JP4826763B2 - 洗濯機の蓋体 - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯機の蓋体に関し、更に詳しくは、耐薬品性に優れ、かつ透明性、耐衝撃性、および耐熱性を有する共重合ポリエステル樹脂からなる洗濯機の蓋体に関するものである。
従来、洗濯機の蓋体には、不透明な部品が使用されてきた。近年のデザイン性に対する要求の高まりから、蓋体に透明性を有する材料が求められている(特許文献1および特許文献2参照)。
このような透明性の要求を満たす材料として、透明なABS樹脂からなる洗濯機の蓋体が提案されている(特許文献3)。しかしながら、透明なABS樹脂からなる洗濯機の蓋体は透明性には優れているものの、洗剤などに対する耐薬品性が劣っており、例えば洗剤が付着したまま長時間使用するとクラックが発生しやすいという問題がある。
また、透明性および耐薬品性に優れた材料として、スチレン・アクリロニトリル(以下ASと記す)樹脂からなる洗濯機の蓋体が検討されている。しかしながら、AS樹脂からなる蓋体は耐衝撃性が低く、近年の洗濯機の設計思想に従い一部の形状を複雑にすると割れ易くなるという問題が発生する。
一方、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する場合がある)樹脂に代表されるポリエステル樹脂は、優れた機械的特性、透明性、耐薬品性を有するためにボトル、フィルム、シート、繊維として広く使用されており、PET樹脂からなる洗濯機の蓋体も検討されている。しかしながら、PET樹脂は成形時の流動性が不十分であるために、蓋体に成形した場合に成形品の一部がくぼんだいわゆる「ひけ」が発生しやすく、PET樹脂の結晶化による白化も起こりやすい。
またポリエチレンテレフタレートに対する共重合成分として一般的に知られているイソフタル酸(IPA)のような共重合成分を多量に使用すると、得られる共重合ポリエステルを成形体としたときに耐衝撃性が低く割れやすくなるため、洗濯機の蓋体に用いることは出来ない。
特開2004−113276号公報 特開2005−102968号公報 特開2001−232093号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、容易に成形可能な共重合ポリエステル樹脂からなり、洗剤などに対する耐薬品性に優れ、かつ透明性と耐衝撃性および耐熱性を有する洗濯機の蓋体を提供することにある。
本発明者らは、容易に成形可能な共重合ポリエステル樹脂からなり、洗剤などに対する耐薬品性に優れ、かつ透明性と耐衝撃性を有する洗濯機の蓋体の開発に取り組み、特定のジオール成分を含む共重合ポリエステル樹脂からなる洗濯機の蓋体により前記目的が達成できることを見出し本発明に到達した。即ち本発明の要旨は、テレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主たる成分とするジオール成分とから得られる
共重合ポリエステル樹脂からなる洗濯機の蓋体であって、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールが全ジオール成分中の8〜15モル%であり、かつ、共重合ポリエステル樹脂の固有粘度が0.50〜0.80dL/gの範囲にある洗濯機の蓋体に存する。
本発明の洗濯機の蓋体は、容易に成形可能な共重合ポリエステル樹脂からなり、洗剤などの薬品に対する耐性に優れ、かつ透明性と耐衝撃性および耐熱性を有する。
以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施態様の代表例であって、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
本発明の洗濯機の蓋体は、テレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタ
ノールを主たる成分とするジオール成分とから得られる共重合ポリエステル樹脂からなる。
本発明においてテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体主たる成分とするとは、テレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が全ジカルボン酸成分の90モル%以上であることをいう。テレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が全ジカルボン酸成分の90モル%以上であることにより、共重合ポリエステル樹脂を成形して得られる本発明の洗濯機の蓋体の機械物性が良好となる。ジカルボン酸成分は、テレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体以外の酸成分を本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいても良い。これらの酸成分としては、具体的には、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、ダイマー酸及びこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは単独でも2種以上を使用することもできるが、全ジカルボン酸成分の10モル%以下であり5モル%以下であることが好ましい。なお、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、炭素数1〜4程度のアルキル基を有するエステル、及びハロゲン化物等が挙げられる。
本発明の洗濯機の蓋体に用いられる共重合ポリエステル樹脂は、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主たる成分とするジオール成分から得られる。
