JP3732794B2 - 寸法検査方法及びその装置並びにマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハのマスク欠陥検査に係わり、基準パターンの寸法とマスクに形成されている回路パターンなどの被検査パターンの寸法とを計測し、被検査パターン寸法の基準パターン寸法に対する寸法誤差に基づいて被検査パターン形状の検査を行なう寸法検査方法及びその装置、並びにこの寸法検査方法を適用したマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
寸法を計測する技術には、例えば特開平5−216996号公報に記載されているものがある。この技術は、自動図形入力装置などに用いられる寸法認識装置である。この寸法認識装置は、被検査パターンを画像入力部で読み込んでその画像データを取得する。次に、読み込んだ画像データから線分(被検査パターン)を細線化して線分の中心線を求める。次に、この中心線と直交する方向に、中心線から広げていって幅を計測するものである。この幅の計測方法は、画像データ上の画素単位でカウントして求める。
【0003】
他の寸法を計測する技術としては、例えば特開平8−54224号公報、特許第2503508号公報、特開平10−284608号公報などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような寸法計測の技術により被検査パターンの寸法を計測し、この被検査パターンの寸法と予め設定された基準パターンの寸法とを比較して、被検査パターンを検査するには、被検査パターンの基準パターンに対する寸法誤差(例えば、回路パターンの仕上がり寸法(CD:Critical Dimension)誤差)又は位置ずれを高精度に測定する必要がある。
【0005】
しかしながら、被検査パターンに欠けなどの欠陥部が存在すると、寸法誤差又は位置ずれに誤差が生じる。
【0006】
そこで本発明は、被検査パターンの基準パターンに対する寸法誤差又は位置ずれを高精度に測定して信頼性の高い寸法検査ができる寸法検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
又、本発明は、マスクに形成された基板に半導体装置の回路パターンの基準パターンに対する寸法誤差又は位置ずれを高精度に測定して信頼性の高いマスク製造ができるマスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基準パターンの寸法と被検査パターンの寸法とを計測し、基準パターンの幅寸法と被検査パターンの幅寸法との差、又は基準パターンと被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求め、被検査パターンに対する計測の領域を複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ寸法誤差を集計し、各ブロック毎の各集計の結果のうち所定の度数に達しないブロックの集計結果を除去し、所定の度数に達しないブロックの集計結果の除去された各集計結果に基づいて基準パターン又は被検査パターンのいずれか一方又は両方の補正値を求め、補正値に基づいて基準パターン又は被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正し、これら被検査パターンと基準パターンとを比較して被検査パターン形状を検査することを特徴とする寸法検査方法である。
【0009】
本発明は、上記本発明の寸法検査方法において、被検査パターンの寸法の計測では、欠陥部を有する被検査パターンの寸法を計測し、基準パターンの幅寸法と欠陥部を有する被検査パターンの幅寸法との差、又は基準パターンと欠陥部を有する被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求め、被検査パターンを複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ寸法誤差を集計する。
【0010】
本発明は、上記本発明の寸法検査方法において、寸法誤差の集計では、被検査パターンに対して画像センサが一定量移動する毎に寸法誤差を集計する。
【0011】
本発明は、上記本発明の寸法検査方法において、ブロックの集計結果の除去では、各ブロック毎の各集計結果によりそれぞれ得られる各度数分布を監視し、これら度数分布のうち正規分布にならない度数分布に対応するブロックの集計結果を除去する。
【0012】
本発明は、上記本発明の寸法検査方法において、ブロック毎の各集計結果における位置ずれの平均値、又は寸法誤差の平均値に基づいて基準パターン又は被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正する補正値を求める。
【0013】
本発明は、上記本発明の寸法検査方法において、被検査パターンに欠陥部が検出された場合、当該ブロックの集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出する。
【0014】
本発明は、基準パターンの寸法と被検査パターンの寸法とを計測する手段と、基準パターンの幅寸法と被検査パターンの幅寸法との差、又は基準パターンと被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求める手段と、被検査パターンに対する計測の領域を複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ寸法誤差を集計する集計手段と、各ブロック毎の各集計の結果のうち所定の度数に達しないブロックの集計結果を除去する除去手段と、所定の度数に達しないブロックの集計結果の除去された各集計結果に基づいて基準パターン又は被検査パターンのいずれか一方又は両方の補正値を求める手段と、補正値に基づいて基準パターン又は被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正し、これら被検査パターンと基準パターンとを比較して被検査パターン形状を検査する手段とを具備したことを特徴とする寸法検査装置である。
【0015】
