JP4830074B2 - 圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法 - Google Patents

圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4830074B2
JP4830074B2 JP2006108884A JP2006108884A JP4830074B2 JP 4830074 B2 JP4830074 B2 JP 4830074B2 JP 2006108884 A JP2006108884 A JP 2006108884A JP 2006108884 A JP2006108884 A JP 2006108884A JP 4830074 B2 JP4830074 B2 JP 4830074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
infrared
package base
film
vibrating piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006108884A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007281370A (ja
JP2007281370A5 (ja
Inventor
菊池  尊行
誠一郎 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006108884A priority Critical patent/JP4830074B2/ja
Publication of JP2007281370A publication Critical patent/JP2007281370A/ja
Publication of JP2007281370A5 publication Critical patent/JP2007281370A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4830074B2 publication Critical patent/JP4830074B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Description

本発明は圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法に関するものである。
電子デバイスには、内蔵電子部品を搭載したパッケージベースおよび蓋体を備えたものがある。この電子デバイスの製造工程の一例は、次のようになっている。すなわち凹陥部を設けたパッケージベースに内蔵電子部品を搭載した後、このパッケージベースの上面に低融点ガラスを介して透明な蓋体を載せる。そしてパッケージベースおよび蓋体に向かってハロゲンランプから光を照射して、ハロゲンランプから照射される赤外線で低融点ガラスが溶融する。これによりパッケージベースと蓋体が接合して、電子デバイスが製造される。なお、このような製造方法について開示したものとしては特許文献1がある。
特開2004−6681号公報
前述したパッケージベースと蓋体の接合方法では、パッケージベースや蓋体にハロゲンランプから照射した光が当たるので、パッケージベースや内蔵電子部品、蓋体の全体が加熱される。そして内蔵電子部品として集積回路(IC)チップをパッケージベースに搭載している場合は、ICチップがこの熱に耐えられず壊れて動作しなくなってしまう。
また電子デバイスの生産効率を向上するためには、低融点ガラスを早く溶融して、パッケージベースと蓋体を接合する時間を少しでも短縮する必要がある。ところが蓋体に光透過性の基板を用いた場合は、ハロゲンランプから照射される赤外線が蓋体を透過してしまい、この赤外線を効率良く使用することができないでいた。
本発明は、パッケージベースと蓋体の接合時に内蔵電子部品が高温になるのを防止するとともに、蓋体に供給される赤外線を効率的に使用する圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る圧電デバイスは、凹陥部を備えたパッケージベースと、前記凹陥部に搭載した圧電振動片と、前記圧電振動片に導通し、前記凹陥部に搭載したICチップと、接合材を介して前記パッケージベースに接合し、凹陥部を封止する光透過性の蓋体とを有し、前記蓋体は、実質的に前記凹陥部の方に向いた表面のみに赤外線反射膜を備えたことを特徴としている。圧電デバイスの内部に向いた蓋体表面に赤外線反射膜を設けているので、圧電振動片やICチップに赤外線が当たるのを防止でき又は圧電振動片やICチップに当たる赤外線の量を削減することができ、ICチップが高温になって壊れるのを防止できる。また蓋体は、外部から照射された赤外線及びその下面にある赤外線反射膜で反射された赤外線によって加熱されるので赤外線を効率的に使用できる。よって蓋体は、短時間で加熱される。
