JP4829675B2 - 自動車用樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、スタンピング成形法などのように、常温で大きな圧力を加えて成形した場合であっても表面が白化せず、外観性に優れた成形品を得ることができる積層シートとして、透明熱可塑性ウレタン系エラストマーを主成分とする表面層、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする接着層及びポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材層がこの順に積層一体化され、接着層の破断点応力が25MPa以上である積層シートが提案されている(特許文献1)。しかし、この積層シートを自動車用のフロアシートとして用いた場合、層間密着性、特に80℃における層間密着性が悪いという問題がある。
すなわち、本発明は、
(1)上層フィルム積層体(ア)として、厚さ50〜300μmの(A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の上側に、保護転写層として上面にエンボス加工が施されてなる(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層を有する積層体、中間層フィルム(イ)として、上層フィルム(ア)と中間層フィルム(イ)の間に印刷層を有する厚さ50〜200μmの(B)非晶性ポリエステル系樹脂フィルム層及び下層積層体(ウ)として、厚さ0.1〜1mmの(D)紙材にさらに、中間層フィルム(イ)側に厚さ10〜60μmの(C)非晶性ポリエステル系樹脂フィルム層を有し、中間層フィルム(イ)と反対側に、厚さ10〜60μmの(E)オレフィン系樹脂フィルム層を有する積層を熱ラミネートしてなることを特徴とする自動車用樹脂シート、
(2)(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層を有する積層体がマット無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの上に透明熱可塑性ウレタンエラストマーを押出ラミネートすることにより製造したものである(1)記載の自動車用樹脂シート、
(3)(B)及び(C)の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂である(1)又は(2)記載の自動車用樹脂シート、
(4)(E)オレフィン系樹脂フィルム層が、高圧法低密度ポリエチレンである(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車用樹脂シート、及び、
(5)第一原材料ロール1から、(A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層と(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層からなる上層フィルム積層体(ア)を、マット無延伸ポリプロピレン樹脂層が加熱ドラムに接するように巻き出し、予熱ロール2により予熱したのち、プレスロール3により、表面温度120〜160℃の加熱ドラム4によって圧着し、第二原材料ロール5から、印刷層を有する(B)非晶性ポリエステル系樹脂フィルム層からなる中間層フィルム(イ)が、印刷層が上層フィルム(ア)と接するように巻き出して、予熱ロール6で予熱したのち、プレスロール7により、表面温度120〜160℃の加熱ドラム上の上層フィルム積層体(ア)に重ねて圧着し、さらに、第三原材料ロール8から、(C)非晶性ポリエステル系樹脂層、(D)紙材及び(E)オレフィン系樹脂フィルム層からなる下層積層体(ウ)が、ポリエステル系樹脂フィルム層が中間層フィルム(イ)に接するように巻き出して、予熱ロール9で予熱したのち、プレスロール10により、表面温度120〜160℃の加熱ドラム上で上層フィルムに積層された中間層フィルム(イ)に重ねて圧着して、上層フィルム、中間層フィルム及び下層積層体の3層からなる積層体を作製し、次いで表面温度120〜140℃のエンボスロール11とゴム圧ロール12の対からなるロールに掛けて、エンボス加工することを特徴とする(1)又は(2)記載の自動車用樹脂シートの製造方法、
を提供するものである。
本発明の自動車用樹脂シートは、上層(ア)として、厚さ50〜300μm、より好ましくは厚さ70〜200μmの(A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層を有する。透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の厚さが50μm未満であると、自動車用樹脂シートの耐摩耗性が不足するおそれがある。透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の厚さは300μm以下で自動車用樹脂シートとして十分な性能を有し、通常は厚さ300μmを超える透明熱可塑性ウレタンエラストマー層は必要ではない。
本発明に用いる透明熱可塑性ウレタンエラストマーのポリオール成分としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなどを挙げることができる。これらの中で、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールをポリオール成分とする透明熱可塑性ウレタンエラストマーは、耐湿性と耐候性が良好なので、好適に用いることができる。
