JP4830410B2 - 延伸成形容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂から成る延伸成形容器及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、ポリエステル樹脂から成る延伸成形容器の残留歪みが低減されていると共に、延伸バランスに優れた延伸成形容器及びその製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂の延伸成形容器は、優れた透明性、表面光沢を有すると共に、ボトル、カップ等の容器に必要な耐衝撃性、剛性、ガスバリア性をも有しており、各種飲料、食品の容器として利用されている。
しかしながら、ポリエステル樹脂から成る延伸成形容器は耐熱性に劣るという欠点があり、内容物を熱間充填する際の熱変形や容積の収縮変形を生じるため、二軸延伸ブロー容器を成形後に熱固定(ヒートセット)する操作が行われている。
また、前記延伸成形容器を一段ブロー成形法において成形する場合、プリフォームを高温に加熱して延伸することにより、成形された延伸成形容器の残留歪が小さく、優れた耐熱性を有する延伸成形容器を成形することができる。
例えば、一段ブロー成形法において、プリフォーム温度を可及的に高温とし、さらに高速で延伸する際の内部摩擦による発熱或いは結晶化による発熱を利用し、延伸成形と熱固定を同時に進行させて、耐熱性の高いポリエステル樹脂から成る延伸ブローボトルを得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
特許第1767894号
しかしながら、高温で延伸する場合には、歪硬化現象が生じにくいため、延伸速度を極めて高速にしないと、成形物全体に延伸が伝搬せず均一な肉厚を有する延伸成形容器を得ることができない。このため、従来は機械的な延伸速度に限界を生じた場合、延伸温度を低下させて、高温延伸のメリットである耐熱性を犠牲にして延伸バランスを得ている。
従って、本発明の目的は、機械的な延伸速度に限界を生じた場合でも、有効に歪硬化を生じて、高温延伸による優れた耐熱性及び歪硬化による延伸バランスの両方を兼ね備えたポリエステル樹脂から成る延伸成形容器を提供することである。
本発明の他の目的は、高温条件での延伸ブロー成形においても、延伸速度にかかわらず、歪硬化による良好な延伸バランスを備えたポリエステル樹脂から成る延伸成形容器を製造し得る製造方法を提供することである。
本発明によれば、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成る層を有する延伸成形容器において、前記異種のポリエステル樹脂がジオール成分の60モル%以上がシクロヘキサンジメタノールであるポリエステル樹脂であり、前記ブレンド物から成る層が、前記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る連続相と、前記異種のポリエステル樹脂から成る分散相とから成る海島分散構造を有すると共に、少なくとも容器胴部の動的粘弾性測定値においてtanδ極大温度が115℃以下であることを特徴とする延伸成形容器が提供される。
本発明の延伸成形容器においては、
.エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg(m)と異種のポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg(d)が、Tg(d)−Tg(m)≧10(℃)の関係を満足すること、
.海島分散構造が、未延伸部分において、長径0.4乃至10μmの大きさの分散相が60乃至100%の割合で存在するものであること、
.海島分散構造が、延伸部分において、分散相の周囲の連続相が他の連続相に比して高延伸配向されていること、
.ブレンド物が、異種のポリエステル樹脂を0.5乃至15重量%の量で配合したものであること、
.容器胴部のTMA測定による200℃における収縮率が10%以下であること、
.前記ポリエステル延伸成形容器が、150乃至230℃の温度条件で熱固定が行われていること、
が好適である。
本発明によればまた、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成り、該異種のポリエステル樹脂がジオール成分の60モル%以上がシクロヘキサンジメタノールであるポリエステル樹脂であり、前記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る連続相と、前記異種のポリエステル樹脂から成る分散相とから成る海島分散構造が形成されているブレンド物層を有するプリフォームを、延伸温度が110乃至120℃の条件で延伸ブロー成形することを特徴とする延伸成形容器の製造方法が提供される。
本発明の延伸成形容器の製造方法においては、
1.ブレンド物が、異種のポリエステル樹脂を0.5乃至15重量%の量で配合したものであること、
2.延伸ブロー成形に次いで、150乃至230℃の温度条件で熱固定を行うこと、
が好適である。
