JP4835850B2 - 導波管装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波やミリ波の信号を送受信するアンテナなどに用いられる導波管装置に関し、特に、直線偏波における水平偏波と垂直偏波との切り替えを行うための偏波変換回路を有する導波管装置に関する。
複数の導波管が接続された従来の導波管装置においては、複数の導波管を接続するために偏波変換回路が用いられている。この偏波変換回路は、導波管の出力インピーダンスと、その導波管に接続される導波管の入力インピーダンスとの整合をとる回路である。
図7は、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに水平である場合の従来の導波管装置の一例を示す図である。
図7に示した導波管装置は、導波管1001,1002と、偏波変換回路1003,1004とから構成されている。偏波変換回路1003,1004によって、導波管1001の出力インピーダンスと導波管1002の入力インピーダンスとの整合がとられることとなる。ここでは、導波管1001と導波管1002とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が互いに水平となるように配置されているため、導波管1001の出力インピーダンスと導波管1002の入力インピーダンスとのインピーダンス不整合は生じない。したがって、導波管1001の出力インピーダンスと導波管1002の入力インピーダンスとのインピーダンスの整合をとるために、偏波変換回路1003,1004を回転させる必要はない。
図8は、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直である場合の従来の導波管装置の一例を示す図である。
図8に示した導波管装置は、図7に示した導波管装置と同様に、導波管1001,1002と、偏波変換回路1003,1004とから構成されている。偏波変換回路1003,1004によって、導波管1001の出力インピーダンスと導波管1002の入力インピーダンスとの整合がとられることとなる。ここでは、導波管1001と導波管1002とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が互いに垂直となるように配置されているため、導波管1001の出力インピーダンスと導波管1002の入力インピーダンスとのインピーダンス不整合が生じてしまう。そのため、偏波切り替えの都度、導波管1001の出力インピーダンスと導波管1002の入力インピーダンスとのインピーダンスの整合をとるために、偏波変換回路1003,1004それぞれを適当な角度に回転させる必要がある。
また、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直である場合の偏波切り替えを導波管一体で形成できる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−363764号公報
しかしながら、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直となるように複数の導波管が配置されている場合、それぞれの導波管間のインピーダンス整合を行う必要がある。そして、それらにおいて十分な特性を確保するためには、双方の間にインピーダンス整合を行うための2つ以上の部品から構成される偏波変換回路が必要になってしまうという問題点がある。また、偏波切り替えの都度、この偏波変換回路を構成する複数の部品を、それぞれ適当な角度に回転させなければならないという問題点がある。
さらに、特許文献1に記載された技術においては、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直である場合のみの固定構造となっており、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに水平である場合にはそのままでは利用できないという問題点がある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、容易に偏波切り替えを行うことができる導波管装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
第1及び第2の導波管が互いに接続された構成を有する導波管装置であって、
前記第2の導波管は、該第2の導波管に対して、偏波周波数に対する反射係数の特性を示す反射特性に基づいて設定された角度に回転させられた偏波変換回路が埋め込まれる。
また、前記第1の導波管と前記第2の導波管との間に、他の偏波変換回路を配置することを特徴とする。
また、前記第2の導波管は、前記第1及び第2の導波管の管内波長の1/4の長さに設定された偏波変換回路が埋め込まれ、
前記他の偏波変換回路は、長さを前記第1及び第2の導波管の管内波長の1/4に設定されていることを特徴とする。
また、前記第2の導波管は、前記第1及び第2の導波管の管内波長の3/4の長さに設定された偏波変換回路が埋め込まれ、
