JP4832953B2 - 顔料含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタ、画像記録材料、および、カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

顔料含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタ、画像記録材料、および、カラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタを構成する着色画像の形成に好適な顔料含有硬化性組成物、並びに、該顔料含有硬化性組成物を用いたカラーフィルタ、画像記録材料、および、ドライエッチング法によってパターン形成を行なうカラーフィルタの製造方法に関するものである。
液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法および顔料分散法が知られている。
このうち、顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。また、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
顔料分散法によりカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコータやロールコーター等により塗布し乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光・現像することによって着色された画素が形成され、この操作を各色ごとに繰り返し行なうことでカラーフィルタを得ることができる。
前記の顔料分散法としては、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤とを併用したネガ型感光性組成物が記載されたものがある(例えば、特許文献1〜4参照)。
一方、近年、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては更なる高精細化が望まれており、染料を使用する技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、染料含有の硬化性組成物は、例えば、耐光性、耐熱性、溶解性、塗布均一性など様々な性能につき、一般的に顔料に比べて劣るという問題がある。また、特に固体撮像素子用カラーフィルタ作製用途の場合には1.5μm以下の膜厚が要求されるため、硬化性組成物中に多量の色素を添加しなければならず、これにより基板との密着が不充分となったり、十分な硬化が得られなかったり、露光部でも染料が抜けてしまうなど、パターン形成性が著しく低下する問題もある。
また、顔料、染料に関わらず、フォトリソ法を用いたカラーフィルタは、着色剤以外の成分すなわち、バインダー樹脂、光重合性化合物、開始剤を相当量入れる必要があり、膜厚を薄くできない欠点がある。
一方、近年では、シェーディング低減による画質向上の観点から、カラーフィルタに対しては更なる薄膜化が求められている。
前記フォトリソ法を利用するカラーフィルタの製造方法との比較において、より薄膜で、かつ微細パターンの形成に有効な方法としてドライエッチング法が古くから知られている。ドライエッチング法は、色素の蒸着薄膜に対してパターン形成する方法として従来から採用されており(例えば、特許文献6参照)、薄膜形成に関してはフォトリソ系に比べ、分光特性を同じ程度としながら膜厚が1/2以下の薄膜の形成も可能である。
特開平2−181704号公報 特開平2−199403号公報 特開平5−273411号公報 特開平7−140654号公報 特開平6−75375号公報 特開昭55−146406号公報
しかしながら、蒸着による薄膜形成では、蒸着装置の汚染が避けられず、カラーフィルタの作製には大きな負荷となっている。また、顔料または染料のみで画素が形成されるため、下層の平坦化膜や上層との密着性が悪く、歩留まりが上がらない原因の一つにもなっている。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、エッチングに好適であり、分光特性及び顔料の分散性に優れ、着色パターンとしたときのパターンの矩形性、並びに下層及び上層との密着性に優れ、かつ、薄膜化が可能であり、樹脂の総使用量が少なく、顔料の濃度が高い顔料含有硬化性組成物、並びに、これを用いたカラーフィルタおよび画像記録材料を提供することを目的とする。また同時に、優れたカラーフィルタを製造し、コストパフォーマンスの高いドライエッチングで作製するカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、前記共重合体は前記重合性基と前記酸性基または塩基性基との比率(重合性基/酸性基または塩基性基)がモル比で75/25〜25/75の範囲であり、且つ全固形分中の顔料濃度が70質量%以上100質量%未満である熱硬化性の顔料含有硬化性組成物である。
<2> 共重合体の重量平均分子量が3000〜300000の範囲である<1>に記載の顔料含有硬化性組成物である。
<3> 顔料中に粒子径が0.01±0.005μmの範囲である顔料粒子を顔料総質量中の75質量%以上100質量%未満含む<1>又は<2>に記載の顔料含有硬化性組成物である。
> 更に、硬化触媒を含むことを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の顔料含有硬化性組成物である。
> 前記重合性基が、アリル基であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の顔料含有硬化性組成物である。
> <1>〜<のいずれかの顔料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタである。
> <1>〜<のいずれかの顔料含有硬化性組成物を用いてなる単色層上に、感光性樹脂層を積層してなることを特徴とする画像記録材料である。
> <>の画像記録材料を用いたカラーフィルタの製造方法であって、少なくとも前記画像記録材料における感光性樹脂層にパターン画像を形成した後、ドライエッチング処理し、前記画像記録材料における着色層にパターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
本発明によれば、エッチングに好適であり、分光特性及び顔料の分散性に優れ、着色パターンとしたときのパターンの矩形性、並びに下層及び上層との密着性に優れ、かつ、薄膜化が可能であり、樹脂の総使用量が少なく、顔料濃度が高い顔料含有硬化性組成物、並びに、これを用いたカラーフィルタおよび画像記録材料を提供することができる。また同時に、優れたカラーフィルタを製造し、コストパフォーマンスの高いドライエッチングで作製するカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の顔料含有硬化性組成物、並びに、本発明の顔料含有硬化性組成物を用いたカラーフィルタ、画像記録材料、および、カラーフィルタの製造方法について詳述する。
≪顔料含有硬化性組成物≫
本発明の顔料含有硬化性組成物は、側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満である。ここで、顔料含有硬化性組成物の全固形分とは、顔料含有硬化性組成物から溶剤を除いた全成分をいう。
本発明の顔料含有硬化性組成物の好ましい態様は、側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含む顔料分散液を、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満となる範囲で含む態様である。
本発明の顔料含有硬化性組成物は、熱及び/又は光により硬化する組成物であるが、硬化の均一性や、組成物中の顔料濃度を上げる観点からは、少なくとも熱により硬化する組成物(以下、「熱硬化性組成物」ということがある)であることが好ましい。
<側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体>
本発明の顔料含有硬化性組成物は、側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体(以下、「特定共重合体」ということがある)の少なくとも一種を含む。
ここで、モノマーユニットとは、共重合体中に含まれる、モノマー由来の繰り返し単位をいう。
本発明においては、側鎖に重合性基を有するモノマーユニットを含むことにより、特定共重合体に硬化性を付与することができ、酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを含むことにより、顔料の分散性を高めることができる。このため、顔料以外の成分(分散剤、硬化性化合物等)を減らし、高顔料濃度の顔料含有硬化性組成物を得ることができる。また、この顔料含有硬化性組成物を用いて着色層を形成することにより、より一層の薄膜化が可能となる。
本発明において、側鎖に重合性基を有するモノマーユニットおよび側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体は、例えば、顔料分散液を調製する際、顔料を分散するときに好ましく用いられる。
特定共重合体における重合性基を導入する方法としては、側鎖に重合性基を有するモノマーを、側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーと共重合させた態様であっても、側鎖に酸性基または塩基性基を有する共重合体に、重合性基を有する化合物を更に高分子反応で付加させた態様であってもよい。本発明においては、側鎖に重合性基を有するモノマーを、側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーと共重合させた態様が好ましい。
