JP4827720B2 - トナー及びこのトナーを用いる現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスの画像形成に用いられるトナー及びこのトナーを用いる現像剤に関する。
電子写真、静電記録、静電印刷等において使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着し、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する方法としては、磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲法等が知られている。
また通常、感光体上にてトナーで静電潜像を現像した後に転写シートなどに転写して、定着することによって画像が得られる。この際の定着方式としては加熱されたロールによって圧着加熱する熱ロール定着方式が一般的である。この熱ロール定着方式では熱効率が高く迅速に定着できる反面、トナー像の一部がロール表面に付着して再度シート上に移行する所謂オフセット現象が発生しやすい。
従来、オフセット防止のために、定着ローラ表面をトナーに対する離型性に優れた材料(シリコンゴムやフッ素系樹脂等)で形成し、更にオフセット防止及びローラ表面における疲労防止のために、その表面をシリコンオイル、フッ素オイル等の離型性の高い液体の薄膜で被覆することが行われている。
しかし、この方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要であるため、定着装置全体の構成が複雑になる等の問題がある。また、このオイル塗布は、定着ローラを構成している層間の剥離を引き起こし、結果的に定着ローラの短寿命化を促進するという弊害もある。
そこで、オイルの供給装置を用いる代りに、トナー粒子中から加熱加圧定着時にオフセット防止溶液を供給しようとする考えから、特許文献1、2等に記載されているように、トナー粒子中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンのような離型剤を添加する方法が提案されている。
従来より、一般的に用いられているトナーの製造方法としては、結着樹脂、着色剤等のトナー構成材料を粉体状で均一に混合した後、このトナー構成材料を溶融混練し、更に粉砕した後、分級してトナーを得る、溶融混練粉砕法がある。
近年では、高画質化の観点から、これらトナーに対し、小粒径化の要求が強まってきている。
この溶融混練粉砕方式において、例えば、気流式粉砕機を用いて粉砕する方法により、トナーを小粒径化を図ろうとすると、トナーの比表面積が増大し、トナーの流動性が低下するという問題が発生した。
また、トナーの製造方法としては、溶融混練粉砕法によるトナーの製造方法の他に、重合法によりトナーを製造する方法がある。
重合法により得られるトナーは、小粒径化されているため、高精細な画像を得られやすく、また、球形化されているため、トナーの比表面積が小さい状態が保たれ、流動性を一定レベルに保つことができる。また更に、被転写体への転写性が優れているといった利点も得ることができる。
しかし、重合法においては、例えば、製造工程において発生する微粉等の規格外品をリサイクルすることができない等の事情から、製造コストが高く、また、トナー粒子のほとんどが球形であるため、感光体のクリーニング工程においてトナー粒子がクリーニングブレード等のクリーニング部材を擦り抜けやすく、クリーニング不良を生じやすいという問題がある。
このため、重合法と並んで、トナー構成材料を溶融、混練した後、粉砕してトナーを得る溶融混練粉砕法は、未だに主流な方法として用いられている。
例えば特許文献3には、溶融混練粉砕法により製造されるトナーの小粒径化を図る方法として、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、粉砕法で製造され、体積平均粒径が5.0〜8.5μmであり、且つ、円形度=π・(粒子像の面積と等しい円の直径)/粒子像の周囲長で示される円形度が、0.955〜0.980であることを特長とするトナー、及びこのトナーの製造方法が開示されている。
即ち、特許文献3には、少なくとも衝撃式粉砕機で粉砕する工程を含むトナーの製造方法により、小粒径であり、且つ円形度が高く、画像特性や転写特性の優れた電子写真用トナーを得る方法が開示されている。
しかし、例えば特許文献3に開示された方法により、トナー組成物中に離型剤を含んで構成されているトナー粒子を小粒径化した場合、このトナー粒子中に含まれる離型剤が、トナー粒子表面に露出する割合が増加するという問題がある。
トナー粒子表面に露出する離型剤の量が多くなると、これら離型剤が離脱し、キャリアやその他の帯電部材に付着して、帯電能力が低下するスペント現象が起こるため、現像剤の耐久性が低下することが知られている。更に、これらの離型剤の存在はトナーの流動性を悪化させたり、紙への転写性を悪化させたりすることも知られている。
このため、トナーを小粒径化した場合には、同時にトナー粒子中におけるワックス分散径も小さくすることが望まれている。
例えば、特許文献4には、バインダー樹脂中の低分子量ワックスの分散径が1μm以下になるように規定している。この発明は、離型剤の分散径を規定することによって、オフセット現象を抑制することを目的としており、所望の分散径を得るために、大きな剪断力で、長時間混練する方法が提案されている。
しかし、特許文献4に記載の発明では、大きな剪断力を必要とするため、使用できる製造設備が限定され、混練時間も非常に長くなるため生産性においても非常に不利である。
また、特許文献5には、結着樹脂中の着色剤分散径は1μm以下、離型剤分散径は0.1μm以上で2μm以下であり、常温常湿下、トナー濃度5%の条件下でキャリアと10分間撹拌混合した時に得られる帯電量Q600に対して、同じ条件下で20秒間撹拌混合した時に得られる帯電量をQ20とすると、Z(%)=(Q20/Q600)×100で計算される帯電立ち上がり比率が70(%)以上であるフルカラー電子写真用トナーが開示されている。
即ち、特許文献5には、結着樹脂、着色剤、離型剤のみからなる混合物を予め溶融混練することによって、着色剤の分散に合わせて、離型剤も結着樹脂中により均一に分散したマスターバッチが得られ、結着樹脂中への着色剤及び離型剤の分散を飛躍的に向上させることが可能ということである。
特開昭60−230663号公報 特開平1−234858号公報 特開2005−215148号公報 特開平3−168649号公報 特開平11−190914号公報
しかしながら、特許文献4、5に記載の発明では、トナーの平均粒径を小粒径化し、同時に、離型剤の平均分散径を小さくしたものではない。離型剤の分散状態が、均一な状態とされていないと、トナー粒子表面に露出する離型剤の割合が多くなり、トナーの流動性が低下し、また、耐久性も悪化する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、小粒径であり、且つ、流動性、耐久性に優れたトナーを得ることを課題とする。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナーであって、前記トナーは、トナーの重量平均粒径D4と、トナー中におけるワックスの平均分散粒径Dwが、(a)2≦D4≦4(μm)、(b)0.05≦Dw≦0.3(μm)、(c)Dw≦19×D4の関係を満たすトナーであり、前記トナーの粉砕性指数Fと、前記ワックスの平均分散粒径Dwが、下記式(1)、(2)の関係を満たし、
F≦−40×Dw+19・・・(1) F≦20×Dw+5・・・(2