本発明は、上記本発明の寸法検査装置において、基準パターンの寸法と被検査パターンの寸法とを計測する手段は、欠陥部を有する被検査パターンの寸法を計測し、寸法誤差を求める手段は、基準パターンの幅寸法と欠陥部を有する被検査パターンの幅寸法との差、又は基準パターンと欠陥部を有する被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求め、集計手段は、被検査パターンを複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ寸法誤差を集計する。
【0016】
本発明は、上記本発明の寸法検査装置において、設計データを展開して基準パターンの画像データを取得し、かつ被検査パターンに対して画像センサを走査して被検査パターンの画像データを取得し、これら画像データから基準パターンの幅寸法に対する被検査パターンの幅寸法の寸法誤差を求める寸法検査装置であって、集計手段は、被検査パターンに対して画像センサが一定量移動する毎のブロック毎に寸法誤差を集計する。
【0017】
本発明は、上記本発明の寸法検査装置において、除去手段は、各ブロック毎の各集計結果によりそれぞれ得られる各度数分布を監視し、これら度数分布のうち正規分布にならない度数分布に対応するブロックの集計結果を除去する。
【0018】
本発明は、上記本発明の寸法検査装置において、補正値を求める手段は、ブロック毎の各集計結果における位置ずれの平均値、又は寸法誤差の平均値に基づいて基準パターン又は被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正する補正値を求める。
【0019】
本発明は、上記本発明の寸法検査装置において、補正値を求める手段は、被検査パターンに欠陥部が検出された場合、当該ブロックの集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出する。
【0020】
本発明は、基板に半導体装置の回路パターンを形成したマスクを作成し、半導体装置の回路パターンの設計データを展開して基準パターンの画像データを作成し、マスクに光を投影したときのマスクの投影像を撮像して回路パターンの画像データを作成し、基準パターンの画像データを読み取って、基準パターンの幅寸法及び位置を計測し、回路パターンの画像データを読み取って、回路パターンの幅寸法及び位置を計測し、基準パターンの幅寸法と被検査パターンの幅寸法との差、又は基準パターンと被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方を寸法誤差を求め、回路パターンに対する計測の領域を複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ寸法誤差を集計し、各ブロック毎の各集計の結果のうち所定の度数に達しないブロックの集計結果を除去し、所定の度数に達しないブロックの集計結果の除去された各集計結果に基づいて基準パターン又は回路パターンのいずれか一方又は両方の補正値を求め、補正値に基づいて基準パターン又は回路パターンのいずれか一方又は両方を補正し、当該補正した回路パターンと基準パターンとを比較して回路パターン形状を検査することを特徴とするマスクの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は寸法検査装置の構成図である。この寸法検査装置は、例えば半導体ウエハ製造工程のフォトリソグラフィ工程に適用される。この寸法検査装置は、露光機1に用いるマスク2に形成された半導体ウエハの回路パターンの寸法検査を行なうものである。この半導体ウエハの回路パターンが被検査パターンとなる。
【0023】
露光機1には、マスク2がテーブル3上に載置されている。このマスク2には、半導体ウエハの回路パターンが形成されている。照明系4は、露光処理するための照明光5を放射するものである。
【0024】
この照明光5の光路上には、反射ミラー6を介してコンデンサレンズ7が配置されている。照明光5は、ミラー6で反射し、コンデンサレンズ7によりマスク2に照射されるようになっている。
【0025】
このマスク2を通過したパターン光の光路上には、対物レンズ8が配置されている。通常の露光処理では、対物レンズ8の投影位置上には、半導体ウエハが配置され、この半導体ウエハ上にマスク2に形成された回路パターンが転写される。
【0026】
本発明の寸法検査装置では、マスク2に形成された回路パターンの寸法検査を行なうために、画像センサ9が配置されている。この画像センサ9は、例えばCCDからなるラインセンサが用いられている。この画像センサ9は、図2に示すように移動方向hに移動しながらマスク2に形成された回路パターンの投影像2aを撮像する。
【0027】
画像処理回路10は、画像センサ9から出力される画像信号を入力し、この画像信号を画像処理してマスク3に形成された回路パターンの投影画像データDsを取得する機能を有している。この投影画像データDsは、被検査パターンの画像データである。以下、この投影画像データDsは、被検査パターンデータDsと称する。
【0028】
一方、データ展開回路11は、半導体ウエハの回路パターンの設計データ12を受け取り、この設計データ12を演算処理して設計パターンの画像データDfを作成する機能を有している。以下、この画像データDfは、設計パターンデータDfと称する。
【0029】
比較回路13は、図3に示すように被検査パターンデータDsと設計パターンデータDfとを比較してマスク2に形成された回路パターンの良否判定を行う機能を有している。この比較回路13は、パターン認識部14と、寸法計測部15と、計測結果算出部16と、度数集計部17と、ノイズ除去部18と、補正値算出部19と、寸法誤差判定部20との各機能を有している。
【0030】
パターン認識部14は、設計パターンデータDfを微分して、この設計パターンデータDfにおける設計パターンのエッジ方向を認識するものである。このパターン認識部14は、設計パターンデータDfにおける設計パターンの幅方向における両端の各エッジ部において隣接する一対の画素(以下、エッジペアと称する)をサーチして設計パターンのエッジ方向を認識する機能を有している。
【0031】
具体的にパターン認識部15は、図4に示すように走査部21とサーチ部22とエッジ方向認識部23との各機能を有している。
【0032】
走査部21は、図5に示すように設計パターンデータDfに対して計測ウィンドウWをスキャン方向aに走査し、かつb方向にスキャン位置を移動して、設計パターンデータDfの全体をスキャンする。
【0033】
