JP3648495B2 - 欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、パターンが形成された半導体チップ等のチップ部品等の被検査体を撮像して取得した被検査画像データと参照画像データとを比較して欠陥検査を行う欠陥検査方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップ等のチップ部品等には、微細な回路パターンが形成されている。このパターンは、チップ上の各領域においてパターンの形成される密度が異なっている。
【0003】
このようなパターン検査方法は、予め良品のパターンを撮像して取得した画像(以下、参照画像データと称する)を記憶し、検査するパターンを撮像してその画像(以下、被検査画像データと称する)を取得し、この被検査画像データと参照画像データとの差分を求める。次に、差分の画像データから差分値の大きい部分を抽出し、この抽出した部分が連続する領域のサイズを求める。次に、抽出した部分のサイズと予め設定された欠陥サイズ判定用の閾値とを比較し、抽出した部分の欠陥判定を行う。
【0004】
このパターン検査方法において欠陥サイズ判定用の閾値は、パターンの各領域毎に指定される。そして、欠陥判定は、各領域毎に指定された各閾値により行うのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
チップ部品に形成されるパターンは、各領域において密度が異なっているために、各領域毎にその領域の形状が複雑であったり、領域の形成数が多い。このため、これら領域毎にそれぞれ欠陥サイズ判定用の閾値を指定する作業を行わなければならず、その作業に膨大な時間が掛かると共に、閾値の指定の作業効率が低下する。
【0006】
そこで本発明は、パターンの密度に応じて自動的に欠陥部分のサイズに応じた欠陥検出感度を有するサイズ判定領域を設定して欠陥検査ができる欠陥検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パターンが描かれた被検査体を撮像して取得した被検査画像データと参照画像データとに基づいて被検査体の欠陥検査を行う欠陥検査方法において、参照画像データをパターンの幅に応じた明度に変換して、この明度に応じた各欠陥検出感度の各サイズ判定領域を有する感度画像データを作成し、被検査画像データと参照画像データとに基づいて欠陥部分を抽出して、この欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成し、欠陥サイズ画像データと感度画像データとを比較して欠陥部分に対する欠陥判定を行うことを特徴とする欠陥検査方法である。
【0008】
本発明は、パターンが描かれた被検査体を撮像して取得した被検査画像データと参照画像データとに基づいて被検査体の欠陥検査を行う欠陥検査装置において、参照画像データをパターンの幅に応じた明度に変換し、この明度に応じた各欠陥検出感度の各サイズ判定領域を有する感度画像データを作成する感度作成手段と、被検査画像データと参照画像データと差分に基づいて欠陥部分を抽出し、この欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成する欠陥サイズ作成手段と、欠陥サイズ画像データと感度画像データとを比較して欠陥部分に対する欠陥判定を行う判定手段とを具備したことを特徴とする欠陥検査装置である。
【0009】
本発明の欠陥検査装置における感度作成手段は、参照画像データの横方向と縦方向とのパターン幅をそれぞれ明度に変換して横スキャン画像データと縦スキャン画像データとを作成する。
【0010】
本発明の欠陥検査装置における感度作成手段は、前記参照画像データの横方向と縦方向とにおいてそれぞれ直線状にスキャンして白レベル又は黒レベルの連続する画素数を計測してパターン幅を求め、このパターン幅に応じた明度に変換する。
【0011】
本発明の欠陥検査装置における感度作成手段は、欠陥部分を検出するに必要なサイズに応じて明度を調整して感度画像データを作成する。
【0012】
本発明の欠陥検査装置における感度作成手段は、横スキャン画像データと縦スキャン画像データとにおける明度のうち小さな明度を抽出し、当該明度を用いて欠陥検出感度を有する感度画像データを作成する。
【0013】
