JP2006285085A - 微細構造体の作製方法および微細構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微細構造体の作製において、複雑な装置を用いることなく、簡単に深さ方向にテーパのついたレジストを得ることができる微細構造体の作製方法およびその方法を用いて作製された微細構造体を提供する。
【解決手段】 モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるためにレジスト2に吸収体部3aを有するマスク3を通して露光する工程において、露光量を調節することにより微細構造体の側壁に対応するレジストの側壁2sにテーパを付ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるためにレジスト2に吸収体部3aを有するマスク3を通して露光する工程において、露光量を調節することにより微細構造体の側壁に対応するレジストの側壁2sにテーパを付ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エレクトロニクス分野、バイオ分野、医療機器分野において高集積化される各種デバイス、具体的にはインクジェットプリンタ、導光板、DNAチップ、ネブライザー等に配置される3次元の微細構造体の作製方法およびその方法を用いて作製された3次元の微細構造体に関するものである。
半導体装置、光学部品、各種表示装置、印刷装置、記録媒体、医療機器、バイオチップ等の精細装置では、定常的に、微細化、高集積化、高精度化が進んでいる。このような精細装置には、微細構造体が含まれ、これら微細構造体においても高精度化、微細化、高集積化の追求がなされている。微細構造体の作製においては、リソグラフィー工程における(a)レジストへの露光、(b)現像によるレジストパターンの作製、(c)電鋳工程における、レジストパターンを原型(雄型)とする金属めっき層の形成、(d)レジストパターンの除去による金型の作製工程、(e)金型を加熱された樹脂に押し付け加圧成形するモールド工程、を経る。
リソグラフィーにおけるパターン露光光は、紫外光の波長域から電子線およびX線などに変わってきている。また、上記微細化、集積度の高まりとともに、上記微細構造体の作製に要する工数、時間、資材も増大し、コストの大幅上昇を招いている。
上記微細構造体の作製においては、スタンパ(型)を作製するために金型の原型(雄型)となるレジストを、マスクを用いて作製する必要がある。このとき深さ方向に曲面、またはテーパの付いた側面を有する、3次元のレジスト構造体を得ることが必要になる場合がある。たとえば、樹脂のモールドにおいて、型から製品を離型するときテーパの角度が十分ないと型離れが悪く、トラブルの原因となる。
上記の問題を含め、3次元の構造体を作製するため多くの技術が提案されてきた。たとえば、リソグラフィーにおいてX線源からX線マスクを介在させてレジストにX線マスクのパターンを照射する際に、X線マスクをレジストに対して相対的に移動させる方法がある(特許文献1)。この方法によれば、X線マスクの空隙部側面に対応するレジスト位置に、円筒ではなく、テーパの付いた、たとえば逆円錐台などのレジスト構造体を作製することができる。このレジストを用いて型を作製してモールドすることにより、逆円錐台の微細構造体を作製することが可能となる。しかし、この方法では、テーパ面を得るのに、レジストとマスクとを相対的に移動させることのみに依存するので、実質的に円(逆円錐台)以外の形状には、複雑すぎて困難をともなう。
また、X線マスク自体の吸収体の厚みをパターンに応じて変えて、均一な厚みとしないことによりレジストに3次元構造を持たせる方法が提案されている(特許文献2)。この方法では、レジストの3次元構造体の作製は容易になるが、X線マスクの吸収体の膜厚は3〜5μmであり、ここに傾斜構造などの3次元構造を形成することは処理工程等が複雑となり、限界があり、またコスト増の要因となる。
また、上記テーパを付けるために、X線マスクおよびレジストをX線の進行方向に対して傾けて、X線照射する方法が提案された(非特許文献1)。しかし、傾斜ステージの角度制御は装置が大掛かりとなり、制御も非常に困難をともなう。また、X線マスク中の吸収体の傾斜に大きく依存するため精密な制御は非常に難しい。
また、リソグラフィーの厚み方向の3次元の形成に関連して、つぎのような事象が開示されている。(1)紫外光を用いたリソグラフィー工程において、レジスト厚みが厚くなると、露光光が回折してしまい、レジストの裏面まで垂直に側面が形成されない(特許文献3)。(2)電子線によるリソグラフィー工程において、後方散乱電子によってレジストエッジ部を外れた位置においてレジスト膜が感光され、エッジ部に「ぼけ」が生じる(特許文献4)。上記(1)に対して、薄いレジスト膜を複数段重ねる対策が、また(2)に対して、紫外線にも感光する感光剤を混入して、浅めの電子線照射ののちにさらに紫外線露光で仕上げる対策が示されている。
