JP4833120B2 - 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法 - Google Patents

樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法に関する。
血液中の有形成分である赤血球、白血球、血小板の機能を測定、評価することは、健康管理、疾患の診断と治療に極めて重要である。特許文献1には、上記血液成分の測定、評価に用いるマイクロチャネルアレイが開示されている。
具体的には、フォトリソグラフ法によってシリコン基板上にパターンニングを行い、ウェット又はドライエッチング法によりシリコン基板上に流路を微細加工する。これは、半導体微細加工技術を応用することにより基板上に赤血球、白血球ないし血小板の形状にそれぞれ適合した種々の形状、大きさの微細流路(マイクロチャネル)を高精度に作成したものである。この技術によって、微細流路の幅と深さの比、間隔等を目的に合わせてデザインでき、また、透明板を介して流路内の実際の流れを直接観察することが可能になった。
他方、半導体微細加工技術により製造されたシリコン製マイクロチャネルアレイでは、シリコン基板の材料コストが高価である、1枚毎にフォトリソグラフを行うために加工費が高価となる、1枚毎の微細流路の寸法精度にバラツキを生じる、焼却処理ができない等の問題が存在していた。これらの問題を解決するため、発明者らによる特許文献2には、樹脂製のマイクロチャネルアレイが開示されている。
特許文献2の図1の通り、微細流路を備える樹脂製マイクロチャネルアレイ成形用の金型は、ネガレジストを用いたフォトリソグラフィ法により製造される。そして、樹脂製マイクロチャネルアレイは、この金型を用いて射出成形、プレス成形等される。
特開平3−257366 特開2005−265634
しかしながら、ネガレジストを用いた場合、レジストパターンの端面が略垂直又は逆テーパー形状となる。そのため、このレジストパターンにめっきするなどして得られる金属構造体を金型として射出成形すると、得られた樹脂成形品(マイクロチャネルアレイ)の金型からの脱型が困難となり、成形不良となる問題があった。すなわち、生産性劣る問題があった。また、ポジレジストを用いた場合、特許文献2の図1に示されたような多段構造のレジストパターンは、現実的には形成することができなかった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、生産性に優れる樹脂製マイクロチャネルアレイを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法は、一端部に流入口が形成された本体部と、他端部に向かって当該本体部から複数分岐して形成された分岐部とを有する第1の窪みと、前記他端部に流出口が形成された本体部と、前記一端部に向かって当該本体部から複数分岐して形成された分岐部とを有し、かつ、当該分岐部が前記第1の窪みの分岐部と交互に配置された第2の窪みと、前記第1の窪み及び第2の窪みの分岐部同士を区画する壁部と、前記壁部上に形成され、前記第1の窪み及び第2の窪みの分岐部同士を連通する微小溝とを備える樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法であって、基板上にポジレジストを塗布し、パターニングすることにより、前記微小溝と同一形状の凹凸パターンを有する第1のレジストパターンを形成するステップと、前記第1のレジストパターン上にめっきにより金属を堆積し、前記微小溝を転写した凹凸パターンを有する第1の金属構造体を形成するステップと、前記第1の金属構造体上にポジレジストを塗布し、パターニングすることにより、前記第1及び第2の窪み、壁部を転写した凹凸パターンを有する第2のレジストパターンを形成するステップと、前記第2のポジレジストパターン上にめっきにより金属を堆積し、前記第1及び第2の窪み、壁部及び微小溝と同一形状の凹凸パターンを有する第2の金属構造体を形成するステップと、前記第2の金属構造体上にめっきにより金属を堆積し、前記第2の金属構造体を転写した凹凸パターンを有する第3の金属構造体を形成するステップと、前記第3の金属構造体を金型として樹脂成形品を形成するステップとを備えたものである。これにより、生産性に優れるマイクロチャネルアレイを提供することができる。
本発明の第2の態様に係る樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法は、上記の樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法において、前記第3の金属構造体の内側面のテーパー角度が75〜85°であることを特徴とするものである。これにより、確実に生産性に優れるマイクロチャネルアレイを提供することができる。