本発明において、上層(ア)と中間層(イ)の間に印刷層を設ける個所に特に制限はなく、例えば、上層(ア)にバックプリントすることができ、あるいは、中間層(イ)にトッププリントすることもできる。多くの場合、透明熱可塑性ウレタンエラストマーよりもポリエステル系樹脂の方が印刷作業性が良好なので、ポリエステル系樹脂に印刷することが好ましい。印刷層の模様に特に制限はなく、例えば、微細木目調模様、抽象模様、幾何学的模様などを挙げることができる。本発明において印刷方法に特に制限はなく、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などを挙げることができる。これらの中で、グラビア印刷を好適に用いることができる。
本発明の自動車用樹脂シートにおいて、中間層(イ)に用いる(B)ポリエステル系樹脂及び下層(ウ)に用いる(C)ポリエステル系樹脂としては、例えば、非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂などを挙げることができる。本発明においては、中間層(イ)に用いる(B)ポリエステル系樹脂と下層(ウ)に用いる(C)ポリエステル系樹脂とが同種の樹脂であることが好ましく、同一の樹脂であることがより好ましい。(B)ポリエステル系樹脂と(C)ポリエステル系樹脂とを同種ないしは同一の樹脂とすることにより、中間層と下層の層間密着性を高めることができる。
本発明に用いるポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラメチレングリコールを共重合成分として10〜30質量%含むポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂などを挙げることができる。
本発明の自動車用樹脂シートにおいては、(B)ポリエステル系樹脂及び(C)ポリエステル系樹脂として、非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を好適に用いることができ、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を特に好適に用いることができる。非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、中間層(イ)を作製する際の製膜性と、下層(ウ)を作製する際のラミネート加工性が良好であり、中間層と下層の高温における層間密着性を向上することができる。
これらの中で、ライナー紙、ファイバー紙、カップ原紙等を好適に用いることができる。
ライナー紙に特に制限はなく、クラフトライナー、ジュートライナーのいずれをも用いることができる。クラフトライナーは、主原料として未晒しクラフトパルプを用いた板紙であり、ジュートライナーは、表層に未晒しクラフトパルプを用い、その他の層には古紙パルプなどを配合した板紙である。これらの中で、クラフトライナーを好適に用いることができ、超耐水仕様のクラフトライナーを特に好適に用いることができる。超耐水仕様のクラフトライナーを用いることにより、熱ラミネート加工の際の発泡を防止することができる。
本発明の自動車用樹脂シートに用いるファイバー紙に特に制限はなく、バルカナイズドファイバーなどを用いることができる。バルカナイズドファイバーは、コットンパルプや精製パルプから作られた原料紙を、塩化亜鉛溶液に浸漬して積層し、熟成、抽出、水洗工程後、乾燥およびカレンダーロールでプレス加工後に巻き取られて製造されるものが使用される。耐熱性および耐水性が特に必要な場合には上記工程の後にメラミン樹脂の含浸工程を通して製造されるものも使用できる。
本発明の自動車用樹脂シートにおいては、(A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の上側に、保護転写層として、(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層を有することが好ましい。マット無延伸ポリプロピレン樹脂層とするマット無延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法に特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン70〜90質量%と水添SBR10〜30質量%の混合樹脂をTダイを用いて製膜し、150〜250メッシュのシボロールを使用してマット加工することにより製造することができる。
本発明においては、マット無延伸ポリプロピレン樹脂層により、自動車用樹脂シートが最終製品に加工されるまで透明熱可塑性ウレタンエラストマー層が覆われ、自動車用樹脂シートの表面を保護して汚染を防ぐことができる。マット無延伸ポリプロピレン樹脂層は、製品加工の最終段階で取り除くことが好ましい。
本発明の自動車用樹脂シートにおいては、(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層の上から、エンボス加工を施すことが好ましい。例えば、印刷層に微細木目調模様を印刷し、さらに微細木目調模様のエンボス加工を施すことにより、自動車用樹脂シートに木質材料としてのリアル感を与え、意匠性を高めることができる。マット無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムは、マット二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムやマット二軸延伸ポリプロピレンフィルムに比べてエンボス加工性が良好であり、金属製のエンボスロールの模様を正確に転写することができる。
