JP4823154B2 - へテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents

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本願発明はヘテロ接合を用いた半導体装置に関するするものである。本願発明は、特にエピタキシャル成長により形成したSiGeC層を用いたバイポーラトランジスタに有用である。
単結晶SiGeCと単結晶Siとのヘテロ接合を用いたバイポーラトランジスタ(HBT)はこれまで知られている。例えばこの例は日本国、特許公開公報、特開2001-68479号にみられる(特許文献1)。図24はこの単結晶SiGeC層と単結晶Si層とからなるSiGeC−HBTの主要部分の断面構造である。このHBTは、コレクタとなるn型単結晶Si層101、及びn型単結晶SiGeC層102、ベースとなるp型単結晶SiGeC層103、エミッタとなるn型単結晶SiGeC層104、及びn型単結晶Si層105を積層した構造を有する。
これまでのHBTにおける、Ge、C組成比、及びB濃度は、例えば図25に示すような分布を持っている。Ge、C組成比は、コレクタのn型SiGeC層102において、コレクタのn型単結晶Si層101側からSiGeC層102内部まで増加する。次に、エミッタのn型単結晶SiGeC層104の内部まで徐々に減少する。更にエミッタのn型単結晶Si層105に向かうに従い減少する。
図26は図25の構成のHBTのエネルギー・バンド・ギャップ構造の例を示す図である。伝導帯の下端、価電子帯の上端が示されている。図26の(a)は注入電流が小さい場合、(b)は注入電流が大きい場合のバンド構造を各々示している。ベースのp型単結晶SiGeC層103において、そのGe、C組成比の変化に伴って、伝導帯のエネルギーがエミッタ側からコレクタ側に向かって減少している。
コレクタのn型単結晶Si層101とn型単結晶SiGeC層102の界面において、伝導帯には、バンドギャップに起因したエネルギー障壁が発生していない。従って、エミッタから注入された電子は、伝導帯の傾斜によって発生した電界により加速されて、ベース中を走行する(図26(a))。
又、単結晶SiGeと単結晶SiCとのヘテロ接合を有するHBTの例が日本国、特許公開公報、特開2000-77425号に見られる(特許文献2)。図27は単結晶SiGeと単結晶SiCからなるHBTの主要部分の断面構造であり、コレクタとなるn型単結晶Si層、及びn型単結晶SiC層、ベースとなるp型単結晶SiGe層、エミッタとなるn型単結晶SiC層、及びn型単結晶Si層を積層した構造を有する。
特開2001-68479号 特開2000-77425号
本願発明は、単結晶Si層、単結晶SiGe層、および単結晶SiGeC層によって形成するヘテロ接合を利用したHBTにおいて、コレクタ電流が大きい場合でも高速動作可能なHBTを提供する。ここで、高コレクタ電流の領域とは、コレクタ電流と遮断周波数との関係において、その極大値を示すコレクタ電流値或はこのコレクタ電流値近傍領域以上を称する。更に、本願発明の別な観点は製造コストの低いHBTとその製造方法を提供することである。
これまで知られた技術での、上記本願発明の諸課題を以下に検討する。
単結晶SiGeCをベースに用いた従来のバイポーラトランジスタでは、コレクタのn型単結晶Si層上に単結晶Siよりもバンドギャップの小さいn型単結晶SiGeC層102を直接設けている。このため、コレクタ電流を増やしていくと、ベース・コレクタ接合のコレクタ側の空乏層において、ベース側から拡散してくる電子によってn型不純物イオンによる空間電荷が打ち消され、中性ベースが実質的に拡大する。その結果、図26の(b)に示すように、コレクタ・ベース界面において、伝導帯にエネルギー障壁が現れる。これによりエミッタから注入された電子の走行が阻害されるため、HBTの高速動作性能が低下するという難点が発生する。前述のように、図26は図25の構成のHBTのエネルギー・バンド・ギャップ構造の例を示す図である。図26の(a)は注入電流が小さい場合、(b)は注入電流が大きい場合のバンド構造を各々示している。注入電流の増大によって中性ベースが拡大する模様が明確に理解されよう。
又、コレクタ電流が大きいときでも、エネルギー障壁によるHBTの動作速度低下を抑制するためには、n型単結晶SiGeC層102の膜厚を厚くすることが考えられる。しかし、結晶性を向上させるためには成長温度を下げる必要があるが、SiGeC層の成長速度は成長温度の逆数に対して指数関数的に減少するため、単結晶SiGeC層の膜厚が大きくなると成長時間が急激に増加してしまう。その結果、SiGeCHBTを製造する際のスループットが低下し、コストが上昇してしまうという問題がある。
もう一方の従来例である、単結晶SiGeのベースと単結晶SiCのコレクタを用いたHBTでは、図27に示すように、始めからベース層とコレクタ層の間にn型単結晶SiC層107を設けた従来のバイポーラトランジスタでは、コレクタ電流によらずにベースよりもコレクタの方がバンドギャップが大きくなっている。そのため、コレクタ・ベース接合において、伝導帯にエネルギー障壁が形成されるため、電子の走行が阻害されて高速動作性能が低下するという問題がある。
図1及び図6を参酌して、本願発明の骨子を説明する。図1は本願発明のHBT主要部の積層構造の断面図である。図6の(a)は、通常動作状態におけるHBTのエネルギーバンド構造を示し、図6の(b)は、コレクタ電流が大きくなり、中性ベースがコレクタまで延びた時のエネルギーバンド構造である。各図は伝導帯の下端及び価電子帯の上端が示されている。符号15がエミッタ、符号9がベース、符号7及び符号3がコレクタである。この符号3の部分が半導体基板側の領域である。
本願発明の主たる目的は、技術的にはベース・コレクタの界面の伝導帯にエネルギー障壁が形成されないように、ベース及びコレクタの各層を設定することである。わけても、本願発明は、高いコレクタ電流の時、中性ベースでエネルギー段差の発生を抑制することである。
本願発明は、単結晶SiGeCをヘテロ接合材料に用いたHBTを前提として、ベースとコレクタの材料の選択を、単結晶SiGe層を主材料として好都合に行い、上記本願発明の目的を達成するものである。即ち、この材料選択に当って、高いコレクタ電流の時、ベースのエネルギーギャップEgがコレクタのエネルギーギャップEgより大きくなるように設定することが基本思想である。前記単結晶SiGeC層はベース、コレクタ或はエミッタの各領域に用いることが出来る。ここで、単結晶SiGeC層は、ベース或はコレクタに用いる選択が先ず重要である。
本願発明のHBTのベースには、単結晶SiGe層、或いは単結晶SiGeC層を用いることが出来る。一方、コレクタは、SiGe層、SiGeC層、及びSiGeC層とSiGe層の積層体(SiGeC/SiGeと表示する)を用いることが出来る。下記の表はその選択の範囲を纏めたものである。
エミッタは、単結晶Si層、単結晶SiGe層、単結晶SiC層と単結晶SiGe層との積層体(SiGe/SiCと表示する)、或いは単結晶SiGeC層と単結晶SiGe層との積層体(SiGe/SiGeCと表示する)などを用いることが出来る。
本願発明の趣旨に従って、種々の形態をとる事ができるが、その要点を略述する。尚、HBTの各領域の厚さなどは通例のHBT技術に従って充分である。