本発明の第3の態様に係る樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法は、上記の樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法において、前記第3の金属構造体を金型として射出成形することを特徴とするものである。これにより、さらに生産性に優れるマイクロチャネルアレイを提供することができる。
本発明によれば、生産性に優れる樹脂製マイクロチャネルアレイを提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
図1を用いて、本発明の実施の形態に係る樹脂製マイクロチャネルアレイについて説明する。図1(a)は樹脂製マイクロチャネルアレイの平面図、図1(b)は図1(a)のX−X'断面図、図1(c)は図1(b)の点線円内の拡大図である。マイクロチャネルアレイは、第1の基板10と第2の基板20が重ね合わされて構成される。第1の基板10には、流入口11、流出口12、第一の窪み13、第2の窪み14、壁部15、微小溝16、微小突起17が形成されている。
図1(a)に示すように、流入口11は第1の基板10の一端に、流出口12は第1の基板10の他端に形成されている。流入口11及び流出口12は、第1の基板10の背面から微細流路を有する前面に至る貫通孔である。生理食塩水、血液試料や試薬を、流入口11から導入し、流出口12から排出する。
また、流入口11を備える第1の窪み13及び流出口12を備える第2の窪み14が、第1の基板10に形成されている。
第1の窪み13は、1つの本体部131と複数の分岐部132とからなる。本体部131は、第1の基板10の端部に形成されている。そして、矩形状の本体部131には、流入口11が形成されている。他方、分岐部132は、本体部131から第1の基板10の中央部に向かって延設され、櫛歯状に分岐して形成されている。
同様に、第2の窪み14は、1つの本体部141と複数の分岐部142とからなる。本体部141は、第1の基板10において、第1の窪み13と反対側の端部に形成されている。そして、矩形状の本体部141には、流出口12が形成されている。他方、分岐部142は、本体部141から第1の基板10の中央部に向かって延設され、櫛歯状に分岐して形成されている。
ここで、第1の窪みの分岐部132と第2の窪みの分岐部142とは交互に配置されている。従って、隣接する第1の窪みの分岐部132と第2の窪みの分岐部142との間には、壁部15が形成されることになる。壁部15は、隣接する第1の窪みの分岐部132と第2の窪みの分岐部142との間を、完全に区切るものではない。図1(c)に示すように、この壁部15上には、第1の窪みの分岐部132と第2の窪みの分岐部142とを連通する多数の微小溝16すなわち微細流路が設けられている。より具体的には、壁部15上には、多数の微小突起17が形成されており、この微小突起17同士の間が微小流路16となる。
図1(b)に示すように、第1の基板10の第1及び第2の窪み13設けられた側の面には、第2の基板20が重ね合わされ、第1及び第2の窪み13及び微小溝16と第2の基板20との間に空間が形成される。この空間内に、血液試料等を導入し、観察する。
ここで、樹脂製マイクロチャネルアレイに導入された血液試料等の流れについて説明する。まず、血液試料等は、流入口11から導入され、第1の窪み13の本体部131から分岐部132に向けて流れる。次に、血液試料等は、壁部15上に設けられた微小溝16を通過し、第2の窪みの分岐部142へと流入する。そして、血液試料等は、第2の窪み14の分岐部142から本体部141へ向けて流れ、流出口12から排出される。ここで、微小溝16を通過する血液試料等に含まれる白血球や血小板等を観察する。
流路の幅、深さは、測定対象とする血球成分に応じて、それぞれ1〜50μmの範囲から選択することが好ましく、1〜20μmの範囲内であることがより好ましい。当該流路の幅と深さの比は、対象とする血球成分の形状、変形能に応じて、1:10〜10:1の範囲内から選択することが好ましい。なお、血液は、血球(有形)成分と、血漿(液体)成分とに大別され、血球成分の割合が約40〜45%、血漿成分が約55〜60%である。血球成分において、赤血球が約96%を占め、約4%が白血球と血小板である。サイズは、赤血球が直径約7〜8μm、白血球が約12〜14μm、血小板が約3μmである。
樹脂製マイクロチャネルアレイの窪み及び溝によって形成される空間が、流路として機能するには、樹脂製マイクロチャネルアレイと、使用する生理食塩水、血液試料、試薬等の水系液体との濡れ性の差が小さいことが好ましい。濡れ性の差が大きいと、水系液体が流路を流れなくなる可能性が高くなる。また、血液測定を行う前に、例えば、流路内を生理食塩水で満たそうとしても、気泡が混入することにより、対象とする血球成分の通過時間の計測値が再現しない恐れがある。
