JP4825656B2 - 光ファイバ接続ユニット、光伝送路、光機器 - Google Patents
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Description
このような、光ファイバを用いた装置(以下、光伝送装置)にあっては、光ファイバ同士を互いに相対回転可能に光接続する接続ユニット(光ファイバ接続ユニット)を具備するものが幾つか提案されている(例えば、特許文献1)。
また、光ファイバ接続ユニットとしては、光コネクタによって光ファイバの接続を容易に行えるようにしたものが提案されている。光コネクタとしては、例えば、SC形光コネクタ等、汎用のものが好ましい(例えば、特許文献2)。
また、光学部品(例えば、特許文献1のプリズム)の両側に、光ファイバのコネクタ接続用のレセプタクルを配置し、光学部品を介して光ファイバ同士を光接続する構成が多く採用されており、これが部品点数の増大、大型化、複雑化、コスト増の原因になっていた。例えば、前述の特許文献1の場合は、光学部品の両側のレセプタクルの相対回転によって、光接続する光ファイバ間の相対回転を実現する構造であり、各レセプタクルを回転可能に支持する機構が必要であり、また、精度確保のため、加工精度が要求される部品を多数使用する必要がある。
第1の発明は、光コネクタアダプタである受けハウジングが組み込まれた回転ユニットと、光ファイバの先端に取り付けられた光コネクタを前記受けハウジングに嵌合して接続したコネクタ付き光ファイバとを具備し、前記回転ユニットは、前記受けハウジングと、この受けハウジングが取り付けられたコネクタ取付べースと、このコネクタ取付べースに前記受けハウジングに内蔵されている位置決めスリーブの中心軸線回りに回転自在として取り付けられた回転部材と、この回転部材に突設され、該回転部材の前記コネクタ取付べースに対する相対的な回転によって、前記光コネクタの周りを回転移動するユニット側当接片とを具備し、前記光コネクタは、前記受けハウジングに嵌合する嵌合ハウジングに、フェルールと、このフェルールの接続前端側とは逆の後端部を収納するストップリングとを有する回転部を、軸回りに回転自在に組み込んで構成され、前記光コネクタには、前記ユニット側当接片と当接されるコネクタ側当接片が、前記ストップリングに固定して該光コネクタの側部に突出されており、前記光コネクタアダプタの前記光コネクタとは反対の側に、光ファイバ先端に取り付けられたフェルールをプラグフレームに回り止めして収納した構成の光コネクタが嵌合され、前記光コネクタアダプタの両側の光コネクタのフェルールがそれぞれ前記位置決めスリーブに挿入され、コネクタ側、ユニット側の当接片が互いに当接された状態で、前記回転ユニットの前記コネクタ取付べース及び前記回転部材の一方を他方に対して相対的に回転することで、前記回転部を有する光コネクタが取り付けられている前記光ファイバ及び前記受けハウジングの一方を他方に対して相対回転でき、前記光コネクタアダプタの両側にそれぞれ嵌合された光コネクタのフェルールの一方を他方に対して相対回転できることを特徴とする光ファイバ接続ユニットを提供する。
第2の発明は、前記光コネクタアダプタは、両側に接続された光コネクタのフェルールの間に、クリアランスが確保されるようになっていることを特徴とする第1の発明の光ファイバ接続ユニットを提供する。
第3の発明は、前記光コネクタアダプタは、光コネクタが嵌合される一対のアダプタハウジングの間に、各アダプタハウジングに嵌合された光コネクタのフェルールの間のクリアランスを確保するためのスペーサを挟み込んで構成されていることを特徴とする第2の発明の光ファイバ接続ユニットを提供する。
第4の発明は、フェルールあるいはファイバスタブを軸回り回転を規制して組み込んだ光コネクタレセプタクルである受けハウジングが組み込まれた回転ユニットと、光ファイバの先端に取り付けられた光コネクタを前記受けハウジングに嵌合して接続したコネクタ付き光ファイバとを具備し、前記回転ユニットは、前記受けハウジングと、この受けハウジングが取り付けられたコネクタ取付べースと、このコネクタ取付べースに前記受けハウジングに内蔵されている位置決めスリーブの中心軸線回りに回転自在として取り付けられた回転部材と、この回転部材に突設され、該回転部材の前記コネクタ取付べースに対する相対的な回転によって、前記光コネクタの周りを回転移動するユニット側当接片とを具備し、前記光コネクタは、前記受けハウジングに嵌合する嵌合ハウジングに、フェルールと、このフェルールの接続前端側とは逆の後端部を収納するストップリングとを有する回転部を、軸回りに回転自在に組み込んで構成され、前記光コネクタには、前記ユニット側当接片と当接されるコネクタ側当接片が、前記ストップリングに固定して該光コネクタの側部に突出され、前記位置決めスリーブに前記光コネクタレセプタクルのフェルールあるいはファイバスタブと前記光コネクタのフェルールとが挿入され、コネクタ側、ユニット側の当接片が互いに当接された状態で、前記回転ユニットの前記コネクタ取付べース及び前記回転部材の一方を他方に対して相対的に回転することで、前記受けハウジング及び前記光ファイバの一方を他方に対して相対回転できることを特徴とする光ファイバ接続ユニットを提供する。
第5の発明は、前記コネクタ側当接片が、前記ストップリングの外側に組み付けられた当接片付き固定部品に突設されていることを特徴とする第1〜4のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットを提供する。
第6の発明は、前記ユニット側当接片が、前記位置決めスリーブの中心軸線に沿って延在するピン、前記コネクタ側当接片が、前記ユニット側当接片であるピンに対して垂直の方向に延在するピンであることを特徴とする第1〜5のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットを提供する。
第7の発明は、前記回転部材は、互いに離隔した2箇所に設けられた一対のユニット側当接片を具備し、前記回転ユニットの前記コネクタ取付べース及び前記回転部材の一方を他方に対して相対的に回転することで、前記コネクタ側当接片を当接させるユニット側当接片の切り換えが可能になっていることを特徴とする第1〜6のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットを提供する。
第8の発明は、前記回転部を有する光コネクタは、前記フェルールを前記ストップリングに回り止めして組み込んであることを特徴とする第1〜7のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニット。
第9の発明は、前記回転部を有する光コネクタは、前記フェルールが、前記ストップリングに対して軸回りに回転自在に組み込まれ、前記フェルールの後端部から延出する光ファイバピグテイルが、留め具によって、前記ストップリングあるいは前記回転部材に回り止めされていることを特徴とする第1〜7のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットを提供する。