計測ウィンドウWは、図6に示すようにN×N画素で構成されている。N×N画素は、例えば15×15画素、17×17画素、又は19×19画素などである。Pは設計パターンデータDfにおける設計パターンである。この設計パターンPは、黒レベルであり、図面上斜線で示している。設計パターンPの周囲は、白レベルとなっている。
【0034】
サーチ部22は、図6に示すように計測ウィンドウWの領域内の注目画素Qを有している。この注目画素Qは、計測ウィンドウWの中心画素である。
【0035】
このサーチ部22は、注目画素QからX方向と、X方向に直交するY方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう機能を有している。
【0036】
エッジ方向認識部23は、4方向のサーチの結果から図7に示すように一対の画素(以下、エッジペアと称する)があるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向に設計パターンのエッジ方向があると認識する機能を有している。
【0037】
すなわち、エッジ方向認識部23は、エッジペアがあるサーチ方向、例えば図7に示すようにX方向のサーチで設計パターンPの各両端でそれぞれエッジ点にあたる各画素G1、G2を検出すると、これら画素G1、G2をエッジペアとして検出し、このときのサーチ方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)をパターンPのエッジ方向として認識する機能を有している。
【0038】
なお、エッジペア(画素G3、G4)では、設計パターンPは+45°の方向として認識される。
【0039】
寸法計測部15は、エッジ方向認識部23により検出されたエッジペアの部分の各画素値に基づいて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出し、これらエッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出する機能を有している。
【0040】
すなわち、この寸法計測部15は、図6及び図8に示すようにエッジ方向が認識されたところの設計パターンPの幅方向の画素値のプロファイルに対して所定のしきい値thを用いてサブ画素でエッジ点を検出する。
【0041】
このサブ画素は、図6に示すようにしきい値thを用いてプロファイルを切ったとき、隣接するエッジペアの各画素G5、G6の間にある場合、
サブ画素位置=(G5−th)/(G5−G6) …(1)
により算出される。
【0042】
又、この寸法計測部15は、被検査パターンデータDsを読み取り、設計パターンPで幅寸法を算出したエッジ部の位置と同一位置のエッジ部から被検査パターンの幅寸法Sdを算出する機能を有している。
【0043】
具体的に寸法計測部15は、図9に示すようにプロファイル取得部24と、エッジ点検出部25と、第1の幅寸法部26と、第2の幅寸法部27との各機能を有している。
【0044】
プロファイル取得部24は、エッジ方向が認識されたエッジ部における設計パターンPの幅方向の画素値のプロファイルを求める機能を有している。
【0045】
エッジ点検出部25は、プロファイル取得部24により求められたプロファイルに対して所定のしきい値を用いて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出する機能を有している。
【0046】
このエッジ点検出部25のエッジ点の検出は、次の通り行われる。
【0047】
このエッジ点は、設計パターンデータDfにおいて、画素値が「200」(図面では黒)と白「0」(図面では白)とに変化するところである。
【0048】
エッジ点検出は、図6に示すようにしきい値thを用いて検出する。この場合、エッジ点の検出は、図8に示すケース「1」のように画素G7の明るさがしきい値thと一致する場合と、ケース「2」のように設計パターンPに隣接する各画素G8、G9の明るさの間にしきい値thがある場合との2ケースがある。
【0049】
このエッジ点検出は、XY方向の寸法に対して、どのようなエッジペアで検出するかのエッジペアの複数の組み合わせがある。これらエッジペアの組み合わせは、それぞれ相対する両エッジ周辺画素で構成されるテンプレートとして記憶されている。そして、両エッジのエッジパターンが相対する同系のパターンとしたときにエッジペアと認識する。
【0050】
図10(a)〜同図(c)は、それぞれエッジに隣接する1画素のパターン方向が寸法測定方向(パターン幅方向)と直交する場合の各エッジペアを示す。エッジ点検出手段22は、これらエッジペアのうち1つのエッジペアを検出すると、そのエッジペアから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0051】
図11(a)(b)は、それぞれエッジに隣接する1又は2画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出部25は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0052】
図12(a)〜同図(c)は、それぞれエッジに隣接する3又は2画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出部25は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0053】
図13(a)〜同図(f)は、それぞれエッジに隣接する4又は3画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出部25は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0054】
図14(a)〜同図(c)は、それぞれエッジに隣接する5又は4画素のパターン方向が寸法測定方向と直交する場合の各エッジ方向のパターンを示す。エッジ点検出部25は、これらエッジ方向のパターンのうち1つのエッジ方向のパターンを検出すると、そのエッジ方向のパターンから設計パターンPのエッジ点を検出する。
【0055】
第1の幅寸法部26は、エッジ点検出部25により検出された各エッジ点から設計パターンPの幅寸法を算出する機能を有している。
【0056】
第2の幅寸法部27は、被検査パターンデータDsを受け、エッジ方向認識部230により検出されたエッジペアの画素の位置と同一位置において、被検査パターンDsにおける回路パターンの幅寸法を算出する機能を有している。