本発明の延伸成形容器によれば、極めて残留歪みが少なく、歪硬化による延伸バランスに優れたポリエステル延伸容器とすることができ、特に、耐熱性及び歪硬化による延伸バランスに優れた延伸容器とすることができる。
また、本発明の延伸成形容器の製法によれば、110乃至120℃という高温条件下で延伸速度にかかわらず、歪硬化現象を有効に利用することができ、高温延伸の効果である残留歪みの低減と良好な延伸バランスを兼ね備えた延伸成形容器を製造することができる。
本発明の延伸成形容器においては、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成る層を有するポリエステル延伸成形容器において、前記ブレンド物から成る層が、前記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る連続相と、前記異種のポリエステル樹脂から成る分散相とから成る海島分散構造を有することが第一の重要な特徴である。
すなわち本発明の延伸成形容器は、上記ブレンド物層が海島分散構造を形成し、しかもこの海島分散構造における分散相(島部分)が延伸による変形が小さく、連続相(海部分)のうち分散相の周囲の連続相のみが局所的に過延伸され、高速延伸された場合と同様の歪硬化を生じることになり、その結果かかる局所的過延伸がネッキング伝搬に有効に寄与して、高温条件下で高速延伸を行った場合と同様の延伸バランス(肉厚分布の均一性)を有することが可能になるのである。
図1は、本発明の延伸成形容器の容器底部(未延伸部分)におけるブレンド物層の相構造の透過顕微鏡写真を模式的に表す図であり、この図1から明らかなように、ブレンド物層においては、海島分散構造が形成されている。この海島分散構造においては、長径0.4乃至10μmの大きさの分散相が60乃至100%の割合で存在するものであることが特に好ましい。
また図2は、本発明の延伸成形容器の胴部(延伸部分)におけるブレンド物層の相構造の透過偏光顕微鏡写真を模式的に表す図であり、また図3は、一つの分散相の周囲の連続相の延伸配向の程度を模式的に表す図であり、この図2及び図3から明らかなように、本発明の延伸成形容器においては、図3に示すように分散相1の変形が小さく、分散相1近傍の連続相2がその周囲の連続相3よりも高度に延伸配向されていることが理解される。
但し、図2における透過偏光顕微鏡写真は、これらの延伸配向度の分布は色調の差として観察される。
本発明の延伸成形容器のこのような作用効果は後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、ポリエチレンテレフタレートにこれとは異種のポリエステルを配合してなるブレンド物からなる場合であっても、海島分散構造を形成しない場合には(比較例5〜7)、低温延伸条件下では優れた延伸バランスを有する延伸成形容器を成形できるとしても、高温延伸条件下では延伸バランスが悪化し、ポリエチレンテレフタレートのみから成るポリエステル延伸成形容器の場合(比較例3)と同様に良好な延伸バランスを得ることができない。これに対して、海島分散構造が形成されている本発明の延伸成形容器においては、低温延伸条件下は勿論、高温延伸条件下においても優れた延伸バランスが得られているのである(実施例1〜5)。
また本発明の延伸成形容器においては、少なくとも容器胴部、すなわち延伸部分の動的粘弾性測定値においてtanδ極大温度が115℃以下であることが第二の重要な特徴である。動的粘弾性測定値におけるtanδ極大温度が小さいということは、非晶部分のガラス転移温度が非拘束状態におけるガラス転移温度に近接している状態になっていること、すなわち残留歪に起因するポリマー鎖の緊張、拘束が少ないことを意味しており、これにより容器加熱処理時の歪み緩和に伴う収縮変形を抑制することが可能となる。
このことは、後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、容器胴部の動的粘弾性測定値においてtanδ極大温度が115℃よりも大きい延伸成形容器では、大きな残留歪みが残存しているのに対して(比較例4及び8)、容器胴部の動的粘弾性測定値においてtanδ極大温度が115℃以下の延伸成形容器では、残留歪みが極めて低減されていることが明らかである(実施例1〜5)。
[ブレンド物層]
本発明の延伸成形容器は、上述したように、少なくともエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成る層を有し、かかるブレンド物層がエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を連続相(海部分)及び異種のポリエステル樹脂を分散相(島部分)とする海島分散構造を形成していることが重要であり、かかる海島分散構造を形成するには、後述するポリエステル樹脂をブレンドすることにより良好に形成することができる。
(エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂)