前記赤外線反射膜は、可視光の少なくとも一部を透過することを特徴としている。
また本発明に係る圧電デバイスは、凹陥部とは反対に向いた蓋体の表面に赤外線反射防止膜を設けたことを特徴としている。圧電デバイスの外部に向いた蓋体表面に赤外線反射防止膜を設けているので、この蓋体表面で赤外線が反射するのを防止できる。これにより蓋体は、照射される赤外線を効率的に使用でき、短時間で加熱される。
前記蓋体にレンズが配置されていることを特徴としている。
そして前述した接合材は、照射された赤外線によって溶融する、蓋体よりも融点の低い低融点ガラスであることを特徴としている。これにより照射された赤外線によって低融点ガラスを溶融して、蓋体とパッケージベースを接合できる。
また前述した圧電振動片は、ジャイロセンサ用の圧電振動片であることを特徴としている。これによりジャイロ用圧電振動片やICチップ等に赤外線が照射されるのを防止でき又はジャイロ用圧電振動片やICチップ等に照射される赤外線の量を削減できる。また、この圧電ジャイロのパッケージに用いた蓋体は、照射される赤外線を効率的に使用して短時間で接合材の溶融温度に到達するので、蓋体とパッケージベースとの接合時間を短縮できる。
本発明に係る電子デバイスの製造方法は、実質的に表面のみに赤外線反射膜が形成された光透過性の蓋体を用意し、パッケージベースに形成された凹陥部に圧電振動片を搭載し、接合材を介してパッケージベース上に、前記凹陥部の方に向いた表面に前記赤外線反射膜が配置されるように蓋体を載せて、凹陥部を蓋体で覆い、ハロゲンランプから赤外線を照射して接合材を溶融し、パッケージベースと蓋体を接合することを特徴としている。これにより蓋体は、照射される赤外線を効率的に使用して短時間で高温になる。また蓋体に赤外線反射膜を設けた場合は、この蓋体によって内蔵電子部品に赤外線が照射されるのを防止でき又は内蔵電子部品に照射される赤外線の量を削減できる。
以下に、本発明に係る圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法の実施形態について説明する。なお以下の実施形態では、電子デバイスとして圧電デバイスを用いた形態について説明する。まず第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態に係る圧電デバイスの断面図である。圧電デバイスの概略構成は、次のようになっている。すなわち圧電デバイス10はパッケージ30を有している。このパッケージ30は、凹陥部36を備えたパッケージベース32と、このパッケージベース32の上面に接合して凹陥部36を封止した蓋体20とを有している。パッケージベース32は、圧電振動片70、中間基板50およびICチップ14を凹陥部36に搭載している。そしてパッケージベース32と蓋体20は、ハロゲンランプを用いて接合材66を溶融して固着している。
具体的に説明すると、蓋体20は、光を透過する基板22(光透過性基板)を有している。また蓋体20は、基板22の下面にレンズ24を備えている。このレンズ24は、圧電振動片70のバランス調整用のレーザ光を通すものである。そしてレンズ24は、球面レンズや非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、フレネルレンズ等であればよい。さらに基板22は、その表面に赤外線反射膜26を備えている。
赤外線反射膜26は、ハロゲンランプから照射される赤外線を反射するものであり、凹陥部36の方に向いた蓋体20(基板22)の表面(下面)に設けられている。なお赤外線反射膜26は、パッケージベース32と蓋体20の接合箇所に設けられてなく、この接合箇所よりも蓋体20の中央側に設けられている。そして赤外線反射膜26は、高屈折率の物質や低屈折率の物質、高屈折率と低屈折率の間にある中間屈折率の物質の中から任意の物質を適宜選択し、この物質を所定の膜厚で積層した構成である。なお屈折率の高低は、可視光域の光学薄膜材料を対象に考えると次のような目安となる。すなわち屈折率は、1.9以上が高屈折率であり、1.6以下が低屈折率であり、1.6より大きく1.9未満が中間屈折率であると便宜的に分けることができる。
この赤外線反射膜26の一例としては、次の構成であればよい。なお以下に示すλcは中心波長を示し、基板22の屈折率や赤外線反射膜26で反射させる光の波長に応じて中心波長を適宜設定している。まず基板22の下面に、低屈折率物質を光学的膜厚λc/8設ける。次に、この低屈折率物質上に高屈折率物質を光学的膜厚λc/4設ける。次に、この高屈折率物質上に低屈折率物質を光学的膜厚λc/8設ける。そしてこの3層をP回繰り返す。ここで、低屈折率物質の光学的膜厚λc/4をLで表すとともに、高屈折率物質の光学的膜厚λc/4をHで表すと、赤外線反射膜26の構成は(L/2HL/2)/基板となる。このような構成の赤外線反射膜26は、可視光域を透過して、赤外域を反射・阻止する長波長カットフィルタとなる。