ベースに単結晶SiGe層を用いることは、ドリフト電界による動作の高速化或は電流増幅率の向上を得ることが出来る。又、ベースはCを導入しない形態であるため、不純物、例えばボロン(B)がベースにCと同時に導入されたことによって生ずる結晶性の質的低下の難点を回避する利点を有する。
一方、ベースに導入される高濃度の不純物、例えば、Bの他領域への拡散によるベース幅の拡大を招く難点がある。この難点を補償する為、コレクタにCを導入した単結晶SiGeC層を用いることが良い。Bの拡散を抑制し、単結晶SiGeC層を用いることが良い。Bの拡散を抑制すると共に、CはSiやGeよりも格子定数が小さいことから、SiGeC層の歪を低減する。従って、熱処理に伴う転位や欠陥が発生しにくくなることから、リーク電流の発生などの難点を有さない。更に、コレクタにSiGeC又はSiGeC/SiGeを用いる場合、ベース・コレクタ接合のコレクタ側の空乏層中にエネルギー障壁が形成されるのを抑制することが出来る。即ち、従って、トランジスタの高速性、電流増幅率を確保することが出来る。
ベースへのCの導入、即ち単結晶SiGeC層を用いることは、ベースに導入される不純物、例えばBの拡散を抑制する為に有用である。このCの不純物拡散の抑制効果によって、ベース幅の拡大が阻止される。この場合、わけても、コレクタに、SiGeC/SiGeを用いることが有用である。ベース・コレクタ界面の伝導帯にエネルギー障壁が形成されない。従って、コレクタ電流が大きい場合でも、HBTの高速性を確保することが出来る。ベースにSiGeC、コレクタ側にSiGeC/SiGeを用いるため、SiGeC層では歪が低減されるので、熱処理に伴う転位や欠陥の発生が抑制される。従って、製品の歩留まり、HBT特性のバラツキの低減に有用である。又、コレクタの一部としてCを含有しない領域を有するので、半導体基板にコレクタ層の下部領域としてSiGe層を選択成長することをより好都合に可能とする。このことは、HBTの製造上好都合の構造を可能とする。より詳細は後述される。
本願発明は、単結晶Si層、単結晶SiGe層、および単結晶SiGeC層を用いて形成するヘテロ接合を利用したHBTにおいて、コレクタ電流が大きい場合でも高速動作可能なHBTを提供することが出来る。
更に、本願発明の別な側面によれば、製造コストの低いHBTとその製造方法を提供することが出来る。
具体的な実施の形態の諸例を説明するに先立って、本願発明の主な諸形態を列挙する。
(1)第1の形態は、SiGeCベース、SiGeコレクタの例である。
本願発明のHBTの第1の形態は、次の構成を有する。図1を参酌して説明する。即ち、第1導電型単結晶Si層上、例えば図1で言えば、n型単結晶Si層3上に設けられた第1導電型単結晶SiGe層すなわちn型単結晶SiGe層7からなるコレクタと、前記第1導電型単結晶SiGe層7上に設けられた前記第1導電型と反対導電型の第2導電型単結晶SiGeC層すなわちp型単結晶SiGeC層9からなるベースと、前記第2導電型単結晶SiGeC層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層すなわちn型単結晶Si層15からなるエミッタを有するHBTであって、前記n型単結晶SiGe層7のp型単結晶SiGeC層9側のバンドギャップがp型単結晶SiGeC層9のn型単結晶SiGe層7側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さい事を特徴とするものである。
(2)第2の形態は、SiGeC層をベースに、SiGeC/SiGe層をコレクタに用いた例である。
前述した第1導電型単結晶SiGe層7と第2導電型単結晶SiGeC層9との間に、更にコレクタの一部となる第1導電型単結晶SiGeC層すなわちn型単結晶SiGeC層29を挿入する。尚、図10に即せば、第1導電型単結晶SiGe層はn型単結晶SiGe層7であり、又、第2導電型単結晶SiGeC層はp型単結晶SiGeC層9である。そして、n型単結晶SiGeC層29のn型単結晶SiGe層7側のバンドギャップがn型単結晶SiGe層7のn型単結晶SiGeC層29側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きく、且つ、n型単結晶SiGeC層29のp型単結晶SiGeC層9側のバンドギャップがp型単結晶SiGeC層9のn型単結晶SiGeC層29側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さくするものである。(3)第3の形態は、SiGe層をベースに、SiGeC層をコレクタに用いた例である。
第1導電型単結晶Si層上、例えば図11で言えば、n型単結晶Si層3上に設けられた第1導電型単結晶SiGeC層すなわちn型単結晶SiGeC層29からなるコレクタと、前記第1導電型単結晶SiGeC層29上に設けられた前記第1導電型と反対導電型の第2導電型単結晶SiGe層すなわちp型単結晶SiGe層30からなるベースと、前記第2導電型単結晶SiGe層30上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層すなわちn型単結晶Si層15からなるエミッタを有するヘテロ接合バイポーラトランジスタであって、n型単結晶SiGeC層29のp型単結晶SiGe層30側のバンドギャップがp型単結晶SiGe層30のn型単結晶SiGeC層29側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さくすれば好適である。
(4)第4の形態は、SiGe層をベースに、SiGeC/SiGe層をコレクタに用いた例である。
又、前記第1導電型単結晶Si層、例えば図12で言えば、n型単結晶Si層3と第1導電型単結晶SiGeC層すなわちn型単結晶SiGeC層29の間に更にコレクタの一部となる第1導電型単結晶SiGe層すなわちn型単結晶SiGe層7を有し、n型単結晶SiGe層7のn型単結晶SiGeC層29側のバンドギャップがn型単結晶SiGeC層29のn型単結晶SiGe層7側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さくすればよい。
以下、(5)より(8)までの形態は、エミッタに工夫を施した諸形態である。
(5)第5の形態は、SiGe層或はSiGeC層をベースに、SiGeC/SiGe層をコレクタに用い、且つSiGeエミッタ層を用いた例である。
前述した第2導電型単結晶層、例えばp型単結晶SiGeC層9(図10図の例の場合)もしくはp型単結晶SiGe層30(図12の例の場合)と、第2の第1導電型単結晶Si層即ちエミッタのn型単結晶Si層15の間に、エミッタの一部となる第2の第1導電型単結晶SiGe層、即ちn型単結晶SiGe層31を有すれば好適である。
この時、第2の第1導電型単結晶SiGe層、即ち、例えば図13で言えば、エミッタのn型単結晶SiGe層31の第2導電型単結晶層側(即ち、ベース層側)のバンドギャップが、当該第2導電型単結晶層の前記第2の第1導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きくすればよい。尚、ここで、第2導電型単結晶層(即ち、ベース)は、具体的にはp型単結晶SiGeC層9もしくはp型単結晶SiGe層30である。