本発明の欠陥検査装置における感度作成手段は、横スキャン画像データの明度と縦スキャン画像データの明度とを比較し、小さい方の明度を欠陥検出感度として設定して感度画像データを作成する。
【0014】
本発明の欠陥検査装置における感度作成手段は、横スキャン画像データの明度と縦スキャン画像データの明度とが共に大きな部分をパターンコーナ部分として抽出し、このパターンコーナ部分の明度を補正する。
【0015】
本発明の欠陥検査装置における欠陥サイズ作成手段は、欠陥サイズ画像データにおける欠陥部分を分割し、これら分割された欠陥部分毎に各サイズを求め、これらサイズを明度に変換する。
【0016】
本発明の欠陥検査装置における欠陥サイズ作成手段は、分割された各欠陥部分をラベリングし、これらラベリング結果を用いて分割された各欠陥部分を再生する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は欠陥検査装置の構成図である。チップ部品1には、回路パターン2が形成されている。このチップ部品1は、参照画像データを取得するために良品がテーブル3上に載置される。又、パターン欠陥検査を行う未検査のチップ部品1がテーブル3上に載置される。
【0019】
チップ部品1の上方には、CCDカメラ4が設けられる。このCCDカメラ4は、チップ部品1の回路パターン2を撮像してその画像信号を出力する。このCCDカメラ4は、テレビジョン(TV)カメラ又はラインセンサカメラに代えてもよい。ラインセンサカメラを用いた場合は、ラインセンサカメラを回路パターン2の上方でスキャンさせたり、又はテーブル3を移動させたりして回路パターン2の全体の画像を取得する。
【0020】
画像処理部5は、CCDカメラ4から出力される画像信号を入力し、良品のチップ部品1の画像データを参照画像データとして参照画像メモリ6の記憶し、かつ未検査のチップ部品1の画像データを順次入力し、これら画像データを被検査画像データとして被検査画像メモリ7に記憶する機能を有する。
【0021】
差分演算部8は、参照画像メモリ6に記憶されている参照画像データと被検査画像メモリ7に記憶されている被検査画像データとを読み出し、これら参照画像データと被検査画像データと差分、すなわち濃淡レベルの差を求め、この差分画像データを取得する機能を有する。
【0022】
感度作成部9は、参照画像メモリ6に記憶されている参照画像データを読み出し、この参照画像データをパターンの幅に応じた明度に変換し、この明度に応じた各欠陥検出感度の各サイズ判定領域を有する感度画像データを作成する機能を有する。
【0023】
具体的に感度作成部9は、参照画像データを所定の閾値で2値化処理し、この2値化された参照画像データに対して横方向と縦方向とにそれぞれ直線状にスキャンし、白レベル又は黒レベルの連続する画素数を計測してパターン幅を求め、このパターン幅に応じた明度に変換して横スキャン画像データと縦スキャン画像データとを作成する。
【0024】
例えば、図2は2値化された参照画像データの模式図であって、2値化によって白レベル部分wと黒レベル部分bとがある。白レベル部分wはチップ部品1における回路パターン2の金属の配線パターンの部分であり、黒レベル部分bは絶縁体の部分である。
【0025】
感度作成部9は、参照画像データ上において横方向xにスキャンし、例えばスキャン位置x1において白レベル部分wを連続して検出し、次に黒レベル部分bを検出し、再び白レベル部分w、黒レベル部分b、白レベル部分w、黒レベル部分bを検出する。
【0026】
次に、感度作成部9は、各白レベル部分wと各黒レベル部分bとを検出すると共に、白レベル又は黒レベルの連続する画素数を計測してパターン幅を求める。
【0027】
次に、感度作成部9は、パターン幅に応じた明度に変換して図3に示すような横スキャン画像データを作成する。
【0028】
例えば、スキャン位置x1において最初に検出した白レベル部分wが5画素連続し、次に黒レベル部分bが2画素、次に白レベル部分wが2画素、次に黒レベル部分bが2画素、次に白レベル部分wが2画素、次に黒レベル部分bが2画素連続して検出されると、感度作成部9は、図2に示すように最初に検出した白レベル部分wに対して例えば明度「5」、次の黒レベル部分bに対して明度「2」、次の白レベル部分wに対して明度「2」、次の黒レベル部分bに対して明度「2」、次の白レベル部分wに対して明度「2」、次の黒レベル部分bに対して明度「2」を設定する。
