JP4830237B2 - 非接触icカード記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ICカードの記録媒体及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、クレジットカード、IDカード、キャッシュカード等の分野においては、磁気カードに代わるカードとして、カード素材にマイクロプロセッサやRAM、ROM等の半導体メモリを含むICモジュールを搭載してなるいわゆるICカードが、情報記録容量が非常に大きいこと、および高セキュリティ性を有することから開発されてきている。
このようなICカード記録媒体においては、記録媒体が端末とのアクセス方法によって、接触型ICカードと非接触ICカードの2種類記録媒体がある。接触型ICカード記録媒体は端末と通信する際、記録媒体の接点を端末の接点と合わせ、接触し合う必要があるので、通信作業が面倒であり、通信速度が遅い。更に記録媒体の接点が記録媒体の表面に露出しているので、接点が汚され、壊され易い欠点がある。一方、非接触ICカード記録媒体は電磁結合、電磁誘導またはマイクロ波を用いて、端末と情報通信するので、接点を持たない。よって、通信作業が容易であり、接点が壊されて通信が出来なくなるような心配がない。そのため、非接触ICカード記録媒体の開発が最近盛んに行われる。
【0003】
この種のICカードを製造する方法としては、液状接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いた接着剤充填方式、インジェクション成型機を用いた樹脂射出成型方式、及び熱可塑性高分子からなる基材を用いた熱ラミネート方式がある。それらの方式では、それぞれ長所と短所があり、カード製造の規模、カード仕様及び要求物性により使い分けされ、非接触ICカードを製造している。
【0004】
特に熱ラミネート方式の方法は、従来クレジットカード、キャッシュカード等の製造方法に近く、従来カード製造装置及び技術の一部を使用することができ、注目されている。熱ラミネート方式としては、熱可塑性高分子樹脂からなる基材(1)、アンテナとICモジュールからなるインレット、熱可塑性高分子樹脂からなる基材(2)を順次積層し、熱及び圧力を加えてラミネートを行うことにより一体化して、カード状に断裁して非接触ICカードを製造する。
【0005】
非接触ICカード信頼性及び生産効率を向上するため、アンテナ及びICモジュールを耐熱性のある材料からなる基板、例えはPET基板、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板等上に形成し、アンテナ付きICモジュール基盤(3)として用いることがある。この場合、基材(1)と基材(2)の厚さ、即ちh1とh2はカードの厚さ、基板の厚さ及びICモジュールの厚さに応じて設定しなければならなく、h1とh2が同等でないことが多い。
またカードの基材として、カードの表面を平坦にするため、熱変形温度が若干低く、Tm(溶融温度)が200℃以下の熱可塑性高分子樹脂を用いるのが好ましく、アンテナ付きICモジュール基盤の基材と異なる基材を用いることが好ましい。
【0006】
以上に記述したように、基材(1)及び基材(2)がアンテナ付きICモジュール基盤の基材と材質が異なるので、基材(1)及び基材(2)の熱膨張とアンテナ付きICモジュール基板の熱膨張が相違し、更に基材(1)と基材(2)の厚さ、即ちh1とh2が相違するため、熱ラミネートにより、積層一体化される非接触ICカードの反りが発生してしまい、カードの外観及び形状が損なうことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような問題点に着目してなされたもので、各種のアンテナ付きICモジュール基盤に対応することができ、安価の外観及び形状が品質よいICカードを及びそのカードの効率よい製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくとも熱可塑性高分子樹脂からなり、厚さがh1からなる基材(1)、アンテナ付き非接触ICモジュール基盤(3)、熱可塑性高分子樹脂からなり、厚さがh2からなる基材(2)を順次に積層、一体化してなる非接触ICカードであって、上記基材(1)と基材(2)の厚さ、即ちh1とh2が異なり、アンテナ付き非接触ICモジュール基板がカード厚さ方向の非中心位置に配置される非接触ICカードにおいて、上記基材(1)の厚さh1が基材(2)の厚さh2より薄く、基材(1)の熱膨張率が基材(2)の熱膨張率より大きいことを特徴とする非接触ICカード記録媒体である。
