JP4826363B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を印字するようにしたインクジェットプリンタに関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッド(インクジェットヘッドともいう)とが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復移動しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を印字して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上のインクジェットヘッドを印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するためにインクジェットヘッドを10回程度から数十回以上も往復運動させる必要がある。
これに対し、印刷媒体の幅と同じ寸法の長尺のインクジェットヘッド(一体である必要はない)を配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドを印刷媒体の幅方向に移動させる必要がなく、所謂1パスでの印刷が可能となるため、レーザプリンタなどと同様な高速な印刷が可能となる。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス(シリアル)型インクジェットプリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型インクジェットプリンタ」と呼んでいる。
このようなラインヘッド型インクジェットプリンタでは、特に印刷媒体の搬送が重要になる。そこで、下記特許文献1では、複数の搬送ベルトを単一の駆動源で等速駆動するようにすると共に、搬送ベルトの印刷媒体搬送方向上流側には、印刷媒体の斜行、所謂スキューを補正するためのシャッターが設けられている。このラインヘッド型インクジェットプリンタでは、給紙部の印刷媒体はピックアップローラと搬送ローラで給紙されるが、その際、印刷媒体が斜めに送られている場合には、斜めに送られた印刷媒体の搬送方向先端がシャッターにあたり、印刷媒体のたわみを伴いながら搬送方向先端部がシャッターにガイドされてシャッターと平行、即ち搬送方向と交差する方向に姿勢調整され、その後、搬送ベルト上に給紙される。
特開2001−113690号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されるラインヘッド型インクジェットプリンタでは、印刷媒体の搬送方向先端部をシャッターにあて、印刷媒体のたわみを伴いながら姿勢調整するのに時間がかかる。つまり、印刷媒体を高速でシャッターにあてると、印刷媒体が折れてしまうので、印刷媒体や折れないようにゆっくりシャッターにあて、所謂印刷媒体の腰(弾性力)で先端部をシャッターと平行にする。そのため、印刷媒体の姿勢調整時間を短縮するのに限界がある。また、印刷媒体の搬送方向先端部を完全にシャッターに沿わせて印刷媒体の姿勢調整を行うのが困難で、かなりの姿勢調整誤差が生じる。
また、シャッターの代わりに一対のローラを用いる、所謂ゲートローラ方式でも同様の問題が生じる。このゲートローラ方式では、停止状態にある一対のローラの当接部、所謂ニップ部に印刷媒体の搬送方向先端部があたり、印刷媒体のたわみを伴いながら搬送方向先端部がニップ部に沿って平行になり、印刷媒体の姿勢が調整され、然る後、ローラを回転させて搬送ベルトなどの搬送手段に給紙される。従って、このゲートローラ方式でも、印刷媒体の搬送方向先端部を突き当てて姿勢制御を行う点では、シャッター方式と原理的に同じであり、姿勢調整時間がかかったり、姿勢調整誤差が生じたりする問題が生じる。
また、両方式に共通して、印刷媒体の搬送方向先端部が突き当たったり、曲げ変形したり、印刷媒体先端部が擦れたりしてダメージを受け、印刷媒体搬送方向先端部のコバ(切り口)から紙粉が発生したり、所謂耳折れが発生したりする。ラインヘッド型インクジェットプリンタの場合、紙粉はインクジェットヘッドのノズル面に付着し、インクの不吐出や所謂飛行曲がりを起こし、機械的信頼性の低下、印字劣化につながる。また、耳折れは印刷媒体のインクジェットヘッドへの衝突によるジャム(紙詰まり)やノズル面接触による印字不良を引き起こし、インクジェットプリンタとして重大な欠点となる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、印刷媒体を突き当てることなく姿勢調整することで姿勢調整時間を短縮すると共に姿勢調整誤差を抑制防止し、更に諸問題を回避することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、印刷媒体を所定の搬送速度で所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される印刷媒体に対し、所定の印字位置でインクを吐出して印字を行うインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタにおいて、前記搬送手段による印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数配設された印刷媒体姿勢調整手段と、前記複数の印刷媒体姿勢調整手段を個々に駆動する複数のアクチュエータと、前記複数のアクチュエータの駆動状態を個々に制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体搬送方向と交差する方向に印刷媒体姿勢調整手段を複数配設し、それらの印刷媒体調整手段の駆動用アクチュエータを制御手段によって個々に制御する構成としたため、例えば印刷媒体調整手段を、印刷媒体のうち、搬送方向と交差する方向の両端部の搬送速度を調整するものとすれば、印刷媒体を突き当てることなく姿勢調整することができ、これにより姿勢調整時間を短縮すると共に姿勢調整誤差を抑制防止し、更に諸問題を回避することができる。