本発明において、紙材にオレフィン系樹脂層を設ける方法に特に制限はなく、例えば、紙材にオレフィン系樹脂を押出ラミネートすることができ、あるいは、紙材にオレフィン系樹脂フィルムを熱ラミネート、ドライラミネートなどにより積層することもできる。本発明に用いるオレフィン系樹脂に特に制限はなく、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、中圧法高密度ポリエチレン、低圧法高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂などを挙げることができる。これらの中で、高圧法低密度ポリエチレンは、ラミネート加工性が良好なので好適に用いることができる。
加熱ドラム上で積層された上層フィルム、中間層フィルム及び下層積層体の3層からなる積層体は、次いでエンボスロール11とゴム圧ロール12の対からなるロールに掛けられ、エンボス加工される。エンボスロールの模様に特に制限はなく、例えば、手彫りや写真彫刻などにより形成したシボ、木目、梨地、抽象柄などを挙げることができる。エンボスロールの表面温度は、120〜140℃であることが好ましく、125〜135℃であることがより好ましい。エンボス加工された積層シートは、ガイドロール13を経由して冷却ロール14で冷却されたのち、製品の自動車用樹脂シートとして巻き取りロール(図示しない。)に巻き取られる。マット無延伸ポリプロピレン樹脂層は、製品の自動車用樹脂シートとともに巻き取ることができ、あるいは、製品の自動車樹脂シートを巻き取る前に除去することもできる。
なお、実施例及び比較例において、評価は、マットフィルムを取り外したのち、下記の方法により行った。
(1)エンボス加工性
加熱ドラム温度が140℃のダブリング装置と冷却ドラムの中間に、温度130℃の金属製彫刻ロールと半硬質ゴムで被覆した圧ロールからなるエンボス機を設置し、微細木目調模様のエンボス加工を行い、エンボス加工によって得られた自動車用樹脂シートについて、表面性を目視により観察し、下記の基準により判定する。
○:良好
△:やや不良
×:不良
(2)耐磨耗性
JIS K 7204にしたがい、H18摩耗輪を用い、総荷重9.8Nで2,000回転したのちの質量の減少を測定する。
○:質量減少1,200mg未満
△:質量減少1,200mg以上2,000mg未満
×:質量減少2,000mg以上
(3)耐傷付き性
JIS L 0849にしたがい、荷重2Nで、JIS L 0803に規定する3号(綿)を用いて往復200回の学振試験を行い、表面状態を目視により観察し、下記の基準により判定する。
○:変化がまったく認められない。
△:変化はわずかであるが、明らかに認められる。
×:変化が著しい。
(4)動摩擦係数
JIS K 7125にしたがい、JIS L 0803に規定する3号(綿)で包んだ接触面積40cm2、全質量700gの滑り片を、試験片表面に置き、速度50mm/minで試験を行い、動摩擦係数を求める。
○:動摩擦係数0.4以上
△:動摩擦係数0.2以上0.4未満
×:動摩擦係数0.2未満
(5)層間密着性
自動車用樹脂シートの長手方向に幅25mm、長さ400mmの試験片を切り出し、JIS K 6854−2にしたがい、中間層と下層の接着面において、つかみ移動速度50mm/minで、180度剥離試験を行う。試験は、23℃及び80℃の2つの温度において行う。
23℃試験での判定基準
○:剥離強度15.0N/25mm以上
△:剥離強度3.0N/25mm以上15.0N/25mm未満
×:剥離強度3.0N/25mm未満
80℃試験での判定基準
○:剥離強度6.0N/25mm以上
△:剥離強度3.0N/25mm以上6.0N/25mm未満
×:剥離強度3.0N/25mm未満
(6)耐湿性
試験片を50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽内に定置し、500時間後に取り出し、同一試料の未試験品と目視にて比較する。
◎:変化がまったく認められない。
○:変化はわずかに認められるが、ほとんど目立たない。
△:変化はわずかであるが、明らかに認められる。
×:変化が著しい。
(7)耐候性
JIS K 7350−4にしたがって、サンシャインカーボンアーク灯で500時間の暴露試験を行い、試験後の表面状態を目視にて確認する。
◎:変化がまったく認められない。
○:変化はわずかに認められるが、ほとんど目立たない。
△:変化はわずかであるが、明らかに認められる。
×:変化が著しい。
(1)TPU(1):ポリカーボネート系透明熱可塑性ウレタンエラストマー、ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス(登録商標) T−7895N、ショアA硬度95。
(2)TPU(2):ポリカーボネート系透明熱可塑性ウレタンエラストマー、ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス(登録商標) T−9280N、ショアA硬度80。
(3)TPU(3):ポリエーテル系透明熱可塑性ウレタンエラストマー、ディーアイシーバイエルポリマー(株)、テキシン(登録商標) DP7−3041、ショアD硬度55。