記トナーは、前記離型剤の100℃における粘度Gwは、3〜10(mm/s)であり、前記結着樹脂の130℃における粘度Gr(Pa・s)と、前記離型剤の100℃における粘度Gw(mm/s)が、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする。
(Gr/1000)−5≦Gw≦(Gr/1000)+2・・・(3
た、前記トナーは、前記離型剤の添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜8重量部であることが好ましい。
また、前記トナーは、少なくとも前記結着樹脂と前記ワックスと前記着色剤を含むトナー組成物を混練した後、粉砕して得られることが好ましい。
た、前記トナーは、重量平均粒径が2.0〜4.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。
た、本発明の現像剤は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、磁性キャリアと前記トナーとからなる二成分現像剤であることが好ましい。
本発明によれば、耐ホットオフセット性に優れ、小粒径であり、且つ、流動性、耐久性に優れたトナー及び現像剤を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るトナーは、少なくとも結着樹脂と離型剤を含むトナー構成材料を、溶融混練した後、粉砕して得られる。
従来、結着樹脂と離型剤を含むトナー組成物を溶融混練した後、粉砕して得られるトナーにおいては、離型剤の平均分散径の微細化が十分に達成されていなかったため、トナーの平均粒子径を小さくするにつれ、この粒子表面に離型剤が露出する割合が増加し、トナーの流動性が低下したり、更に、トナー粒子から遊離した離型剤が、キャリアや像担持体上に付着する、キャリアスペントの現象が発生していた。
本発明者は、上記トナー構成材料を溶融混練して得られる母体トナーの、粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散粒径Dwとが、一定の関係を満たしていることにより、この母体トナーを、樹脂部分において均一に且つ微細に粉砕することが可能となり、平均粒径、及び離型剤の平均分散径が、所望の範囲にあり、且つ、粒子表面に露出する離型剤の割合が極めて少ないトナーが得られることを見出した。
これにより、流動性に優れるとともに、安定した帯電性が維持され、耐久性に優れたトナーとすることができる。
トナーの粉砕性指数Fは、トナーの主成分である結着樹脂の硬さを示す指標であり、この指数が大きいほど、トナー粒子は硬く粉砕が困難であることを示しており、この指数が小さいほど、トナー粒子はもろく、粉砕が容易であることを示している。
トナーの粉砕性指数は、以下の方法により測定することができる。
樹脂200kgを110℃に加熱された小型二本ロール(ニシムラ社製)で15分間混練後、ホソカワミクロン製のロートプレックスに投入し、5分間粗粉砕された樹脂粗粒子を篩いにかけ、16メッシュを通過し20メッシュを通過しない樹脂粉体を得る。
この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、ミル&ミキサー MM−I型((株)日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュの篩いにかけ、通過しない樹脂の重量(R)gを精秤し、次式(I)により、Rの値から残存率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値を粉砕性指数とする。
(数1)
粉砕性指数F=((R)g/粉砕前の樹脂重量(10.00g))×100
・・・・ (I)
更に、トナーの粉砕状態は、結着樹脂自身の特性に由来するトナーの粉砕性指数Fと共に、結着樹脂中に分散されている離型剤の平均分散径Dwにより変動する。
図1は、本発明に係るトナーの粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散径Dwとの関係を示す図である。
図1のグラフにおいて、(イ)の領域は、下記式(1)の領域を表しており、(ロ)の領域は、下記式(2)の領域を表している。
本発明に係るトナーは、下記式(1)、(2)の関係を共に満たしている。図1中、Aで示される領域が、本発明のトナーが満たす領域である。
式(1)の関係を満たすことにより、母体トナーが、結着樹脂の領域において均一に粉砕される状態が保たれる。また更に、下記式(2)の関係を満たすことにより、母体トナーを微細に粉砕し、小粒径のトナーを得ることが可能となる。
(数2)
F≦−40×Dw+19 ・・・(1)
(数3)
F≦20×Dw+5 ・・・(2)
離型剤は、結着樹脂と比較して、硬度が低く脆いため、母体トナー中の離型剤の平均分散径Dwが大きくなるに従い、粉砕時に、離型剤の内部や、離型剤と結着樹脂との界面において、破砕が発生する割合が増加する。このため、平均分散径Dwが増加するほど、母体トナーが、結着樹脂の領域において、均一に粉砕されることが困難となる。
図1に示されるグラフ中、(イ)で示される範囲は、母体トナーが、結着樹脂の部分において、均一に粉砕される状態が確保される範囲を示している。
(イ)で示される範囲においては、離型剤の平均分散径Dwが大きくなるに従い、トナーの粉砕性指数Fの上限値が低減されて、トナー粒子中における結着樹脂部分の粉砕性が向上している。
トナーの粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散径Dwとが、上記式(1)で表される、領域(イ)の範囲にある母体トナーを粉砕することにより、粒子表面に露出する離型剤量が少なく、分散状態が良好なトナーが得られる。
ところで、母体トナー中に分散している離型剤は、粉砕の核としての機能も併せ持っているため、平均分散径Dwが大きいほどトナーの粉砕性が向上し、粉砕後に得られるトナーをより小粒径とすることが可能となる。
このため、離型剤の分散状態が極めて良好であり、平均分散径の値が小さくなると、トナー粒子中では、結着樹脂と離型剤とが相溶した状態に近くなり、粉砕に要するエネルギーが大きくなる。これにより、トナー組成物の粉砕性が損なわれて、トナーの小粒径化が困難となる。
トナーの粉砕性指数Fと離型剤の平均分散径Dwとが、(イ)で示される範囲と共に、(ロ)の範囲の関係を満たしているトナーを粉砕することにより、このトナーを均一に、且つ小粒径に粉砕することができる。
上述の関係を満たすトナーは、離型剤の粘度と結着樹脂の粘度が、一定の範囲を満たしているものを、溶融混練することにより得られる。
図2は、本発明に係るトナーの130℃での結着樹脂の粘度Grと、100℃での離型剤の粘度Gwとの関係を示す図である。図2中、領域(B)が、本発明に係るトナーの満たす範囲である。
離型剤の粘度と、結着樹脂の粘度が、領域(B)の範囲を満たしているものを溶融混練することにより、結着樹脂中への離型剤の分散状態が適正に制御され、離型剤が均一に分散される。このため、溶融混練後に得られる母体トナーを、平均分散径Dwが所望の範囲にあり、且つ、トナーの粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散径Dwとが、上記式(1)、式(2)の関係を満たすものとすることができる。
次に、本発明の構成を、更に詳細に説明する。
本発明に係るトナーは、重量平均粒径D4が2〜4μm、離型剤の平均分散径Dwが0.05〜0.3μm、重量平均粒径D4と離型剤の平均分散径Dwが、Dw≦0.075×D4の関係を満たすトナーにおいて、粉砕性指数Fと離型剤の平均分散粒径Dwが、F≦−40×Dw+19、且つF≦20×Dw+5の関係を満たしている。