重合性基としては、アリル基、ビニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。中でもアリル基が好ましい。
側鎖に重合性基を有するモノマーとしては、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレート、p−ビニルオキシスチレン、p−{2−(ビニルオキシ)エチル}スチレン等が挙げられる。中でも、アリルメタクリレートが好ましい。
特定共重合体における酸性基または塩基性基を導入する方法としては、側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーを、側鎖に重合性基を有するモノマーと共重合させた態様であっても、側鎖に重合性基を有する共重合体に、酸性基または塩基性基を有する化合物を更に高分子反応で付加させた態様であってもよい。本発明においては、側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーを、側鎖に重合性基を有するモノマーと共重合させた態様が好ましい。
本発明の「酸性基または塩基性基」(以下、「分散性基」ともいう)としては、公知の基を用いることができる。
「酸性基」としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられる。中でも、分散安定性の観点で、カルボキシル基、リン酸基を用いることが好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。本発明の側鎖に酸性基を有するモノマーユニットは、上記のような酸性基を有するモノマーを更に高分子反応で付加させたものでも使用することができる。
酸性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アスパラギン酸、スルホン酸等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、アスパラギン酸が好ましい。
本発明においては、酸性基を有するモノマーを上述のアリル基を有するモノマーと共重合させた共重合体が好ましく用いられる。
「塩基性基」としてはアミノ基、グアニジノ基、イミダゾール基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウムが挙げられる。
塩基性基を有するモノマーとしては、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルパルミチルアミンが好ましく、N,N−ジメチルパルミチルアミンが更に好ましい。
本発明においては、塩基性基を有するモノマーを上述のアリル基を有するモノマーと共重合させた共重合体が好ましく用いられる。
顔料表面が酸性基を有していれば塩基性基(例えば、1級から3級アミンを有するもの)、顔料が塩基性基を有していれば酸性基(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)が含まれる共重合体が好ましい。上記の点から前記特定共重合体は、アリル基と顔料吸着基(分散性基)で構成されたものがより好ましい。アリル基については、熱により重合をすればよい。光で重合させてもよいが開始剤が必要な場合は固形分中の顔料比率が下がること、膜下部までの硬化不良の可能性があり、均一に硬化でき、開始剤も不要な熱硬化方式が好ましい。
本発明における特定共重合体の具体例としては、アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、アリルメタクリレート/アクリル酸共重合体、アリルメタクリレート/イタコン酸共重合体、アリルメタクリレート/イタコン酸/メタクリル酸共重合体、アリルメタクリレート/メタクリル酸/P−{2−(ビニルオキシ)エチル}スチレン、ビニルメタクリレート/メタクリル酸等が挙げられる。
上記の中でも、アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、アリルメタクリレート/イタコン酸共重合体が好ましい。
本発明における特定共重合体としては、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)で、3000〜300000の重合体が好ましく、5000〜100000の重合体がより好ましく、7000〜70000の重合体が特に好ましい。
また、重合性基と分散性基の比率(重合性基/分散性基)としては、モル比で、95/5〜5/95が好ましく、85/15〜15/85がより好ましく、75/25〜25/75が特に好ましい。
本発明における特定共重合体の顔料分散液における濃度は、0.5〜70質量%が好ましく、1〜60質量%であればより好ましく、2〜55質量%であれば更に好ましい。
本発明の共重合体の顔料に対する比率は、0.5〜100質量%が好ましく、1〜90質量%がより好ましく、3〜80が特に好ましい。
特定共重合体の顔料含有硬化性組成物における含有量としては、素材によって異なるが、好ましくは50質量%以下であり、好ましくは0.1〜45質量%であり、より好ましくは0.5〜40質量%である。
本発明においては、後述するように、必須成分である特定共重合体に加えて、任意成分である後述の熱硬化性化合物を併用することもできる。この場合、本発明の顔料含有硬化性組成物中における、特定共重合体と熱硬化性化合物との総含有量は、該硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、50質量%以下が好ましく、0.2〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
<バインダー>
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、塗布膜厚の調節等の観点から、前記特定共重合体に加えて、前記特定共重合体以外のバインダーを用いてもよい。前記バインダーとしては、アルカリ可溶性であることは必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。
前記バインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
前記のほか、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。
また、親水性を有するモノマーを共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級または3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えばベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
前記バインダーとしては、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。
本発明においては、特定共重合体(及び、必要に応じてバインダー)中に、顔料を高濃度に分散させることで、膜を形成した際に下層等との密着性を付与でき、スピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与することができる。
<顔料>
本発明における顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また本発明における顔料としては、無機であれ有機であれ、なるべく細かいものを用いることが好ましい。ハンドリング適性をも考慮すると、前記顔料粒子の粒子径としては、平均粒子径で0.001μm〜0.1μmが好ましく、0.005μm〜0.05μmがさらに好ましい。また、本発明における顔料は、粒子径が0.01±0.005μmの範囲内にある顔料粒子が、顔料粒子の総質量に対して75質量%以上含まれていることが特に好ましい。かかる粒子径分布を達成するためには後述する分散方法によって顔料を分散することが特に好ましい。
前記無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩などで示される金属化合物が挙げられ、具体的には、アルミニウム、鉄、コバルト、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属酸化物および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、
C.I.Pigment Yellow 11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199;
C.I.Pigment Orange 36,38,43,71;
C.I.Pigment Red 81,105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,220,224,242,254,255,264,270;
C.I.Pigment Violet 19,23,32,39;
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Brown 25,28;
等を挙げることができる。
本発明において好ましく用いることができる有機顔料として、以下のものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.Pigment Orange 36,71;
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.Pigment Violet 19,23,32;
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
