JP4824960B2 - ステンレス鋼高強度極細平線の製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼高強度極細平線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度かつ寸法安定性に優れ、例えば医療用カテーテル、内視鏡など種々な耐圧極細チューブ等に補強部材として内挿される編組体、乃至異形線ばね等に好適に採用しうるオーステナイト系ステンレス鋼高強度極細平線を製造するステンレス鋼高強度極細平線の製造方法に関する。
血管内に挿入されるカテーテルは、例えば必要患部の血管を拡張するステントを挿入する案内部材として、あるいは血管造影剤などの薬液を注入する薬液チューブとして用いられる細チューブであって、複雑に入り組み、かつ分岐する血管内を目的部位まで円滑に挿入できるよう、柔軟性、根元でのトルクを先端に伝達するトルク伝達性などの特性がよく、操作性に優れることが求められている。また細い血管にも挿入されるように、カテーテルもその外径が小でありつつ、挿入されるステント、薬液の通過に支障がない内径空間を有することとともに、造影剤の注入圧に耐える耐圧性も要請されている。
こうした要請のために、例えば図9に例示するように、金属細線aの螺旋の巻回体又はその複数本をブレード編み(編組)した補強部材bをカテーテルの周壁内に埋設することにより、前記性能を高めるカテーテルが提案されている(例えば、特許文献1)。このものは大きな引張強さを有する金属細線aを用いることにより、カテーテルの周壁を薄くし、剛性を高めつつ可撓性を付与でき、かつキンクを防止することを意図している。
また補強部材に用いる金属細線として、一方の細線と、他方の細線とを互いにチューブ状をなすように螺旋に交互に編組してなる補強部材を具え,その一方の金属細線として複数本、例えば8本の0.12mmのステンレス鋼線と幅0.26mm、厚さ0.06mmの扁平な帯板に圧延成形した極細平線を用いるカテーテルも例えば特許文献2が提案している。さらに補強部材として、固溶化熱処理したのち焼戻しすることなしに高加工率の伸線を施し高強度の極細平線をうることも、例えば特許文献3が提案している。
特開平7−194707号公報 特開平8−317986号公報 特開2002−282366号公報
このように、特許文献1は引張強さを増した金属細線からなる補強部材を用いることにより、カテーテルの壁厚さを肉薄にし、かつ十分な可撓性と剛性を付与しつつ内径を増すこと、特許文献2は、金属細線として圧延した極細平線を用いること、また特許文献3は焼戻しすることなく高強度の金属細線を用いることを提案している。しかしながら、カテーテルは前記のように,複雑に入り組みかつ分岐した血管に沿って曲がり、捻りながら挿入されため、これら変形に応じて補強部材を構成する金属細線には変形応力が加わることになる。特に極細平線では、幅方向両端の両側面における応力が他の部分に比して大となる。
そのため、極細平線の幅寸法に例えばうねり状などの変動があるときには、幅方向面内での横曲げの曲率が同じに強制的に曲げられる部分では幅が大きい個所の幅方向両端の側面に大きな応力が生じ、他方、幅寸法が大きい部分では面内曲げ剛性が増加して他の部分に比して曲率が小となるなど、全体としての曲げ剛さの滑らかさを損なう結果となり、さらには耐久性を阻害することとなる。
しかしながら前記した各特許文献には、金属細線の圧延加工、強度の伸線加工により極細平線に成形することは記載しているとはいえ、幅寸法のバラツキについては考慮していない。
なお、金属細線の表面、特に幅方向両側面にうねりや凹凸が存在すると、特に凹部において応力集中の起点となり、切欠き効果も作用して断線を誘発する危険性があることが判明している。
本発明は、高強度、かつ寸法安定性に優れ、しかも幅寸法の安定性に優れたステンレス鋼高強度極細平線を効率よく製造しうるステンレス鋼高強度極細平線の製造方法の提供を課題としている。
本願請求項1に係る発明は、厚さ0.1mm以下、かつ引張強さ2000N/mm2 以上の高強度特性を有するオーステナイト系ステンレス鋼の極細平線を冷間圧延によって製造するステンレス鋼高強度極細平線の製造方法であって、
