以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としてのパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、機体の外郭を為す外枠12の開口前面側において、縦長方形の中枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられた構造とされている。また、中枠14には、図示しない遊技領域が形成された遊技盤(図示せず)が着脱自在に組み付けられており、かかる遊技領域が、中枠14に対して開閉可能に組み付けられたガラス枠16によって保持されているガラス板を通して遊技者に視認されるようになっている。そして、中枠14に設けられた操作ハンドル18に対して回動可能に装着された操作レバー20が遊技者に回動操作されることにより、中枠14に設けられた上皿22に貯留されている遊技球が、図示しない球送り機構を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技領域に向けて発射されるようになっている。
このようなパチンコ機10の裏側には、図2及び図3に示されているように、パチンコ機10を構成する各種の部品、例えば、遊技領域に設けられた入賞装置に遊技球が入賞した場合に払い出される賞球が貯留される賞球タンク等が装着される機構盤24が設けられている。この機構盤24は、ABS等の硬質の合成樹脂材料によって形成されており、全体として額縁形状を呈している。なお、図3では、後述する電源用配線26や電源中継基板30,配線留め部材32,センターカバー33,取付用突起40の図示は省略してある。
このような機構盤24は、本実施形態では、中枠14の裏側に取り付けられるようになっている。具体的には、本実施形態の場合、機構盤24と中枠14は、図4に示されているように、固定具としてのクリップ23によって固定されるようになっており、特に本実施形態では、中枠14に設けられた固定用片を介して、機構盤24と中枠14が固定されるようになっている。これにより、後述する取付面25が中枠14側に位置するようにして、機構盤24が中枠14に固定されるようになる。また、本実施形態では、機構盤24の裏側から表側に向かって、即ち、機構盤24における取付面25(後述する)から突出する方向に向かって、クリップ23が突出する状態で、機構盤24と中枠14が固定されるようになっている。なお、クリップ23は、実公平7−43471号公報や特許第3251775号等において従来から公知であることから、その詳細な説明は省略する。
そして、中枠14の裏側に機構盤24が取り付けられることにより、機構盤24に形成された開口部分に対して、中枠14の裏側に装着された遊技盤に設けられている表示装置等が位置せしめられるようになっている。なお、中枠14の裏側に装着された遊技盤に設けられている表示装置等は、機構盤24が中枠14に取り付けられた状態で、機構盤24に取り付けられたセンターカバー33によって覆われるようになっている。
また、上述の如く、機構盤24が中枠14の裏側に取り付けられることにより、機構盤24は、中枠14と一体的に回動可能とされている。
そして、本実施形態では、上述の如く額縁形状を呈する機構盤24の縁の部分に対して、配線としての電源用配線26が配線留め部材32によって留められて取り回されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、機構盤24によって第一のパチンコ機構成部材が構成されていると共に、中枠14によって第二のパチンコ機構成部材が構成されているのである。
因みに、本実施形態における電源用配線26は、機構盤24の裏側に取り付けられる電源ユニット(図示せず)と電源中継基板30とを接続しており、交流電流が流れる電源コード、特に本実施形態では、AC24V用の電源コードによって構成されている。そして、図面上では明示されていないが、電源中継基板30は、パチンコ機10が設置された遊技ホールの島設備に設けられたコンセントに対して電源コード(図示せず)によって接続されており、それによって、パチンコ機10に電力が供給されるようになっている。
また、配線留め部材32は、ABS等の硬質の合成樹脂材料によって形成されており、図5乃至図9に示されているように、機構盤24の取付面25に取り付けられる取付部34を含んで構成されている。そこにおいて、本実施形態の取付部34は、全体として上底壁と周壁を備えた逆カップ形状とされている。また、本実施形態では、取付部34に対して切欠46,46が形成されている。特に本実施形態では、取付部34の周壁において後述する腕部36の長手方向に直交する方向で対向位置せしめられる部分のそれぞれに切欠46が形成されている。更にまた、本実施形態では、取付部34の周壁の高さ寸法は、切欠46,46を挟んで腕部36側のほうが反対側よりも大きくされている。
