JP4829812B2 - クリープボイドの検出方法およびこれを用いたクリープ損傷率の測定方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、前記した非金属介在物由来の空隙やブローホール等は結晶粒界に生じることもあり、この場合には、これらの空隙もクリープボイドとして判別してしまうため問題があった。
しかしながら、この方法はクリープボイドを正確に判別できるという利点があるものの、能率が悪く実用性に欠け、正確に判別するには熟練を要するという問題があった。
しかしながら、特許文献2に記載されている検出方法を用いても、クリープボイドとその他の空隙とを判別することができない場合があった。
一方、クリープボイド以外のその他の空隙には、前記した非金属介在物の脱落により空隙となったものや前記ブローホール等がある。具体的には、非金属介在物由来の空隙はA系とB系に分類され、図4に示すように、A系とは細長く引き伸ばされた空隙2a、B系とは空隙2aよりも比較的短く引き伸ばされた空隙2bのことを意味する。また、非金属介在物由来の空隙2a、2bは、金属の加工・圧延方向に細長く生じる、発生箇所は結晶粒界に限られない等の特徴がある。ブローホール3は、図5に示すように、球状に近い、発生箇所は結晶粒界に限られない等の特徴がある。
<クリープボイドの判定基準>
・針状比が1.2〜2.5の範囲内にあること
・フェレ径比が20°〜70°の範囲内にあること
・主軸の傾斜角度が20°〜160°の範囲内にあること
・1個当たりの面積が1μm2〜6μm2の範囲内にあること
[手順1(金属表面のレプリカ採取)]
金属表面のレプリカ採取工程は、評価対象である金属表面の凹凸をプラスチックフィルム等に転写する工程である。この転写フィルム(レプリカ)を採取することで、稼働中のボイラ設備等のように直接観察できない金属表面の状態を顕微鏡により観察することができる。レプリカの採取は、例えば以下に示すようなa〜eの工程を経て採取することができる。
この表面研磨工程では、評価対象の金属表面をグラインダーやリュータ等の小型研磨装置を用いて研磨する。ついで#60(粗)から#800(細)までの砥石により研磨し、最後にアルミナやダイヤモンド等のペーストを用いてバフ(鏡面)仕上げを行う。
b.表面洗浄工程
前記表面研磨工程で生じた研磨くず等を除去する目的で、金属表面をエタノール等の洗浄剤により洗浄する。
c.エッチング工程
鏡面仕上げした金属表面を、例えば5〜10%程度の硝酸を含むエタノール等の腐食液を用いてエッチングを行う。このエッチングにより金属の結晶粒界が現れる。
d.表面洗浄工程
前記エッチング工程で付着した腐食液を金属表面から除去する目的で、金属表面をエタノール等の洗浄剤で洗浄する。
e.レプリカ採取工程
アセチルセルロースフィルム等のプラスチックフィルムをアセトンに約1秒間浸漬した後、すぐにエッチングした金属表面に貼り付ける。約1分でフィルムが乾燥し、金属表面の凹凸が転写されたレプリカが得られる。
a.採取したレプリカの固定
手順1で得られたレプリカを顕微鏡観察するために固定する。固定方法としては、特に限定されるものではなく、例えば図7に示すように、中央部に穴12の空いたカードボード11に、得られたレプリカ13を貼付して固定する、図8に示すように、レプリカ13をスライドグラス14,14間に挟み込んで固定する等の方法が挙げられる。
b.レプリカの観察
カードボード、スライドグラス等に固定されたレプリカ13について、その表面を顕微鏡にて観察する。前記顕微鏡としては、例えば光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、レーザ顕微鏡等が挙げられる。
手順2で得られた観察画像をもとに、観察視野中の各空隙について形状特性(すなわち前記針状比、フェレ径比、主軸の傾斜角度および1個当たりの面積)を計測する。各形状特性の計測方法は特に限定されないが、画像処理システム(例えば、三谷社製の画像処理ソフト「SALT」等)を用いることで迅速に、かつ正確に計測することができる。
次に、手順3で計測された空隙の各形状特性値に基づいて、クリープボイドであるか否かの判定を行う。クリープボイドの判定は前記判定基準に基づいて行い、判定基準の範囲内にある空隙はクリープボイドと判定され、その他の空隙と区別される。
最後に、手順4で判別されたクリープボイドのデータ(クリープボイドの面積、個数等)に基づいて、前記したボイド面積率法、Aパラメータ法、ボイド個数密度法等の手法を用いてクリープ損傷率を算出する。具体的には、例えばAパラメータ法を用いた場合には、前記観察画像上において、主応力方向に任意の線を引き、この線と交差した結晶粒界のうち、損傷した結晶粒界(クリープボイドが生じた結晶粒界)の個数(nD)と、未損傷の結晶粒界の個数(nU)とを数え、それらの値を下記式(IV)に当てはめてクリープ損傷率(A)を算出する。
(イ)主応力方向と加工・圧延方向とが略平行の場合
(ロ)主応力方向と加工・圧延方向とが略垂直の場合
2a 非金属介在物由来の空隙(A系)
2b 非金属介在物由来の空隙(B系)
3 ブローホール
11 カードボード
12 穴
13 レプリカ
14 スライドグラス
θ1 フェレ径比
θ2 主軸の傾斜角度
Claims (4)
- 金属に生じたクリープボイドを、表面観察によりクリープボイドとその他の空隙とを判別するクリープボイドの検出方法であって、
前記金属表面に存在する空隙の針状比が1.2〜2.5、フェレ径比が20°〜70°、主軸の傾斜角度が20°〜160°および1個当たりの面積が1μm 2 〜6μm 2 の範囲内にある空隙を、クリープボイドとすることを特徴とするクリープボイドの検出方法。 - 前記金属が低合金鋼である請求項1に記載のクリープボイドの検出方法。
- 請求項1または2に記載の検出方法により得られたクリープボイドの判別結果から、金属のクリープ損傷の程度を評価することを特徴とするクリープ損傷率の測定方法。
- 前記クリープ損傷の程度を評価する手段が、ボイド面積率法、Aパラメータ法およびボイド個数密度法から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載のクリープ損傷率の測定方法。
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