前記有機顔料は、単独で用いてもよいし、色純度を上げるため種々組合せて用いることもできる。具体例を示すと、赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独、或いは、それらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料との組み合わせなどを用いることができる。例えばアントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー83またはC.I.ピグメントイエロー139との組み合わせが好ましい。赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましく、100:10〜100:30がさらに好ましい。前記質量比がかかる範囲内にあると光透過率を抑えて色純度を向上させることができ、さらに主波長が短波長よりになってNTSC目標色相からずれるのを防止することができる。赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料単独、或いは、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料またはイソインドリン系黄色顔料との組み合わせを用いることができる。例えば、C.I.ピグメントグリーン7,36,37とC.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー138,C.I.ピグメントイエロー139,C.I.ピグメントイエロー150,C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましく、100:30〜100:120がさらに好ましい。前記質量比がかかる範囲にあると、400nm〜450nmの光透過率を抑え、色純度を向上させることができ、更に、主波長が長波長よりになってNTSC目標色相からずれるのを防止することができる。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料単独、または、これとジオキサジン系紫色顔料との組み合わせを用いることができる。該組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
更に前記の顔料をアクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーおよびエチルセルロース樹脂等に微分散させた粉末状加工顔料を用いることによって、分散性および分散安定性の良好な顔料含有樹脂を得ることができる。
上述の通り、本発明の顔料含有硬化性組成物は、顔料粒子を微粒子化し、且つ、その粒子サイズ分布をシャープにした顔料を用いる方法が好適である。具体的には、平均粒子径が0.01μm程度であり、且つ75質量%以上の粒子径が0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子から構成される顔料を用いる方法が好ましい。顔料の粒子サイズ分布を上述の範囲に調整するためには、顔料の分散方法が特に重要となる。顔料の分散方法については後述する。
また、本発明においては、あらかじめアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等で処理した加工顔料も好適に用いることができる。本発明において、前記の種々の樹脂で処理された加工顔料の形態としては、樹脂と顔料が均一に分散している粉末、ペースト状、ペレット状、ペースト状が好ましい。
−顔料濃度−
本発明の顔料含有硬化性組成物の全固形分中における顔料濃度は、50質量%以上100質量%未満である。本発明の顔料含有硬化性組成物の全固形分に対する顔料濃度としては、60質量%以上98質量%以下がより好ましく、65質量%以上95質量%以下が特に好ましい。前記の範囲であると、分光特性及び色再現性が良く、硬化性が良好である点で好ましい。
また、本発明の顔料含有硬化性組成物中に顔料分散液を含む場合の顔料分散液の含有量についても、上記顔料濃度を基準に決定される。
本発明の顔料含有硬化性組成物を用いてカラーフィルタを作製した場合は、フォトリソ法で作製する一般的なカラーフィルタとの比較において、同等程度の分光特性を有しながら、薄膜化を実現させることができる。
通常、所望とする分光特性を維持しつつ薄膜化を図るためには、組成物中の顔料の濃度を上げる必要がある。
このため、フォトリソ法で所望の分光特性を得たまま薄膜化を行うと、顔料以外の固形分を下げることとなり、その結果、硬化不良やこれに伴うアルカリ現像でのパターンの消失(現像、リンス工程での流れ)が起きる。このため、フォトリソ法による薄膜化には、顔料濃度に限界があり、顔料濃度が65質量%以上では、殆どパターンを形成することができなかった。
これに対し、本発明の顔料含有硬化性組成物を用い、顔料を含む塗布膜(着色層)を熱によって硬化させ、ドライエッチングによりパターンを形成することによりカラーフィルタを作製する場合には、必ずしもフォトリソ法における必須成分であるモノマー(光重合性化合物)や光重合開始剤を、顔料を含む塗布膜(着色層)に含有させる必要がない。このため、この場合には、顔料含有硬化性組成物は、顔料と熱で硬化された樹脂とで最低限構成されるため、顔料濃度を65質量%以上に設定することができる。
尚、究極の顔料濃度は蒸着法による100質量%であり、膜厚も蒸着法によるものが最も薄くできるが、(1)装置汚染の問題があること、また(2)上層や下層との密着性に問題がある場合があることは上述した通りである。
高顔料濃度の硬化性組成物をスピンコータやスリット塗布で塗布し、熱硬化で薄膜を作製する方法は、熱硬化樹脂等を添加する分蒸着法に比べ、若干膜厚は厚くなるが、アルカリ現像性が不要のため、フォトリソ法では成し得ない高顔料濃度の硬化液の調製が可能である。
本発明の顔料含有硬化性組成物においては、顔料濃度が65質量%以上であれば後述する好ましい目標膜厚にすることができるが、例えば、後述する樹脂での熱硬化方式を採用する場合には、更に顔料濃度は70質量%以上に設定することができる。すなわち分光特性を殆ど変えずにフォトリソ法での限界以下の膜厚よりも薄い膜の形成が可能である。
加えて、顔料以外の成分に密着性を持たせることで、蒸着法では得られなかった密着性能が高顔料濃度のものでも実現できる。
<染料>
本発明における顔料含有硬化性組成物においては、顔料と併せて染料を用いてもよい。
前記染料としては、特に制限なく使用することができ、従来カラーフィルタ用として公知の染料などが挙げられる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。化学構造の観点からは、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、等の染料が使用でき、特に好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系の染料である。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合には現像によりバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点から、酸性染料および/またはその誘導体を好適に使用できることがある。そのほか、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/またはこれらの誘導体等も有用に使用することができる。
−酸性染料−
前記酸性染料について説明する。酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下、前記酸性染料の具体例を挙げる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。例えば、
Acid alizarin violet N;
Acid black 1,2,24,48;
Acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,42,45,51,62,70,74,80,83,86,87,90,92,96,103,112,113,120,129,138,147,150,158,171,182,192,210,242,243,256,259,267,278,280,285,290,296,315,324:1,335,340;
Acid chrome violet K;
Acid Fuchsin;
Acid green 1,3,5,9,16,25,27,50,58,63,65,80,104,105,106,109;
Acid orange 6,7,8,10,12,26,50,51,52,56,62,63,64,74,75,94,95,107,108,169,173;
Acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,182,183,198,206,211,215,216,217,227,228,249,252,257,258,260,261,266,268,270,274,277,280,281,195,308,312,315,316,339,341,345,346,349,382,383,394,401,412,417,418,422,426;
Acid violet 6B,7,9,17,19;
Acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,38,40,42,54,65,72,73,76,79,98,99,111,112,113,114,116,119,123,128,134,135,138,139,140,144,150,155,157,160,161,163,168,169,172,177,178,179,184,190,193,196,197,199,202,203,204,205,207,212,214,220,221,228,230,232,235,238,240,242,243,251;
