び連続型の流通式高温高圧反応装置を使用することができるが、本発明は、これら反応装置の型式に特に制限されるものでない。
本発明の方法では、反応溶媒として、上記高温高圧状態にある亜臨界、超臨界が用いられるが、具体的には、亜臨界水(100℃以上、0.1MPa以上)、超臨界水(375℃以上、22MPa以上)、が用いられ、好適には、亜臨界水(200−250℃、5MPa以上)が用いられる。反応溶媒としては、上記以外の有機溶媒や無機溶媒を任意の割合で含むことができ、具体的には、有機溶媒として、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を含む反応溶媒、また、無機溶媒として、酢酸、アンモニア等を含む反応溶液に代替することも可能である。
本発明では、上記亜臨界流体、超臨界流体の反応溶媒の組成、温度及び圧力条件、基質の種類及びその使用量、反応時間を調整することにより、短時間で、効率良く、反応生成物を合成することができる。また、本発明では、例えば、基質及び反応溶媒を流通式高温高圧装置に導入し、それらの反応時間を60秒以下、好適には3〜60秒の範囲で変えることにより、所定の反応生成物を合成することができる。上記反応条件は、使用する出発原料、目的とする反応生成物の種類等により適宜設定することができる。
本発明の方法では、従来、触媒存在下で行われていた、カルボン酸無水物とヘテロ水素化物からのアシル化合物の合成を、高速で連続的に、しかも、無触媒で実施できるため、長時間を要するプロセスを効率化することができる。また、本発明の方法では、従来用いられていた触媒を全く使用しないので、反応後の溶液の中和処理、無害化処理等の後処理・処分の必要がなく、環境負荷低減を達成可能である。更に、反応後の分離プロセスはデカンテーションのような静置分離操作のみであるため、触媒や有機溶媒の分離回収の必要性はなく、生成物の分離が容易である。本発明によれば、触媒無添加で、10秒程度の短時間で、基質が一級アルコールの場合、選択率100%、収率99%で、また、二級アルコールの場合、選択率100%、収率98%以上で、また、三級アルコールの場合、選択率82%以上、収率75%以上で、更に、フェノール誘導体の場合、選択率100%以上、収率97%以上で、対応するアシル化合物を合成することができる。本発明のアシル化合物の合成方法は、例えば、香料、医薬品、食品に利用可能な、生体適合性を有するアシル化合物を効率良く、大量に高速で連続的に生産することを可能にするものとして有用である。
従来、二酸化炭素等の亜臨界流体、超臨界流体を利用して、リパーゼや触媒を用いてアシル化を実施した例が報告されている。しかし、カルボン酸無水物とヘテロ水素化物から、無触媒条件の亜臨界水プロセスでアシル化合物を高収率で合成できることを実証した例はなく、本発明の対象とするアシル化合物の合成反応法は、本発明者らによって初めてその有効性が実証されたものである。しかも、従来法でカルボン酸無水物とヘテロ水素化物から合成されるアシル化合物は、触媒及び有機溶媒の残存が問題とされていたが、本発明でカルボン酸無水物とヘテロ水素化物から合成される反応組成物は、触媒及び有機溶媒の残存がなく、高い生体適合性を有しており、本発明のアシル化合物組成物は、従来製品にない利点を有している。
本発明では、無触媒条件で無水カルボン酸とヘテロ水素化物の合成反応を実現するために、例えば、基質をあらかじめ溶媒に溶解した溶液を送液し、亜臨界流体、超臨界流体中の反応経過を、高温高圧赤外フローセル(図4)により赤外分光分析によって観察する流通型高温高圧赤外分光その場測定装置(図5)を用いることも可能である。しかしながら、高温高圧赤外フローセルを窓なし高温高圧フローセル(図6)に交換し、超臨界流体の流れに対して直接反応物の流れを接触反応するように配管配置した方が、高温高圧赤外フローセルにおけるセル窓付近におけるリーク等の問題が発生せず、より高流量で短時間に合成を実施することが可能である。これらのことから、後記する実施例では、この窓なし高温高圧フローセルを装着した装置を用いた。
ここで、窓なし高温高圧フローセル本体(図6)は、例えば、市販のSUS316製のクロス1にネジを切り、次に説明する温度センサーシース(図7の12)に固定できるようにすることで構築することができる。炉体雰囲気の温度を測定せずに、セル温度を示すように温度センサーを調節し、シース固定ネジとオネジ3でネジ止めする。SUS316の配管4はクロス1にワンリングフェラル付きのテーパーネジ2でクロス1に接続される。もちろん、クロス1は、エンドネジで一つの流路を塞ぐことによってティーとしても使用可能である。
