JP4834244B2 - 寸法検査方法及びその装置並びにマスクの製造方法 - Google Patents
寸法検査方法及びその装置並びにマスクの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハのマスク欠陥検査に係わり、特にマスクに形成されている回路パターンの仕上がり寸法(CD:Critical Dimension)を検査する寸法検査方法及びその装置並びにマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
寸法を計測する技術には、例えば特開平5−216996号公報に記載されているものがある。この技術は、自動図形入力装置などに用いられる寸法認識装置である。
【0003】
この寸法認識装置は、被検査パターンを画像入力部で読み込んでその画像データを取得する。次に、読み込んだ画像データから線分(被検査パターン)を細線化して線分の中心線を求める。次に、この中心線と直交する方向に、中心線から広げていって幅を計測するものである。この幅の計測方法は、画像データ上の画素単位でカウントして求める。
【0004】
他の寸法を計測する技術としては、例えば特開平8−54224号公報、特許第2503508号公報、特開平10−284608号公報などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスクに形成されている半導体ウエハの回路パターンは、年々微細化している。露光装置は、マスクに形成された回路パターンを半導体基板上に投影して、当該回路パターンを半導体基板上に転写する。このとき、マスクには、設計パターンに従って正確に半導体ウエハの回路パターンが描かれているかを検査する必要がある。
【0006】
ところが、上記寸法計測の技術を適用したとしても、露光装置の解像力の限界によって回路パターンの寸法に比例して、回路パターンの寸法は実際よりも細く測定されてしまう。
【0007】
このため、マスクに形成されている半導体ウエハの回路パターンの寸法が正しく描かれているかを検査することが困難になっている。
【0008】
そこで本発明は、半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法と基準パターンの寸法との差を正確に検査できる寸法検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0009】
又、本発明は、半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法と基準パターンの寸法との差を正確に検査してマスクを製造するためのマスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、基準パターンの画像データを読み取って、前記基準パターンの幅方向における両端の各エッジ部における各画素値から前記基準パターンのエッジ方向を認識するもので、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンの前記エッジ方向を検出する工程と、前記計測ウィンドウ領域内の注目画素から複数方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、前記両エッジ部に対応する前記各画素を一対として認識し、前記一対の各画素がある方向から前記基準パターンの前記エッジ方向を認識する工程とを有する第1の工程と、前記各エッジ部の前記各画素値に基づいて前記エッジ方向を認識した前記両端の各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第2の工程と、被検査パターンの画像データを取得する第3の工程と、前記被検査パターンの画像データを読み取り、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置のエッジ部から前記被検査パターンの幅寸法を算出する第4の工程と、前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づいて前記被検査パターンに対する良否判定を行う第5の工程と、前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成し、この度数分布に基づいて前記被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値を可変設定する第6の工程とを有することを特徴とする寸法検査方法である。
【0013】
第4の発明は、基準パターンの画像データを読み取って、前記基準パターンの幅方向における両端の各エッジ部における各画素値から前記基準パターンのエッジ方向を認識するもので、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する手段と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する手段と、前記計測ウィンドウ領域内の注目画素から複数方向にそれぞれサーチを行なう手段と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、前記両エッジ部に対応する前記各画素を一対として認識し、前記一対の各画素がある方向から前記基準パターンの前記エッジ方向を認識する手段とを有するパターン認識手段と、前記各エッジ部の前記各画素値に基づいて前記エッジ方向を認識した前記両端の各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第1の寸法計測手段と、被検査パターンの画像データを取得する手段と、前記被検査パターンの画像データを読み取り、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置のエッジ部から前記被検査パターンの幅寸法を算出する第2の寸法計測手段と、前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づいて前記被検査パターンに対する良否判定を行う寸法誤差判定手段と、前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成し、この度数分布に基づいて前記被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値を可変設定するしきい値可変設定手段とを具備したことを特徴とする寸法検査装置である。
【0016】
第7の発明は、基板に半導体装置の回路パターンを形成したマスクを作成する第1の工程と、前記半導体装置の回路パターンの設計データに基づいて基準パターンの第1の画像データを作成する第2の工程と、前記マスクに光を投影し前記マスクの投影像を撮像して前記回路パターンの第2の画像データを作成する第3の工程と、前記基準パターンの画像データを読み取って、前記基準パターンの幅方向における両端の各エッジ部における各画素値から前記基準パターンのエッジ方向を認識するもので、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、前記両エッジ部に対応する前記各画素を一対として認識し、前記一対の各画素がある方向から前記基準パターンの前記エッジ方向を認識する工程とを有する第4の工程と、前記各エッジ部の前記各画素値に基づいて前記エッジ方向を認識した前記両端の各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第5の工程と、前記回路パターンの画像データを読み取り、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置のエッジ部から前記回路パターンの幅寸法を算出する第6の工程と、前記基準パターンの幅寸法と前記回路パターンの幅寸法とに基づいて前記回路パターンに対する良否判定を行う第7の工程と、前記基準パターンの幅寸法と前記回路パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成し、この度数分布に基づいて前記被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値を可変設定する第8の工程とを有することを特徴とするマスクの製造方法である。
【0019】
第10の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記基準パターンの画像データは、半導体ウエハの回路パターンの設計データを演算処理して取得することを特徴とする。
【0020】
