JP4866279B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明は、離型剤添加量に応じて製造条件を調整し、結果的に離型剤の分散径を制御することにより、離型剤の添加量が異なってもトナー表面の離型剤露出量を一定範囲内に制御したトナーを製造可能なトナーの製造方法を提供することを目的とする。
−10x+105≦F≦−10x+115 ・・・式(1)
−5x+85≦N≦−5x+95 ・・・式(2)
−10x+135≦T≦−10x+145 ・・・式(3)
17.5≦y≦25.0 ・・・式(4)
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を、混練機で溶融混練し、次いで粉砕分級した後、さらに無機微粒子を付着せしめてトナーを製造するトナーの製造方法において、前記離型剤の添加量x(質量部)は、前記結着樹脂100質量部に対して2〜8質量部であり、前記混練機は、バレルとスクリュとを有する臼式混練機であり、前記離型剤の添加量xと、前記バレルへの供給量F(Kg/h)と、前記バレルの温度T(℃)と、前記スクリュの回転数N(rpm)とを下記式(1)乃至(3)の全てを満たすように決定することで、前記離型剤のトナー表面露出量y(mg/g)が下記式(4)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法である。
−10x+105≦F≦−10x+115 ・・・式(1)
−5x+85≦N≦−5x+95 ・・・式(2)
−10x+135≦T≦−10x+145 ・・・式(3)
17.5≦y≦25.0 ・・・式(4)
(2)前記トナーの体積平均粒径が、6.0〜10.0(μm)であることを特徴とする上記(1)に記載のトナーの製造方法である。
(3)前記結着樹脂は、1種または2種以上の結着樹脂からなり、前記離型剤は、少なくとも1種の結着樹脂の内部に予め分散され、しかる後に溶融混練されることを特徴とする上記(1)に記載のトナーの製造方法である。
(4)前記トナーは、一成分現像法で用いることを特徴とする上記(1)に記載のトナーの製造方法である。
本発明のトナー製造方法は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を、混練機で溶融混練し、次いで粉砕分級した後、さらに無機微粒子を付着せしめてトナーを製造するトナーの製造方法において、前記離型剤の添加量x(質量部)は、前記結着樹脂100質量部に対して2〜8質量部であり、前記混練機は、バレルとスクリュとを有し、前記離型剤の添加量xと、前記バレルへの供給量F(Kg/h)と、前記バレルの温度T(℃)と、前記スクリュの回転数N(rpm)とを下記式(1)乃至(3)の全てを満たすように決定することで、前記離型剤のトナー表面露出量y(mg/g)が下記式(4)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法である。
−10x+105≦F≦−10x+115 ・・・式(1)
−5x+85≦N≦−5x+95 ・・・式(2)
−10x+135≦T≦−10x+145 ・・・式(3)
17.5≦y≦25.0 ・・・式(4)
−10x+105≦F≦−10x+115 ・・・式(1)
の関係を満たすことが好ましい。xがある一定値の時、Fが−10x+105より小さくなると、離型剤分散径が小さくなるため離型剤表面露出量yが17.5以下となり、十分な定着離型性を得ることができない。さらにFを小さくしていくと混練機内部を非混練物が十分に満たすことができず、安定的に溶融混練を行うことができない。逆にxがある一定値の時、Fが−10x+115より大きくなると、離型剤分散径が大きくなるため、離型剤表面露出量yが25.0以上になり、現像ローラと帯電付与部材の間に固着が発生してしまう。さらにFを大きくしていくと、混練機に十分に非混練物が噛み込むことができず、安定的に溶融混練を行うことができない。上記した好適な供給量F(Kg/h)と、離型剤添加量x(質量部)との関係を図1に示す。
−5x+85≦N≦−5x+95 ・・・式(2)
の関係を満たすことが好ましい。xがある一定値の時、Nが−5x+85より小さくなると、離型剤分散径が小さくなるため離型剤表面露出量yが17.5以下となり、十分な定着離型性を得ることができない。さらにNを小さくしていくと混練機のモータートルクの上昇や、混練機内に非混練物が停滞するなどの問題が生じ安定的に溶融混練を行うことができない。逆にxがある一定値の時、Nが−5x+95より大きくなると、非混練物がせん断力を受けることにより発する自己発熱量が大きくなり、一旦分散した離型剤同士が再度合一する、いわゆる再凝集の発生頻度が高くなり離型剤分散径が大きくなるため、離型剤表面露出量yが25.0以上になり、現像ローラと帯電付与部材の間に固着が発生してしまう。さらにNを大きくしていくと、より自己発熱量が増すとともに、結着樹脂の種骨格樹脂の分子切断頻度も飛躍的に高くなるため、粘度の著しい低下を招き、高温オフセット発生等定着性に対しても重大な影響を及ぼす。上記した好適なスクリュ回転数N(rpm)と、離型剤添加量x(質量部)との関係を図2に示す。さらに、上記した好適なスクリュ回転数N(rpm)と、供給量F(Kg/h)との関係を図3に示す。
−10x+135≦T≦−10x+145 ・・・式(3)
の関係を満たすことが好ましい。xがある一定値の時、Tが−10x+135より小さくなると、離型剤分散径が小さくなるため離型剤表面露出量yが17.5以下となり、十分な定着離型性を得ることができない。さらにTを小さくしていくと混練機のモータートルクの上昇や、非混練物が十分に溶融しない等の問題が生じるため、安定的に溶融混練を行うことができない。逆にxがある一定値の時、Tが−10x+145より大きくなると、非混練物がせん断力を受けることにより発する自己発熱量が大きくなり、再凝集の発生確率が飛躍的に増大し離型剤分散径が大きくなるため、離型剤表面露出量yが25.0以上になり、現像ローラと帯電付与部材の間に固着が発生してしまう。さらにTを大きくしていくと、結着樹脂の分解温度が近くなるため、種骨格樹脂の分子切断頻度も飛躍的に高くなるため、粘度の著しい低下を招き、高温オフセット発生等定着性に対しても重大な影響を及ぼす。上記した好適なバレル温度T(℃)と、離型剤添加量x(質量部)との関係を図4に示す。
さらに式1乃至3の全てを満たすことで得られるトナー表面露出量y(mg/g)について、離型剤添加量x(質量部)との関係を図5に示す。