a)固溶化熱処理によって、JISG−0551に基づく結晶粒度が8番以上の微細なオーステナイト組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼の軟質線を得る段階と、
b)該軟質線に加工率60%以上の冷間伸線を施して、長手方向に沿って結晶が繊維状に伸びる加工誘起マルテンサイト組織の線径0.5mm以下の硬質細線を得る段階と、
c)該硬質細線に熱処理を施すことなく逆張力を加えながら、圧下率40%以上で冷間圧延を行ないステンレス鋼高強度極細平線をうる段階とを含み、
前記ステンレス鋼高強度極細平線の巾寸法のばらつき(S)が20μm以下であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記ステンレス鋼が、質量%で、C:0.05〜0.15%,Si≦1.0%,Mn≦2.0%,Ni:7.0〜11.0%(クレーム1),Cr:17.0〜21.0%,N:0.10〜0.30%を含み、残部Feと不可避不純物で構成されてなるN添加型のステンレス鋼であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記ステンレス鋼高強度極細平線が、その幅方向の側面の長手方向の表面粗さが、10点平均粗さ(Rz)で0.5μm以下であること、請求項4に係る発明は、前記ステンレス鋼軟質線が、加工率75%以上の強度の冷間伸線加工を行った後、950〜1050℃程度の温度で1〜20秒の固溶化熱処理をすることにより形成されること、請求項5に係る発明は、前記硬質細線を得る段階の冷間伸線加工が、ダイヤモンドダイスを用いた湿式伸線加工を採用するとともに、前記硬質細線の10点表面粗さ(Rz)を1.0μm以下の平滑仕上げ面にすること、請求項6に係る発明は、前記冷間伸線加工が、加工率65〜98%で、かつ前記硬質細線の10点表面粗さ(Rz)を0.2μm以下としたこと、及び請求項7に係る発明は、前記冷間圧延が、前記硬質細線を、幅(W)と厚さ(t)との比(W/t)が2.5倍以上の比率の平線とすることをそれぞれ特徴としている。更に請求項8の発明は前記冷間圧延加工後、更に350〜550℃の低温歪取り熱処理が付与されるものである。
本件請求項1に係る発明は、係る構成を具える結果、冷間圧延加工が、その前段で行なわれる伸線加工によって予めその結晶粒を長手軸方向に沿って伸びる繊維状の加工誘起マルテンサイト組織にした硬質細線とするものであることから、圧延ロール直下ではその長手方向に伸びる繊維組織の各結晶が扇状に拡がりながら圧延されることとなり、より広幅の帯材のステンレス鋼高強度極細平線が成形できる。
しかも、その繊維組織は上下面とともに、幅方向両端の側面も同様であることから側面部の表面性状に優れることとなり、その素線状態、すなわち硬質細線の状態で既に長手方向に沿う方向性を持つ繊維組織であること、しかも圧延加工は逆張力を負荷しながら行うものであることから、その長さ方向側面部のうねりや凹凸などの発生を防ぎ幅寸法の変動を低減でき、かつ表面状態の安定を図ることができ、その結果、側面部の巾寸法のバラツキを20μm以下とすることができる。そのため幅寸法の変動による曲げ剛さの変動を減じ、曲げを滑らかにして応力集中、切欠き効果などの発生を減じることもできる。なお、ステンレス鋼高強度極細平線は厚さ0.1mm以下、かつ引張強さ2000N/mm2 以上を有することから、弾性に優れ使い勝手も向上することから編組体、ばね用などとして好適に用いうる。
又請求項2〜8の構成は、各構成の採用により前記ステンレス鋼高強度極細平線の前記特性を高めることができる。
本発明のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法(以下単に製造方法と呼ぶことがある)を図面に基づき説明する。本発明の製造方法は、図1のブロック図に示すごとく、原線として微細なオーステナイト組織を有するステンレス鋼軟質線を得る段階Aと、軟質線に冷間伸線を施して硬質細線3を得る冷間伸線加工の段階Bと、該硬質細線3に冷間圧延を行ないテンレス鋼高強度極細平線4(極細平線4ということがある)をうる冷間圧延の段階Cとを含む。このような冷間圧延を逆張力を付与して行うことによって、厚さ0.1mm以下、かつ引張強さ2000N/mm2 以上、しかも幅寸法wのバラツキを20μm以下のステンレス鋼高強度極細平線をうることができる。