第11の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記第1の工程は、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する工程と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、これを一対として認識する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
第12の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記第1の工程は、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する工程と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向と、これらX方向とY方向とXY方向に対して±45°方向を等分した4方向との各8方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、これを一対として認識する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
第13の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記第2の工程は、前記エッジ方向が認識された前記エッジ部における前記基準パターンの幅方向の画素値のプロファイルを求め、このプロファイルに対して所定のしきい値を用いて前記エッジ点を前記サブ画素で検出することを特徴とする。
【0023】
第14の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記被検査パターンは、露光処理に用いるマスクに形成された半導体ウエハの回路パターンであることを特徴とする。
【0024】
第15の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記第4の工程は、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置において、前記被検査パターンの幅方向における前記両端の各エッジ点をサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記被検査パターンの幅寸法を算出する工程とを有することを特徴とする。
【0025】
第16の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記第5の工程は、前記被検査パターンの幅寸法と前記基準パターンの幅寸法との差から寸法誤差を算出する工程と、前記寸法誤差に対してオフセット値を加えた値が許容範囲外にあるときに異常と判定する工程とを有することを特徴とする。
【0026】
第17の本発明は、上記第1の本発明の寸法検査方法において、前記第5の工程は、前記被検査パターンの幅寸法と前記基準パターンの幅寸法との差から寸法誤差を算出する工程と、前記寸法誤差に対してオフセット値を加えた値が許容範囲外にあるときに異常と判定する工程とを有し、前記第6の工程は、前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成する工程と、前記度数分布に基づいて前記第2の工程において前記エッジ点を前記サブ画素で検出するしきい値、又は前記オフセット値を可変設定する工程とを有することを特徴とする。
【0027】
第18の本発明は、半導体ウエハの回路パターンの設計データを演算処理して基準パターンを取得する工程と、前記基準パターンの画像データに対して計測ウィンドウを走査する工程と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう工程と、これらサーチの結果から一対の画素があるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向を前記基準パターンのエッジ方向として認識する工程と、前記エッジ方向が認識された前記一対の画素における前記基準パターンの幅方向の画素値のプロファイルを求める工程と、このプロファイルに対して所定のしきい値を用いて前記基準パターンの両端の各エッジ点を前記サブ画素で検出する工程と、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する工程と、露光機に用いるマスクに形成された半導体ウエハの回路パターンである被検査パターンの画像データを取得する工程と、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記一対の画素の位置と同一位置において、前記被検査パターンの幅寸法を算出する工程と、前記被検査パターンの幅寸法と前記基準パターンの幅寸法との差から寸法誤差を算出する工程と、前記寸法誤差に対してオフセット値を加えた値が許容範囲外にあるときに異常と判定する工程と、前記寸法誤差の度数分布を作成する工程と、前記度数分布に基づいて前記しきい値又は前記オフセット値を可変設定する工程とを有することを特徴とする寸法検査方法である。
【0028】
第19の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、半導体ウエハの回路パターンの設計データを演算処理して前記基準パターンの画像データを取得するデータ展開手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
第20の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記パターン認識手段は、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する手段と、記基準パターンのエッジ方向を検出する手段と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう手段と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、これを一対として認識する手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
第21の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記パターン認識手段は、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する手段と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する手段と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向と、これらX方向とY方向とXY方向に対して±45°方向を等分した4方向との各8方向にそれぞれサーチを行なう手段と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、これを一対として認識する手段とを備えたことを特徴とする。
【0031】
第22の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記第1の寸法計測手段は、前記エッジ方向が認識された前記エッジ部における前記基準パターンの幅方向の画素値のプロファイルを求め、このプロファイルに対して所定のしきい値を用いて前記エッジ点を前記サブ画素で検出することを特徴とする。
【0032】
第23の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記被検査パターンは、露光機に用いるマスクに形成された半導体ウエハの回路パターンであることを特徴とする。
【0033】
第24の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記被検査パターンの画像データを取得する手段は、半導体ウエハの回路パターンが形成されたマスクが設けられた露光機と、この露光機により投影された前記マスク像を撮像する撮像手段と、この撮像手段から出力される画像信号を画像データ化する画像処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0034】
第25の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記寸法誤差判定手段は、前記被検査パターンの幅寸法と前記基準パターンの幅寸法との差から寸法誤差を算出する手段と、前記寸法誤差に対してオフセット値を加えた値が許容範囲外にあるときに異常と判定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0035】