このような取付部34の軸方向一方側の端、即ち、上底壁側の端には、取付部34の軸直角方向外方に延びる腕部36が一体形成されており、特に本実施形態では、腕部36は長手板形状とされている。
そして、本実施形態の腕部36には、板状の突出片38が、取付部34の中心軸線に沿って取付部34の軸方向他方の側、即ち、上底壁とは反対側の端に向かって突出するように一体形成されている。そこにおいて、本実施形態の突出片38は、腕部36の長手方向において取付部34が位置するほうとは反対側の端に位置せしめられている。また、本実施形態では、突出片38の厚さ方向(図6や図7における左右方向)両側の面は、何れも、腕部36の長手方向に対して直交する方向に略平行とされている。
このような構造とされた配線留め部材32は、機構盤24の表側、即ち、機構盤24における中枠14側に位置する取付面25に対して、所定の距離を隔てて複数設けられるようになっている。
具体的には、本実施形態の場合、図8及び9に示されているように、機構盤24の取付面25の内周縁部に立設された補強リブ28から離れた位置において突出するように設けられた取付用突起40に対して配線留め部材32の取付部34が外挿されて、取付部34の軸方向他端面のうち切欠46,46を挟んで腕部36側の端面が機構盤24の取付面25に重ね合わせられている一方、取付部34の軸方向他端面のうち切欠46,46を挟んで腕部36とは反対側の端面が取付用突起40の外周部分において略半周に亘って形成された段差部45に重ね合わせられており、また、各切欠46内に取付用突起40に設けられた突出片48が位置せしめられた状態で、取付部34の上底壁に形成された挿通孔に挿通されるねじ44が取付用突起40に形成されたねじ穴42に螺挿されることにより、取付部34、延いては、配線留め部材32が、機構盤24の取付面25に取り付けられるようになっている。
そして、上述の如く取付部34が取付面25に取り付けられた状態で、腕部36は、取付面25から突出した取付部34の先端部分から取付面25に沿って延びるようになっている。
なお、本実施形態では、取付部34の上底壁に形成された挿通孔の軸方向一端側の開口周縁部に角取りが施されており、それによって、挿通孔の軸方向一端側の開口周縁部にテーパ面が形成されている。その結果、上述の如くねじ44がねじ穴42に螺挿された状態で、ねじ44の頭部が取付部34の軸方向一端側の端面から突出しないようになっている。
そこにおいて、本実施形態では、上述の如く取付部34が取付用突起40に組み付けられるようになっていることから、ねじ穴42にねじ44を螺挿する際に取付部34が取付用突起40に対して回転してしまう不具合を有利に回避することが可能となる。その結果、ねじ穴42にねじ44を螺挿する作業を速やかに行うことが可能となる。加えて、取付部34、延いては、配線留め部材32の位置決めをすることも可能となる。
また、上述の如く配線留め部材32が機構盤24に取り付けられた状態で、腕部36は、機構盤24の内周縁部において取付面25から突出するように設けられた補強リブ28に至るまで延びている。そこにおいて、本実施形態では、腕部36は、補強リブ28の突出先端面の上方にまで延び出しており、特に本実施形態では、腕部36は、補強リブ28の突出先端面に重ね合わせられている。
また、このようにして、腕部36が補強リブ28の突出先端面に重ね合わせられた状態で、腕部36の突出端に一体形成された突出片38は、補強リブ28に形成された切欠溝41に収容されるようになっている。これにより、ねじ穴42にねじ44を螺挿する際に取付部34が取付用突起40に対して回転してしまう不具合を有利に回避することが可能となる。その結果、ねじ穴42にねじ44を螺挿する作業を速やかに行うことが可能となる。加えて、取付部34、延いては、配線留め部材32の位置決めをすることも可能となる。
更にまた、上述の如く取付部34が取付面25に取り付けられた状態で、腕部36の突出端に形成された突出片38が補強リブ28に形成された切欠溝41に収容されることにより、取付部34と腕部36と補強リブ28と取付面25によって囲まれた領域43が周方向で閉じるようになっている。そこにおいて、このような領域43は、配線留め部材32と同じ数だけ形成されるようになっている。その結果、これら複数の領域43は、補強リブ28に沿って、所定距離を隔てて並ぶように位置せしめられることとなる。
そして、上述の如く配線留め部材32が機構盤24に取り付けられることにより、電源用配線26は、補強リブ28と取付部34と腕部36と取付面25によって囲まれた領域43に収容位置せしめられた状態で、機構盤24に配されるようになっている。その結果、電源用配線26は、補強リブ28に沿って機構盤24に配されるようになっている。
