JP5080096B2 - 共重合芳香族ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents

共重合芳香族ポリエステル組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、改質された芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステルに関する。さらに詳しくは、本発明は、芳香族ジカルボン酸成分の一部が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分で、グリコール成分がエチレングリコール成分である共重合芳香族ポリエステル組成物およびその製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ジカルボン酸とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステルは、優れた機械的特性や化学的特性を有することから、繊維、フィルムまたはボトルなどの成形品に幅広く展開されている。しかしながら、さらなる市場からの高性能化の要求は強く、その改良が望まれている。
そのような中で、ポリエチレン−2,6−ナフタレートよりも更に高性能のポリエステルとして、特許文献1〜4には6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステル化合物であるジエチル−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートから得られるポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートが提案されている。そして、これらの特許文献によると、このようなポリマーは非常に寸法安定性に優れ、また非常に高い剛性を発現できることが開示されている。
しかしながら、本発明者らの研究によると、これらの公報に記載されたポリマーは、非常に融点が高く、また結晶性が過度にあることから、成形加工、特にフィルムなどに製膜しようとすると、溶融押出工程が不安定化したり、延伸時に破断しやすかったりすることが判明した。なお、これら特許文献には、非常に高い結晶性と294℃という非常に高い融点を有するのポリエチレン−6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートが具体的に提示されている。
特開昭60−135428号公報 特開昭60−221420号公報 特開昭61−145724号公報 特開平6−145323号公報
本発明の目的は、寸法安定性に優れる芳香族ジカルボン酸とグリコール成分とからなる新規な芳香族ポリエステルに、さらに優れた成形性と生産性とを具備させることにある。
本発明者らは、上記課題を解決しようとして、先ず前述の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を主成分ではなく共重合成分とすることを研究したところ、飛躍的に成形性が向上し、しかも、驚くべきことに特許文献3などのように温度膨張係数が大きくならずに、従来のポリエチレン−2,6−ナフタレート対比湿度膨張係数が小さな、すなわち優れた寸法安定性を有する成形品が得られることを見いだした。
そこで、さらに成形性を向上させようと鋭意研究した結果、特定量のカリウム化合物またはナトリウム化合物を含有させることで、ポリマーの溶融電気抵抗を小さくでき、例えばフィルムに製膜する際のピンニング性が向上できることも見出した。
ところで、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸と他の芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とを、エチレングリコールとエステル化反応もしくはエステル交換反応させようとすると、極めてその共重合反応が進みにくいという問題があることが判明した。そして、このような問題に対して、より高温で長時間反応させるなどの過度に厳しい条件を採用したりして進めると、反応は進んだとしても副生物などの異物が多く、得られる製品の品質を損なう問題などがあることも見出した。そして、この反応性の問題についても、前述のカリウム化合物またはナトリウム化合物を反応系に特定量存在させておくことで、過度に厳しい条件を採用しなくても反応を進行させることが出来、その結果生産性を高度に高められることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステル組成物であって、全酸成分のうち、5モル%以上50モル%未満が、下記式(1)
Figure 0005080096
(上記一般式(1)中のRは、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であること、全グリコール成分のうち、90モル%以上がエチレングリコール成分であること、そして該芳香族ポリエステルは、その重量を基準として、カリウム化合物およびナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、金属元素量で20〜200ppmの範囲で含有する共重合芳香族ポリエステル組成物およびそれを用いた成形品が提供される。
さらにまた、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ成分以外の芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および2,7−ナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも1種であること、DSCにおける融点が200〜260℃の範囲にあること、ジエチレングリコール成分の含有量が、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、0.2から2重量%の範囲であることの少なくともいずれか一つを具備する共重合芳香族ポリエステル組成物およびそれを用いた成形品も提供される。
さらにまた、本発明によれば、芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(ただし、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸およびそのエステル形成性誘導体は除く。)、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸もしくはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを、エステル化反応およびエステル交換反応からなる群より選ばれる少なくとも一種の反応を行なう第一反応工程と、第一反応工程によって得られたポリエステルの前駆体をさらに重縮合反応させる第二反応工程とからなる共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法であって、全酸成分中の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が5モル%以上50モル%未満であること、そして、第一反応工程が、カリウム化合物およびナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、得られる共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、金属元素量で20〜200ppmの範囲で存在させた状態下で行なう共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法も提供される。