特許第3380878号公報
特開2003−133202号公報
特開平10−104845号公報
特開昭63−185022号公報
Ryan Turner, et.al., J.Micromech.Microeng. 13(2003)367−372
本発明は、微細構造体の作製において、複雑な工程や複雑な装置を用いることなく、厚み(深さ)方向にテーパのついたレジストを簡単に得ることができる微細構造体の作製方法およびその方法を用いて作製された微細構造体を提供することを目的とする。
本発明の微細構造体の作製方法は、厚み方向に沿う側壁を有する微細構造体を、モールド工程を経て作製する方法である。この作製方法では、モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるために、レジストに吸収体部を有するマスクを通して露光する工程において、露光量を調節することにより微細構造体の側壁に対応するレジストの側壁にテーパを付ける。
上記方法により、マスクを移動させる機構を設けることなく、露光量のみの調整によりテーパ付の微細構造体を得ることができる。なお、上記露光量(線量)の調節は、ネガレジストの場合において、フラットな側壁(垂直構造体)を形成する露光量よりも露光量を多くすること(オーバードーズ:over-dose)をいう。したがって、ネガレジスト材料中の感光剤の増量などにより、フラットな側壁を形成する露光量が変わった場合には、それに応じてオーバードーズの露光量も変化させる。この場合、レジストのタイプによってテーパの向きは変わるが、ネガレジストを用いたときには、露光量が多いほど硬化するので、ネガレジストのトップ側(基板付レジストの基板と反対側)でより硬化する。このため、ネガレジストトップ側に幅広に残存するテーパをレジストに付すことができる。
また、本発明の他の微細構造体の作製方法は、厚み方向に沿う側壁を有する微細構造体を、モールド工程を経て作製する方法である。この作製方法は、モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるために、ネガレジストに吸収体部を有するマスクを通して露光する工程と、露光工程のあとネガレジストに熱処理をする工程とを備え、熱処理工程における、熱処理方法、温度および時間の少なくとも1つを調整することにより、微細構造体の側壁に対応するネガレジストの側壁にテーパを付ける。なお、上記熱処理はPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる。
上記のPEBでは、たとえば加熱されたホットプレート上に基板ごとネガレジストを置くことにより熱処理する場合、基板付ネガレジストを載置するホットプレートから基板を介在させてネガレジストに熱が伝わり硬化する。このため、ホットプレート側(基板側)が幅広に残存するようなテーパをネガレジストに付すことができる。また、基板付ネガレジストを恒温槽内に装入して熱処理する場合、基板と反対側のネガレジストトップからより早く昇温する。このため、ネガレジストトップ側が幅広に残存するようなテーパをネガレジストに付すことができる。
つぎに本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における微細構造体の作製方法を説明する図である。図1において、レジスト2は、露光され、現像された後のパターン化された状態であり、露光マスク3のパターン化された吸収体部3aとの位置関係を示している。レジスト2はネガレジストであり、シリコン基板1上に形成されている。ネガレジストのため露光された部分は残ってパターン化されたレジスト部2aとなり、露光量が少ない部分は除去され、空隙部2bとなる。図1に示すように、X線マスクの吸収体部3aとレジスト部2aとがほぼ対応し、マスク基部3bと空隙部2bとがほぼ対応する。
図1は、本発明の実施の形態1における微細構造体の作製方法を説明する図である。図1において、レジスト2は、露光され、現像された後のパターン化された状態であり、露光マスク3のパターン化された吸収体部3aとの位置関係を示している。レジスト2はネガレジストであり、シリコン基板1上に形成されている。ネガレジストのため露光された部分は残ってパターン化されたレジスト部2aとなり、露光量が少ない部分は除去され、空隙部2bとなる。図1に示すように、X線マスクの吸収体部3aとレジスト部2aとがほぼ対応し、マスク基部3bと空隙部2bとがほぼ対応する。