上述の説明から明らかなように、本実施形態の場合、配線留め部材32が機構盤24において中枠14とは反対側に位置する取付面25に重ね合わせられることにより、上述の如き電源用配線26が収容配置される領域43が形成されるようになっている。その結果、配線留め部材32の取付方向、即ち、配線留め部材32が電源用配線26を機構盤24に留める方向が、クリップ23が取付面25突出する方向とは反対の方向とされているのである。
そして、本実施形態では、上述の如く電源用配線26が配線留め部材32によって機構盤24に留められた状態で、隣り合う二つの配線留め部材32,32の間に、クリップ23が位置せしめられるようになっている。その結果、配線留め部材32とクリップ23が機構盤24において配線留め部材32が取り付けられる取付面25に沿って交互に並ぶようになっている。
また、クリップ23の先端が電源用配線26に当接せしめられるようになっている。これにより、電源用配線26がクリップ23によって機構盤24の取付面25から離隔する方向に押し上げられることとなる。その結果、電源用配線26が蛇行せしめられて波状に配されることとなる。
このような構造とされたパチンコ機10においては、電源用配線26が、配線留め部材32と補強リブ28と取付面25によって形成された領域43に収容位置せしめられた状態で機構盤24に留められるようになっていると共に、クリップ23の取付面25からの突出方向に押し上げられていることから、電源用配線26を弛ませた状態で機構盤24に取り回すことが可能となる。その結果、機構盤24が取り付けられた状態の中枠14が一軸回りに回動せしめられる際において、電源用配線26に引張力が作用した場合であっても、電源用配線26の断線を有利に防止することが可能となる。
また、機構盤24と中枠14を固定するためのクリップ23を巧く利用して、電源用配線26を蛇行させて波状に弛ませて配するようになっていることから、断線が有利に防止される状態で電源用配線26を配するために必要な配線留め部材32の数を少なくすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、電源用配線26が配線留め部材32と補強リブ28と取付面25によって形成された領域43に収容位置せしめられた状態で機構盤24に留められるようになっていることから、電源用配線26がパチンコ機10に留められた状態を有利に維持することが可能となる。
特に、本実施形態の場合、電源用配線26が収容配置される領域43は、補強リブ28に沿って、所定距離を隔てて複数並んでいることから、電源用配線26がパチンコ機に留められた状態を一層有利に維持することが可能となる。
また、本実施形態では、取付部34を取付面25に取り付けるだけで電源用配線26が収容配置される領域43が形成されるようになっていることから、電源用配線26を予め補強リブ28に沿って配しておくことによって、電源用配線26を機構盤24に留める作業が簡単になり、その結果、かかる作業を効率良く行うことが可能となる。従って、狭い領域で配線処理をしなければならない場合であっても、配線処理作業を、速やかに、且つ、容易に行うことが可能となる。
さらに、本実施形態では、取付部34が取付面25に取り付けられた状態で、腕部36が、取付面25から突出した取付部34の先端部分から取付面25に沿って延びるように設けられていると共に、突出片38が腕部36から補強リブ28の基端側に向かって突出していることから、取付面25からの配線留め部材32の突出高さを低くすることが可能となる。
また、本実施形態では、電源用配線26が中枠14の裏側に取り付けられる機構盤24の縁の部分に配されるようになっていることから、中枠14の開閉作動に際して電源用配線26が邪魔になることがない。
次に、本発明の第二の実施形態について、図10及び11に基づいて、説明する。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材及ぶ部位については、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態のパチンコ機50は、第一の実施形態のパチンコ機(10)に比して、電源用配線26と信号用配線52が並行して配されている。因みに、本実施形態における信号用配線52は、機構盤24が中枠14に取り付けられているか否かを検出すると共に、中枠14に対してガラス枠16が閉められているか否かを検出する中枠開放スイッチ(図示せず)等と、パチンコ機10の状態をパチンコ機10が設置されたホールの監視装置へ出力するための回路が形成された外部出力端子基板(図示せず)とを接続しており、それによって、中枠開放スイッチ等からの検出信号が信号用配線52を通じて外部出力端子基板に形成された回路に伝送されるようになっている。
また、本実施形態では、電源用配線26と信号用配線52を機構盤24に留める配線留め部材54は、ABS等の硬質の合成樹脂材料によって形成されており、図12乃至図14に示されているように、機構盤24の取付面25に重ね合わせられる取付部56を含んで構成されている。そこにおいて、本実施形態の取付部56は、上底壁と周壁を備えた逆カップ形状とされている。