【0010】
また請求項に記載の発明は20℃から180℃の温度変化した際、膨脹後の上記基材(1)の厚さ(d1)と上記基材(2)の厚さ(d2)の比が0.70〜1.30であることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード記録媒体である。
【0011】
また請求項に記載の発明は、上記の基材(1)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)の間に、感熱接着層を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触ICカード記録媒体である。
【0012】
また請求項に記載の発明は、少なくとも熱可塑性高分子樹脂からなる基材(1)、アンテナ付き非接触ICモジュール基盤(3)、熱可塑性高分子樹脂からなる基材(2)を順次に積層、一体化してなる非接触ICカードにおいて、上記基材(1)の厚さが基材(2)の厚さより薄く、基材(1)の熱膨張率が基材(2)の熱膨張率より大きく、積層、一体化方法として、熱プレスを用いることを特徴とする非接触ICカード記録媒体の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の実施例及び比較例に係わる非接触ICカード記録媒体(10)の断面図であり、図2は他の本発明に係わる非接触ICカード記録媒体の一例を示す断面図である
図1の本発明の非接触ICカード記録媒体(10)は印刷層(5)、基材(1)、接着層(4)、アンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2)からなる構成である。
図2は、他の本発明の非接触IC記録媒体を示し、上記図1と異なる点は、1及び2の基材が多層で形されていること以外は、図1と同じである。
【0014】
次に、各構成について説明する。
基材(1)及び基材(2)は強度がある熱可塑性高分子樹脂、例えはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリルメチル、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3ヒドロキシブチレート−3ヒドロキシヴァリレート)、ポリビニルアルコール等の合成樹脂類、天然樹脂類の単体、またそれらの樹脂または変性樹脂などを単独または組み合わせた複合体、アロイ体、ブレンド体を用いることができる。更にこれら樹脂単体、複合体、アロイ体、ブレンド体に顔料、染料及び表面活性剤等を加して改質することもできる。
【0015】
本発明では、基材(1)と基材(2)をそれぞれ異なる熱膨張率の基材を使用した際の、熱ラミネートによる非接触ICカード記録媒体のカール発生問題を解決する。例えば基材(1)の厚さh1が薄く、基材(2)の厚さh2が厚い場合、熱膨張率の大きい基材を基材(1)とし、熱膨張率の小さい基材を基材(2)として使用する。このように互いに厚さの異なる基材を使用する場合、熱膨張率の異なる基材を選択して使用することにより、カード反りの発生を防げることができる。
【0016】
更に熱膨張率が違う基材の選択において、基材(1)及び基材(2)のそれぞれの厚さh1とh2を考慮し、熱ラミネートの温度範囲内にカード内の基材(1)の膨張した体積と基材(2)の膨張した体積との差が少ないように選択するのが好ましい。このことは図3に示すように、表裏に位置する基材(1)及び基材(2)の表面積が同じであるので、膨脹した後の厚さd1及びd2との差が少ないようにすることである。
【0017】
差が大きければ、熱ラミネートにより、得られる記録媒体のカールが大きくなる。差がまったくないのが理想であるが、基材の選定等においてかなりの制限が出てくることになり、カードの物性保持に支障が生じてしまう。
よって本発明は熱ラミネートの温度範囲以内において、基材(1)と基材(2)の膨張後の厚さの比が0.70〜1.30以内にすることによって、カードの反りをカードの規格内に押さえることができ、且つカードの物性保持においても、大きな支障が生じることがない。
【0018】
そして、このような基材(1)及び基材(2)の一方表面の全面または一部には、ID情報及び絵柄デザイン等の印刷層を設ける。基材と印刷層の接着性を向上させるため、基材の表面に易接着処理例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、樹脂塗布等を施しても良い。更に基材の表面または印刷層の表面に他の機能性薄膜層例えば、保護層、磁気記録層、可視記録層等を全面または一部に設けてもよい。
【0019】