【0057】
計測結果算出部16は、設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdとの差から寸法誤差(CDエラー)err、
err=Sd−Rd …(2)
を算出する機能を有している。
【0058】
なお、寸法誤差errは、次の方法により算出してもよい。
【0059】
例えば図7に示すように設計パターンPに対して画素G1、G2をエッジペアとして検出した場合、画素G1側を第1のエッジ、画素G2側を第2のエッジとする。
【0060】
そして、第1のエッジにおいて検出したエッジ点をrsub1とし、第2のエッジにおいて検出したエッジ点をrsub2とする。
【0061】
一方、被検査パターンにおいて、設計パターンPの第1と第2のエッジと同一位置となる第1のエッジ点をssub1とし、第2のエッジ点をssub2とする。
【0062】
しかるに、寸法誤差errは、
err=(ssub2−ssub1)−(rsub2−rsub1) …(3)
を算出して求める。
【0063】
又、計測結果算出部16は、設計パターンPと回路パターンとの位置ずれを算出する機能を有している。すなわち、設計パターンPの注目画素Q中心に対するエッジ間の中心座標位置をX方向とY方向とにおいてrx、ryとし、設計パターンPの注目画素Q中心に対する回路パターンのエッジ間の中心座標位置をX方向とY方向とにおいてsx、syとすると、X方向、Y方向の各位置ずれx、yは、
x=sx−rx …(4)
y−sy−ry …(5)
を算出して求める。
【0064】
度数集計部17は、計測結果算出部16により算出された寸法誤差errと、X方向、Y方向の各位置ずれx、yとをそれぞれ集計するもので、回路パターンPに対して画像センサ9が一定量移動する毎に、寸法誤差errと、X方向、Y方向の各位置ずれx、yとをそれぞれ集計する機能を有するものである。
【0065】
画像センサ9は、図15に示すように回路パターンPの投影像2aに対して経路Tに沿って移動し、回路パターンPの投影像2aの全面を走査する。画像センサ9が移動する経路Tは、例えば回路パターンPの投影像2aに対してX方向に移動し、次に画像センサ9の長さ分だけY方向に移動し、次に−X方向に移動し、再び画像センサ9の長さ分だけY方向に移動してからX方向に移動することを繰り返す。なお、図15には1ブロックB101、B102、B103、…、B10k内での注目画素Qの軌跡も示してある。
【0066】
従って、度数集計部17は、画像センサ9が一定量、例えば1ブロックB101、B102、B103、…、B10kの領域を移動終了する毎に寸法誤差errと、X方向、Y方向の各位置ずれx、yとをそれぞれ集計する。
【0067】
図17は度数集計部17による集計結果の一例を示す図である。同図は寸法誤差errの度数分布を示し、画素ずれ量に対する寸法誤差errの度数が示されている。X方向、Y方向の各位置ずれx、yについても同様の度数分布が求められる。
【0068】
この集計結果は、回路パターンに対して画像センサ9が図15に示すように各ブロックB101、B102、B103、…、B10kの領域を移動終了する毎に、これらブロックB101、B102、B103、…、B10k毎に寸法誤差err、X方向、Y方向の各位置ずれx、yを集計したものである。これら集計結果101、102、103、…、10kは、それぞれ各ブロックB101、B102、B103、…、B10kの寸法誤差err、X方向、Y方向の各位置ずれx、yの集計結果である。これら集計結果101、102、103、…、10kには、それぞれ例えば図16に示すような寸法誤差errの度数分布が得られている。
【0069】
ところで、回路パターンによってはパターン認識部14によりエッジペアが検出できずに寸法誤差err、及びX方向、Y方向の各位置ずれx、yが計測できない場合が継続することがある。又、回路パターンに欠陥部があると、度数分布が正規分布にならないことがある。
【0070】
従って、ノイズ除去部18は、度数集計部17による集計結果により得られる度数分布を監視し、このうち所定の度数に達しない集計結果、例えば度数分布が正規分布にならない集計結果、例えば図17に示す集計結果205、208、308、406を除去する機能を有する。具体的にノイズ除去部18は、度数分布が正規分布にならない例えば集計結果205、208、308、406の欄にフラグを立てる。
【0071】
補正値算出部19は、ノイズ除去部18により所定の度数に達しない集計結果、例えば集計結果205、208、308、406の除去された集計結果における寸法誤差errの平均値、又は位置ずれx、yの平均値に基づいて半導体ウエハの回路パターンの設計データ12、又は回路パターンPすなわち露光機1における露光処理条件、例えば照明系4の照度やその照射時間のいずれか一方又は両方を補正する機能を有している。なお、除去された集計結果、例えば集計結果205、208、308、406については、前回の集計により得られた集計結果を用いる。
【0072】
具体的に補正値算出部19は、集計結果を算出する各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎の寸法誤差errの平均値から各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎に順次リサイズのずれ量を補正する補正値を求める機能を有する。すなわち、データ展開回路11における演算処理の過程中に、設計パターンデータDfに誤差等が生じたり、また白系/黒系の背景によって回路パターンPの形状が縮小したり、形状が小さくなるにしたがって非線形に形状が変わるので、これらを補正する補正値を求める。
【0073】
補正値算出部19は、集計結果を算出する各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎の位置ずれx、yの平均値から各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎に順次位置ずれ量を補正するの補正値を求める機能を有する。
【0074】
補正値算出部19は、集計結果を算出する各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎の位置ずれx、yの平均値から各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎に順次伸縮のずれ量を補正する機能を有する。例えば、回路パターンPの横方向が歪んだ場合に、これを補正する補正値を求める。
【0075】
又、補正値算出部19は、回路パターンPに欠陥部が検出された場合、当該集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出する機能を有している。
【0076】
寸法誤差判定部20は、寸法計測部15により算出された設計パターンの幅寸法Rdと回路パターンPの幅寸法Sdとに基づいて半導体ウエハの回路パターンPに対する良否判定を行うもので、寸法誤差errに対してオフセット値を加えた値が許容範囲外、すなわち+側のしきい値より大きいとき、又は−側しきい値よりも小さいときに、半導体ウエハの回路パターンに対してパターン異常と判定する機能を有している。
【0077】
次に、上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0078】
露光機1のテーブル3上には、マスク2が載置される。
【0079】
照明系4から照明光5が放射される。この照明光5は、反射ミラー6で反射し、コンデンサレンズ7を通してマスク2に照射される。
【0080】
このマスク2を通過したパターン光は、対物レンズ8を通して画像センサ9に結像される。
【0081】
この画像センサ9は、図2に示すように移動方向hに移動しながらマスク2に形成された回路パターンの投影像2aを撮像する。具体的に画像センサ9は、図15に示すように回路パターンPの投影像2aに対して経路Tに沿い、回路パターンPの投影像2aに対してX方向に移動し、次に画像センサ9の長さ分だけY方向に移動し、次に−X方向に移動し、再び画像センサ9の長さ分だけY方向に移動してからX方向に移動することを繰り返し、回路パターンPの投影像2aの全面を走査する。この画像センサ9は、撮像した投影像の画像信号を出力する。
【0082】
画像処理回路10は、画像センサ9から出力される画像信号を入力し、この画像信号を画像処理してマスク3に形成された回路パターンの投影画像データ、すなわち被検査パターンデータDsを取得する。
【0083】
一方、データ展開回路11は、半導体ウエハの回路パターンの設計データ12を受け取り、この設計データを演算処理して設計パターンの画像データ、すなわち設計パターンデータDfを作成する。
【0084】
比較回路13は、図3に示すように被検査パターンデータDsと設計パターンデータDfとを比較してマスク2に形成された回路パターンの良否判定を行う。
【0085】
以下、比較回路の動作について図18に示す流れ図に従って説明する。
【0086】
先ず、パターン認識部14の走査部21は、ステップ#1において、図5に示すように設計パターンデータDfに対して計測ウィンドウWをスキャン方向aに走査し、かつb方向にスキャン位置を移動して、設計パターンデータDfの全体をスキャンする。
【0087】
次に、サーチ部22は、図6に示す計測ウィンドウWの領域内の注目画素QからX方向と、Y方向と、これらXY方向に対して±45°方向との各4方向にそれぞれサーチを行なう。
【0088】
次に、エッジ方向認識部23は、4方向のサーチの結果から図7に示すようにエッジペアがあるサーチ方向を検出し、このサーチ方向に対して直交する方向に設計パターンPのエッジ方向があると認識する。
【0089】
具体的にエッジ方向認識部23は、例えば図7に示すようにX方向のサーチで設計パターンPの各両端でそれぞれエッジ点にあたる各画素G1、G2を検出すると、これら画素G1、G2をエッジペアとして検出する。
【0090】
そして、エッジ方向認識部23は、サーチ方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)を設計パターンPのエッジ方向として認識する。
【0091】
次に、寸法計測部15は、ステップ#2において、エッジ方向認識部23により検出されたエッジペアの部分の各画素値に基づいて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出し、これらエッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出する。
【0092】
すなわち、プロファイル取得部24は、図6及び図8に示すように、エッジ方向が認識されたエッジ部における設計パターンPの幅方向の画素値のプロファイルを求める。
【0093】
エッジ点検出部25は、プロファイル取得部24により求められたプロファイルに対して所定のしきい値thを用いて設計パターンPの両端の各エッジ点をサブ画素で検出する。
【0094】
このサブ画素は、図6に示すようにしきい値thを用いてプロファイルを切ったとき、隣接するエッジペアの各画素G5、G6の間にある場合、上記式(1)により算出される。
【0095】
ここで、エッジ方向認識部23は、XY方向の寸法に対して、図10(a)〜同図(c)、図11(a)(b)、図12(a)〜同図(c)、図13(a)〜同図(f)、図14(a)〜同図(c)に示す複数のエッジ方向パターンをの組み合わせた各テンプレートを用いて行われる。
【0096】
又、エッジ点検出は、図6に示すようにしきい値thを用いて検出する。このエッジ点の検出は、図8に示すケース「1」のように画素G7の明るさがしきい値thと一致する場合と、ケース「2」のように設計パターンPに隣接する各画素G8、G9の明るさの間にしきい値thがある場合との2ケースがある。
【0097】
第1の幅寸法部26は、エッジ点検出部25により検出された各エッジ点から設計パターンPの幅寸法Rdを算出する。
【0098】
これと共に、第2の幅寸法部27は、画像処理回路10から被検査パターンデータDsを受け取る。
【0099】
次に、第2の幅寸法部27は、被検査パターンデータDs上において、エッジ方向認識部23により検出された設計パターンデータDf上のエッジペアの画素の位置と同一位置を認識する。
【0100】
次に、第2の幅寸法部27は、設計パターンデータDf上のエッジペアの画素の位置と同一位置において、被検査パターンDsにおける被検査パターンの幅寸法Sdを算出する。
【0101】
次に、計測結果算出部16は、ステップ#3において、設計パターンPの幅寸法Rdと被検査パターンの幅寸法Sdとの差から上記式(2)を演算して寸法誤差errを算出する。なお、寸法誤差errは、上記式(3)を演算して算出してもよい。
【0102】
又、計測結果算出部16は、設計パターンPの注目画素Q中心に対するエッジ間の中心座標位置をrx、ryとし、設計パターンPの注目画素Q中心に対する回路パターンのエッジ間の中心座標位置をsx、syとして上記各式(4)及び(5)をそれぞれ演算してX方向、Y方向の各位置ずれx、yを算出する。
【0103】
次に、度数集計部17は、ステップ#4において、画像センサ9が図15に示すように回路パターンPに対して各ブロックB101、B102、B103、…、B10kの領域を移動終了する毎に寸法誤差errと、X方向、Y方向の各位置ずれx、yとをそれぞれ集計する。
【0104】
この集計により度数集計部17は、図17に示すような寸法誤差errの度数分布を示す集計結果を得る。なお、度数集計部17は、X方向、Y方向の各位置ずれx、yについても同様の度数分布を求める。
【0105】
同図に示す集計結果は、回路パターンPに対して画像センサ9が図15に示すように各ブロックB101、B102、B103、…、B10kの領域を移動終了する毎に、これらブロックB101、B102、B103、…、B10k毎に寸法誤差err、X方向、Y方向の各位置ずれx、yを集計したものを示す。
【0106】
ところで、回路パターンPによってはパターン認識部14によりエッジペアが検出できずに寸法誤差err、及びX方向、Y方向の各位置ずれx、yが計測できない場合が継続することがある。又、回路パターンに欠陥部があると、度数分布が正規分布にならないことがある。
【0107】
従って、ノイズ除去部18は、ステップ#5において、度数集計部17による集計結果により得られる度数分布を監視し、このうち所定の度数に達しない集計結果、例えば度数分布が正規分布にならない集計結果、例えば図17に示す集計結果205、208、308、406の欄にフラグを立て、これら集計結果205、208、308、406を用いないようにする。
【0108】
次に、補正値算出部19は、ステップ#6において、ノイズ除去部18により所定の度数に達しない集計結果、例えば集計結果205、208、308、406の除去された集計結果における寸法誤差errの平均値、又は位置ずれx、yの平均値に基づいて半導体ウエハの回路パターンの設計データ12、又は露光機1における露光処理条件、例えば照明系4の照度やその照射時間のいずれか一方又は両方を補正する補正値を求める。
【0109】
なお、除去された集計結果、例えば集計結果205、208、308、406については、前回の集計により得られた集計結果を用いる。
【0110】
具体的に補正値算出部19は、集計結果を算出する各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎の寸法誤差errの平均値から各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎に順次リサイズのずれ量を補正する補正値を求める。
【0111】
すなわち、データ展開回路11における演算処理の過程中に、設計パターンデータDfに誤差等が生じたり、また白系/黒系の背景によって回路パターンPの形状が縮小したり、形状が小さくなるにしたがって非線形に形状が変わるので、これらを補正する補正値を求める。
【0112】
補正値算出部19は、集計結果を算出する各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎の位置ずれx、yの平均値から各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎に順次位置ずれ量を補正する補正値を求める。
【0113】
補正値算出部19は、集計結果を算出する各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎の位置ずれx、yの平均値から各ブロックB101、B102、B103、…、B10k毎又は各ストライプ毎に順次伸縮のずれ量を補正する。例えば、回路パターンPの横方向が歪んだ場合に、これを補正する補正値を求める。
【0114】
又、補正値算出部19は、回路パターンPに欠陥部が検出された場合、当該集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出する。
【0115】
次に、寸法誤差判定部20は、寸法計測部15により算出された設計パターンの幅寸法Rdと回路パターンPの幅寸法Sdとの寸法誤差errに対してオフセット値を加えた値が許容範囲外、すなわち+側のしきい値より大きいとき、又は−側しきい値よりも小さいときに、半導体ウエハの回路パターンPに対してパターン異常と判定する。
【0116】
このように上記一実施の形態においては、設計パターンの幅寸法Rdと回路パターンPの幅寸法Sdとを計測し、回路パターンPの幅寸法Sdの設計パターンの幅寸法Rdに対する寸法誤差err、及びX方向、Y方向の各位置ずれx、yをそれぞれ集計し、この集計結果のうち所定の度数に達しない集計結果を除去し、この集計結果の除去された集計結果に基づいて半導体ウエハの回路パターンの設計データ12、又は露光機1における露光処理条件を補正する補正値を求めるので、寸法計測の技術により半導体ウエハの回路パターンPの寸法を計測し、この回路パターンPの寸法と設計パターンとの寸法とを比較して、回路パターンPを検査するに当たり、回路パターンPの設計パターンに対する寸法誤差err、及び位置ずれx、yを高精度に測定できる。
【0117】
しかも、集計結果のうち所定の度数に達しない集計結果を除去するので、回路パターンPに欠けなどの欠陥部が存在しても、この欠陥部の存在する集計結果を除去したり、又は補正値算出部19により回路パターンPに欠陥部が検出された場合、当該集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出するので、寸法誤差err及び位置ずれx、yに対する信頼性を向上できる。
【0118】
又、補正値算出部19によりノイズ除去部18により所定の度数に達しない集計結果、例えば集計結果205、208、308、406の除去された集計結果における寸法誤差errの平均値、又は位置ずれx、yの平均値に基づいて半導体ウエハの回路パターンの設計データ12、又は露光機1における露光処理条件、例えば照明系4の照度やその照射時間のいずれか一方又は両方を補正する補正値を求めて補正ができ、半導体ウエハの回路パターンが形成されたマスク2を精度高く製造できる。
【0119】