[発明2]また、発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体姿勢調整手段に対応する位置に、印刷媒体の位置を検出する印刷媒体位置検出手段を備えたことを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体姿勢調整手段に対応する位置に印刷媒体位置検出手段を配設する構成としたため、この印刷媒体位置検出手段で印刷媒体の位置を検出しながら印刷媒体姿勢調整手段によって印刷媒体の姿勢を調整するようにすれば、フィードバック制御を可能とする閉ループが構成され、より一層正確な印刷媒体姿勢制御が可能となる。
[発明3]また、発明3のインクジェットプリンタは、前記発明2のインクジェットプリンタにおいて、前記制御手段は、前記印刷媒体位置検出手段で検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて前記複数のアクチュエータの駆動状態を制御することを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体位置検出手段で検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて複数のアクチュエータの駆動状態を制御する構成としたため、閉ループのフィードバック制御によってより一層正確な印刷媒体姿勢制御を行うことができる。
[発明4]また、発明4のインクジェットプリンタは、前記発明3のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体姿勢調整手段が印刷媒体の搬送速度を調整して当該印刷媒体の姿勢を調整するものである場合、前記制御手段は、前記印刷媒体位置検出手段で検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定し、この印刷媒体搬送速度調整量が達成されるように前記複数のアクチュエータの駆動状態を制御することを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体位置検出手段で検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定し、この印刷媒体搬送速度調整量が達成されるように複数のアクチュエータの駆動状態を制御する構成としたため、より一層正確な印刷媒体姿勢制御を可能とすると共に、印刷媒体を搬送しながら姿勢制御することができ、これにより姿勢調整時間を含む印字所要時間を短縮することができる。
[発明5]また、発明5のインクジェットプリンタは、前記発明4のインクジェットプリンタにおいて、前記制御手段は、複数の印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度の平均値が前記印刷媒体の所定の搬送速度に常に一致するように印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定することを特徴とするものである。
この発明5に係るインクジェットプリンタによれば、複数の印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度の平均値が印刷媒体の所定の搬送速度に常に一致するように印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定する構成としたため、姿勢制御中の印刷媒体全体の搬送速度を所定の搬送速度とすることができるので印刷媒体の搬送を滑らかなものとすると共に、如何様な姿勢の印刷媒体でも姿勢調整時間を含む印字所要時間を一定とすることができる。
[発明6]また、発明6のインクジェットプリンタは、前記発明1〜5のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体姿勢調整手段は、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架され且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数併設された搬送ベルトからなる搬送手段であることを特徴とするものである。
この発明6に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架され且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数併設された搬送ベルトからなる搬送手段を印刷媒体姿勢調整手段としたため、個別の印刷媒体姿勢調整手段を必要とせず、構成が簡潔になると共に、搬送ベルト上での印刷媒体姿勢制御が可能となるので、印字までの間に乗り移り等による印刷媒体姿勢変化要因を回避できる。
[発明7]また、発明7のインクジェットプリンタは、前記発明1〜5のインクジェットプリンタにおいて、前記搬送手段は、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架された搬送ベルトからなり、前記印刷媒体姿勢調整手段は、前記搬送手段の印刷媒体搬送面に対向して配設され且つ印刷媒体に接触して搬送可能な回転体からなることを特徴とするものである。