本発明によれば、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合することによって改質された芳香族ポリエステルを、共重合反応におけるモノマー合成段階、すなわちグリコール成分と酸、あるいはそのエステル形成体成分とのエステル化あるいはエステル交換反応の生産性を高めて提供できる。また、ナトリウム化合物またはカリウム化合物を含有することで、過度に厳しい条件を採用する必要がないことから副生物などによる品位の低下が小さく、ポリマーの溶融電気抵抗も低いことから、フィルムなどに製膜する際のピンニング性が向上し、製膜における生産性もより向上させることができる。
したがって、本発明によれば、寸法安定性に優れる新規な共重合芳香族ポリエステルに、さらに優れた成形性と生産性を品位を損なうことなく具備させることができる。
本発明の共重合芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコール成分とからなり、全酸成分のうち5モル%以上50モル%未満が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分で、全グリコール成分のうち90モル%以上がエチレングリコール成分である。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が下限未満では、共重合による効果が十分に発現されがたく、また後述のカリウム化合物およびナトリウム化合物による反応促進効果も乏しくなる。他方、上限を越えて共重合しても、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合したことによる効果が飽和状態となってくる。好ましい6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合は、10〜45モル%、さらに15〜40モル%、特に20〜35モル%の範囲である。また、グリコール成分中のエチレングリコール成分の割合が下限未満であると、得られる共重合芳香族ポリエステルの機械的特性などが低下しやすい。好ましいエチレングリコール成分の割合の下限は95モル%以上、さらに97モル%以上である。
本発明における、前述の構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分としては、Rの部分が炭素数1〜10のアルキレン基であるものであり、好ましくは6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記一般式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特に6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が好ましい。
本発明における6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分以外の他の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、フタル酸成分、イソフタル酸成分、1,4−フェニレンジオキシジカルボン酸成分、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸成分、4,4’−ジフェニルジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸成分、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分または2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられ、これらの中でもより機械的特性などを高度に維持しやすい観点から、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および2,7−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。
もちろん、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の共重合成分をさらに共重合、例えば繰り返し単位のモル数に対して10モル%以下、さらに5モル%以下の範囲で共重合していてもよい。具体的なさらなる共重合成分としては、ヘキサヒドロテレフタル酸成分、ヘキサヒドロイソフタル酸成分などの脂環式ジカルボン酸成分、コハク酸成分、グルタル酸成分、アジピン酸成分、ピメリン酸成分、スベリン酸成分、アゼライン酸成分、セバシン酸成分、ウンデカジカルボン酸成分、ドデカジカルボン酸成分などの脂肪族ジカルボン酸成分、イソプロピレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、ヘキサメチレングリコール成分、オクタメチレングリコール成分、ジエチレングリコール成分などのグリコール成分、グリコール酸成分、p−ヒドロキシ安息香酸成分、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸成分などのヒドロキシカルボン酸成分や、アルコキシカルボン酸成分、ステアリルアルコール成分、ベンジルアルコール成分、ステアリン酸成分、ベヘン酸成分、安息香酸成分、t−ブチル安息香酸成分、ベンゾイル安息香酸成分などの単官能成分、トリカルバリル酸成分、トリメリット酸成分、トリメシン酸成分、ピロメリット酸成分、ナフタレンテトラカルボン酸成分、トリメチロールエタン成分、トリメチロールプロパン成分、グリセロール成分、ペンタエリスリトール成分などが挙げられる。
ところで、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、カリウム化合物またはナトリウム化合物を、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、それぞれの金属元素量、すなわちカリウム元素およびナトリウム元素の合計量で、20〜200ppmの範囲で含有していることが必要である。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸もしくはそのエステル形成性誘導体とそれ以外の他の芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを反応させてモノマーを製造しようとすると、常圧下の反応においては無触媒ではほとんど反応が進行せず、加圧して反応温度を高温にすることでようやく反応が進む程度であることが判明した。そして、カリウム化合物あるいはナトリウム化合物を加えたり、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸中に積極的に存在させると、反応が活性化し、反応時間を短縮できたり、常圧での反応が可能となり、生産性が向上することを見出したのが本発明の一つの特徴である。
