JP5250075B2 - 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば水晶等からなる音叉型の圧電用素子を筐体に収納してなる圧電振動子及びその製造技術に関する。
従来、圧電振動子のひとつに腕時計の歩度を刻む信号源等として採用されている音叉型の水晶振動子がある。音叉型の水晶振動子は、小型、安価でかつ低電力であることから、腕時計のような小型の電子機器に搭載される圧電振動子として非常に有効であり、その使用用途は更に広がろうとしている。この従来の音叉型の水晶振動子の一例を図9に示す。この音叉型の水晶振動子は、図9(a)に示す音叉型の水晶振動子用素子100を、図9(b)に示す筐体120に導電性接着剤122によって装着することによって構成されている。
水晶振動子用素子100は、基部101と基部101から一方向に一定の間隔を空けて平行に伸びる2本(一対)の振動腕102とを有している。図中105a、105bは振動腕102の一面及びその裏面に形成された振動効率を高めると共に電力損失を抑えるための溝部、106は溝部105a、105bとその周辺領域に、屈曲振動に基づいた音叉振動を励起するための励振電極、107は引出電極、120aは筐体120に装着して封止する蓋体である。
このような水晶振動子では、振動腕102の先端に周波数の調整を行うための調整膜108が形成されている。この調整膜108は、励振電極106から離間するように形成されており、図9(c)に示すように例えばレーザー照射器30からレーザーが照射されて削り取られ、その厚みや面積が調整される。しかしながら調整膜108を削り取る場合、この調整膜108の削り滓が飛散して励振電極106に付着し、励振電極106がショートして水晶振動子が不良品となる虞がある。
この問題に対し、従来次のような解決方法が提案されている。例えば特許文献1には、音叉型の水晶片に励振電極と調整膜とを設け、励振電極と調整膜とを覆うように高融点の飛散防止膜を成膜した水晶振動子用素子が記載されている。この水晶振動子では、調整膜をレーザーによって融解させて削り取り、周波数の調整を行う際に調整膜の飛散が飛散防止膜によって防止される。さらに調整膜が飛散して、励振電極側に飛んだとしても、飛散防止膜上に付着するので励振電極のショートを防止することができる。そして切除した調整膜の削り滓は、飛散防止膜にレーザーによって形成された穴から排出される。しかしながら、水晶振動子用素子に飛散防止膜を形成するため、素子の製造工程が増えると共に素子が一回り大きくなるので水晶振動子そのものが大きくなる。
一方特許文献2には、水晶振動子用素子の振動端が筐体の壁部に衝突して素子が欠けることを防止するために、筐体の上面及び下面に突起部を設け、水晶振動子用素子の先端部以外の上面及び下面がこの突起部と接触するようにした水晶振動子が記載されている。この特許文献2の水晶振動子では、素子となる水晶片の欠けは防止できるが、調整膜の削り滓の付着を防止する点については何も記載されていない。そのため特許文献2の水晶振動子でも、上記問題により不良品となる虞がある。
特開2000−223998号公報(段落番号0019、0020) 特開2003−133883号公報(段落番号0011)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、音叉型の圧電振動子用素子を筐体内に設けた圧電振動子において、励振電極に調整膜の削り滓が飛散して付着することによる不良の発生を抑えることができる圧電振動子、この圧電振動子を備えた電子部品及びこの圧電振動子の製造方法を提供することにある。
本発明の圧電振動子の製造方法は、基部から互いに平行に2本の振動腕が伸びている音叉型の圧電振動片と、前記振動腕に形成された励振電極と、前記振動腕の先端側に前記励振電極と離間するように形成された周波数調整用の調整膜と、前記基部に形成された引出電極と、を備えた圧電振動子用素子を用い、筐体の内部の載置部に設けられた取り付け電極に、前記圧電振動子用素子の一面側における基部に形成された引出電極を導電性接着剤を介して電気的に接続して構成される圧電振動子の製造方法において、