本発明の延伸成形容器において、ブレンド物層の連続相(海部分)を構成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分が、ジカルボン酸成分の50%以上、特に80%以上がテレフタル酸であり、且つジオール成分として、ジオール成分の50%以上、特に80%以上がエチレングリコールであるポリエステル樹脂を用いる。かかるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の中でも機械的性質や熱的性質及び成形加工性をバランス良く満たしている。
テレフタル酸以外のカルボン酸成分を含有することも勿論でき、テレフタル酸以外のカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。
ジオール成分としては、ジオール成分の50%以上、特に80%以上がエチレングリコールであることが、機械的性質や熱的性質から好ましく、エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、グリセロール、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
また上記ジカルボン酸成分及びジオール成分には、三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールを含んでいてもよく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸,1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸等の多塩基酸や、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールを挙げることができる。
(異種のポリエステル樹脂)
本発明の延伸成形容器において、ブレンド物層の分散相(島部分)を構成するポリエステル樹脂としては、上述したエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とは異なると共に、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の連続相中に分散相として存在し得る限り、上述したジカルボン酸成分及びジオール成分から成るポリエステル樹脂を使用することができるが、海島分散構造を形成することが必要であることから、連続相を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂と非相溶のものであることが重要である。
また上述した延伸部分における分散相の周囲の連続相が他の連続相に比して高延伸配向されるためには、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg(m)よりも10℃以上ガラス転移温度Tg(d)が高いポリエステル樹脂を用いることが特に好ましい。かかる高Tgのポリエステル樹脂は連続相を構成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂よりも高弾性であることから、連続相に比して延伸されにくく、その結果、分散相の周囲の連続相が他の連続相に比して局所的に過延伸された状態になり、上述したように高温条件下で高速延伸した場合と同様の歪硬化が得られ、延伸バランスに優れた延伸成形容器とすることが可能となる。
このようなポリエステル樹脂としては、構成モノマーとしてナフタレンジカルボン酸を含有するポリエステル樹脂や、構成モノマーとしてシクロへキサンジメタノールを含有するポリエステル樹脂を挙げることができる。また、連続相を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂との非相溶性を上昇させるためには、これらの構成モノマーの含有量が多いことが重要である。
ナフタレンジカルボン酸を構成モノマーとして含有するポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分の95モル%以上がナフタレンジカルボン酸であるポリエステル樹脂が好ましく、好適にはホモポリエチレンナフタレートであることが好ましい。前記のナフタレンジカルボン酸を多く含有するポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が100乃至120℃の範囲にあることが知られている。エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とポリエチレンナフタレートはエステル交換されやすく、エステル交換量が多くなると、明確な相構造分離を形成できなくなり、局所的過延伸が発生せず本発明における作用効果が得られなくなる。また、結晶化速度の低下に伴い、熱固定を行う場合その効率が低下し、耐熱性に劣るようになるので、ブレンドに際してはエステル交換を抑制するように混練時間や混練温度を調整することが好ましい。また、エステル交換反応によるTgの低下を見越して、Tg(m)よりも20℃以上ガラス転移温度Tg(d)が高いポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