(6)第6の形態は、SiGe層或はSiGeC層をベースに、SiGeC/SiGe層をコレクタに用い、且つSi/SiCエミッタを用いた例である。
前述した第2導電型単結晶層、即ちベース(9、30)と第2の第1導電型単結晶Si層、即ちエミッタのn型単結晶Si層15の間に、エミッタの一部となる第1導電型単結晶SiC層、即ちn型単結晶SiC層32を有すれば好適である。
この時、前記第1導電型単結晶SiC層の前記第2導電型単結晶層側のバンドギャップが、前記第2導電型単結晶層の第1導電型単結晶SiC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きくすればよい。図15に即せば、第1導電型単結晶SiC層はn型単結晶SiC層32である。第2導電型単結晶層はp型単結晶SiGeC層9である。又、図11或いは図12に即せば、前記第2導電型単結晶層はp型単結晶SiGeC層30である。
(7)第7の形態は、SiGe層或はSiGeC層をベースに、SiGeC/SiGe層をコレクタに用い、且つSi/SiGeCエミッタ層を用いた例である。
前述の第2導電型単結晶層9、30と第2の第1導電型単結晶Si層(15)即ちエミッタのn型単結晶Si層15の間に、エミッタの一部となる第2の第1導電型単結晶SiGeC層即ちエミッタのn型単結晶SiGeC層33を有すれば好適である。
この時、第2の第1導電型単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶層側のバンドギャップが、当該第2導電型単結晶層、即ちベースにおけるエミッタのn型単結晶SiGeC層33側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きくすればよい。図17に即せば、第2の第1導電型単結晶SiGeC層はエミッタのn型単結晶SiGeC層33である。第2導電型単結晶層はp型単結晶SiGeC層9である。又、図11或いは図12に即せば、前記第2導電型単結晶層はp型単結晶SiGeC層30である。
(8)第8の形態はSi/SiC/SiGeCエミッタを用いた例である。
前述した第2導電型単結晶層、例えばp型単結晶SiGeC層9(例えば、図18の形態の場合)もしくはp型単結晶SiGe層30(例えば、図11又は図12の形態の場合)と第2の第1導電型単結晶Si層すなわちエミッタのn型単結晶Si層15の間において、p型単結晶SiGeC層9もしくはp型単結晶SiGe層30上に、エミッタの一部となる第2の第1導電型単結晶SiGeC層すなわちエミッタのn型単結晶SiGeC層33を設け、更にこのエミッタのn型単結晶SiGeC層33上にエミッタの一部となる第1導電型単結晶SiC層すなわちn型単結晶SiC層32を設ければ好適である。
この時、第2の第1導電型単結晶SiGeC層、例えば図18で言えば、エミッタのn型単結晶SiGeC層33の第2導電型単結晶層すなわちp型単結晶SiGeC層9もしくはp型単結晶SiGe層30側のバンドギャップがp型単結晶SiGeC層9もしくはp型単結晶SiGe層30のエミッタのn型単結晶SiGeC層33側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きくすればよい。
更に、第1導電型単結晶SiC層、例えば図18で言えば、n型単結晶SiC層32の第2の第1導電型単結晶SiGeC層、すなわちn型単結晶SiGeC層33側のバンドギャップがn型単結晶SiGeC層33のn型単結晶SiC層32側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きくすればよい。
又、上記の諸HBTにおいて、ベースとコレクタの少なくとも一部で、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が増加する領域を設ければ好適である。
更に、第2の第1導電型単結晶SiGe層、例えば図13で言えば、エミッタのn型単結晶SiGe層31中の少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が増加する領域を設ければ好適である。
又、第2の第1導電型単結晶SiGeC層、例えば図17又は図18で言えば、エミッタのn型単結晶SiGeC層33中の少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が増加する領域を設ければよい。
更に、上記の諸HBTにおいて、コレクタの少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が減少する領域を設けると好適である。
又、上記の諸HBTにおいて、エミッタの少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってC組成比が増加する領域を設ければよい。
更に、上記の諸HBTのうち、ベースとコレクタの少なくとも一部にCを含む層を設けたHBTにおいて、ベースとコレクタの少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってC組成比が減少する領域を設ければ好適である。
又、上記の諸HBTのうち、GeとCを共に含む単結晶層におけるGe組成のC組成に対する比が5以上20以下であればよい。
更に、単結晶基板、例えば図7で言えば、n型単結晶Si層1上に設けられた開口部を有する絶縁膜すなわちコレクタ・ベース分離絶縁膜21と、前記絶縁膜の開口部内に設けられたコレクタとなる第1導電型単結晶SiGe層すなわちn型単結晶SiGe層7と、前記第1導電型単結晶SiGe層上に設けられた第2導電型単結晶SiGeC層すなわちp型単結晶SiGeC層9と、前記第2導電型単結晶SiGeC層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層すなわちエミッタのn型単結晶Si層15を有することを特徴とすれば好適である。
この時、単結晶基板すなわちn型単結晶Si層上に絶縁膜すなわちコレクタ・ベース分離絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を設ける工程と、前記開口部内のみにコレクタとなる第1導電型単結晶SiGe層すなわちn型単結晶SiGe層を選択エピタキシャル成長により形成する工程と、前記開口部内のみに前記第1導電型単結晶SiGe層上に第2導電型単結晶SiGeC層、即ちp型単結晶SiGeC層を選択エピタキシャル成長により形成すればよい。
又は、単結晶基板すなわちn型単結晶Si層上に設けられた開口部を有する絶縁膜すなわちコレクタ・ベース分離絶縁膜と、前記絶縁膜の開口部内に設けられたコレクタとなる第1導電型単結晶SiGeC層すなわちn型単結晶SiGeC層と、前記第1導電型単結晶SiGeC層上に設けられた第2導電型単結晶SiGe層すなわちp型単結晶SiGe層と、前記第2導電型単結晶SiGe層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層すなわちエミッタのn型単結晶Si層を有すればよい。