樹脂前面の濡れ性を改質する技術は、化学的処理技術、物理的処理技術に大別される。化学的処理技術としては、薬品処理、溶剤処理、カップリング剤処理、モノマーコーティング、ポリマーコーティング、蒸気処理、前面グラフト化、電気化学的処理、陽極酸化等があげられる。物理的処理技術としては、紫外線照射処理、プラズマ接触処理、プラズマジェット処理、プラズマ重合処理、イオンビーム処理、機械的処理等があげられる。
また、一般に細胞は疎水前面に固定化しやすい性質を持つことから、血球細胞においても流路に血球成分が付着し、流れなくなる等、血液測定に大きな支障をきたす可能性がある。そこで、樹脂製マイクロチャネルアレイ前面の水に対する接触角を小さくすることが必要となる。ポリメチルメタクリレートに代表される一般に使用される熱可塑性樹脂においては、通常水に対する接触角が比較的大きい(例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂は約68°、ポリカーボネート樹脂は約70°、ポリスチレン樹脂は84°)ため、接触角を小さく、0.5°以上70°以下とすることが必要となる。さらに、1°以上50°以下がより好ましい。0.5°未満又は70°を超えると、微細な流路への血液試料の導入が難しく、血球細胞の付着による凝集塊の発生によって、血球細胞の通過時間測定等の安定したデータが得られない。
血液測定にて、光学系の検出方式等を採用する場合、CCDカメラ等を用いた実態観察を行う場合等において、樹脂製マイクロチャネルアレイ、及び重ね合わせ基板のいずれか、又は両方を、例えば、反射光、又は透過光測定に応じて、透明とすることが必要である。反射光観察では、光学系の側の基板を透明板とし、反対側の基板を不透明にすればよい。不透明な基板とするには、材料選択の段階にて不透明グレードを選択する、又は透明基板の前面、又は背面に、例えば、蒸着法にて、アルミニウム等の無機膜を堆積する方法があげられる。
透明板を通して流路を直接観察することができ、流速の調節、停止等の適切な処置がとれる。透明性を規定する光学物性としては、厚さ1mm板において、全光線透過率80%以上、ヘイズ値10%以下が好ましい。また、光学系の検出方式を採用する場合、使用する光の波長に応じて、例えば、紫外線吸収剤の添加されていない材料を使用する、分子構造に環構造を有していない材料を使用する等、適宜選択することが好ましい。
本発明に係るマイクロチャネルアレイを構成する樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、オレフィン系・スチレン系・ウレタン系等の熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、フッソ系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂、多官能アクリル系樹脂等の光硬化性樹脂を挙げることができる。射出成形により製造する場合、熱可塑性樹脂を用いる。
これらの樹脂は必要に応じて滑剤、光安定剤、熱安定剤、防曇剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの1種又は2種以上を含有することができる。
本実施の形態にかかる樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法を、図2を用いて説明する。ここでは、第1の基板10の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、ガラスなどからなる基板31上に、ポジレジストを微小突起17の高さと同じ膜厚で塗布し、乾燥する。次に、マスクパターンと上記基板31とを位置合わせし、微小突起17に対応した位置をマスクして、レジストを露光する。その後、アルカリ現像し、壁部15上の微小突起17すなわち微小溝16と同一形状の凹凸パターンを有する第1のレジストパターン32を形成する。
次に、基板31及び第1のレジストパターン32上に、導電性膜をめっきシード層として堆積させる。導電性膜の形成方法は特に限定されないが、好ましくは真空蒸着、スパッタリング等を用いることができる。導電性膜としてはニッケル、金、銀、白金、銅、アルミニウムなどを挙げることができる。
次に、めっきを行い、微小突起17に相当する凹部を有する、すなわち、微小突起17を転写した凹凸パターンを有する、図2(b)に示すような第1の金属構造体33を得る。めっき方法は特に限定されないが、例えば電解めっき、無電解めっき等を挙げることができる。めっきされる金属は特に限定されないが、ニッケル、ニッケル-コバルト合金、銅、金を挙げることができ、経済性・耐久性の観点からニッケルが好ましく用いられる。