またシクロへキサンジメタノールを構成モノマーとして含有するポリエステル樹脂としては、ジオール成分の60モル%以上がシクロへキサンジメタノールであるポリエステル樹脂が好ましい。前記のシクロヘキサンジメタノールを多く含有するポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が80乃至100℃の範囲にあることが知られている。エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とシクロヘキサンジメタノール含有ポリエステル樹脂はエステル交換しにくいため、ブレンドに際してTg(m)よりも10℃以上ガラス転移温度Tg(d)が高いポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
(海島分散構造)
本発明のブレンド物層は、上述したエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂をブレンドすることにより形成され、未延伸部分においては、長径0.4乃至10μmの大きさの分散相が60乃至100%の割合で存在し、延伸部分においては、分散相の周囲の連続相が他の連続相に比して高延伸配向されている、海島分散構造が形成されている。
このような海島分散構造を形成するためには、連続相を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂と、分散相を形成する異種のポリエステル樹脂の溶融粘度、配合比率及び組成が重要である。
溶融粘度は、分散相を形成する異種のポリエステル樹脂が連続相を形成するエチレンテ
レフタレート系ポリエステル樹脂に対して相対的に高い溶融粘度を有することが好ましい。
また、上記のような溶融混合に際しては、一般に、多量の成分が連続相となり、少量の成分が分散相となる傾向がある。従って、目的とする海島構造を達成するには、上記の溶融粘度と組成の兼ね合いを考慮する必要があるが、本発明においては、連続相を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を85重量%以上使用することが上述した海島分散構造を形成するために好適であり、好適には、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂の配合割合は、一般に重量比率で85:15乃至99.5:0.5、特に88:12乃至95:5の範囲にあることが好ましい。
特に、異種のポリエステル樹脂として、ポリエチレンナフタレート、或いはシクロヘキサンジメタノール含有ポリエステル樹脂を用いる場合は、0.5乃至15重量%の量で用いることが好ましい。上記範囲よりも量が多いと、海島分散構造でなく、相互網目構造になってしまうおそれがあり、延伸応力が上昇し残留歪が大きくなって、良好な耐熱性を得ることが困難になる。
本発明の延伸容器は、容器胴部のTMA測定(熱機械測定)による200℃における収縮率が10%以下であるという特徴を有している。TMA測定は、膨張、収縮といった試料に生じる変形を温度の関数として測定する方法で、特に、延伸成形物の200℃における収縮挙動は、その結晶化度によらず、残留歪みが支配的となる。よって延伸成形物が高温に曝されたときの収縮率が小さいということは、成形物中に存在する残留歪みの量が少ないことを意味する。残留歪みの量が少ないことは、そのまま耐熱性の上昇に繋がるものであり、特に熱固定を行う場合、除去すべき残留歪みの量が少ないことは、優れた耐熱性を得る上で有効である。
[層構成]
本発明の延伸成形容器は、前述したブレンド物層を少なくとも一層有すればよく、ブレンド物層の単層構造の容器とすることもできるし、或いはブレンド物層に他の熱可塑性樹脂層を組み合わせた多層構造の容器とすることもできる。
多層構造の容器の場合には、上記ポリエステル樹脂が内外層を構成することが特に好ましい。ブレンド物層及び必要により設けられる層の厚みは、層構成などによって一概に規定することはできないが、従来公知のポリエステル製延伸成形容器と同様に設定することができる。
上記ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、延伸ブロー成形可能な樹脂であれば任意のものを使用でき、これに限定されないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体、環状オレフィン重合体などのオレフィン系樹脂や、キシリレン基含有ポリアミドなどのポリアミド樹脂等を挙げることができる。また、キシリレン基含有ポリアミドにジエン系化合物、遷移金属系触媒を配合した酸素吸収性ガスバリア樹脂組成物や、リサイクルポリエステル(PCR(使用済みボトルを再生した樹脂)、SCR(生産工場内で発生した樹脂)又はそれらの混合物)等も用いることができる。これらのリサイクルポリエステル樹脂は、前述した方法で測定した固有粘度(IV)が0.65乃至0.75dL/gの範囲にあることが好ましい。
また内層又は外層と中間層を接着させるために、接着性樹脂を介在させることもできる。接着性樹脂としては、マレイン酸などをグラフト重合した酸変性オレフィン系樹脂やポリエステル樹脂、あるいは非晶性のポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂等を使用することができる。