Direct Yellow 2,33,34,35,38,39,43,47,50,54,58,68,69,70,71,86,93,94,95,98,102,108,109,129,136,138,141;
Direct Orange 34,39,41,46,50,52,56,57,61,64,65,68,70,96,97,106,107;
Direct Red 79,82,83,84,91,92,96,97,98,99,105,106,107,172,173,176,177,179,181,182,184,204,207,211,213,218,220,221,222,232,233,234,241,243,246,250;
Direct Violet 47,52,54,59,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
Direct Blue 57,77,80,81,84,85,86,90,93,94,95,97,98,99,100,101,106,107,108,109,113,114,115,117,119,137,149,150,153,155,156,158,159,160,161,162,163,164,166,167,170,171,172,173,188,189,190,192,193,194,196,198,199,200,207,209,210,212,213,214,222,228,229,237,238,242,243,244,245,247,248,250,251,252,256,257,259,260,268,274,275,293;
Direct Green 25,27,31,32,34,37,63,65,66,67,68,69,72,77,79,82;
Mordant Yellow 5,8,10,16,20,26,30,31,33,42,43,45,56,50,61,62,65;
Mordant Orange 3,4,5,8,12,13,14,20,21,23,24,28,29,32,34,35,36,37,42,43,47,48;
Mordant Red 1,2,3,4,9,11,12,14,17,18,19,22,23,24,25,26,30,32,33,36,37,38,39,41,43,45,46,48,53,56,63,71,74,85,86,88,90,94,95;
Mordant Violet 2,4,5,7,14,22,24,30,31,32,37,40,41,44,45,47,48,53,58;
Mordant Blue 2,3,7,8,9,12,13,15,16,19,20,21,22,23,24,26,30,31,32,39,40,41,43,44,48,49,53,61,74,77,83,84;
Mordant Green 1,3,4,5,10,15,19,26,29,33,34,35,41,43,53;
Food Yellow 3;
およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
前記の酸性染料の中でも、
Acid black 24;
Acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;
Acid orange 8,51,56,63,74;
Acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217,249;
Acid violet 7;
Acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,134,155,169,172,184,220,228,230,232,243;
Acid Green 25;
などの染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、前記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44,38;C.I.Solvent Orange 45;Rhodamine B, Rhodamine 110、3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−2,7−Naphthalenedisulfonic acid等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好適に使用することができる。
酸性染料の誘導体としては、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等が使用でき、硬化性組成物溶液として溶解させることができるものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
酸性染料と含窒素化合物との塩について説明する。酸性染料と含窒素化合物との塩を形成する方法は、酸性染料の溶解性改良(有機溶剤への溶解性付与)や、耐熱性および耐光性改良に効果的な場合がある。
酸性染料と塩を形成する含窒素化合物、および酸性染料とアミド結合を形成する含窒素化合物について説明する。
含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、着色剤としての耐熱性および耐光性等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択する場合には、前記含窒素化合物としてはできるだけ分子量の低いものが好ましく、中でも分子量300以下のものが好ましく、分子量280以下のものがより好ましく、分子量250以下のものが特に好ましい。
酸性染料と含窒素化合物との塩における、含窒素化合物/酸性染料のモル比(以下、nという。)について説明する。nは、酸性染料分子と対イオンであるアミン化合物とのモル比率を決定する値であり、酸性染料−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択する場合には、前記nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがさらに好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
前記に示した酸性染料はその構造上酸性基を導入したことにより、酸性染料となっていることから、その置換基を変更することにより、非酸性染料とすることができる。
酸性染料は、アルカリ現像の際に好適に作用する場合もあるが、一方で過現像となってしまうこともあり、非酸性染料を好適に使用する場合もある。
<熱硬化性化合物>
本発明の顔料含有硬化性組成物は、補助的に熱硬化性化合物を含んでいてもよい。本発明に使用可能な熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。前記熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基を有するものが好ましい。
更に好ましい熱硬化性化合物としては、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。
前記(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が各化合物に置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物およびウレア化合物を総じて、(b)における(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物という。
前記(b)におけるメチロール基含有化合物は、(b)におけるアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。前記(b)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、(b)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、前記置換基を有する(b)における化合物の具体例を挙げる。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
前記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
前記ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレア、などが挙げられる。
これら(b)における化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
前記(c)における化合物、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物は、前記(b)における化合物の場合と同様、上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)における(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物ということがある。
前記(c)における化合物に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基またはアルコキシメチル基の数としては、一分子当り最低2個必要であり、熱硬化および保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位およびパラ位が全て置換されている化合物が好ましい。前記フェノール化合物の3位または5位は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記(c)におけるメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位または4位が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