この時、単結晶基板すなわちn型単結晶Si層上に絶縁膜すなわちコレクタ・ベース分離絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を設ける工程と、前記開口部内のみにコレクタとなる第1導電型単結晶SiGeC層すなわちn型単結晶SiGeC層を選択エピタキシャル成長により形成する工程と、前記開口部内のみに前記第1導電型単結晶SiGeC層上に第2導電型単結晶SiGe層すなわちp型単結晶SiGe層を選択エピタキシャル成長により形成すればよい。
次いで、具体的な実施の形態を図に即しながら説明する。
本願発明に係るHBTの好適な実施の形態は、例えば、図1に示すように、コレクタがn型単結晶Si層3とn型単結晶SiGe層7からなり、ベースが高濃度p型単結晶SiGeC層9からなり、エミッタがn型単結晶Si層15からなることを特徴としている。
又、ベースとして単結晶SiGeを用いた場合、例えば図11において、コレクタがn型単結晶Si層3とn型単結晶SiGeC層29からなり、ベースが高濃度p型単結晶SiGe層30からなり、エミッタがn型単結晶Si層15からなることを特徴としている。本構造を用いることにより、コレクタ電流の大小に関わらず、コレクタ・ベース接合において伝導帯にはエネルギー障壁が形成されない。従って、エミッタから注入された電子の走行が阻害されないため、HBTを高速に動作させることができる。
又、本構造により、成長速度の遅いn型単結晶SiGeC層の膜厚を小さくできることから、HBTを作製する時間を大幅に短縮でき、スループットが向上する。その結果、HBTの製造コストを低減することができる。
<実施例1>
図1は、本願発明に係るHBTの一実施例を示すHBTにおける真性領域の断面構造である。図1において参照符号3はコレクタの一部となるn型単結晶Si層を示す。このn型単結晶Si層上にコレクタの一部となるn型単結晶SiGe層7、ベースとなる高濃度p型単結晶SiGeC層9、及びエミッタとなるn型単結晶Si層15を順次形成している。
こうした半導体多層膜をHBTの真性部分に適用した場合の、HBTの断面構造を図2に示す。始めに、Si基板上に高濃度n型単結晶2、及びコレクタとなるn型単結晶Si層3を順次形成する。次に、トランジスタの真性部分、及びコレクタ引き出し層を形成する部分以外に、コレクタ・ベース分離絶縁膜4を形成する。さらに、絶縁膜5により、素子分離領域を形成する。次いで、コレクタ引き出し層6を形成した後、こうして準備した基板上にn型単結晶SiGe層、p型単結晶SiGeC層、及びn型単結晶Si層を基板全面に順次形成する。このとき、絶縁膜4、5が形成されていない部分では、コレクタのn型単結晶Si層3の表面が露出している。従って、この部分には、n型単結晶SiGe層7、p型単結晶SiGeC層9、n型単結晶Si層11の各層がエピタキシャル成長する。同時に、コレクタ・ベース分離絶縁膜上には、n型多結晶SiGe層8、p型多結晶SiGeC層10、n型多結晶Si層12の各層が成長する。
次に、こうして形成したn型単結晶Si層11、及びn型多結晶Si層12層の上に、エミッタ・べース分離絶縁膜13を形成する。次いで、真性領域近傍を除いて、絶縁膜13、単結晶層7、9、11、多結晶層8、10、12を除去する。この後、絶縁膜14を堆積し、単結晶層7、9、11、多結晶層8、10、12、絶縁膜13の側壁に絶縁膜14を形成する。エミッタ引き出し層となる高濃度n型多結晶Si層15を形成した後、熱処理により、n型多結晶Si層中のn型不純物、例えばPをn型単結晶Si層11に拡散させて、エミッタ領域16を形成する。この後、基板全面に絶縁膜17を堆積し、エミッタ、ベース、コレクタの各部分を開口し、エミッタ電極18、ベース電極19、及コレクタ電極20を形成する。
次に、図2に示した構造を有するHBTを作製するときのフロー図を、図3に示す。これらの図は、HBTの製造工程のうち主要なものを示しており、さらにHBTの真性領域近傍の縦断面構造を示している。
Si基板1上に、いわゆる埋め込み層である高濃度n型単結晶Si層2を形成した後、この上に、コレクタとなるn型単結晶Si層をエピタキシャル成長により形成する。このときの成長方法としては、化学気相堆積(CVD)法が好適であり、成長中に同時にn型不純物、例えばPを導入する。ここで、HBTのベース・コレクタ耐圧の低下、及びベース・コレクタ間容量の増加を抑制する為、不純物濃度は約5x1017cm-3以下が好適である。更に、この後、コレクタ・ベース絶縁膜4を形成する(図3の(a))。
次に、基板表面にn型SiGe層、p型SiGeC層、n型Si層を順次形成する。このとき、n型単結晶Si層3の表面が露出した部分には、n型単結晶SiGe層7、p型単結晶SiGeC層9、n型単結晶Si層11が成長する。一方、コレクタ・ベース絶縁膜上には、n型単結晶SiGe層8、p型多結晶SiGeC層10、n型多結晶Si層12が成長する(図3の(b))。
次に、上述の工程で用いる各層のエピタキシャル成長について、詳細に説明する。エピタキシャル成長方法としては、分子線エピタキシー法(MBE法)や化学的気相堆積法(CVD)法などを用いることができる。ここでは特に大口径化への適用が可能であり、スループットがよいことから、トランジスタの製造に適しているCVD法を用いた場合について説明する。
始めに、単結晶Si層3が露出した状態で、基板の洗浄を行い、これにより基板表面上の不要な粒子(パーティクル)、有機汚染物、金属汚染物、及び自然酸化膜などを除去する。洗浄として、例えば、アンモニアと過酸化水素と純水の混合液による洗浄を行った後、フッ酸水溶液によって表面の酸化膜を除去し、純水による洗浄を行う。こうすることによって、当該半導体基体の表面が水素原子で終端された状態を作り出すことができる。従って、単結晶Si層3の表面に自然酸化膜が形成されにくくなる。基板を成長装置内に設置し、超高真空状態の反応室に基板を搬送した後、エピタキシャル成長を行う直前に、搬送中に付着した汚染物や自然酸化膜を除去する目的で基板表面の清浄化を行う。例えば、水素雰囲気中で、基板を800℃以上で数分間加熱することにより、単結晶Si層の表面から汚染物や自然酸化膜が除去され、清浄な表面が得られる。
基板温度を成長温度まで下げた後、n型単結晶SiGe層7、p型単結晶SiGeC層9、n型単結晶Si層11を順次エピタキシャル成長する。代表的なCVD法には、ターボ分子ポンプにより排気した状態で少量の原料ガスを流すことにより、非常に低圧の分子流領域で成長を行う超高真空CVD(UHV/CVD)法や、多量の水素を流しながら成長を行う減圧CVD法などがある。UHV/CVD法では、低温で成長を行うために、反応性の高いガスを原料に用いる。例えば、SiGe層を成長する場合、Siの原料としてジシラン(Si26)、Geの原料としてゲルマン(GeH4)を用いれば好適である。又、Cの原料ガスとしては、モノメチルシラン(CH3SiH3)、ジメチルシラン((CH3)2SiH2)、トリメチルシラン((CH3)3SiH)、メタン、エチレン、アセチレンなどのガスを使用することができる。C組成比は、これらのガスの供給量を変化させることによって制御できる。ガスの流量は、分子流領域での成長を行うために、成長中の圧力が高くならないようにする必要がある。成長室の圧力は、成長室の形状や排気速度などによって変化するが、約1Pa以下で成長を行えば均一な成長を実現することができる。成長温度は、エピタキシャル成長層の結晶性悪化を抑制するために650℃以下で、成長時間の増大によるスループットの低下を防ぐために500℃以上とすればよい。