この補正では、データ展開回路11における演算処理の過程中に、設計パターンデータDfに誤差等が生じたり、また白系/黒系の背景によって回路パターンPの形状が縮小したり、形状が小さくなるにしたがって非線形に形状が変わることに対するリサイズのずれ量の補正、位置ずれ量の補正、伸縮のずれ量の補正ができる。
【0120】
従って、回路パターンPの設計パターンに対する寸法誤差err又は位置ずれx、yを高精度に測定して信頼性の高い寸法検査ができ、信頼性の高いマスク製造ができる。
【0121】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0122】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0123】
例えば、エッジのパターン方向の検出は、4方向のサーチに限られることなく、8方向などの任意の方向にサーチ方向を拡張してサーチの精度を向上させるようにしてもよい。
【0124】
エッジペアの認識については、テンプレートの大きさを拡張してマッチングの自由度を向上させるようにしてもよい。
【0125】
又、被検査パターンの幅寸法Sdと設計パターンPの幅寸法Rdからそれぞれの中心位置を算出することで、設計データベースから設計パターンPを生成する過程の中で生じた形状ずれEを図17に示す度数分布図から求めることができるので、この結果からマスク2に形成された回路パターン検査の欠陥検査機能の性能を向上させることができる。
【0126】
又、マスク2の投影像を撮像して得られた設計パターンデータDfと被検査パターンデータDsとを比較して検査するのでなく、隣接するダイの各回路パターンの寸法を比較することにより、さらに精度を向上させることができる。
【0127】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、被検査パターンの基準パターンに対する寸法誤差又は位置ずれを高精度に測定して信頼性の高い寸法検査ができる寸法検査方法及びその装置を提供できる。
【0128】
又、本発明によれば、マスクに形成された基板に半導体装置の回路パターンの基準パターンに対する寸法誤差又は位置ずれを高精度に測定して信頼性の高いマスク製造ができるマスクの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における画像センサの移動を示す図。
【図3】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における比較回路の作用の模式図。
【図4】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるパターン認識部の機能ブロック図。
【図5】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における計測ウィンドウのスキャンを示す図。
【図6】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における計測ウィンドウ内のサーチを示す図。
【図7】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジペアを示す模式図。
【図8】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジ点検出の作用を示す図。
【図9】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における寸法計測部の機能ブロック図。
【図10】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図11】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図12】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図13】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図14】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態におけるエッジ点検出を検出するためのエッジペアの組み合わせを示す図。
【図15】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における画像センサによる具体的な走査経路を示す図。
【図16】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における設計パターンの寸法誤差の度数分布図。
【図17】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における寸法誤差の集計結果を示す図。
【図18】本発明に係わる寸法検査装置の一実施の形態における比較回路の動作流れ図。
【符号の説明】
1:露光機
2:マスク
3:テーブル
4:照明系
5:照明光
6:反射ミラー
7:コンデンサレンズ
8:対物レンズ
9:画像センサ
10:画像処理回路
11:データ展開回路
12:設計データ
13:比較回路
14:パターン認識部
15:寸法計測部
16:計測結果算出部
17:度数集計部
18:ノイズ除去部
19:補正値算出部
20:寸法誤差判定部
21:走査部
22:サーチ部
23:エッジ方向認識部
24:プロファイル取得部
25:エッジ点検出部
26:第1の幅寸法部
27:第2の幅寸法部
Claims (13)
- 基準パターンの寸法と被検査パターンの寸法とを計測し、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法との差、又は前記基準パターンと前記被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求め、
前記被検査パターンに対する前記計測の領域を複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ前記寸法誤差を集計し、
前記各ブロック毎の各集計の結果のうち所定の度数に達しない前記ブロックの前記集計結果を除去し、
前記所定の度数に達しない前記ブロックの前記集計結果の除去された前記各集計結果に基づいて前記基準パターン又は前記被検査パターンのいずれか一方又は両方の補正値を求め、
前記補正値に基づいて前記基準パターン又は前記被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正し、これら被検査パターンと基準パターンとを比較して前記被検査パターン形状を検査する、