レジストにフラットな側壁(垂直構造体)を形成する露光量よりも露光量を多くすることにより、レジストパターン側壁2sを有するパターン化されたレジストを得ることができる。露光光は、図1の場合SR光源から発生するX線を対象とするが、原理的には他のリソグラフィー光、電子ビーム、レーザービームなど何でもよく、露光光に合わせてレジスト材料を変える。
次に本実施の形態における微細構造体の作製方法について、図2(a)〜図2(b)および図3(a)〜図3(e)を用いて説明する。レジスト2を塗布したシリコン基板1上に、パターン化されたタングステンの吸収体部3aと、マスク基部3bとを有するX線マスク3を配置して、X線マスク3を通して、SR装置から出射されるX線11により露光を行なう。このときレジスト2は、たとえば化薬マイクロケム製KMPR1050を用い、約80μmの厚みにスピンコートで成膜する。露光は、ベリリウム(Be)300μmとアルミニウム(Al)40μmとのフィルター(図示せず)を通して行なう(図2(a)、図3(a)参照)。
図2(a)は、露光量をパターン深さ(厚み)方向に垂直構造(フラットな側壁の構造)となる露光量となった状態を示す図である。X線マスク3の吸収体部3aの直下の領域2dではX線露光量は、それ以外の領域2cに比べて非常に少ない。しかし、露光量をパターン深さ方向に垂直構造(フラットな側壁の構造)となる露光量以上に、増やしてオーバードーズしてゆくと、吸収体部3aの直下の領域2dへも吸収体部3aの下側において回り込んできて、領域2dの中の境界線15の内側付近において、無視できない露光量となる。
図2(b)は、オーバードーズしたため、吸収体部3aの直下の領域2dにおいて、上記のようなX線の回り込みが無視できない露光量となった状態を示す図である。上記のような回り込みは、吸収体部3aから遠ざかるほど、平面的に見て領域2dの中央部に向かうようになり、図2(b)に示すような露光量のテーパが付く。この結果、図1に示すような、テーパ付側壁2sを有するレジスト2が得られる。露光量を調整する上記方法を用いることにより、約8度程度のテーパを付けることができた。図1等より明らかであるが、ネガレジストを用いるので、現像後では、レジストパターンの各部分における側壁間の厚みは、根元部ほど狭く、すなわちシリコン基板1に近いほど狭く(細く)なる。
図3(b)では、図1に示すようなテーパ付側壁2sを有するレジストパターン2を示す。このあと、図3(c)に示すように電鋳を行ない、レジストパターンに密着させ、レジストパターンを原型(雄型)とするように電鋳層5を形成する。このあと、図3(d)に示すように、レジストパターン2を除去して型空隙部5aを形成する。型空隙部5aの側壁間のギャップはトップ側Tよりもボトム側Bにおいて大きい。
上記空隙部5aを設けられた電鋳層5を金型9として用いて微細構造体10を作製する。図3(e)において、加熱され塑性流動が容易化された樹脂層に金型9(5)を押し付け加圧保持して、パターン化された樹脂製の微細構造体10を作製する。金型9では、電鋳層5のボトム側Bを樹脂に近い側に、またトップ側Tを樹脂から遠い側に配置する。このような配置により、金型9の深い位置における空隙の各部の側壁間のギャップが小さくなり、また樹脂に面する側では上記ギャップが大きくなる。この配置においては、樹脂を塑性流動させて空隙部に充填させたあと、離型の際、金型と成型加工された微細構造体とが離れ易くなる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における微細構造体の作製方法を説明するための図である。図4は、図1と同様に、露光、現像されたあとのレジストパターン2と、X線マスク3との位置関係を示す図である。本実施の形態では、X線マスク3の吸収体部3aがテーパが付された側面3sを有する点に特徴がある。
図4は、本発明の実施の形態2における微細構造体の作製方法を説明するための図である。図4は、図1と同様に、露光、現像されたあとのレジストパターン2と、X線マスク3との位置関係を示す図である。本実施の形態では、X線マスク3の吸収体部3aがテーパが付された側面3sを有する点に特徴がある。
X線マスク3における吸収体部3aはタングステンなどの重金属で形成されるが、厚さが薄い場合、X線を完全に遮断することはできない。このため、吸収体部3aの直下の領域では、対応する辺の部分から内側へと、上記回り込みによるX線と、吸収体を透過するX線とにより、露光量が連続的に大きく変化する領域が増大する。この結果、垂直なフラット壁からより大きく傾いた、よりテーパ角度の大きい側壁のあるレジストパターンを得ることが可能になる。なお、吸収体には、X線吸収能の大きいRu、Ta、W、Re、Os、Ir、Ptなど周期律表に表示された重金属およびそれらの合金を用いることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における微細構造体の作製方法を説明するための図である。図5は、図1と同様に、露光、現像されたあとのレジストパターン2と、X線マスク3との位置関係を示す図である。本実施の形態では、X線マスク3、および基板1を含むレジスト2が、X線11の進行方向に垂直ではなく傾斜している点に特徴がある。図5の場合、3度傾斜している。また、その傾斜が一定方向に偏らないようにされている点に特徴がある。図5の場合、傾斜の偏りを避けるために、基板1と、レジスト2と、X線マスク3とを含む被照射体を回転軸21の周りに回転させる。X線の進行方向を被照射体の回転軸21に対して相対的に回転させてもよい。