例えば、成長温度を550℃とすれば、結晶性が良く、膜厚の制御性を向上し、且つ、スループットの低下を招かずにエピタキシャル成長を行うことができる。又、SiGe層中の組成比を制御するためには、各原料ガスの比率を変化させればよい。例えば、成長温度550℃において、Si26の流量を2.0ml/min、GeH4の流量を10.5ml/minとすることにより、Ge組成比30%のSiGe層が成長できる。又、SiGeCのエピタキシャル成長を行う場合、例えばSi26が2.0ml/min、GeH4が10.5ml/min、及びCH3SiH3が0.70ml/minとするとことにより、Ge組成比30%、C組成比3%の単結晶SiGeC層を形成することができる。又、エピタキシャル成長と同時に、不純物を含んだガスを供給することによって、ドーピングを行うことができる。p型のドーピングを行うときに用いるガスとしてはBなどのIII族元素を含んだもの、例えばジボラン(B26)などを用いることができる。n型のドーピングを行うときに用いるガスとしてはPなどのIV族元素を含んだもの、例えばホスフィン(PH3)やアルシン(AsH4)などを用いることができる。又は、エピタキシャル成長に拡散やイオン注入などを用いることでドーピングを行うことができる。
一方、減圧CVD法では、多量の水素ガスをキャリアガスをして流し、同時に原料ガスを供給することによってエピタキシャル成長を行う。使用するガスは、余り反応性が高いと気相中の反応が生じてしまい、堆積した膜の結晶性が悪化するという問題がある。従って、Siの原料ガスとしては、例えばモノシラン(SiH4)やジクロルシラン(SiH2Cl2)などを始め、Siの水素化物や塩化物などを用いればよい。Geの原料ガスもSiと同様に、GeH4などのGeの水素化物や塩化物などを用いることができる。成長圧力は、ほぼ水素ガスの圧力で決定され、約1000Paより10000Pa程度の圧力を用いることができる。成長温度は、ガスの分解と結晶性の両立する最適な温度範囲として、600℃より800℃程度とすればよい。ガスの流量に関しては、UHV/CVD法と同様に、流量の比で組成比を制御することができる。成長方法に関しては、他の層に関しても同様である。
図4は、図1に示した半導体多層膜をエピタキシャル成長により形成した直後のGe組成比、C組成比分布と不純物分布を示す。図4の上段がゲルマニウム及びカーボンの組成比例、下段はこれに対応する位置での不純物濃度の分布を示す。図4の上下の各図面の横軸は結晶成長層の表面からの深さを示す。そして、各図は、これらの上下の図面で横軸の位置を一致させて描かれている。
バイポーラトランジスタの高速化を行うためには、ベースの厚さを薄くして、キャリアの走行時間を低減する必要がある。しかし、ベースの不純物濃度を変えずにベースの厚さを薄くすると、ベース抵抗が上昇してしまう。他方の要請として、バイポーラトランジスタを用いた回路の高速動作を実現するには、ベース抵抗を低減する必要がある。従って、そのためにはベースの不純物濃度を増加しなければならない。しかし、ベースの不純物濃度を増加するとコレクタ電流が小さくなるため、電流増幅率が低下してしまう。
そこで、ベースのバンドギャップを小さくしたヘテロ接合を用いることにより、低いベース抵抗を維持したまま電流増幅率を向上させる事が可能となる。
又、エピタキシャル成長後の熱処理に伴う不純物の熱拡散により、ベースの厚さが大きくなるのを防ぐため、ベースにはCを添加すればよい。Cは半導体材料に含有させる不純物の拡散を抑えることが出来る。即ち、C原子は格子間に存在するSi原子と置換しやすいため、格子間のSi原子の数が減少する。その結果、格子間Si原子を介して拡散するB原子は拡散しにくくなる。又、Cは共有結合のエネルギーが大きい。従って、SiGe層にCを添加することにより、バンドギャップがC組成比に応じて増大する。
これらの諸効果を得るためには、C原子が格子位置に取り込まれる必要がある。しかし、単結晶Si層や単結晶SiGe層中のCの固溶度が低いためにC濃度を高くすることはできない。C組成比の上限は5%程度である。
Cを添加した状態で、ベースのバンドギャップを小さくした効果を得るためには、ベースのGe組成比は5%以上であることが望ましい。又、GeはSiよりも約4.2%格子定数が大きい。従って、Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長すると、Ge組成比に応じた歪みが生じる。
一方、Cは、SiやGeよりも格子定数が小さいことから、単結晶SiGe層にCを加えることによって、単結晶SiGe層の歪みを低減できる。例えば、単結晶Si基板上に成長した単結晶SiGeC層において、そのGeとCの比率を8.5付近にすることにより、Si基板とほぼ格子整合させ、歪みを極めて小さくできる。SiGe層におけるGe組成比と膜厚をそれぞれ大きくすると、歪みが緩和して結晶欠陥が生じるため、Ge組成比の上限は約50%とすればよい。HBTの遮断周波数が150GHz以上といった性能を得るためにはベースの厚さは約10nmとすれば良く、不純物濃度はベース抵抗の増大を防ぐために1×1019cm-3以上で、結晶性が悪化する1×1021cm-3以下とすればよい。Bの拡散を抑制する効果を得るためにはB濃度よりも多くの量のC原子を添加しなければならず、その下限は約1×1019cm-3である。
以上のように、各単結晶層を形成した後、エミッタ・ベース分離絶縁膜13を形成する。エミッタ・ベース分離絶縁膜13のエミッタ部分に開口部を形成した後、エミッタ引き出し層となる高濃度n型多結晶Si層15を形成する。更に、短時間で高温アニ−ルを行うことにより、エミッタ引き出し層15からn型単結晶Si層11内部にn型不純物を拡散させ、エミッタ領域16を形成する。ここで、n型不純物には、例えばPを用い、その濃度はエミッタ抵抗が上昇するのを抑制するため、約1x1020cm-3以上とすれば良い。以上により、本実施例に示すHBTの真性領域が完成する(図3の(c))。
図5に、図4に示したGe組成比、C組成比、不純物濃度分布をもつHBTにおけるエミッタ形成後のGe組成比、C組成比、不純物濃度分布を示す。図の構成は図4と同様である。ベース層にCを添加することによって不純物であるBの拡散が抑制され、薄いベース層が維持できている。
図6に、図5に示したGe、C組成比及び不純物分布を有するHBTのエネルギーバンド構造を示す。ここで、図6の(a)は通常の動作状態におけるHBTのエネルギーバンド構造を示し、図6の(b)は、コレクタ電流が大きくなり、中性ベース領域がn型単結晶SiGe層7中まで延びた時のエネルギーバンド構造である。各図は伝導帯の下端及び価電子帯の上端が示されている。符号15がエミッタ、符号9がベース、符号7及び符号3はコレクタである。
p型単結晶SiGeC層9からなるベースのバンドギャップよりも、n型単結晶SiGe層7からなるコレクタ層のバンドギャップを小さくしておくことにより、高注入状態で中性ベースが延びた場合、バンドギャップの差に対応して伝導帯に形成された段差によりキャリアが加速されるため、トランジスタの高速動作が可能となる。例えば、p型単結晶SiGeC層9とn型単結晶SiGe層7におけるGe組成比を同じ値にした場合、ベースのC組成比に対応したエネルギー差が生じるが、更にキャリアを加速する効果を得るためには、n型SiGe層7中のGe組成比を大きくすればよい。