また、取付部56における上底壁側の端には、取付部56の軸直角方向外方に延びる腕部58が一体形成されている。そこにおいて、本実施形態の腕部58は長手板形状とされている。
更にまた、腕部58には、複数(本実施形態では、二つ)の仕切片60,62が、腕部58の延びる方向で所定距離を隔てて、且つ、取付部56の中心軸線に沿って取付部56の上底壁側とは反対側に突出するようにして一体形成されている。そこにおいて、本実施形態では、二つの仕切片60,62は、一方の仕切片60が腕部58の長手方向において取付部56が位置するほうとは反対側の端に位置せしめられており、他方の仕切片62が腕部58の長手方向中間部分に位置せしめられている。特に、本実施形態では、他方の仕切片62が、腕部58の長手方向中央よりも先端側に位置せしめられており、それによって、二つの仕切片60,62の離隔距離よりも他方の仕切片62と取付部56の離隔距離のほうが長くなっている。また、本実施形態では、二つの仕切片60,62の対向面が、それぞれ、腕部58の長手方向に対して直交する方向に略平行とされていると共に、他方の仕切片62における取付部56側の面も腕部58の長手方向に対して直交する方向に略平行とされている。
このような構造とされた配線留め部材54は、機構盤24の表側、即ち、機構盤24における中枠14側に対して、所定の距離を隔てて複数設けられるようになっている。具体的には、本実施形態の場合、機構盤24の取付面25から突出するように設けられた取付用突起64に対して配線留め部材54の取付部56が外挿されて、取付部56の軸方向端面が機構盤24の取付面25に重ね合わせられた状態で、取付部56の上底壁に形成された挿通孔に挿通されるねじ66が取付用突起64に形成されたねじ穴68に螺挿されることにより、取付部56、延いては、配線留め部材54が、機構盤24の取付面25に取り付けられるようになっている。その結果、取付部56が取付面25に取り付けられた状態で、腕部58が、取付面25から突出した取付部56の先端部分から取付面25に沿って延びるように設けられていることとなり、また、二つの仕切片60,62のそれぞれが、腕部58から取付面25に向かって突出するように設けられていることとなる。なお、本実施形態では、取付部56の上底壁に形成された挿通孔の軸方向他端側の開口周縁部に角取りが施されており、それによって、挿通孔の軸方向他端側の開口周縁部にテーパ面が形成されている。その結果、上述の如くねじ66がねじ穴68に螺挿された状態で、ねじ6の頭部が取付部56の上底壁側の端面から突出しないようになっている。
因みに、本実施形態では、上述の如く配線留め部材54が機構盤24に取り付けられた状態で、一方の仕切片60の突出端と他方の仕切片62の突出端は、何れも、取付面25に対して当接するようになっている。その結果、二つの仕切片60,62と腕部58と取付面25によって囲まれた領域70が周方向で閉じるようになっていると共に、他方の仕切片62と取付部56と腕部58と取付面25によって囲まれた領域72が周方向で閉じるようになっている。
そこにおいて、本実施形態では、取付部56に対して切欠74が形成されており、特に本実施形態では、取付部56の周壁における腕部58の長手方向で対向位置せしめられる部分に対して、それぞれ、切欠74が形成されている。そして、上述の如く取付部56が取付用突起64に外挿されて取付部56の軸方向端面が機構盤24の取付面25に重ね合わされた状態で、取付用突起64に設けられた突出片76が切欠74内に位置せしめられるようになっている。これにより、ねじ穴68にねじ66を螺挿する際に取付部56が取付用突起64に対して回転してしまう不具合を有利に回避することが可能となる。その結果、ねじ穴68にねじ66を螺挿する作業を速やかに行うことが可能となる。加えて、取付部56、延いては、配線留め部材54の位置決めをすることも可能となる。
また、本実施形態では、上述の如く配線留め部材54が機構盤24に取り付けられた状態で、信号用配線52は、二つの仕切片60,62と腕部58と取付面25によって囲まれた領域70に収容位置せしめられるようにして、機構盤24に配されるようになっている。なお、本実施形態では、領域70に収容配置される信号用配線52は二本とされている。一方、本実施形態では、電源用配線26は、他方の仕切片62と取付部56と腕部58と取付面25によって囲まれた領域72に収容位置せしめられるようにして、機構盤24に配されるようになっている。
そこにおいて、本実施形態では、隣り合う二つの配線留め部材54,54の間にクリップ23が位置せしめられており、それによって、配線留め部材54とクリップ23が取付面25に沿って交互に並ぶようになっている。そして、このクリップ23によって電源用配線26のみが取付面25から離隔する方向に押し上げられている。その結果、本実施形態では、信号用配線52は略真っ直ぐに配されるようになっている一方、電源用配線26は蛇行して波状に配されるようになっている。