なお、この3層積層系で得られる赤外線反射域が狭い場合、すなわち反射させる波長領域を広げたい場合は、前述した3層積層系よりも光学的膜厚を厚くした3層積層系を追加すればよい。また、このように3層積層系を追加すると、可視光域において反射率が高くなってしまう部分が生じることが有るが、後述するレーザ光を透過できればよいので、この部分は問題にならない。
またハロゲンランプは、可視光から近赤外域までの波長、すなわち約1.5μmまでの波長の光を照射できる。このため赤外線反射膜26は、このハロゲンランプから照射される赤外線を少なくとも反射するように設計されている。
そして圧電デバイス10を構成するパッケージベース32は、その裏面に外部端子34を備えている。またパッケージベース32は、底面上の周縁に側壁を形成することにより、上方に向けて開口した凹陥部36を有している。さらにパッケージベース32は、凹陥部36の側面を階段状に形成してなる階段部38を有している。この階段部38の上面にマウント電極40を設けるとともに、凹陥部36の底面にボンディング電極42を設ける。このボンディング電極42は複数有り、そのうちの一部がマウント電極40と導通し、他が外部端子34と導通している。このようなパッケージベース32の底面にICチップ14を搭載して、ICチップ14とマウント電極40が導通している。このICチップ14は、圧電振動片70に電気信号を供給するとともに、圧電振動片70から出力された信号を入力するものである。
そしてパッケージベース32に形成された階段部38の上に中間基板50を設ける。図2は圧電振動片および中間基板の説明図である。ここで図2(A)は圧電振動片の概略平面図であり、図2(B)は中間基板の概略平面図である。中間基板50は、図2(B)に示すように、樹脂等で形成した絶縁基板52を備えている。この絶縁基板52は枠型であり、その中央部にデバイスホール54を設けている。この絶縁基板52の下面に複数のリード56が固着している。リード56は、絶縁基板52の周縁部からデバイスホール54の中央付近まで延びており、デバイスホール54の部分で上方に向かって折り曲げられている(図1参照)。そして、この折り曲げられたリード56の先端部56aに圧電振動片70が接合している。この接合には、例えばバンプ60を用いればよい。またリード56の基端部56bは、導電性接着剤62等を用いてマウント電極40と接合している。
また図2(A)に示す圧電振動片70は圧電ジャイロ用であり、その中央部に基部72を備えている。この基部72には、左右方向に延びる支持部74が接続している。すなわち支持部74は、基部72の外形を形成する左右それぞれの辺の中央から突き出ている。そして支持部74の先端部に、上下方向に延びる駆動アーム76を設けている。各駆動アーム76の先端部に、これらのバランスを取るためのバランス調整部78を設けている。このバランス調整部78は、錘となる金属であればよい。また基部72には、上下方向に延びる検出アーム80が接続している。すなわち検出アーム80は、基部72の外形を形成する上下それぞれの辺の中央から、駆動アーム76に対して平行に突き出ている。
そして駆動アーム76に駆動電極(図示せず)を設けるとともに、検出アーム80に検出電極(図示せず)を設けている。そして基部72の裏面には、前記駆動電極と導通する接続電極(図示せず)を設けるとともに、前記検出電極と導通する接続電極(図示せず)を設けている。これらの接続電極は、バンプ60を介してリード56の先端部56aに接合している。これにより中間基板50等を介して圧電振動片70とICチップ14が導通する。
そしてパッケージベース32の上面に前述した蓋体20が接合している。このとき圧電デバイス10の内側に向いた蓋体20の下面に赤外線反射膜26を設けている。このパッケージベース32と蓋体20の間に、接合材66として低融点ガラスを設けている。この低融点ガラスは、蓋体20を構成する基板22よりも融点が低いものである。
次に、圧電デバイス10の製造方法について説明する。まず蓋体20の製造方法は次のようになっている。蓋体20の形状に倣う金型を用意する。そして基板22がガラス基板の場合は、この金型内にガラスを入れて、金型に配設してある加熱装置でガラスを加熱する。ガラスを軟化点程度まで加熱したら、ガラスに圧力を加えて成形する。この後加熱を止めて、ガラスを金型から取り出せばレンズ24付きの蓋体20が得られる。