第26の本発明は、上記第4の本発明の寸法検査装置において、前記寸法誤差判定手段は、前記被検査パターンの幅寸法と前記基準パターンの幅寸法との差から寸法誤差を算出する手段と、前記寸法誤差に対してオフセット値を加えた値が許容範囲外にあるときに異常と判定する手段とを備え、前記しきい値可変設定手段は、前記寸法誤差の度数分布を作成する手段と、前記度数分布に基づいて前記第2の工程において前記エッジ点を前記サブ画素で検出するしきい値、又は前記オフセット値を可変設定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0036】
第27の本発明は、半導体ウエハの回路パターンの設計データを演算処理して基準パターンを取得するデータ展開手段と、前記基準パターンの画像データに対して計測ウィンドウを走査する走査手段と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なうサーチ手段と、これらサーチの結果から一対の画素があるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向を前記基準パターンのエッジ方向として認識するエッジ方向認識手段と、前記エッジ方向が認識された前記エッジ部における前記基準パターンの幅方向の画素値のプロファイルを求めるプロファイル取得手段と、このプロファイルに対して所定のしきい値を用いて前記基準パターンの両端の各エッジ点を前記サブ画素で検出するエッジ点検出手段と、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第1の幅寸法手段と、前記半導体ウエハの前記回路パターンが形成されたマスクが設けられた露光機と、この露光機により投影された前記マスク像を撮像する撮像手段と、この撮像手段から出力される画像信号を被検査パターンの画像データとして取得する画像処理手段と、この画像処理手段により取得された前記画像データを受け、前記エッジ方向認識手段により検出された前記一対の画素の位置と同一位置において、前記被検査パターンの幅寸法を算出する第2の幅寸法手段と、前記被検査パターンの幅寸法と前記基準パターンの幅寸法との差から寸法誤差を算出する寸法誤差算出手段と、前記寸法誤差に対してオフセット値を加えた値が許容範囲外にあるときに異常と判定する判定手段と、前記基準パターンの寸法誤差の度数分布を作成する度数分布作成手段と、前記度数分布に基づいて前記しきい値又は前記オフセット値を可変設定する可変設定手段とを具備したことを特徴とする寸法検査装置である。
【0037】
第28の本発明は、上記第7の本発明のマスクの製造方法において、前記第4の工程は、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する工程と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、これを一対として認識する工程とを有することを特徴とする。
【0038】
第29の本発明は、上記第7の本発明のマスクの製造方法において、前記第1の工程は、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する工程と、この計測ウィンドウ領域内の注目画素からX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向と、これらX方向とY方向とXY方向に対して±45°方向を等分した4方向との各8方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、これを一対として認識する工程とを有することを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0040】
図1は寸法検査装置の構成図である。この寸法検査装置は、例えば半導体ウエハ製造工程のフォトリソグラフィ工程に適用される。この寸法検査装置は、露光機1に用いるマスク2に形成された半導体ウエハの回路パターンの寸法検査を行なうものである。この半導体ウエハの回路パターンが被検査パターンとなる。
【0041】
露光機1には、マスク2がテーブル3上に載置されている。このマスク2には、半導体ウエハの回路パターンが形成されている。照明系4は、露光処理するための照明光5を放射するものである。
【0042】
この照明光5の光路上には、反射ミラー6を介してコンデンサレンズ7が配置されている。照明光5は、ミラー6で反射し、コンデンサレンズ7によりマスク2に照射されるようになっている。
【0043】
このマスク2を通過したパターン光の光路上には、対物レンズ8が配置されている。通常の露光処理では、対物レンズ8の投影位置上には、半導体ウエハが配置され、この半導体ウエハ上にマスク2に形成された回路パターンが転写される。
【0044】
本発明の寸法検査装置では、マスク2に形成された回路パターンの寸法検査を行なうために、画像センサ9が配置されている。この画像センサ9は、例えばCCDからなるラインセンサが用いられている。この画像センサ9は、図2に示すように移動方向hに移動しながらマスク2に形成された回路パターンの投影像を撮像するものである。
【0045】
画像処理回路10は、画像センサ9から出力される画像信号を入力し、この画像信号を画像処理してマスク3に形成された回路パターンの投影画像データDsを取得する機能を有している。この投影画像データDsは、被検査パターンの画像データである。以下、この投影画像データDsは、被検査パターンデータDsと称する。
【0046】
一方、データ展開回路11は、半導体ウエハの回路パターンの設計データ12を受け取り、この設計データを演算処理して設計パターンの画像データDfを作成する機能を有している。以下、この画像データDfは、設計パターンデータDfと称する。
【0047】
比較回路13は、図3に示すように被検査パターンデータDsと設計パターンデータDfとを比較してマスク2に形成された回路パターンの良否判定を行う機能を有している。この比較回路13は、パターン認識手段14と、寸法計測手段15と、寸法誤差判定手段16と、しきい値可変設定手段17との各機能を有している。
【0048】
パターン認識手段14は、設計パターンデータDfを微分して、この設計パターンデータDfにおける設計パターンのエッジ方向を認識するものである。このパターン認識手段14は、設計パターンデータDfにおける設計パターンの幅方向における両端の各エッジ部において隣接する一対の画素(以下、エッジペアと称する)をサーチして設計パターンのエッジ方向を認識する機能を有している。
【0049】
具体的にパターン認識手段15は、図4に示すように走査手段18とサーチ手段19とエッジ方向認識手段20との各機能を有している。
【0050】
走査手段18は、図5に示すように設計パターンデータDfに対して計測ウィンドウWをスキャン方向aに走査するものである。
【0051】
Pは設計パターンデータDfにおける設計パターンである。この設計パターンPは、黒レベルであり、図面上斜線で示している。設計パターンPの周囲は、白レベルとなっている。
【0052】
この走査手段18は、計測ウィンドウWをスキャン方向aに走査し、かつb方向にスキャン位置を移動して、設計パターンデータDfの全体をスキャンするものとなっている。
【0053】
計測ウィンドウWは、N×N画素で構成されている。N×N画素は、例えば15×15画素、17×17画素、又は19×19画素などである。
【0054】
サーチ手段19は、図6に示すように計測ウィンドウWの領域内の注目画素Qを有している。この注目画素Qは、計測ウィンドウWの中心画素である。
【0055】
このサーチ手段19は、注目画素QからX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう機能を有している。
【0056】
エッジ方向認識手段20は、8方向のサーチの結果から図7に示すように一対の画素(以下、エッジペアと称する)があるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向に設計パターンのエッジ方向があると認識する機能を有している。
【0057】
すなわち、エッジ方向認識手段20は、エッジペアがあるサーチ方向、例えば図7に示すようにX方向のサーチで設計パターンPの各両端でそれぞれエッジ点にあたる各画素G1、G2を検出すると、これら画素G1、G2をエッジペアとして検出し、このときのサーチ方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)をパターンPのエッジ方向として認識する機能を有している。
【0058】
なお、エッジペア(画素G3、G4)では、設計パターンPは+45°の方向として認識される。
【0059】
寸法計測手段15は、エッジ方向認識手段20により検出されたエッジペアの部分の各画素値に基づいて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出し、これらエッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出する機能を有している。