特に、本実施形態では、上述の如く蛇行して波状に配された電源用配線26が位置する平面:S(図11参照)に対して直交する方向での投影において、電源用配線26が波打つ方向(図10における上下方向)の両端の間に信号用配線52が位置せしめられるようになっている。これにより、本実施形態では、蛇行して波状に配された電源用配線26が位置する平面:Sに対して直交する方向での投影において、信号用配線52と電源用配線26が部分的に重なるようになっている。
このような構造とされたパチンコ機50においては、電源用配線26が、クリップ23によって取付面25から離隔する方向に押し上げられていることにより、蛇行せしめられて波状に配されるようになっていることから、第一の実施形態と同様な効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、信号用配線52が配線留め部材54と取付面25によって形成された領域70に収容位置せしめられた状態で機構盤24に留められるようになっていると共に、電源用配線26が配線留め部材54と取付面25によって形成された領域72に収容位置せしめられた状態で機構盤24に留められるようになっていることから、信号用配線52と電源用配線26を分けた状態で機構盤24に留めることが可能となる。
さらに、本実施形態では、取付部56を取付面25に重ね合わせて取り付けるだけで、電源用配線26が収容配置される領域72と信号用配線52が収容配置される領域70が形成されるようになっていることから、電源用配線26と信号用配線52を分けて機構盤24に留める作業が簡単になり、その結果、かかる作業を効率良く行うことが可能となる。従って、狭い領域で配線処理をしなければならない場合であっても、配線処理作業を、速やかに、且つ、容易に行うことが可能となる。
さらに、取付部56が取付面25に取り付けられた状態で、腕部58が、取付面25から突出した取付部56の先端部分から取付面25に沿って延びるように設けられていると共に、二つの仕切片60,62のそれぞれが、腕部58から取付面25に向かって突出していることから、取付面25からの配線留め部材54の突出高さを低くすることが可能となる。
更にまた、本実施形態では、電源用配線26が蛇行するように配されている一方、信号用配線52が略真っ直ぐに延びるように配されていることから、電源用配線26に電流が流れることで発生する磁界が信号用配線52の殆どの部分において信号用配線52に対して斜めに交わることとなる。これにより、電源用配線26に交流電流が流れることに起因する発生磁界の変化に基づく悪影響が、信号用配線52を通じて伝送される信号に対して、殆ど及ぼされないようにすることが可能となる。その結果、信号用配線52を通じて伝送される信号にノイズがのり難くなるようにすることが可能となる。
また、本実施形態では、電源用配線26と信号用配線52が中枠14の裏側に取り付けられる機構盤24の縁の部分に配されるようになっていることから、中枠14の開閉作動に際して電源用配線26と信号用配線52が邪魔になることがない。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一の実施形態において、突出片38は必ずしも必要ではない。また、前記第一の実施形態において、腕部36と補強リブ28の間に隙間が形成されていても良い。更に、前記第一の実施形態において、切欠溝41は必ずしも必要ではない。更にまた、前記第一の実施形態において、取付部34に形成された切欠46は、必ずしも必要なものではない。また、前記第一の実施形態において、取付用突起40は、必ずしも必要なものではない。更に、前記第一の実施形態において、段差部45は、必ずしも必要なものではない。
また、前記第二の実施形態において、配線留め部材54が機構盤24に取り付けられた状態で、一方の仕切片60と取付面25の間に隙間が形成されるようになっていても良いし、他方の仕切片62と取付面25の間に隙間が形成されるようになっていても良い。また、前記第二の実施形態において、取付部56に形成された切欠46は、必ずしも必要なものではない。
さらに、前記第二の実施形態において、電源用配線26の代わりに、信号用配線52を蛇行させて波状に配するようにしても良い。また、前記第二の実施形態において、信号用配線52を、電源用配線26とは逆になるように、即ち、位相が180度ずれるように蛇行させて波状に配するようにしても良い。更にまた、前記第二の実施形態において、領域70に収容配置される信号用配線52の本数は一本であっても良いし、三本以上であっても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。