この後、赤外線反射膜26を形成するために、この蓋体20を成膜装置内に入れる。この成膜装置には、例えば物理的気相成長法を利用する真空蒸着装置、スパッタ装置、イオンプレーティング装置またはイオンビームアシスト真空蒸着装置等や、化学気相成長法を利用する装置、液相からの成膜を行う装置を用いることができる。そして成膜装置の材料供給源から蓋体20に材料を供給して、前述した赤外線反射膜26の膜構成になるように成膜する。これにより赤外線反射膜26が基板22に形成される。
また圧電デバイス10の製造方法は次のようになっている。凹陥部36を備えたパッケージベース32の底面にICチップ14を搭載して、ICチップ14とボンディング電極42を導通する。また圧電振動片70と中間基板50を接合する。具体的な一例としては、まず圧電振動片70の裏面に形成した前記接続電極にバンプ60を形成する。次に、中間基板50を構成しているリード56の先端部56aと前記接続電極が平面視して重なるように圧電振動片70と中間基板50を上下に配置する。そして中間基板50から圧電振動片70に向かってボンディングツールを移動する。このときボンディングツールはデバイスホール54を通過するので、前記ボンディングツールでリード56を折り曲げつつ、リード56の先端部56aを圧電振動片70の前記接続電極(バンプ60)に接合する。なおこの接合は、加熱圧着や超音波を用いて行えばよい。そしてパッケージベース32に形成したマウント電極40に前記導電性接着剤62を塗布する。この後、圧電振動片70が接合された中間基板50をマウント電極40の上に搭載する。このときマウント電極40とリード56が導電性接着剤62を介して1対1に導通している。
この後、パッケージベース32(凹陥部36を形成する前記側壁)の上面に蓋体20を接合する。この接合は、例えば次のようにして行う。パッケージベース32の上面および蓋体20の下面周縁部の少なくともいずれか一方に接合材66を設けておき、接合材66を介してパッケージベース32の上面に蓋体20を載せる。そしてハロゲンランプから光を照射して蓋体20を加熱する。
このとき蓋体20の下面に赤外線反射膜26が形成してあるので、蓋体20内(基板22)を透過してきた赤外線を蓋体20内に戻している。これにより凹陥部36内に赤外線が当たることがなく、又は凹陥部36内に当たる赤外線の量が減少するので、ICチップ14が高温になって壊れることはない。またハロゲンランプから照射された赤外線を効率的に使用して蓋体20を加熱し、接合材66を溶融しているので、蓋体20とパッケージベース32とが接合する。なお蓋体20の周縁部では基板22が表面に露出しているので、蓋体20とパッケージベース32とが確実に接合する。このときパッケージベース32と蓋体20の接合を真空中で行い、またはパッケージベース32に貫通孔を設けておき、パッケージベース32と蓋体20を接合した後に凹陥部36を真空にして、前記貫通孔に孔封止材を設ければ、圧電振動片70は真空封止される。
この後、蓋体20を通してレーザ光を圧電振動片70のバランス調整部78に照射し、圧電振動片70のチューニングを行う。具体的には、バランス調整部78の上方にレンズ24を配置しているので、圧電デバイス10の外側からこのレンズ24に向けてレーザ光を照射する。そしてレンズ24が凸レンズの場合は、このレンズ24でレーザ光を集光し、この集光したレーザ光でバランス調整部78を形成する金属を蒸散することにより質量を削減して駆動アーム76のバランスを調整する。なおレンズ24の焦点距離は、レンズ24からバランス調整部78までの距離である。またレンズ24が凹レンズの場合は、このレンズ24でレーザ光を平行光にし、この平行光となったレーザ光でバランス調整部78を形成する金属を蒸散することにより質量を削減して駆動アーム76のバランスを調整する。このようなチューニングにより駆動アーム76のバランスが取れるので、圧電デバイス10が静止しているときにノイズを出力することがない。なおレーザ光には、可視光域の波長を用いればよい。このような方法により圧電デバイス10(圧電ジャイロ)が完成する。
このような蓋体20によれば、赤外線を下面で反射できるので、蓋体20の上面から下面方向に赤外線が透過するのを防止できる。このため蓋体20は、ハロゲンランプから照射された赤外線を効率的に使用でき、短時間で接合材66の溶融温度に到達できる。
またこのような蓋体20を設けた圧電デバイス10によれば、接合材66を短時間で溶融できるので、パッケージベース32と蓋体20の接合時間を短縮できる。また圧電デバイス10に搭載したICチップ14に赤外線が当たらなくなり、または赤外線の照射量が減少するので、ICチップ14が高温になって壊れるのを防止できる。
また蓋体20に設けられたレンズ24が凸レンズであれば、レーザ光をバランス調整部78に集光できるので、圧電振動片70以外の部分にレーザ光が当たるのを防止できる。したがってパッケージベース32の底面がレーザ光によって損傷を受けて、この損傷を受けた箇所で生じた微粒子が凹陥部36の内部に飛散し、凹陥部36の真空度が悪化するのを防止できる。また蓋体20に設けられたレンズ24が凹レンズであれば、レーザ光をバランス調整部78に均等に照射できるので、バランス調整部78を削る時間を短縮できる。