この発明7のインクジェットプリンタによれば、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架された搬送ベルトを搬送手段とし、その搬送ベルトからなる搬送手段の印刷媒体搬送面に対向して配設され且つ印刷媒体に接触して搬送可能な回転体を印刷媒体姿勢調整手段としたため、搬送ベルト上での印刷媒体姿勢制御が可能となるので、印字までの間に乗り移り等による印刷媒体姿勢変化要因を回避できる。
[発明8]また、発明8のインクジェットプリンタは、前記発明6,7のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体姿勢調整手段は、前記搬送ベルト上で印刷媒体の姿勢を調整することを特徴とするものである。
この発明8のインクジェットプリンタによれば、搬送ベルト上で印刷媒体の姿勢を調整する構成としたため、印字までの間に乗り移り等による印刷媒体姿勢変化要因を回避することができる。
[発明9]また、発明9のインクジェットプリンタは、前記発明1〜5のインクジェットプリンタにおいて、前記搬送手段は、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架された搬送ベルトからなり、前記印刷媒体姿勢調整手段は、前記搬送手段の印刷媒体搬送方向上流側に配設され且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数併設された搬送ローラからなることを特徴とするものである。
この発明9のインクジェットプリンタによれば、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架された搬送ベルトを搬送手段とし、その搬送ベルトからなる搬送手段の印刷媒体搬送方向上流側に配設され且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数併設された搬送ローラを印刷媒体姿勢調整手段としたため、例えばゲートローラを印刷媒体姿勢調整手段とすることにより、個別の印刷媒体姿勢調整手段を必要とせず、構成が簡潔になる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図1aは、その平面図、図1bは正面図である。図1において、印刷媒体1は、図の右方から左方に向けて図の矢印方向に搬送され、その搬送途中の印字領域で印字される、ラインヘッド型インクジェットプリンタである。図1は、印刷媒体1が印字領域を通過している状態を示している。
図中の符号2は、印字領域に配設されたヘッドユニット、符号3は、ヘッドユニット2に設けられたインクジェットヘッドであり、ヘッドユニット2の下方には印刷媒体1を搬送するための搬送部4R、4Lが設けられている。この搬送部4R、4Lは、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向(以下、ノズル列方向とも称す)に所定の間隔をあけて配設された6本の第1搬送ベルト5R、5Lで構成される。
6本の搬送ベルト5R、5Lのうち、ノズル列方向右側3本の搬送ベルト5Rと、ノズル列方向左側3本の搬送ベルト5Lとを区分する。即ち、ノズル列方向右側3本の搬送ベルト5Rの印刷媒体搬送方向下流側に右側駆動ローラ6Rが配設されると共に印刷媒体搬送方向上流側に右側従動ローラ7Rが配設され、ノズル列方向左側3本の搬送ベルト5Lの印刷媒体搬送方向下流側に左側駆動ローラ6Lが配設されると共に印刷媒体搬送方向上流側に左側従動ローラ7Lが配設されている。そして、ノズル列方向右側3本の搬送ベルト5Rは右側駆動ローラ6R及び右側従動ローラ7Rに巻回されて張架され、ノズル列方向左側3本の搬送ベルト5Lは左側駆動ローラ6L及び左側従動ローラ7Lに巻回されており、右側駆動ローラ6Rには右側電動モータ8Rが接続され、左側駆動ローラ6Lには左側電動モータ8Lが接続されている。
従って、右側電動モータ8Rによって右側駆動ローラ6Rを回転駆動すると、ノズル列方向右側3本の搬送ベルト5Rで構成される右側搬送部4Rは、互いに同期し且つ同じ速度で移動し、左側電動モータ8Lによって左側駆動ローラ6Lを回転駆動すると、ノズル列方向左側3本の搬送ベルト5Lで構成される左側搬送部4Lは、互いに同期し且つ同じ速度で移動する。但し、右側電動モータ8Rと左側電動モータ8Lの回転速度を異なるものとすると、ノズル列方向左右の搬送速度を変えることができ、具体的には右側電動モータ8Rの回転速度を左側電動モータ8Lの回転速度よりも大きくすると、ノズル列方向右側の搬送速度を左側よりも大きくすることができ、左側電動モータ8Lの回転速度を右側電動モータ8Rの回転速度よりも大きくすると、ノズル列方向左側の搬送速度を右側よりも大きくすることができ、これにより印刷媒体の搬送姿勢を調整することができる。従って、これら搬送ベルト5R、5Lで構成される搬送部4R、4Lそのものが、本発明の印刷媒体姿勢調整手段を構成している。
インクジェットヘッド3は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の6色の各色毎に、印雑媒体1の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド3には、図示しない各色のインクタンクからインク供給チューブを介してインクが供給される。各インクジェットヘッド3には、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向に、複数のノズルが形成されており(即ちノズル列方向)、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体1上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行うことにより、搬送部4R、4Lで搬送される印刷媒体1を一度通過させるだけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、これらのインクジェットヘッド3の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。