なお本明細書において、幅寸法のバラツキsは、該極細平線の幅寸法wをその長さ方向に沿って任意点数(例えば数点〜数十点、好ましくは10〜30点程度)計測した時のバラツキ、すなわち標準偏差を意味し次式(1)で求めることができ、またその測定は例えば拡大投影機やレーザー寸法計測器などが用いられる。なお好ましくは、10mm間隔において20点を測定することを基準としている。
s=√〔1/(n−1)〕×〔Σ(wi−wm)2〕 ………(1)
※wmは各点での幅寸法、wiはその平均値、nは測定点数を示す。
段階Aは、原線であるステンレス鋼軟質線をうる工程であって、ステンレス鋼軟質線は結晶粒度が8番以上の微細なオーステナイト組織を具え、固溶化熱処理により得ることができる。前記結晶粒度とは、JISG−0551「鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法」に基づき、粒度番号8番とは、一つの結晶の大きさが0.00049mm2 、すなわち断面積1mm2 当たりで2048個の結晶数を有するものとされている。なお本発明の効果を更に高める上から、結晶粒度をより微細にした9番以上のものを用いることが好ましいが、その上限についてはJIS規格では粒度10番でしか規定されていないが、さらに細かいもの、例えば0.00001mm程度のものを用いることもできる。
このような微細なオーステナイト組織のステンレス鋼軟質線を得るには、例えば加工率75〜99.5%以上、好ましくは95%以上の強度の冷間伸線加工を行った後、1000℃程度の温度で10秒程度の固溶化熱処理をすることにより得られる。又例えば前記温度より低い900℃以下で行うことによりその結晶粒はさらに微細化でき、同様に熱処理時間についても、例えば前記より短くした短時間処理を施すことによって前記と同様に微細化組織を得ることができる。この条件は、熱処理時の熱の吸収をやや抑えることにより結晶の成長を抑制しながら再結晶させる。温度や時間、雰囲気等の条件設定により適宜実施することができるが、通常850〜1050゜C程度で2〜20秒程度の時間で固溶化熱処理する。
使用しうる原線の材料として、例えばSUS302、SUS304,SUS316などのオーテナイト系ステンレス鋼が利用でき、引張強さ2000N/mm2 以上の高強度極細平線を得ることができる。好ましくは、質量%で、C:0.05〜0.15%,Si≦1.0%,Mn≦2.0%,Ni:7.0〜10、0%,Cr:17.0〜20.0%,N:0.10〜0.30%を含み、残部Feと不可避不純物で構成されてなるN添加型のステンレス鋼を用いる。この種の組成のステンレス鋼は、前記Nが侵入型の元素であることから、結晶粒子をさらに微細化でき、また加工に伴う加工硬化率が大きいことから例えば2800N/mm2 以上、より好ましくは3000N/mm2 以上の高強度極細平線を得ることができる。なお、上限は3200N/mm2 程度とし、過度の剛性増加を防ぐ。
このNを含有するステンレス鋼では加工硬化率が大きいことから、所定の強度が比較的少ない加工量で得られることから、靭性の低下を防ぐとともに耐食性にも優れステンレス鋼高強度極細平線として好ましい鋼種となる。また必要に応じて、原線のステンレス鋼軟質線の表面にNiめっき等の潤滑皮膜を形成したものを用いることもできる。この被覆技術については、例えば特開2005−15826号公報が開示するばね用ステンレス鋼線の技術が利用できる。前記N添加型ステンレス鋼線において、各元素の含有量を設定する理由を以下記載する。
Cはオーステナイト生成元素で、冷間加工で応力誘起されるマルテンサイト量を高めて高強度化に寄与するもので、少なくとも0.05%の添加が有効であるが、0.15%を超える程多量に含有すると脆性が増して圧延加工時にワレや断線など生産性低下の原因となり、好ましくは0.09〜0.13%として高強度化を図るのがよい。
Siは、線の引張強さ、弾性限を高める特性から必要であるが、それに伴って靭性が減少し、またδフェライト相の発生による弊害も見られることからその上限を1.0%とし、より好ましくは0.4〜1.0%よりも小とする。