また圧電振動片70とパッケージベース32の底面との間に中間基板50があり、バランス調整部78の下方に中間基板50があるので、仮にレーザ光がバランス調整部78を透過したとしても、この透過レーザ光を中間基板50で吸収できる。よってパッケージベース32が損傷するのを防止できる。なお中間基板50(絶縁基板52)は樹脂等で形成されているので、レーザ光が照射されたとしても微粒子を発生させることはない。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る圧電デバイスは、第1の実施形態で説明した圧電デバイスの構成に加えて、蓋体(基板)の表面に赤外線反射防止膜を設けた構成である。このため第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した箇所の説明を省略する。
図3は第2の実施形態に係る圧電デバイスの断面図である。まず基板22の表面は光を反射する。例えば、基板22の屈折率が1.5であれば1面あたり約4%の光を反射し、基板22の屈折率が1.7であれば1面あたり約7%の光を反射する。このため基板22の表面において、ハロゲンランプから照射された赤外線が反射するのを防止するために、赤外線反射防止膜28を設けてある。すなわち凹陥部36とは反対に向いた蓋体20(基板22)の表面(上面)に赤外線反射防止膜28を設けている。
この赤外線反射防止膜28は、高屈折率物質や低屈折率物質、中間屈折率物質の中から任意の物質を選択し、この物質を所定の膜厚で積層した構成であればよい。赤外線反射防止膜28の一例としては、次の構成であればよい。すなわち基板22の上面に、第1層として高屈折率物質を設ける。次に第2層として、第1層と異なる高屈折率物質を設ける。次に第3層として、第1層と同じまたは異なる高屈折率物質を設ける。次に第4層として、中間屈折率物質を設ける。なお第1層から第4層の各光学的膜厚は、ハロゲンランプから照射される赤外線を反射するように適宜設定すればよい。
また赤外線反射防止膜28は、次のような構成であってもよい。すなわち赤外線反射防止膜28は、低屈折率物質と高屈折率物質を基板22の上面に設けた2層構造や、低屈折率物質と中間屈折率物質を基板22の上面に設けた2層構造であってもよい。また赤外線反射防止膜28は、低屈折率物質、高屈折率物質および中間屈折率物質を基板22の上面に設けた3層構造または4層構造であってもよい。より具体的な構成の一例を示すと、L2H/基板、LM/基板、L2M/基板、LHM/基板等である。なおMは、中間屈折率物質の光学的膜厚λc/4を表している。またHとHは、異なる高屈折率物質を光学的膜厚λc/4設けたものを表している。そしてこの場合、中心波長λcは、ハロゲンランプから照射される赤外線を反射するように適宜設定されればよい。
さらに赤外線反射防止膜28は、屈折率が基板22よりも小さい物質を基板22の表面に単層設けた構成であってもよい。具体的には、基板22よりも屈折率が小さい低屈折率物質を光学的膜厚λc/4だけ基板22の上面に設ける。すなわち赤外線反射防止膜28をL/基板という構成にする。この場合においても、中心波長λcは、ハロゲンランプから照射される赤外線を反射するように適宜設定されればよい。
なおハロゲンランプは、可視光から近赤外域までの波長、すなわち約1.5μmまでの波長の光を照射できる。このため赤外線反射防止膜28は、このハロゲンランプから照射される赤外線を少なくとも反射防止するように設計されている。
そして赤外線反射防止膜28は、第1の実施形態で説明した赤外線反射膜26と同様に形成できる。すなわち赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28を蓋体20に形成するために、まず蓋体20を成膜装置内に入れる。そして赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28のうちいずれか一方を形成するために、成膜装置の材料供給源から蓋体20に材料を供給して前述した膜構成になるように成膜する。この後、基板を反転して、赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28のうちの他方を形成するために、成膜装置の材料供給源から蓋体20に材料を供給して前述した膜構成になるように成膜する。これにより赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28が基板22に形成される。
そして赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28を備えた蓋体20は、赤外線反射膜26が設けられた面を圧電デバイス10の内側に向けるとともに、赤外線反射防止膜28が設けられた面を圧電デバイス10の外側に向けて、パッケージベース32の上面に接合している。