図5は、本発明の実施の形態3における微細構造体の作製方法を説明するための図である。図5は、図1と同様に、露光、現像されたあとのレジストパターン2と、X線マスク3との位置関係を示す図である。本実施の形態では、X線マスク3、および基板1を含むレジスト2が、X線11の進行方向に垂直ではなく傾斜している点に特徴がある。図5の場合、3度傾斜している。また、その傾斜が一定方向に偏らないようにされている点に特徴がある。図5の場合、傾斜の偏りを避けるために、基板1と、レジスト2と、X線マスク3とを含む被照射体を回転軸21の周りに回転させる。X線の進行方向を被照射体の回転軸21に対して相対的に回転させてもよい。
上記のように、被照射体をX線に対して傾斜配置とすることにより、吸収体部3aの下側において中央部にX線を染み出させることができる。そして、図5に示すように、傾斜配置の被照射体の面に直交する回転軸21の周りに回転させることにより、染み出し方向を偏らせることなく全方向から染み出しが生じるようにできる。この結果、レジストパターンの側壁のテーパ角度を、図1に示す角度よりも大きく付けることが可能になった。
(実施の形態4)
図6〜図9は、本発明の実施の形態4の微細構造体の作製方法を示す図である。本実施の形態では、ネガレジスト2のテーパを露光後熱処理(PEB)のうちホットプレート法によって形成したことにポイントがある。まず、図6に示すようにシリコン基板1上にネガレジスト2(たとえば化薬マイクロフィルム製KMPR1050)を80μmの厚みで塗布する。次いで、X線マスク3を通してSR光を用いてX線露光を行なう(図7参照)。このときX線露光に代えて、フォトリソグラフィ光、電子ビーム、レーザービームのいずれかを用いてもよい。
図6〜図9は、本発明の実施の形態4の微細構造体の作製方法を示す図である。本実施の形態では、ネガレジスト2のテーパを露光後熱処理(PEB)のうちホットプレート法によって形成したことにポイントがある。まず、図6に示すようにシリコン基板1上にネガレジスト2(たとえば化薬マイクロフィルム製KMPR1050)を80μmの厚みで塗布する。次いで、X線マスク3を通してSR光を用いてX線露光を行なう(図7参照)。このときX線露光に代えて、フォトリソグラフィ光、電子ビーム、レーザービームのいずれかを用いてもよい。
上述の実施の形態と相違して注意すべきは、露光量はパターニングできる量とし、オーバードーズとしない点である。すなわち、露光時にオーバードーズとしないで、熱処理工程でテーパを形成するように処理する。
次に露光後熱処理を行なう。このとき熱処理方法は、ホットプレート31に基板1付のネガレジスト2を載置する。ホットプレート31は80℃〜120℃とし、ネガレジスト1、2をホットプレート31上に15分〜90分、載置する。熱はホットプレート31からSi基板1を通ってネガレジスト2に到達し、露光部はホットプレート31側から硬化して硬化部2hを形成する(図8参照)。硬化部2hはホットプレート31側が幅広で、遠ざかるほど狭くなる。載置時間が長く、またホットプレート温度が高いほど、ネガレジスト2に大きなテーパを付け易い。現像液に浸漬して現像すると、図9に示すように、現像後、Si基板1側が幅広に残存し、その反対側に狭幅に残存するテーパ2sが付いたレジストパターンが得られる。
(実施の形態5)
図10〜図11は、本発明の実施の形態5の微細構造体の作製方法を示す図である。本実施の形態では、ネガレジスト2のテーパを露光後熱処理(PEB)のうちの恒温槽装入法によって形成したことにポイントがある。まず、ネガレジストの塗布および露光は、実施の形態4と共通である(図6、7参照)。X線露光に代えて、フォトリソグラフィ光、電子ビーム、レーザービームのいずれかを用いてもよいことも同様である。また、露光時にオーバードーズとしない点も同じである。
図10〜図11は、本発明の実施の形態5の微細構造体の作製方法を示す図である。本実施の形態では、ネガレジスト2のテーパを露光後熱処理(PEB)のうちの恒温槽装入法によって形成したことにポイントがある。まず、ネガレジストの塗布および露光は、実施の形態4と共通である(図6、7参照)。X線露光に代えて、フォトリソグラフィ光、電子ビーム、レーザービームのいずれかを用いてもよいことも同様である。また、露光時にオーバードーズとしない点も同じである。