前記他の偏波変換回路は、長さを前記第1及び第2の導波管の管内波長の1/4に設定されていることを特徴とする。
また、前記第2の導波管は、前記第1及び第2の導波管の管内波長の3/4の長さに設定された偏波変換回路が埋め込まれ、
前記他の偏波変換回路は、長さを前記第1及び第2の導波管の管内波長の3/4に設定されていることを特徴とする。
上記のように構成された本発明においては、第1の導波管に接続された第2の導波管に、第2の導波管に対して、管内の偏波周波数の比帯域幅10%の範囲における反射係数が−30dB以下になるような角度に回転させられた偏波変換回路が埋め込まれる。
これにより、部品一体化による部品数の削減及び偏波切り替え作業の容易化が可能となる。
以上説明したように本発明においては、第1の導波管に接続された第2の導波管に、第2の導波管に対して、管内の偏波周波数の比帯域幅10%の範囲における反射係数が−30dB以下になるような角度に回転させられた偏波変換回路を埋め込んだ構成としたため、容易に偏波切り替えを行うことができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに水平である場合における本発明の導波管装置の一形態を示す図である。
本形態は図1に示すように、第1の導波管である導波管101と、第2の導波管である導波管102と、偏波変換回路103とから構成されている。さらに導波管102には、偏波変換回路1021が埋め込まれている。また、導波管101と導波管102とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が互いに水平となるように配置されており、それぞれが偏波変換回路103を介して接続されている。
図2は、導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直である場合における本発明の導波管装置の一形態を示す図である。
本形態は図2に示すように、図1と同様の構成であり、第1の導波管である導波管101と、第2の導波管である導波管102と、偏波変換回路103とから構成されている。さらに導波管102には、偏波変換回路1021が埋め込まれている。また、導波管101と導波管102とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が互いに垂直となるように配置されており、それぞれが偏波変換回路103を介して接続されている。
図1及び図2に示した偏波変換回路1021は、導波管101及び導波管102の反射係数に基づいて、図1に示すような導波管101と導波管102とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が水平となるように配置されている場合であっても、また図2に示すような導波管101と導波管102とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が垂直となるように配置されている場合であっても、偏波変換回路103を適当な角度に回転させるだけで、導波管101と導波管102とのインピーダンス整合をとることができる適当な角度に予め回転させられて導波管102に埋め込まれている。つまり、偏波変換回路1021が適当な角度に予め回転させられて導波管102に埋め込まれていることにより、電界水平偏波及び電界垂直偏波におけるインピーダンス整合を行うために、偏波変換回路103を回転させるだけで良いこととなる。
ここで、偏波変換回路103及び偏波変換回路1021の長さは、管内波長の1/4に予め設定される。これにより、反射での位相差が180度となり、反射特性が良好となる。また、偏波変換回路103の長さを管内波長の1/4とし、偏波変換回路1021の長さを管内波長の3/4とした場合であっても、反射での位相差が180度となり、反射特性が良好となる。また、偏波変換回路103及び偏波変換回路1021の長さを、管内波長の3/4とした場合であっても、反射での位相差が180度となり、反射特性が良好となる。
以下に、図1及び図2に示した偏波変換回路1021が導波管102に埋め込まれる際に回転させられる角度について説明する。
図3は、図1に示した本発明の導波管装置をAの方向から見た透視図である。
図3に示すように、導波管101、偏波変換回路103及び導波管102に対して、偏波変換回路1021が角度θ1で回転させられて導波管102に埋め込まれている。
図4は、図2に示した本発明の導波管装置をBの方向から見た透視図である。
図4に示すように、導波管102に対して偏波変換回路1021角度がθ1で回転させられて埋め込まれている。また、偏波変換回路1021と偏波変換回路103との角度をθ2とする。また、導波管101に対して偏波変換回路103は角度θ3で回転させられている。
図3及び図4において、それぞれの角度θ1〜θ3は、後述の反射特性に基づいて設定される。後述の反射特性を得る角度として、
Figure 0004835850
が一例として挙げられる。この場合、それぞれθ1=約26°、θ2=約38°、θ3=約26°が最適な角度となる。