また、本発明に用いる上記ポリエステル樹脂又は上記ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂には、最終成形品である二軸延伸容器の品質を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、及びガスバリア性上昇のための無機層状化合物などを配合することができる。
[製造方法]
本発明の延伸成形容器は、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成り、該エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る連続相と、前記異種のポリエステル樹脂から成る分散相とから成る海島分散構造が形成されているブレンド物層を有するプリフォームを、延伸温度が110乃至120℃の条件で延伸ブロー成形することにより製造することができ、これにより、上述した特性を有する延伸成形容器を延伸速度にかかわらず、好適に製造することが可能となる。
前述したように、延伸成形物の優れた耐熱性を付与し得る高温延伸条件下では、高速延伸を行わないと延伸バランスが悪化してしまうが、延伸速度を高めることには限界があるため、従来は低残留歪という高温延伸のメリットを犠牲にして、低温(95乃至105℃)で延伸成形を行っていた。これに対して本発明の延伸成形容器の製造方法においては、上述した海島分散構造が形成されているブレンド物層を有するプリフォームを用いることにより、110乃至120℃という高温条件下で延伸する場合にも、延伸速度を可及的に高くすることなく、従来の延伸成形装置を用いて、延伸バランスに優れた延伸形成容器を得ることが可能となるのである。
本発明の延伸成形容器の成形に用いるプリフォームは、上述したブレンド物を用いて、射出成形或いは圧縮成形等従来公知の方法によってプリフォームを形成する。
本発明においては、成形されたプリフォームを延伸ブロー成形に際して、110乃至120℃、好適には115乃至120℃の延伸温度に加熱して延伸成形することが重要であり、延伸温度が上記範囲のような高温域にあることにより、残留歪を低減することが可能になる。ここで、プリフォームの加熱温度、即ち延伸温度は、延伸ブロー成形される直前のプリフォームの外表面温度であり、放射温度計、熱画像測定器等によって測定することができる。
プリフォームを上記温度に均一且つ高速で加熱するためには、延伸ブローに先立って、プリフォームの内外から熱風、赤外線ヒーター、高周波誘導加熱された鉄芯の内部挿入等の手段で加熱することが好ましい。
このプリフォームをそれ自体公知の延伸ブロー成形機中に供給し、金型内にセットして、延伸棒の押し込みにより軸方向に引っ張り延伸すると共に、ブローエアの吹き込みにより周方向へ延伸成形する。本発明方法における高温での延伸成形を効率的に行うためには、ブローエアとして100乃至150℃のホットエアの吹込みを行うことが好ましい。
尚、本発明においては、延伸速度にかかわらず、設定速度よりも高速で延伸した場合と同様の延伸バランスを得ることが可能である。
また、本発明で得られる低残留歪みと延伸バランスの両立という作用効果は、熱固定条件によらず得ることができるものであるが、特に、耐熱性を求める場合には、熱固定を行うことが好ましい。
また本発明においては、通常よりも高温で延伸ブロー成形することから高温延伸に起因するオリゴマー析出のおそれがあるため、これを防止すべく、金型は表面処理されたものを用いることが好ましい。また、離型性の上昇、成形後の変形抑制を図るために、離型時にクーリングエアーとして、室温もしくは冷却エアーをブローボトル内に循環させ成形物の冷却を確実に行うことが好ましい。
二軸延伸容器における延伸倍率は、面積倍率で1.5乃至25倍が適当であり、この中でも軸方向延伸倍率を1.2乃至6倍とし,周方向延伸倍率を1.2乃至4.5倍とするのが好ましい。
本発明の延伸成形容器の製法によれば、110乃至120℃という高温条件下で延伸速度にかかわらず、歪硬化現象を有効に利用することができ、高温延伸の効果である残留歪みの低減と良好な延伸バランスを兼ね備えた延伸成形容器を成形することが可能となる。
また、これまでの検討の結果、良好な延伸バランスを有することと、容器胴部のTMA測定における200℃における収縮率が10%以下であることが、熱固定条件によらず容器の耐熱性上昇に寄与することが明らかである。すなわち、本発明の延伸容器の耐熱性は、従来方法で同一の熱固定条件で成形された延伸容器に比較して、相対的に高い耐熱性を有している。
例えば、アセプティック充填用途容器のような高い耐熱性は要求されないが、容器殺菌時の処理熱への耐熱性を賦与するため、従来方法では120℃程度の熱固定を行う必要があったが、本発明の延伸容器では熱固定を行う必要が無いか熱固定温度を低下させることができ、熱固定に要するエネルギーを低減できる。
また、耐熱(熱間充填)用途や、耐熱圧用途容器のような中程度の耐熱性が要求される場合においては、本発明の延伸容器では熱固定温度を低下させることができ、熱固定に要するエネルギーを低減できる。