カリウム化合物やナトリウム化合物の含有量は、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準としたとき、下限未満では、反応速度の促進効果が十分に発現しにくく、また溶融電気抵抗を小さくする効果も乏しくなる。他方上限を越えると、反応速度の促進効果が飽和状態に近づき、むしろ耐熱性が悪化したり、合成される共重合芳香族ポリエステルの色相が悪化するといった不具合が生じやすくなる。好ましい共重合芳香族ポリエステル中のカリウム化合物またはナトリウム化合物の量は、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、カリウム元素およびナトリウム元素の量で20〜200ppm、さらに好ましくは50〜150ppmの範囲である。すなわち、カリウム化合物もしくはナトリウム化合物を、上記の通り含有させることにより、共重合芳香族ポリエステルを製造する際の生産性を高めつつ、得られる共重合芳香族ポリエステルの溶融電気抵抗を小さくすることができ、その結果、フィルムなどに製膜する際、冷却ドラムへの密着性を向上でき、より厚み斑の均一なフィルムが製膜できるなど製膜工程での生産性も向上できる。
本発明における、カリウム化合物およびナトリウム化合物としては、それぞれの水酸化物、酢酸塩、炭酸塩などを挙げることができるが、もっとも好ましいのは6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の製造過程において生成し、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸中に塩として残存する化合物を挙げることができる。具体的には6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の合成方法のひとつに、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の前駆体として一旦水溶性化合物であるカリウムあるいはナトリウム塩化合物とし、これを硫酸などの酸により6,6’−(アルレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を酸析したのち、水洗などによる精製工程を経る方法がある。そして、通常であれば精製のためにカリウム塩やナトリウム塩は残存させないように除去するのだが、上記範囲となるようにカリウム化合物やナトリウム化合物を残存させることで、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の製造工程を簡略化し、さらに共重合芳香族ポリエステルの製造工程で新たに添加するナトリウム化合物やカリウム化合物の量を減らせたり、さらにはその添加工程自体を省略することにもつながる。
<ジエチレングリコール(DEG)>
本発明の共重合芳香族ポリエステルは、エチレングリコールをグリコール成分として用いることから、副生物としてジエチレングリコール成分が生成されやすい。このことは、たとえばポリエチレンテルフタレートの合成反応などでも知られており、本発明における反応においても同様にジエチレングリコール成分が副生するが、このジエチレングリコール成分は、本発明の効果の点から、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、2重量%以下であることが好ましい。なお、下限は特に制限されないが、通常は0.2%程度である。ジエチレングリコール成分の割合を上限以下にすることで、ジエチレングリコールがポリマー骨格に含まれることによる機械的特性の低下や耐熱性の低下を小さくすることができる。なお、このようなジエチレングリコール成分は、特許文献1〜4に示されるような6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるのではなく、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸とエチレングリコールとをエステル化反応させることで少なくすることができる。なお、ジエチレングリコールの含有量は、核磁気共鳴装置によって測定する事ができる。
<成形品>
本発明の共重合芳香族ポリエステルからなる成形品は、本発明の共重合芳香族ポリエステルを溶融紡糸することで繊維に、溶融製膜することでフィルムやシートに、そして射出成形することでボトルや容器などとして成形することができる。特に、本発明の共重合芳香族ポリエステルをフィルムとする場合、前述の通り、カリウムあるいはナトリウム化合物を含有することにより、単に樹脂の生産性に優れるだけでなく、溶融電気抵抗が低いことによって製膜するときのピンニング性にも優れることから、製膜性に優れた、例えば厚み斑のない均一なフィルムの製造に貢献することができる。
しかも、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、前述のとおり、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合していることから、低い温度膨張係数と湿度膨張係数を有する優れた寸法安定性なども具備している。
<共重合芳香族ポリエステルの製造方法>
つぎに、本発明の共重合芳香族ポリエステルの製造方法について詳述する。
まず、第一反応工程として、芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(ただし、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸およびそのエステル形成性誘導体は除く。)と、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールとを、エステル化反応もしくはエステル交換反応させる。このとき、重要なことは、前述の共重合芳香族ポリエステルで説明したとおり、全酸成分中の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合を5モル%以上50モル%未満とすることと、カリウム化合物およびナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、得られる共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、金属元素量で20〜200ppmの範囲で存在させておくことである。なお、上述のエステル形成性誘導体とは、例えば炭素数1〜3の低級アルキルエステルが好ましく挙げられ、特にジメチルエステルやジエチルエステルなどが好ましく挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(ただし、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸およびそのエステル形成性誘導体は除く。)としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体、例えばジメチルエステルやジエチルエステルなどが挙げられ、これらの中でもより機械的特性などを高度に維持しやすい観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸酸およびそれらのエステル形成性誘導体が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体が好ましい。
また、前述の第一反応工程に存在させるエチレングリコール成分のモル数は、全酸成分のモル数に対して、1.1〜6倍、さらに2〜5倍、特に3〜5倍であることが好ましい。特に、反応におけるエチレングリコールと酸成分のモル比をポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの合成反応に比べて大きくすることで、グリコール成分にほとんど溶解しない6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を希釈分散させて、反応系の流動性を高めることが出来る。
また、エステル化反応は徐々に加温していき、最終的に260℃までの範囲で行なうことが好ましい。副生物であるジエチレングリコール成分の生成を抑えるためには、出来るだけ低い温度で反応を完結させることが好ましい。なお、本発明では、前述のとおり、カリウムやナトリウム化合物の存在によって、反応を常圧下で行うこともできるが、さらに生産性を高めるために加圧下で反応を行ってもよいし、テトラブチルチタネートに代表されるチタン触媒などの重合触媒をエステル化あるいはエステル交換触媒として加えて反応性をさらに高める方法も可能である。
さらに、常圧下での反応性を高める方法としてポリエステルの前駆体を種モノマーとして予め用意しておき、そのモノマーをベースとして新たに6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を添加してエステル化反応を行う方法もある。このとき、更に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルなど先述の共重合成分を添加して反応させてもよい。こうした方法は、反応した共重合モノマーを一部残して、それを次の共重合モノマーの合成反応に用いることで新たに工程を必要とせず、さらに反応時間を短縮でき、副生するジエチレングリコール成分の生成などを抑えられるという利点も具備する。
チタン化合物を触媒として用いる場合は、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、チタン元素量で5〜150ppm、さらに10〜100ppm、さらに15〜50ppmの範囲で用いることが、反応性と得られるポリマーの耐熱性や色相の点から好ましい。具体的な重縮合触媒としてのチタン化合物としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェエニルチタネート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステル、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸、又は塩基からなる反応生成物などが挙げられる。
また、最終的に重縮合反応で生成される共重合ポリマーの耐熱性を向上させる目的で、第一反応工程が終了した段階で、リン化合物を安定剤として加えても良い。リン化合物を安定剤として用いる場合は、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、5〜150ppm、さらに10〜100ppm、さらに15〜50ppmの範囲で用いることが好ましい。また、チタン化合物とリン化合物の量は、それぞれの元素量(リン:P、チタン:Ti)のモル比(P/Ti)は2以下、さらに1.5以下であることが、重縮合反応の反応性の点から好ましい。
ポリエステルの触媒としてそれ自体公知のマンガン、マグネシウム、アンチモン、ゲルマニウムなどの化合物を本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。
このようにして第一反応工程によって得られた反応性生物は、さらにそれらを重縮合反応させる第二反応工程に導かれ、O−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定したときの固有粘度が0.4〜1.0の共重合芳香族ポリエステルとされる。もちろん、必要に応じて、さらに固相重合処理を行っても良い。
さらに、第二反応工程で行なわれる重縮合反応について説明する。まず、重縮合温度は得られるポリマーの融点以上、より好ましくは融点より5℃高い温度から融点より100℃高い温度まで、さらに好ましくは融点より20℃高い温度から50℃高い温度までである。また、重縮合反応は通常30Pa以下の減圧下で行うのが好ましい。30Paより高いと重縮合反応に要する時間が長くなり且つ重合度の高い共重合芳香族ポリエステルを得ることが困難になる。
重縮合触媒としては、少なくとも一種の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。具体的な金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。より好ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズなどであり、中でも、チタン化合物はエステル化反応と重縮合反応との双方の反応で、高い活性を発揮するので特に好ましい。なお、具体的なチタン化合物としては、前述の第一反応工程で説明したのと同様なものを挙げることができる。
これらの触媒は単独でも、あるいは併用してもよい。かかる触媒量は、全酸成分のモル数に対して、0.001〜0.5モル%、さらには0.005〜0.2モル%が好ましい。
本発明の共重合芳香族ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などを必要に応じて配合してポリエステル組成物としても良く、そのようなポリエステル組成物にすることは得られる成形品に更なる特性を付与しやすいことから好ましい。なお、他の熱可塑性ポリマーとしては、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、さらには6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の共重合量が外れるポリエステル系樹脂などが挙げられる。本発明の共重合芳香族ポリエステル、およびこれに他の熱可塑性樹脂などを混合した樹脂組成物は、押出成形法、射出成形法、押出しブロー成形法、カレンダー成形法により、各種の成形品とすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価し、特に断らない限り、ppmおよび部は、重量を基準とした値である。
(1)固有粘度(IV)
得られたポリエステルの固有粘度はO−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて、35℃の雰囲気下で測定し求めた。
(2)ガラス転移点および融点
得られたポリエステルのガラス転移点、融点はDSC(TA Instrumennts製、商品名:DSC2020)により昇温速度10℃/minで測定した。
(3)酸成分の共重合組成の分析
得られたポリエステルの試料50mgをp−クロロフェノール:重テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、400M 13C−NMR(日立電子製、JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
(4)含有カリウム、ナトリウム元素量
含有アルカリ金属元素量については、得られたポリエステルの試料を灰化後、0.5N塩酸に溶解して、原子吸光分析装置(HITACHI製 Z−2300)にて測定した。
(5)含有チタン、リン元素量
得られたポリエステルの試料を溶融成型したのち、蛍光X線(リガク社製 ZSX100e)を用いて測定した。得られた元素量は、樹脂の重量を基準とした値として示す。
(6)溶融電気抵抗
305℃に溶融保持した樹脂中に電極を1cmの間隔をおいて投入し、電極間に直流1000Vの電圧をかけて、このときの電気抵抗値を計測した。
なお、電気抵抗値は、以下の式から算出した。
電気抵抗値(MΩ・cm)=V×S/(I×D)
ここで、Vは印加電圧(V)、Sは電極の面積(cm)、Iは測定電流(A)、Dは電極間距離(cm)である。
(7)生産性
容積300mlの三ツ口フラスコに攪拌機を取り付け、ウイグリュー式精留塔およびコンデンサを設置し、マントルヒーターにて加熱して、メタノール、水、エチレングリコールなどを留去させながらエステル化またはエステル交換反応を行い、留出が始まってから反応液が透明になるまでの所要時間を測定した。
(8)DEG分析
ヒドラジンにより樹脂を加水分解し、遊離したジエチレングリコールをガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard社製6990)にて分析した。
[実施例1]
<ベースモノマー(種オリゴマー)の合成>
精留塔およびコンデンサ付き300ミリリットル容器に、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル122g、エチレングリコール62g、テトラ−n−ブチルチタネート0.025gを入れ加温し、メタノールを留出させながら250℃まで昇温し、ポリエチレンナフタレートのモノマーを合成した。このときの留出液は32gであった。
<共重合ポリマーの合成>
先のモノマーを冷却後細かく裁断して76gを用意し、モノマー合成と同様の反応容器に入れ、続いてカリウム化合物を含有する6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(カリウム元素量で300ppm)を60.3g、エチレングリコール37.2gを加えたのち、前述の(7)の生産性の評価方法で示した方法に沿って加温しつつ流動性が出てきたところから攪拌も開始し、エステル化反応により水および少量のエチレングリコールを留出させた。フラスコ内は白濁状態が続いていたが、内温250℃を超える時点で反応液は急激に透明になった。引き続き255℃まで昇温し反応終了とした。所要時間は昇温に30分、留出が始まってから3時間15分を要した。
その後、テトラ−n−ブチルチタネートを6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分のモル数に対して、15ミリモル%加え、このモノマーを系外に取り出し、冷却後細かく裁断して、このうち120gを重縮合反応用ソルトバスへセットした300ミリリットルのフラスコ中へ移し、これを290℃のソルトバスへ漬し、溶解後常圧で攪拌しながら20分間保持したのち徐々に真空度を上げて行き、エチレングリコールを留出させながら最終的に圧力が20Paになったところで反応を終了させた。
重縮合反応時間は常圧反応時間20分と合せて65分、得られたポリマーの固有粘度は0.67dl/g、カリウム元素の濃度は140ppm、溶融電気抵抗を測定したところ、12MΩcmであり、製膜時のピンニング性に効果の期待される抵抗値の低いポリマーであることを確認した。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の共重合ポリマーの合成において、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸として精製することでカリウム元素濃度を50ppm以下まで下げたものに変えた他は、実施例1と同様に反応を進めたが、3時間経ても反応は進行せず水を留出させることが出来なかった。このため、テトラ−n−ブチルチタネートをチタン元素として、最初に加えた6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の30ミリモル%相当量を加えて反応を再開し、最終的に5時間15分後に反応を完結させた。続いて実施例1に沿って重縮合反応を行い、最終的に20Paにて反応を終了させ、固有粘度0.68のポリマーを得た。得られたポリマーは、樹脂の重量を基準として、カリウム元素の濃度が10ppm、溶融電気抵抗値は58MΩcmと実施例1に比べ抵抗値の高いポリマーであった。
得られたポリマーの特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1のベースモノマーの合成に代えて、市販の試薬であるビスヒドロキシエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレートモノマーに相当)を63.5g用意し、これにテレフタル酸ジメチル24.3g、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(カリウム元素量で300ppm)50.3gを酸成分として加え、更にエチレングリコール46.5gを添加して、実施例1の共重合ポリマーの合成の前段に記した合成方法によりモノマーを合成した。このときの反応時間は250℃を超えたあたりで反応液が透明になるまで4時間を要し、留出液は25gであった。この液にテトラ−n−ブチルチタネートを全酸成分のモル数に対して、15ミリモル%となるように加え255℃にて反応を終了させた。
続いて冷却後取り出した共重合モノマーを裁断して、このうち120gを実施例1と同様に重縮合反応用フラスコに入れ反応に供した。重合所要時間は60分、溶融電気抵抗値は25MΩcmと良好であった。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様な操作を繰り返して、テトラ−n−ブチルチタネートを添加する前の反応生成物、すなわち6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分と2.6ナフタレンジカルボン酸成分と残留エチレングリコールとを含有するモノマー混合物を作成し、そのモノマー混合物77.9gに、さらに2.6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル24.4g、カリウム化合物を含有する6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(カリウム元素量が300ppm)40.2gおよびエチレングリコール37.2gを加えたものを、前述の(7)の生産性の評価方法で示した方法に沿って反応を行なった。反応時間は3時間40分であった。その後テトラ−n−ブチルチタネートを全酸成分の10ミリモル%相当量を加えこのモノマーを系外に取り出し、冷却後細かく裁断し120gを実施例1と同様の方法で重縮合反応を行いIV0.67のポリマーを得た。重合所要時間は56分、溶融電気抵抗値は11MΩcmと良好であった。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[実施例4]
比較例1において、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を添加する際に、酢酸ナトリム(三水塩)0.100gをさらに加えた他は比較例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリマーの溶融電気抵抗は9MΩcmと良好であった。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[比較例2]
1リットルの圧力容器に2.6ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル152.5g、カリウム化合物の含有量をカリウム元素量で50ppm以下まで精製した6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸150.8g、エチレングリコール170.5gにテトラ−n−ブチルチタネート0.153g(全酸成分に対し45mmol%相当)を加えて窒素(N)にて反応圧力を0.25MPaにあげ、内圧を同じ圧力にコントロールしつつ加温し、メタノールと水を留去させ、内温250℃にて、留出水が出なくなるまで4時間かけたのち反応を終了させた。このモノマーを実施例1と同様に重縮合反応に供しIV0.67のポリマーを得た。このポリマーの溶融電気抵抗を測定したところ、78MΩcmでありかつジエチレングリコール濃度も2.1重量%と高いものであった。
Figure 0005080096
表1中のNEOHは、6,6’−(アルキレンジオキシ)−2−ナフトエ酸成分、NDCは2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、TAはテレフタル酸成分、モノマー合成時間は留出開始から反応液が透明になるまでの時間、IVは固有粘度、DEGはジエチレングリコール量を意味する。
本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形などの通常の溶融成形に供することができ、繊維、フィルム、三次元成形品、容器、ホース等に加工することができる。

Claims (5)

  1. 芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる芳香族ポリエステル組成物であって、
    全酸成分のうち、5モル%以上50モル%未満が、下記式(1)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であること、
    全グリコール成分のうち、90モル%以上がエチレングリコール成分であること、そして該芳香族ポリエステルは、その重量を基準として、カリウム化合物およびナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、金属元素量で20〜200ppmの範囲で含有することを特徴とする共重合芳香族ポリエステル組成物
    Figure 0005080096
    (上記一般式(1)中のRは、炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
  2. 6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分以外の芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および2,7−ナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル組成物
  3. DSCにおける融点が200〜260℃の範囲にある請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル組成物
  4. ジエチレングリコール成分の含有量が、共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、0.2から2重量%の範囲である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル組成物
  5. 芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(ただし、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸およびそのエステル形成性誘導体は除く。)、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸もしくはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを、エステル化反応およびエステル交換反応からなる群より選ばれる少なくとも一種の反応を行なう第一反応工程と、第一反応工程によって得られたポリエステルの前駆体をさらに重縮合反応させる第二反応工程とからなる共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法であって、
    全酸成分中の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が5モル%以上50モル%未満であること、そして、
    第一反応工程が、カリウム化合物およびナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、得られる共重合芳香族ポリエステルの重量を基準として、金属元素量で20〜200ppmの範囲で存在下で行なうことを特徴とする共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法。
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