図7は、窓なし高温高圧フローセルを装着した流通式高温高圧反応装置の炉体部分であり、反応装置本体である。これを、図5の流通型高温高圧流体その場赤外分光測定装置の斜線位置に設置すれば、赤外分光は測定できないものの、温度、圧力、流量が可変な亜臨界・超臨界流体接触合成反応装置として利用可能となる。なお、この場合における反応の観察は、排出後の水溶液を採取し、GC−FIDにより、生成物の純品を用いた検量線から定量分析を実施し、GC/MSにより定性分析を実施して行うことができる。
次に、図7の流通式高温高圧反応装置本体について説明すると、水送液ポンプ5から水が送液され、冷却フランジ8を通過後、炉体13へ送液される。管コイル9を通過後、高温高圧状態で温度センサー11が挿入された温度センサーシース12に支持固定された高温高圧フローセル14に導入される。一方、反応物が反応物送液ポンプ6から送液され、冷却フランジ8を通過後、炉体13へ送液される。コイル状反応物導入管10を通過後、温度センサーシース12に固定された高温高圧フローセル14に導入される。また、洗浄水がポンプ7により送液され、配管16を通過後、ティー18に導入され、洗浄用に用いられる。高温高圧フローセルを通過した溶液は、配管17を通過後、冷却フランジ8を通過して、炉体外を空冷されながら通過する。その後、圧力を設定している背圧弁19からの排出液を採取し、サンプルとする。ここで、反応物や生成物を含む排出液の加熱による影響を排除する場合には、急速昇温を実施し、反応物導入ライン10と排出液ライン17の配管をできるだけ短く、水加熱用コイル9をできるだけ長くすることが望ましい。本発明は、これらに限らず、これらと同効の反応装置であれば同様に使用することができる。
本発明により、次にような効果が奏される。
(1)カルボン酸無水物とヘテロ水素化物から高速で連続的にアシル化合物を合成することができる。
(2)触媒及び有機溶媒を用いないアシル化合物の合成プロセスを実現できる。
(3)そのため、触媒及び有機溶媒の残存がなく、生体に対して有害性のない安全性の高い生体適合性アシル化合物組成物を提供できる。
(4)生成物が水に溶解しない場合には、排出された油水分散水溶液に対して更に水を注入することで、洗浄しつつ油水二層に分液し、高純度の生成物を容易に回収できる。
(5)香料、医薬品、食品として有用な生体適合性を有するアシル化合物の新しい大量生産プロセスとして、既存の生産プロセスに代替し得る新しい生産技術を提供できる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜9
本実施例では、合成条件を、無触媒、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で一定として温度の効果を検討とした。図7の流通式高温高圧反応装置の本体(主要部分)を図5の流通型高温高圧流体その場赤外分光測定装置に設置した装置に、まず、純水を流量5.0ml/minで送液し、所定温度、圧力5MPaに設定し、亜超臨界水とした。その後、トルエンを内標準として添加した(ベンジルアルコールの5mol%)、無水酢酸/ベンジルアルコール(モル比:1.1/1)混合溶液0.5ml/minをポンプで送液した(混合後の水溶液濃度:0.53mol/kg)。
基質送液後、40分後の背圧弁からの排出水溶液を1ml採取した。加熱炉から背圧弁出口までの配管内容積を反応体積とした場合、反応時間は9.9秒であった。回収された1mlの水溶液に1mlのアセトンを加え振とうし、組成をGC/MS分析計(Hewlett Packard社製HP6890、カラムHP−5、注入口温度150℃、初期カラム温度60℃(保持時間2分)、昇温速度10℃/分、最終カラム温度250℃(保持時間2分))で実施し、得られたマススペクトルはWilleyデータベースで一致度90%以上で確認した。また、定量及び市販試薬がある場合の定性は、トルエンを内標準としてGC−FID(Agilent社製GC6890,カラムDB−WAX、注入口温度230℃、スプリット比5.61、初期カラム温度50℃(保持時間0.5分)、昇温速度20℃/分、最終カラム温度230℃(保持時間3分))で実施した。
温度25℃、50℃、100℃、125℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃の9点の温度を検討した結果、温度200℃において、酢酸ベンジルの収率が99%と極大となり、このとき、転化率が99%、選択率100%で酢酸ベンジル(BnOAc)が得られた。酢酸は120%の収率であった。この結果を図10、図11の10)に示す。なお、(100%−BnOH%)は反応で消費されたベンジルアルコール(BnOH)を意味し、150〜200℃付近で酢酸ベンジルの収率と良く対応している。