【0029】
なお、ここで明度は、分かり易くするために連続して検出された画素数にしているが、これに限られるものでなく、パターン幅に対応した任意の明度値に変換してよい。
【0030】
以上と同様に、感度作成部9は、参照画像データ上において縦方向yにスキャンし、図4に示すような縦スキャン画像データを作成する。この縦スキャン画像データは、例えばスキャン位置y1において最初に検出した白レベル部分wが8画素連続し、次に黒レベル部分bが6画素連続して検出されるので、感度作成部9は、図4に示すように最初に検出した白レベル部分wに対して明度「8」、次の黒レベル部分bに対して明度「6」を設定する。
【0031】
又、感度作成部9は、図3に示す横スキャン画像データと図4に示す縦スキャン画像データとにおける各明度を、欠陥部分を検出するに必要なサイズに応じた各明度に調整して図5に示すような感度画像データを作成する
例えば、パターン幅の例えば2分の1以上のサイズで欠陥部分を検出したいときは、欠陥検出感度を「5」の2分の1の「2.5」に設定するが、ここでは少数点以下を切り捨て欠陥検出感度を「2」以上にする。
【0032】
このようにして図5に示すような欠陥検出感度「2」以上と、「3」以上と、「1」以上とを有する横方向の感度画像データが作成される。
【0033】
なお、欠陥検出感度は、パターン幅の2分の1以上のサイズで欠陥部分を検出したい場合について説明したが、これに限らず、欠陥部分の検出に必要とするサイズに応じて明度を調節してもよい。
【0034】
又、感度作成部9は、図3に示す横スキャン画像データの明度と図4に示す縦スキャン画像データの明度とが共に大きな部分、例えば予め設定された閾値よりも両明度が大きくなる部分をパターンコーナ部分として抽出し、このパターンコーナ部分の明度を補正する機能を有する。
【0035】
図6は抽出された代表的なパターンコーナ部分C1〜C5であり、これらパターンコーナ部分C1〜C5の明度すなわち欠陥検出感度が補正される。この欠陥検出感度の補正は、例えばパターンコーナ部分C1で説明すると、このパターンコーナ部分C1における横方向と縦方向との各幅に対応する各明度を求め、これら明度をそれぞれ横方向及び縦方向の各欠陥検出感度として補正する。
【0036】
なお、この欠陥検出感度は、パターン幅の2分の1以上のサイズで欠陥部分を検出したいとき、パターンコーナ部分C1における横方向と縦方向との各幅の長さに対応する各明度の2分の1をそれぞれ横方向及び縦方向の各欠陥検出感度として補正してもよい。
【0037】
このようにパターンコーナ部分C1における欠陥検出感度の補正を行わなければ、例えば図7に示すようなパターンコーナ部分Csにおいては、横方向及び縦方向にパターン幅の長い状態で設定された高い明度の欠陥検出感度により欠陥部分Gを検出することになる。
【0038】
この場合、例えば欠陥検出感度がサイズ「2」以上で、欠陥部分Gのサイズが「1」であれば、欠陥部分Gは、検出されるべきサイズの欠陥であっても検出されない。
【0039】
従って、パターンコーナ部分C1における欠陥検出感度を補正することにより、パターンコーナ部分C1に存在する欠陥部分Gを確実に検出できる。
【0040】
欠陥サイズ作成部10は、差分演算部8により取得された差分画像データを受け取り、この差分画像データに基づいて欠陥部分を抽出し、この欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成する機能を有する。
【0041】
この場合、欠陥サイズ作成部10は、被検査画像データを予め設定された閾値により2値化したときの白レベル部分上に存在する欠陥部分(以下、白上欠陥と称する)と黒レベル部分上に存在する欠陥部分(以下、黒上欠陥と称する)とに分ける。
【0042】
次に、欠陥サイズ作成部10は、白上欠陥と黒上欠陥とに対してそれぞれラベリングを行い、これら白上欠陥と黒上欠陥との各サイズを計測して、これら白上欠陥と黒上欠陥との各幅(x方向)及び高さ(y方向)を求める。
【0043】
ここで、欠陥部分Gは、図8に示すように白レベル部分と黒レベル部分との境界上に存在(パターンエッジ上に跨って存在)することがある。
【0044】