さらには、ボイル、レトルト処理といった100℃を超えるような加熱殺菌を行う高い耐熱性が要求される用途においては、本発明の延伸容器に高温で熱固定を行うことによって、従来方法では達成し得なかった高い耐熱性を有する延伸成形容器とすることが可能となり、特に、本発明の延伸容器、その製造方法の利点を有効に活用することができる。
本発明においては前述した通り、ボイル、レトルト処理といった100℃を超えるような加熱殺菌がなされる用途における高い耐熱性を得るためには、延伸成形後150乃至230℃、好適には150乃至180℃の温度で熱固定することが好ましい。熱固定はそれ自体公知の手段で行うことができ、ブロー成形金型中で行うワンモールド法で行うこともできるし、ブロー成形金型とは別個の熱固定用の金型中で行うツーモールド法で行うこともできる。
熱固定後金型からの取り出しに際して冷風で冷却することがハンドリング性の点から望ましい。
また、本発明は延伸ブロー容器において延伸加工がなされている部位における耐熱性向上手法に関するものであり、容器口部など成形法上延伸加工がなされない部分においては、肉厚を厚めに設定することや、ブロー成形前に加熱結晶化することなどにより耐熱性を向上させることができる。
I.材料
主材として、ポリエチレンテレフタレート樹脂 [Homo PET](RT543CTHP:日本ユニペット(株))を、ブレンドポリエステル種として、ポリエチレンナフタレート樹脂[Homo PEN](TN8065S:帝人化成(株))、イソフタル酸変性 1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂[IA変性PCT](サーメックス13319:イーストマンケミカル)、ポリブチレンテレフタレート樹脂[Homo PBT](ジュラネックス500FP:ポリプラスチックス(株))、非晶性シクロヘキサンジメタノール含有ポリエチレンテレフタレート樹脂[非晶性CHDM変性PET](S2008:SKケミカル)、又はポリエチレンナフタレート−ポリエチレンテレフタレート共重合体[PEN-PET共重合](TN8756:帝人化成(株))を用い、主材と各ブレンドポリエステル種をペレット状態で所定の混合比にてドライブレンドして、各種成形に供じた。また、混合前に各樹脂とも乾燥処理を行った。
II.延伸ブローボトルの成形
上記樹脂ペレットを所定の割合でドライブレンドしたものを射出成形機(NN75JS:(株)新潟鐵工所)のホッパーへ供給し、バレル設定温度を280℃、サイクルタイム30秒にて射出成形して、重量28g、口径28mmのボトル用プリフォームを成形した。その後、口部を予め加熱により結晶白化させたプリフォームの胴部を、外側より赤外線ヒーターにて、内部から加熱鉄芯によって、所定の表面温度に加熱した後、二軸延伸ブローして、延伸倍率が縦3倍、横3倍、面積9倍となる容量500mlの図4に示す延伸ブローボトルを成形した。金型温度は室温(25℃)、150℃及び180℃に設定した。また、離型時には容器内に室温(25℃)のクーリングエアーを導入した。
III.測定
1.ガラス転移温度[Tg(d)−Tg(m)] の測定
上記材料ペレットから切り出した試料(10mg)について、示差走査熱量計(DSC7:PERKIN ELMER社製)を用いて測定を行った。測定温度プロファイルは以下の順序で行った。
(1)25℃から290℃へ10℃/分で昇温
(2)290℃にて5分間保持
(3)290℃より25℃へ300℃/分で降温
(4)25℃から290℃へ10℃/分で昇温
(5)290℃にて5分間保持
(6)290℃より25℃へ10℃/分で降温
このうち、4.の昇温プロファイルにおいてガラス転移温度を測定した。
また、Tg(m)に相当するHomo PETのガラス転移温度は、78.6℃であった。
2.動的粘弾性測定におけるtanδ
ボトル胴部より10mm×30mm大の試験片を長辺方向がボトル高さ方向となるように切り出し、粘弾性スペクトロメータ(EXSTAR6000DMS:セイコーインスツルメンツ(株))を用いて測定を行った。測定条件を以下に示す。
測定モード : 引っ張り正弦波モード
試験片標点間距離:20mm
振動数:1Hz
最小張力:100mN
昇温プロファイル:25℃から210℃まで2℃/分にて昇温
得られたtanδ曲線から、tanδが極大となる温度(tanδ極大温度)を導出した。
3.相構造の観察
(1)観察試料の作成
成形した延伸ブローボトルの未延伸部であるネックリング下部、および延伸部である胴壁中央部から試料を切り出し、ガラスナイフを装着したミクロトーム(REICHERT ULTRACUTS:ライカ社)を用い、液体窒素冷却下、1.0mm/secの切削速度にて、厚み5μmの観察用試料を切削した。このとき、観察面はボトル接地面と水平方向となるようにした。この切削片をスライドガラス上に置き、浸液(ビオライト:(株)高研)に浸し、カバーガラスをかけ各種顕微鏡観察に供じた。
(2)未延伸部の相構造および0.4〜10μmドメイン存在数割合(%)の測定