また、得られた生成物水溶液は油水分散状態で白濁しているが、水を20ml/minで3分注入し、デカンテーションすると油水2層溶液となり、下層の油層に酢酸を含まない酢酸ベンジルを、上層の水相に酢酸水溶液を得た(GCにより確認)。このことは、生成物が水に溶解しない場合、反応終了後の油水分散水溶液に、水を更に注入することで、油水二層に変化してアシル化合物と酢酸水溶液を分液することができることを示している。酢酸水溶液は、触媒や有機溶媒を含まないため、酢酸と共沸化合物を作る化合物(例えば、酢酸ターシャリーブチル等)を添加することにより、共沸蒸留により水と氷酢酸に分留することができるため、膨大なエネルギーを必要とする精留を実施しなくても良い。
実施例10
本実施例では、合成条件を、無触媒、温度200℃、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で一定として無溶媒の場合を検討した。図7の流通式高温高圧反応装置の本体(主要部分)を図5の流通型高温高圧流体その場赤外分光測定装置に設置した装置に、まず、温度200℃、圧力5MPaに設定し、窓なしセル(ティー1)の配管コイル9との接続穴をエンドで塞ぎ、ポンプ5により、純水は流量5.0ml/minで、炉体外のティー18へ送液した。その後、トルエンを内標準として添加した(ベンジルアルコールの5mol%)、無水酢酸/ベンジルアルコール(モル比:1.1/1)混合溶液0.5ml/minをポンプで送液した(混合後の水溶液濃度:0.53mol/kg)。
基質送液後、40分後の背圧弁からの排出水溶液を1ml採取した。加熱炉から背圧弁出口までの配管内容積を反応体積とした場合、反応時間は9.9秒であった。回収された1mlの水溶液に1mlのアセトンを加え振とうし、組成をGC/MS分析計(Hewlett Packard社製HP6890、カラムHP−5、注入口温度150℃、初期カラム温度60℃(保持時間2分)、昇温速度10℃/分、最終カラム温度250℃(保持時間2分))で実施し、得られたマススペクトルはWilleyデータベースで一致度90%以上で確認した。また、定量及び市販試薬がある場合の定性は、トルエンを内標準としてGC−FID(Agilent社製GC6890,カラムDB−WAX、注入口温度230℃、スプリット比5.61、初期カラム温度50℃(保持時間0.5分)、昇温速度20℃/分、最終カラム温度230℃(保持時間3分))で実施した。
その結果、転化率は88%、選択率100%、収率88%で酢酸ベンジルが得られた。その結果を図11の11)に示す。
実施例11
本実施例では、流通型反応装置との比較のために、バッチ式反応装置でアシル化を実施した。図8に示したように、外径1/2インチ、肉厚1.65ミリのSUS316チューブ(40)に、一方をSwagelock 1/2インチキャップ(41)、他端を温度センサ(42)を挿入したSwagelock 1/16−1/2インチユニオン(43)を装着し、バッチ型反応管(内容積10.0cm)とした。これに、200℃、5MPaになるように水を8.69g、ベンジルアルコールを0.415g、無水酢酸を0.435g入れ、直ちに、塩浴(硝酸カリウム/硝酸ナトリウム=1/1)に浸漬した。図9の温度経過を得て、200℃に到達してから15秒後(塩浴浸漬から80秒後)、塩浴より取り出し、氷水に浸漬急冷して反応を停止した。
回収した水溶液の1mlにアセトン1mlを加え振とうし、組成をGC/MS分析計(Hewlett Packard社製HP6890、カラムHP−5、注入口温度150℃、初期カラム温度60℃(保持時間2分)、昇温速度10℃/分、最終カラム温度250℃(保持時間2分))で実施し、得られたマススペクトルはWilleyデータベースで一致度90%以上で確認した。また、定量及び市販試薬がある場合の定性は、トルエンを内標準としてGC−FID(Agilent社製GC6890,カラムDB−WAX、注入口温度230℃、スプリット比5.61、初期カラム温度50℃(保持時間0.5分)、昇温速度20℃/分、最終カラム温度230℃(保持時間3分))で実施した。
その結果、転化率は18%、選択率95%、収率17%で酢酸ベンジルが得られた。その結果を図11の12)に示す。
実施例12〜48