【0060】
すなわち、この寸法計測手段15は、図6及び図8に示すようにエッジ方向が認識されたところの設計パターンPの幅方向の画素値のプロファイルに対して所定のしきい値thを用いてサブ画素でエッジ点を検出する。
【0061】
このサブ画素は、図6に示すようにしきい値thを用いてプロファイルを切ったとき、隣接するエッジペアの各画素G5、G6の間にある場合、
サブ画素位置=(G5−th)/(G5−G6) …(1)
により算出される。
【0062】
又、この寸法計測手段15は、被検査パターンデータDsを読み取り、設計パターンPで幅寸法を算出したエッジ部の位置と同一位置のエッジ部から被検査パターンの幅寸法Sdを算出する機能を有している。
【0063】
具体的に寸法計測手段15は、図9に示すようにプロファイル取得手段21とエッジ点検出手段22と第1の幅寸法手段23と第2の幅寸法手段24との各機能を有している。
【0064】
プロファイル取得手段21は、エッジ方向が認識されたエッジ部における設計パターンPの幅方向の画素値のプロファイルを求める機能を有している。
【0065】
エッジ点検出手段22は、プロファイル取得手段21により求められたプロファイルに対して所定のしきい値を用いて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出する機能を有している。
【0066】
第1の幅寸法手段23は、エッジ点検出手段22により検出された各エッジ点から設計パターンPの幅寸法を算出する機能を有している。
【0067】
第2の幅寸法手段24は、被検査パターンデータDsを受け、エッジ方向認識手段20により検出されたエッジペアの画素の位置と同一位置において、被検査パターンDsにおける回路パターンの幅寸法を算出する機能を有している。
【0068】
ここで、エッジ点検出手段22のエッジ点の検出は、次の通り行われる。
【0069】
このエッジ点は、設計パターンデータDfにおいて、画素値が「200」(図面では黒)と白「0」(図面では白)とに変化するところである。
【0070】
エッジ点検出は、図6に示すようにしきい値thを用いて検出する。この場合、エッジ点の検出は、図8に示すケース「1」のように画素G7の明るさがしきい値thと一致する場合と、ケース「2」のように設計パターンPに隣接する各画素G8、G9の明るさの間にしきい値thがある場合との2ケースがある。
【0071】
このエッジ点検出は、XY方向の寸法に対して、どのようなエッジペアで検出するかのエッジペアの複数の組み合わせがある。これらエッジペアの組み合わせは、それぞれ相対する両エッジ周辺画素で構成されるテンプレートとして記憶されている。そして、両エッジのエッジパターンが相対する同系のパターンとしたときにエッジペアと認識する。
【0072】
図10(a)〜同図(c)は、それぞれエッジに隣接する1画素のパターン方向が寸法測定方向(パターン幅方向)と直交する場合の各エッジペアを示す。エッジ点検出手段22は、これらエッジペアのうち1つのエッジペアを検出すると、そのエッジペアから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0073】
図11(a)、図11(b)は、それぞれエッジに隣接する1又は2画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出手段22は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0074】
図12(a)〜同図(c)は、それぞれエッジに隣接する3又は2画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出手段22は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0075】
図13(a)〜同図(f)は、それぞれエッジに隣接する4又は3画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出手段22は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0076】
図14(a)〜同図(c)は、それぞれエッジに隣接する5又は4画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出手段22は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0077】
寸法誤差判定手段16は、寸法計測手段15により算出された設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdとに基づいて半導体ウエハの回路パターンに対する良否判定を行う機能を有している。具体的に寸法誤差判定手段16は、図15に示すように寸法誤差算出手段25と判定手段26との各機能を有している。
【0078】
寸法誤差算出手段25は、設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdとの差から寸法誤差(CDエラー)err、
err=Sd−Rd …(2)
を算出する機能を有している。
【0079】
判定手段26は、寸法誤差errに対してオフセット値を加えた値が許容範囲外、すなわち+側のしきい値より大きいとき、又は−側しきい値よりも小さいときに、半導体ウエハの回路パターンに対してパターン異常と判定する機能を有している。
【0080】
なお、寸法誤差errは、次の方法により算出してもよい。
【0081】
例えば図7に示すように設計パターンPに対して画素G1、G2をエッジペアとして検出した場合、画素G1側を第1のエッジ、画素G2側を第2のエッジとする。
【0082】
そして、第1のエッジにおいて検出したエッジ点をrsub1とし、第2のエッジにおいて検出したエッジ点をrsub2とする。
【0083】
一方、被検査パターンにおいて、設計パターンPの第1と第2のエッジと同一位置となる第1のエッジ点をssub1とし、第2のエッジ点をssub2とする。
【0084】
しかるに、寸法誤差errは、
err=(ssub2−ssub1)−(rsub2−rsub1) …(3)
を算出して求める。
【0085】
しきい値可変設定手段17は、上記寸法誤差errの度数分布を作成し、この度数分布に基づいて上記しきい値又は上記オフセット値を可変設定する機能を有している。これらしきい値又はオフセット値を可変設定するのは、データ展開回路11における演算処理の過程中に、設計パターンデータDfに誤差等が生じたり、また白系/黒系の背景によって被検査パターンの形状が縮小したり、形状が小さくなるにしたがって非線形に形状が変わるので、これらしきい値又はオフセット値を補正する必要があるからである。
【0086】
具体的にしきい値可変設定手段17は、図16に示すように度数分布作成手段27と可変設定手段28との各機能を有している。
【0087】
度数分布作成手段27は、図17に示すように設計パターンPと被検査パターンの寸法誤差errの度数分布を作成する機能を有している。
【0088】
可変設定手段28は、度数分布作成手段27により作成された度数分布に基づいて上記しきい値又は上記オフセット値を可変設定する機能を有している。
【0089】
上記しきい値は、図18に示すようにマスク2に形成される回路パターンの線幅が細くなる程、又コンタクトパターンが小さくなる程大きくする必要がある。
【0090】
従って、寸法計測手段15が回路パターンの寸法を測定し、これと共にしきい値可変設定手段17は、正常なマスク2の回路パターンを用いて図17に示す寸法誤差errの度数分布を作成し、この度数分布の結果から設計パターンPの形状ずれEを求めるものとなる。
【0091】
しきい値可変設定手段17は、設計パターンデータDfにおいて設計パターンPの白系/黒系の背景によっても位置ずれ量が異なるので、それら背景のレベルに合わせて複数のオフセット値を決定する機能を有する。
【0092】
図17に示す寸法誤差errの度数分布から回路パターンの線幅に対応するばらつきも分かる。従って、しきい値可変設定手段17は、図18に示すような設計パターンPの寸法(パターン幅)に応じて複数のしきい値を決定する機能を有する。
【0093】
次に、上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0094】
露光機1のテーブル3上には、マスク2が載置される。
【0095】
照明系4から照明光5が放射される。この照明光5は、反射ミラー6で反射し、コンデンサレンズ7を通してマスク2に照射される。
【0096】
このマスク2を通過したパターン光は、対物レンズ8を通して画像センサ9に結像される。
【0097】