前記(c)におけるアルコキシメチル基含有化合物は、(c)におけるメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
前記(c)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、(c)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類;4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
前記(c)の具体例としては、フェノール化合物として、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール、等が挙げられる。
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、前記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
これら(c)における化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
前記熱硬化性化合物の本発明の顔料含有硬化性組成物中における総含有量については上述した通りである。
<各種添加物>
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ、各種添加物、例えば、前述のバインダー、開始剤、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤、等を配合することができる。
(開始剤)
本発明の顔料含有硬化性組成物においては、補助的に開始剤を含有してもよい。
開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
前記ハロメチルオキサジアゾール化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、等が挙げられる。
前記ハロメチル−s−トリアジン系化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用いられる。
これら光重合開始剤には、増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
本発明では上述の光重合開始剤のほかに他の公知の開始剤を使用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
光重合開始剤(及び公知の開始剤)の総使用量としては、良好な重合性が得られる観点で、前記ラジカル重合性モノマー固形分(質量)に対して、0.01質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が特に好ましい。
(硬化剤)
本発明において、熱硬化性化合物として、エポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。前記硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。前記硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第3アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第二および第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関しては熱硬化性化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
(硬化触媒)
本発明の顔料含有硬化性組成物には硬化触媒を使用することができる。前記硬化性化合物等にエポキシ樹脂を用いた場合、有用な硬化触媒としては、イミダゾール化合物、三フッ化ホウ素錯体(特にアミン錯体)、第三アミン類(グアニジン、ビグアニド、チタン酸エステルなどが挙げられる。中でもイミダゾール化合物が硬化速度の点で好ましい。またホスフィン誘導体なども硬化触媒として使用できる。前記硬化触媒の添加量としてはエポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
前記硬化触媒の具体例としては市販されているものもあり、例えば、ジャパンエナジー(株)のイミダゾールシランシリーズ「IS−1000」、「IS−1000D」、「IM−1000」、「SP−1000」、「IA−1000A」、「IA−100P」、「IA−100F」、「IA−100AD」、「IA−100FD」、「IM−100F」、「IS−3000」、「IS−4000」などの他、四国化成(株)製の「1B2PZ」、「SFZ」が有用であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(溶剤)
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、水の他、溶剤の少なくとも1種を用いることができる。本発明の顔料含有硬化性組成物に用いられるそれぞれの溶剤は、各成分の溶解性や顔料含有硬化性組成物の塗布性、安全性等を考慮して選ばれることが好ましい。尚、前記溶剤は、2種以上を混合することが好ましい。
前記溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、等;
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好ましい。
(分散剤)
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、顔料の分散性を向上させるために分散剤を補助的に添加することができる。前記分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
さらに、特開平10−254133号公報に記載される主鎖部に特定の酸アミド基含有モノマーおよび四級アンモニウム塩モノマー残基を有するグラフト共重合体は、顔料を微分散する優れた作用を有することから、前記分散剤として用いることができる。前記グラフト共重合体を用いることによって、エネルギーや時間の消費を低減しながら顔料を微細に分散させることができ、且つ、分散した顔料が、時間経過しても凝集したり沈降したりすることがなく長期にわたる分散安定性を維持することができる。
前記分散剤は、単独で用いてもよくまた2種以上組み合わせて用いてもよい。前記分散剤の本発明の顔料含有硬化性組成物中の添加量は、通常顔料100質量部に対して0.1〜50質量部程度が好ましい。
(他の添加剤)
上述したその他各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
<顔料含有硬化性組成物の調製方法>
本発明において好ましい本発明の顔料含有硬化性組成物の調製方法について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下において、特定共重合体(及び、必要に応じてバインダー)を「硬化性樹脂」ということがある。
本発明の顔料含有硬化性組成物は、硬化性樹脂の存在下で顔料が分散された顔料分散液を用いて好適に調製することができる。顔料の分散方法としては、顔料粒子を微粒子化し、且つ、その粒子サイズ分布をシャープにした顔料を用いる方法が好適である。具体的には、平均粒子径が0.01μm程度であり、且つ粒子径が0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子を75質量%以上含んで構成される顔料を用いる方法が好ましい。
顔料の粒子サイズ分布を上述の範囲に調整するためには、顔料の分散方法が重要である。そのような分散方法としては、例えば、ニーダーや二本ロールなどのロールミルを用いて高粘度状態で分散する乾式分散(混練分散処理)と三本ロールやビーズミル等を用いて比較的低粘度状態で分散する湿式分散(微分散処理)とを組み合わせた分散方法が挙げられる。また、前記分散方法においては、2種以上の顔料を共分散したり、混練分散処理時には、溶剤を使用しないか若しくは使用量をできるだけ少なくすることも好ましい。ソルベントショックを和らげるために硬化性樹脂成分を前記混練分散処理時と微分散処理時とに分けて添加(2分割使用)したりすることが好ましく、また、混練分散処理から微分散処理に移行する際に顔料粒子が再凝集するのを防止するために溶解性に優れた硬化性樹脂成分を用いるのが好ましい。更に、微分散処理時に使用するビーズミルのビーズに高硬度のセラミックスを使用したり、粒径の小さいビーズを使用したりする手段も有効である。
本発明においては、特に、2種以上の顔料を用い、更に2種以上の顔料を50000mPa・s以上の高粘度状態で分散した後に、更に1000mPa・s以下の低粘度状態で分散して得られた顔料を用いることが好ましい。
一般に、これら顔料は合成後、種々の方法で乾燥を経て供給される。通常は水媒体から乾燥させて粉末体として供給されるが、水が乾燥するには大きな蒸発潜熱を必要とするため、乾燥して粉末とさせるには大きな熱エネルギーを与える。そのため、顔料は一次粒子が集合した凝集体(二次粒子)を形成しているのが普通である。
本発明の顔料含有硬化性組成物の調製方法においては、まず、硬化性樹脂中で顔料が分散された顔料分散液を調製することが好ましい。
具体的には、顔料に、硬化性樹脂を混練分散処理後の粘度が50,000mPa・s以上(好ましくは50,000〜100,000mPa・s)の比較的高粘度になるように混練分散処理を施すのが好ましい。ここで、混練分散処理は、高粘度分散であってもよいし、乾式分散であってもよい。