本実施例では、各種基質を用いてアシル化を実施した。合成条件を、無触媒、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で一定として温度とカルボン酸無水物量の好適な条件を求めた。図7の流通式高温高圧反応装置の本体(主要部分)を図5の流通型高温高圧流体その場赤外分光測定装置に設置した装置に、まず、純水を流量5.0ml/minで送液し、所定温度、圧力5MPaに設定し、亜超臨界水とした。その後、基質が固体又は無水カルボン酸との相溶性がない場合には、酢酸を加え基質を溶解し、トルエンを内標準として添加した(基質の5mol%)、無水酢酸/基質/酢酸(モル比:1.1〜40/1/0〜45)混合溶液の0.5ml/minをポンプで送液した(混合後の水溶液濃度:0.01〜0.53mol/kg)。
送液後、40分後の背圧弁からの排出水溶液を1ml採取した。加熱炉から背圧弁出口までの配管内容積を反応体積とした場合、反応時間は9.9秒であった。回収された1mlの水溶液に1mlのアセトンを加え振とうし、組成をGC/MS分析計(Hewlett Packard社製HP6890、カラムHP−5、注入口温度150℃、初期カラム温度60℃(保持時間2分)、昇温速度10℃/分、最終カラム温度250℃(保持時間2分))で実施し、得られたマススペクトルはWilleyデータベースで一致度90%以上で確認した。また、定量及び市販試薬がある場合の定性は、トルエンを内標準としてGC−FID(Agilent社製GC6890,カラムDB−WAX、注入口温度230℃、スプリット比5.61、初期カラム温度50℃(保持時間0.5分)、昇温速度20℃/分、最終カラム温度230℃(保持時間3分))で実施した。
基質がアルコールの場合の結果を表1〜4に示す。表1ではベンジルアルコール、フェネチルアルコール誘導体のアシル化を、表2では脂肪族アルコール、フルフリルアルコール、プロパルギルアルコール誘導体、カルボン酸基を有するメチル乳酸、及びクエン酸のアシル化を、表3ではフェノール誘導体のアシル化を、表4ではテルペンアルコール誘導体のアシル化を実施した。この結果から、最良の反応条件は、基質の化学構造に強く依存しており、1級アルコールの場合には、基質に対して無水カルボン酸1.1モル等量、温度200℃、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で、選択率100%、収率99%で対応するアシル化合物が得られた(実施例10、13、22、27、39)。また、2級アルコールの場合には、基質に対して無水カルボン酸1.1モル等量、温度225℃、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で、選択率100%、収率98%以上で対応するアシル化合物が得られた(実施例24、41、43)。
フェノール誘導体の場合には、無水カルボン酸1.1モル等量、温度250℃、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で、選択率100%、収率97%以上で対応するアシル化合物が得られた(実施例34、35、37、38)。ところが、3級アルコールの場合には、225℃以上の温度、5MPa以上の圧力では水酸基又はアシル基が脱離しやすくなるため、オレフィン誘導体を生成しやすくなる。そのため、無水カルボン酸を4モル等量以上に添加し、より低温の200℃、圧力5MPa、滞留時間9.9秒の条件で反応を行うことで、選択率82〜99%、収率75〜99%で対応するアシル化合物が得られた(実施例19、26、31、32、46、48)。
Figure 0004836181
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以上の実施例から、高温高圧水を反応溶媒として、無触媒でアシル化合物が高収率で合成可能であることが明らかとなった。また、アシル化後、回収水溶液に水を注入してデカンテーションし、油/水二層溶液に分離後、アシル化合物を含む油層を分液回収する一方、水層からは酢酸と水を共沸蒸留によって分離し、回収する簡易な連続分離法も実施可能であることが明らかとなった。