ことを特徴とする寸法検査方法。 - 前記被検査パターンの寸法の計測では、欠陥部を有する前記被検査パターンの寸法を計測し、
前記基準パターンの幅寸法と前記欠陥部を有する前記被検査パターンの幅寸法との差、又は前記基準パターンと前記欠陥部を有する前記被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求め、前記被検査パターンを複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ前記寸法誤差を集計する、
ことを特徴とする請求項1記載の寸法検査方法。 - 前記寸法誤差の集計では、前記被検査パターンに対して画像センサが一定量移動する毎に前記寸法誤差を集計することを特徴とする請求項1記載の寸法検査方法。
- 前記ブロックの前記集計結果の除去では、前記各ブロック毎の前記各集計結果によりそれぞれ得られる各度数分布を監視し、これら度数分布のうち正規分布にならない前記度数分布に対応する前記ブロックの前記集計結果を除去することを特徴とする請求項1記載の寸法検査方法。
- 前記ブロック毎の前記各集計結果における前記位置ずれの平均値、又は前記寸法誤差の平均値に基づいて前記基準パターン又は前記被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正する補正値を求めることを特徴とする請求項1記載の寸法検査方法。
- 前記被検査パターンに欠陥部が検出された場合、当該ブロックの前記集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出することを特徴とする請求項1記載の寸法検査方法。
- 基準パターンの寸法と被検査パターンの寸法とを計測する手段と、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法との差、又は前記基準パターンと前記被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求める手段と、
前記被検査パターンに対する前記計測の領域を複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ前記寸法誤差を集計する集計手段と、
前記各ブロック毎の各集計の結果のうち所定の度数に達しない前記ブロックの前記集計結果を除去する除去手段と、
前記所定の度数に達しない前記ブロックの前記集計結果の除去された前記各集計結果に基づいて前記基準パターン又は前記被検査パターンのいずれか一方又は両方の補正値を求める手段と、
前記補正値に基づいて前記基準パターン又は前記被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正し、これら被検査パターンと基準パターンとを比較して前記被検査パターン形状を検査する手段と、
を具備したことを特徴とする寸法検査装置。 - 基準パターンの寸法と被検査パターンの寸法とを計測する手段は、欠陥部を有する前記被検査パターンの寸法を計測し、
前記寸法誤差を求める手段は、前記基準パターンの幅寸法と前記欠陥部を有する前記被検査パターンの幅寸法との差、又は前記基準パターンと前記欠陥部を有する前記被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方である寸法誤差を求め、
前記集計手段は、前記被検査パターンを複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ前記寸法誤差を集計する、
ことを特徴とする請求項7記載の寸法検査装置。 - 設計データを展開して前記基準パターンの画像データを取得し、かつ前記被検査パターンに対して画像センサを走査して前記被検査パターンの画像データを取得し、これら画像データから前記基準パターンの幅寸法に対する前記被検査パターンの幅寸法の前記寸法誤差を求める寸法検査装置であって、
前記集計手段は、前記被検査パターンに対して画像センサが一定量移動する毎の前記ブロック毎に前記寸法誤差を集計することを特徴とする請求項7記載の寸法検査装置。 - 前記除去手段は、前記各ブロック毎の前記各集計結果によりそれぞれ得られる各度数分布を監視し、これら度数分布のうち正規分布にならない前記度数分布に対応する前記ブロックの前記集計結果を除去することを特徴とする請求項7記載の寸法検査装置。
- 前記補正値を求める手段は、前記ブロック毎の前記各集計結果における前記位置ずれの平均値、又は前記寸法誤差の平均値に基づいて前記基準パターン又は前記被検査パターンのいずれか一方又は両方を補正する補正値を求めることを特徴とする請求項7記載の寸法検査装置。
- 前記補正値を求める手段は、前記被検査パターンに欠陥部が検出された場合、当該ブロックの前記集計結果の度数分布から標準偏差を求め、所定のばらつきの範囲内で平均値を算出することを特徴とする請求項7記載の寸法検査装置。
- 基板に半導体装置の回路パターンを形成したマスクを作成し、
前記半導体装置の前記回路パターンの設計データを展開して基準パターンの画像データを作成し、
前記マスクに光を投影したときの前記マスクの投影像を撮像して前記回路パターンの画像データを作成し、
前記基準パターンの前記画像データを読み取って、前記基準パターンの幅寸法及び位置を計測し、
前記回路パターンの前記画像データを読み取って、前記回路パターンの幅寸法及び位置を計測し、
前記基準パターンの幅寸法と前記被検査パターンの幅寸法との差、又は前記基準パターンと前記被検査パターンとの位置ずれのいずれか一方又は両方を寸法誤差を求め、
前記回路パターンに対する前記計測の領域を複数の分けた各ブロック毎にそれぞれ前記寸法誤差を集計し、
前記各ブロック毎の前記各集計の結果のうち所定の度数に達しない前記ブロックの前記集計結果を除去し、
前記所定の度数に達しない前記ブロックの前記集計結果の除去された前記各集計結果に基づいて前記基準パターン又は前記回路パターンのいずれか一方又は両方の補正値を求め、
前記補正値に基づいて前記基準パターン又は前記回路パターンのいずれか一方又は両方を補正し、当該補正した前記回路パターンと前記基準パターンとを比較して前記回路パターン形状を検査する、
ことを特徴とするマスクの製造方法。
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