次いで、必要に応じて、混練分散処理後の顔料分散物に硬化性樹脂や他の分散剤等を追加添加し、微分散処理後の粘度が1000mPa・s以下(好ましくは100mPa・s以下)の比較的低粘度になるように微分散処理を施すことが好ましい。尚、微分散処理は、低粘度分散であってもよいし、湿式分散であってもよい。
前記混練分散処理においては、溶剤の比率が被分散物に対して0〜20質量%であることが好ましい。このように、溶剤をあまり使用せずに分散を行うと、顔料粒子の表面をビヒクルの樹脂成分を主体とした構成成分との濡れを促進させることができ、顔料粒子表面が形成する界面を、顔料粒子と空気との固体/気体界面から、顔料粒子とビヒクル溶液との固体/溶液界面に変換することができる。顔料粒子の表面が形成する界面を空気から溶液に変換し混合攪拌すると、顔料を一次粒子に近い微小な状態にまで分散することができる。
このように、顔料を高度に分散させるためには、顔料粒子表面が形成する界面を空気から溶液に変換することが有効である。かかる変換には強い剪断力や圧縮力が必要である。このため、前記混練分散処理においては、強い剪断力や圧縮力を発揮できる混練機を用い、被混練物として高粘度のものを用いるのが好ましい。
また、前記微分散処理時においては、ガラスやセラミックの微粒状の分散用メディアと共に混合攪拌することが好ましい。さらに、微分散処理時における溶剤の比率は、被分散物の20〜90質量%であることが好ましい。前記微分散処理時においては、顔料粒子を微小な状態にまで均一に安定させて分布させることが必要であることから、凝集している顔料粒子に衝撃力と剪断力とを付与できる分散機とを用い、被分散物として低粘度のものを用いるのが好ましい。
このようにして得られた顔料分散液に、必要に応じて硬化触媒または硬化剤や、更に熱硬化性化合物を添加し、必要に応じて更に溶剤を添加することで本発明の顔料含有硬化性化合物を調製することができる。
≪画像記録材料≫
本発明の画像記録材料は、前記顔料含有硬化性組成物を用いてなる着色層上に、感光性樹脂層を積層してなるものである。
<着色層>
着色層は、例えば、本発明の顔料含有硬化性組成物を、直接または他の層を介して支持体上に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して形成することができる。
前記着色層の具体的な厚さとしては、0.005μm〜0.9μmが好ましく、0.01μm〜0.65μmが好ましく、0.02μm〜0.6μmで作製されることが更に好ましい。
また、前記着色層は、本発明の顔料含有硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成した後に加熱工程により、該塗布膜を熱硬化させて形成することが好ましい。前記加熱工程は塗布後の乾燥と同時であってもよく、また塗布乾燥後に別途熱硬化の工程を設けてもよい。前記加熱工程は、オーブン、ホットプレートなど公知の加熱手段を用い、好ましくは130℃〜300℃、更に好ましくは150℃〜280℃、特に好ましくは170℃〜260℃の条件下で、好ましくは10秒〜3時間、更に好ましくは30秒〜2時間、特に好ましくは60秒〜60分の範囲で行なうことができる。但し、製造を考慮すると硬化に要する時間は短時間であるほど好ましい。
<感光性樹脂層>
感光性樹脂層は、例えば、ポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物を用いて好適に形成することができる。
例えば、上述のように、本発明の顔料含有硬化性組成物を用いた着色層を形成し、これを加熱することによって硬化させた後、該層上にポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂層を設けることができる。感光性樹脂層を着色層上に設ける方法としては特に限定はないが、例えば、前記着色層と同様の塗布方法により設けることができる。
前記ポジ型の感光性樹脂組成物としては、紫外線(g線、i線)、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジスト用に好適なポジ型レジスト組成物が使用できる。前記放射線のうち、前記感光性樹脂層を露光するものとしては、本発明の目的からは、g線、i線が好ましく、中でもi線露光が好ましい。
具体的には、前記ポジ型の感光性樹脂組成物は、キノンジアジド化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感光性樹脂組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用してポジ型フォトレジストとして用いられている。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。前記キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
近年、集積回路については集積度の向上に伴って配線の幅が微細化され、このためエッチングも従来のウェットエッチングに代えてドライエッチングが主流になっている。このドライエッチングではレジストの形状がそのまま被エッチング層の形状に反映されるので、レジストの形状が悪いとエッチング不要の部分までエッチングされてしまい、集積回路の不良や歩留り悪化の原因となる。このため、現像残さ(スカム)等の少ないプロファイルの良好なレジストが従来以上に要求されている。また、ドライエッチングでは基板の温度が上昇し、レジストパターンが熱変形を起こして寸法精度が低下することがある。このため、レジストの耐熱性が従来以上に要求されている。このような観点で現在使用されているポジ型フォトレジストをみると、プロファイル、スカム、解像度および耐熱性等の諸性能について満足するものが、数多く市販されており、例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製のFH−6000シリーズ、例えば「FH−6400L」、「FH−6800L」など、同社製FHi−3000シリーズ、例えば「FHi−3200」、「FHi−3950」等、同社製FHi−600シリーズ例えば「FHi−644」、「FHi−645」、同社製Fi−SPシリーズ例えば、「Fi−SP2」等が挙げられる。但し、これに限らずパターン形成に好ましいマスク形状のものができるのであれば、市販の有無に関わらずポジ型の感光性樹脂組成物として使用可能である。
前記ネガ型の感光性樹脂組成物としては、紫外線(g線、i線)、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線等の輻射線に感応するネガ型フォトレジスト組成物が挙げられる。更に詳しくは、解像力および感度に優れ、かつ現像残りによる微小欠陥が実質上発生しないネガ型フォトレジスト組成物が好ましい。本発明によるネガ型フォトレジストは、着色層上に、スピン塗布法またはローラー塗布法で例えば0.5μm〜3μmの厚みに塗布される。その後、加熱、乾燥し、露光マスクを介して回路パターン等を紫外線照射などにより焼き付け、更に必要に応じ露光後加熱工程(PEB)を経てから現像すればネガ画像が得られる。更にこの画像をマスクとしてエッチングすることにより硬化性樹脂層にパターン状の加工を施すことができる。代表的な応用分野はICなどの半導体製造工程、液晶、サーマルヘッドなどの回路基板の製造、更にその他のフォトフアプリケーション工程である。またこの画像と支持基板とのインクへの親和性の差を利用して平版印刷版に適用することもできる。半導体基板の加工の高集積度化に伴いフォトレジストの高解像力化が求められている。
前記ネガ型の感光性樹脂層は、光重合開始剤とエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を含むことが好ましい。このような感光性樹脂層の形成に用いられるネガ型の感光性樹脂組成物については次のような先行技術が知られている。例えば、特公昭54−23574号公報は有機ハロゲン化物からなる光酸発生剤と組合せて、ノボラック樹脂を光硬化させる技術を開示している。また、西独公開特許2057473号公報には、ジアゾ化合物からなる光酸発生剤とメチロール化メラミンなどからなる光硬化性組成物との結合剤としてノボラックなどのフェノール樹脂を適用できることが記載されている。更に特開昭60−263143号公報は光酸発生剤とメラミン樹脂などの酸硬化性アミノブラスト樹脂、それに一般的なノボラック樹脂とからなる組成物を開示しており、水性現像可能で熱安定性の高いネガ画像が得られるとしている。また、特開昭62−164045号公報はかかる組成物の光酸発生剤として、遠紫外域に光吸収を有する有機ハロゲン化物が有利に使えることを述べている。同様に、特開平2−52348号公報は類似の系の光酸発生剤として、特定領域のpKa値を持つ有機ハロゲン化物が有利であることを述べている。更に、特開平2−154266号公報は同様な光硬化性組成物の光酸発生剤としてオキスムスルフォン酸エステル類が有効であることを示している。また別な例としては、特開平2−146044号公報が、特定のトリクロロトリアジン基を有する光酸発生剤とアルコキシ化メラミンにm−クレゾールを30%以上含有するノボラック樹脂を組み合わせた組成物が、高エネルギー線露光用に有用であることを述べている。更に、欧州特許397460A号公報には、同様な組成物に於いて分岐度の高いノボラック樹脂を用いることが示されている。これらネガ型の感光性樹脂組成物は、市販されており、例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製のSCシリーズ、例えば、「SC−60」、「SC−450」等、同社製のHRシリーズ、例えば、「HR−100」、「HR−200」、同社製のHNRシリーズ、例えば、「HNR−80」、「HNR−120」などが挙げられる。但し、これらに限らずパターン形成に好ましいマスク形状のものができるのであれば、市販の有無に関わらず使用可能である。