このような欠陥部分Gのサイズを計測する場合、欠陥サイズ作成部10は、欠陥部分Gをパターン形状に応じて分割し、例えば図8に示す欠陥部分Gではパターン形状に応じて2分割し、これら分割された各欠陥部分G1、G2毎に各サイズを求め、これらサイズを明度に変換する機能を有する。
【0045】
又、欠陥サイズ作成部10は、分割された各欠陥部分G1、G2に対してラベリングを行う機能を有する。
【0046】
判定部11は、欠陥サイズ作成部10により作成された欠陥サイズ画像データと感度作成部9により作成された感度画像データとをそれぞれ受け取り、これら欠陥サイズ画像データと感度画像データと比較し、例えば欠陥サイズ画像データが感度画像データよりも明るい部分を抽出することで欠陥部分Gに対する欠陥判定を行う機能を有する。
【0047】
又、判定部11は、欠陥サイズ作成部10により分割された各欠陥部分G1、G2に対してラベリングした結果を読み取り、これらラベリング結果を用いて分割された各欠陥部分G1、G2を再生する機能を有する。
【0048】
次に、上記の如く構成された装置の作用について図9に示す欠陥検査フローチャートに従って説明する。
【0049】
先ず、良品のチップ部品1がテーブル3上に載置される。CCDカメラ4は、良品のチップ部品1の回路パターン2を撮像してその画像信号を出力する。この画像信号は、画像処理部5に送られる。
【0050】
この画像処理部5は、CCDカメラ4から出力される画像信号を入力し、良品のチップ部品1の画像データを参照画像データとして参照画像メモリ6に記憶する。
【0051】
なお、検査しようとするチップ部品1の参照画像データが予め参照画像メモリ6に記憶されていれば、良品のチップ部品1の参照画像データを取得する必要はない。
【0052】
次に、未検査のチップ部品1が順次テーブル3上に載置される。CCDカメラ4は、未検査のチップ部品1の回路パターン2を撮像してその画像信号を出力する。この画像信号は、画像処理部5に送られる。
【0053】
この画像処理部5は、CCDカメラ4から出力される画像信号を入力し、未検査の各チップ部品1の各画像データを順次入力し、これら画像データを被検査画像データとして被検査画像メモリ7に記憶する。
【0054】
次に、感度作成部9は、ステップ#1において、参照画像メモリ6に記憶されている参照画像データを読み出し、この参照画像データをパターンの幅に応じた明度に変換する。
【0055】
図10は欠陥検査の具体的なアルゴリズムを示す。先ず、感度作成部9は、ステップ#1−1において、参照画像データを所定の閾値で2値化処理する。
【0056】
次に、感度作成部9は、ステップ#1−2において、2値化された参照画像データに対して横方向に直線状にスキャンし、白レベル又は黒レベルの連続する画素数を計測してパターン幅を求め、このパターン幅に応じた明度に変換して図3に示すような横スキャン画像データを作成する。
【0057】
これと共に、感度作成部9は、ステップ#1−3において、2値化された参照画像データに対して縦方向に直線状にスキャンし、白レベル又は黒レベルの連続する画素数を計測してパターン幅を求め、このパターン幅に応じた明度に変換して図4に示すような縦スキャン画像データを作成する。
【0058】
次に、感度作成部9は、ステップ#2において、図3に示す横スキャン画像データにおける明度を、欠陥部分を検出するに必要なサイズに応じた明度に調整して横方向の感度画像データを作成する。
【0059】
例えば、パターン幅の例えば2分の1以上のサイズで欠陥部分を検出したいときは、感度作成部9は、例えば図3に示す横スキャン画像データにおける欠陥検出感度を「5」の2分の1の「2.5」に設定するが、ここでは少数点以下を切り捨て欠陥検出感度を「2」以上にする。これにより、感度作成部9は、図5に示すような欠陥検出感度「2」以上と、「3」以上と、「1」以上とを有する横方向の感度画像データを作成する。
【0060】
これと共に感度作成部9は、上記同様に、図4に示す縦スキャン画像データにおける明度を、欠陥部分を検出するに必要なサイズに応じた明度に調整して縦方向の感度画像データを作成する。
【0061】
又、感度作成部9は、ステップ#2−1において、図3に示す横スキャン画像データの明度と図4に示す縦スキャン画像データの明度とが共に大きな部分、例えば予め設定された閾値よりも両明度が大きくなる部分を、例えば図6に示すようにパターンコーナ部分C1〜C5として抽出する。
【0062】