前記筐体の内部における前記励振電極が位置する雰囲気と前記調整膜が位置する雰囲気との間に、この調整膜の削り取り時に発生する削り滓が飛散することを抑止するための壁面を、前記圧電振動子用素子の一面側と対向する部位から前記取り付け電極における圧電振動子用素子側の面の高さ位置よりも圧電振動子用素子側に突出させて形成し、
圧電振動子用素子の周波数の調整を行うためにレーザー光により前記調整膜を削り取ることを特徴とする。
本発明の圧電振動子は、基部から互いに平行に2本の振動腕が伸びている音叉型の圧電素子と、前記振動腕に形成された励振電極と、前記振動腕の先端側に前記励振電極と離間するように形成された周波数調整用の調整膜と、前記基部に形成された引出電極と、を備えた圧電振動子用素子を用い、筐体の内部の載置部に設けられた取り付け電極に、前記圧電振動子用素子の一面側における基部に形成された引出電極を導電性接着剤を介して電気的に接続して構成された圧電振動子において、
前記筐体の内部における前記励振電極が位置する雰囲気と前記調整膜が位置する雰囲気との間に、調整膜の削り取り時に発生する削り滓が飛散することを抑止するための壁面を、前記圧電振動子用素子の一面側と対向する部位から前記取り付け電極における圧電振動子用素子側の面の高さ位置よりも圧電振動子用素子側に突出させて形成したことを特徴とする。
本発明の電子部品は、本発明の圧電振動子と、この圧電振動子が搭載される基板と、前記圧電振動子を発振させるための発振回路と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、圧電振動子の筐体の内部における励振電極が位置する雰囲気と調整膜が位置する雰囲気との間に、壁部を介在させているため、周波数の調整のために調整膜を削るときに、飛散する削り滓がこの壁部により遮られて励振電極に付着することが低減される。これにより励振電極のショート等による圧電振動子の不良の発生が抑制される。
本発明の圧電振動子を水晶振動子に適用した実施形態について図1及び図5を参照して説明する。この水晶振動子は、図1(a)、図1(b)に示すように、水晶振動子用素子10を筐体20に装着することによって構成される。水晶振動子用素子10は、図2に示すように略矩形状の基部1と、この基部1から互いに平行に2本の振動腕2が伸びている、本発明の圧電振動片に相当する音叉形状の水晶片11に、溝部5a、5b、励振電極6a、6b、6c、引出電極7及び周波数調整用の錘である調整膜8が設けられることによって形成されている。なお図2では、励振電極6a、6b、6c、引出電極7及び調整膜8等が形成されている位置を分かり易く示すために、これらを斜線領域で示している。
溝部5a、5bは、各振動腕2と長手方向に並ぶように設けられ、各々矩形状に形成されている。励振電極6a、6bは、溝部5a、5bの内周面に設けられ、励振電極6cは、溝部5a、5bの周辺領域に溝部5a、5bから一定の間隔を空けて離間するように設けられている。この励振電極6a、6b、6cは、基部1に形成された引出電極7に接続される。また励振電極8は、振動腕2の先端側に励振電極6cから離間して設けられ、例えばCr(クロム)及びAu(金)からなる金属膜で構成されている。
筐体20は、図1(a)、図3(a)に示すようにレーザー光が透過可能な例えばホウ珪酸ガラスにより、上面側が開放されている直方体形状に形成されており、その周縁には外壁20bが設けられている。この外壁20bの上面、即ち後述する蓋体20aとの接合面には、筐体20と蓋体20aとを陽極接合するときに使用する、例えばアルミニウム等の金属膜3が形成されている。また筐体20は排出口24と下側壁部25とを有している。排出口24は、筐体20の底部の、調整膜8の投影領域に形成された調整膜8の削り滓を外部に排出するための、例えば直径150μmの開口である。
下側壁部25は、筐体20の底部から筐体上面側に向けて伸びるように形成されており、水晶振動子用素子10が装着されたときに水晶振動子用素子10と筐体20の底面との間の雰囲気を、励振電極6cが位置する雰囲気と、調整膜8が位置する雰囲気とに区画分けするように水晶振動子用素子10と直交して、即ち水晶振動子用素子10を水平に置いた状態において、垂直となるように形成されている。そして下側壁部25は、振動している振動腕2とその縁部が接触しないように形成されている。