(4)TPU(4):TPU(1)に、ポリエステル系樹脂[東洋紡績(株)、バイロン(登録商標) 24SS]100質量部とヘキサメチレンジイソシアネート[日本ポリウレタン(株)]3質量部からなる塗料をアンカーコート剤として塗布。
(5)TPU(5):ポリエーテル系透明熱可塑性ウレタンエラストマー、ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス(登録商標) T−8195、ショアA硬度95。
(6)TPU(6):ポリエステル(アジペート)系ポリウレタンエラストマー、ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス(登録商標) T−R3080、ショアA硬度90。
(7)マットCPP:マット無延伸ポリプロピレンフィルム、リケンテクノス(株)、TPP092、XZ025(ポリプロピレン80質量%と水添SBR20質量%の混合樹脂をTダイを用いて製膜し、200メッシュのシボロールを使用してマット加工したフィルム)、厚さ70μm。
(8)マットPET:マット二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、帝人デュポンフィルム(株)、テイジンテトロン(登録商標) U4、厚さ23μm。
(9)マットOPP:マット二軸延伸ポリプロピレンフィルム、東セロ(株)、WH−OP FM−0、厚さ25μm。
(10)PETG:シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、イーストマン・ケミカル社、PETG6763。
(11)PETN:ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、東洋紡績(株)、SR173CA。
(12)LDPE:高圧法低密度ポリエチレン、住友化学(株)、スミカセン(登録商標) L705。
(13)PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂、東レ(株)、トレコン(登録商標)1200S。
(14)アイオノマー:金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、三井・デュポン・ポリケミカル(株)、ハイミラン(登録商標) 1601、ショアD硬度59。
(15)TPEE:熱可塑性ポリエステルエラストマー、東洋紡績(株)、ペルプレン(登録商標) P55B、ショアA硬度94。
(16)塩素化PP:塩素化ポリプロピレン[大日精化工業(株)、セイカダイン(登録商標) PET−2、融点70℃]100質量部とヘキサメチレンジイソシアネート[大日精化工業(株)、PET−2コウカザイ]2質量部からなる2液型コート剤。
(17)ライナー紙:日本大昭和板紙(株)、坪量500g/m2、厚さ750μm、超耐水仕様。
(18)ファイバー紙:バルカナイズドファイバー、北越製紙(株)、品名:Hファイバー(一般タイプ)、厚さ500μm。
(19)カップ原紙:日本大昭和板紙(株)、坪量390g/m2、厚さ460μm、耐水仕様。
マット無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム[リケンテクノス(株)、TPP092、XZ025]に、ポリカーボネート系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス T−7895N、ショアA硬度95]を厚さ150μmに押出ラミネートして、上層フィルムを作製した。
シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]に茶系顔料を添加した材料のカレンダー加工により、厚さ60μmの着色フィルム[リケンテクノス(株)、SET588、FZ92963]を製膜し、表面に塩酢ビ−アクリル系インキ[ザ・インクテック(株)、VTP−NT]を用いて、グラビア印刷により微細木目調模様を印刷し、中間層フィルムを作製した。
ライナー紙[日本大昭和板紙(株)、坪量500g/m2、厚さ750μm]の表面に、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を厚さ20μmに押出ラミネートし、裏面に高圧法低密度ポリエチレン[住友化学(株)、スミカセン L705]を厚さ20μmに押出ラミネートして、下層積層体を作製した。
図1に示す装置の第一原材料ロールに、上層フィルムを、マット無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムが加熱ドラムと接するように取り付け、第二原材料ロールに中間層フィルムを印刷面が上層フィルムと接するように取り付け、第三原材料ロールにシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂層が中間層フィルムと接するように下層積層体を取り付けた。各原材料ロールから、上層フィルム、中間層フィルム及び下層積層体を4m/分の速度で巻き出し、予熱ロールで予熱したのち、プレスロールにより表面温度140℃の加熱ドラムに圧着して積層し、表面温度130℃のエンボスロールにより微細木目調模様のエンボス加工を施し、ガイドロールを経由して冷却ロールで冷却し、自動車用樹脂シートとして巻き取った。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,030mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、1.06であった。層間剥離強度は、23℃において37.2N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.8N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