次に、感度作成部9は、ステップ#2−2において、各パターンコーナ部分C1〜C5の明度すなわち欠陥検出感度を補正する。すなわち、感度作成部9は、例えばパターンコーナ部分C1における横方向の幅に対応する明度を求め、この明度を横方向の欠陥検出感度として補正する。
【0063】
これと共に感度作成部9は、ステップ#2−3において、各パターンコーナ部分C1〜C5の明度すなわち欠陥検出感度を補正する。すなわち、感度作成部9は、例えばパターンコーナ部分C1における縦方向の幅に対応する明度を求め、この明度を縦方向の欠陥検出感度として補正する。
【0064】
これらパターンコーナ部分C1〜C5での欠陥検出感度は、例えばパターン幅の2分の1以上のサイズで欠陥部分を検出したいとき、パターンコーナ部分C1における横方向と縦方向との各幅の長さに対応する各明度の2分の1をそれぞれ横方向及び縦方向の各欠陥検出感度として補正してもよい。
【0065】
なお、2値化された参照画像データ、並びに横スキャン画像データと縦スキャン画像データとは、それぞれ幅プレビューと高さプレビューとして図示しないディスプレイに表示される。
【0066】
一方、差分演算部8は、ステップ#3において、参照画像メモリ6に記憶されている参照画像データと被検査画像メモリ7に記憶されている被検査画像データとをそれぞれ読み出し、これら参照画像データと被検査画像データと差分、すなわち濃淡レベルの差を求め、この差分画像データを取得する。
【0067】
次に、欠陥サイズ作成部10は、ステップ#4において、差分演算部8により取得された差分画像データを受け取り、この差分画像データに基づいて欠陥部分を抽出し、次のステップ#5において、欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成する。
【0068】
ここで、欠陥サイズ作成部10は、被検査画像データを予め設定された閾値により2値化し、ステップ#4−1において2値化した被検査画像データ上から白レベル部分上に存在する白上欠陥を抽出し、これと共にステップ#4−2において黒レベル部分上に存在する黒上欠陥を抽出する。
【0069】
次に、欠陥サイズ作成部10は、ステップ#5−1において、白上欠陥に対してラベリングを行い、次のステップ#5−2において白上欠陥のサイズを計測して、ステップ#5−3において白上欠陥の横方向を求めると共に、ステップ#5−4において縦方向を求める。
【0070】
そして、欠陥サイズ作成部10は、白上欠陥の横方向と縦方向とをそれぞれ各明度に変換する。
【0071】
これと共に欠陥サイズ作成部10は、ステップ#5−5において、黒上欠陥に対してラベリングを行い、次のステップ#5−6において黒上欠陥のサイズを計測して、ステップ#5−7において黒上欠陥の横方向を求めると共に、ステップ#5−8において縦方向を求める。
【0072】
そして、欠陥サイズ作成部10は、黒上欠陥の横方向と縦方向とをそれぞれ各明度に変換する。
【0073】
ここで、欠陥部分Gは、図8に示すように白レベル部分と黒レベル部分との境界上に存在することがある。
【0074】
このような欠陥部分Gのサイズを計測する場合、欠陥サイズ作成部10は、欠陥部分Gをパターン形状に応じて分割し、例えば図8に示す欠陥部分Gではパターン形状に応じて各欠陥部分G1、G2に2分割する。
【0075】
そして、欠陥サイズ作成部10は、これら分割された各欠陥部分G1、G2毎に各サイズを求め、これらサイズを明度に変換する。
【0076】
しかるに、白上欠陥の横方向及び縦方向の各欠陥サイズ画像データと、黒上欠陥の横方向及び縦方向の各欠陥サイズ画像データとが作成される。
【0077】
欠陥サイズ作成部10は、白上欠陥の幅と黒上欠陥の幅とをステップ#5−9において合せ、この合せた欠陥サイズ画像データを判定部11に送り、かつ白上欠陥の縦方向と黒上欠陥の縦方向とをステップ#5−10において合せ、この合せた欠陥サイズ画像データを判定部11に送る。
【0078】
次に、判定部11は、ステップ#6において、欠陥サイズ作成部10により作成された欠陥サイズ画像データと感度作成部9により作成された感度画像データとをそれぞれ受け取り、これら欠陥サイズ画像データと感度画像データと比較し、例えば欠陥サイズ画像データが感度画像データよりも明るい部分を抽出することで欠陥部分Gに対する欠陥判定を行う。
【0079】