この画像センサ9は、図2に示すように移動方向hに移動しながらマスク2に形成された回路パターンの投影像を撮像する。この画像センサ9は、撮像した投影像の画像信号を出力する。
【0098】
画像処理回路10は、画像センサ9から出力される画像信号を入力し、この画像信号を画像処理してマスク3に形成された回路パターンの投影画像データ、すなわち被検査パターンデータDsを取得する。
【0099】
一方、データ展開回路11は、半導体ウエハの回路パターンの設計データ12を受け取り、この設計データを演算処理して設計パターンの画像データ、すなわち設計パターンデータDfを作成する。
【0100】
比較回路13は、図3に示すように被検査パターンデータDsと設計パターンデータDfとを比較してマスク2に形成された回路パターンの良否判定を行う。
【0101】
以下、比較回路の動作について図19に示す流れ図に従って説明する。
【0102】
先ず、パターン認識手段15の走査手段18は、ステップ#1において、図5に示すように設計パターンデータDfに対して計測ウィンドウWをスキャン方向aに走査し、かつb方向にスキャン位置を移動して、設計パターンデータDfの全体をスキャンする。
【0103】
次に、サーチ手段19は、ステップ#2において、図6に示すように計測ウィンドウWの領域内の注目画素QからX方向と、Y方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう。
【0104】
次に、エッジ方向認識手段20は、4方向のサーチの結果から図7に示すようにエッジペアがあるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向に設計パターンPのエッジ方向があると認識する。
【0105】
具体的にエッジ方向認識手段20は、例えば図7に示すようにX方向のサーチで設計パターンPの各両端でそれぞれエッジ点にあたる各画素G1、G2を検出すると、これら画素G1、G2をエッジペアとして検出する。
【0106】
そして、エッジ方向認識手段20は、サーチ方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)を設計パターンPのエッジ方向として認識する。
【0107】
次に、寸法計測手段15は、ステップ#3において、エッジ方向認識手段20により検出されたエッジペアの部分の各画素値に基づいて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出し、これらエッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出する。
【0108】
すなわち、プロファイル取得手段21は、図6及び図8に示すように、エッジ方向が認識されたエッジ部における設計パターンPの幅方向の画素値のプロファイルを求める。
【0109】
エッジ点検出手段22は、プロファイル取得手段21により求められたプロファイルに対して所定のしきい値thを用いて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出する。
【0110】
このサブ画素は、図6に示すようにしきい値thを用いてプロファイルを切ったとき、隣接するエッジペアの各画素G5、G6の間にある場合、上記式(1)により算出される。
【0111】
ここで、エッジ方向認識手段は、XY方向の寸法に対して、図10(a)〜同図(c)、図11(a)、図11(b)、図12(a)〜同図(c)、図13(a)〜同図(f)、図14(a)〜同図(c)に示す複数のエッジ方向パターンを組み合わせた各テンプレートを用いて行われる。
【0112】
又、エッジ点検出は、図6に示すようにしきい値thを用いて検出する。このエッジ点の検出は、図8に示すケース「1」のように画素G7の明るさがしきい値thと一致する場合と、ケース「2」のように設計パターンPに隣接する各画素G8、G9の明るさの間にしきい値thがある場合との2ケースがある。
【0113】
第1の幅寸法手段23は、エッジ点検出手段22により検出された各エッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出する。
【0114】
これと共に、第2の幅寸法手段24は、画像処理回路10から被検査パターンデータDsを受け取る。
【0115】
次に、第2の幅寸法手段24は、被検査パターンデータDs上において、エッジ方向認識手段20により検出された設計パターンデータDf上のエッジペアの画素の位置と同一位置を認識する。
【0116】
次に、第2の幅寸法手段24は、設計パターンデータDf上のエッジペアの画素の位置と同一位置において、被検査パターンDsにおける被検査パターンの幅寸法Sdを算出する。
【0117】
次に、寸法誤差判定手段16は、ステップ#4において、寸法計測手段15により算出された設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdとに基づいて半導体ウエハの回路パターンに対する良否判定を行う。
【0118】
具体的に寸法誤差算出手段25は、設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdとの差から上記式(2)から寸法誤差errを算出する。
【0119】
次に、判定手段26は、寸法誤差errに対してオフセット値を加えた値が許容範囲外、すなわち+側のしきい値より大きいとき、又は−側しきい値よりも小さいときに、半導体ウエハの回路パターンに対してパターン異常と判定する。
【0120】
例えば、図20は設計パターンPにおける寸法測定箇所f1〜f7と、これら箇所f1〜f7に対応する回路パターンの形状を示す。同図では寸法測定箇所f2において回路パターンに例えばへこみHがある場合を示している。
【0121】
この場合、寸法誤差判定手段16は、設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdと比較からへこみHの部分で寸法誤差errが生じる。
【0122】
寸法誤差判定手段16は、寸法誤差errに対してオフセット値を加えた値が許容範囲外、すなわち+側のしきい値より大きいか、又は−側しきい値よりも小さくなるので、パターン異常と判定する。
【0123】
一方、しきい値可変設定手段17は、ステップ#5において、上記寸法誤差errの度数分布を作成し、この度数分布に基づいて上記しきい値又は上記オフセット値を可変設定する。
【0124】
具体的に度数分布作成手段27は、図17に示すように寸法誤差errの度数分布を作成する。
【0125】
次に、可変設定手段28は、度数分布作成手段27により作成された寸法誤差errの度数分布の結果から設計パターン13の形状ずれEを求める。そして、可変設定手段28は、白系/黒系の背景によって被検査パターンの形状が縮小したり、形状が小さくなるにしたがって非線形に形状が変わるなど形状ずれEの量が異なるので、それら背景に合わせて複数のオフセット値を決定する。
【0126】
又、可変設定手段28は、図17に示す寸法誤差errの度数分布から回路パターンの線幅に対応するばらつきを判別し、この判別結果に応じて図18に示すような設計パターンPの寸法に応じて複数のしきい値を決定する。
【0127】
従って、これらしきい値又はオフセット値が可変設定されると、データ展開回路11の演算処理の過程中に生じる設計パターンデータDfの誤差が補正される。
【0128】
又、図18に示すような設計パターンPの寸法(パターン幅)に応じたしきい値又はオフセット値が設定できる。
【0129】
又、設計パターンデータDfにおいて設計パターンPの白系/黒系の背景によっても位置ずれ量が異なるが、これら背景のレベルに合ったしきい値又はオフセット値が設定できる。
【0130】
このように上記第1の実施の形態においては、設計パターンPのエッジ方向から設計パターンPの幅方向における両端のエッジペアを認識し、このエッジペアが認識されたところの各エッジ点をサブ画素で検出し、このエッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出し、かつ露光機1での撮像により取得された被検査パターンデータDs上で、設計パターンデータDf上で検出されたエッジペアの画素の位置と同一位置において、被検査パターンデータDsにおける回路パターンの幅寸法Sdを算出し、これら設計パターンPの幅寸法Rdと回路パターンの幅寸法Sdに基づいて半導体ウエハの回路パターンに対する良否判定を行うので、半導体ウエハの回路パターンの仕上がり寸法(CD)を正確に検査できる。
【0131】
しきい値可変設定手段17により、設計パターンPの寸法誤差errから作成した度数分布に基づいて上記しきい値又は上記オフセット値を可変設定するので、たとえ半導体ウエハの回路パターンのデータを格納する設計データベースから設計データを生成する過程で回路パターンに形状ずれEが生じたとしても、また被検査パターンの白/黒の違いから生じる形状ずれが生じても正確に半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法を検査できる。
【0132】
従って、検査後のマスク2を用いて露光処理を行なうことにより、半導体ウエハ上には、微細化された半導体装置の回路パターンが形成できる。
【0133】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0134】
この第2の実施の形態は、図1に示す上記第1の実施の形態のパターン認識手段14の機能を変更したものである。従って、この第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態と相違するところを説明する。
【0135】
この第2の実施の形態のパターン認識手段14は、図4に示すように、走査手段18と、サーチ手段19と、エッジ方向認識手段20とを有するが、このうちの走査手段18は上記第1の実施の形態と同様な機能を有する。
【0136】
サーチ手段19は、図21に示すように、計測ウィンドウWの領域内の注目画素QからX方向と、このX方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向と、これらX方向とY方向とXY方向に対して±45°方向を等分した4方向との各8方向にそれぞれサーチを行なう機能を有している。
【0137】
エッジ方向認識手段20は、これら8方向の結果からエッジペアがあるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向を設計パターンPのエッジ方向として認識する機能を有している。
【0138】
この場合、エッジ方向認識手段20は、X方向とY方向とXY方向に対して±45°方向を等分した4方向を、X方向、Y方向又は±45°方向のうちいずれかの方向に選択して、その選択した方向に集約する。
【0139】
例えば、図21に示すようにY方向に対して±11.25°の方向(DEG=0)であれば、Y方向に集約する。
【0140】
Y方向に対して±33.75°の方向(DEG=1)であれば、±45°方向に集約する。
【0141】
又、エッジ方向認識手段20は、エッジペアの検出を次の通り行なう。
【0142】
図22(a)〜同図(d)はスキャン方向がX方向の場合のエッジペアの組み合わせのテンプレートを示す。これらテンプレートは、5×5画素の領域でエッジ方向の条件が合う場合にエッジペアとして検出する。Pは設計パターンの方向を示す。
【0143】
これらテンプレートの1画素は、図23(a)〜同図(i)に示すように、X方向、Y方向、+45°方向、−45°方向、+45°又は−45°方向、+22.5°方向、+67.5°方向、−67.5°方向、−22.5°方向を表わしている。
【0144】
又、図24(a)〜同図(c)はスキャン方向が+45°の場合のエッジペアの組み合わせのテンプレートを示す。
【0145】
従って、走査手段18は、ステップ#1において、図5に示すように設計パターンデータDfに対して計測ウィンドウWをスキャン方向aに走査し、かつb方向にスキャン位置を移動して、設計パターンデータDfの全体をスキャンする。
【0146】
次に、サーチ手段19は、ステップ#2において、計測ウィンドウWの領域内の注目画素Qから図21に示すようにX方向と、Y方向と、これらXY方向に対して±45°方向と、これらX方向とY方向とXY方向に対して±45°方向を等分した4方向との各8方向にそれぞれサーチを行なう。
【0147】
次に、エッジ方向認識手段20は、8方向のエッジ方向の結果から図23(a)〜同図(i)又は図24(a)〜同図(c)に示すテンプレートを用いてエッジペアがあるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向に設計パターンPのエッジ方向があると認識する。
【0148】
以下、上記第1の実施の形態と同様に、エッジペアが認識されたところの各エッジ点をサブ画素で検出し、このエッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出し、かつ露光機1での撮像により取得された被検査パターンデータDs上で、設計パターンデータDf上で検出されたエッジペアの画素の位置と同一位置において、被検査パターンデータDsにおける回路パターンの幅寸法Sdを算出し、これら設計パターンPの幅寸法Rdと回路パターンの幅寸法Sdに基づいて半導体ウエハの回路パターンに対する良否判定を行う。
【0149】
このように上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。さらに、第2の実施の形態によれば、図25に示すような微細な回路パターンのエッジ方向の認識が可能となる。半導体ウエハの回路パターンは、微細化が進んでいるので、この微細化された回路パターンに対する検査に適用することは有効である。
【0150】
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0151】
この第3の実施の形態は、図1に示す上記第1の実施の形態のパターン認識手段14の機能を変更したものである。従って、この第3の実施の形態については、上記第1の実施の形態と相違するところを中心に説明する。
【0152】
この第3の実施の形態のパターン認識手段14は、図4に示すように、走査手段18と、サーチ手段19と、エッジ方向認識手段20とを有するが、このうちのエッジ方向認識手段20は上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様な機能を有するため、実質的に相違する部分は、走査手段18と、サーチ手段19である。
【0153】
以下に矩形状の基準パターン(設計パターン)Pと矩形状の被検査パターンDsとが図26に示すようにずれて配置されている場合を例として第3の実施の形態を説明する。
【0154】
走査手段18は、図27、図30に示すように第1の計測ウィンドウW1と第2の計測ウィンドウW2との2つの計測ウィンドウを有し、それぞれの計測ウィンドウW1,W2をそれぞれスキャン方向aに走査し、かつb方向にスキャン位置を移動して、設計パターンデータPの全体をスキャンする構成となっている。
【0155】
次に、基準パターンPと被検査パターンDsとの幅寸法を求めるステップ(S1〜S9)について具体的に説明する。
【0156】
ステップS1では、基準パターンPのエッジ画素位置を検出する。
【0157】
図27に示す第1の計測ウィンドウW1は、N×N画素で構成されている。N×N画素は、例えば3×3画素などである。この計測ウィンドウW1は、例えばその中心にある注目画素G10からx方向と、y方向と、これらxy方向に対して、±45°方向の4方向の基準パターンPのプロファイルをみており、3×3のウィンドウを検査開始位置から順次スキャン方向(a方向)、そしてテーブル移動方向(b方向)へと1画素ずつ移動して探索する。
【0158】
この探索により基準パターンPのエッジと計測ウィンドウW1とが最初に接する部分、つまりエッジ画素G11(第1エッジ画素)の位置が検出できる。図27の例では注目画素G10と第1エッジ画素G11とは同一画素となっている。
【0159】
次に、ステップS2では、白黒判別を行なう。
【0160】
基準パターンPの第1エッジ画素G11の位置を検出したら、4方向のプロファイルのそれぞれの方向に対して図28のように基準パターンPが白系または黒系のいずれになるかを判別する。この白系または黒系の判別はエッジ画素の明るさに基づいて、基準値に対して明るいもの(レベルが高い)を白系、暗いもの(レベルが低い)を黒系と判断している。
【0161】
次に、ステップS3では、基準パターンPのサブ画素位置を算出する。
【0162】
白黒判別結果から基準パターンPの各方向のプロファイルが立ち上がりか立ち下がりかを判断し、この判断結果に応じて、図29に示すように注目画素G10とそれに隣接する画素G12の2画素について寸法計測手段15により基準パターンのエッジの正確な位置(第1エッジ点)E11をサブ画素で算出する。
【0163】
次に、ステップS4では、基準パターンPから基準パターンPの第1エッジ周辺の方向を検出する。
【0164】
注目画素G10周辺の画素に対して、前述した第1または第2の実施例で述べたエッジ方向認識手段20を用いて、基準パターンPの第1エッジ周辺の方向(第1エッジ点E11を含むエッジの方向)が前述した第1または第2の実施例で定義した4方向、又は8方向のいずれに該当するかを求める。
【0165】
次に、ステップS5では、エッジペア候補を認識して基準パターンの有効なサーチ方向を決定する。
【0166】
上記ステップS4で求めた基準パターンPの注目画素周辺にある各エッジ方向が、予めサーチ方向毎に定義された複数のテンプレートの中から一致するものを探して、一致したものがあれば、これをエッジペア候補として認識し、対応するサーチ方向を有効とする。