Mnは、脱硫、脱酸剤としてあるいはオーステナイト相の安定化の為に添加されるものであるが、多量の添加は加工性を低下させることから上限を2.0%とし、より好ましくは0.8%以下、下限を0.3%以上とする。
Niは、オーステナイト系ステンレス鋼の基本的元素で、その含有によってオーステナイト組織を安定化して耐食性を高めることができるが、多量に添加するとは高強度特性が得られ難くなることから、7.0〜11.0%、好ましくは8.0〜10.5%とする。
Crも前記Niと同様にステンレス鋼の基本的元素であって、その含有によって不動態化を促進して耐食性を向上するが、多量の添加は生産性に影響することから、17〜21%、好ましくは18.0〜20.5%とする。
Nは、有効はオーステナイト生成元素で、しかも結晶粒を微細化して機械的特性の向上を図ることができ、微細な繊維組織を得る上から0.10%以上の添加が好ましく、また冷間加工による磁性増加を阻止した非磁性特性をもたらすことができるが、一方、0.30%を超えるものでは熱間加工性が低下して、コストアップの要因となる。
他の形態として、前記各元素とともに、例えば0.4〜1.2%のMo、0.5%以下のCu、0.30%以下のNbのいずれか1種以上を更に含み、残部Feと不可避不純物とを含むステンレス鋼を用いることもできる。
なお、この軟質線の線径については、その後に行われる伸線加工、圧延加工を考慮し、例えば0.08〜1.5mm程度に設定する。又表面性状も、最終の極細平線での表面性状、粗さの向上を図るため、原線は、例えばダイヤモンドダイスでの湿式伸線で加工処理した光輝精密仕上げの表面とし、このステンレス鋼線に前記固溶化熱処理を施す。
次に、前記段階Bの硬質細線3を得る冷間伸線加工は、前記段階Aで得たステンレス鋼軟質線に、60%以上の加工率で硬質ダイス、例えばダイヤモンドダイスを用いた冷間伸線加工を施すことで、該線内部には微細に伸びる繊維状の応力誘起マルテンサイト組織を具える例えば線径0.02〜0.8mm程度の硬質細線にする。好ましくは、加工率を75〜90%程度とする。ここで加工率とは、[(当初断面積−加工後断面積)/当初断面積]の百分率をいう。
この硬質細線3の結晶構造の一例を図2に示す。図2では、長さ方向の断面を400倍に拡大している。断面図において結晶は長手方向に沿って微細な繊維組織が連続的にかつ密集した状態で分布している。又結晶のその繊維太さdは25μm以下、例えば10μm以下程度であることが確認できる。この繊維太さは、前記軟質線での結晶粒度の大きさと、冷間伸線加工での加工量によって変化するのであって、好ましくは、一つの繊維状結晶を取り出した図3に示すように,その結晶長さ(L)に対する結晶の幅(d)の比、すなわちアスペクト比(L/d)の平均が20〜1500倍、好ましくは100〜1000倍程度とするのがよい。
また、この冷間伸線加工についても、前記軟質線の場合と同様に、ダイヤモンドダイスでの湿式伸線加工によって表面性状の向上を図ることが好ましく、例えば前記60%以上の加工率によるものでは、該線の10点表面粗さ(Rz)を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下の超平滑仕上げ面にすることができる。また加工率65%以上の加工材では同0.2μm以下にまで表面性状を高める。98%(クレーム6との整合)を超える程大きい加工率によるものでは、その後の圧延加工が困難となることから、生産性を考慮してより好ましくは65〜90%、さらには70〜90%で行う。なお硬質細線3は図4に示す断面円状にも、楕円状、長円状にも形成できる。
さらに、この硬質細線3に冷間圧延を行ないステンレス鋼高強度極細平線4をうる冷間圧延の段階Cとして、前記伸線加工された硬質細線3は熱処理を行うことなく冷間圧延加工が行われる。圧下率を40%以上として所定の幅(w)と厚さ(t)とを有する断面矩形状の図5に断面で例示する極細平線4を形成する。なお本発明の極細平線は、厚さ(t)0.1mm以下であって、その幅(w)寸法は該厚さ(t)の1.5〜15倍、好ましくは2.5〜5倍程度のもの、例えば0.5mm以下のもの対象とする。ここで、幅(w)寸法は、前記式(1)における平均値wiが用いられる。