この場合、判定部11は、白上欠陥の幅と黒上欠陥の幅との合せた欠陥サイズ画像データと横方向の感度画像データとをステップ#6−1において比較し、欠陥サイズ画像データが感度画像データよりも明るい部分を欠陥部分Gとして判定する。
【0080】
これと共に判定部11は、白上欠陥の縦方向と黒上欠陥の縦方向とを合せた欠陥サイズ画像データと縦方向の感度画像データとをステップ#6−2において比較し、欠陥サイズ画像データが感度画像データよりも明るい部分を欠陥部分Gとして判定する。
【0081】
このような欠陥判定であれば、例えば、図5に示すようなパターン幅の例えば2分の1以上のサイズで欠陥部分を検出したいときの感度画像データを用いるので、パターン幅の2分の1以上のサイズの欠陥部分Gを確実に検出できる。
【0082】
なお、感度画像データのサイズを変更すれば、パターン幅の2分の1以下のサイズの欠陥部分Gも確実に検出できる。
【0083】
又、図7に示すようにパターンコーナ部分C1〜C5に欠陥部分Gが存在していても、この欠陥部分Gを例えばパターン幅の2分の1以上のサイズで確実に検出できる。
【0084】
又、欠陥部分Gが図8に示すように白レベル部分と黒レベル部分との境界上に存在していても、この欠陥部分Gをパターン形状に応じて各欠陥部分G1、G2に2分割し、これら欠陥部分G1、G2毎に各サイズに対応した明度に変換するので、これら欠陥部分G1、G2毎に例えばパターン幅の2分の1以上のサイズの欠陥部分Gを確実に検出できる。
【0085】
従って、図11に示すように黒レベル部分のパターン上に存在する欠陥部分Gaのサイズが例えばパターン幅の2分の1以上であれば、この欠陥部分Gaは欠陥として判定される(NG)。
【0086】
これに対して白レベル部分と黒レベル部分との境界上に存在する欠陥部分Gbの黒レベル部分上に存在する部分G1のサイズが例えばパターン幅の2分の1以下であれば、この欠陥部分G1は欠陥として判定されない(OK)。同様に、白レベル部分上に存在する部分G2のサイズが例えばパターン幅の2分の1以下であれば、この欠陥部分G2は欠陥として判定されない(OK)。
【0087】
しかしながら、黒レベル部分上に存在する部分G1のサイズが例えばパターン幅の2分の1以上であれば、この欠陥部分G1は欠陥として判定される(NG)。同様に、白レベル部分上に存在する部分G2のサイズが例えばパターン幅の2分の1以上であれば、この欠陥部分G2は欠陥として判定される(NG)。
【0088】
従って、欠陥部分Gaと欠陥部分Gbとのサイズが同一であっても、欠陥部分Ga、Gbの存在するところによって欠陥判定結果は相違する。
【0089】
次に、判定部11は、ステップ#7−1に移り、上記ステップ#6−1での欠陥判定結果と上記ステップ#6−2での欠陥判定結果とを合せる。
【0090】
次に、判定部11は、ステップ#7−2において、上記ステップ#5−1においてラベリングされた白上欠陥と、上記ステップ#5−5においてラベリングされた黒上欠陥とを整理する。
【0091】
このとき、判定部11は、欠陥サイズ作成部10により分割された各欠陥部分G1、G2に対してラベリングした結果を読み取り、これらラベリング結果を用いて分割された各欠陥部分G1、G2を再生する。これにより、図8に示すように白レベル部分と黒レベル部分との境界上に存在する欠陥部分Gは、図12に示すように例えば白レベル部分上の欠陥部分G2のみが再生されるのでなく、分割した各欠陥部分G1、G2を合わした欠陥部分Gbとして再生できる。
【0092】
このように上記一実施の形態においては、参照画像データをパターンの幅に応じた明度に変換し、この明度に応じた各欠陥検出感度の各サイズ判定領域を有する感度画像データを作成し、一方、被検査画像データと参照画像データと差分に基づいて欠陥部分を抽出し、この欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成し、これら欠陥サイズ画像データと感度画像データとを比較して欠陥部分に対する欠陥判定を行うので、パターン幅に応じた感度画像データを自動的に作成でき、パターン上の欠陥部分Gを確実に判定できる。
【0093】
この場合、チップ部品1上の回路パターン2が各領域毎に密度が異なっていたり、各領域毎にその領域の形状が複雑であったり、領域の形成数が多くても、これら領域毎にそれぞれ欠陥サイズ判定用の閾値を指定する作業を行わずに自動的に欠陥部分の判定ができる。