第10の発明は、複数本の光ファイバが縦続接続された光伝送路であって、第1〜3のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットを有し、この光ファイバ接続ユニットの受けハウジングである光コネクタアダプタにて光ファイバ同士を縦続接続した接続部を1以上具備することを特徴とする光伝送路を提供する。
第11の発明は、光コネクタアダプタあるいは光コネクタレセプタクルである受けハウジングが設けられた光機器であって、第1〜9のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットと、この光ファイバ接続ユニットを支持する支持部材とを具備し、前記光ファイバ接続ユニットは、前記コネクタ取付ベース及び前記回転部材の一方を前記支持部材に固定して、前記支持部材に支持されていることを特徴とする光機器を提供する。
第12の発明は、光コネクタアダプタあるいは光コネクタレセプタクルである受けハウジングが設けられた光機器であって、第1〜9のいずれか1つの発明の光ファイバ接続ユニットと、この光ファイバ接続ユニットを支持する支持部材とを具備し、前記支持部材が、前記光ファイバ接続ユニットの前記コネクタ取付ベース及び前記回転部材の一方又は両方を回転可能に支持するブラケットであることを特徴とする光機器を提供する。
例えば、第6の発明に係る当接片付き固定部品を、前記ストップリングの外側に組み付ける際に、精度を必要としないため、組み付け作業が簡単になる。
この結果、光ファイバ接続ユニットは、組み立ての手間を軽減でき、低コスト化も容易に実現できる。
また、本発明に係る光ファイバ接続ユニットは、汎用の光コネクタアダプタ、光コネクタレセプタクルの使用が可能であるので、低コスト化に有利である。簡易な構成で済み、小型化も容易である。
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は本発明に係る光ファイバ接続ユニット30の構成を示す断面図、図2(a)、(b)は光ファイバ接続ユニット30に係るユニット側当接片、コネクタ側当接片の配置例を示す図である。
図1中、符号1Aは光機器であり、光ファイバ接続ユニット30と、この光ファイバ接続ユニット30が取り付けられた支持部材11とを具備する。
また、本発明に係る光ファイバ接続ユニットは、光機器に設けられている支持部材(光ファイバ接続ユニットを支持するための部材)以外、例えば、建物の壁、電子機器の筐体等にも取り付けることができる。光ファイバ接続ユニットが取り付けられる取り付け対象物を、支持部材、と称することとする。
光機器、支持部材、については、以下の各実施形態についても共通である。
光ファイバ接続ユニット30においては、光ファイバ2、3の先端に取り付けられた光コネクタ50、70を光コネクタアダプタ31の両側に嵌合して接続することで、光ファイバ2、3同士が光接続される。
光コネクタ50、70は、それぞれ、光コネクタアダプタ31に対して着脱可能な光コネクタプラグである。
光コネクタ70、光コネクタアダプタ31としては、図示例では、SC形光コネクタ(JIS C 5973に規定されるF04形光コネクタ。SC:Single fiber Coupling optical fiber connector)の光コネクタプラグ、光コネクタアダプタを採用している。
また、符号50の光コネクタは、後述のようにSC形光コネクタの光コネクタプラグのプラグフレームの内部構造を変更しているが、プラグフレームの外形、つまみの構造は、SC形光コネクタの光コネクタプラグと同じに揃えてある。光コネクタ50の光コネクタアダプタ31に対する着脱操作や、それに伴うスライドロック構造に係るロック、ロック解除の動作等は、SC形光コネクタの光コネクタプラグと全く同じであり、本明細書では、この光コネクタ50についても、SC形光コネクタであるものとして扱う。
光コネクタ50、70としては、SC形光コネクタの光コネクタプラグ、光コネクタアダプタに限定されず、例えば、FC形光コネクタ(JIS C 5970に規定されるF01形光コネクタ。FC:Fiber transmission system optical Connector)、等の光コネクタプラグ、光コネクタアダプタも採用できる。
なお、本明細書では、FC形光コネクタにおける光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグの接続ナットの螺着、締め付けも、「嵌合」に含むものとする。
なお、本明細書においては、光コネクタ50について、フェルール51先端(接合端面51cが形成されている側)側を「前」、反対側を「後」として説明する。このことは、後述する光コネクタ70、並びに、光コネクタ80についても同様である。
図6に示すように、光コネクタ50は、光ファイバ2の先端に取り付けられたフェルール51と、フェルール51を収納したプラグフレーム52と、プラグフレーム52の外側に装着された角筒状のつまみ53(カップリング)と、プラグフレーム52に後側(図6左側)から内挿して嵌合されたストップリング54と、ストップリング54内にストップリング54によって抜け止めして組み込まれ、フェルール51を光コネクタ50の前側へ向けて付勢するスプリング55と、ゴム等の弾性材料によって形成されストップリング54の後端に嵌合されたブーツ56とを具備して構成されている。
光ファイバ2のフェルール51後端から延びる部分(光ファイバピグテイル)は、円筒状のストップリング54に引き通され、ブーツ56を貫通して、光コネクタ50の後端から延出されている。
プラグフレーム52とつまみ53とは、光コネクタアダプタ31に挿入して嵌合される嵌合ハウジングを構成する。但し、プラグフレーム52は、単独で、嵌合ハウジングとして機能し得る。
但し、フェルール51の構成はこれに限定されず、例えば、フェルール本体511の外側に、フランジ部51aとして機能するリング状部品を固定した構造なども採用可能であることは言うまでも無い。
(a)図6、図8に示すように、プラグフレーム52の内側に、フェルール51のフランジ部51aに形成されているキー溝51bに入り込んで、フェルール51を回り止めするキー(図12、図13の符号72aを参照)の突設を省略した。
(b)図7に示すように、ストップリング54の前端に突出した係止爪54a(図11参照)を、フェルール51のフランジ部51aに形成されているキー溝51bに挿入して、フェルール51をストップリング54に対して回り止めした。
(c)図9に示すように、円筒状のストップリング54の前端外周全周に周設した環状突起54bを、角筒状のプラグフレーム52の後端部の側壁部に形成したスリット52aに嵌め込み、ストップリング54をプラグフレーム52に対して、前記スリット52aを案内として自在に相対回転できるようにした。つまり、ストップリング54について、プラグフレームに対する回り止め用のキー状の突起(図14の嵌合用突起74a)に代えて、環状突起54bを形成した。
この光コネクタ50は、上記(a)〜(c)の構成により、フェルール51とストップリング54とが、一体となって、プラグフレーム52に対して軸回りに自在に回転できる、回転部57を構成している。