前記感光性樹脂層の具体的な厚さとしては、0.01μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜2.5μmが好ましく、0.15μm〜2.0μmで作製されることが更に好ましいが目的により任意に設定できこれに制限されるものではない。
<支持体>
本発明の画像記録材料は、通常、支持体上に着色層が形成される。
前記支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの支持体には、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
≪カラーフィルタおよびその製造方法≫
本発明のカラーフィルタは、前記顔料含有硬化性組成物を用いてなるものである。
ここで、カラーフィルタの材料として、上述した画像記録材料を有効に用いることができる。その製造方法を以下に詳述する。本発明のカラーフィルタの製造においては、既に述べた通り、ドライエッチング法により好適にパターン形成を行なうことができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法における好ましい態様は、感光性樹脂層にフォトリソ法によりパターン画像(エッチング用マスク)を形成し、着色層にドライエッチング法によりパターン形成を行なうものである。以下、この態様について、詳細に説明する。
まず上述の感光性樹脂層に所定のマスクパターンを介してg線、h線、i線等、特に好ましくはi線で露光を施し、現像液で現像することによって、ポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物にパターン画像を形成する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、ここで形成された感光性樹脂層のパターン画像をエッチング用マスクとして用い、酸素やCF、CO等のガスを用いてドライエッチングを行なう。この工程によりエッチング用マスクのパターン状に前記着色層がエッチングされ、着色パターンを形成することができる。
エッチング終了後、エッチング用マスク(パターン画像が形成された感光性樹脂層)は専用の剥離液や溶剤によって除去される。係るエッチング用マスクの除去は、全工程が終了してからおこなってもよい。次いで、二色目以降も同様の方法で着色パターンを形成する。尚、最後の色のパターン形成に関しては、熱硬化のみを行い、上層に残った余分な顔料硬化性組成物を除去し、CMP(Chemical mechanical polishing)などで平坦化を行い、全色のパターン作製を行なってもよい。
前記現像液としては、顔料を含む着色層には影響を与えず、ポジレジストの露光部およびネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
<ドライエッチング>
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、ドライエッチング法によりパターン形成を行なう。ドライエッチング法の代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載のように着色剤を蒸着した後、マスクのレジストを塗布し、パターニングを行いエッチングする方法等が挙げられる。
本工程のドライエッチングでは、酸素やCFなどのCF系ガス、CO、COガスなどを用い、異方性エッチングすることが可能であり、矩形性に優れたパターン(カラーフィルタ)を形成することができる。
ドライエッチングの条件は着色層の材質や層厚等によって異なるが、公知の条件を適宜最適化して用いることができる。本発明における好ましい条件について以下説明する。
使用ガスとしては、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガス;O;塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子等を含むハロゲン化ガス(例えば、CF、C、C、C、C、C、C、CHF、CCl、CClF、AlF、AlCl等);CO;CO;等から任意に選択可能であり、またそれらを混合したガスを用いることもできる。上記のうち、Ar、O、CF等のCF系ガス、CO、COが好ましく、Ar、O、CFがより好ましく用いられる。またそれら組み合わせた混合ガスが好ましい。
ガス流量としては、1000sccm以下が好ましく、500sccm以下がより好ましい。
圧力としては、10Pa以下が好ましい。
高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、50〜2000W好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理できる。
処理時間としては、10分以内で一色のエッチングを行なう事が好ましく、更に好ましくは7分以内で処理できるのが好ましい。
モードとしては、RIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)、MERIE(Magnetron Reactive Ion Etching;マグネトロン反応性イオンエッチング)、ICP(Inductively Coupled Plasma;誘導結合プラズマ)、NLD(Neutral Loop Discharge;中性線放電)、またはECR(Electron Cyclotron Resonance;電子サイクロトロン共鳴)、DFR(Dual Frequency RIE:2周波反応性イオンエッチング)等を用いることができ、中でもRIE、ECR、DFR、ICPが好ましいが、材料により上記限りではない。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、蒸着に近い膜厚と、蒸着より優れた密着性とを実現するため、これまでには無い高い顔料濃度の顔料含有硬化性組成物を用いて、例えばスピンコータやスリットコートなどにより、均一な塗布を行なうこと、フォトリソ法から硬化法への変更により着色剤以外の固形分を極限まで減らすことで薄膜化を実現すること、ドライエッチングによりパターンの異方性を維持したまま矩形パターンを形成すること、これらの組み合わせにより、これまで成し得なかった薄い膜厚でパターン矩形性と密着性とを実現できる。このように、本発明のカラーフィルタの製造方法を用いれば、熱硬化させた顔料を含む薄膜を、例えば酸素やCO、CFなどのガスで異方性エッチングすることで、パターン矩形性の非常に高いカラーフィルタを作製でき、非常に有用である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
≪カラーフィルタ用顔料含有熱硬化性組成物の調製≫
<顔料分散液の調製>
緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色について、それぞれ下記表1に示す各素材をそれぞれニーダーで均一に混練した後に、混練物を二本ロールで乾式分散処理(混練分散処理)した。
次いで、乾式分散処理を施された分散物に、溶剤成分として下記表1に示す量のプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートを加えた。その後、ホモジナイザーにて2000rpmで30分間攪拌処理し、顔料が均一に分散した、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色の分散組成物を調製した。得られた分散組成物を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:アイガーミル、アイガー社製)にて微分散処理を施した。
その後、2.5μmフィルターにて濾過を行い、顔料が均一に分散された各色の顔料分散液(1)〜(3)((顔料含有硬化性組成物(1)〜(3))を得た。尚、各顔料分散液について混練分散処理時および微分散処理時における混練物(分散物)の粘度、並びに、各顔料分散液における顔料の平均粒子径および粒子径0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子の占める割合を表1に示す。
尚、顔料の粒子径の測定は、日機装(株)製のMICROTRAC UPA 150を用い、顔料含有硬化性組成物をプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートで希釈したものをサンプルとして測定した。
Figure 0004832953
≪パターンの形成≫
<画像記録材料の作製>
富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製の下塗り層用レジスト「CT−2000L」を用いてなる下塗り層を有するシリコンウェハー基板の下塗り層上に、上記で得られたRGB各色の顔料含有熱硬化性組成物を、スピンコータにて各々膜厚が0.5μmの塗布膜となるように塗布した。次に、ホットプレートにて100℃で2分間の加熱処理を行ない、塗布膜の乾燥を行なった。さらに、ホットプレートを使用して、220℃で7分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行なった。
次に、熱硬化させたRGB各色の塗布サンプルの上層に、感光性樹脂組成物として、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製のポジ型フォトレジスト「FHi−3950」を、膜厚が1.5μmになるようにスピンコータで塗布した。次いで、100℃で2分間の加熱処理を行うことにより、着色層上に感光性樹脂層を形成した。