【0094】
従って、チップ部品1に形成された回路パターン2の欠陥検査は、その作業に膨大な時間が掛かることなく、作業効率を向上できる。
【0095】
又、感度画像データのサイズを任意のサイズに変更すれば、パターン幅の2分の1以下のサイズ又は各種サイズの欠陥部分Gを検出できる。
【0096】
又、図7に示すようにパターンコーナ部分C1〜C5に欠陥部分Gが存在していても、各パターンコーナ部分C1〜C5の明度すなわち欠陥検出感度を補正するので、これらパターンコーナ部分C1〜C5に存在する欠陥部分Gを例えばパターン幅の2分の1以上のサイズで確実に検出できる。
【0097】
又、欠陥部分Gが図8に示すように白レベル部分と黒レベル部分との境界上に存在していても、この欠陥部分Gをパターン形状に応じて各欠陥部分G1、G2に2分割し、これら欠陥部分G1、G2毎に各サイズに対応した明度に変換するので、これら欠陥部分G1、G2毎に例えばパターン幅の2分の1以上のサイズの欠陥部分Gを確実に検出できる。
【0098】
又、各欠陥部分及び分割された各欠陥部分G1、G2に対してラベリングを行うので、各欠陥部分の整理が容易にでき、かつ分割した各欠陥部分G1、G2を忠実に再生できる。
【0099】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0100】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0101】
例えば、上記一実施の形態では、参照画像データ及び被検査画像データをそれぞれ2値化しているが、これに限らず、3値、4値などの多値の画像データに変換してもよい。
【0102】
又、参照画像データと被検査画像データと差分に基づいて欠陥部分を抽出しているが、これに限らず、差分の絶対値、又は最小min−最大max法を用いてもよい。
【0103】
感度画像データの欠陥検出感度は、パターン幅の2分の1以上のサイズに限らない。又、例えば16段階の感度にしたい場合は、パターン幅を16階調に変換すればよい。さらに、1/2幅の感度にするために0〜256を0〜128にすること、並びに16の区分にしたときの値の振り方を例えば0.8,16,24,32,40,48,56,64,72,80,88,96,104,112,120,128としてもよい。
【0104】
又、感度画像データを求めるために横方向及び縦方向とにスキャンしているが、このスキャン方向は任意の方向、例えば斜め方向にしてもよい。
【0105】
又、感度画像データにおける欠陥検出感度は、図3に示す横スキャン画像データと図4に示す縦スキャン画像データとにおける各明度を比較し、小さい方の明度を欠陥検出感度として設定して1枚の感度画像データを作成してもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、パターンの密度に応じて自動的に欠陥部分のサイズに応じた欠陥検出感度を有するサイズ判定領域を設定して欠陥検査ができる欠陥検査方法及びその装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における2値化された参照画像データの模式図。
【図3】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における横スキャン画像データの模式図。
【図4】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における縦スキャン画像データの模式図。
【図5】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における感度画像データの模式図。
【図6】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態におけるパターンコーナ部分における欠陥検出感度の補正作用を説明するためのの図。
【図7】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態におけるパターンコーナ部分での欠陥部分の見逃しを説明するための図。
【図8】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における白と黒レベル部分の境界上に存在する欠陥部分の検出作用を説明するための図。