本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂、着色剤、離型剤等の被処理物を溶融混練し、得られた混練物を冷却、粉砕及び分級して得られる。本発明のトナーの製造方法に好適に用いられる混練機としては、二軸押出機等の公知のものが利用できるが挙げられるが、外部砥石と内部砥石との間に被処理物を導入し、回転剪断力を付加して混練を行う臼式混練機(コロクドミル等)を用いることが特に好ましい。
トナーについては、画質への影響を考慮する上で、体積平均粒径において5〜12μm(コールター製マルチサイザーIII測定値)、好ましくは6〜10μmが好ましい。また記録媒体である用紙に形成されたトナー画像を定着する際に、離型剤は、混練時に混合しても構わないが、予め結着樹脂中に分散しておくことがより好ましい。本発明を構成するトナー粒子は、少なくとも第1結着樹脂、炭化水素系離型剤が内添されている第2結着樹脂、及び着色剤、荷電制御剤、外添剤を用いることが好ましい。
第1結着樹脂および第2結着樹脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知の結着樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製)))等であってよいが、オイルレス定着の観点から、第1結着樹脂および第2結着樹脂はいずれもポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
本発明に用いられる離型剤は後述の評価の必要もあり、n−ヘキサンに可溶な極性の低いものを選択することができるが、特に炭化水素系パラフィン離型剤であることが好ましい。パラフィン離型剤としては、例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素離型剤がよい。このような離型剤を用いることにより、上記に規定したトナー中での分散状態において、定着時に十分に離型剤が染み出し、優れた定着特性を発揮することができる。
本発明のトナーの製造方法には、離型剤の分散を助ける離型剤分散剤を含有させても良い。離型剤分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができ、離型剤との相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー、離型剤との相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー、エチレン・プロピレン・ブテン・スチレン・α−スチレンなどの不飽和炭化水素と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やそのエステルもしくはその無水物との共重合体、ビニル系樹脂とポリエステルとのブロック、もしくはグラフト体などが挙げられる。
トナー粒子の帯電量を制御する荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
着色剤としては下記の様な公知のものを用いることができる。カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチを用いることもできる。 マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、先にあげたポリエステル、ビニル系の樹脂のほかに、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン離型剤などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本発明では、トナー粒子の流動性や帯電性/現像性/転写性を補助するための外添剤として好ましくは1種以上の無機微粒子が用いられる。 無機微粒子のBET法による比表面積としては、30m2/g〜300m2/gであることが好ましく、1次粒子径として10nm〜50nmが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えば酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、酸化チタン、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(第1結着樹脂の作成)
ビニル系モノマーとして、スチレン600g、アクリル酸ブチル110g、アクリル酸30g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1230g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン290g、イソドデセニル無水コハク酸250g、テレフタル酸310g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸180g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、離型剤としてパラフィン離型剤(融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は4℃)を仕込モノマー100質量部に対して3.4質量部、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂H1を得た。樹脂軟化点は130℃であった。
ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2210g、テレフタル酸850g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.5gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂L1を得た。樹脂軟化点は115℃であった。
第1結着樹脂60質量部および第2結着樹脂40質量部(内添離型剤の質量を含む)に対して、C.I.Pigment Red 57−1を4質量部含有相当のマスターバッチヘンシェルミキサーで十分混合した。
臼式混練機(コロクドミル)を、供給量95Kg/h、スクリュ回転数85rpm、制御温度は、供給部(F)を10℃、バレル部(K1〜K4)を125℃、ベント部(V)、ダイス部(D)を100℃にそれぞれ設定して溶融混練を行った。得られた混練物を冷却プレスローラで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。
その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチックエ業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行い、体積平均粒径9.0μmの着色樹脂粒子1を得た。この着色樹脂粒子1 100質量部に対して無機微粒子であるキャボジル社製TS530を1.2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理しマゼンタトナー粒子1を得た。
着色樹脂粒子1、1gにn−ヘキサン7mLを加え、回転数120rpmで1minロールミルで攪拌する。攪拌後の溶液を吸引濾過し、濾液を真空乾燥して、表面より溶出した離型剤量を定量したところ、24.6mg/gであった。
株式会社リコー製Ipsio CX2500の定着部分のみを取り出し、定着ベルトの温度およびベルト線速度を所望の値になるように改造した定着試験装置を用い、ベルト線速度125mm/secに設定して、定着ベルトの温度を140℃から190℃の範囲で10℃刻みの温度で、先端余白3mmとした先端側から転写紙の定着を行った。転写紙が定着ベルトに巻きついたり、定着機の出口で蛇腹のようになって詰まったりすることない状態を分離可能とし、目視によるオフセット判断を加えて下記基準に基づき評価した。分離可能/非オフセット温度域が50℃以上であるものを○、50℃未満であるものを×として判定したところ、結果は良好であった。
リコー製Ipsio CX3000を用いて、印字率6%の所定のプリントパターンを、N/N環境下(23℃、45%)の2000枚連続複写後(耐久後)に現像器の現像ローラの状態および複写画像を目視により観察し、評価した。判定基準は、スリーブにスジ又はムラの発生がないものを○、発生があるものを×として判定した。結果は良好であった。
実施例2では、トナーの混練条件を供給量85Kg/h、スクリュ回転数75rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を115℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子2、マゼンタトナー粒子2を得た。その結果、離型剤表面露出量は17.8mg/g、定着分離性、ブレード固着はいずれも良好であった。
実施例4では、第1結着樹脂の離型剤添加量を仕込モノマー100質量部に対して14.2質量部に、トナーの混練条件を供給量35Kg/h、スクリュ回転数55rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を65℃に、ベント部(V)、ダイス部(D)の温度を90℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子3、マゼンタトナー粒子3を得た。その結果、離型剤表面露出量は23.7mg/g、定着分離性、ブレード固着はいずれも良好であった。
実施例4では、第1結着樹脂の離型剤添加量を仕込モノマー100質量部に対して14.2質量部に、トナーの混練条件を供給量25Kg/h、スクリュ回転数45rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を55℃に、ベント部(V)、ダイス部(D)の温度を90℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子4、マゼンタトナー粒子4を得た。その結果、離型剤表面露出量は20.5mg/g、定着分離性、ブレード固着はいずれも良好であった。
比較例1では、トナーの混練条件のうち供給量を100Kg/hにする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子101、マゼンタトナー粒子101を得た。その結果、離型剤表面露出量は28.0mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例2では、トナーの混練条件を供給量80Kg/h、スクリュ回転数75rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を115℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子102、マゼンタトナー粒子102を得た。その結果、離型剤表面露出量は15.4mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例3では、トナーの混練条件をスクリュ回転数90rpmにする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子103、マゼンタトナー粒子103を得た。その結果、離型剤表面露出量は26.7mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例4では、トナーの混練条件を供給量85Kg/h、スクリュ回転数70rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を115℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子104、マゼンタトナー粒子104を得た。その結果、離型剤表面露出量は14.8mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例5では、トナーの混練条件をスクリュ回転数75rpmにする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子105、マゼンタトナー粒子105を得た。その結果、離型剤表面露出量は16.2mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例6では、トナーの混練条件を供給量85Kg/h、バレル部(K1〜K4)の温度を115℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子106、マゼンタトナー粒子106を得た。その結果、離型剤表面露出量は25.9mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例7では、トナーの混練条件のうちバレル部(K1〜K4)の温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子107、マゼンタトナー粒子107を得た。その結果、離型剤表面露出量は27.0mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例8では、トナーの混練条件を供給量85Kg/h、スクリュ回転数75rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を110℃にする以外は実施例1と同様にして着色樹脂粒子102、マゼンタトナー粒子102を得た。その結果、離型剤表面露出量は15.9mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例9では、トナーの混練条件のうち供給量を40Kg/hにする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子109、マゼンタトナー粒子109を得た。その結果、離型剤表面露出量は26.1mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例10では、トナーの混練条件を供給量20Kg/h、スクリュ回転数45rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を55℃にする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子110、マゼンタトナー粒子110を得た。その結果、離型剤表面露出量は15.3mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例11では、トナーの混練条件のうちスクリュを回転数60rpmにする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子111、マゼンタトナー粒子111を得た。その結果、離型剤表面露出量は25.5mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例12では、トナーの混練条件を供給量25Kg/h、スクリュ回転数40rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を55℃にする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子112、マゼンタトナー粒子112を得た。その結果、離型剤表面露出量は16.0mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例13では、トナーの混練条件のうちスクリュ回転数を45rpmにする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子113、マゼンタトナー粒子113を得た。その結果、離型剤表面露出量は17.1mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
比較例14では、トナーの混練条件を供給量25Kg/h、バレル部(K1〜K4)の温度を55℃にする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子114、マゼンタトナー粒子114を得た。その結果、離型剤表面露出量は27.5mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例15では、トナーの混練条件のうちバレル部(K1〜K4)の温度を70℃にする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子115、マゼンタトナー粒子115を得た。その結果、離型剤表面露出量は28.3mg/gとなり、定着分離性は良好だったが、ブレード固着は発生した。
比較例16では、トナーの混練条件を供給量25Kg/h、スクリュ回転数45rpm、バレル部(K1〜K4)の温度を50℃にする以外は実施例3と同様にして着色樹脂粒子116、マゼンタトナー粒子116を得た。その結果、離型剤表面露出量は15.0mg/gとなり、ブレード固着は良好だったが、定着分離性は分離不良が発生した。
即ち、定着時に定着ローラとトナー層表面のニップ部に溶解、析出して離型効果に寄与しうる離型剤の量を常に均一に保つことが可能であり定着性に優れる。さらに、トナー表面に露出した離型剤が過剰に存在していて、トナーが現像ローラと帯電付与部材の間で摺擦される際にその一部が固着して画像ノイズとなる現象に対しては、露出量が一定範囲内にあることから、離型剤の添加量が増すほど離型剤分散径は小さくなり、トナー表面に露出している離型剤粒子の面積も増加せず、固着の発生を抑制しうるトナーを効率よく提供することが可能である。
12A 搬送スクリュ
12B 再度送り部
12C 搬送スクリュ
13 外部砥石
14 内部砥石
15 シリンダ
16 排出口
17 プレスローラ
Claims (4)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を、混練機で溶融混練し、次いで粉砕分級した後、さらに無機微粒子を付着せしめてトナーを製造するトナーの製造方法において、
前記離型剤の添加量x(質量部)は、前記結着樹脂100質量部に対して2〜8質量部であり、
前記混練機は、バレルとスクリュとを有する臼式混練機であり、
前記離型剤の添加量xと、前記バレルへの供給量F(Kg/h)と、前記バレルの温度T(℃)と、前記スクリュの回転数N(rpm)とを下記式(1)乃至(3)の全てを満たすように決定することで、前記離型剤のトナー表面露出量y(mg/g)が下記式(4)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
−10x+105≦F≦−10x+115 ・・・式(1)
−5x+85≦N≦−5x+95 ・・・式(2)
−10x+135≦T≦−10x+145 ・・・式(3)
17.5≦y≦25.0 ・・・式(4) - 前記トナーの体積平均粒径が、6.0〜10.0(μm)であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記結着樹脂は、1種または2種以上の結着樹脂からなり、
前記離型剤は、少なくとも1種の結着樹脂の内部に予め分散され、しかる後に溶融混練されることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。 - 前記トナーは、一成分現像法で用いることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
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