アンテナ付きICモジュール基盤の基材(3)としては耐熱性および強度のある高分子樹脂の単体、複合体およびアロイ体、またはそれらの高分子樹脂と無機材料との複合体を用いるのもよい。例えばポリイミド基板、PEN基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)基板、ABS基板、PC(ポリカーボネート)基板、ポリ塩化ビニル基板、ポリエステル基板、ポリメタクリルメチル基板、ガラスエポキシ樹脂(エポキシ含浸ガラス基板)基板等を用いることができる。
【0020】
上記の基板上に予め非接触通信用のアンテナを形成する。アンテナの形成方法としては例えば、化学エッチングによる形成方法、銅線の巻き加工による形成方法、導電性インキの印刷による形成方法などがある。基板とアンテナとの接着性を持たせるため、基板の表面にプライマー層を設けてもよい。またアンテナの腐食防止のため、アンテナの表面に防錆処理を行ってもよい。ICモジュールとしては電気回路が形成されたICチップをアンテナ基板上に公知のベアチップ実装方法で実装し、アンテナと接続して形成するか、ICチップをチップ実装用の基板上に公知の実装方法で実装し、樹脂モールドしてから、アンテナ基板上に装着し、アンテナと接続して形成する。またICチップの信頼性を向上するため、アンテナ基板上に実装されたベアチップを更に樹脂等で封止補強してもよい。
【0021】
以上の基材(1)、アンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2)を積層し、熱ラミネートにより、一体化してから、カード形状に断裁して本発明の非接触ICカード記録媒体となる。
基材(1)及び基材(2)とアンテナ付きICモジュール基盤との接着性を上げるため、基材(1)及び基材(2)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)の間に接着剤を設けてもよい。
接着層を設ける場合、例えば酢酸ビニル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリアミド系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の熱可塑性接着剤及び熱硬化性接着剤を用いることができる。接着層としては0.5μm〜10μmを設けた方が好ましい。
【0022】
接着層の厚さがあまり薄くなると、接着強度が弱くなり、基材と基材の間に層間剥離が生じやすくなる。また接着層があまり厚くなると、接着層の熱クリップ性が悪くなり、または記録媒体表面への影響が高くなることがある。厚さが0.5μm〜10μmに規制するのが重要である。
接着層の形成方法としては、基材(1)及び基材(2)の表面上に、従来のスクリーン機による印刷方法、グラビアコータによるコーティング方法、ロールコータ及びナイフコータによる塗布方法等を用いて形成すればよい。
【0023】
熱ラミネートにより、基材(1)、アンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2)を一体化して非接触ICカード記録媒体を成形する際、カードの表面を平坦にするため、熱ラミネートの温度を高くして更に圧力を加えることにより、基材(1)及び基材(2)の樹脂をICモジュールの上下に流して埋め込んだ方が好ましい。しかし、温度が高くなると、熱ラミネートによるICモジュール破損の危険性が高くなる。
【0024】
そこで、図2に示すように、カード記録媒体が耐熱性を有し、表面平坦性がよく、且つ熱ラミネート時にICモジュールの破損がない非接触ICカード記録媒体を製造するため、基材(1a)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)の間に、基材(2a)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)の間にそれぞれ熱変形温度が何れも基材(1a)及び基材(2a)の熱可塑性高分子樹脂の熱変形温度より低い熱可塑性高分子樹脂からなる基材(1b)、基材(2b)を設けてもよい。
【0025】
ただし、この場合、基材(1a)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2a)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)の間にそれぞれ設けられる基材(1b)と基材(2b)の厚さを同等のものにするのが好ましい。また、カード記録媒体の表面をより平滑するには、基材(1b)または基材(2b)上にICモジュールのチップ等の電気部品と同等の大きさの穴をあけ、チップ等の電気部品を穴に填め込むように基材に積層してから、熱ラミネートを行う方が好ましい。