トナーの粉砕性指数Fが、離型剤の平均分散径Dwに対し、−40×Dw+19の値を超えていると、離型剤内部や、離型剤と結着樹脂との界面における破砕が生じやすくなり、トナー組成物を、結着樹脂の部分で均一に粉砕することが困難となる。
即ち、トナーの粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散径Dwとが、図1中、(イ)で示される領域の範囲外にある場合には、粉砕時に、離型剤内部や、離型剤と結着樹脂との界面における破砕が生じる割合が増加して、トナー粒子表面に露出する離型剤の量が多くなる。この場合には、重量平均粒径D4及び離型剤の平均分散径Dwが、上記の所望の関係を満たしていても、粒子表面に露出する離型剤の量が多くなり、トナーの流動性が損なわれると共に、この露出した離型剤が、トナー粒子から離脱してキャリア表面に付着するスペント現象が起こりやすくなる。表面に離型剤が付着したキャリアの割合が多くなると、現像剤としての帯電性が低下して、画像上における地肌汚れやトナー飛散等の異常画像が発生しやすくなり、また現像されるトナー量が低下することによる、画像濃度の低下が起こりやすくなる。
一方、トナーの粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散粒径Dwが、F≦−40×Dw+19の関係を満たしていても、この粉砕性指数Fの値が、ワックスの平均分散粒径Dwに対し、20×Dw+5を超えていると、トナー組成物の粉砕性が損なわれて、小粒径のトナーを得ることが困難となる。
また、トナーの重量平均粒径D4は、2〜4μmである。
トナーの重量平均粒径が4μmを超えると、微少スポットの解像度が十分でなく、非画像部への飛び散りも多く、画像品位が劣る傾向となる。
一方、重量平均粒径D4が、2μm未満では、長期に使用した場合の、トナー飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度の低下、感光体クリーニング不良といった問題が生じ易いうえ、生産性が劣るため、コストが高くなるという問題がある。
また、トナー粒子中における離型剤の平均分散径Dwは、0.05〜0.3μmである。
離型剤の平均分散径Dwが、0.3μmを超えると、トナー粒子表面における離型剤の露出面積が増加して、トナーの流動性が悪化し、更に現像装置内部のキャリアや潜像担持体に付着するスペント現象が起こり易くなる。
一方、離型剤の平均分散径Dwが0.05未満であると、耐ホットオフセット性を得るために十分な離型性を得ることが困難となる。
また更に、トナー粒子中における離型剤の平均分散径Dwは、トナーの重量平均粒径D4に対して、0.075×D4以下である。
離型剤の平均分散径Dwが、トナーの重量平均粒径D4に対して、0.075×D4を超える値であると、トナー粒子表面に露出する離型剤の割合が増加して、トナーの流動性が悪化し、更に現像機内部のキャリアや潜像担持体に付着するスペント現象が起こり易くなる。
トナー粒子中におけるワックスの平均分散径Dwが、0.075×D4以下の範囲にあることで、重量平均粒径D4が、2〜4μmの範囲の小粒径トナーにおいても、トナー粒子表面に露出する離型剤の割合が少なく、流動性、耐久性に優れた状態が得られるため、好ましい。
また、離型剤の100℃における粘度Gwは、3〜10(mm/s)であることが望ましく、また、結着樹脂の130℃における粘度Gr(Pa・s)と、離型剤の100℃における粘度Gw(mm/s)が、下記式(3)の関係を満たすことがよい。
(数4)
(Gr/1000)−5≦Gw≦(Gr/1000)+2 ・・・(3)
離型剤の100℃における粘度Gw(mm/s)と、結着樹脂の130℃における粘度Gr(Pa・s)が、上述の関係を満たしていることで、溶融混練後、トナーの粉砕性指数Fと、離型剤の平均分散径Dwが、上記式(1)、(2)の関係を満たしたトナーが得られる。
離型剤の100℃における粘度Gw(mm/s)と、結着樹脂の130℃における粘度Gr(Pa・s)が、上述の関係を満たしていないと、溶融混練後に得られるトナーにおいて、離型剤の平均分散径が所望の範囲外となったり、トナーの粉砕性指数Fと離型剤の平均分散径Dwとのバランスが損なわれて、粉砕時に、離型剤と結着樹脂の界面における破砕が生じる割合が増加したり、逆にトナー全体の粉砕性が悪化して、所望の粒径を有するトナーが得られない等の現象が発生するため、好ましくない。
結着樹脂及び離型剤の、各温度における粘度の測定方法については、下記実施例において詳述する。
また、離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜8重量部であることが望ましい。
1重量部未満では、耐オフセット性を向上するための離型性が得られ難い。
また、8重量部を超えると離型剤を目的の状態にまで分散することが難しく、更に総量が多くなることにより流動性が悪化するという問題が生じるようになる。
本発明のトナーには、離型剤としてワックスを使用することができ、このワックスは、GPCで測定されるメインピーク(Mp)が1000〜2500であることが好ましい。
Mpが1000未満の場合、トナー粒子におけるワックスの分散粒径が小さくなりすぎ、耐ブロッキング性も悪化する。
2500を超える場合は、分散粒径が大きくなりすぎ、トナー中に遊離したワックスを大量に含有することになり、感光体上のトナーのクリーニングが十分にできずに残存し、画像欠陥になる場合がある。
本発明のトナー中に含有されるワックスのメインピーク(Mp)は、GPCより得られるクロマトグラムにおいて、そのワックスのピーク強度の一番大きなピーク分子量のことである。
ワックスの分子量分布の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、以下の条件で測定した。
測定装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては10種の分子量の単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
また、ワックスの重量平均分子量 (Mw)と数平均分子量 (Mn)との比(Mw/Mn)は1.1〜1.8であることが好ましい。
Mw/Mnが1.8を超える場合には、ワックスの分散粒径を制御することが困難であり好ましくない。
本発明のトナーにおいて、種類の異なる2種以上のワックスを含有していても良い。
異なる2種以上のワックスを含有する場合には、GPCで測定される分子量分布において、少なくとも一種のワックスのMpが、1000〜2500、Mw/Mnが1.1〜1.8であれば良いが、好ましくはそれぞれのワックスのMpが1000〜2500、Mw/Mnが1.1〜1.8となる場合である。
もし、いずれのワックスもMpが1000〜2500、Mw/Mnが1.1〜1.8の範囲を超える場合は、トナー粒子内のワックスの分散粒径分布が広くなり、制御することが困難であり好ましくない。
本発明のトナーに含有される離型剤は、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成ワックスの類の他、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物系ワックス類;みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系ワックス類を使用することができ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用される。
なかでも、エステル結合を有するエステル系ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス及びモンタンワックス等を使用するのが好ましい。更にエステル系ワックスのなかでもカルナウバワックスを使用するのが非常に好ましい。