本実施の形態では、PEBにおいて、図10に示す恒温槽33内に装入され、恒温槽33の雰囲気により加熱される。このため、ネガレジスト2はSi基板1と反対側の表面から熱が伝えられ、露光部が表面から硬化して硬化部2hを形成してゆく。このため、現像後、表面側に幅広に残存し、Si基板1側に狭幅に残存するテーパ2sが付いたレジストパターンが形成される。
(実施の形態6)
図12〜図13は、本発明の実施の形態6の微細構造体の作製方法を示す図である。本実施の形態では、レジストとしてポジレジスト2pを用いた点にポイントがある。ポジレジストをSi基板に塗布したのち、露光量をフラットな側壁を形成する場合よりも過少にする。現像後には、図12に示すように、基板1と反対側の表面に幅広の空隙部2bが形成される。また、露光量を増大させると、フラットな側壁を有するレジストパターンが形成される(図13参照)。
図12〜図13は、本発明の実施の形態6の微細構造体の作製方法を示す図である。本実施の形態では、レジストとしてポジレジスト2pを用いた点にポイントがある。ポジレジストをSi基板に塗布したのち、露光量をフラットな側壁を形成する場合よりも過少にする。現像後には、図12に示すように、基板1と反対側の表面に幅広の空隙部2bが形成される。また、露光量を増大させると、フラットな側壁を有するレジストパターンが形成される(図13参照)。
上記本実施の形態における微細構造体の作製方法の基本要素は、厚み方向に沿う側壁を有する微細構造体を、モールド工程を経て作製する方法において、モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるために、吸収体部を有するマスクを通してレジストを露光する工程において、露光量を調節することにより微細構造体の側壁に対応するレジストの側壁にテーパを付ける、ことにある。とくに、ネガレジストの場合はフラットな側壁を形成する場合よりも露光量を多くするという調節を行なう。したがって、レジストの感光剤の増量などにより、フラットな側壁を形成する露光量は変わった場合には、それに応じてオーバードーズの露光量も変化させる。
また、ポジレジストの場合は上述のように、フラットな側壁を形成する場合よりも露光量を少なくするように露光量の調節を行なう。このとき基板1と反対側の表面に幅広の空隙部2bが形成されるようなテーパが付される。
また、上記のレジストには、ネガレジストを用いることができる。この方法により、露光の吸収体部のパターンとネガレジストのパターンとを同型(非反転)とすることができ、技術的に実現しやすくなる。
また、本発明の実施の形態における別の微細構造体の作製方法の基本要素は、厚み方向に沿う側壁を有する微細構造体を、モールド工程を経て作製する方法において、モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるために、ネガレジストに吸収体部を有するマスクを通して露光する工程と、露光工程のあとネガレジストに熱処理をする工程(PEB工程)とを備え、熱処理工程における、熱処理方法、温度および時間の少なくとも1つを調整することにより、微細構造体の側壁に対応するネガレジストの側壁にテーパを付ける、ことにある。この方法により、熱の伝播する側の露光部からネガレジストは硬化して硬化部が形成されてゆくので、光の種類によらずオーバードーズすることなくテーパを付けることができる。熱処理方法としてはホットプレート法、恒温槽装入法などがある。ネガレジストの厚み方向に温度勾配を付けて加熱する熱処理方法であれば、ホットプレート法、恒温槽装入法に限定されず、どのような熱処理法を用いてもよい。
また、上記の露光工程における露光光に、SR(Synchrotron Radiation)のX線、フォトリソグラフィー光、電子ビームおよびレーザービームの少なくとも1つを用いることができる。この方法により、露光光によらず、上記の考え方に基づきオーバードーズすることにより、テーパ付きの型を作製することが可能になる。
また、上記露光工程において、吸収体部の端に厚み方向にテーパの付いたマスクを用いることができる。この方法により、より一層、垂直側壁から傾いた傾斜の側壁を有するレジストまたは型を得ることができるようになる。この結果、微細構造体の作製を容易化することが可能になる。
また、上記の露光工程において、レジストおよびマスクの面に直交する直交方向と、露光光の進行方向とを角度を有する傾斜関係とし、前記直交方向および進行方向のすくなくとも一方を相手の周りを旋回させるようにできる。この方法により、レジストパターンの側壁の傾斜をさらに大きく付けることが可能になる。