なお蓋体20をパッケージベース32に接合する時において、赤外線反射防止膜28は、ハロゲンランプから照射された光(赤外線)が蓋体20の表面で反射するのを防止している。これにより蓋体20には、赤外線が効率的に供給される。また赤外線反射膜26は、蓋体20内(基板22)を透過してきた赤外線を蓋体20内に戻している。これにより凹陥部36内に赤外線が当たることがなく、又は凹陥部36内に当たる赤外線の量が減少するので、ICチップ14が高温になって壊れることがない。また蓋体20には、赤外線が効率的に供給される。よって、この蓋体20を用いると、ハロゲンランプから照射された赤外線を効率的に使用でき、短時間で接合材66の溶融温度に到達できる。
そして前述した第1および第2の実施形態は蓋体20にレンズ24を設けた形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはない。すなわち蓋体20は、平板であってもよい。そしてレンズ24を設けていない平板の蓋体20であっても、前述した赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28を形成すればよい。なお蓋体20の材料としては、例えばガラスや水晶、サファイア等を用いることができる。
また第1および第2の実施形態では、ICチップ14を搭載した圧電デバイス10について説明した。しかし圧電デバイスには、高温にも耐え得る内蔵電子部品、例えば圧電振動片70のみを搭載した振動子タイプのものもある。このような場合には、赤外線反射膜26および赤外線反射防止膜28の少なくともいずれか一方を蓋体20に設けることができる。これにより蓋体20には、赤外線が効率的に供給されるので、短時間で接合材66の溶融温度に到達できる。
また赤外線反射膜26や赤外線反射防止膜28は、レーザ光が透過する部分以外、すなわちレンズ24付きの蓋体20であればレンズ24の部分以外に設けられた構成であってもよく、またレンズ24が付いていない平板の蓋体20であればレーザ光が透過する部分以外に設けられた構成であってもよい。なおこのような赤外線反射膜26や赤外線反射防止膜28は、蓋体20におけるレーザ光が通過する部分にマスクを被せた後、このマスクに覆われていない部分に膜材料を成膜し、最後にマスクを除去して形成すればよい。これにより赤外線反射膜26等の構成にかかわらず、蓋体20を介してレーザ光を圧電振動片70のバランス調整部78に照射できる。そして、このような構成であっても、ICチップ14が高温になって壊れるのを防止できる。なお赤外線反射膜26は、少なくともICチップ14の平面方向サイズと同じ大きさを有し、平面視してICチップ14と重なるように蓋体20に設けてあればよい。
また前述した実施形態では、特にジャイロ用の圧電振動片70を用いた圧電ジャイロを例にして説明したが、本発明はこれに限定されることはない。すなわち圧電振動片70として、ATカット圧電基板等を用いた圧電振動片や音叉型圧電振動片、弾性表面波共振片を用いることができる。このような圧電振動片を搭載した圧電デバイス(圧電振動子や圧電発振器等)であっても、本発明を適用することができる。また本発明は、圧電振動片70等以外の他の内蔵電子部品をパッケージベース32の凹陥部36に搭載し、この凹陥部36を蓋体20で封止する構成に適用することができる。
第1の実施形態に係る圧電デバイスの断面図である。 圧電振動片および中間基板の説明図である。 第2の実施形態に係る圧電デバイスの断面図である。
符号の説明
10………圧電デバイス、14………ICチップ、20………蓋体、22………光透過性基板、26………赤外線反射膜、28………赤外線反射防止膜、32………パッケージベース、36………凹陥部、50………中間基板、66………接合材、70………圧電振動片。

Claims (7)

  1. 凹陥部を備えたパッケージベースと、
    前記凹陥部に搭載した圧電振動片と、
    前記圧電振動片に導通し、前記凹陥部に搭載したICチップと、
    接合材を介して前記パッケージベースに接合し、前記凹陥部を封止する光透過性の蓋体とを有し、
    前記蓋体は、実質的に前記凹陥部の方に向いた表面のみに赤外線反射膜を備えた、
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  2. 前記赤外線反射膜は、可視光の少なくとも一部を透過することを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記凹陥部とは反対に向いた前記蓋体の表面に赤外線反射防止膜を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電デバイス。