上層フィルムにポリカーボネート系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス T−9280N、ショアA硬度80]を用い、下層積層体の裏面に高圧法低密度ポリエチレンをラミネートしなかった以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は950mgであった。耐傷付き性試験において、変化はわずかであるが、明らかに認められた。動摩擦係数は、1.42であった。層間剥離強度は、23℃において32.5N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において8.9N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例3
上層フィルムにポリエーテル系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、テキシン DP7−3041、ショアD硬度55]を用いた以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,100mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.32であった。層間剥離強度は、23℃において35.5N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.9N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例4
下層積層体の表面に、ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]を厚さ30μmに押出ラミネートした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,020mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.93であった。層間剥離強度は、23℃において7.5N/25mm(PETG/PBT層間剥離)、80℃において4.6N/25mm(PETG/PBT層間剥離)であった。
上層フィルムのポリカーボネート系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス T−7895N、ショアA硬度95]の押出ラミネートの厚さを80μmとした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,250mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.72であった。層間剥離強度は、23℃において34.5N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.7N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例6
上層のポリカーボネート系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス T−7895N、ショアA硬度95]の押出ラミネートの厚さを250μmとし、中間層フィルムを厚さ100μmのネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]に茶系顔料マスタバッチを添加した材料の押出で作製し、下層積層体の表面にネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]を厚さ40μmに押出ラミネートした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,010mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、1.12であった。層間剥離強度は、23℃において33.4N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において8.9N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例7
上層フィルムに厚さ23μmのマット二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、透明熱可塑性ウレタンエラストマーとの剥離が重く、マット二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの加熱ドラムへの密着が不十分で、外観性に劣り、やや不良であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,020mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、1.04であった。層間剥離強度は、23℃において36.5N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.6N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例8