本発明の洗濯機の蓋体に用いられる共重合ポリエステル樹脂を得るに際し、用いられるジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの量は、全ジオール成分に対して8〜15モル%である。1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量が8モル%未満の場合、得られる洗濯機の蓋体の透明性と耐衝撃性が低下する傾向となる。また、含有量が15モル%を超えると得られる共重合ポリエステル樹脂の結晶性の低下が大きくなり、成形時に必要な樹脂の乾燥工程が長時間必要となる場合がある。また、成形後の洗濯機の蓋体の洗剤などの薬品に対する耐ストレスクラック性が低下する場合がある。
本発明の洗濯機の蓋体に用いられる共重合ポリエステル樹脂の固有粘度は、0.50〜0.80dL/gの範囲であり、0.60〜0.70dL/gの範囲にあることが好ましい。共重合ポリエステル樹脂の固有粘度がこの範囲にあると成形性がよく、また得られる成形体の耐衝撃性、耐熱性、透明性がよいので、このような特性に優れた洗濯機の蓋体を得ることができる。すなわち、共重合ポリエステル樹脂の固有粘度が0.50dL/gに満たない場合は、得られる成形体の耐衝撃性が低下する傾向となり、0.80dL/gを超える場合は、成形性が低下する。
本発明の洗濯機の蓋体に用いられる共重合ポリエステル樹脂は、基本的には、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分
とから得られるポリエステル樹脂を製造する方法に準じて製造することが可能であり、例えば従来から知られている慣用のポリエステルの製造方法により製造することができる。
以下、代表的な製造例を挙げて説明する。
テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコール及び1,4-シク
ロヘキサンジメタノールを主成分とするジオール成分とをエステル化反応槽でエステル化し、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応槽に移送し溶融重縮合させる方法は直接重合法と呼ばれ、テレフタル酸のエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主成分とするジオール
成分とをエステル交換反応槽でエステル交換反応し、得られたエステル交換反応生成物を溶融重縮合反応槽に移送し重縮合させる方法はエステル交換法と呼ばれる。これらは回分法でも連続法でも行なうことができる。例えば、スラリー調製槽でテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分を、エチレングリコールを主成分とするジオール成分に分散させてスラリー化したスラリーを、エステル化反応槽に、連続的に添加してエステル化し、得られた反応生成物を連続的に重縮合反応槽に移送して溶融重縮合させる連続式直接重合法がある。また1,4−シクロヘキサンジメタノールはエステル化反応、またはエステル交換反応終了までの任意の時点で添加することができるが、エチレングリコールまたは水に溶解して添加するのが操作上簡便であり好ましい。
又、通常、溶融重縮合反応により得られた樹脂は、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされる。この溶融重縮合後のペレットは、加熱処理して固相重縮合させることにより、更に重合度を高くすると共に、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減することもできる。
なお、前記製造方法において、エステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化二アンチモンや、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の金属の有機酸塩やアルコラート等のエステル化触媒を使用して、200〜270℃程度の温度、絶対圧力で1×105〜4×105Pa程度の圧力下でなされ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の金属の有機酸塩等のエステル交換触媒を使用して、200〜270℃程度の温度、絶対圧力で1×105〜4×105Pa程度の圧力下でなされる。
又、溶融重縮合反応は、例えば、三酸化二アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属酸化物、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩、或いは、アルコラート等の重縮合触媒を使用し、240〜290℃程度の温度、1×101〜2×103Pa程度の減圧下でなされる。
なお、上述の反応においては必要に応じてその他の化合物を使用することも可能であり、例えば、安定剤として正燐酸、亜燐酸、及びこれらのエステルなどの燐化合物を使用することもできる。
又、前記の溶融重縮合反応で得られたペレット状の共重合ポリエステル樹脂は、必要に応じて、続いて固相重縮合反応に供することが出来る。固相重縮合反応は120〜200℃程度の温度で1分間以上加熱する等して予備結晶化がなされた後、180〜融点マイナス5℃程度の温度、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下、及び/又は、1×102〜2×
103Pa程度の減圧下で行うことができる。