また、トナーは、重量平均粒径が2.0〜4.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。
このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも重量平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの重量平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、D4/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布の測定方法は、下記実施例において詳述する。
トナーの1.0μm以下の微粒子含有率は、10個数%以下であることが好ましい。
流動性に影響する、比表面積の大きな1.0μm以下の粒子を、10個数%以下にすることにより、離型剤の分散の効果と合わせて、更に流動性、耐久性が向上するため好ましい。
(結着樹脂)
本発明のトナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤と帯電制御剤とから構成される。本発明のトナーで使用される結着樹脂としては従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものは全てが適用される。具体的にはポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビ
ニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用される。
(着色剤)
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の添加量は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(溶融混練法)
本発明に係るトナーを作製する方法の一例としては、まず、前述した結着樹脂、着色剤としての顔料または染料、離型剤、荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ、KCK社混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練する。このとき、比エネルギーを増加する方法として、混練処理量を低下する方法や、混練機設定温度を低くし、混練物を高粘度状態で混練する方法を用いる。
次に、混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級し、本発明のトナーを得る。
この他に、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法等の各種重合法やマイクロカプセル重合法、スプレードライ法等の公知の製造方法により製造することもできる。
ついで、無機微粉体と該トナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、ついで250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーとする方法がある。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して用いる二成分現像剤用トナーとして、また磁性キャリアを使用しない一成分現像剤用トナーとして使用可能である。
本発明のトナーと組み合わせて使用する磁性キャリアとしては、従来より二成分現像剤用のキャリアとして公知のものを使用することができ、例えば、鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散して成るバインダー型キャリア等を使用することができる。これらのキャリアの中でも、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアを使用することがトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から好ましい。上記ビニル系単量体としてはイソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体を使用する必要がある。また、磁性キャリアの体積平均粒径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記において「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
以下に本発明のトナーの製造に用いた結着樹脂の合成例を示す。
[ポリエステル樹脂1の合成例]
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、ポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1のTg65℃、ピーク分子量16000であった。ポリエステル樹脂1の粉砕性指数は、8.8であった。
[ポリエステル樹脂2の合成例]
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのEO付加物(水酸基価 340)750部、テレプタル酸250部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が6になるまで反応させた後、反応物を取り出し急冷し、ポリエステル樹脂2を得た。ポリエステル樹脂2のTgは70℃、ピーク分子量は20500であった。ポリエステル樹脂2の粉砕性指数は、10.5であった。
[スチレンアクリル系樹脂1の合成例]
温度計、攪拌機、窒素導入管の付いたオートクレーブ反応槽中にキシレン646部をいれ、窒素置換後、アクリロニトリル200部、スチレン689部、アクリル酸−2エチルヘキシル114部の混合モノマーと、キシレン118部、ジ−t−ブチルパーオキサイド52部の開始剤溶液を170℃で、3時間で滴下し、脱溶剤することにより、スリレンアクリル系樹脂1を得た。スチレンアクリル系樹脂1の重量平均分子量は4,700、数平均分子量は2,300、Tgは55℃であった。スチレンアクリル系樹脂1の粉砕性指数は、2.1であった。
[ハイブリッド樹脂1の合成例]
スチレン332g、アクリル酸2−エチルヘキシル83g、アクリル酸(両反応性化合物)8g及びジクミルパーオキサイド(重合開始剤)42gの混合物を、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物700g、テレフタル酸166g、イソドデセニル無水コハク酸107g及びトリメリット酸115g、酸化ジブチル錫(エステル化触媒)20g窒素雰囲気下、160℃で1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま、さらに2時間反応後、230℃に昇温し、さらに減圧下で反応させて、ハイブリッド樹脂1を得た。ハイブリッド樹脂1の軟化点は143.2℃、ガラス転移点は65.5℃、酸価は26.2mgKOH/g、THF不溶分は23.2%であった。ハイブリッド樹脂1の粉砕性指数は、7.1であった。
[ハイブリッド樹脂2の合成例]