また筐体20における長手方向の一方の側部には、取り付け電極21が筐体20の左右に1つずつ計2つ設けられている。取り付け電極21は、筐体20の底部に設けられた、絶縁体で形成されている載置部21aの上面に設けられており、載置部21aの内部の図示しない電極を介して筐体20の底部に設けられている外部電極23と電気的に接続されている。なお図1(b)及び図3は、図1(a)の矢視A−Aの断面を示し、説明の便宜上水晶振動子用素子10の記載を簡略化している。
筐体20の上面側には、筐体20を封止するための蓋体20aが取り付けられる。蓋体20aは、筐体20と同じくレーザー光が透過可能な例えばホウ珪酸ガラスにより形成されている。また蓋体20aは、上側壁部26を有している。上側壁部26は、図1(b)、図3(a)に示すように、蓋体20aから筐体下面側に向けて伸びるように形成されており、水晶振動子用素子10が装着されたときに水晶振動子用素子10と蓋体20aとの間の雰囲気を、励振電極6cが位置する雰囲気と、調整膜8が位置する雰囲気とに区画分けするように水晶振動子用素子10と直交して、即ち水晶振動子用素子10を水平に置いた状態において、垂直となるように形成されている。
また上側壁部26は、振動している振動腕2とその縁部が接触しないように形成されている。そして水晶振動子が組み立てられると、筐体20の内部に下側壁部25と上側壁部26によって、振動腕2が通過しかつ振動腕2の振動を阻害しない形状の通過領域28を有する1枚の壁部27が形成される。本実施形態では、壁部27の調整膜8が位置する雰囲気側の壁面29が本発明の壁面に相当する(後述する図4(c)参照)。
次に水晶振動子用素子10、筐体20及び蓋体20aの製造方法について簡単に説明する。まず水晶振動子用素子10の製造方法について説明すると、圧電基板である水晶ウェハに金属膜及びレジストパターンを積層し、ウェットエッチングを利用して溝を備えた音叉形状である水晶片11を多数形成する。しかる後、この水晶片11に励振電極6a、6b、6c、引出電極7及び調整膜8をパターニングにより形成し、ダイシングによってウェハWを分断して各水晶振動子用素子10に個片化する。
一方、筐体20及び蓋体20aは、ガラスの基体にエッチングマスクを形成してエッチングを行うことにより形成される。筐体20では、まず下側壁部25の形成領域のガラスを残した状態で外壁20bを形成し、しかる後排出口24と下側壁部25とに対応するエッチングマスクを形成してエッチングを行い、排出口24と下側壁部25を形成する。そして外壁20bの上部に記述の金属膜3を成膜する。また蓋体20aでは、上側壁部26に対応するエッチングマスクを形成してエッチングを行い上側壁部26が形成される。なお本実施形態では、筐体20及び蓋体20aはホウ珪酸ガラスによって形成されているが、本発明の実施の形態としては、筐体の材質はレーザー光が透過可能な物質であればよく、例えば、ソーダガラスや水晶でもよい。また水晶から筐体と蓋体を形成する場合には、筐体と蓋体とを水晶基板から形成し、水晶振動子用素子が形成される水晶基板と重ね合わせることによって水晶振動子を形成するようにしてもよい。
次に水晶振動子の製造方法について図3、図4を参照して説明する。個片化された水晶振動子用素子10は、図3(b)、図4(a)及び図4(b)に示すように、引出電極7と取り付け電極21とが導電性接着剤22によって電気的に接続されることにより、筐体20に底面と平行に装着され、次いで図3(b)、図4(c)に示すように筐体20の上面側を蓋体20aによって封止し、外壁20bの上面に成膜された金属膜3に直流電流を一定時間印加して、蓋体20aと筐体20とを陽極接合する。
以上の工程により水晶振動子用素子10を備えた水晶振動子が形成されると、次にこの水晶振動子を、図示しない周波数調整用の治具に装着すると共に、図示しない真空チャンバーの内部に挿入し、真空雰囲気の中で水晶振動子用素子10を発振させて、その周波数を計測しながら所望の周波数となるように調整膜8をレーザー切削機30により削り取っていく。調整膜8は、例えば所定の大きさのブロックが島状に配置されて構成され、計測周波数と設定周波数との差分に応じたブロック数だけブロックを消去することにより行われる。このブロックの消去作業は、レーザー切削機30と治具とを平面上を相対的に移動させる移動機構に対して制御部が、計測周波数と設定周波数との差分に応じて制御信号を出力し、これにより調整膜8の消去すべきブロックに順次レーザー光が照射されることにより行われる。