上記、延伸ブローボトルの未延伸部であるネックリング下部より切り出した試料について、透過光顕微鏡にて1000倍まで拡大して相構造の観察を行った。また、長径0.4〜10μm不連続相の存在数割合は、1000倍拡大写真(観察範囲88×70μm2)から下式を用い算出した。ここで、不連続相は写真目視にて明らかに連続相に囲まれていることが確認できる状態のものとした。
ドメイン存在数割合(%)=長径0.4〜10μm不連続相の存在数/不連続相の全存在×100
(3)延伸部における局所過延伸部の存在判定
上記、延伸ブローボトルの胴壁中央部から切り出した試料について、偏光板を直交ニコルに配置した偏光顕微鏡を用い1000倍まで拡大して相構造の観察を行った。このとき、観察試料は直交ニコル間に対角位方向に配置した。観察された画像から、試料全体が均一な色調を示している場合は局所過延伸がないものと判断した。また、試料において図3に示すような配向度の分布を示す色調のムラが観察された場合は局所過延伸があるものと判断した。
4.延伸バランスの判定
予め、プリフォームの胴部にネックリングより底部に向かって、油性マジックにより10mm間隔の打点をしておき二軸延伸ブローした。このブローボトルにおいて、胴部における打点間隔が均等であるものを延伸バランス良好と判定した。
5.TMA測定における200℃収縮率
ボトル胴部より10mm×30mm大の試験片を長辺方向がボトル高さ方向となるように切り出し、粘弾性スペクトロメータ(EXSTAR6000DMS:セイコーインスツルメンツ(株))を用いて測定を行った。測定条件を以下に示す。
測定モード : F制御モード
試験片初期標点間距離:20mm
応力プロファイル:無加重
昇温プロファイル:25℃から210℃まで2℃/分にて昇温
得られた収縮量曲線より、以下式を用いて収縮率曲線を算出した。
S(収縮率:%)= X/L × 100
X:各温度における収縮量(mm)
L:初期標点間距離(mm)= 20mm
測定開始時の収縮量を0とし、算出した収縮率曲線から、温度が200℃に到達した際の収縮率(200℃における収縮率)を導出した。
(実施例1)
主材として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(RT543CTHP:日本ユニペット(株))を、ブレンドポリエステル種として、ポリエチレンナフタレート樹脂[Homo PEN](TN8065S:帝人化成(株))を用い、重量比で主材:ブレンドポリエステル種=95:5の割合でドライブレンドして射出成形機ホッパーに供給し、設定温度280℃、サイクルタイム30秒の条件で口径28mmのボトル用プリフォームを射出成形した。
このプリフォームの口部を予め結晶白化させた後、二軸延伸ブローして容量500mlのアセプティック充填対応の延伸ブローボトルを成形した。尚、この時のプリフォームの加熱温度、即ち延伸温度を115℃、ブロー金型の温度を室温(25℃)に設定した。
このボトルの各部位を切り出し、上記の各測定を行った。
(実施例2)
材料を重量比で主材:ブレンドポリエステル種=90:10の割合でドライブレンドして射出成形機ホッパーに供給した以外は、実施例1と同様にアセプティック充填対応の延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(実施例3)
材料を重量比で主材:ブレンドポリエステル種=85:15の割合でドライブレンドして射出成形機ホッパーに供給した以外は、実施例1と同様にアセプティック充填対応の延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(実施例4)
ブロー金型の熱固定温度を180℃に設定して耐熱性を付与した以外は、実施例2と同様に延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(実施例5)
ブレンドポリエステル種として、イソフタル酸変性 1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂(サーメックス13319:イーストマンケミカル)を用いた以外は、実施例4と同様に耐熱性を付与した延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(実施例6)
ブロー金型の熱固定温度を150℃に設定した以外は、実施例5と同様に耐熱性を付与した延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例1)
材料としてポリエチレンテレフタレート樹脂 (RT543CTHP: 日本ユニペット(株))のみを用い、プリフォームの加熱温度を100℃に設定した以外は、実施例1と同様にアセプティック充填対応の延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例2)
ブロー金型の熱固定温度を180℃に設定し耐熱性を付与した以外は、比較例1と同様に延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例3)
プリフォーム加熱温度を115℃に設定した以外は、比較例1と同様にアセプティック充填対応の延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例4)