又、単結晶SiGeC層を形成する際、Cの原料ガスを導入すると表面反応が阻害されるため、C組成比が少なくなるほど成長速度が大きくなる。従って、単結晶Si層を用いた場合は、コレクタに同程度の厚さを持つ単結晶SiGeC層を用いた時と比べて成長時間が短縮できるため、トランジスタの製造を行う際のスループットを向上することが可能となる。
<実施例2>
図7は、本願発明に係るHBTの第2の実施例を示すHBTの断面構造であり、図1に示したHBTの真性部分を自己整合的に形成したときのデバイス構造を示す。始めに、Si基板1上に、コレクタとなる高濃度n型単結晶Si層2、及びn型単結晶Si層3を順次形成する。次に、トランジスタの真性部分となる領域以外にコレクタ・ベース分離絶縁膜4を形成する。更に、各トランジスタの間の領域に溝を形成し、溝に絶縁膜5、及び絶縁膜20を埋め込むことによって、素子分離領域を形成する。次いで、基板上にコレクタ・ベース分離絶縁膜21、22、ベース引き出し層となるp型多結晶Si層23、エミッタ・ベース分離絶縁膜13を堆積する。この後、エミッタ・ベース分離絶縁膜13と多結晶Si層23に開口部を形成し、この側壁にエミッタ・ベース分離絶縁膜24を形成する。更に、開口部にイオン注入し、コレクタとなるn型単結晶Si層25を形成する。次いで、開口部内のコレクタ・ベース分離絶縁膜22、21をエッチング除去し、n型単結晶Si層3表面を露出させる。次に、この開口部のみに、コレクタとなるn型単結晶SiGe層7、ベースとなる高濃度p型単結晶SiGeC層9、及びエミッタとなるn型単結晶Si層11を順次選択エピタキシャル成長によって形成する。エミッタ引き出し層となる高濃度n型多結晶Si層14を形成した後、熱処理によりn型多結晶Si層14中のPをn型単結晶Si層11に拡散させることによりエミッタ15を形成する。基板全面に絶縁膜16を堆積し、コレクタ部分を開口した後、コレクタ引き出し層となる高濃度n型単結晶Si層6を形成する。最後に、エミッタ、ベース部分を開口し、エミッタ電極17、ベース電極18、コレクタ電極19を形成する。
図8及び図9に、図7に示した構造を有するHBTを実現するための製造方法のフロー図を示す。これらの図は、HBTの製造工程のうち主要なものを示しており、更にHBTの真性領域近傍における縦断面構造を示している。まず、Si基板1上に、埋め込み層である高濃度n型単結晶Si層2を形成した後、この上に、エピタキシャル成長により、コレクタとなるn型単結晶Si層3を形成する。このとき、成長方法にはCVD法が好適である。又、n型不純物は例えばPであり、その濃度は、HBTのベース・コレクタ耐圧の低下やコレクタ・ベース間容量の増加を防ぐため、約5×1017cm-3以下とすれば好適である。
次に、コレクタ・ベース分離絶縁膜4と素子分離領域を形成後、コレクタ・ベース分離絶縁膜となるSi酸化膜21とSi窒化膜22、ベース引き出し層となるp型多結晶Si層23、エミッタ・ベース分離絶縁膜13を順に堆積する。この後、エミッタ・ベース分離絶縁膜13とp型多結晶Si層23に開口部を形成し、更に、この開口部の側壁にエミッタ・ベース分離絶縁膜24を形成した後、開口部にイオン打ち込み法により、高濃度コレクタとなるn型単結晶Si層25を形成する。このとき、不純物濃度は、コレクタの空乏層が拡がることによりコレクタ内における電子の走行時間が増大し、トランジスタの動作速度が低下するのを防ぐため、約1×1018cm-3とすれば好適である(図8の(a))。
次に、開口部において、コレクタ・ベース分離絶縁膜22と21を順次エッチング除去し、n型単結晶Si層3の表面を露出させる。このとき、ベース引き出し層23の下面も同時に露出する(図8の(b))。
次いで、コレクタ、ベース、エミッタを選択エピタキシャル成長を用いることにより、n型単結晶Si層3上のみに単結晶層を形成することが可能となる。このときの成長方法としては、選択成長の実現が可能であり、基板の大口径化や高いスループットが実現できる減圧CVD法や、UHV/CVD法が好適である。減圧CVD法では、高温での基板表面の清浄化と700℃程度の比較的高温での成長により、選択性の向上や成長時間の短縮が可能となる。一方、UHV/CVD法では、反応性の高いガスを少量使用することにより、600℃以下といった比較的低い温度での成長が可能となる。その結果、ガスの流れに影響されない均一な単結晶層を得ることができ、GeやC組成比の高精度な制御が可能となる。本実施例の構造を実現する成長方法は、これらの技術のみに限られるものではなく、酸化膜上と単結晶上で選択性の得られる成長方法であれば適用が可能である。
実施例1と同様に、基板表面の清浄化を行った後、単結晶Si層3の表面のみに選択的にエピタキシャル成長を行う。選択成長を行うには、エッチング反応を起こすHClやCl2などのハロゲン系のガスを原料ガスと共に供給することで実現できる。例えば、UHV/CVD法の場合、2.0ml/minのSi26、10.5ml/minのGeH4に、5ml/minのCl2を添加することにより、Ge組成比30%のSiGe層を選択成長することができる。同様に減圧CVDの場合、原料ガスと共に20ml/minのHClガスを流すことにより、選択成長を実現できる。
又、エッチングガスを使用しない選択成長方法として、表面の材料による堆積開始時間の違いを利用することができる。成長の初期段階においては、酸化物などの汚染や結晶の表面状態などの違いにより、成長が開始されない。堆積が始まるまでの時間は潜伏時間と呼ばれ、材料や成長条件によって変化する。単結晶基板上でのエピタキシャル成長は、表面の清浄化が完了している状態ではほとんど潜伏時間は存在しないが、例えば酸化膜上では、潜伏時間が長いために、酸化膜上に堆積が開始するまでの間は単結晶上のみに選択的にエピタキシャル成長を行うことができる。酸化膜上での潜伏時間は、ガスの供給量を下げ、成長温度を上げることによって長くすることができ、又、SiGeにおけるGe組成比を増やすことによっても長くなる。例えば、成長温度を550℃、Si26流量を2.0ml/min、GeH4流量を3.1ml/minとした場合、Ge組成比15%のSiGe層を100nm以上選択成長させることが可能である。これらの方法により、n型単結晶SiGe層を開口部内の単結晶Si層上に選択成長することができる(図8の(c))。
次いで、p型単結晶SiGeC層9とn型単結晶Si層11を選択エピタキシャル成長によって形成する。ここで、高濃度p型多結晶Si層からなるベース引き出し層23の下面では、多結晶Si層が露出しているため、選択成長を行っても多結晶SiGeC層や多結晶Si層が堆積する。Si基板として面方位が(100)のものを使用した場合、多結晶S層では、結晶の面方位として(111)や(311)が主に表面に現れるため、これらの面では成長速度が遅いことから、多結晶SiGeC層や多結晶Si層の膜厚は、単結晶層よりも薄くなる。又、成長圧力を下げることにより、面方位依存性が大きくなることから、n型SiGe層9を形成するときには成長圧力を下げ、p型SiGeC層11を形成するときには成長圧力を上げることにより、真性ベースと外部ベース層26が直接接続され、つなぎ部分の抵抗を下げることができる(図9の(a))。尚、上記成長条件は、成長温度、ガス流量、圧力等を選択成長可能な範囲ならば変更可能である。例えば、高濃度p型単結晶SiGeC層9の成長では、C組成比が増加するほど選択性が悪化しやすくなることから、n型単結晶SiGe層7、及びn型単結晶Si層11の場合よりも、成長温度の上昇、ガス流量の減少、成長圧力の低下等を行えば良い。