調整膜8を削り取る工程では、振動腕2の表面2a若しくは裏面2bのどちらか一方の調整膜8のみを削り取ることができるだけでなく、振動腕2の表面2a及び裏面2b両面の調整膜8を一度に削り取ることができ、どちらかを選択して作業を行う。どちらか一方の調整膜8例えば振動腕2の表面2aの調整膜8のみを削り取る場合、図5(a)に示すように振動腕2の表面2aの調整膜8のみが削り取ることができるようにレーザー切削機30のレーザー光を生成するモジュールを、波長の短いレーザー光を生成するモジュールに変更すると共に、レーザー光の焦点深度の微調整を行う。そしてレーザー光を表面2aの調整膜8の形成位置に集束させる。これによりレーザー光は、蓋体20aを透過し、表面2aの調整膜8を削り取るように照射することができる。このときレーザー光の焦点深度を、レーザー光の熱が裏面2bの調整膜8に伝達されないように調整して、レーザー光が振動腕2を透過して裏面2bの調整膜8を削り取らないようにすることができ、これにより表面2aの調整膜8のみを削り取ることができる。
一方、振動腕2の表面2a及び裏面2b両面の調整膜8を削り取る場合、レーザー光の焦点深度を、レーザー光の熱が裏面2bの調整膜8に伝達されるように調整して、レーザー光が振動腕2を透過して裏面2bの調整膜8を削り取ることができるように調整するか、レーザー光を生成するモジュールを、波長の長いレーザー光を生成するモジュールに変更して、レーザー切削機30のレーザー光を、例えば表面2a若しく裏面2bの調整膜8の形成位置に集束させる。これによりレーザー光は、蓋体20aを透過し、表面2aの調整膜8を削り取り、さらに振動腕2を透過して裏面2bの調整膜8を削り取るように照射されるので、表面2a及び裏面2bの調整膜8を一度に削り取ることができる。なお裏面2bの調整膜8のみ削り取る場合には、水晶振動子を反転させ、裏面2bの調整膜8に直接レーザー光を照射すればよい。
調整膜8を削り取る工程を行うと、図5(a)、(b)に示すように、調整膜8の一部は蒸散し、一部は表面2a及び裏面2bから固形物若しくは液状のまま飛散する。飛散した削り滓のうち励振電極6a、6b、6cが位置する雰囲気側に飛散した削り滓は、壁面29があるためこの壁面29に衝突して、調整膜8が位置する雰囲気側に落下し、筐体20内の調整膜8が位置する雰囲気側に調整膜8の削り滓が蓄積する。
この蒸散した金属膜8や削り滓は、排出口24から筐体20の外部へと排出される。金属膜8を削り取る工程は、真空チャンバー内で行われているため、筐体20の内部の雰囲気は常に排出口24を介して真空チャンバーの図示しない真空ポンプにより吸引されていることになる。この蒸散した金属膜8や削り滓は、真空ポンプの吸引力によって排出口24を介して外部へと排出されることになる。これにより周波数調整後の水晶振動子に削り滓が付着して不良となる確率を低くすることができる。以上の工程を経て、所望の周波数の水晶振動子が製造され、この後排出口24を封止してから、腕時計等の電子部品に装着される。
以上本実施形態によれば、水晶振動子の筐体20の内部における励振電極6a、6b、6cが位置する雰囲気と調整膜8が位置する雰囲気との間に、壁面29を介在させているため、周波数の調整のために調整膜8を削るときに、飛散する削り滓がこの壁面29により遮られて励振電極6a、6b、6cに付着することが低減される。これにより励振電極6a、6b、6cのショート等による水晶振動子の不良の発生が抑制される。
また本実施形態では、壁部27によって物理的に調整膜8の削り滓が励振電極6a、6b、6cに付着することを防止している。そのため壁部27の通過領域28の近傍まで励振電極6a、6b、6cと調整膜8とを形成しても、調整膜8の削り滓が励振電極6a、6b、6cに付着することを防止できる。このため調整膜8の形成可能面積を広くすることができ、調整膜8の厚さを薄くしてより細かく周波数の調整を行うことができる。このため例えば、調整膜8の形成領域の一部、例えば振動腕2の表面2a及び裏面2bの一方に、あるいは振動腕2の先端に近い局所的な領域に膜厚の大きい調整膜8を形成して粗調整領域とし、他の領域の調整膜8の膜厚を粗調整領域よりも薄くして微調整領域とすることもできる。