従動ローラ7R、7Lの印刷媒体搬送方向上流側には、給紙部28の印刷媒体1を搬送ベルト5R、5L上に給紙するためのフィードローラ9が二個一対で設けられている。また、フィードローラ9と搬送ベルト5R、5Lとの間には、印刷媒体1の乗り移りのための給紙ガイド板10が設けられている。一方、駆動ローラ6R、6Lの印刷媒体搬送方向下流側には、搬送ベルト5R、5L上の印刷媒体1を排紙部11に排紙するための排紙ローラ12が二個一対で設けられている。また、排紙ローラ12と搬送ベルト5R、5Lとの間には、印刷媒体1の乗り移りのための排紙ガイド板13が設けられている。
従動ローラ7R,7Lの印刷媒体搬送方向上流側で且つ給紙ガイド板10の下方にはベルト帯電ローラ14が配設され、搬送ベルト5R、5Lに当接している。このベルト帯電ローラ14は、図示しない電源から電荷が付与され、当接する搬送ベルト5R、5Lに電荷を付与してそれらを帯電する。一般に、これらのベルト類は、中・高抵抗体又は絶縁体で構成されているので、ベルト帯電ローラ14によって帯電すると、その表面に印加された電荷が、同じく高抵抗体又は絶縁体で構成される印刷媒体1に誘電分極を生じせしめ、その誘電分極によって発生する電荷とベルト表面の電荷との間に生じる静電気力でベルトに印刷媒体1を吸着することができる。なお、帯電手段としては、所謂電荷を降らせるコロトロンなどでもよい。
また、本実施形態では、搬送ベルト5R、5Lの併設方向外側に、例えば光電センサなどからなる印刷媒体位置センサ15R、15Lを配設している。この印刷媒体位置センサ15R、15Lは、該当する位置、即ち印刷媒体搬送方向と交差する方向の両外側で、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向の両端部における搬送方向先端部位置を検出するものである。ちなみに、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向の幅が狭い場合には、図2に示すように、印圧媒体位置センサ15R、15Lを印刷媒体の搬送方向と交差する方向の両端部に該当する位置に配設すればよい。
従って、このインクジェットプリンタによれば、ベルト帯電ローラ14で搬送ベルト5R、5Lの表面を帯電し、その状態でフィードローラ9によって給紙部28から印刷媒体1を給紙し、図示しない拍車やローラで構成される紙押えローラで印刷媒体1を搬送ベルト5R、5Lに押し付けると、前述した誘電分極の作用によって印刷媒体1は搬送ベルト5R、5Lの表面に吸着される。この状態で、電動モータ8R、8Lによって駆動ローラ6R、6Lを回転駆動すると、その回転駆動力が搬送ベルト5R、5Lを介して従動ローラ7R、7Lに伝達される。
このようにして印刷媒体1を吸着した状態で搬送ベルト5R、5Lを搬送方向下流側に移動し、印刷媒体1をヘッドユニット2の下方に移動し、各色のインクジェットヘッド3に形成されているノズルからインク滴を吐出して印字を行う。このインクジェットヘッド3による印字が終了したら、印刷媒体1を更に搬送方向下流側に移動し、排紙ローラ12印刷媒体1を搬送ベルト5R、5Lの表面から分離しながら排紙部11に排紙する。
また、図3に示すように、例えば給紙部28からフィードローラ9によって搬送ベルト5R、5L上に給紙される印刷媒体1が斜めになっている場合、即ちスキューがある場合、図4に示すように、印刷媒体1がヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向最上流側のインクジェットヘッド3に到着する以前に印刷媒体1の姿勢を調整し、図1に示すように、印刷媒体1を所定の姿勢で印字領域に通過させて印字を行うようにする。
前記インクジェットプリンタ内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。図5には、この制御装置内に構築された印刷媒体姿勢制御装置のブロック図を示す。本実施形態の印刷媒体姿勢調整手段駆動用のアクチュエータは電動モータ8R、8Lである。この印刷媒体姿勢制御装置は、右側及び左側の印刷媒体位置センサ15R、15Lの出力から印刷媒体1の位置情報を算出する印刷媒体位置情報算出部16と、この印刷媒体位置情報算出部16で算出された印刷媒体1の位置情報から印刷媒体1の搬送速度の調整量を算出する印刷媒体搬送速度調整量算出部17と、この印刷媒体搬送速度調整量算出部17で算出された印刷媒体1の搬送速度の調整量に基づいて右側及び左側の電動モータ8R、8Lに駆動信号を出力する右側及び左側ドライバ18R、18Lとからなる。なお、印刷媒体位置情報算出部16や印刷媒体搬送速度調整量算出部17は、図示しないコンピュータシステム内に構築されている。
次に、前記印刷媒体位置情報算出部16で算出される印刷媒体1の位置情報や、印刷媒体搬送速度調整量算出部17で算出される印刷媒体搬送速度調整量について説明する。例えば、図3に示すように、搬送方向と交差する方向(以下、幅方向と称す)のうち、図の上部(以下、右側と称す)が先行し、図の下部(以下、左側と称す)が後行している場合には、右側搬送ベルト5Rからなる右側搬送部4Rの搬送速度を小さくし、左側搬送ベルト5Lからなる左側搬送部4Lの搬送速度を大きくする。印刷媒体1の幅方向右側と左側の搬送方向への位置の差は、例えば右側印刷媒体位置センサ15Rが印刷媒体1の搬送方向先端部を検出した時間と、左側印刷媒体位置センサ15Lが印刷媒体1の搬送方向センタ部を検出した時間との差に、印刷媒体1の所定搬送速度を乗ずれば得られる。