上層フィルムに厚さ25μmのマット二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、透明熱可塑性ウレタンエラストマーとの剥離が軽く、剥がれによる浮きが生じて、やや不良であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,030mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.97であった。層間剥離強度は、23℃において36.4N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.5N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例9
ファイバー紙[バルカナイズドファイバー、北越製紙(株)、品名:Hファイバー(一般タイプ)、厚さ500μm]の片面にポリエステル系樹脂[東洋紡績(株)、バイロン24SS]100質量部とヘキサメチレンジイソシアネート[日本ポリウレタン工業(株)]3質量部からなる塗料をアンカーコート剤として塗布、乾燥し、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を厚さ20μmに押出ラミネートし、裏面に変性オレフィン系接着剤[東亞合成(株)、アロンメルト PPET 溶液タイプ、PPET−X−1505SG]100質量部からなる塗料をアンカーコート剤として塗布、乾燥し、高圧法低密度ポリエチレン[住友化学(株)、スミカセン L705]を厚さ20μmに押出ラミネートして、下層積層体を作製した以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,050mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.96であった。層間剥離強度は、23℃において35.2N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.9N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
実施例10
紙材にカップ原紙[日本大昭和板紙(株)、坪量390g/m2、厚さ460μm、耐水仕様]を用いた以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,070mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、1.02であった。層間剥離強度は、23℃において36.3N/25mm(TPU/印刷層間剥離)、80℃において9.2N/25mm(TPU/印刷層間剥離)であった。
下層積層体の表面に高圧法低密度ポリエチレン[住友化学(株)、スミカセン L705]を厚さ20μmで押出ラミネートした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は950mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.99であった。層間剥離強度は、23℃において0.6N/25mm(PETG/LDPE層間剥離)、80℃において0.1N/25mm(PETG/LDPE層間剥離)であった。
比較例2
上層フィルムに金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体[三井・デュポン・ポリケミカル(株)、ハイミラン 1601、ショアD硬度59]を厚さ150μmで押出ラミネートし、中間層の印刷にウレタン−塩酢ビ系2液型インキ[大日精化工業(株)、LAP]を用いた以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,500mgであった。耐傷付き性試験において、変化はわずかであるが、明らかに認められた。動摩擦係数は、0.18であった。層間剥離強度は、23℃において19.6N/25mm(アイオノマー/印刷層間剥離)、80℃において8.5N/25mm(アイオノマー/印刷層間剥離)であった。
比較例3
上層フィルムに熱可塑性ポリエステルエラストマー[東洋紡績(株)、ペルプレン P55B、ショアA硬度94]を厚さ150μmで押出ラミネートした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,750mgであった。耐傷付き性試験において、変化が著しかった。動摩擦係数は、0.24であった。層間剥離強度は、23℃において22.5N/25mm(TPEE/印刷層間剥離)、80℃において8.7N/25mm(TPEE/印刷層間剥離)であった。
比較例4
上層フィルムの裏面にウレタン−塩酢ビ系2液型インキ[大日精化工業(株)、LAP]を用いグラビア印刷により微細木目調模様を印刷し、下層積層体の表面に高圧法低密度ポリエチレン[住友化学(株)、スミカセン L705]を厚さ20μmで押出ラミネートし、その上に塩素化ポリプロピレン[大日精化工業(株)、セイカダインPET−2、融点70℃]100質量部とヘキサメチレンジイソシアネート[大日精化工業(株)、PET−2コウカザイ]2質量部からなる2液型コート剤を乾燥厚さ2μmになるように塗布し、中間層フィルムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,050mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.92であった。層間剥離強度は、23℃において1.3N/25mm(塩素化PP/LDPE層間剥離)、80℃において0.1N/25mm(塩素化PP/LDPE層間剥離)であった。
上層フィルムの透明熱可塑性ウレタンエラストマー層に、ポリエステル系樹脂[東洋紡績(株)、バイロン24SS]100質量部とヘキサメチレンジイソシアネート[日本ポリウレタン(株)]3質量部からなる塗料をアンカーコート剤として塗布し、中間層フィルムを厚さ70μmのポリプロピレン樹脂フィルム[リケンテクノス(株)、TPP050、XP5005]で作製し、ウレタン−塩酢ビ系2液型インキ[大日精化工業(株)、LAP]を用いてグラビア印刷により微細木目調模様を印刷した以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートのエンボス加工の表面性は、良好であった。耐摩耗性試験において、質量減少は1,060mgであった。耐傷付き性試験において、変化がまったく認められなかった。動摩擦係数は、0.89であった。層間剥離強度は、23℃において23.2N/25mm(アンカーコート/印刷層間剥離)、80℃において2.0N/25mm(アンカーコート/印刷層間剥離)であった。
比較例6
上層フィルムとして厚さ800μmの高圧法低密度ポリエチレン[住友化学(株)、スミカセン G208−J]のフィルムを用い、中間層フィルムとして厚さ200μmの同じ高圧法低密度ポリエチレンのフィルムを用い、上層との間に印刷層を設け、下層フィルムとして厚さ800μmの同じ高圧法低密度ポリエチレンのフィルムを用い、エンボス加工を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートは、耐摩耗性試験において、質量減少は1,410mgであった。耐傷付き性試験において、変化が著しかった。動摩擦係数は、0.52であった。層間剥離強度は、23℃において6.1N/25mm(中間層LDPE/下層LDPE層間剥離)、80℃において4.2N/25mm(中間層LDPE/下層LDPE層間剥離)であった。
比較例7
上層フィルムとして厚さ800μmの熱可塑性オレフィン系エラストマー樹脂[(株)プライムポリマー、プライム TPO E−2740]のフィルムを用い、中間層フィルムとして厚さ200μmの高圧法低密度ポリエチレン[住友化学(株)、スミカセン G208−J]のフィルムを用い、上層との間に印刷層を設け、下層フィルムとして厚さ800μmの同じ高圧法低密度ポリエチレンのフィルムを用い、エンボス加工を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートは、耐摩耗性試験において、質量減少は1,300mgであった。耐傷付き性試験において、変化が著しかった。動摩擦係数は、0.61であった。層間剥離強度は、23℃において5.5N/25mm(中間層LDPE/下層LDPE層間剥離)、80℃において3.5N/25mm(中間層LDPE/下層LDPE層間剥離)であった。
実施例1〜10の結果を第1表に、比較例1〜7の結果を第2表に示す。
上層の樹脂層として、ショアーA硬度95の透明熱可塑性ウレタンエラストマーを用いた実施例1、実施例4〜10の自動車用樹脂シートは、耐傷付き性が良好であり、動摩擦係数が大きく、自動車のフロアシートとして用いたとき、滑るおそれがない。ショアA硬度80の軟らかい透明熱可塑性ウレタンエラストマーを用いた実施例2の自動車用樹脂シートは、耐傷付き性がやや劣る。ショアD硬度55の硬い透明熱可塑性ウレタンエラストマーを用いた実施例3の自動車用樹脂シートは、動摩擦係数がやや小さく、自動車のフロアシートとして用いたとき、滑りやすくなるおそれがある。
上層の透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の厚さが150μm以上の実施例1〜4、実施例6〜10の自動車用樹脂シートは、十分な耐摩耗性を有する。透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の厚さが80μmの実施例5の自動車用樹脂シートは、耐摩耗性がやや不足している。
中間層と下層の表面樹脂層がともにシクロヘキサン共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂層である実施例1〜3、実施例5、実施例7〜10の自動車用樹脂シート、及び、中間層と下層の表面樹脂層がともにネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂層である実施例6の自動車用樹脂シートは、23℃においても、80℃においても、十分な層間密着性を有する。中間層がシクロヘキサン共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂層であり、下層の表面樹脂層がポリブチレンテレフタレート樹脂層である実施例4の自動車用樹脂シートは、層間密着性がやや劣る。
上層の樹脂層として、アイオノマー(金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体)を用いた比較例2の自動車用樹脂シートは、動摩擦係数が小さく、自動車のフロアシートとして用いたとき、滑りやすい。上層の樹脂層として、透明熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いた比較例3、高圧法低密度ポリエチレンを用いた比較例6、熱可塑性ポリオレフィン樹脂を用いた比較例7の自動車用樹脂シートは、いずれも耐傷付き性が不良である。
上層の樹脂層の厚さを120μmとし、中間層の厚さを90μmとした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートは、耐湿性、耐候性ともに優秀であった。
実施例12
上層フィルムにポリエーテル系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス T−8195、ショアA硬度95]を用いてその厚さを120μmとし、中間層の厚さを90μmとした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートの耐湿性は優秀であり、耐候性は良好であった。
実施例13
上層フィルムにポリエステル(アジペート)系透明熱可塑性ウレタンエラストマー[ディーアイシーバイエルポリマー(株)、パンデックス T−R3080、ショアA硬度90]を用いてその厚さを120μmとし、中間層の厚さを90μmとした以外は、実施例1と同様にして、自動車用樹脂シートを作製した。
得られた自動車用樹脂シートは、耐湿性、耐候性ともにやや不良であった。
実施例11〜13の結果を、第3表に示す。
2 予熱ロール
3 プレスロール
4 加熱ドラム
5 第二原材料ロール
6 予熱ロール
7 プレスロール
8 第三原材料ロール
9 予熱ロール
10 プレスロール
11 エンボスロール
12 ゴム圧ロール
13 ガイドロール
14 冷却ロール
15 上層フィルム
16 中間層フィルム
17 下層積層体
18 (F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層
19 (A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層
20 印刷層
21 (B)ポリエステル系樹脂層
22 (C)ポリエステル系樹脂層
23 (D)紙材
24 (E)オレフィン系樹脂層
Claims (5)
- 上層フィルム積層体(ア)として、厚さ50〜300μmの(A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層の上側に、保護転写層として上面にエンボス加工が施されてなる(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層を有する積層体、中間層フィルム(イ)として、上層フィルム(ア)と中間層フィルム(イ)の間に印刷層を有する厚さ50〜200μmの(B)非晶性ポリエステル系樹脂フィルム層及び下層積層体(ウ)として、厚さ0.1〜1mmの(D)紙材にさらに、中間層フィルム(イ)側に厚さ10〜60μmの(C)非晶性ポリエステル系樹脂フィルム層を有し、中間層フィルム(イ)と反対側に、厚さ10〜60μmの(E)オレフィン系樹脂フィルム層を有する積層を熱ラミネートしてなることを特徴とする自動車用樹脂シート。
- (F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層を有する積層体がマット無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの上に透明熱可塑性ウレタンエラストマーを押出ラミネートすることにより製造したものである請求項1記載の自動車用樹脂シート。
- (B)及び(C)の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂である請求項1又は2記載の自動車用樹脂シート。
- (E)オレフィン系樹脂フィルム層が、高圧法低密度ポリエチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用樹脂シート。
- 第一原材料ロール1から、(A)透明熱可塑性ウレタンエラストマー層と(F)マット無延伸ポリプロピレン樹脂層からなる上層フィルム積層体(ア)を、マット無延伸ポリプロピレン樹脂層が加熱ドラムに接するように巻き出し、予熱ロール2により予熱したのち、プレスロール3により、表面温度120〜160℃の加熱ドラム4によって圧着し、第二原材料ロール5から、印刷層を有する(B)非晶性ポリエステル系樹脂フィルム層からなる中間層フィルム(イ)が、印刷層が上層フィルム(ア)と接するように巻き出して、予熱ロール6で予熱したのち、プレスロール7により、表面温度120〜160℃の加熱ドラム上の上層フィルム積層体(ア)に重ねて圧着し、さらに、第三原材料ロール8から、(C)非晶性ポリエステル系樹脂層、(D)紙材及び(E)オレフィン系樹脂フィルム層からなる下層積層体(ウ)が、ポリエステル系樹脂フィルム層が中間層フィルム(イ)に接するように巻き出して、予熱ロール9で予熱したのち、プレスロール10により、表面温度120〜160℃の加熱ドラム上で上層フィルムに積層された中間層フィルム(イ)に重ねて圧着して、上層フィルム、中間層フィルム及び下層積層体の3層からなる積層体を作製し、次いで表面温度120〜140℃のエンボスロール11とゴム圧ロール12の対からなるロールに掛けて、エンボス加工することを特徴とする請求項1又は2記載の自動車用樹脂シートの製造方法。
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