なお本実施形態では、筐体20の底部に排出口24を設けているが、本発明の実施の形態としては、例えば調整膜の削り量が少ない等の理由で、筐体の内部に調整膜の削り滓が残留しても良い場合には、排出口を設けなくともよい。この場合、筐体に水晶振動子用素子を装着し、蓋体で封止するときに筐体内部を真空雰囲気にすることができ、その状態でレーザー切削機による調整膜の削り取りを行うことが可能となる。そして排出口を封止する工程を削減することが可能となる。
[他の実施形態]
本発明の実施の他の形態である図6に示す水晶振動子は、筐体220、蓋体220a、水晶振動子用素子210を有し、この水晶振動子用素子210を筐体220装着し、蓋体220aを取り付けて筐体220を封止することにより構成される。この水晶振動子は、筐体220に排出口24が形成されていない点、蓋体220aに上側壁部26が形成されていない点、調整膜208の形状が調整膜8とは異なる点以外は第1の実施形態の水晶振動子と同形状をしている。
この水晶振動子では、蓋体220aに上側壁部が形成されていないため、水晶振動子を構成した場合、図6(b)、6(c)に示すように筐体220の内部の励振電極206cが位置する雰囲気と調整膜208が位置する雰囲気との間には、下側壁部225のみが形成される。そのためこの水晶振動子では、図6(c)に示すように第1の実施形態では上側壁部26によって塞がれていた筐体220内の上方領域が開放され、励振電極206cが位置する雰囲気と調整膜208が位置する雰囲気とが繋がることになる。
そのためこの水晶振動子では、調整膜208の削り滓が飛散して励振電極206cが位置する雰囲気側に侵入し、励振電極206cに付着することを防止するために、表面202a側の調整膜208の削り滓が飛散しても、励振電極206cに到達しないように励振電極206cと調整膜208との距離を、例えば50μm離して設けている(図7(a)参照)。なお振動腕202の裏面202b及び側面の調整膜208は、第1の実施形態と同様に形成されている。
このような水晶振動子の周波数の調整を行う場合、筐体220には、排出口24が形成されていないため、蒸散した調整膜8や削り滓等を外部に排出する必要がある場合には蓋体220aを封止する前、即ち筐体220の上面が開放されている間に周波数の調整を行う。表面202aの調整膜208を削り取る場合、調整膜208の削り滓は励振電極206cが位置する雰囲気側に侵入するが、削り滓は励振電極206cに到達する前に振動腕202及び筐体220の底部に落下する。一方裏面202bに形成されている調整膜208の削り滓は、図7(b)に示すように下側壁部225の壁面229に衝突して、第1の実施形態と同様調整膜208が位置する雰囲気側に落下する。
そして蒸散した金属膜8や削り滓は、金属膜8を削り取る工程が真空チャンバー内で行われていることから、図7(c)に示すように筐体20の上面から真空ポンプにより吸引されて外部へと排出される。その後、図6に示すように蓋体220aを取り付ける。以上の工程を経て本実施形態では水晶振動子を製造する。
なお本実施形態の周波数の調整方法としては、例えば図7(d)に示すように、筐体220を反転させ、開放された上面を下方に向けた状態で、筐体220の底部からレーザー切削機30による削り取りを行うこともできる。このように筐体220を反転させた場合、調整膜208の削り滓は自重によって落下すると共に吸引されて開放されている上面から筐体220の外部へと排出されることになるので、筐体220の内部に調整膜208の削り滓が蓄積することがなくなり、排出工程を簡略化することが可能となる。
上述した実施形態の水晶振動子であっても、第1の実施形態と同様、調整膜208を切除して周波数の調整を行う際に、飛散する削り滓が壁面229に衝突して励振電極側206a、206b、206cが位置する雰囲気側へと飛散しないため、励振電極206a、206b、206cに調整膜208の削り滓が付着することを防止して水晶振動子の周波数の調整を行うことができる。なお図7(a)に示すような実施形態では、レーザー切削機30のレーザー光を、筐体220を透過させずに照射することができるので、このような実施形態においては筐体をレーザー光が透過可能な素材で構成しなくともよい。