以上のように、多層膜を形成した後、開口部の側壁に、エミッタ・ベース分離絶縁膜27と28を順次形成する(図9の(b))。次いで、エミッタ引き出し層となる高濃度のPを含んだp型多結晶Si層14を堆積し、更に熱処理を施すことによって、Pを上記n型単結晶Si層11中に拡散し、エミッタ15を形成する。ここで、不純物濃度は、エミッタ抵抗があまり高くならないようにするため、約1×1020cm-3以上が好適である。この後、開口部とその周辺部を除いて、上記p型多結晶Si層14を除去する。以上により、本実施形態におけるSiGeCを用いたHBTの真性領域が完成する(図9の(c))。
本実施例によれば、真性ベースである高濃度p型単結晶SiGeC層9とベース引き出し層である高濃度p型多結晶Si層23とが、高濃度p型多結晶SiGeC層からなる外部ベース層26を介して自己整合的に接合している。これにより、実施例1の場合と比べ、寄生抵抗及び寄生容量が低減することから、このHBTを用いた回路の高速動作が可能となる。
<実施例3>
図10は本願発明に係るHBTの第3の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。実施例1との違いは、コレクタのn型単結晶SiGe層7とベースの高濃度p型単結晶SiGeC層9の間にコレクタの一部となるn型単結晶SiGeC層29を設けたことである。この時、コレクタのn型単結晶SiGeC層29とベースのp型単結晶SiGeC層9の界面において、n型単結晶SiGeC層29側のバンドギャップを小さくし、コレクタのn型単結晶SiGeC層29とn型単結晶SiGe層7の界面において、n型単結晶SiGe層7側のバンドギャップを小さくすればよい。
本実施例により、ベース層よりもコレクタのn型単結晶SiGeC層29、更にn型単結晶SiGe層7のバンドギャップが小さくなることから、高注入状態でのコレクタ・ベースにおける伝導帯にエネルギーの段差が形成され、この段差によってキャリアが加速されることから、高注入状態でHBTの高速動作が実現できる。又、ベース層だけでなくコレクタ側にもCを添加することにより、更にBの熱拡散を抑制してベースの厚さを薄くすることができる。更に、コレクタのn型単結晶SiGeC層29において、Geによる歪みをC添加により打ち消すことが可能となるため、高温の熱処理を行った後でも、歪みの緩和による結晶欠陥の発生を低減することができ、HBTの歩留まりを向上することができる。
<実施例4>
図11は本願発明に係るHBTの第4の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。図11において参照符号3はコレクタの一部となるn型単結晶Si層を示し、この上に順にコレクタの一部となるn型単結晶SiGeC層29、ベースとなる高濃度p型単結晶SiGe層30、及びエミッタとなるn型単結晶Si層15を形成している。
単結晶Si層もしくは単結晶SiGe層にCを添加することによりBの熱拡散は抑制できるが、単結晶Si層もしくは単結晶SiGe層中でのCの固溶度が小さいために、C組成比が大きくなったり、エピタキシャル成長温度が高くなると、Cを含んだ単結晶層の結晶性が悪化する。又、高濃度のBドーピングと同時にCを添加する事により、BとCの結合に起因した欠陥が生じる。本実施例では、ベース層にはCを添加せずにコレクタ側だけにCを添加することにより、p型単結晶SiGe層からコレクタ側へのBの拡散を抑制した上で、HBTのリーク電流の発生を抑制することができる。
<実施例5>
図12は本願発明に係るHBTの第5の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。実施例4との違いは、コレクタのn型単結晶Si層3とn型単結晶SiGeC層29の間にコレクタの一部となるn型単結晶SiGe層7を設けたことである。この時、コレクタのn型単結晶SiGeC層29とn型単結晶SiGe層7の界面において、n型単結晶SiGe層側のバンドギャップを小さくすればよい。
本実施例により、高注入状態でのコレクタ・ベースにおける伝導帯にエネルギーの段差が形成され、この段差によってキャリアが加速されることから、HBTの高速動作が実現できる。又、SiGeC層と比較してSiGe層の成長速度が速いため、コレクタに同程度の厚さの単結晶SiGeC層を用いた時と比べて成長時間が短縮できるため、トランジスタの製造を行う際のスループットを向上することが可能となる。
<実施例6>
図13は本願発明に係るHBTの第6の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。実施例1との違いは、ベースのp型単結晶SiGeC層9とエミッタのn型単結晶Si層15の間にエミッタの一部となるn型単結晶SiGe層31を設けたことである。この時、エミッタのn型単結晶SiGe層31とベースのp型単結晶SiGeC層9の界面において、p型単結晶SiGeC層9側のバンドギャップを小さくするように、ベース中のC組成比に応じたGe組成比の段差を設ければよい。エミッタ側から導入されたPは、n型単結晶SiGe層31において、拡散が抑制される。これにより、エミッタ・ベース接合の空乏層が拡大するとキャリアの走行時間が増大し、トランジスタの高速動作性能が低下する。従って、n型単結晶SiGe層31の膜厚は10nm以下が好適である。
図14に、本実施例のHBTにおけるGeおよびC組成比分布を示す。ベース中の不純物であるBは、Cの添加と同様にGeの組成比が大きいほど拡散が抑制される。従って、本実施例により、ベース幅が小さいHBTの作製が可能となるため、実施例1の効果に加えて更に高速動作性能を向上することができる。又、図14に示すように、Ge組成比をエミッタ側からベースに向かって増加させることにより、エミッタのn型単結晶Si層15とn型単結晶SiGe層31の界面で歪みの量を小さくすることが可能となり、歪みの緩和に伴う欠陥の発生によるHBTの歩留まり低下を防ぐことができる。
尚、この例はベースがp型単結晶SiGe層からなる場合にも適用でき、バンドギャップに関しても、ベースのバンドギャップに対応してGe組成比を設定すれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例7>
図15は本願発明のHBTの第7の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。実施例1との違いは、ベースのp型単結晶SiGeC層9とエミッタのn型単結晶Si層15の間にエミッタの一部となるn型単結晶SiC層32を設けたことである。この時、エミッタのn型単結晶SiC層32とベースのp型単結晶SiGeC層9の界面において、p型単結晶SiGeC層9側のバンドギャップを小さくするように、例えばベース中のGe組成比に応じたC組成比の段差を設けても良い。本実施例により、p型単結晶SiGeC層9のみならず、エミッタにおけるCによってベースからエミッタへのBの拡散が抑制されるため、実施例1の効果に加えて、更なる高速動作性能の向上が可能となる。又、エミッタのバンドギャップを単結晶Si層よりも大きくすることが可能となるため、実施例1よりも更にHBTの電流増幅率を増大させることが可能となる。