縮重合系樹脂の原料モノマーとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1225g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン485g、テレフタル酸345g、イソドデセニルコハク酸250g及びエステル化触媒として酸化ジブチル錫5gを窒素雰囲気下、230℃で6時間縮重合させた後、160℃まで冷却した。反応容器に、トリメリット酸175gを添加した後、付加重合系樹脂の原料モノマーとしてスチレン476g、アクリル酸2−エチルヘキシル105g、両反応性化合物としてアクリル酸35g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド25gの混合物を、160℃で攪拌しながら1時間かけて滴下し、さらに1時間同温度を保持して付加重合反応を行った後、200℃に昇温し、縮重合反応を行った。ASTM E28−67により測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ハイブリッド樹脂2を得た。ハイブリッド樹脂2のTgは58℃、酸価は22.5mgKOH/gであった。ハイブリッド樹脂2の粉砕性指数は、4.8であった。
[水添石油樹脂1の合成例]
窒素で置換した攪拌機付き1リットルオートクレーブ内にキシレン154gを入れ、230℃まで加熱して攪拌しながら、ジシクロペンタジエン269gとスチレン269gとの混合物を2時間にわたって添加した。その後、105分かけて反応液を260℃まで昇温後、4時間反応させた。反応終了後、反応生成液を取り出し、ロータリーエバポレーターを用いて、温度200℃,圧力10mmHgで3時間処理し、未反応モノマーとキシレンを除去して、ジシクロペンタジエンとスチレンとの共重合体510gを得た。この樹脂Aの軟化点は115℃、芳香環含有量(スチレン基準)43重量%、臭素価54g/100gであった。
更に、窒素で置換した攪拌機付きの300ミリリットルオートクレーブ内にシクロヘキサン75g、樹脂A75g、0.5重量%のパラジウム担持シリカ・アルミナ触媒4.0gを仕込み、水素圧力4MPa、温度150℃で2時間水素添加反応を行った。反応物を冷却後取り出し、ろ過して触媒を除去したのち、蒸留により溶剤を除去して、水添石油樹脂1を得た。水添石油樹脂1の軟化点は120℃、芳香環含有量(スチレン基準)は43重量%、臭素価は14g/100g、エチレン性二重結合の水添率は74%、芳香環水添率は0%であった。水添石油樹脂1の粉砕性指数は、0.5であった。
以下に、本発明に係るトナーの製造に用いたマスターバッチの合成例を示す。
水 ・・・ 25部
カーボンブラック(三菱化学製 #C−44) ・・・・ 50部
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのPO,EO付加物とテレフタル酸からなり、Tg60℃、Mw25000、Mp115℃の線状ポリエステル) ・・・・ 50部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕しマスターバッチ1を得た。
カーボンブラックの代わりに、着色剤を以下のものに変えた以外は同様に他色のマスターバッチを作成した。
イエロー色着色剤:ベンズイミダゾロン系顔料
(Pigment Yellow180、クラリアント社製 Novoperm Yellow P−HG)
マゼンタ色着色剤:キナクリドン顔料
(Pigment Red146、147、クラリアント社製 Permanent Rubine F6B )
シアン色着色剤: 銅フタロシアニン顔料
(Pigment Blue15:3、東洋 インキ社製 リオノールブルー7351)
(実施例1)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 47.5重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・・ 47.5重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:120) ・・・・5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナー1]を得た。
更に、[母体トナー1]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[トナー母体粒子1]を得た。
その後、[トナー母体粒子1]100重量部、外添剤として一次粒径10nmの疎水性シリカ(外添剤A)1.0重量部、ゾルゲル法で製造した一次粒径110nm、ほぼ真球のヘキサメチルジシラザン疎水化処理シリカ(外添剤B)1.5重量部と、一次粒径15nmの疎水性酸化チタン(外添剤C)1.0部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)にて混合してトナーを得た。
混合条件は、周速30m/secで、30秒回転、60秒回転停止、のセットを5回繰り返して混合した。
ここで得られたトナーを[トナー1]とする。
[トナー1]の重量平均粒径(D4)は3.8μm、個数平均粒径(Dn)は3.1μmであった。また、[トナー1]のワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.28μmであった。
(実施例2)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 75重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・・ 20重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:140) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、更に、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー2]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー2]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子2]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子2]と外添剤を混合し、[トナー2]を得た。
[トナー2]の重量平均粒径(D4)は3.0μm、個数平均粒径(Dn)は2.4μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.24μmであった。
(実施例3)
ポリエステル樹脂1 ・・・ 65重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・ 30重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:130) ・・・ 6重量部
マスターバッチ1 ・・・ 10重量部
上記構成材料をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー3]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー3]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子3]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子3]と外添剤を混合し、[トナー3]を得た。
[トナー3]の重量平均粒径(D4)は2.3μm、個数平均粒径(Dn)は1.8μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.20μmであった。
(実施例4)