この光コネクタ50は、本発明に係る、回転部付き光コネクタ、に相当するものである。
光コネクタ70は、従来周知の一般的なSC形光コネクタの光コネクタプラグの一例である。
図12に示すように、光コネクタ70は、光ファイバ3の先端に取り付けられたフェルール71と、フェルール71を収納したプラグフレーム72と、プラグフレーム72の外側に装着された角筒状のつまみ73(カップリング)と、プラグフレーム72に後側(図12右側)から内挿して嵌合されたストップリング74と、ストップリング74内にストップリング74によって抜け止めして組み込まれ、フェルール71を光コネクタ70の前側へ向けて付勢するスプリング75と、ゴム等の弾性材料によって形成されストップリング74の後端に嵌合されたブーツ76とを具備して構成されている。
この光コネクタ70では、図12、図13に示すように、プラグフレーム72の内側に突設したキー72aを、フェルール71のフランジ部71aに形成されているキー溝71bに挿入して、プラグフレーム72に対してフェルール71を回り止めしている。
また、図12、図14に示すように、円筒状のストップリング74の前端外側に突設した嵌合用突起74aを、角筒状のプラグフレーム72の後端部の側壁部に形成したスリット72bに嵌め込んでいる。但し、嵌合用突起74aは、ストップリング74の側面に突設したキー状の突起であり、プラグフレーム72の前記スリット72bの両側の壁部の間に嵌め込まれることで、プラグフレーム72に対してストップリング74を回り止めしている。
次に、光ファイバ接続ユニット30の回転ユニット32を説明する。
図1に示すように、回転ユニット32は、前記光コネクタアダプタ31と、この光コネクタアダプタ31が取り付けられたコネクタ取付べース33と、このコネクタ取付べース33に前記光コネクタアダプタ31に組み込まれている位置決めスリーブ31a(図4参照)の中心軸線回りに回転自在として取り付けられた回転部材34と、この回転部材34に突設されたユニット側当接片35とを具備して構成されている。
前記位置決めスリーブ31aは、例えば割りスリーブであるが、割りが無い円筒状の位置決めスリーブであっても良い。
前記回転部材34は、リング状であり、回転ガイド333に案内されて、前記光コネクタアダプタ31の位置決めスリーブ31aの中心軸線回りに回転する。
なお、光ファイバ接続ユニット30について、ベースプレート332から、回転ガイド333、回転部材34が設けられている側を、以下、回転機構側、と称する。
ベースプレート332のコネクタ窓331に収納された光コネクタアダプタ31には、ベースプレート332の両側から、光コネクタ50、70を着脱できる。
光コネクタアダプタ31に接続されてベースプレート332の回転機構側に設けられた光コネクタ50のストップリング54の、嵌合ハウジング(プラグフレーム52、つまみ53)から後側に突出した部分には、当接片付き固定部品60が固定されている。
ユニット側当接片35は、具体的には、前記回転部材34から該回転部材34の回転中心軸線側に突出されたピンホルダ36に固定されて、前記回転部材34の回転中心軸線に沿って延在配置されたピンである。
一方、コネクタ側当接片61は、当接片付き固定部品60に突設されたピンである。
このコネクタ側当接片61は、当接片付き固定部品60を光コネクタ50のストップリング54に固定することで、光コネクタ50から、該光コネクタ50の回転部57の回転中心軸線(換言すれば、光コネクタアダプタ31内の位置決めスリーブの中心軸線)に対する直交方向に延出するように設けられる。
つまり、ユニット側、コネクタ側の当接片35、61は、互いに直交する向きになっている。
一対の挟持部品62は、ストップリング54を挟み込んで固定するクランプ部62Aを構成している。
また、図中、符号62aは、一対の挟持部品62を締結するためのネジである。
但し、当接片付き固定部品60におけるクランプ部62Aとしては、当接片付き固定部品60をストップリング54に固定できるものであれば良く、図示例のものに限定されず、例えば、弾性爪の係合を利用したもの、一対の挟持部品62をバンドで一括拘束する方式のもの等、様々な構成のものを採用できる。
図2(a)は、コネクタ側当接片61が1本のみ突設された当接片付き固定部品60(図2中、区別のため符号60aを付す)の例、図2(b)は、コネクタ側当接片61が2つ(2本)突設された当接片付き固定部品60(図2中、区別のため符号60bを付す)の例を示す。図2(b)の当接片付き固定部品60bのコネクタ側当接片61は、該当接片付き固定部品60bを組み付けたストップリング54を介して両側に1つ(1本)ずつ突設されている。
2本のユニット側当接片35a、35bは、互いに離隔した2箇所に設けられる。
光コネクタアダプタ31での光コネクタ50、70同士の接続によって、光ファイバ2、3同士が光接続(縦続接続)されることで光伝送路20が構成される。
この光伝送路20は、光ファイバ接続ユニット30の光コネクタアダプタ31にて光ファイバ2、3同士を接続(コネクタ接続)した接続部を具備する。
図1に示すように、この実施形態にて例示した光機器1Aは、光ファイバ接続ユニット30のコネクタ取付ベース33を支持部材11に固定して、光ファイバ接続ユニット30を支持部材11に取り付けたものである。
回転ユニット32の回転部材34は支持部材11に固定せず、支持部材11及びコネクタ取付ベース33に対して回転自在になっている。
回転部材34をコネクタ取付ベース33に対して回転させるには、例えば、回転部材34を直接手動で回転操作したり、光機器1Aに搭載した駆動モータ12(例えば、ステッピングモータ等の電動モータ)等の回転駆動装置を駆動させて回転させる。
前記光機器1Aにあっては、光ファイバ接続ユニット30の回転部材34をコネクタ取付ベース33に対して回転させることで、光ファイバ2を光コネクタアダプタ31に対して回転させることができる。
つまり、回転部材34を回転させ、前記ユニット側当接片35と前記コネクタ側当接片61とが互いに当接された状態で回転部材34がコネクタ取付ベース33に対して回転されることで、ユニット側、コネクタ側の当接片35、61を介して伝達された回転駆動力によって、光コネクタ50の回転部57が回転部材34と一体回転され、光コネクタアダプタ31に対して光ファイバ2を回転させることができる。
このため、光コネクタ50の回転部57の回転は、フェルール51と位置決めスリーブ31aとの摺動、及び、光ファイバ3側の光コネクタアダプタ31に対して回転しない光コネクタ70のフェルール71と位置決めスリーブ31aとの摺動、の一方又は両方が発生することで、実現される。
光コネクタ50の回転部57が回転されたとき、互いに突き合わされたフェルール51,71間での回転抵抗は、位置決めスリーブ31aとフェルール51、71との間の回転抵抗に比べて、格段に小さい。
光コネクタ(光コネクタプラグ)が接続される受けハウジング(光コネクタアダプタ、又は、光コネクタレセプタクル)の位置決めスリーブ内での、フェルール同士の突き合わせ接続が、先端がPC研磨あるいはAPC研磨されたフェルール同士の突き合わせ接続である点は、後述する各実施形態でも共通である。
ここで、ユニット側、コネクタ側の当接片35、61は、例えば、互いに垂直の向きが保たれていなくても、回転部材34から光コネクタ50の回転部57の回転力の伝達を実現でき、しかも、光コネクタ50の回転部57に、常に、光コネクタアダプタ31の位置決めスリーブ31aの中心軸線回りの回転力を与えることができ、回転部57を偏心させることなく回転させることができる。また、当接片35、61に位置精度を確保しなくても、回転部57に、常に、光コネクタアダプタ31の位置決めスリーブ31aの中心軸線回りの回転力を与えることが可能であるため、回転部材34、光コネクタ50における当接片35、61の設置位置の自由度は大きい。
これに対して、本発明に係る光ファイバ接続ユニット30によれば、当接片35、61同士が互いに固定されておらず、当接片35、61は互いに当接可能になっていれば良く、当接片35、61相互の位置関係に関係無く、ユニット側当接片35からコネクタ側当接片61へ、常に一定方向で回転力を伝達することが可能であり、光コネクタ50の回転部57を偏心させることなく回転させることができる。このため、光コネクタ50のストップリング54に対する当接片付き固定部品60の取付精度、回転ユニット32の組立精度を緩和できる、組み立てを簡単に行える、低コスト化を容易に実現できる、といった作用効果が得られる。
なお、ユニット側、コネクタ側の当接片35、61は、ここでは、断面形状が円形、楕円形等のピンであるが、これに限定されず、例えば、断面角形のピン等、様々な断面形状のピンを採用できる。
さらに、ユニット側、コネクタ側の当接片35、61としては、ピンに限定されず、例えば、板状の突片等も採用可能である。
光コネクタアダプタ31にて互いに接続された光コネクタ50、70のフェルール51、71同士は、互いに突き合わせ接続であっても良いが、例えば、図15に示すように、光コネクタが嵌合される一対のアダプタハウジング31bの間に、光コネクタ50、70のフェルール51、71の間に微小なクリアランスCを確保するためのスペーサ31cを挟み込んだ構成の光コネクタアダプタ31A(スペーサ付き光コネクタアダプタ)を採用することも可能である。
この場合は、フェルール51、71同士が非接触の状態で回転部57が回転するため、その分、回転部57を軽い力で回転できるようになる、といった利点がある。
なお、光コネクタ50、70のフェルール51、71の間に微小なクリアランスCを確保するための構成としては、例えば、互いに接合される一対のアダプタハウジング31bの一方又は両方に、接合される相手側のアダプタハウジング31bに当接させてクリアランスCを確保する突起を突設したり、アダプタハウジング31bの寸法自体を変更するといったことも採用可能である。
但し、一対のアダプタハウジング31bの間にスペーサ31cを挟み込む構成であれば、既存のアダプタハウジング31bをそのまま使用できる、といった利点がある。
図16は、コネクタ取付ベース33の回転機構側とは反対の側(図16左側)から光コネクタアダプタ31に接続する光コネクタ(光コネクタプラグ)として、上述の光コネクタ70に代えて、光コネクタ50を用いた例を示す。つまり、光コネクタアダプタ31にて、回転部付き光コネクタである光コネクタ50同士を接続している。
この場合は、光コネクタアダプタ31の両側に嵌合して接続された両光コネクタ50のフェルール51が内挿、嵌合された位置決めスリーブ31aと、両側の光コネクタ50の回転部57とが、一括して、前記位置決めスリーブ31aを軸回りに回転自在に収納する前記光コネクタアダプタ31のハウジング31d(アダプタハウジング31bを一体化したもの)に対して回転できる回転接続部58を構成する。
光コネクタアダプタ31の位置決めスリーブ31aと、この位置決めスリーブ31aに内挿して嵌合した光コネクタ50のフェルール51との間の摺動抵抗(回転抵抗)は、光コネクタアダプタ31内における位置決めスリーブ31aの回転抵抗よりも大きいため、光ファイバ接続ユニット30の回転部材34の回転操作によって、コネクタ取付ベース33の回転機構側の光コネクタ50の回転部57を回転させると、回転接続部58全体が軸回り回転され、光コネクタアダプタ31にてコネクタ接続されている光ファイバ2、3が一括回転する。このとき、光コネクタアダプタ31の両側に接続された両光コネクタ50のフェルール51は、位置決めスリーブ31aによって高精度に位置決めされた状態のまま一括回転するため、軸ずれが生じにくい。
但し、本発明は、上述の第1実施形態に限定されず、光ファイバ接続ユニット30について、
(i)支持部材11に固定して回転を規制した回転部材34に対してコネクタ取付ベース33を回転可能とした構成、
(ii)ベアリング等を用いて、コネクタ取付ベース33、回転部材34の一方又は両方を、支持部材11に対して回転可能として支持部材11に支持し、回転許可・規制の切り換え用のロック機構を用いて、コネクタ取付ベース33、回転部材34の一方又は両方について、回転許可・規制を切り換えるようにした構成、
なども採用可能である。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
ここで説明する第2実施形態(光機器1B)は、図17に示すように、光機器の支持部材11に前記光ファイバ接続ユニット30を取り付けてあること自体は第1実施形態と同じであるが、回転ユニット32の回転部材34を支持部材11に固定し、光コネクタアダプタ31が取り付けられているコネクタ取付ベース33を支持部材11に固定せず、回転部材34に対して回転できるようにしてある点が、第1実施形態と異なる。光ファイバ接続ユニット30を取り付けたものである。
コネクタ取付ベース33の回転は、例えば、作業者の手動による直接回転操作、回転駆動装置12(図17参照)による回転駆動等によって実現できる。
なお、固定部材6に代えて、図18に示すように、支持部材11に対して回転部材34を回転自在に支持するベアリング5を採用し、さらに、支持部材11に対する回転部材34の回転の許可・規制を切り換えるロック機構7を設けた構成(光機器1B’)も採用可能である。符号7aはロック機構7のロック片であり、回転部材34に接離するように駆動されて、回転部材34の回転の許可・規制を切り換える。この場合、支持部材11は、ベアリングによって回転部材34を回転自在に支持するブラケットとして機能する。
この場合、コネクタ取付ベース33の回転方向の正逆切り換えによって、2本のユニット側当接片35a、35bに対して、コネクタ側当接片61が当接するユニット側当接片35が切り換えられる。但し、2本のユニット側当接片35a、35bは、当接片付き固定部品60の可動範囲、すなわち、コネクタ側当接片61がいずれのユニット側当接片35にも当接しない空転区間が出来るだけ小さくなるように、設置位置を調整する。
また、図2(b)の構成では、当接片付き固定部品60a(60)の回転方向の正逆切り換えによって、2本のコネクタ側当接片61の一方が2本のユニット側当接片35a、35bの内の一方に当接した状態と、他方のコネクタ側当接片61が他方のユニット側当接片35に当接した状態とが切り換えられるが、片方の当接片付き固定部品60(60a)を、2本のユニット側当接片35a、35bの片方に当接させたときに、当接片付き固定部品60aにおいて回転部57を介して反対側のコネクタ側当接片61とユニット側当接片35との間に発生する隙間が出来るだけ小さくなるように、2本のユニット側当接片35の位置を調整する。これにより、コネクタ取付ベース33の回転方向の正逆切り換えに伴う、当接片付き固定部品60の可動範囲、すなわち、コネクタ側当接片61がいずれのユニット側当接片35にも当接しない空転区間を狭くできる。
また、光コネクタアダプタ31にて光コネクタ50同士を接続する態様も採用可能である。この場合は、光コネクタアダプタ31にて互いに接続されている両光コネクタ50の回転部57と、光コネクタアダプタ31内の位置決めスリーブ31aとが、光コネクタアダプタ31(詳細にはハウジング31d)に対して相対回転可能な回転接続部58を構成するため、光コネクタアダプタ31にてコネクタ接続されている両光ファイバ2、3を回転させることなく、両光ファイバ2、3に対して、コネクタ取付ベース33及び光コネクタアダプタ31(詳細にはハウジング31d)を回転させることができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図19、図20は、図17に例示した光ファイバ接続ユニット30の光コネクタアダプタ31の回転機構側に接続する光コネクタとして、図5〜図11に例示した回転部付き光コネクタに代えて、後述の前記光コネクタ80を採用した例(光ファイバ接続ユニット30A、光機器1C)を示す。
但し、この回転ユニット32の光コネクタアダプタ31に光コネクタ50に代えて後述の光コネクタ80を接続し、さらに、光ファイバ2が光コネクタ80の後端から延出した部分である光ファイバピグテイルの回り止め用の留め具81によって回転ユニット32の回転部材33と連結して回り止めしている。
光コネクタ80、留め具81を採用した点以外は、第2実施形態と同じである。
光コネクタ80に軸回りに回転自在に組み込まれたストップリング84(後述)に当接片付き固定部品60を固定し、当接片付き固定部品60のコネクタ側当接片61と、回転部材34のユニット側当接片35との当接によって、光コネクタ80に軸回りに回転自在に組み込まれたストップリング84を回り止めする構成も、第2実施形態と同様である。
なお、光コネクタ80について、フェルール51先端(接合端面51cが形成されている側)側を「前」(図22〜図24においては右側)、反対側を「後」として説明する。
光コネクタ80のストップリング84は、前述の係止爪54aが無いこと以外は、光コネクタ50のストップリング54と同様の構成になっている。
また、この光コネクタ80は、図23、図27に示すように、ストップリング84以外は、光コネクタ50と同様のフェルール51、プラグフレーム52、つまみ53、スプリング55、ブーツ56を用いて組み立てられる。また、図22〜図27に示すように、この光コネクタ80における、フェルール51、プラグフレーム52、つまみ53、ストップリング84、スプリング55(具体的にはコイルスプリング)、ブーツ56の配置も、光コネクタ50と同様である。
フェルール51、スプリング55、ストップリング84は、プラグフレーム52に対して、それぞれ独立に軸回り回転できる。フェルール51(光ファイバ2を含む)、スプリング55、ストップリング84は、この光コネクタ80の回転部を構成する。
フェルール51のフランジ部51aには、スプリング55の前端部が光コネクタ80の後端側から当接される。前記ストップリング54の前記接触面84aには、前記貫通穴84dの大径部84bに収納されたスプリング55の後端部が、光コネクタ80の前側から当接される。
光コネクタアダプタ31にて光コネクタ80を別の光コネクタ(光コネクタプラグ。例えば、既述の光コネクタ70、回転部付き光コネクタ50など)と接続した際に、光コネクタ80のフェルール51が相手側光コネクタのフェルールに突き当てられて光コネクタ80の後端側に押し込まれ、フェルール51のフランジ部51aがプラグフレーム52のストッパ壁52bから離れると、フェルール51は、回転抵抗が小さくなり、軽い力で軸回り回転させることができる。
この場合は、フェルール51のフランジ部51aがプラグフレーム52のストッパ壁52bに当接した状態であっても、フェルール51の軸回り回転を軽い力で実現できるため、光コネクタアダプタ31にて光コネクタ80と別の光コネクタ(相手側の光コネクタプラグ)とを接続したときのみならず、光コネクタアダプタ31に、光コネクタ80と接続されるはずの相手側の光コネクタが接続されていないときでも、フェルール51を軽い力で軸回り回転させることができる。
光ファイバ接続ユニット30Aでは、留め具81によって、光ファイバ2の、光コネクタ80の後端部から延出されているピグテイル部分(光ファイバピグテイル)を回転ユニット32の回転部材34に連結して、回転を規制している。留め具81は、光コネクタ80の後端部付近にて光ファイバ2に取り付けて、光ファイバ2の回り止めとして機能させる。
前記留め具81は、光ファイバ2の回転を規制するための回転規制手段として機能するものであり、光ファイバ2の回転を規制するために、光コネクタ80の後端部から延出されている光ファイバピグテイルを連結する連結対象物としては、前記回転部材34に限定されず、例えば、光コネクタ80のストップリング84、ストップリング84に固定した当接片付き固定部品60、支持部材11などであっても良い。
図19、図21に示すように、前記留め具81は、細長の本体部81aの長手方向一端部に設けられている取付用固定部81bを、前記回転部材34等の連結対象物に固定し、前記本体部81aの長手方向他端部に設けられている光ファイバ把持部81cを光ファイバ2(光コネクタ80の後端部から延出する光ファイバピグテイル)に固定することで、光ファイバ2を連結対象物と連結して回り止めする。
光ファイバ把持部81cの一例としては、例えば、図21に例示したように、本体部81aの長手方向他端部81dと、該他端部81dにネジ81eで締結される板状の把持片81fとの間に、光ファイバ2を挟み込んで固定する構造であるが、これに限定されず、様々な構成を採用できる。
また、光ファイバ2を固定し軸回り回転を規制して収納するブーツを採用し、このブーツ自体を、光ファイバ2の回り止め用の留め具として機能させることも可能である。
この実施形態でも、コネクタ取付ベース33を回転させることで、光ファイバ2に対して光コネクタアダプタ31を回転させることができることは、既述の第2実施形態と同様である。
但し、この実施形態では、ユニット側当接片35とコネクタ側当接片61との当接によって、ユニット側当接片35が、ストップリング84及び当接片付き固定部品60の回転を規制するストッパとして機能することは、第2実施形態と同じであるものの、光コネクタ80は、フェルール51をストップリング84に対して回転自在に収納している構成であり、フェルール51及び光ファイバ2の回転は、留め具81によって光ファイバ2を回り止めする機構である点で、第2実施形態と異なる。
光ファイバ2の前記フェルール51後端部から延出するピグテイル部分は、フェルール51が軸回り回転すると、留め具81によって回り止めされている光ファイバ2の、フェルール51と留め具81との間の部分に捻れが与えられる。捻られた光ファイバ2には、光ファイバ2自体の剛性によって、捻れを解消する方向の反力が発生する。光ファイバ2の捻れの進行に伴い次第に強くなっていく前記反力が、光コネクタ80のフェルール51を光コネクタ70のフェルール71に対して相対回転させる際の回転抵抗を超えると、光コネクタ80のフェルール51と位置決めスリーブ31aとの間、及び/又は、光コネクタ70のフェルール71と位置決めスリーブ31aとの間にスリップ(相対回転)が生じる。
但し、光ファイバ2は、フェルール51後端部から延出するピグテイル部分が、光コネクタ80の後端部付近で留め具81によって回り止めされているため、前記留め具81から前記フェルール51とは反対側へ延びる部分については、回転が確実に規制される。
また、この実施形態では、前記スリップが生じるまで、フェルール51、71同士の伴回りが許容されるため、例えば、コネクタ取付ベース33及び光コネクタアダプタ31が、フェルール51、71同士の伴回りが維持される範囲で、繰り返し正逆反転されるような場合は、前記スリップが生じないため、フェルールの、位置決めスリーブ31a内面との接触による摩耗を防ぐことができ、長期耐久性を向上できる、といった作用効果も得られる。
スペーサ付き光コネクタアダプタ31Aを採用した態様では、光コネクタ80のフェルール51を光コネクタ70のフェルール71に対して相対回転させる際の回転抵抗を低減できるため、フェルール51の回転に伴う光ファイバ2の最大捻れ量を小さく抑えることができる。
光コネクタアダプタ31にて、光ファイバ2先端に取り付けた光コネクタ80と、光ファイバ3先端に取り付けた光コネクタ50とを接続した場合は、例えば、光ファイバ3(詳細には、光ファイバ3の、光コネクタ50後端から延出したピグテイル部分)を、回転規制用の留め具を用いて、支持部材11、コネクタ取付ベース33に固定するなどして、回り止めすることで、光コネクタアダプタ31にて接続した両光ファイバ2、3の回転を規制した状態で、光ファイバ2、3に対して光コネクタアダプタ31を回転させることが可能である。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
ここで説明する実施形態は、受けハウジングとして、光コネクタレセプタクルを用いたものである。
図28、図29は、図1に例示した第1実施形態の光ファイバ接続ユニット30の光コネクタアダプタ31に代えて、光コネクタレセプタクル91を組み込んだ例(光機器1D、光ファイバ接続ユニット30B)を示す。
光ファイバ接続ユニット30Bでは、光ファイバ2先端に取り付けられている光コネクタ50を、光コネクタレセプタクル91に嵌合して接続している。
図28、図29に例示した光コネクタレセプタクル91において、位置決めスリーブ912は、ここでは割りスリーブであり、ハウジング911内に軸回り回転自在として収納されている。
光ファイバ接続ユニット30Bの回転部材34は、コネクタ取付ベース33に対して、位置決めスリーブ912の中心軸線回りに回転する。
また、前記受/発光モジュール914は、LD、LED等の発光手段又はPD等の受光手段、である受/発光手段914aが組み込まれた光電変換ユニットであり、光ファイバ接続ユニット30Bの光コネクタレセプタクル91にコネクタ接続された光ファイバ2への送入光の出力、又は、光ファイバ2の伝送光の受光を行える。
但し、光コネクタレセプタクル91は、ハウジング911に嵌合して接続した光コネクタ50のフェルール51とフェルール913との間に、光ファイバ2,3同士の光結合が可能な程度の微小な隙間が確保されるようにした構成も採用可能である。この構成は、例えば、位置決めスリーブ912におけるフェルール913の組み込み位置の調整、ハウジング911の設計寸法の調整によって実現できる。
前者の場合(フェルール913を軸回り回転自在に組み込んだ場合)は、回転ユニット32の回転部材34を回転させたときに、光コネクタ50のフェルール51と、前記フェルール913と、両フェルール51、913を内側に保持した位置決めスリーブ912とが、一括して軸回り回転する。これにより、光ファイバ2、3を、光コネクタレセプタクル91(詳細にはハウジング911)に対して、回転させることができる。
一例として、受/発光モジュール914からの出力光を、支持ヘッド93に支持された光ファイバ2の先端部から照射対象物94に照射する場合(受/発光モジュールは、ここでは、発光手段を内蔵した発光モジュール)について説明する。
支持ヘッド93は、回転部材34、光コネクタ50の回転部57の回転中心軸線(換言すれば、光コネクタレセプタクル91の位置決めスリーブ912の中心軸線)からずれた位置に、光ファイバ2の先端部を支持している。但し、支持ヘッド93は、光ファイバ2の先端部の光軸(詳細には、光軸の延長上)が、回転部材34、光コネクタ50の回転部57の回転中心軸線(詳細にはその延長上)と交差するように、光ファイバ2の先端部を支持している。
このため、回転部材34を回転させれば、光ファイバ2の先端部からの出射光の、照射対象物94に対する照射向きを変更できる。
図示例では、光ファイバ接続ユニットを、光コネクタ50の回転部57の回転中心軸線が上下方向となる向きで設置し、光ファイバ2の先端部からの出射光を、光ファイバ2の先端部の下方に設置した照射対象物94に照射するようにした構成を例示している。但し、光ファイバ接続ユニットの設置向き(換言すれば、光コネクタ50の回転部57の回転中心軸線)や、光ファイバ2の先端部と照射対象物94との位置関係は、これに限定されない。
また、図28、図29に例示した構成は、光フィルタの光透過特性の分析など、検体(照射対象物94)に照射して透過させた光や、反射光等の受光にも用いることができる。この場合は、受/発光モジュールとして、受光手段を組み込んだ受光モジュールを採用する。
さらに、上述のような、各種分析装置等への応用は、第1実施形態に係る光機器でも、適用可能であることは言うまでも無い。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
ここで説明する実施形態は、受けハウジングとして、光コネクタレセプタクルを用いたものであり、図30、図31に示すように、図17に例示した第2実施形態の光ファイバ接続ユニット30Aの光コネクタアダプタ31に代えて、後述する光コネクタレセプタクル92を組み込んだ例(光ファイバ接続ユニット30C、光機器1E)である。
光ファイバ接続ユニット30Cのコネクタ取付ベース33は、回転部材34に対して、位置決めスリーブ922の中心軸線回りに回転する。
前記受/発光モジュール924は、LD、LED等の発光手段又はPD等の受光手段、である受/発光手段924aが組み込まれた光電変換ユニットであり、光ファイバ接続ユニット30Cの光コネクタレセプタクル92にコネクタ接続された光ファイバ2への送入光の出力、又は、光ファイバ2の伝送光の受光を行える。
但し、光コネクタレセプタクル92は、ハウジング921に嵌合して接続した光コネクタ50のフェルール51と、ファイバスタブ923との間に、光ファイバ2、923a同士の光結合が可能な程度の微小な隙間が確保されるようにした構成も採用可能である。この構成は、例えば、位置決めスリーブ922におけるファイバスタブ923の組み込み位置の調整、ハウジング921の設計寸法の調整によって実現できる。
光ファイバ923a、光ファイバ2としては、PANDA(PANDA:Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)形光ファイバ等の偏波保持光ファイバを採用する。
ファイバスタブ923を軸回り回転を規制して組み込んだ光コネクタレセプタクル92を採用した場合、光ファイバ接続ユニット30Cにて、支持部材11に固定されている回転部材34に対してコネクタ取付ベース33を回転させると、光コネクタレセプタクル92のファイバスタブ923が、光コネクタ50のフェルール51に対して軸回り回転されることになり、光ファイバ2を回転させることなく、光ファイバ923aから光ファイバ2へ入射される送入光の偏光方向を調整できる。
次に、本発明に係る第6実施形態として、上述の光ファイバ接続ユニット30を適用して構成した光伝送設備10、光伝送線路20の一例を説明する。
図32は、光伝送設備10、光伝送路20の一例を示す全体図である。
図32において、光伝送設備10は、複数本の光ファイバ21(図示例では3本の光ファイバ211〜213)を縦続接続して構成された光伝送路20と、この光伝送路20の一端側が接続された光源22(受/発光モジュール)と、前記光伝送路20の他端側の光ファイバ213の先端を保持するヘッド41を支持する光ファイバ支持装置40とを具備して構成されている。
図32に例示した光ファイバ支持装置40は、建物の壁、床、天井等に固定される機台として機能する第1連結部材421(以下、機台421とも言う)を建物の天井4に固定して、天井4の下側に設けられている。なお、図32において、上側を上、下側を下として説明する。
第2連結部材422の先端には、上下方向に延在する縦柱部422aが設けられ、この縦柱部422aの下端に設けられている枢軸43によって、第3連結部材423が第2連結部材422に対して水平軸線回りに回転自在に枢着されている。
なお、ヘッド41も、光ファイバ支持装置40を構成する連結部材の1つとして機能する。
なお、光ファイバ支持装置40(光機器)に設けられた2つの光ファイバ接続ユニット30について、区別のため、以下、第1連結部材421に取り付けられた光ファイバ接続ユニット30に符号301(以下、第1光ファイバ接続ユニット301とも言う)、第2連結部材422に取り付けられた光ファイバ接続ユニット30に符号302(以下、第2光ファイバ接続ユニット302とも言う)、を付して説明する場合がある。
光ファイバ支持装置40は本発明に係る光機器、第1、第2連結部材421、422は前記光機器の支持部材(光ファイバ接続ユニットが取り付けられる支持部材)として機能する。
光コネクタアダプタ31での、光伝送路20の光ファイバ21同士のコネクタ接続は、光コネクタアダプタ31から光伝送路20の一端側(受/発光モジュール22側)の光ファイバ21の先端に取り付けられている光コネクタ70と、光伝送路20の他端側(ヘッド41側)の光ファイバ21の先端に取り付けられている光コネクタ70とを接続するものである。
第1光ファイバ接続ユニット301においては、光ファイバ211の先端に取り付けられている光コネクタ70と、光ファイバ212の先端に取り付けられている光コネクタ50とを光コネクタアダプタ31にて接続している。
第2光ファイバ接続ユニット302においては、光ファイバ212の先端に取り付けられている光コネクタ70と、光ファイバ213の先端に取り付けられている光コネクタ50とを光コネクタアダプタ31にて接続している。
第1光ファイバ接続ユニット301と第2光ファイバ接続ユニット302との間に配線されている光ファイバ212は、一端側(受/発光モジュール22側)に光コネクタ50、他端側(ヘッド41側)に光コネクタ70が取り付けられている。
このため、第2連結部材421を旋回操作すると、該第2連結部材421と連結されている回転部材34が回転され、光ファイバ212先端の光コネクタ50の回転部57も回転されることとなる。一方、光ファイバ211については、光ファイバ212先端の光コネクタ50の回転部57が回転されても、これに追従回転しない。
したがって、第2連結部材421の旋回に伴い、光ファイバ212を捻れにより傷めるといった不都合を防止できる。光コネクタアダプタ31にて接続されている光ファイバ211、212間の軸ずれによる損失増大等の不都合も防止できる。
光コネクタアダプタでは、光ファイバ先端に取り付けられた光コネクタ(光コネクタプラグ)同士の接続によって光ファイバ同士が光接続されて、光伝送路が構成される。
光コネクタレセプタクルでは、該光コネクタレセプタクルに組み込まれたフェルールが先端に設けられている光ファイバあるいは光コネクタレセプタクルに組み込まれたファイバスタブ内の光ファイバと、光コネクタレセプタクルに嵌合して接続した光コネクタ(光コネクタプラグ)が先端に取り付けられている光ファイバとが光接続されて、光伝送路が構成される。
例えば、光ファイバ接続ユニットの回転ユニット、回転部付き光コネクタのストップリングに取り付ける当接片付き固定部品の具体的構成は、上述の実施形態にて例示したものに限定されず、様々な構成を採用できる。
光ファイバ接続ユニットを取り付ける取り付け対象物としては、図32に例示した光ファイバ支持装置40等の光機器に限定されず、例えば、建物の壁、電子機器の筐体等であっても良い。
図18に例示した光機器1B’では、支持部材11に対して回転部材34を回転自在に支持するベアリング5を採用し、さらに、支持部材11に対する回転部材34の回転の許可・規制を切り換えるロック機構7を設けた構成を例示したが、本発明に係る光機器としては、コネクタ取付ベース33について、ベアリング5によって支持部材11に対して回転自在に支持し、さらに、コネクタ取付ベース33の回転の許可・規制を切り換えるロック機構7を設けた構成も採用可能である。
光ファイバ2、3としては、例えば、光ファイバ心線、光ファイバ素線、光ファイバコード等の被覆光ファイバであり、また、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバのいずれでも良い。また、PANDA(PANDA:Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)形光ファイバ等の偏波保持光ファイバを採用することも可能である。
Claims (12)
- 光コネクタアダプタ(31、31A)である受けハウジングが組み込まれた回転ユニット(32)と、光ファイバ(2)の先端に取り付けられた光コネクタ(50、80)を前記受けハウジングに嵌合して接続したコネクタ付き光ファイバ(2A)とを具備し、