次に、図2(c)に示すように、第1の金属構造体33上に、ポジレジストを壁部15の高さと同じ膜厚で塗布し、乾燥する。その後、マスクパターンと第1の金属構造体33とを位置合わせし、第1及び第2の窪み13、14に対応する位置をマスクして、レジストを露光する。アルカリ現像後、第1の金属構造体33上に、第1及び第2の窪み13、14を転写した凹凸パターンを有する第2のレジストパターン34を形成する。
次に、金属構造体33及び第2のレジストパターン34上に、導電性膜をめっきシード層として堆積させる。次に、めっきを行い、第1及び第2の窪み13、14、壁部15及びその上の微小突起17と同一形状の凹凸パターンを有する、図2(d)に示すような第2の金属構造体35を得る。
次に、第2の金属構造体35にめっきを行い、第2の金属構造体35を転写した凹凸パターンを有する、図2(e)に示すような第3の金属構造体36を得る。この第3の金属構造体36が樹脂成形用の金型である。本発明では、ポジレジストを用いることにより、図2(e)に示す金型内側面のテーパー角度θをθ=75〜85°程度の順テーパー形状とすることができる。すなわち、脱型性、成形性、耐久性に優れる金型を得ることができる。また、第2の金属構造体35は、マスター金型であり、樹脂成形用の第3の金属構造体36をめっきにより多数複製することが可能となり、低コスト化を実現することができる。
この第3の金属構造体36を金型として、樹脂成形品を形成する。樹脂成形品の形成方法は特に限定されないが、例えば射出成形、プレス成形、モノマーキャスト成形、溶剤キャスト成形、ホットエンボス成形、押出成形によるロール転写法等を挙げることができ、生産性、型転写性の観点から射出成形が好ましく用いられる。
次に、本発明の実施様態を具体的な実施例で説明する。実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に係る樹脂製マイクロチャネルアレイを構成する第1の基板10の外形は、横16mm×縦8mm×厚さ1mmである。流入口11及び流出口12の直径は2mmである。壁部15を15本配置し、1本の壁部15に微小溝16を319本、合計4785本有する形状とした。また、第1の窪み13及び第1の窪み14の深さは85μm、壁部15の高さは80μm、微小溝16の深さ(微小突起17の高さ)は5μmとした。ここで、壁部15の高さと微小溝16の深さとを加算したものが、第1の窪み13及び第1の窪み14の深さに相当する。
[実施例]
図2(a)に示すように、平面ガラス基板31上に、クラリアント社製ポジレジスト「AZ−P4400」を5μm膜厚となるよう塗布・乾燥させた。次に、マスクパターンと上記ガラス基板31とを位置合わせし、微小突起17に対応した位置をマスクして、コンタクトUV露光機にてihg線を照射した。その後、アルカリ現像し、壁部15上の高さ5μmの微小突起17と同一形状の凹凸パターンを有する第1のレジストパターン32を形成した。
次に、ガラス基板31及び第1のレジストパターン32上に、ニッケルを真空蒸着し、めっきシード層として堆積させた。次に、スルファミン酸ニッケル水溶液中で電解めっきを行い、高さ5μmの微小突起17に相当する凹部を有する、すなわち、微小突起17を転写した、図2(b)に示すような第1の金属構造体33を得た。
次に、図2(c)に示すように、第1の金属構造体33上に、クラリアント社製ポジレジスト「AZ−P4620」を80μm膜厚となるよう塗布・乾燥させた。その後、マスクパターンと第1の金属構造体33とを位置合わせし、第1及び第2の窪み13、14に対応する位置をマスクして、プロジェクションUV露光機にてihg線を照射した。アルカリ現像後、第1の金属構造体33上に、第1及び第2の窪み13、14を転写した凹凸パターンを有する第2のレジストパターン34を形成した。
次に、第1の金属構造体33及び第2のレジストパターン34上に、ニッケルを真空蒸着し、めっきシード層として堆積させた。次に、スルファミン酸ニッケル水溶液中で電解めっきを行い、第1及び第2の窪み13、14、壁部15及びその上の微小突起17と同一形状の凹凸パターンを有する、図2(d)に示すような第2の金属構造体35を得た。
次に、第2の金属構造体35にスルファミン酸ニッケル水溶液中で電解めっきを行い、第2の金属構造体35を転写した凹凸パターンを有する、図2(e)に示すような第3の金属構造体36を得た。
上記第3の金属構造体36を金型とし、射出成形により、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を充填し、第1の基板10を得た。この第1の基板10の前面へ真空蒸着により厚さ100nmのアルミニウムを蒸着し、その上に親水性を付与するため、ホスホリルコリン基を側鎖に有するポリメタクリレートを厚さ100nmで塗布した。
この第1の基板10と透明な平板である第2の基板20を接合し、測定モジュールにセットし、落差圧200mmにおける生理食塩水0.1mlの通過時間を測定した結果、19.2秒であった。同様の方法で製造したマイクロチャネルアレイ40個の生理食塩水通過時間は平均19.5秒、標準偏差0.42秒であり、再現性に優れることを確認した。
〔比較例1〕
まず、平面ガラス基板41上に、東京応化工業製ネガレジスト「PMER N−CA3000PM」を80μm膜厚となるよう塗布・乾燥させた。次に、マスクパターンを位置合わせし、壁部15に対応する位置以外をマスクして、コンタクトUV露光機にてihg線を照射し、熱処理を行った。次に、上記と同じネガレジストを5μm膜厚となるよう重ねて塗布・乾燥させた。その後、マスクパターンを位置合わせし、微小突起17に対応する位置以外をマスクして、コンタクト露光機にてihg線を照射し、熱処理を行った。アルカリ現像後、第1及び第2の窪み13、14、壁部15及びその上の微小突起17に相当する形状を備えた、図3(a)に示すような2段構造のレジストパターン42を形成した。
次に、2段構造のレジストパターン42上に、ニッケルを真空蒸着し、めっきシード層として堆積させた。次に、スルファミン酸ニッケル水溶液中で電解めっきを行い、レジストパターン42を転写した、図3(b)に示すような金属構造体43を得た。
金属構造体43を金型とし、射出成形によりPMMAを充填し、第1の基板10を得た。第1及び第2の窪み13、14、壁部15及びその上の微小突起17において、2μm以上の離型バリ不良が発生し、目的形状が得られなかった。ネガレジストを用いた場合、レジストパターン42の端面が略垂直又は逆テーパー形状となる。そのため、このレジストパターン42にめっきするなどして得られる金属構造体43を金型として射出成形すると、得られた樹脂成形品の金型からの脱型が困難となり、成形不良となる。また、このような不良部では、血液等の流体測定時に、血球の詰まりや流体の流れが停止するため、目的の測定が不可能となる。
実施の形態に係る樹脂製マイクロチャネルアレイの模式図である。 実施の形態に係る樹脂製マイクロチャネルアレイの製造工程の模式図である。 比較例に係る樹脂製マイクロチャネルアレイの製造工程の模式図である。
符号の説明
10 第1の基板
11 流入口
12 流出口
13 第1の窪み
131 本体部
132 分岐部
14 第2の窪み
141 本体部
142 分岐部
15 壁部
16 微小溝
17 微小突起
20 第2の基板
31 基板
32 第1のレジストパターン
34 第2のレジストパターン
33 第1の金属構造体
35 第2の金属構造体
36 第3の金属構造体
41 基板
42 レジストパターン
43 金属構造体

Claims (3)

  1. 一端部に流入口が形成された本体部と、他端部に向かって当該本体部から複数分岐して形成された分岐部とを有する第1の窪みと、
    前記他端部に流出口が形成された本体部と、前記一端部に向かって当該本体部から複数分岐して形成された分岐部とを有し、かつ、当該分岐部が前記第1の窪みの分岐部と交互に配置された第2の窪みと、
    前記第1の窪み及び第2の窪みの分岐部同士を区画する壁部と、
    前記壁部上に形成され、前記第1の窪み及び第2の窪みの分岐部同士を連通する微小溝とを備える樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法であって、
    基板上にポジレジストを塗布し、パターニングすることにより、前記微小溝と同一形状の凹凸パターンを有する第1のレジストパターンを形成するステップと、
    前記第1のレジストパターン上にめっきにより金属を堆積し、前記微小溝を転写した凹凸パターンを有する第1の金属構造体を形成するステップと、
    前記第1の金属構造体上にポジレジストを塗布し、パターニングすることにより、前記第1及び第2の窪み、壁部を転写した凹凸パターンを有する第2のレジストパターンを形成するステップと、
    前記第2のポジレジストパターン上にめっきにより金属を堆積し、前記第1及び第2の窪み、壁部及び微小溝と同一形状の凹凸パターンを有する第2の金属構造体を形成するステップと、
    前記第2の金属構造体上にめっきにより金属を堆積し、前記第2の金属構造体を転写した凹凸パターンを有する第3の金属構造体を形成するステップと、
    前記第3の金属構造体を金型として樹脂成形品を形成するステップとを備えた樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法。
  2. 前記第3の金属構造体の内側面のテーパー角度が75〜85°であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法。
  3. 前記第3の金属構造体を金型として射出成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法。
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