以上により、感光性樹脂層/着色層/下塗り層/シリコンウェハーの構成からなる、画像記録材料(R)、画像記録材料(G)、及び画像記録材料(B)を得た。
<露光及び現像>
上記で得られたRGB各色の画像記録材料の感光性樹脂層について、i線ステッパーを用いて、1.5μm×1.5μmパターンを有するフォトマスクを介し、露光量200mJでパターン露光を行った。
次いで、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製の現像液「FHD−5」で1分間の現像処理を行い、1.5μm×1.5μmサイズのエッチング用マスク(感光性樹脂組成物からなるパターン画像)を形成した。
<ドライエッチング>
これらのサンプルについて、CF/O/Ar=2/2/1の比率の混合ガスにて、以下の条件で、非マスク部のドライエッチングを行ない、着色層のパターン形成を行なった。この後、レジスト(エッチング用マスク)の剥離を富士フイルムエレクトロマテリアルズ社製の剥離液「MS−230」を用いて行い、各色について、矩形性の高い1.5μm四方のパターンを得た。
以上により、RGB各色について、単色のカラーフィルタを得た。
(ドライエッチング条件)
・使用ガス:CF/O/Ar=2/2/1(流量比)
・圧力:1.0Pa
・高周波:400kHz
・RFパワー:500W
・モード:ICP
≪評価≫
上記で得られた顔料含有熱硬化性組成物及びカラーフィルタについて、下記の評価を行なった。結果を表3に示す。
(1)分散性
各顔料分散液を、粘度計を用いて5rpmと50rpmでの粘度差を比較し、下記判定基準に従って評価した。
粘度の測定は、(株)トキメック製のRE80型粘度計にて行った。
<判定規準>
○:粘度差が5mPa・s以下であった。
△:粘度差が5mPa・sを超えているが、10mPa・s以下であった(実用上許容範囲内)。
×:粘度差が10mPa・sを超えていた。
(2)耐溶剤性
硬化後の顔料含有硬化性組成物の塗布膜をシクロヘキサノン中に5分間浸漬し、大塚電子株式会社製MCPD2000により、分光の変化ΔEabを測定し、下記判定基準に従って評価した。△であれば実用上許容範囲内である。
<判定規準>
○:ΔEab<5
△:5≦ΔEab≦10
×:10<ΔEab
(3)矩形性
得られたパターンの断面を、SEMによって観察し(倍率:10万倍)、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:断面が矩形状であった。
△:断面の矩形性がやや損なわれていたが、実用上の許容範囲内であった。
×:テーパー状になる等、断面の矩形性が顕著に損なわれており、実用上の許容範囲を超えていた。
(4)現像性
マスクレジスト(感光性樹脂層)の現像前後において、着色膜の溶解程度を光学顕微鏡(倍率:1500倍)により観察し、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:溶解及び現像欠陥が見られなかった。
△:溶解及び現像欠陥がわずかに見られたが、実用上の許容範囲内であった。
×:溶解及び現像欠陥が顕著に見られ、実用上の許容範囲を超えていた。
(5)表面状態
得られたパターンの表面及び側面を、SEMによって観察し(倍率:10万倍)、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:表面及び側面に、凹凸がほとんど見られなかった。
△:表面及び側面に、凹凸がわずかに見られたが、実用上の許容範囲内であった。
×:表面及び側面に、明らかな凹凸が見られ、実用上の許容範囲を超えていた。
(6)密着性
得られた各カラーフィルタについて、CMP(Chemical mechanical polishing)を用いて、以下の条件で研磨耐性を確認し、下記判定基準に従って着色層と下層の密着性を評価した。
<判定基準>
○:着色層の剥がれが無かった。
△:着色層の剥がれが、CMPで処理した面積の20%未満であった(実用上許容範囲内)。
×:着色層の剥がれが、CMPで処理した面積の20%以上であり、実用上の許容範囲を超えていた。
<CMP条件>
回転数:60rpm
スラリー:0.02μmコロイダルシリカ
[実施例2]
まず、実施例1に従って、青色(B)のパターンを形成した。次いで、このサンプルについて、以下のようにして二色目(緑色(G))および三色目(赤色(R))のパターンを形成した。
まず、実施例1の緑色(G)の顔料含有熱硬化性組成物を、青色(B)のパターンを形成したシリコンウェハー基板上に塗布した。その後、ホットプレートで100℃・2分間の加熱処理を行なった。次にホットプレートで、220℃、7分間の加熱処理を行い、緑色(G)の塗布膜の硬化を行なった。
次いで実施例1と同様に、硬化後のサンプル上に、フォトレジスト「FHi−3950」を塗布し、i線ステッパーにより、1.5μmのパターン露光を行い、その後、前記「FHD−5」で1分間の現像処理を行なった。次いで、実施例1と同様にドライエッチングを施し、緑色(G)のパターン形成を行なった。残ったマスクのレジストの剥離を実施例1と同様の剥離液で除去し、二色目を完成させた。
このサンプルに、更に、三色目の赤色(R)の顔料含有熱硬化性組成物を塗布した後、100℃、2分の加熱処理後、220℃で7分間の熱硬化を行なった。次いで、このサンプルに対してOガスにてエッチングを行い、一色目、二色目のパターン上にある赤色(R)の膜を除去し、更に、平坦化して、RGB三色のカラーフィルタを作製した。また、本発明のカラーフィルターは三色目形成までの工程中、はがれが生じたものはなく、密着性に優れていた。
[実施例3]
実施例2と同様にしてRGB三色のカラーフィルタを作製した。但し、緑色(G)の顔料分散液については、イエローの顔料をPY−139からPY−150に代えるとともに、緑色(G)の塗布膜のエッチングに用いられるエッチングガスをCO/O=1/1の混合ガスに代えた。
[実施例4]
実施例1の≪カラーフィルタ用顔料含有熱硬化性組成物の調製≫における顔料分散液の組成を、下記表2に示す組成に変えて、各顔料分散液(各顔料含有熱硬化性組成物)を調製した。
混練分散処理時および微分散処理時における混練物(分散物)の粘度、並びに、各顔料分散液における顔料の平均粒子径および粒子径0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子は表2に示す値であった。
Figure 0004832953
前記のようにして得られた各顔料含有熱硬化性組成物について、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製し、評価を行った。得られた結果を表3に示す。但し、アリルメタクリレート比率の低いグリーンについては、7分の加熱では硬化せず15分を要した。
[実施例5]
実施例1において用いた特定共重合体を、表3に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製し、評価を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例1]
実施例1において用いた特定共重合体を、表3に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製し、評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0004832953
表3の結果からも明らかなように、実施例1〜3、5は全ての評価について良好な結果が得られた。また、実施例4の結果についても、実用上許容範囲内であった。かかる結果からも本発明のカラーフィルタの製造方法が優れていることがわかる。
一方、側鎖に重合性基を有するモノマーユニットを有しない重合体を用いた比較例1(G)においては、耐溶剤性、密着性、及び表面状態が悪化した。また、側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有しない重合体を用いた比較例1(B)においては、分散性、現像性、及び矩形性が悪化した。
また、全固形分中の顔料濃度が50質量%未満の顔料硬化性組成物を用いてカラーフィルタを作製したところ、所望の分光特性が得られなかった。

Claims (6)

  1. 側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、前記共重合体は前記重合性基と前記酸性基または塩基性基との比率(重合性基/酸性基または塩基性基)がモル比で75/25〜25/75の範囲であり、且つ全固形分中の顔料濃度が70質量%以上100質量%未満である熱硬化性の顔料含有硬化性組成物。
  2. 共重合体の重量平均分子量が3000〜300000の範囲である請求項1に記載の顔料含有硬化性組成物。
  3. 顔料中に粒子径が0.01±0.005μmの範囲である顔料粒子を顔料総質量中の75質量%以上100質量%未満含む請求項1又は請求項2に記載の顔料含有硬化性組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の顔料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタ。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の顔料含有硬化性組成物を用いてなる着色層上に、感光性樹脂層を積層してなることを特徴とする画像記録材料。
  6. 請求項に記載の画像記録材料を用いたカラーフィルタの製造方法であって、少なくとも前記画像記録材料における感光性樹脂層にパターン画像を形成した後、ドライエッチング処理し、前記画像記録材料における着色層にパターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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