本発明の洗濯機の蓋体に用いられる共重合ポリエステル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びそれらの無水マレイン酸変性物、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂等の他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー等を含有していてもよく、更に、ヒンダードフェノール系、チオエーテル系、ホスファイト系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の光安定剤、カルボジイミド、ビスオキサゾリン、エポキシ、イソシアネート化合物等の耐加水分解剤、高級脂肪酸エステルや高級脂肪酸金属塩等の有機系滑剤(離型剤)や顔料、染料等の着色剤を含有していても良い。
本発明の洗濯機の蓋体は、前記共重合ポリエステル樹脂を成形することによって得られ、例えば、従来公知の成形方法によって製造することができる。例えば、共重合ポリエステル樹脂を乾燥により水分含有率を200ppm以下とした後射出成形機に供給し、樹脂の溶融温度において所定形状の金型に射出成形し、金型内で冷却固化させることにより得ることができる。
こうして得られる本発明の洗濯機の蓋体は、洗剤などの薬品に対する耐ストレスクラック性に優れている。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。各物性の測定方法および評価は、以下の方法に従った。
<物性評価方法>
(1)固有粘度(IV)
共重合ポリエステル樹脂試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液約25mLに、濃度が1.00g/dLとなるように110℃で30分間溶解させた後、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(中央理化社製「2CH型DT504」)にて、試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、下式により算出した。
IV=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、ηsp=(η/η0)−1であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
(2)ポリエステル構成成分の定量(NMR測定)
共重合ポリエステル樹脂を、重クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の混合溶液=70/30(重量比)で溶解し、BRUKER社製AV400M分光計を用いて1H−NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピーク積分強度から共重合組成(モル%)を計算した。
(3)成形性評価
共重合ポリエステル樹脂を熱風乾燥機(タバイエスペック社製イナートオーブン IPHH−201)中130℃で5時間乾燥し、樹脂水分含有率を100ppm以下としたあと、射出成形機(日精樹脂工業社製 NS60−9A)を使用して射出圧力60MPa、成形温度260℃、金型温度40℃で、肉厚2mm、巾10mmのスパイラルフロー試験片を成形した。得られた試験片から流れ距離を測定して成形性の評価を行なった。
◎ :流れ距離 500mm以上
○ :流れ距離 400mm以上500mm未満
× :流れ距離 400mm未満
(4)耐熱性評価(熱変形温度)
共重合ポリエステル樹脂を熱風乾燥機(タバイエスペック社製イナートオーブン IPHH−201)中130℃で5時間乾燥し、樹脂水分含有率を100ppm以下としたあと、射出成形機(日精樹脂工業社製 NS60−9A)を使用して射出圧力60MPa、
成形温度260℃、金型温度40℃で、長さ110mm、幅4.2mm、高さ12.8mmの試験片を成形した。得られた試験片を用いてJIS K 7207「硬質プラスチックの荷重たわみ温度試験方法」に準じて、荷重0.45MPa(4.6kgf/cm2)における熱変形温度を測定した。
(5)耐ストレスクラック性
共重合ポリエステル樹脂を熱風乾燥機(タバイエスペック社製イナートオーブン IPHH−201)中130℃で5時間乾燥し、樹脂水分含有率を100ppm以下としたあと、射出成形機(日精樹脂工業社製 NS60−9A)を使用して射出圧力60MPa、成形温度260℃、金型温度40℃で、厚さ3.8mmのASTM引張試験片を成形し、三菱化学ベンディングフォーム法(1/4楕円法)に従って行った。具体的には、厚み3.8mmのASTM引張試験片を試験片固定治具(図1参照)に取り付け、試験液(花王製 洗剤「液体アタック」)を試験片表面に塗布したあと、室温23℃、湿度50%の部屋中で24時間放置し、亀裂が発生する位置の歪率(臨界歪値)を下記式により算出する。
τ=b/2a2{1−[(a2−b2)χ2/a4]}−3/2 × t ×100
τ:臨界歪値 %
a:楕円長軸 mm
b:楕円短軸 mm
χ:亀裂発生点 試験片固定端から亀裂発生点までの距離mm
t:試験片厚み mm
ここで
◎:臨界歪値0.7%以上 耐薬品性が極めて良好で使用可能。
○:臨界歪値0.5%以上 0.7%未満 耐薬品性が良好で使用可能。
△:臨界歪値0.3%超過 0.5%未満 耐薬品性がやや劣るが、使用可能。
×:臨界歪値0.3%以下 薬剤に触れる成形品としては使用不可。
(6)透明性評価(ヘーズ)
共重合ポリエステル樹脂を熱風乾燥機(タバイエスペック社製イナートオーブン IPHH−201)中130℃で5時間乾燥し、樹脂水分率を100ppm以下としたあと、射出成形機(日精樹脂工業社製 NS60−9A)を使用して射出圧力60MPa、成形温度260℃、金型温度40℃で、厚み10mmの平板プレートを成形し、日本電色社製ヘーズメーターにより、JIS K 7105に準じて測定した。ヘーズ1.0%以下で