また、上記の微細構造体の作製方法を用いて作製された微細構造体は、複雑な機械装置を用いることなく、テーパ付き側壁を有するレジストパターンまたは型を得ることができるので、安価であり、また高品質である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、微細構造体の作製において、複雑な機構を用いることなくテーパ付き側壁を有するレジストパターンまたは型を作製することができるので、この分野において多大な貢献をすることが期待される。
1 基板(シリコン基板)、2 レジスト(レジストパターン)、2a レジスト部、2b 空隙部、2c レジストの露光部、2d レジストの露光被遮蔽部、2h 硬化部、2s レジストパターン側壁、3 露光マスク(X線マスク)、3a 吸収体部、3b 露光マスク基部、5 電鋳層、5a 型空隙部、9 型、10 微細構造体、15 境界線、21 回転軸、31 ホットプレート、33 恒温槽、B 電鋳層のボトム側、T 電鋳層のトップ側。
Claims (7)
- 厚み方向に沿う側壁を有する微細構造体を、モールド工程を経て作製する方法において、
前記モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるために、レジストに吸収体部を有するマスクを通して露光する工程において、露光量を調節することにより前記微細構造体の側壁に対応するレジストの側壁にテーパを付ける、微細構造体の作製方法。 - 前記レジストにネガレジストを用いる、請求項1に記載の微細構造体の作製方法。
- 厚み方向に沿う側壁を有する微細構造体を、モールド工程を経て作製する方法において、
前記モールド工程で用いる微細構造体の型をつくるために、ネガレジストに吸収体部を有するマスクを通して露光する工程と、
前記露光工程のあと前記ネガレジストに熱処理をする工程とを備え、
前記熱処理工程における、熱処理方法、温度および時間の少なくとも1つを調整することにより、前記微細構造体の側壁に対応するネガレジストの側壁にテーパを付ける、微細構造体の作製方法。 - 前記露光工程における露光光に、SR(Synchrotron Radiation)のX線、フォトリソグラフィー光、電子ビームおよびレーザービームの少なくとも1つを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の微細構造体の作製方法。
- 前記露光工程において、前記吸収体部の端に厚み方向にテーパの付いたマスクを用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の微細構造体の作製方法。
- 前記露光工程において、前記レジストおよび前記マスクの面に直交する直交方向と、露光光の進行方向とは角度を有する傾斜関係とし、前記直交方向および進行方向の少なくとも一方を相手の方向の周りに旋回させる、請求項1〜5のいずれかに記載の微細構造体の作製方法。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載の微細構造体の作製方法を用いて作製された微細構造体。
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JP2008232672A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kuraray Co Ltd | 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法 |
JP2009226762A (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-08 | Toppan Printing Co Ltd | インプリントモールド、インプリントモールド製造方法、微細構造体 |
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2005
- 2005-04-04 JP JP2005107647A patent/JP2006285085A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008232672A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kuraray Co Ltd | 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法 |
JP2009226762A (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-08 | Toppan Printing Co Ltd | インプリントモールド、インプリントモールド製造方法、微細構造体 |
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