冷間圧延は常に逆張力を付加しながら行う。これにより、1組の圧延ロールを用いた最終寸法までの圧延加工が可能となり、厚さが0.1mm以下の目視困難な極細平線4に連続圧延でき、多段階の連続圧延加工を避けることができる。逆張力とは、巻取りによる巻付の向きとは反対の向きの張力であり、この逆張力の付加によって該平線の巾寸法を安定化するとともに、直線性を高め、かつ残留たわみ量を低く抑える。
図6は、この圧延加工に使用する冷間圧延装置10の一例を示す。前記硬質細線3を供給する供給ブロック10Aと、これを圧延して所定寸法の極細平線にする圧延ブロック10B、及び引き出された極細平線を巻取りする巻取ブロック10Cとを一連に配置している。
前記供給ブロック10Aには、硬質細線を収容した供給リール10a、並置される両側の案内ローラ10b,10bと、その間かつその下方に位置するダンサローラ10cとからなる逆張力装置10d、及び張力測定装置10eを具える。前記逆張力装置10dは、ダンサーローラ10cが、前記供給リール10aにおける硬質細線3の巻取の向きと逆に湾曲させて、逆張力を付与して巻きくせを減じて、直線性を向上し、圧延ブロック10Bにおける圧延精度を高める。
前記圧延ブロック10Bには、4個のバックアップロール10fと、各上下の対のバックアップロール10f、10fで支持される上下のワークロール10g,10gとからなる圧延ロール10hと、液切り装置10iとを具える。このワークロール10g,10gにより、前記のごとく、圧下率を40%以上の冷間圧延加工が行われる。なお圧延により、幅(w)と厚さ(t)との比である幅(w)/厚さ(t)=1.5〜15の、図5に例示する断面矩形状の極細平線を形成する。
前記巻取ブロック10Cは、並置される両側の案内ローラ10j,10jと、その間かつその下方に位置するダンサローラ10kとからなる逆張力装置10m、張力測定装置10n,寸法測定装置10o、巻取リール10pとを具える。逆張力装置10mは、巻取リール10pでの巻取に先立ち、巻取応力と逆向き応力を付与しておくことにより、巻取リール10pからの巻き戻し時の直線性を向上できる。
又前記供給リール10aと、圧延ロール10hと、巻取リール10pとは、各々図示しない駆動源(モーター)によって圧延のびを考慮した最適速度に各部線速度を制御して回転する。なお張力測定装置10e,10nは、その張力測定結果を電子制御によってフィードバックされ、装置全体の運転が円滑にかつ高精度の圧延加工がなしうるようにコントロールされている。
この冷間圧延装置10では、圧延加工における所定の逆張力の負荷によって、寸法バラツキを抑えながら高品質の極細平線を可能にし、表面状態も良好なものとなる。なお図6の圧延装置10では、前記逆張力は、巻取りブロック10Cと供給ブロック10Aに各々設けたダンサーロール10c,10k自体がその自重と張力との関係で上下方向にスライドするようにして移動量の程度を検出する方法で行っているが、例えば両ダンサーロール10c、10kを各々駆動式として回転速度差を設けることで付加することもできる。またその該逆張力は、前記硬質細線の破断荷重の2〜15%(より好ましくは5〜10%)の範囲で行ったものが最も優れており、また該逆張力の負荷は、1パスだけの圧延加工でも曲がり変形のない良好な真直度をもたらすことが可能となる。
こうして得られた極細平線は、高強度でかつ寸法安定性に優れるものであるが、冷間伸線や圧延加工によって大きな加工歪を持つことから、これを改善する為に、例えば温度350〜550℃の低温熱処理を行うことが好ましい。この処理によって靭性が改善し、曲げに対する疲労特性を向上して寿命特性を高めることができる。この熱処理はテンパー処理と呼ばれ、前記温度に所定時間(例えば0.5〜20s程度)維持することで達成される。
このようなステンレス鋼高強度極細平線4は例えば図7に示すように編組されてチューブ状の補強部材5を構成する。なお、内管6の外周面に編組されてもよく、このとき外管7を外挿、鋳込みなどの方法により形成しカテーテルを生産できる。又極細平線4は外管7の内周面に埋設しておくことなど、カテーテルの成形には種々な方法を採用できる。