材料を重量比で主材:ブレンドポリエステル種=70:30の割合でドライブレンドして射出成形機ホッパーに供給した以外は、実施例1と同様にアセプティック充填対応の延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例5)
ブレンドポリエステル種として、ポリブチレンテレフタレート樹脂[Homo PBT](ジュラネックス500FP:ポリプラスチックス(株))を用いた以外は、実施例4と同様に耐熱性を付与した延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例6)
ブレンドポリエステル種として、非晶性シクロヘキサンジメタノール含有ポリエチレンテレフタレート樹脂[非晶性CHDM変性PET](S2008:SKケミカル)を用いた以外は、実施例4と同様に耐熱性を付与した延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例7)
ブレンドポリエステル種として、ポリエチレンナフタレート−ポリエチレンテレフタレート共重合体[PEN-PET共重合] (TN8756:帝人化成(株))を用いた以外は、実施例4と同様に耐熱性を付与した延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
(比較例8)
プリフォーム加熱温度を105℃に設定した以外は、実施例5と同様に耐熱性を付与した延伸ブローボトルを作成し、上記の各測定を行った。
上記の各測定の結果を表1に示す。
Figure 0004830410
本発明の延伸成形容器の底部のブレンド物層の透過顕微鏡写真を模式的に表す図である。 本発明の延伸成形容器の胴部のブレンド物層の透過偏光顕微鏡写真を模式的に表す図である。 胴部のブレンド物層の一つの分散相の周囲の連続相の延伸配向の程度を模式的に表す図である。 実施例で作成した二軸延伸ブローボトルの参考図である。

Claims (10)

  1. エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成る層を有する延伸成形容器において、
    前記異種のポリエステル樹脂がジオール成分の60モル%以上がシクロヘキサンジメタノールであるポリエステル樹脂であり、前記ブレンド物から成る層が、前記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る連続相と、前記異種のポリエステル樹脂から成る分散相とから成る海島分散構造を有すると共に、少なくとも容器胴部の動的粘弾性測定値においてtanδ極大温度が115℃以下であることを特徴とする延伸成形容器。
  2. 前記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg(m)と異種のポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg(d)が、Tg(d)−Tg(m)≧10(℃)の関係を満足する請求項1記載の延伸成形容器。
  3. 前記海島分散構造が、未延伸部分において、長径0.4乃至10μmの大きさの分散相が60乃至100%の割合で存在するものである請求項1又は2に記載の延伸成形容器。
  4. 前記海島分散構造が、延伸部分において、分散相の周囲の連続相が他の連続相に比して高延伸配向されている請求項1乃至の何れかに記載の延伸成形容器。
  5. 前記ブレンド物が、異種のポリエステル樹脂を0.5乃至15重量%の量で配合したものである請求項1乃至の何れかに記載の延伸成形容器。
  6. 容器胴部のTMA測定による200℃における収縮率が10%以下である請求項1乃至の何れかに記載の延伸成形容器。
  7. 請求項1乃至の何れかに記載の延伸成形容器が、150乃至230℃の温度条件で熱固定が行われている延伸容器。
  8. エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とこれとは異種のポリエステル樹脂のブレンド物から成り、該異種のポリエステル樹脂がジオール成分の60モル%以上がシクロヘキサンジメタノールであるポリエステル樹脂であり、前記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る連続相と、前記異種のポリエステル樹脂から成る分散相とから成る海島分散構造が形成されているブレンド物層を有するプリフォームを、延伸温度が110乃至120℃の条件で延伸ブロー成形することを特徴とする延伸成形容器の製造方法。
  9. 前記ブレンド物が、異種のポリエステル樹脂を0.5乃至15重量%の量で配合したものである請求項に記載の延伸成形容器の製造方法。
  10. 前記延伸ブロー成形に次いで、150乃至230℃の温度条件で熱固定を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の延伸成形容器の製造方法。
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