また本発明の実施形態としては、例えば図8に示すような形態であってもよい。この水晶振動子は、筐体320に下側充填部325が設けられ、蓋体320aに上側充填部326が設けられている。この下側充填部325と上側充填部326とは、水晶振動子用素子310が筐体320に装着された際に、励振電極306a、306b、306cが位置する雰囲気側の空間を水晶振動子用素子310の振動を阻害しないように埋めて、励振電極306a、306b、306cが位置する雰囲気の体積を可能な限り小さくするように形成されている。このように壁部の代わりに下側充填部325と上側充填部326を設けたとしても、下側充填部325と上側充填部326の側面が、本発明の壁面に相当する壁面329となり、この壁面329によって飛散する削り滓が、励振電極306a、306b、306cに付着することを防止することができる。従ってこのような水晶振動子においても、第1の実施形態と同様に水晶振動子の周波数の調整を行うことができる。
本実施形態の水晶振動子の構成を説明するための説明図である。 本実施形態の水晶振動子用素子の斜視図である。 本実施形態の水晶振動子の製造工程について説明するための第1の説明図である。 本実施形態の水晶振動子の製造工程について説明するための第2の説明図である。 本実施形態の水晶振動子の周波数の調整について説明するための説明図である。 他の実施形態の水晶振動子の構成を説明するための説明図である。 他の実施形態の水晶振動子の周波数の調整について説明するための説明図である。 他の実施形態の水晶振動子の構成を説明するための説明図である。 従来の音叉型の水晶振動子について説明するための説明図である。
1 基部
2 振動腕
2a 表面
2b 裏面
5a、5b 溝部
6a、6b、6c 励振電極
7 引出電極
8 調整膜
10 水晶振動子用素子
11 水晶片
20 筐体
20a 蓋体
24 排出口
25 下側壁部
26 上側壁部
27 壁部
28 通過領域
29 壁面

Claims (3)

  1. 基部から互いに平行に2本の振動腕が伸びている音叉型の圧電振動片と、前記振動腕に形成された励振電極と、前記振動腕の先端側に前記励振電極と離間するように形成された周波数調整用の調整膜と、前記基部に形成された引出電極と、を備えた圧電振動子用素子を用い、筐体の内部の載置部に設けられた取り付け電極に、前記圧電振動子用素子の一面側における基部に形成された引出電極を導電性接着剤を介して電気的に接続して構成される圧電振動子の製造方法において、
    前記筐体の内部における前記励振電極が位置する雰囲気と前記調整膜が位置する雰囲気との間に、この調整膜の削り取り時に発生する削り滓が飛散することを抑止するための壁面を、前記圧電振動子用素子の一面側と対向する部位から前記取り付け電極における圧電振動子用素子側の面の高さ位置よりも圧電振動子用素子側に突出させて形成し、
    圧電振動子用素子の周波数の調整を行うためにレーザー光により前記調整膜を削り取ることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 基部から互いに平行に2本の振動腕が伸びている音叉型の圧電素子と、前記振動腕に形成された励振電極と、前記振動腕の先端側に前記励振電極と離間するように形成された周波数調整用の調整膜と、前記基部に形成された引出電極と、を備えた圧電振動子用素子を用い、筐体の内部の載置部に設けられた取り付け電極に、前記圧電振動子用素子の一面側における基部に形成された引出電極を導電性接着剤を介して電気的に接続して構成された圧電振動子において、
    前記筐体の内部における前記励振電極が位置する雰囲気と前記調整膜が位置する雰囲気との間に、調整膜の削り取り時に発生する削り滓が飛散することを抑止するための壁面を、前記圧電振動子用素子の一面側と対向する部位から前記取り付け電極における圧電振動子用素子側の面の高さ位置よりも圧電振動子用素子側に突出させて形成したことを特徴とする圧電振動子。
  3. 請求項2に記載の圧電振動子と、この圧電振動子が搭載される基板と、前記圧電振動子を発振させるための発振回路と、を備えたことを特徴とする電子部品。
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