  4. 前記蓋体にレンズが配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  5. 前記接合材は、前記蓋体よりも融点の低い低融点ガラスであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  6. 前記圧電振動片は、ジャイロセンサ用の圧電振動片であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  7. 実質的に表面のみに赤外線反射膜が形成された光透過性の蓋体を用意し、
    パッケージベースに形成された凹陥部に圧電振動片を搭載し、
    接合材を介して前記パッケージベース上に、前記凹陥部の方に向いた表面に前記赤外線反射膜が配置されるように前記蓋体を載せて、前記凹陥部を前記蓋体で覆い、
    赤外線を照射して前記接合材を溶融し、前記蓋体と前記パッケージベースを接合する、
    ことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
JP2006108884A 2006-04-11 2006-04-11 圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法 Expired - Fee Related JP4830074B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006108884A JP4830074B2 (ja) 2006-04-11 2006-04-11 圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006108884A JP4830074B2 (ja) 2006-04-11 2006-04-11 圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007281370A JP2007281370A (ja) 2007-10-25
JP2007281370A5 JP2007281370A5 (ja) 2009-06-18
JP4830074B2 true JP4830074B2 (ja) 2011-12-07

Family

ID=38682485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006108884A Expired - Fee Related JP4830074B2 (ja) 2006-04-11 2006-04-11 圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4830074B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5417737B2 (ja) * 2008-04-23 2014-02-19 パナソニック株式会社 慣性力センサ
JP2011049992A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Seiko Instruments Inc 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法
KR102221892B1 (ko) * 2016-10-24 2021-03-02 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 반도체 장치

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63168088A (ja) * 1986-12-29 1988-07-12 株式会社デンソー 物品の加熱方法
JPH02198435A (ja) * 1989-01-27 1990-08-06 Konica Corp ストロボ付カメラ
JP3034370B2 (ja) * 1991-12-26 2000-04-17 株式会社東芝 固体撮像装置及びその製造方法
JP3434406B2 (ja) * 1996-03-01 2003-08-11 パイオニア株式会社 パッケージの製造方法
JP2000151336A (ja) * 1998-11-05 2000-05-30 Seiko Epson Corp 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの製造方法
JP2000165189A (ja) * 1998-11-27 2000-06-16 Seiko Epson Corp 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの製造方法