前記回転ユニットは、前記受けハウジングと、この受けハウジングが取り付けられたコネクタ取付べース(33)と、このコネクタ取付べースに前記受けハウジングに内蔵されている位置決めスリーブ(31a)の中心軸線回りに回転自在として取り付けられた回転部材(34)と、この回転部材に突設され、該回転部材の前記コネクタ取付べースに対する相対的な回転によって、前記光コネクタの周りを回転移動するユニット側当接片(35)とを具備し、
前記光コネクタは、前記受けハウジングに嵌合する嵌合ハウジング(52,53)に、フェルール(51)と、このフェルールの接続前端側とは逆の後端部を収納するストップリング(54)とを有する回転部(57、87)を、軸回りに回転自在に組み込んで構成され、
前記光コネクタには、前記ユニット側当接片と当接されるコネクタ側当接片(61)が、前記ストップリングに固定して該光コネクタの側部に突出されており、
前記光コネクタアダプタの前記光コネクタとは反対の側に、光ファイバ(3)先端に取り付けられたフェルール(71)をプラグフレーム(72)に回り止めして収納した構成の光コネクタ(70)が嵌合され、前記光コネクタアダプタの両側の光コネクタのフェルールがそれぞれ前記位置決めスリーブに挿入され、コネクタ側、ユニット側の当接片が互いに当接された状態で、前記回転ユニットの前記コネクタ取付べース及び前記回転部材の一方を他方に対して相対的に回転することで、前記回転部を有する光コネクタが取り付けられている前記光ファイバ及び前記受けハウジングの一方を他方に対して相対回転でき、前記光コネクタアダプタの両側にそれぞれ嵌合された光コネクタのフェルールの一方を他方に対して相対回転できることを特徴とする光ファイバ接続ユニット(30、30A)。 - 前記光コネクタアダプタは、両側に接続された光コネクタのフェルールの間に、クリアランス(C)が確保されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続ユニット。
- 前記光コネクタアダプタは、光コネクタが嵌合される一対のアダプタハウジングの間に、各アダプタハウジングに嵌合された光コネクタのフェルールの間のクリアランス(C)を確保するためのスペーサ(31c)を挟み込んで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ接続ユニット。
- フェルール(913)あるいはファイバスタブ(923)を軸回り回転を規制して組み込んだ光コネクタレセプタクル(91、92)である受けハウジングが組み込まれた回転ユニット(32)と、光ファイバ(2)の先端に取り付けられた光コネクタ(50、80)を前記受けハウジングに嵌合して接続したコネクタ付き光ファイバ(2A)とを具備し、
前記回転ユニットは、前記受けハウジングと、この受けハウジングが取り付けられたコネクタ取付べース(33)と、このコネクタ取付べースに前記受けハウジングに内蔵されている位置決めスリーブ(912、922)の中心軸線回りに回転自在として取り付けられた回転部材(34)と、この回転部材に突設され、該回転部材の前記コネクタ取付べースに対する相対的な回転によって、前記光コネクタの周りを回転移動するユニット側当接片(35)とを具備し、
前記光コネクタは、前記受けハウジングに嵌合する嵌合ハウジング(52,53)に、フェルール(51)と、このフェルールの接続前端側とは逆の後端部を収納するストップリング(54)とを有する回転部(57、87)を、軸回りに回転自在に組み込んで構成され、
前記光コネクタには、前記ユニット側当接片と当接されるコネクタ側当接片(61)が、前記ストップリングに固定して該光コネクタの側部に突出され、
前記位置決めスリーブに前記光コネクタレセプタクルのフェルールあるいはファイバスタブと前記光コネクタのフェルールとが挿入され、
コネクタ側、ユニット側の当接片が互いに当接された状態で、前記回転ユニットの前記コネクタ取付べース及び前記回転部材の一方を他方に対して相対的に回転することで、前記受けハウジング及び前記光ファイバの一方を他方に対して相対回転できることを特徴とする光ファイバ接続ユニット(30B、30C)。 - 前記コネクタ側当接片が、前記ストップリングの外側に組み付けられた当接片付き固定部品(60、60a、60b)に突設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニット。
- 前記ユニット側当接片が、前記位置決めスリーブの中心軸線に沿って延在するピン、前記コネクタ側当接片が、前記ユニット側当接片であるピンに対して垂直の方向に延在するピンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニット。
- 前記回転部材は、互いに離隔した2箇所に設けられた一対のユニット側当接片(35a、35b)を具備し、
前記回転ユニットの前記コネクタ取付べース及び前記回転部材の一方を他方に対して相対的に回転することで、前記コネクタ側当接片を当接させるユニット側当接片の切り換えが可能になっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニット。 - 前記回転部を有する光コネクタは、前記フェルールを前記ストップリングに回り止めして組み込んであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバ接続ユニット。
- 前記回転部を有する光コネクタ(80)は、前記フェルールが、前記ストップリングに対して軸回りに回転自在に組み込まれ、
前記フェルールの後端部から延出する光ファイバピグテイルが、留め具(81)によって、前記ストップリングあるいは前記回転部材に回り止めされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニット。 - 複数本の光ファイバ(21)が縦続接続された光伝送路(20)であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニットを有し、この光ファイバ接続ユニットの受けハウジングである光コネクタアダプタにて光ファイバ同士を縦続接続した接続部を1以上具備することを特徴とする光伝送路。
- 光コネクタアダプタあるいは光コネクタレセプタクルである受けハウジングが設けられた光機器であって、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニットと、この光ファイバ接続ユニットを支持する支持部材とを具備し、
前記光ファイバ接続ユニットは、前記コネクタ取付ベース及び前記回転部材の一方を前記支持部材に固定して、前記支持部材に支持されていることを特徴とする光機器(1、1A−1E、40)。 - 光コネクタアダプタあるいは光コネクタレセプタクルである受けハウジングが設けられた光機器であって、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ファイバ接続ユニットと、この光ファイバ接続ユニットを支持する支持部材とを具備し、
前記支持部材が、前記光ファイバ接続ユニットの前記コネクタ取付ベース及び前記回転部材の一方又は両方を回転可能に支持するブラケットであることを特徴とする光機器(1B’)。
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