原線として、伸線加工で線径0.3mmのSUS304ステンレス鋼硬質線に、温度950℃で固溶化熱処理を行い、原線である軟質線を得た。そこでこの軟質線の結晶粒度を測定する為に、その一部を切り出して#1200番の研磨紙とバフ研磨を行ない、シュウ酸溶液による電解エッチングを施して測定試料とした。この原線の結晶組織を200倍に拡大した顕微鏡で測定した結果、結晶粒度の平均は前記JIS:9番に相当する微細なものであった。
次に、この原線の表面に厚さ0.2μmのNiめっきを電解めっき法で施して、これを潤滑剤とする連続伸線機にセットするとともに、15枚のダイヤモンドダイスにより総加工率95%、伸線速度150m/min.の伸線加工を行ない、線径70μmの硬質細線とした。この硬質細線は表面平滑で優れた光沢を有し、またその線内部には、細線な繊維組織が長手方向に沿って伸びる応力誘起マルテンサイト相を持つものであり、該繊維組織の太さは2μm以下の微細でまた該線の側面部の10点平均表面粗さはRz=0.18μmであった。
そして、この硬質細線は第三段階の極細圧延加工を図3に示す冷間圧延機(アサヒ精機製)によって、逆張力100MPaを付加しながら圧下率70%の加工を行ない、幅:0.18mm,厚さ:0.02mmの極細平線を得た。この極細平線は引張強さ2600N/mm2 の高強度で、しかも表面平滑であり、平線側面部には凹凸の少ない表面粗さRz:0.3μm程度の極めて高精度のものが得られた。この極細平線の巾寸法のバラツキ(S)は3.3μmであり、非常に良好なものであった。この平線の外観写真を図8(A)に示す。
表1の成分組成を持つ4種類のN含有ステンレス鋼軟質線0.3mmφを各々原線とし、加工率97%での冷間伸線加工と、該伸線による硬質細線を前記実施例1と同じ圧延装置にセットして、圧下率50%での冷間圧延を行った。得られた極細平線は、厚さ0.025mm,幅0.08mm,引張強さ2800〜32200N/mm2 の高強度を有し、また平線側面部での表面粗さもRz:0.02〜0.035μmの真直線性に優れた高品質の極細平線が得られた。
なお、この実施例の中で、前記原線での結晶粒の大きさは、いずれも0.00009mm2 程度で、10番以上の微細なオーステナイト組織を有するものであり、また冷間圧延での逆張力としては、該硬質細線の引張強さの5%に相当する応力を付加しながら行ったものである。この実施例による巾寸法wのバラツキは2.1〜6.3μmで非常に好ましいものであった。
次に、この極細平線(試料C)を温度420℃に設定した管状ストランド熱処理炉にセットして、時間1.3秒の条件となるように調整した速度で走行させテンパー処理を行った。熱処理はアルゴンガスによる不活性雰囲気にしたもので、この処理によって引張強さ2920N/mm2 、伸び1.2%と圧延状態に比べて引張強さが約70N/mm2 アップし、また耐力比(耐力/引張強さ)についても88%から96%へと約8%向上させることができた。
比較例
この実施例に対する比較例として、実施例1で用いたSUS304ステンレス軟質鋼を原線とし、この軟質線を直接冷間圧延して実施例1と同等寸法の極細平線を得た。この平線の引張強さは2450N/mm2 とほぼ同様な強度が得られたものの、幅寸法のバラツキが25μmと大きく、側面部での平均粗さはRz:1.3μmであった。この比較例による平線の外観写真を図8(B)に示しており、長手方向に大きく凹凸していることが分かる。
そこで、更に発明の効果を確認する為に、前記実施例1と比較例による極細平線を用いた180゜繰り返し曲げ試験を行い、破断までの曲げ回数を測定した。試験は極細平線をペンチに掴んでその把持部付近を手で折り曲げる方法で行い、一方側への曲げを1回分として試験したもので、実施例1の極細平線では153回の曲げに耐えることができた。これに対して比較例では側面部の表面粗さが大きく、曲げ回数102回で破断した。
さらに、この両試料について、外径2.5mm,ピッチ70/インチの編組チューブ品の編組加工を行ったが、本発明による実施例の極細平線は、高強度で側面部の表面状態に優れ、また疲労特性も優れていることから、良好な加工を行うことができた。