ハイブリッド樹脂1 ・・・・ 95重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:155) ・・・・ 4重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー4]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー4]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子4]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子4]と外添剤を混合し、[トナー4]を得た。
[トナー4]の重量平均粒径(D4)は3.7μm、個数平均粒径(Dn)は2.9μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.14μmであった。
(実施例5)
ハイブリッド樹脂2 ・・・・ 95重量部
マイクロクリスタリンワックス(日本精鑞製:Hi−MiC2065
・・・・ 重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー5]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー5]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子5]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子5]と外添剤を混合し、[トナー5]を得た。
[トナー5]の重量平均粒径(D4)は2.3μm、個数平均粒径(Dn)は1.9μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.07μmであった。
(実施例6)
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 47.5重量部
水添石油樹脂1 ・・・・・ 47.5重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:120) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー6]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー6]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子6]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子6]と外添剤を混合し、[トナー6]を得た。
[トナー6]の重量平均粒径(D4)は3.4μm、個数平均粒径(Dn)は2.6μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.20μmであった。
(実施例7)
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 70重量部
水添石油樹脂1 ・・・・ 25重量部
フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞製:FT−0070) ・・・・6重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー7]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー7]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子7]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子7]と外添剤を混合し、[トナー7]を得た。
[トナー7]の重量平均粒径(D4)は3.8μm、個数平均粒径(Dn)は3.0μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.27μmであった。
(比較例1)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 95重量部
マイクロクリスタリンワックス(日本精鑞製:Hi−MiC2065)・・・6重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー8]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー8]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子8]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子8]と外添剤を混合し、[トナー8]を得た。
[トナー8]の重量平均粒径(D4)は4.3μm、個数平均粒径(Dn)は3.5μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.17μmであった。
(比較例2)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 95重量部
フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞製:FT−0070) ・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー9]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー9]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子9]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子9]と外添剤を混合し、[トナー9]を得た。
[トナー9]の重量平均粒径(D4)は3.7μm、個数平均粒径(Dn)は2.1μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.30μmであった。
(比較例3)
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 95重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:120) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー10]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー10]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子10]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子10]と外添剤を混合し、[トナー10]を得た。
[トナー10]の重量平均粒径(D4)は3.0μm、個数平均粒径(Dn)は1.8μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.24μmであった。
(比較例4)
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 80重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・・ 15重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:120) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー11]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー11]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子11]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子11]と外添剤を混合し、[トナー11]を得た。
[トナー11]の重量平均粒径(D4)は2.5μm、個数平均粒径(Dn)は1.6μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.21μmであった。
(比較例5)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 80重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・・ 15重量部
マイクロクリスタリンワックス
(日本精鑞製:Hi−MiC1080) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー12]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー12]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子12]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子12]と外添剤を混合し、[トナー12]を得た。
[トナー12]の重量平均粒径(D4)は2.5μm、個数平均粒径(Dn)は1.6μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.21μmであった。
(比較例6)
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 25重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・・ 70重量部
マイクロクリスタリンワックス(日本精鑞製:Hi−MiC1080)・・・5重量
スターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー13]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー13]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子13]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子13]と外添剤を混合し、[トナー13]を得た。
[トナー13]の重量平均粒径(D4)は3.0μm、個数平均粒径(Dn)は2.2μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.10μmであった。
(比較例7)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 47.5重量部
スチレンアクリル樹脂1 ・・・・ 47.5重量部
パラフィンワックス(日本精鑞製:115) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー14]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー14]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子14]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子14]と外添剤を混合し、[トナー14]を得た。
[トナー14]の重量平均粒径(D4)は4.0μm、個数平均粒径(Dn)は3.2μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.33μmであった。
(比較例8)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 47.5重量部
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 47.5重量部
マイクロクリスタリンワックス
(日本精鑞製:Hi−MiC2065) ・・・・ 5重量部
マスターバッチ1 ・・・・ 10重量部
上記トナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、実施例1と同じ条件にて混練を行い、[母体トナー15]を得た。
その後、実施例1と同様の方法により、[母体トナー15]を微粉砕、分級して、[トナー母体粒子15]を得た後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子15]と外添剤を混合し、[トナー15]を得た。
[トナー15]の重量平均粒径(D4)は3.3μm、個数平均粒径(Dn)は2.2μmであった。また、本トナーのワックスの平均分散粒径(Dw)は、0.27μmであった。
表1に、上述した[トナー1]〜[トナー15]の結着樹脂の組成及び特性を示し、表2に、上記トナーの粒径及び粉砕性指数と、各トナー中に含まれるワックスの特性及び平均分散径を示す。
評価項目及び評価方法は以下の通りである。
[評価項目]
(1)トナーの重量平均粒径D4、個数平均粒径Dn
トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II(コールター社製)を用いた。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして22μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、1.26〜1.59μm未満;1.59〜2.00μm未満;2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満の12チャンネルを使用し、粒径1.26μm以上乃至20.20μm未満の粒子を対象とする。
(2)トナーの粉砕性指数
樹脂200kgを110℃に加熱された小型二本ロール(ニシムラ社製)で15分間混練後、ホソカワミクロン製のロートプレックスに投入し、5分間粗粉砕された樹脂粗粒子を篩いにかけ、16メッシュを通過し20メッシュを通過しない樹脂粉体を得る。
この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、ミル&ミキサー MM−I型((株)日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュの篩いにかけ、通過しない樹脂の重量(R)gを精秤し、下式(I)により、Rの値から残存率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値を粉砕性指数とする。
粉砕性指数F=((R)g/粉砕前の樹脂重量(10.00g))×100 ・・・(I)
(3)ワックスの平均分散粒径
本実施例では、ワックスの最大方向の粒径をもってワックス分散径とした。
具体的には、トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10000倍でトナーの断面観察を行い、写真撮影し、この写真20点(20個のトナー)を画像評価することにより、ワックスの分散状態を観察し分散径を測定した。なお、不定形の場合は、最長径と最短径の平均値とした。
(4)ワックスの粘度
ワックスの粘度Gwは回転粘度計を用いて測定される。
粘度計としては、VT−500(HAAKE社製)を使用し、下記条件において測定される値を溶融粘度とした。
測定温度:100℃
試料:10〜50mg
使用コーン(円錐体):HAAKE PK1;0.5
応力: 1/6000sec
(5)結着樹脂の粘度
結着樹脂の粘度Grは、フローテスター(島津製作所製CFT−500型)を用い、荷重10kg/cm、オリフィス径1mm×長さ1mm、昇温速度5℃/分で130℃の時点での粘度を読み取る方法を採用した。
Figure 0004827720
Figure 0004827720
表2中に示した、実施例1〜7及び比較例1〜8のトナーのワックス平均分散径Dwと粉砕性指数Fの値を、実施例1〜7のトナーについては「○」、比較例1〜8のトナーについては「×」で、図1のグラフ中にプロットして示す。
また、実施例1〜7及び比較例1〜8のトナーの、130℃における結着樹脂の粘度Gr(表1参照。)と、100℃における離型剤の粘度Gw(表2参照。)の値を、実施例1〜7のトナーについては「○」、比較例1〜8のトナーについては「×」で、図2のグラフ中にプロットして示す。
次に、上記トナー7wt%と、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリア93wt%をターブラーミキサーで10分混合し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの二成分現像剤を作成した。
得られた二成分現像剤を用いて、リコー社製ImagioNeoC285にて現像を行い、リコー社製タイプ6200紙にプリントされた画像の定着特性(定着下限温度、定着上限温度)を評価した。更に画像面積率が各色5%のプリントを10万枚行い、リコー製タイプ6200にプリントされた画像品質(画像濃度、地肌汚れ濃度)と、現像剤マッチング品質(現像剤帯電量、現像剤トナー濃度)を評価した。評価方法及び評価基準は、以下の通りである。
[評価項目]
<凝集度>
パウダテスター(PT−N型、ホソカワミクロン社製)を用いて測定を行った。具体的には、トナー2.0gを、目開き150μm、75μm、45μmの篩(平織金網、規格JIS Z 8801−1)を振幅1mm、振動時間30秒の振動条件下で通過させて測定した。振動後のそれぞれの篩上の残トナー量を測定して、下記式(4)を用いて算出した。
凝集度(%)=(X+0.6×Y+0.2×Z)/2.0×100 ・・・(4)
(但し、X:目開き150μmの篩上のトナー残量(g)、Y:目開き75μmの篩上のトナー残量(g)、Z:目開き45μmの篩上のトナー残量(g))
本実施例においては、凝集度を流動性を示す指標として用いている。
上記の方法により得られる凝集度が、20%以下であると、トナーとして必要とされる流動性を示すことができる。
また、凝集度が15%以下であると、トナーとして十分な流動性を示すことができる。
<画像濃度>
マクベス濃度計にて、単色ベタ部の濃度を5点計測し、この計測値を平均して画像濃度とした。
<地肌汚れ濃度>
現像時に、感光体上の非画像部に対応した部分の濃度を測定した。プリンタックを感光体に接着・剥離した後、リコー製タイプ6200紙(白紙)に接着させてマクベス濃度計にて5点の濃度を測定して平均値を算出し、この平均値からプリンタックのみ白紙に接着させた濃度を差し引いた値を地肌汚れ濃度とした。
<現像剤帯電量、トナー濃度>
帯電量の測定は、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社)を用い、目開き635メッシュをセットした測定用ゲージに入れ、30秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、該電荷量Q(μC)と質量M(g)から、現像剤帯電量Q/M(μC/g)とトナー濃度TC(wt%)を求める。
上記の方法により得られた帯電量の値が、30〜50μC/gの範囲内であると、定着後の画像上における異常画像の発生が抑えられるとともに、得られる画像の濃度低下も抑えられ、現像装置において安定した現像特性を得ることができる。
<定着下限温度、定着上限温度>
ImagioNeoC285(リコー社製)に装着された定着装置のベルトの表面温度を130〜210℃までの範囲で5℃ごとに変化させ、トナー付着量が0.50±0.03mg/cmとなるようにベタ画像のプリントを行い、定着特性の評価を行った。
定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、定着上限温度は、オフセットの発生しない上限の温度とした。
表3に、トナーの評価結果を示す。
なお、表3には、各色の代表としてシアントナーの評価結果を示した。
Figure 0004827720
表3から明らかなように、本発明に係るトナーは、流動性に優れるとともに、経時での使用においても現像剤としての帯電性が安定した状態に維持され、画像濃度の低下や地肌汚れ等の異常画像の発生のない、高品質な画像が得られた。
一方、比較例1〜8のトナーは、定着性には優れるものの、流動性が悪化し、また経時での使用により現像剤としての帯電量が低下し、10万枚プリント後の定着画像において画像濃度の低下や地肌汚れの発生がみられ、画像品質に劣る結果となった。
本発明に係るトナーの粉砕性指数Fと離型剤の平均分散径Dwとの関係を示す図である。 本発明に係るトナーの、130℃での結着樹脂の粘度Grと、100℃での離型剤の粘度Gwとの関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナーにおいて、
    前記トナーは、トナーの重量平均粒径D4と、トナー中における離型剤の平均分散粒径Dwが、
    (a)2≦D4≦4(μm)
    (b)0.05≦Dw≦0.3(μm
    関係を満たすトナーであり、
    前記トナーの粉砕性指数Fと、前記離型剤の平均分散粒径Dwが、下記式(1)、(2)の関係を満たし、
    F≦−40×Dw+19・・・(1) F≦20×Dw+5・・・(2)
    前記離型剤の100℃における粘度Gwは、3〜10(mm /s)であり、
    前記結着樹脂の130℃における粘度Gr(Pa・s)と、前記離型剤の100℃における粘度Gw(mm /s)が、下記式(3)の関係を満たす
    ことを特徴とするトナー。
    (Gr/1000)−5≦Gw≦(Gr/1000)+2・・・(3)
  2. 請求項1に記載のトナーにおいて、
    前記離型剤の添加量は、前記結着樹脂100重量部に対して1〜8重量部である
    ことを特徴とするトナー。
  3. 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、少なくとも前記結着樹脂と、前記離型剤と、着色剤を含むトナー組成物を混練した後、粉砕して得られる
    ことを特徴とするトナー。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、重量平均粒径が2.0〜4.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  5. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤において、
    前記現像剤は、磁性キャリアと請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーとからなる二成分現像剤である
    ことを特徴とする現像剤。
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