【0167】
なお、テンプレートは、第2実施例で述べたエッジ方向認識手段20に書かれたものと同じものである。例えば、テンプレートは、5×5画素で構成されており、その中には4または8方向のエッジ方向や無視する情報が定義されている。
【0168】
次に、ステップS6では、被検査パターンの第1エッジ画素G21の位置を算出する。
【0169】
図30のように現在の基準パターンPの注目画素G10と同一場所を被検査パターンDsの注目画素G20とし、被検査パターンDsに対して第2の計測ウィンドウW2、例えば7×7画素のウィンドウW2を使ってS5で求めたサーチ方向にサーチして、基準パターンPと同様にして被検査パターンDsのエッジの正確な位置(第1エッジ点E21)をサブ画素で検出する。
【0170】
次に、ステップS7では、第1エッジ点での情報を格納する。
【0171】
上記ステップS1〜S6で得られた情報を図31のように情報メモリ50へ格納する。この情報メモリ50は、スキャン方向に1ブロック、他の3方向には画像センサ9の画素数だけのブロック分が必要で、1画素ずつ移動する毎に格納内容が更新されていく。
【0172】
次に、ステップS8では、基準パターンPの情報から第2エッジ点を検出する。
【0173】
上記ステップS5で検出したエッジペア候補のフラグに基づいて、第1、第2の計測ウインドウW1,W2のサーチが第1エッジ点E11、E21のペアとなる第2エッジ点E12、E22に到達するまで、各サーチ方向毎にステップS1〜S7が繰り返さる。
【0174】
次に、ステップS9では、基準パターンPと被検査パターンDsの幅寸法を求める。
【0175】
第2エッジ点を検出すると、上記ステップS5により再びサーチ方向毎に定義された複数のテンプレートの中から一致するものがあれば、ここで初めて幅寸法の計測が有効とみなす。
【0176】
そして、計測が有効であれば第1エッジ点の基準パターンPのサブ画素位置と基準パターンPの注目画素を起点にした被検査パターンDsのサブ画素位置、第2エッジ点の基準パターンのサブ画素位置と基準パターンPの注目画素を起点にした被検査パターンDsのサブ画素位置、及び第1エッジの基準パターンPの注目画素位置から第2エッジの注目画素位置が全て算出されているので、これらの情報から基準パターンPと被検査パターンDsの幅寸法を正確に求めることができる。
【0177】
なお、以上の工程では第1エッジの位置と第2エッジの位置とを求めている例を説明したが、上述の第2エッジを第1エッジと見立てて、前記のステップS1〜S9を繰り返して実施し、また以降も更に同様な繰り返し工程を実施することにより広範囲な設計パターンデータの寸法検査を実施することができる。
【0178】
なお、本発明は、上記第1乃至第3の実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0179】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0180】
例えば、上記各実施の形態では、複数のしきい値を用意しているが、このしきい値は、実際にはさらに背景が白系か黒系か、又はパターン方向、その角度によっても変わるので、それぞれに個別に用意してもよい。
【0181】
又、被検査パターンの幅寸法Sdと設計パターンPの幅寸法Rdからそれぞれの中心位置を算出することで、設計データベースから設計パターンPを生成する過程の中で生じた形状ずれEを図17に示す度数分布図から求めることができるので、この結果からマスク2に形成された回路パターン検査の欠陥検査機能の性能を向上させることができる。
【0182】
又、マスク2の投影像を撮像して得られた設計パターンデータDfと被検査パターンデータDsとを比較して検査するのでなく、隣接するダイの各回路パターンの寸法を比較することにより、さらに精度を向上させることができる。
【0183】
エッジのパターン方向の検出は、4方向又は8方向のサーチに限られることなく、任意の方向にサーチ方向を拡張してサーチの精度を向上させるようにしてもよい。
【0184】
エッジペアの認識については、テンプレートの大きさを拡張してマッチングの自由度を向上させるようにしてもよい。
【0185】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法を算出するときに、複数方向にそれぞれサーチを行って基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、被検査パターンの幅方向における両エッジ部に対応する各画素をエッジペアと認識し、このエッジペアが認識されたところの各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、被検査パターンの寸法と基準パターンの寸法との差から半導体ウエハの回路パターンの仕上がり寸法(CD)を正確に検査でき、かつ基準パターンの寸法誤差から作成した度数分布に基づいて被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値又はオフセット値を可変設定するので、たとえ半導体ウエハの回路パターンのデータを格納する設計データベースから設計データを生成する過程で回路パターンに形状ずれが生じたとしても、また被検査パターンの白/黒の違いから生じる形状ずれが生じても正確に半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法を検査できる寸法検査方法及びその装置を提供できる。
【0186】
又、本発明によれば、半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法を算出するときに、複数方向にそれぞれサーチを行って基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、被検査パターンの幅方向における両エッジ部に対応する各画素をエッジペアと認識し、このエッジペアが認識されたところの各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、被検査パターンの寸法と基準パターンの寸法との差から半導体ウエハの回路パターンの仕上がり寸法(CD)を正確に検査でき、かつ基準パターンの寸法誤差から作成した度数分布に基づいて被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値又はオフセット値を可変設定するので、たとえ半導体ウエハの回路パターンのデータを格納する設計データベースから設計データを生成する過程で回路パターンに形状ずれが生じたとしても、また被検査パターンの白/黒の違いから生じる形状ずれが生じても正確に半導体ウエハの回路パターンなどの被検査パターンの寸法を検査してマスクを製造するためのマスクの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における設計パターンデータ上の計測ウィンドウのスキャンを示す模式図。
【図3】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における比較回路の作用の模式図、
【図4】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるパターン認識手段の機能ブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における計測ウィンドウのスキャンを示す図。
【図6】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における計測ウィンドウ内のサーチを示す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジペアを示す模式図。
【図8】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ点検出の作用を示す図。
【図9】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における寸法計測手段の機能ブロック図。
【図10】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図11】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図12】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図13】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図14】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図15】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における寸法誤差判定手段の機能ブロック図。