【図9】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における欠陥検査フローチャート。
【図10】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における欠陥検査の具体的なアルゴリズムを示す図。
【図11】本発明に係わる欠陥検査装置の一実施の形態における欠陥部分が白と黒レベル部分の境界上に存在したときの欠陥判定の作用を説明するための図。
【図12】不完全な形状に抽出された欠陥部分を示す図。
【符号の説明】
1:チップ部品
2:回路パターン
3:テーブル
4:CCDカメラ
5:画像処理部
6:参照画像メモリ
7:被検査画像メモリ
8:差分演算部
9:感度作成部
10:欠陥サイズ作成部
11:判定部
Claims (10)
- パターンが描かれた被検査体を撮像して取得した被検査画像データと参照画像データとに基づいて前記被検査体の欠陥検査を行う欠陥検査方法において、
前記参照画像データを前記パターンの幅に応じた明度に変換して、この明度に応じた各欠陥検出感度の各サイズ判定領域を有する感度画像データを作成し、
前記被検査画像データと前記参照画像データとに基づいて欠陥部分を抽出して、この欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成し、
前記欠陥サイズ画像データと前記感度画像データとを比較して前記欠陥部分に対する欠陥判定を行う、
を有することを特徴とする欠陥検査方法。 - パターンが描かれた被検査体を撮像して取得した被検査画像データと参照画像データとに基づいて前記被検査体の欠陥検査を行う欠陥検査装置において、
前記参照画像データを前記パターンの幅に応じた明度に変換し、この明度に応じた各欠陥検出感度の各サイズ判定領域を有する感度画像データを作成する感度作成手段と、
前記被検査画像データと前記参照画像データと差分に基づいて欠陥部分を抽出し、この欠陥部分のサイズを明度に変換して欠陥サイズ画像データを作成する欠陥サイズ作成手段と、
前記欠陥サイズ画像データと前記感度画像データとを比較して前記欠陥部分に対する欠陥判定を行う判定手段と、
を具備したことを特徴とする欠陥検査装置。 - 前記感度作成手段は、前記参照画像データの横方向と縦方向との前記パターン幅をそれぞれ前記明度に変換して横スキャン画像データと縦スキャン画像データとを作成することを特徴とする請求項2記載の欠陥検査装置。
- 前記感度作成手段は、前記参照画像データの横方向と縦方向とにおいてそれぞれ直線状にスキャンして白レベル又は黒レベルの連続する画素数を計測してパターン幅を求め、このパターン幅に応じた明度に変換することを特徴とする請求項2又は3記載の欠陥検査装置。
- 前記感度作成手段は、前記欠陥部分を検出するに必要なサイズに応じて前記明度を調整して前記感度画像データを作成することを特徴とする請求項2記載の欠陥検査装置。
- 前記感度作成手段は、前記横スキャン画像データと前記縦スキャン画像データとにおける前記明度のうち小さな前記明度を抽出し、当該明度を用いて前記欠陥検出感度を有する前記感度画像データを作成することを特徴とする請求項4記載の欠陥検査装置。
- 前記感度作成手段は、前記横スキャン画像データの前記明度と前記縦スキャン画像データの前記明度とを比較し、小さい方の前記明度を前記欠陥検出感度として設定して前記感度画像データを作成することを特徴とする請求項3記載の欠陥検査装置。
- 前記感度作成手段は、前記横スキャン画像データの前記明度と前記縦スキャン画像データの前記明度とが共に大きな部分をパターンコーナ部分として抽出し、このパターンコーナ部分の前記明度を補正することを特徴とする請求項3記載の欠陥検査装置。
- 前記欠陥サイズ作成手段は、前記欠陥サイズ画像データにおける前記欠陥部分を分割し、これら分割された前記欠陥部分毎に各サイズを求め、これらサイズを明度に変換することを特徴とする請求項2記載の欠陥検査装置。
- 前記欠陥サイズ作成手段は、分割された前記各欠陥部分をラベリングし、これらラベリング結果を用いて分割された前記各欠陥部分を再生することを特徴とする請求項9記載の欠陥検査装置。
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