本発明の極細平線は、図7に示すように、中空に押し出された高密度ポリエチレンのからなる外管7と、低密度ポリエチレンからなる内管6とからなる管体の内部に前記極細平線4による編組体からなる補強部材5を埋設したカテーテルの断面の一例であり、極細平線が高強度で疲労特性に優れることから耐圧性、トルク伝達性を向上し、また曲げに対する抵抗が大きく耐久性を高める極細チューブ用品の補強部材として好適する他、この編組体を例えばフレキシブルシャフトやロープ用品として利用することもでき、また前記極細平線を例えば種々形状にコイリング加工することで、極細異形線ばねとしても利用できるなど、広範用途に用い得る。
本発明の製造方法の製造工程を示すブロック図である。 硬質細線での繊維組織を示す拡大顕微鏡の一例である。 硬質細線の金属組織を取り出した状態を例示する概略図である。 硬質細線を例示する断面図である。 極細平線を例示する断面図である。 冷間圧延装置を例示するブロック図である。 カテーテルを例示する一部を除去した正面図である。 (A)は本発明に係る極細平線を例示する外観写真、(B)は比較例品を例示する外観写真である。 従来のカテーテルを略示する断面図である。
符号の説明
3 硬質細線
4 極細平線
10d 逆張力装置

Claims (8)

  1. 厚さ0.1mm以下、かつ引張強さ2000N/mm2 以上の高強度特性を有するオーステナイト系ステンレス鋼の極細平線を冷間圧延によって製造するステンレス鋼高強度極細平線の製造方法であって、
    a)固溶化熱処理によって、JISG−0551に基づく結晶粒度が8番以上の微細なオーステナイト組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼の軟質線を得る段階と、
    b)該軟質線に加工率60%以上の冷間伸線を施して、長手方向に沿って結晶が繊維状に伸びる加工誘起マルテンサイト組織の線径0.5mm以下の硬質細線を得る段階と、
    c)該硬質細線に熱処理を施すことなく逆張力を加えながら、圧下率40%以上で冷間圧延を行ないステンレス鋼高強度極細平線をうる段階とを含み、
    前記ステンレス鋼高強度極細平線の巾寸法のばらつき(S)が20μm以下であることを特徴とするステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  2. 前記ステンレス鋼は、質量%で、C:0.05〜0.15%,Si≦1.0%,Mn≦2.0%,Ni:7.0〜11.0%,Cr:17.0〜21.0%,N:0.10〜0.30%を含み、残部Feと不可避不純物で構成されてなるN添加型のステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  3. 前記ステンレス鋼高強度極細平線は、その幅方向の側面の長手方向の表面粗さが、10点平均粗さ(Rz)で0.5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  4. 前記ステンレス鋼軟質線は、加工率75%以上の強度の冷間伸線加工を行った後、950〜1050℃程度の温度で1〜20秒の固溶化熱処理をすることにより形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  5. 前記硬質細線を得る段階の冷間伸線加工は、ダイヤモンドダイスを用いた湿式伸線加工を採用するとともに、前記硬質細線の10点表面粗さ(Rz)を1.0μm以下の平滑仕上げ面にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  6. 前記冷間伸線加工は、加工率65〜98%で、かつ前記硬質細線の10点表面粗さ(Rz)を0.2μm以下としたことを特徴とする請求項4又は5に記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  7. 前記冷間圧延は、前記硬質細線を、幅(W)と厚さ(t)との比(W/t)が2.5倍以上の比率の平線とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
  8. 前記冷間圧延加工後、更に温度350〜550℃の低温歪取り熱処理が付与されるものである請求項1〜7のいずれかに記載のステンレス鋼高強度極細平線の製造方法。
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