JP2001068577A (ja) * 1999-06-22 2001-03-16 Seiko Epson Corp 電子部品用パッケージ及びその製造方法
JP2001326290A (ja) * 2000-03-10 2001-11-22 Seiko Epson Corp パッケージの封止方法、電子素子モジュールの製造方法、封止装置並びにパッケージ品
JP4089149B2 (ja) * 2000-10-25 2008-05-28 セイコーエプソン株式会社 圧電デバイス
JP2002353352A (ja) * 2001-05-30 2002-12-06 Kyocera Corp 撮像素子収納用パッケージ
JP2003017607A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Kyocera Corp 撮像素子収納用パッケージ
JP3786097B2 (ja) * 2002-03-25 2006-06-14 セイコーエプソン株式会社 圧電デバイスの蓋封止方法及び圧電デバイスの製造方法並びに圧電デバイスの蓋封止装置
JP3965685B2 (ja) * 2002-08-30 2007-08-29 株式会社大真空 表面実装型圧電振動デバイス
JP2006005019A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Seiko Epson Corp 電子デバイスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007281370A (ja) 2007-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4851549B2 (ja) 圧電デバイス
US7923904B2 (en) Electronic package having stress buffer layer on mounting surface thereof, and method for manufacturing same
JP5123987B2 (ja) 圧電デバイス、および圧電デバイスの周波数調整方法
US7859172B2 (en) Piezoelectric resonator, manufacturing method thereof and lid for piezoelectric resonator
US20040256349A1 (en) Method for producing electronic componets
JP2010118784A (ja) 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品
JP2008153485A (ja) 電子部品の製造方法
JP4830074B2 (ja) 圧電デバイスおよび電子デバイスの製造方法
JP4720554B2 (ja) 圧電デバイスおよび圧電デバイスの製造方法
JP4929802B2 (ja) 圧電デバイス
JP5900006B2 (ja) 電子デバイスの封止方法
JP2011049992A (ja) 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法
JP2007281377A (ja) 電子部品用リッド、及び電子部品
JP6766879B2 (ja) 圧電振動デバイスの周波数調整方法
JP2005318524A (ja) 圧電発振器とその製造方法
JP4352942B2 (ja) 圧電デバイス、及び圧電発振器
JP6267549B2 (ja) 光センサ
JP2019125897A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、及び製造方法
JP2007288331A (ja) 圧電振動片の製造方法、及び圧電振動片、並びに圧電振動子
JP5250075B2 (ja) 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品
WO2023054200A1 (ja) 圧電振動デバイスの周波数調整方法および圧電振動デバイス
JP2007281341A (ja) 電子部品用リッドおよび電子部品
JP2011082736A (ja) 圧電デバイスの製造方法
JP6282900B2 (ja) 光センサ
WO2023157504A1 (ja) 圧電振動デバイスの周波数調整方法および圧電振動デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110728

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110729

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees