JP4827346B2 - ラバープレス成形法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静水圧加圧により生成形体を得るためのラバープレス成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、等方性組織の圧粉成形体を得るための成形手段としてラバープレス成形法が広く有用されている。この成形法は、微粉状の成形粉をラバーケースに充填した後、液媒体を介して全方向から均等な静水圧をかけて成形するものである。
【0003】
このようなラバープレス成形法として、例えば、特公平7−108477号公報に、塑性変形可能でかつスプリングバック量が少ない有機材料で構成された任意形状の成形物を、中子としてラバーケース内にセットした状態で静水圧加圧し、坩堝や円筒状の生成形体を得るラバープレス成形法が開示されている。
【0004】
上記公報に開示されたラバープレス成形法によると、静水圧加圧により生成形体を成形する際の降圧段階において発生するラバーケースのスプリングバック作用を、上記有機材料からなる成形物が緩和することができるため、成形される生成形体が大きな応力や界面摩擦力を受けることが殆どなく、上記生成形体に亀裂、破損などの成形不良を招くことを防止することができ、常に成形効率よく所望の生成形体を成形することができるものであった。
【0005】
しかしながら、上記公報に開示されたラバープレス成形法では、生成形体の原料である成形粉と、有機材料からなる任意形状の成形物とが直接接触するものであったため、上記成形物を構成する有機材料中に含まれる不純物や有機材料粒子等の異物が上記成形粉中に脱落、混入し、高純度の生成形体を成形することができないことがあった。
【0006】
このように高純度の生成形体を成形することができないと、例えば、上記成形粉が炭素質材料である場合、生成形体の成形後に行う焼成工程や黒鉛化工程において、上記成形粉中に紛れ込んだ不純物や有機材料粒子等の異物が燃焼除去されることで、製造するカーボン製品にピンホール等の欠陥が発生してしまい、欠陥のない製品を製造することが困難であった。
さらに、上記公報に開示されたラバープレス成形法では、ラバープレス中に、ラバーケースに対して上記成形物が移動することがあり、目的の形状の生成形体を得ることが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、成形過程で原料成形粉中に不純物や異物等が混入することがないため、高純度で欠陥がなく、確実に目的の形状の生成形体を成形することができるラバープレス成形法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明のラバープレス成形法は、ラバーケースに成形粉を充填して静水圧加圧を施すことにより、3次元形状の生成形体を作製するラバープレス成形法であって、
所定形状の樹脂成形物の大部分が上記ラバーケースの外側と接触するように上記樹脂成形物を上記ラバーケースにセットした状態で、上記ラバーケース内に上記成形粉を充填し、上記成形粉の静水圧加圧を行うことを特徴とする。
【0009】
また、第二の本発明のラバープレス成形法は、その下面の中央付近に凹部が形成され、成形対象となる生成形体に近似した形状の空間を有するラバーケースの上記凹部に、有底筒形状の発泡樹脂成形物をその開口部が下側を向いた状態で嵌合し、上記ラバーケース内に成形粉を充填した後、上記ラバーケースを静水圧加圧装置の液媒体内に配置し、上記発泡樹脂成形物の内部の空気を除去して、上記発泡樹脂成形物の内部に上記液媒体を充填し、上記成形粉の静水圧加圧を行うことを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、第一の本発明のラバープレス成形法について説明する。
第一の本発明のラバープレス成形法は、ラバーケースに成形粉を充填して静水圧加圧を施すことにより、3次元形状の生成形体を作製するラバープレス成形法であって、
所定形状の樹脂成形物の大部分が上記ラバーケースの外側と接触するように上記樹脂成形物を上記ラバーケースにセットした状態で、上記ラバーケース内に上記成形粉を充填し、上記成形粉の静水圧加圧を行うことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、上記「所定形状の樹脂成形物の大部分がラバーケースの外側と接触するように上記樹脂成形物を上記ラバーケースにセットした状態」とは、袋状で変形容易なラバーケースを破ることなく、上記ラバーケースの外側から内部に向けて所定形状の樹脂成形物をその一部が露出するように埋設し、上記ラバーケースの内部の空間を成形対象となる生成形体の形状に近似した形状に変形させた状態のことをいう。
即ち、第一の本発明のラバープレス成形法によると、その表面の少なくとも一部に樹脂成形物の外形と略同形状の凹部が形成された生成形体を作製することができる。
【0012】
以下、第一の本発明のラバープレス成形法を図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)は、第一の本発明のラバープレス成形法により3次元形状の生成形体を作製する様子を模式的に示した説明図である。
【0013】
第一の本発明のラバープレス成形法では、まず、図1(a)及び(b)に示したように、所定形状の樹脂成形物12の大部分がラバーケース11の外側と接触するように樹脂成形物12をラバーケース11にセットする。
【0014】
ラバーケース11は、その内部に成形粉を充填することができるように容器となっており、所定の形状を有するとともに、変形も容易な材料から構成されている。また、容器と蓋とからなり、容易に蓋を脱着することができるように構成されたものであってもよい。
このような材料としては特に限定されず、例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム等の合成ゴム等を挙げることができる。
また、その大きさも特に限定されず、成形対象となる生成形体の大きさに合わせて適宜決定される。
【0015】
また、ラバーケース11は、図示したように、樹脂成形物12がその一部が露出した形態で埋設されることにより変形するものであってよいが、上述のように、所定の形状に形作られ、予め樹脂成形物12を埋設(嵌合)させることができるように構成されているものが好ましい。
ラバーケース11が樹脂成形物12により変形するものである場合、樹脂成形物12の形状を変更することで様々な形状の生成形体を容易に作製することができるが、得られる生成形体のサイズがばらつきやすい。一方、ラバーケース11が予め所定の形状に形作られたものである場合、常に一定のサイズの生成形体を作製することができ、得られる生成形体間でサイズのばらつきが発生することが殆どない。
【0016】
樹脂成形物12としては特に限定されないが、発泡樹脂成形物又は中空のゴム球であることが望ましい。ラバーケース11の外側から樹脂成形物12を埋設させた際、ラバーケース11を傷付けることなく変形させることができる。
【0017】
樹脂成形物12が上記発泡樹脂成形物である場合、その形状としては特に限定されず、成形対象となる生成形体の形状に併せて適宜決定されるが、例えば、成形対象となる生成形体が凹部を有するものである場合、上記発泡樹脂成形物は筒状体であることが望ましい。
【0018】
さらに、成形対象となる生成形体が凹部を有するものである場合、上記発泡樹脂成形物は有底筒形状であることが望ましい。静水圧加圧により生成形体を作製する際、上記発泡樹脂成形物の内部にも液体が入り込み、内側からも圧力が作用するため、生成形体に形成される凹部の内壁部分を含めた全ての表面に、略均等な圧力を印加することができ、生成形体に高度の等方性と緻密な組織とを付与することができるからである。
【0019】
また、樹脂成形物12が中空のゴム球である場合、上記中空のゴム球は加圧により内部の気体が抜けることが望ましい。静水圧加圧により生成形体を作製する際、印加される圧力により上記中空のゴム球が破損することを防止するためである。
【0020】
このような樹脂成形物12の原料としては特に限定されず、例えば、樹脂成形物12が中空のゴム球である場合、上述したラバーケース11と同様の合成ゴムを挙げることができ、樹脂成形物12が発泡樹脂成形物である場合、例えば、発泡プラスチックを挙げることができる。具体的には、発泡スチロール、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等を挙げることができ、これらのなかでは、発泡スチロールであることが望ましい。圧縮変形はするものの、変形した後、元の形状に戻りにくいため、スプリングバック性が小さく、また、吹き付け成形が可能であるため、所望の形状のものを容易に作製することができるからである。
【0021】
次に、図2(a)に示したように、ラバーケース11の空間内に成形粉13を充填する。
このとき、ラバーケース11と成形粉13との間に隙間が存在することがないよう、成形粉13を密に充填する必要がある。ラバーケース11と成形粉13との間に隙間が存在すると、成形する生成形体が不規則な形状となり、所望の形状の生成形体を作製することが困難となる。
【0022】
また、このような成形粉13としては特に限定されず、例えば、炭素質材料やセラミック材料等を挙げることができる。
【0023】
上記炭素質材料としては特に限定されず、例えば、黒鉛粉末、カーボンブラック、コークス粉、タールピッチ等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、複数の材料を併用してもよい。
また、上記セラミック材料としては特に限定されず、例えば、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物セラミック、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の酸化物セラミック等を挙げることができる。
【0024】
ここで、成形粉13がコークス粉とタールピッチとからなる炭素質材料である場合、その配合量としては、コークス100重量部に対してタールピッチ10〜80重量部であることが望ましい。
また、成形粉13は、原料粉末をニーダ−等で混練して塊状の原料組成物とした後、粉砕機等を用いて粉砕して平均粒径を20〜30μm程度に揃えることで調製することができる。
【0025】
そして、図2(b)に示したように、成形粉13を密封したラバーケース11を静水圧加圧装置15の液媒体16内に配置し、成形粉13の静水圧加圧を行い、3次元形状の生成形体を作製する。
【0026】
静水圧加圧装置15としては特に限定されず、ラバープレス成形において通常用いられる静水圧加圧装置を用いることができる。また、液媒体16としては、特に限定されず、例えば、水を使用することができる。
【0027】
また、樹脂成形物12を発泡樹脂成形物の有底筒形状とし、凹部を有する生成形体を作製する場合、発泡樹脂成形物の内部の空気を除去し、発泡樹脂成形物の内部に流体(液媒体16)を充填した状態で成形粉13の静水圧加圧を行うことが望ましい。
ラバーケース11の外側周囲に印加される圧力と、ラバーケース11の内部に印加される圧力とを同じとすることができ、高度な等方性と緻密な組織とを有する生成形体を作製することができるからである。
【0028】
上記静水圧加圧の加圧の条件は、成形粉13の材質、組成、及び、生成形体の大きさ等を考慮して適宜決定されるが、通常、60〜150MPa程度であることが望ましい。圧力が60MPa未満であると、作製する生成形体の強度が不充分であり、形状安定性に劣る。一方、圧力が150MPaを超えると、もはや作製する生成形体の物性が向上することはなく、時間的、コスト的に不利となる。
【0029】
このように第一の本発明のラバープレス成形法によると、樹脂成形物と成形粉とが直接接触することがないため、樹脂成形物に含まれる不純物や発泡樹脂粒子等の異物が成形粉中に混入することがなく、高純度で欠陥のない3次元形状の生成形体を作製することができる。
従って、第一の本発明のラバープレス成形法により作製された生成形体に焼成等を施して製造したカーボン製品等にはピンホール等が発生することがなく、緻密で欠陥のない坩堝等の製品を確実に製造することかできる。
また、ラバープレス中に、上記樹脂成形物がラバーケースに対して移動することもないため、目的の形状の生成形体を確実に作製することができる。
【0030】
次に、第二の本発明のラバープレス成形法について説明する。
第二の本発明のラバープレス成形法は、その下面の中央付近に凹部が形成され、成形対象となる生成形体に近似した形状の空間を有するラバーケースの上記凹部に、有底筒形状の発泡樹脂成形物をその開口部が下側を向くように嵌合し、上記ラバーケース内に成形粉を充填した後、上記ラバーケースを静水圧加圧装置の液媒体内に配置し、上記発泡樹脂成形物の内部の空気を除去して、上記発泡樹脂成形物の内部に上記液媒体を充填し、上記成形粉の静水圧加圧を行うことを特徴とする。
【0031】
図3(a)、(b)は、第二の本発明のラバープレス成形法により生成形体を作製する様子を模式的に示した説明図である。
【0032】
図3(a)に示した通り、第二の本発明のラバープレス成形法では、まず、その下面の中央付近に凹部34が形成され、成形対象となる生成形体に近似した形状の空間を有するラバーケース31の凹部34に、有底筒形状の発泡樹脂成形物32をその開口部37が下側を向いた状態で嵌合する。
【0033】
ラバーケース31は、その下面の中央付近に凹部34が形成されているが、このような形状のラバーケース31を用いることで、有底筒形状の生成形体を得ることができる。
また、第一の本発明のラバープレス成形法において説明した通り、ラバーケース31が予め所定の形状に形作られているため、常に一定のサイズの生成形体を作製することができる。
なお、ラバーケース31の材質及び大きさについては、上記第一の本発明のラバープレス成形法で説明したラバーケース11と同様のものを挙げることができる。
【0034】
凹部34の形状及び大きさとしては特に限定されず、成形対象となる生成形体の大きさに合わせて適宜決定される。
このような凹部34には、有底筒形状の発泡樹脂成形体32が、その開口部37が下側を向くように嵌合される。静水圧加圧を行う際、開口部37の内部にも液体を充填し、発泡樹脂成形物32の内部からも成形紛が充填されたラバーケース11に圧力を印加するためである。
【0035】
有底筒形状の発泡樹脂成形物32の外径及び高さは、凹部34に丁度嵌合することができる大きさであるが、その内径は静水圧加圧の際、発泡樹脂成形物32が変形や破壊等されることのない大きさに適宜調整される。具体的には、発泡樹脂成形物32の肉厚は、ラバーケース31の外径の1〜10%程度であることが望ましい。10%を超えると、発泡樹脂成形物32が厚くなりすぎ、ラバープレス成形後、発泡樹脂成形物32をラバーケース31から離脱しにくくなる。一方、1%未満であると、発泡樹脂成形物32自体の強度が低下し、容易に破損されてしまうことがある。
【0036】
また、発泡樹脂成形物32の材質としては特に限定されず、上記第一の本発明のラバープレス成形法で説明した樹脂成形物12の一例である発泡樹脂成形物と同様のものを挙げることができる。
【0037】
次に、ラバーケース31の内部に成形粉33を充填する。
成形粉33をラバーケース31の内部に充填する際には、ラバーケース31の空間と、成形粉33との間に隙間が存在することがないよう、成形粉33を密に充填する必要がある。第一の本発明のラバープレス成形法で説明した通りである。また、成形粉33を構成する原料、及び、その調製方法は、上述した成形粉13と同様の原料、及び、調製方法を挙げることができる。
【0038】
次に、図3(b)に示した通り、その内部に成形粉33を充填したラバーケース31を静水圧加圧装置35の液媒体36内に配置する。このようにラバーケース31を液媒体36内に配置することで、発泡樹脂成形物32の内部に空気が残留し、該空気の浮力により、液媒体36内に発泡樹脂成形物32を配置する際、発泡樹脂成形物32がラバーケース31から離脱することがない。
【0039】
次に、発泡樹脂成形物32の内部の空気を除去して、発泡樹脂成形物32の内部に液媒体36を充填する。発泡樹脂成形物32の内部とラバーケース31の周囲とを同じ圧力とし、作製する生成形体に高度の等方性と緻密な組織とを付与するとともに、静水圧加圧時に発泡樹脂成形物32が変形したり、破損したりすることを防止するためである。
【0040】
発泡樹脂成形物32の内部の空気を除去する方法としては特に限定されず、例えば、吸引ポンプ等のポンプにより空気を吸い出す方法等が挙げられる。
なお、発泡樹脂成形物32の内部の空気を除去することで、発泡樹脂成形物32は上記空気の浮力を得ることができなくなるが、すでにラバーケース31を液媒体36内に配置しているため、液媒体36から印加される圧力により、ラバーケース31から発泡樹脂成形物32が離脱することはない。
【0041】
そして、ラバーケース31の内部に充填した成形粉33の静水圧加圧を行い、3次元形状の生成形体を作製する。
成形粉33の静水圧加圧としては、上述した第一の本発明のラバープレス成形法において説明した条件と同様の条件で行うことができる。
【0042】
以上、説明した通り、第二の本発明のラバープレス成形法によると、発泡樹脂成形物と成形粉とが直接接触することがないため、発泡樹脂成形物に含まれる不純物や発泡樹脂粒子等の異物が成形粉中に混入することがなく、高純度で欠陥のない3次元形状の生成形体を作製することができる。
従って、第二の本発明のラバープレス成形法により成形された生成形体に焼成等を施して製造したカーボン製品等にはピンホール等が発生することがなく、緻密で欠陥のない坩堝等の製品を確実に製造することかできる。
また、ラバープレス中に、上記発泡樹脂成形物がラバーケースに対して移動することもないため、目的の形状の生成形体を確実に作製することができる。
なお、第一及び第二の本発明のラバープレス法でも、スプリングバック作用等は発生せず、生成形体に亀裂等が発生することはない。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0044】
実施例1
直径500mm、高さ1000mmの円筒型ラバーケース(厚さ10mm)の下面に、直径300mm、高さ700mmの凹部を設けた。
そして、上記凹部に、外径300mm、内径250mm、高さ700mmの発泡スチロールからなる有底円筒型の発泡樹脂成形物を、その開口部が下側を向くように嵌合した。
【0045】
次に、石油コークス微粉末100重量部に対して、タールピッチ50重量部を混合した原料組成物をニーダ−で混練して塊状とした後、粉砕機を用いて粉砕することで、平均粒径25μmに微粉砕した炭素質成形粉を、上記ラバーケース内に充填し、常法に従い静水圧加圧(CIP)装置により100MPaの圧力で静水圧加圧し、外径420mm、内径250mm、高さ820mmの有底円筒形状の生成形体を作製した。
得られた生成形体には、亀裂、破損等は全く認められず、また、目的の形状の生成形体を作製することができた。
【0046】
そして、上記生成形体を還元性雰囲気中で、1.5℃/時間の昇温条件で1000℃まで加熱して焼成し、その後、得られた焼結体を、還元性雰囲気中で、50℃/時間の昇温条件で3000℃まで加熱して黒鉛化処理を行い、黒鉛からなる坩堝を製造した。
【0047】
比較例1
直径500mm、高さ1000mmの円筒型ラバーケース(厚さ10mm)の内部であって、その中心部に、外径300mm、内径250mm、高さ700mmの発泡スチロールからなる円筒容器に、粒径0.3〜1.0mmのコークス粒を充填した成形物を中子としてセットした。
【0048】
次に、実施例1と同様の炭素質成形粉で上記成形物を覆い隠すようにラバーケースの空間内に炭素質成形粉を充填した後、実施例1と同様の条件で静水圧加圧を行って生成形体を作製した。
得られた生成形体には、亀裂、破損等は全く認められなかったが、上記中子としてラバーケース内にセットした成形物が移動してしまい、目的の形状の生成形体を作製することができなかった。
【0049】
その後、実施例1と同条件で焼成及び黒鉛化処理を行い、黒鉛からなる坩堝を製造した。
【0050】
実施例1及び比較例1で製造した坩堝について、ピンホールが存在するか否かを確認したところ、実施例1に係る坩堝にはピンホールは全く確認されず、非常に緻密に焼結されていたが、比較例1に係る坩堝には複数のピンホールが確認され、欠陥を有するものであった。
【発明の効果】
以上、説明した通り、第一及び第二の本発明のラバープレス成形法によれば、成形過程で原料成形粉中に不純物や異物等が混入することがないため、高純度で欠陥がなく、確実に目的形状の生成形体を作製することができ、その後得られるカーボン製品等には、ピンホール等が存在せず、緻密で欠陥のない製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、第一の本発明のラバープレス成形法により生成形体を成形する様子を模式的に示した説明図である。
【図2】(a)、(b)は、第一の本発明のラバープレス成形法により生成形体を成形する様子を模式的に示した説明図である。
【図3】(a)、(b)は、第二の本発明のラバープレス成形法により生成形体を成形する様子を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
11、31 ラバーケース
12 樹脂成形物
13、33 成形粉
15、35 静水圧加圧装置
16、36 液媒体
32 発泡樹脂成形物
34 ラバーケース
37 開口部

Claims (1)

  1. その下面の中央付近に凹部が形成され、成形対象となる生成形体に近似した形状の空間を有するラバーケースの前記凹部に、有底筒形状の発泡樹脂成形物をその開口部が下側を向いた状態で嵌合し、前記ラバーケース内に成形粉を充填した後、前記ラバーケースを静水圧加圧装置の液媒体内に配置し、前記発泡樹脂成形物の内壁が形成する空間内の空気を除去して、前記発泡樹脂成形物の内壁が形成する空間内に前記液媒体を充填し、前記成形粉の静水圧加圧を行うことを特徴とするラバープレス成形法。
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