あると 成形品として透明感が良好である。
(7)衝撃強度(アイゾット衝撃値)
共重合ポリエステル樹脂を熱風乾燥機(タバイエスペック社製イナートオーブン IPHH−201)中130℃で5時間乾燥し、樹脂水分率を100ppm以下としたあと、
射出成形機(日精樹脂工業社製 NS60−9A)を使用して、射出圧力60MPa、成形機温度260℃、金型温度40℃で、厚み1/2インチのノッチ付きアイゾット衝撃強度測定用試験片を成形し、JISK7110に準じて測定した。
(実施例1)
<共重合ポリエステル樹脂の製造>
テレフタル酸ジメチルエステル(以下DMTと略記する場合がある)48.3kgと、酸成分に対しジオール成分のモル比が2.2となるように1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略記する場合がある)4.50kgおよびエチレングリコール(以下EGと略記する場合がある)33.59kgとを攪拌機および留出管を備えたステンレス製オートクレーブに仕込み、得られるポリエステルに対して300重量ppmとなる酢
酸カルシウムを加え、250℃、絶対圧力で101kPaの条件下で5時間エステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、得られるポリエステルに対して150重量ppmの二酸化ゲルマニウム触媒と240重量ppmのリン酸トリエチルを加え、280℃、66Paの減圧下にて表1に記載の時間溶融重縮合反応を行った後ストランド状に抜きだし水冷しつつカッティングしてペレット状の共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂に関し、重縮合時間、共重合組成(モル%)、固有粘度、成形品の評価結果を表1に示した。
(実施例2〜実施例5)
実施例1において、DMT、EG、CHDMの仕込み量及び溶融重縮合時間を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様に行い評価した。結果を表1及び表2に示す。
(実施例6)
実施例5で得られたペレット状の共重合ポリエステル樹脂を、窒素雰囲気下、100℃で8時間結晶化させた後、窒素雰囲気下195℃で表2記載の固相重縮合時間で、固相重縮合を行った。得られた樹脂の固有粘度、成形品の評価結果を表2に示した。
(実施例7,実施例8)
実施例2において溶融重縮合時間を表3記載の時間に変更したこと以外は実施例2と同様に行った。評価した結果を表3に示す。
(実施例9)
実施例6において、実施例5で得られた樹脂の代わりに実施例8で得られたペレット状の共重合ポリエステル樹脂を使用して表3記載の固相重縮合時間で、固相重縮合を行った。得られた樹脂の固有粘度、成形品の評価結果を表3に示した。
(比較例1〜比較例3)
実施例1において、DMT、EG、CHDMの仕込み量及び溶融重縮合時間を表4に示す様に変更したこと以外は実施例1と同様に行い評価した。結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例4において溶融重縮合時間を2時間に変えたこと以外は実施例4と同様に行い評価した。結果を表5に示す。
(比較例5)
実施例6において固相重縮合時間を24時間に変えたこと以外は実施例6と同様に行い評価した。結果を表5に示す。
(比較例6)
実施例1において原料の仕込量をDMT45.4kg、イソフタル酸ジメチル6.2kg、EG35.5kgとし、CHDMを用いなかったこと以外は実施例1と同様に行い評価した。イソフタル酸成分の共重合量は12モル%と計算される。評価の結果を表5に示す。
(結果の考察)
以上の実施例から本発明の共重合ポリエステル樹脂は成形性が良好で、透明性、耐衝撃性、耐熱性、洗剤に対する耐ストレスクラック性が良好であることがわかる。
比較例1より、CHDM共重合量が少ないと成形品ヘーズが高く透明性が劣る。
比較例2、3より、CHDM共重合量が多いと洗剤に対する耐ストレスクラック性が劣る。
比較例4より、固有粘度が低すぎると、衝撃強度が劣る。
比較例5より、固有粘度が高すぎると成形性が劣る。
比較例6より、共重合成分がイソフタル酸であると衝撃強度が劣る。
本発明の洗濯機の蓋体は、容易に成形可能な共重合ポリエステル樹脂からなり、洗剤などに対する耐薬品性に優れ、かつ透明性と耐衝撃性および耐熱性を有するために洗濯機の蓋体として広く使用することができる。
Figure 0004826763
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Figure 0004826763
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実施例及び比較例で耐ストレスクラック性の測定に用いたASTM引張試験片の試験片固定治具を示す模式図である。
符号の説明
1 試験片固定具
2 試験片
3 亀裂発生点
4 試験片固定端

Claims (1)

  1. テレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主たる成分とする
    ジオール成分とから得られる共重合ポリエステル樹脂からなる洗濯機の蓋体であって、1,4−シクロヘキサンジメタノールが全ジオール成分中の8〜15モル%であり、かつ、共重合ポリエステル樹脂の固有粘度が0.50〜0.80dL/gの範囲にある洗濯機の蓋体。
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