【図16】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置におけるしきい値可変設定手段の機能ブロック図。
【図17】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における設計パターンの寸法誤差の度数分布図。
【図18】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における設計パターン寸法に対するしきい値の関係を示す図。
【図19】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における比較回路の動作流れ図。
【図20】本発明の第1の実施の形態である寸法検査装置における設計パターンとへこみがある回路パターンとを示す図。
【図21】本発明の第2の実施の形態である寸法検査装置におけるサーチ方向を示す模式図。
【図22】本発明の第2の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジペアの組み合わせのテンプレートを示す模式図。
【図23】本発明の第2の実施の形態である寸法検査装置におけるテンプレートの1画素のエッジ方向を示す模式図。
【図24】本発明の第2の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジペアの組み合わせのテンプレートを示す模式図。
【図25】本発明の第2の実施の形態である寸法検査装置におけるエッジ方向の認識作用を示す模式図。
【図26】本発明の第3の実施の形態である寸法検査装置におけるずれて配置さている矩形状の基準パターンと被検査パターンとを示す図。
【図27】本発明の第3の実施の形態である寸法検査装置における走査手段の計測ウィンドウを示す模式図。
【図28】本発明の第3の実施の形態である寸法検査装置における走査手段の計測ウィンドウを示す模式図。
【図29】本発明の第3の実施の形態である寸法検査装置における基準パターンのサブ画素位置での算出を示す模式図。
【図30】本発明の第3の実施の形態である寸法検査装置における被検査パターンの第1エッジ画素の位置の算出を示す模式図。
【図31】本発明の第3の実施の形態である寸法検査装置における第1エッジ点での情報の格納を説明するための模式図。
【符号の説明】
1:露光機
2:マスク
3:テーブル
4:照明系
5:照明光
6:反射ミラー
7:コンデンサレンズ
8:対物レンズ
9:画像センサ
10:画像処理回路
11:データ展開回路
12:設計データ
13:比較回路
14:パターン認識手段
15:寸法計測手段
16:寸法誤差判定手段
17:しきい値可変設定手段
18:走査手段
19:サーチ手段
20:エッジ方向認識手段
21:プロファイル取得手段
22:エッジ点検出手段
23:第1の幅寸法手段
24:第2の幅寸法手段
25:寸法誤差算出手段
26:判定手段
27:度数分布作成手段
28:可変設定手段
Claims (3)
- 基準パターンの画像データを読み取って、前記基準パターンの幅方向における両端の各エッジ部における各画素値から前記基準パターンのエッジ方向を認識するもので、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンの前記エッジ方向を検出する工程と、前記計測ウィンドウ領域内の注目画素から複数方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、前記両エッジ部に対応する前記各画素を一対として認識し、前記一対の各画素がある方向から前記基準パターンの前記エッジ方向を認識する工程とを有する第1の工程と、
前記各エッジ部の前記各画素値に基づいて前記エッジ方向を認識した前記両端の各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第2の工程と、
被検査パターンの画像データを取得する第3の工程と、
前記被検査パターンの画像データを読み取り、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置のエッジ部から前記被検査パターンの幅寸法を算出する第4の工程と、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づいて前記被検査パターンに対する良否判定を行う第5の工程と、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成し、この度数分布に基づいて前記被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値を可変設定する第6の工程と、
を有することを特徴とする寸法検査方法。 - 基準パターンの画像データを読み取って、前記基準パターンの幅方向における両端の各エッジ部における各画素値から前記基準パターンのエッジ方向を認識するもので、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する手段と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する手段と、前記計測ウィンドウ領域内の注目画素から複数方向にそれぞれサーチを行なう手段と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、前記両エッジ部に対応する前記各画素を一対として認識し、前記一対の各画素がある方向から前記基準パターンの前記エッジ方向を認識する手段とを有するパターン認識手段と、
前記各エッジ部の前記各画素値に基づいて前記エッジ方向を認識した前記両端の各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第1の寸法計測手段と、
被検査パターンの画像データを取得する手段と、
前記被検査パターンの画像データを読み取り、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置のエッジ部から前記被検査パターンの幅寸法を算出する第2の寸法計測手段と、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づいて前記被検査パターンに対する良否判定を行う寸法誤差判定手段と、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成し、この度数分布に基づいて前記被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値を可変設定するしきい値可変設定手段と、
を具備したことを特徴とする寸法検査装置。 - 基板に半導体装置の回路パターンを形成したマスクを作成する第1の工程と、
前記半導体装置の回路パターンの設計データに基づいて基準パターンの第1の画像データを作成する第2の工程と、
前記マスクに光を投影し前記マスクの投影像を撮像して前記回路パターンの第2の画像データを作成する第3の工程と、
前記基準パターンの画像データを読み取って、前記基準パターンの幅方向における両端の各エッジ部における各画素値から前記基準パターンのエッジ方向を認識するもので、前記基準パターンに対して計測ウィンドウを走査する工程と、前記基準パターンのエッジ方向を検出する工程と、前記計測ウィンドウ領域内の注目画素から複数方向にそれぞれサーチを行なう工程と、前記サーチ方向に基づいて前記基準パターンの両エッジ部周辺のエッジの方向がエッジ方向パターンのテンプレートを用いて相対すれば、前記両エッジ部に対応する前記各画素を一対として認識し、前記一対の各画素がある方向から前記基準パターンの前記エッジ方向を認識する工程とを有する第4の工程と、
前記各エッジ部の前記各画素値に基づいて前記エッジ方向を認識した前記両端の各エッジ点をエッジ検出用のしきい値を用いて隣接する各画素の間のサブ画素で検出し、これらエッジ点から前記基準パターンの幅寸法を算出する第5の工程と、
前記回路パターンの画像データを読み取り、前記基準パターンで前記幅寸法を算出した前記エッジ部の位置と同一位置のエッジ部から前記回路パターンの幅寸法を算出する第6の工程と、
前記基準パターンの幅寸法と前記回路パターンの幅寸法とに基づいて前記回路パターンに対する良否判定を行う第7の工程と、
前記基準パターンの幅寸法と前記回路パターンの幅寸法とに基づく寸法誤差の度数分布を作成し、この度数分布に基づいて前記被検査パターンのパターン異常を判定するためのしきい値を可変設定する第8の工程と、
を有することを特徴とするマスクの製造方法。
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