図5は、図1に示した形態において電界水平偏波の反射特性を測定した結果を示す図である。ここで、図3に示した角度θ1を約26°に設定した。なお、横軸は偏波の周波数(GHz)であり、縦軸は反射係数(dB)である。
図1に示した形態における電界水平偏波の反射特性は図5に示すように、周波数帯域が偏波周波数f0の比帯域幅10%である0.95f0〜1.05f0の範囲において、反射係数が、本発明における目標値である−30dBを下回っている。この結果から、電界水平偏波においては、十分な反射特性が得られていることがわかる。
図6は、図2に示した形態において電界垂直偏波の反射特性を測定した結果を示す図である。ここで、図4に示した角度θ1、θ2及びθ3をそれぞれ、約26°、約38°及び約26°に設定した。なお、横軸は偏波の周波数(GHz)であり、縦軸は反射係数(dB)である。
図2に示した形態における電界垂直偏波の反射特性は図6に示すように、周波数帯域が偏波周波数f0の比帯域幅10%である0.95f0〜1.05f0の範囲において、反射係数が、本発明における目標値である−30dBを下回っている。この結果から、電界垂直偏波においても、十分な反射特性が得られていることがわかる。
なお、使用周波数や導波管101,102の長さ等の条件によって、反射係数が適しているものであるかどうかを判断する範囲である比帯域幅を拡張することが可能であるため、上述した適当な角度についてもそれに応じて異なってくる。つまり、そのときの当該導波管装置の使用条件に応じた比帯域幅における反射係数が適している角度を最適な角度として設定する必要がある。
以上説明したように本発明においては、導波管101と導波管102とを接続する2つの偏波変換回路103,1021のうち、偏波変換回路1021が管内における反射係数に基づいて設定された角度に回転させられて導波管102内に埋め込まれている。そのため、導波管101を通過する偏波の振動方向と、導波管102を通過する偏波の振動方向とが水平である場合であっても、また垂直である場合であっても、偏波変換回路103のみを適当な角度に回転させるだけで、導波管101と導波管102との間におけるインピーダンス整合をとることができる。これにより、部品一体化による部品数の削減及び偏波切り替え作業の容易化が可能となる。
導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに水平である場合における本発明の導波管装置の一形態を示す図である。 導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直である場合における本発明の導波管装置の一形態を示す図である。 図1に示した本発明の導波管装置をAの方向から見た透視図である。 図2に示した本発明の導波管装置をBの方向から見た透視図である。 図1に示した形態において電界水平偏波の反射特性を測定した結果を示す図である。 図2に示した形態において電界垂直偏波の反射特性を測定した結果を示す図である。 導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに水平である場合の従来の導波管装置の一例を示す図である。 導波管の入出力の偏波の振動方向が互いに垂直である場合の従来の導波管装置の一例を示す図である。
符号の説明
101,102 導波管
103,1021 偏波変換回路

Claims (5)

  1. 第1及び第2の導波管を有する導波管装置であって、
    前記第2の導波管は、該第2の導波管偏波周波数に対する反射係数に基づいてあらかじめ設定された角度に回転させられた偏波変換回路が埋め込まれ
    前記第1の導波管と前記第2の導波管との間には、他の偏波変換回路が回転可能に配置されていることを特徴とする導波管装置。
  2. 請求項1に記載の導波管装置において、
    前記偏波変換回路は、前記第1及び第2の導波管の管内波長の1/4または3/4の長さに設定されていることを特徴とする導波管装置。
  3. 請求項2に記載の導波管装置において、
    前記他の偏波変換回路は、前記第1及び第2の導波管の管内波長の1/4または3/4の長さに設定されていることを特徴とする導波管装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導波管装置において、
    前記第1の導波管と前記第2の導波管とが、それぞれを通過する偏波の振動方向が互いに水平となるように、または、それぞれを通過する偏波の振動方向が互いに垂直となるように配置されており、それぞれが前記他の偏波変換回路を介して接続されていることを特徴とする導波管装置。
  5. 請求項4に記載の導波管装置において、
    前記第1の導波管を通過する偏波の振動方向と、前記第2の導波管を通過する偏波の振動方向とが水平である場合であっても、また垂直である場合であっても、前記他の偏波変換回路を回転させることで、前記第1の導波管と前記第2の導波管との間におけるインピーダンス整合をとることができることを特徴とする導波管装置。
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