【0026】
熱ラミネート方法としては基材(1a)、基材(1b)、アンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2b)、基材(2a)と順次に積層してから熱ラミネートを行う一回ラミネートの方法と、基材(1b)、アンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2b)を順次に積層して一次熱ラミネートを行って一体化してから、更に基材(1a)及び基材(2a)と積層して二次熱ラミネートを行う二回ラミネートの方法がある。特に二回ラミネートの場合、二次ラミネート温度を下げ、基材(1)及び基材(2)の印刷層への影響を最低限することができる。
【0027】
上記の何れの熱ラミネート方法でも、熱ラミネート温度の低減による基材(1a)と基材(1b)または基材(2b)と基材(2a)のラミネート強度の低減を防ぐため、基材(1a)と基材(1b)の間、また基材(2b)と基材(2a)の間に接着層を設けた方が好ましい。接着層としては例えば酢酸ビニル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリアミド系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の熱可塑性接着剤及び熱硬化性接着剤を用いることができる。
【0028】
【実施例】
〈実施例1〉
図1は本発明の実施例1に係わる非接触ICカード記録媒体(10)の構成断面図である。
エッチングアンテナ(6)が形成された厚さ0.1mmガラスエポキシ基盤(3)上に、厚さ0.18mmのマイフェアチップ(Mikron社製)を異方性導電フィルム(ACF)を介して実装し、更にエポキシ封止樹脂で封止して実施例1のアンテナ付きICモジュール基盤(3)とする。基盤上のICチップ部(樹脂封止部を含む)の厚さが0.25mmとなる。
体積膨張率が100℃から170℃温度で約6%で、厚さ0.25mmの非晶性ポリエステルであるPET−G(イーストマンケミカル(株)製)とポリカーボネート(PC)とのポリマーアロイに酸化チタン顔料を含有させた熱可塑性樹脂基材を基材(1)とし、体積膨張率が約4%の厚さが0.40mmのPET―Gの酸化チタン顔料を含有する熱可塑性樹脂基材を基材(2)とする。
【0029】
そして、基材(1)と基材(2)のそれぞれアンテナ(6)付きICモジュール基盤(3)と接する側の表面に酢酸ビニルからなる接着剤を1μロールコーターにより形成する。更に基材(1)及び基材(2)のそれそれもう一方表面、即ち非接触ICカード記録媒体の表面となる側の表面に、絵柄及びIDデータの印刷層(5)を予め形成する。
【0030】
次に、基材(1)の接着層が形成された表面に、上記に形成されたアンテナ付きICモジュール基盤(3)をガラスエポキシ側の表面が接着層と接するように積層し、更に基材(2)を基材の接着層側表面がICモジュール基盤(3)のICモジュール側の表面と接するように積層する。このようにして積層された積層体を熱プレスに設置し、温度145℃まで加熱してから圧力1.2Mpa加えることにより、熱ラミネートを行って一体化する。このようにして、厚さが0.75mm、ICモジュールを埋設した積層体が得られ、それをカード記録媒体の形状に断裁して実施例1の非接触ICカード記録媒体(10)とした。
【0031】
以上で得られたカード記録媒体(10)は反りが小さく(JIS X 6301)により、測定したカード面内の反りが2mm以下であった)、且つ印刷層(5)の絵柄等の歪みが無く、表面平滑性がよく、通信テストしたところ、正常に通信が出来た。更にカード記録媒体を熱撓み温度を測定したところ、熱変形温度が85℃という高い耐熱特性が得られた。
【0032】
〈比較例1〉
上記実施例1と異なる点は、基材(1)として、体積膨張率が4%の非晶性ポリエステルであるPET−G(イーストマンケミカル(株)製)に酸化チタン顔料を含有させた熱可塑性樹脂基を使用した点であり、他は実施例1と同様である。
【0033】
すなわち、実施例1と同じくエッチングアンテナが形成された厚さ0.1mmガラスエポキシ基盤(3)上に、厚さ0.18mmのマイフェアチップ(Mikron社製)を異方性導電フィルム(ACF)を介して実装し、更にエポキシ封止樹脂で封止して、アンテナ付きICモジュール基盤(3)とする。基板上のICチップ部(樹脂封止部を含む)の厚さが0.25mmとなる。
【0034】
体積膨張率が約4%、厚さが0.25mmの非晶性ポリエステルであるPET−G(イーストマンケミカル(株)製)に酸化チタン顔料を含有させた熱可塑性樹脂基材を基材(1)とし、体積膨張率が約4%の厚さが0.40mmのPET―Gの酸化チタン顔料を含有する熱可塑性樹脂基材を基材(2)とする。
【0035】
そして、基材(1)と基材(2)のそれぞれアンテナ付きICモジュール基盤(3)と接する側の表面に酢酸ビニルからなる接着剤を1μロールコーターにより形成する。更に基材(1)及び基材(2)のそれそれもう一方表面、即ち非接触ICカード記録媒体の表面となる側の表面に、絵柄及びIDデータの印刷層(5)を予め形成する。
【0036】
次に、基材(1)の接着層が形成された表面に、上記に形成されたアンテナ付きICモジュール基盤(3)をガラスエポキシ側の表面が接着層と接するように積層し、更に基材(2)を基材の接着層側表面がICモジュール基盤(3)のICモジュール側の表面と接するように積層する。このようにして積層された積層体を熱プレスに設置し、温度145℃まで加熱してから圧力1.2Mpa加えることにより、熱ラミネートを行って一体化する。このようにして、厚さが0.75mm、ICモジュールを埋設した積層体が得られ、それをカード記録媒体の形状に断裁して比較例1の非接触ICカード記録媒体とした。
【0037】
このように、得られた比較例1のカード記録媒体の反りを測定したところ、カード面内の最大反りが4.5mmであり、実施例1に比較して2倍以上の反りが生じた。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、熱可塑性樹脂からなる基材、アンテナ付きICモジュール基盤、熱可塑性高分子樹脂からなる基材を積層して、熱ラミネートを行うことにより、非接触ICカード記録媒体を製造するにおいて、基材(1)の膨張後の厚さ(d1)と基材(2)の膨脹後の厚さ(d2)の比が、0.7〜1.3の間(好ましくは、ほぼ同等の厚さ)に設定することによって、耐熱性の高く、表面平滑性がよく、且つ反りが発生しない非接触カード記録媒体を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例に係わる非接触ICカード記録媒体の構成断面図である。
【図2】本発明に係わる非接触ICカード記録媒体の他一例の構成断面図である。
【図3】熱膨脹した際、上下の基材の厚さがほぼ同等となり、反りが発生しにくいことを説明する図である。
【符号の説明】
1…基材
1a、1b…基材
2…基材
2a、2b…基材
3…アンテナ付きICモジュール基盤
4…接着層
5…印刷層
6…アンテナ
7…ICモジュール
10…ICカード
h1,h2…基材の厚さ
d1,d2…膨張後の基材の厚さ

Claims (4)

  1. 少なくとも熱可塑性高分子樹脂からなり、厚さがh1からなる基材(1)、アンテナ付き非接触ICモジュール基盤(3)、熱可塑性高分子樹脂からなり、厚さがh2からなる基材(2)を順次に積層、一体化してなる非接触ICカードであって、上記基材(1)と基材(2)の厚さ、即ちh1とh2が異なり、アンテナ付き非接触ICモジュール基板がカード厚さ方向の非中心位置に配置される非接触ICカードにおいて、
    上記基材(1)の厚さh1が基材(2)の厚さh2より薄く、
    基材(1)の熱膨張率が基材(2)の熱膨張率より大きいことを特徴とする非接触ICカード記録媒体。
  2. 20℃から180℃の温度変化した際、膨脹後の上記基材(1)の厚さ(d1)と上記基材(2)の厚さ(d2)の比が0.70〜1.30であることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード記録媒体。
  3. 上記の基材(1)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)、基材(2)とアンテナ付きICモジュール基盤(3)の間に、感熱接着層を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触ICカード記録媒体。
  4. 少なくとも熱可塑性高分子樹脂からなる基材(1)、アンテナ付き非接触ICモジュール基盤(3)、熱可塑性高分子樹脂からなる基材(2)を順次に積層、一体化してなる非接触ICカードにおいて、
    上記基材(1)の厚さが基材(2)の厚さより薄く、
    基材(1)の熱膨張率が基材(2)の熱膨張率より大きく、
    積層、一体化方法として、熱プレスを用いることを特徴とする非接触ICカード記録媒体の製造方法。
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