以上詳述したように、本発明は、高温高圧流体を反応溶媒として、カルボン酸無水物及びヘテロ水素化物から有機溶媒を用いることなく、無触媒でアシル化合物を合成する方法、その装置及びその反応組成物に係るものであり、従来法では、ヘテロ水素化物とカルボン酸無水物からアシル化合物の合成は、有機溶媒に触媒を添加し、数時間の反応で実施する必要があったが、本発明では、亜臨界流体、超臨界流体を用いることにより、触媒無添加で、有機溶媒を使用することなく、高速で連続的にアシル化合物を合成することが可能である。このことは、香料、医薬品、食品として有用な生体適合性を有するアシル化合物を短時間で、大量に連続的に生産できるというメリットをもたらす。また、アシル化後、回収水溶液に水を注入してデカンテーションし、油/水二層溶液に分離後、アシル化合物を含む油層を分液回収する一方、水層からは酢酸と水を共沸蒸留によって分離し、回収する反応系成分の簡易な連続分離法により、氷酢酸と水を分離し、水をリサイクルすることが可能である。これらのことから、合成・分離プロセスを単純化させることで、プロセスの初期コスト及びランニングコストを圧縮することが可能である。更に、本発明では、中和処理の後処理も不必要であり、環境調和型生産が可能となる。本発明は、例えば、香料、医薬品、食品として有用な生体適合性を有するアシル化合物の新しい大量生産プロセスとして、既存の生産プロセスに代替し得るものである。
触媒・有機溶媒用いるヘテロ水素化物のアシル化を示す。 触媒・有機溶媒を用いるアシル化の後処理フローチャートを示す。 無触媒・水溶媒を用いるアシル化の後処理フローチャートを示す。 高温高圧赤外フローセルを示す。 実施例で用いた流通型高温高圧流体その場赤外分光測定装置を示す。 窓なし高温高圧フローセルを示す。 実施例で用いた流通式高温高圧反応装置の主要部分を示す。 実施例で用いたバッチ型反応器を示す。 実施例におけるバッチ型反応器内外の温度経過を示す。 実施例におけるアシル化の温度依存性を示す。 実施例におけるバッチ型亜臨界水、流通型無溶媒、流通型亜臨界水の各条件によるアシル化の比較を示す。
符号の説明
1 ティー又はクロス(片側口φ4mmネジ切り)
2 φ4mm×5.0mmL六角ネジ
3 ワンリングフェラル付オネジ
4 SUS316チューブ
5 水送液ポンプ
6 反応物送液ポンプ
7 洗浄水送液ポンプ
8 冷却フランジ(冷却水が循環する)
9 水加熱コイル
10 反応物導入管
11 温度センサ
12 温度センサーシース
13 炉体
14 高温高圧フローセル(通常昇温ではティー型、急速昇温ではクロス型)
15 ZnSe窓
16 溶媒導入管
17 排出配管
18 ティー
19 背圧弁
21 水溶液
22 洗浄水
23 水溶液ポンプ
24 洗浄用純水送液ポンプ
25 炉体加熱システム
26 炉体
27 高温高圧赤外フローセル
28 冷却水(入口)
29 冷却水(出口)
30 背圧弁
31 排出水溶液受器
32 可動鏡
33 可動鏡
34 干渉計
35 光源
36 赤外レーザー
37 MCT受光器
38 TGS受光器
39 解析モニター
40 SUS316チューブ
41 キャップ
42 温度センサ
43 ユニオン

Claims (6)

  1. カルボン酸無水物とヘテロ水素化物のヒドロキシル基を有するアルコール化合物からアシル化合物を合成する方法において、亜臨界ないし超臨界を反応溶媒として使用し、一段階の合成反応で、無触媒で、60秒以下の反応時間で、アシル化合物を選択的に合成することを特徴とするアシル化合物の製造方法。
  2. 基質のヒドロキシル基を有するアルコール化合物におけるヒドロキシル基に隣接する1級、2級、3級の骨格に対して、収率を向上させる温度又は無水カルボン酸量の条件を対応させる、請求項記載の方法。
  3. 流通式高温高圧装置に、上記基質及び反応溶媒を導入し、反応時間を3〜60秒の範囲で変化させることで合成反応を実施する、請求項記載の方法。
  4. 請求項1に記載の合成反応を実施するために使用する流通型アシル化合物合成装置であって、
    水を送液する水送液ポンプ、水加熱用コイル、高温高圧フローセル、基質を送液する反応物送液ポンプ、炉体、反応物を炉体に導入する反応物導入管、反応溶液を排出する排出液ライン、冷却フランジ及び圧力を設定する背圧弁を具備していることを特徴とするアシル化合物合成装置。
  5. シル化後、得られるアシル化合物とカルボン酸を含む水溶液に水を注入してデカンテーションし、アシル化合物/カルボン酸水溶液の油/水二層溶液に分離後、アシル化合物を含む油層を分液回収する一方、水層からはカルボン酸と水を共沸蒸留によって分離し、回収する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項5に記載の方法により、無水カルボン酸と基質とヘテロ水素化物のヒドロキシル基を有するアルコール化合物とのアシル化反応で合成されるアシル化合物を含む反応成物であって、触媒及び有機溶媒の残存がなく、生体適合性を有することを特徴とする上記反応生成物。
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