この印刷媒体1の幅方向右側と左側の搬送方向への位置の差を距離ΔLとしたとき、この距離ΔLが算出された時刻、この場合は印刷媒体1の搬送方向先端部が搬送ベルト5R、5L上に到達した時刻t0から、印刷媒体1がヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向最上流側のインクジェットヘッド3に到着する直前の時刻t2までの間に、右側搬送ベルト5Rからなる右側搬送部4Rは印刷媒体1の幅方向右側端部を距離の半分値(ΔL/2)だけ遅らせ、左側搬送ベルト5Lからなる左側搬送部4Lは印刷媒体の幅方向左側端部を距離の半分値(ΔL/2)だけ進ませればよい。
例えば印刷媒体1の搬送方向先端部が印刷媒体の所定搬送速度をv0としたとき、図6aに示すように、右側搬送ベルト5Rからなる右側搬送部4Rの搬送速度vRを、時刻t0と時刻t2の中間の時刻t1まで等加速度で加速し、時刻t1から時刻t2まで等加速度で減速すると共に、図6bに示すように、左側搬送ベルト5Lからなる左側搬送部4Lの搬送速度vLを、時刻t0から時刻t1まで等加速度で減速し、時刻t1から時刻t2まで等加速度で加速するものとすると、所定搬送速度v0と実際の速度vR、vLとの速度差の面積、図でいうと三角形の面積が印刷媒体幅方向端部の位置の操作量になる。また、このようにすれば、印刷媒体1全体の搬送速度vは常に所定搬送速度v0に一致する。
この三角形の高さは、ΔL/2(t1−t0)=ΔL/2(t2−t1)=ΔL/(t2−t0)と表れる。また、印刷媒体1の幅方向右側と左側の距離ΔLが算出された位置、この場合は印刷媒体1の搬送方向先端部が搬送ベルト5R、5L上に到達した位置と、印刷媒体1がヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向最上流側のインクジェットヘッド3に到着する直前の位置までの距離をLとすると、前記時間差(t2−t0)はL/v0と表れるので、前記三角形の高さはv0・ΔL/Lとなる。従って、右側搬送ベルト5Rからなる右側搬送部4Rの搬送速度vRの到達最大速度はv0(1+ΔL/L)となり、左側搬送ベルト5Lからなる左側搬送部4Lの搬送速度vLの到達最小速度はv0(1−ΔL/L)となる。
これらの印刷媒体搬送速度調整量を見込んだ右側及び左側の搬送速度制御信号vR、vLが印刷媒体搬送速度調整量算出部17から右側及び左側ドライバ18R、18Lに出力され、それが夫々駆動信号に変換されて右側及び左側電動モータ8R、8Lに出力される。従って、本実施形態では、給紙部28からフィードローラ9で搬送ベルト5R、5L上に給紙される印刷媒体1にスキューが生じていても、ヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向最上流側のインクジェットヘッド3に到着する直前までには所定の搬送姿勢に調整され、その状態で印字が行われるので、印字性能が極めて高い。なお、印刷媒体1の位置は印刷媒体位置検出センサ15R、15Lによって随時検出され、その検出結果に基づいて前述の搬送速度制御信号vR、vLはフィードバック制御される。フィードバック制御による搬送速度制御信号vR、vLの補正方法は従来既存のものを適用する。
ちなみに、ラインヘッド型インクジェットプリンタでは、A4サイズの印刷媒体に対し、毎分150枚から300枚程度の印刷を容易に実現できる。毎分300枚印刷時の1枚あたりの所要時間は0.2秒である。しかしながら、前記特許文献1に記載されるシャッター方式、或いは前述したゲートローラ方式による印刷媒体姿勢制御には、数百ミリ秒から数秒の時間を要し、高速印刷の大いなる妨げになる。これに対し、印刷媒体を搬送しながら姿勢制御する本実施形態のインクジェットプリンタでは、前記高速印刷のサイクルタイムを現実のものとすることができる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、印刷媒体搬送方向と交差する方向に、右側及び左側搬送ベルト5R、5Lからなる印刷媒体姿勢調整手段を複数配設し、それらの印刷媒体調整手段の駆動用アクチュエータである電動モータ8R、8Lを制御装置によって個々に制御することとしたため、印刷媒体1のうち、搬送方向と交差する方向、即ち幅方向両端部の搬送速度を調整するものとすることで、印刷媒体1をなにものかに突き当てることなく姿勢調整することができ、これにより姿勢調整時間を短縮すると共に姿勢調整誤差を抑制防止し、更に諸問題を回避することができる。
また、右側及び左側搬送ベルト5R、5Lからなる印刷媒体姿勢調整手段に対応する位置に右側及び左側印刷媒体位置検出センサ15R、15Lを配設することとしたため、この印刷媒体位置検出センサ15R、15Lで印刷媒体1の位置を検出しながら印刷媒体姿勢調整手段によって印刷媒体1の姿勢を調整するようにすることで、フィードバック制御を可能とする閉ループが構成され、より一層正確な印刷媒体姿勢制御が可能となる。
また、右側及び左側印刷媒体位置検出センサ15R、15Lで検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて右側及び左側電動モータ8R、8Lからなる複数のアクチュエータの駆動状態を制御することとしたため、閉ループのフィードバック制御によってより一層正確な印刷媒体姿勢制御を行うことができる。
また、右側及び左側印刷媒体位置検出センサ15R、15Lで検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて右側及び左側搬送ベルト5R、5Lからなる印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定し、この印刷媒体搬送速度調整量が達成されるように右側及び左側電動モータ8R、8Lからなる複数のアクチュエータの駆動状態を制御する構成としたため、より一層正確な印刷媒体姿勢制御を可能とすると共に、印刷媒体1を搬送しながら姿勢制御することができ、これにより姿勢調整時間を含む印字所要時間を短縮することができる。
また、右側及び左側搬送ベルト5R、5Lからなる複数の印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度の平均値が印刷媒体1の所定の搬送速度に常に一致するように印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定することとしたため、姿勢制御中の印刷媒体1全体の搬送速度を所定の搬送速度とすることができるので印刷媒体1の搬送を滑らかなものとすると共に、如何様な姿勢の印刷媒体1でも姿勢調整時間を含む印字所要時間を一定とすることができる。
また、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラ6R、6Lと従動ローラ7R、7Lとに張架され且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数併設された右側及び左側搬送ベルト5R、5Lからなる搬送手段(右側及び左側搬送部4R、4L)を印刷媒体姿勢調整手段としたため、個別の印刷媒体姿勢調整手段を必要とせず、構成が簡潔になると共に、搬送ベルト5R、5L上での印刷媒体姿勢制御が可能となるので、印字までの間に乗り移り等による印刷媒体姿勢変化要因を回避できる。
また、右側及び左側搬送ベルト5R、5L上で印刷媒体1の姿勢を調整することとしたため、印字までの間に乗り移り等による印刷媒体姿勢変化要因を回避することができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態について、図7を用いて説明する。本実施形態は、前述の第1実施形態に類似しており、同等の構成には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施形態と第1実施形態の具体的な相違点の1つは、前記第1実施形態のフィードローラ9に代えて、2個一対のゲートローラ19R、19Lが設けられている点である。このうち、右側ゲートローラ19Rは、印刷媒体幅方向右側に配設され、左側ゲートローラ19Lは、印刷媒体幅方向左側に配設されている。また、右側ゲートローラ19Rには右側電動モータ8Rが接続され、左側ゲートローラ19Lには左側電動モータ8Lが接続されている。即ち、この右側及び左側ゲートローラ19R、19Lが本実施形態の印刷媒体位置調整手段を構成する。その結果、駆動ローラ22及び従動ローラ23は一本化され、駆動ローラ22には電動モータ24が一つだけ接続されている。また、駆動ローラ22及び従動ローラ23に巻回されて張架されている搬送ベルト21には右側左側の差別がなくなり、搬送部20は一つだけになる。
この実施形態で、前記右側及び左側ゲートローラ19R、19Lからなる印刷媒体位置調整手段による印刷媒体1の姿勢制御は、印刷媒体1が帯電済の搬送ベルト21に完全に吸着される以前に行われる点を除いて、前記第1実施形態と原理は同じである。また、第1実施形態では右側及び左側搬送ベルト5R、5Lで印刷媒体1の幅方向右側及び左側の搬送速度を調整して位置制御するのに対し、本実施形態では右側及び左側ゲートローラ19R、19Lで印刷媒体1の幅方向右側及び左側の搬送速度を調整して位置制御する点も同じである。また、搬送速度を調整して位置制御する原理や作用も同じである。
即ち、印刷媒体の幅方向両端のうち、先行している側のゲートローラ19R、19Lの搬送速度を小さくし、後攻している側のゲートローラ19R、19Lの搬送速度を大きくする。その際、印刷媒体1の幅方向右側と左側の搬送方向への位置の差、即ち距離ΔLは、右側印刷媒体位置センサ15Rが印刷媒体1の搬送方向先端部を検出した時間と、左側印刷媒体位置センサ15Lが印刷媒体1の搬送方向センタ部を検出した時間との差に、印刷媒体1の所定搬送速度を乗ずれば得られる。印刷媒体1の幅方向右側と左側の搬送方向への距離ΔLに対し、先行している側のゲートローラ19R、19Lは印刷媒体1を距離の半分値(ΔL/2)だけ遅らせ、後行している側のゲートローラ19R、19Lは距離の半分値(ΔL/2)だけ進ませる。
印刷媒体1を進ませる側は中間時刻まで等加速度で加速し、次いで等加速度で減速し、印刷媒体1を遅らせる側は中間時刻まで等加速度で減速し、次いで等加速度で加速する場合、印刷媒体1の所定搬送速度v0に対し、印刷媒体1を進ませる側の到達最大速度をv0(1+ΔL/L)とし、印刷媒体1を遅らせる側の到達最小速度をv0(1−ΔL/L)とすることで、両者の平均値を常時、所定搬送速度v0に一致させることができる。これらの印刷媒体搬送速度調整量を見込んだ右側及び左側の搬送速度制御信号vR、vLが、図5の印刷媒体搬送速度調整量算出部17から右側及び左側ドライバ18R、18Lに出力され、それが夫々駆動信号に変換されて右側及び左側電動モータ8R、8Lに出力される。従って、本実施形態では、給紙部28から給紙される印刷媒体1にスキューが生じていても、ヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向最上流側のインクジェットヘッド3に到着する直前までには所定の搬送姿勢に調整され、その状態で印字が行われるので、印字性能が極めて高い。なお、印刷媒体1の位置は印刷媒体位置検出センサ15R、15Lによって随時検出され、その検出結果に基づいて前述の搬送速度制御信号vR、vLはフィードバック制御される。フィードバック制御による搬送速度制御信号vR、vLの補正方法は従来既存のものを適用する。
この実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1実施形態のインクジェットプリンタの効果に加えて、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラ22と従動ローラ23とに張架された搬送ベルト21を搬送手段(搬送部20)とし、その搬送ベルト21からなる搬送手段の印刷媒体搬送方向上流側に配設され且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数併設された搬送ローラ、即ち右側及び左側ゲートローラ19R、19Lを印刷媒体姿勢調整手段としたため、個別の印刷媒体姿勢調整手段を必要とせず、構成が簡潔になる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態について、図8を用いて説明する。本実施形態は、前述の第1実施形態に類似しており、同等の構成には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施形態と第1実施形態の具体的な相違点の1つは、搬送部20が一つだけになっている点であり、駆動ローラ22及び従動ローラ23は一本化され、駆動ローラ22には電動モータ24が一つだけ接続されている。また、駆動ローラ22及び従動ローラ23に巻回されて張架されている搬送ベルト21には右側左側の差別がない。一方、搬送ベルト21の上方で且つヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向上流側には、印刷媒体1の幅方向両端部位置に、右側及び左側搬送ローラ25R、25Lが配設され、右側搬送ローラ25Rには右側電動モータ8Rが接続され、左側搬送ローラ25Lには左側電動モータ8Lが接続されている。また、右側及び左側搬送ローラ25R、25Lは、搬送ベルト21上の印刷媒体1に接触し、帯電済の搬送ベルト21に完全に吸着される以前の印刷媒体1を搬送することができる。即ち、この右側及び左側搬送ローラ25R、25Lが本実施形態の印刷媒体位置調整手段を構成する。
この実施形態で、前記右側及び左側搬送ローラ25R、25Lからなる印刷媒体位置調整手段による印刷媒体1の姿勢制御は、印刷媒体1が帯電済の搬送ベルト21に完全に吸着される以前に行われる点を除いて、前記第1実施形態と原理は同じである。また、第1実施形態では右側及び左側搬送ベルト5R、5Lで印刷媒体1の幅方向右側及び左側の搬送速度を調整して位置制御するのに対し、本実施形態では右側及び左側搬送ローラ25R、25Lで印刷媒体1の幅方向右側及び左側の搬送速度を調整して位置制御する点も同じである。また、搬送速度を調整して位置制御する原理や作用も同じである。
即ち、印刷媒体の幅方向両端のうち、先行している側の搬送ローラ25R、25Lの搬送速度を小さくし、後攻している側の搬送ローラ25R、25Lの搬送速度を大きくする。その際、印刷媒体1の幅方向右側と左側の搬送方向への位置の差、即ち距離ΔLは、右側印刷媒体位置センサ15Rが印刷媒体1の搬送方向先端部を検出した時間と、左側印刷媒体位置センサ15Lが印刷媒体1の搬送方向センタ部を検出した時間との差に、印刷媒体1の所定搬送速度を乗ずれば得られる。印刷媒体1の幅方向右側と左側の搬送方向への距離ΔLに対し、先行している側の搬送ローラ25R、25Lは印刷媒体1を距離の半分値(ΔL/2)だけ遅らせ、後行している側の搬送ローラ2R、25Lは距離の半分値(ΔL/2)だけ進ませる。
印刷媒体1を進ませる側は中間時刻まで等加速度で加速し、次いで等加速度で減速し、印刷媒体1を遅らせる側は中間時刻まで等加速度で減速し、次いで等加速度で加速する場合、印刷媒体1の所定搬送速度v0に対し、印刷媒体1を進ませる側の到達最大速度をv0(1+ΔL/L)とし、印刷媒体1を遅らせる側の到達最小速度をv0(1−ΔL/L)とすることで、両者の平均値を常時、所定搬送速度v0に一致させることができる。これらの印刷媒体搬送速度調整量を見込んだ右側及び左側の搬送速度制御信号vR、vLが、図5の印刷媒体搬送速度調整量算出部17から右側及び左側ドライバ18R、18Lに出力され、それが夫々駆動信号に変換されて右側及び左側電動モータ8R、8Lに出力される。従って、本実施形態では、給紙部28から給紙される印刷媒体1にスキューが生じていても、ヘッドユニット2の印刷媒体搬送方向最上流側のインクジェットヘッド3に到着する直前までには所定の搬送姿勢に調整され、その状態で印字が行われるので、印字性能が極めて高い。なお、印刷媒体1の位置は印刷媒体位置検出センサ15R、15Lによって随時検出され、その検出結果に基づいて前述の搬送速度制御信号vR、vLはフィードバック制御される。フィードバック制御による搬送速度制御信号vR、vLの補正方法は従来既存のものを適用する。
この実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1実施形態のインクジェットプリンタの効果に加えて、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラ22と従動ローラ23とに張架された搬送ベルト21を搬送手段(搬送部20)とし、その搬送ベルト21からなる搬送手段の印刷媒体搬送面に対向して配設され且つ印刷媒体1に接触して搬送可能な回転体、即ち右側及び左側搬送ローラ25R、25Lを印刷媒体姿勢調整手段としたため、搬送ベルト21上での印刷媒体姿勢制御が可能となるので、印字までの間に乗り移り等による印刷媒体姿勢変化要因を回避できる。
なお、前記実施形態では所謂ラインヘッド型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置を適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、マルチパス型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタを適用したラインヘッド型インクジェットプリンタの第1実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1のインクジェットプリンタの変形例を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1のインクジェットプリンタの作用の説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1のインクジェットプリンタの作用の説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 インクジェットプリンタの印刷媒体姿勢制御装置を示すブロック図である。 印刷媒体姿勢制御のための印刷媒体搬送速度の説明図である。 本発明のインクジェットプリンタを適用したラインヘッド型インクジェットプリンタの第2実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明のインクジェットプリンタを適用したラインヘッド型インクジェットプリンタの第3実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
符号の説明
1は印刷媒体、2はヘッドユニット、3はインクジェットヘッド、4R、RLは右側及び左側搬送部、5R、RLは搬送ベルト、6R、RLは右側及び左側駆動ローラ、7R、7Lは右側及び左側従動ローラ、8R,8Lは電動モータ、9はフィードローラ、10は給紙ガイド板、11は排紙部、12は排紙ローラ、13は排紙ガイド板、14は帯電ローラ、15R、15Lは右側及び左側印刷媒体位置検出センサ、16は印刷媒体位置情報算出部、17は印刷媒体搬送速度調整量算出部、18R、18Lは右側及び左側ドライバ、19R、19Lは右側及び左側ゲートローラ、20は搬送部、21は搬送ベルト、22は駆動ローラ、23は従動ローラ、24は電動モータ、25R、25Lは右側及び左側搬送ローラ

Claims (7)

  1. 印刷媒体を所定の搬送速度で所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される印刷媒体に対し、所定の印字位置でインクを吐出して印字を行うインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタにおいて、前記搬送手段で搬送されている印刷媒体の姿勢を調整する印刷媒体姿勢調整手段と、前記印刷媒体姿勢調整手段を駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動状態を制御する制御手段とを備え、前記搬送手段は、印刷媒体搬送方向に配設された駆動ローラと従動ローラとに張架された搬送ベルトからなり、前記印刷媒体姿勢調整手段は、印刷媒体に接触して搬送可能な回転体からなることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記印刷媒体姿勢調整手段は、前記搬送手段の印刷媒体搬送面に対向して配設されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記印刷媒体姿勢調整手段は、前記搬送手段の印刷媒体搬送方向上流側に配設されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記印刷媒体姿勢調整手段を、前記搬送手段による印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数配設し、前記複数の印刷媒体姿勢調整手段を複数のアクチュエータで個々に駆動すると共に、前記制御手段で前記複数のアクチュエータの駆動状態を個々に制御することを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記印刷媒体姿勢調整手段に対応する位置に、印刷媒体の位置を検出する印刷媒体位置検出手段を備え、前記制御手段は、前記印刷媒体位置検出手段で検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて前記複数のアクチュエータの駆動状態を制御することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記印刷媒体姿勢調整手段が印刷媒体の搬送速度を調整して当該印刷媒体の姿勢を調整するものである場合、前記制御手段は、前記印刷媒体位置検出手段で検出される印刷媒体搬送方向と交差する方向の複数箇所の印刷媒体位置情報に基づいて印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定し、この印刷媒体搬送速度調整量が達成されるように前記複数のアクチュエータの駆動状態を制御することを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記制御手段は、複数の印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度の平均値が前記印刷媒体の所定の搬送速度に常に一致するように印刷媒体姿勢調整手段の印刷媒体搬送速度調整量を設定することを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
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