図16に本実施例のHBTにおけるGeおよびC組成比分布を示す。図16に示すように、p型単結晶SiGeC層9のGe組成比が30%で、n型単結晶SiC層15とp型単結晶SiGeC層9のC組成比が0.8%であれば、バンドギャップはp型単結晶SiGeC層の方が小さくなることから、n型単結晶SiC層32とp型単結晶SiGeC層9の界面において、C組成比の段差を設ける必要はない。
尚、本実施例はベースがp型単結晶SiGe層30からなる場合にも適用でき、バンドギャップに関しても、ベースのバンドギャップに対応してC組成比を設定すれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例8>
図17は本願発明のHBTの第8の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。実施例1との違いは、ベースのp型単結晶SiGeC層9とエミッタのn型単結晶Si層15の間にエミッタの一部となるn型単結晶SiGeC層33を設けたことである。この時、エミッタのn型単結晶SiGeC層33とベースのp型単結晶SiGeC層9の界面において、p型単結晶SiGeC層9側のバンドギャップを小さくするようなGe組成比およびC組成比とすればよい。
本実施例により、GeとCの双方によりベースからエミッタへのBの拡散が抑制されるため、実施例1の効果に加えて、更なる高速動作性能の向上が可能となる。
尚、本実施例はベースがp型単結晶SiGe層30からなる場合にも適用でき、バンドギャップに関しても、ベースのバンドギャップに対応してGe組成比およびC組成比を設定すれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例9>
図18は本願発明のHBTの第6の実施例を示すHBTの真性部分の断面図である。実施例1との違いは、ベースのp型単結晶SiGeC層9とエミッタのn型単結晶Si層15の間にエミッタの一部となるn型単結晶SiGeC層33とn型単結晶SiC層32を設けたことである。この時、エミッタのn型単結晶SiGeC層33とベースのp型単結晶SiGeC層9の界面において、p型単結晶SiGeC層9側のバンドギャップを小さくするようなGe組成比およびC組成比とし、エミッタのn型単結晶SiC層32のベース側のバンドギャップがベースのp型単結晶SiGeC層9のエミッタ側のバンドギャップよりも大きくなるGe組成比およびC組成比とすればよい。更にGe組成比およびC組成比を変化させることにより、ヘテロ界面において転位や欠陥が発生しにくくなる。従って、これらを介したリーク電流や不純物の拡散が抑制されることから、HBTの歩留まり向上、及び特性のバラつき低減が実現される。
本実施例により、GeとCの双方によりベースからエミッタへのBの拡散が抑制されるため、実施例1の効果に加えて、更なる高速動作性能の向上が可能となる。又、エミッタのバンドギャップを単結晶Si層よりも大きくすることが可能となるため、実施例1よりも更にHBTの電流増幅率を増大させることが可能となる。
尚、本実施例はベースがp型単結晶SiGe層30からなる場合にも適用でき、バンドギャップに関しても、ベースのバンドギャップに対応してGe組成比およびC組成比を設定すれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例10>
図19は本願発明に係るHBTの第10の実施例を示すHBTのGeおよびC組成比分布である。実施例1との違いは、ベースおよびコレクタの少なくとも一部において、Ge組成比がエミッタ側からコレクタ側に向かって増加することである。
本実施例によれば、伝導帯の傾斜に起因したドリフト電界によって、ベースもしくはコレクタ中で電子がより一層加速されることから、実施例1の場合と比べ、HBTの動作速度を向上させることができる。又、エミッタを単結晶Si層15で形成している場合、単結晶Si層15とベースの単結晶SiGeC層9もしくは単結晶SiGe層30との界面において格子歪に起因した転位や欠陥の発生を抑制できる。従って、これらを介したリーク電流の発生やドーパントの拡散を低減できる。これにより、HBTの歩留まり向上、及び特性のバラつき低減が達成できる。更に、本実施例は、実施例1の場合と比べ、半導体層に内包される歪みが小さい。これにより、熱処理に伴う転位や欠陥の発生は抑制されることから、HBTの歩留まりが向上し、特性のバラつき低減が達成可能である。
<実施例11>
図20は本願発明のHBTの第11の実施例を示すHBTのGeおよびC組成比分布である。実施例1との違いは、コレクタのn型単結晶SiGe層の少なくとも一部において、Ge組成比がエミッタ側からコレクタ側に向かって減少することである。
本実施例により、コレクタの単結晶Si層3と単結晶SiGe層7の界面での格子定数の違いを抑えることが可能となるため、界面において、格子歪の変化が小さくなっている。このため、歪に起因した転位や欠陥の発生を減らすことができるため、これらを介したリーク電流の発生やドーパントの拡散を低減できる。従って、HBTの歩留まり向上、及び特性のバラつき低減が達成可能である。又、本実施例において、n型単結晶Si層3とn型単結晶SiGe層7のヘテロ界面において、Ge組成比を0%で連続的に接続させることにより、伝導帯にはノッチが形成されない。従って、高コレクタ電流のとき、ノッチにおいて電子の走行が阻害されることによって、HBTの動作速度が悪化しないようにすることができる。
尚、本実施例は、コレクタがn型単結晶SiGeC層29からなる場合にも適用でき、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例12>
図21は本願発明のHBTの第12の実施例を示すHBTのGeおよびC組成比分布である。実施例7との違いは、エミッタのn型単結晶SiC層32の少なくとも一部において、C組成比がエミッタ側からコレクタ側に向かって増加することである。
本実施例により、エミッタの単結晶Si層15とn型単結晶SiC層32の界面でが格子歪の変化が小さくなっている。このため、歪に起因した転位や欠陥の発生を減らすことができるため、これらを介したリーク電流の発生やドーパントの拡散を低減できる。従って、HBTの歩留まり向上、及び特性のバラつき低減が達成可能である。尚、本実施例はエミッタがn型単結晶SiGeC層からなる場合にも適用でき、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例13>
図22は本願発明に係るHBTの第13の実施例を示すHBTのGeおよびC組成比分布である。実施例7との違いは、ベースのp型単結晶SiGeC層9の少なくとも一部において、C組成比がエミッタ側からコレクタ側に向かって減少することである。
本実施例によれば、p型単結晶SiGeC層9において、伝導体には傾斜が付けられていることから、ドリフト電界により電子が加速され、実施例1の場合と比べ、トランジスタの動作速度を向上できる。更に、本実施例では、実施例3よりもn型単結晶SiGeC層29のC組成比が小さいことから、結晶性向上のため、成長温度を低下させなくても良い。従って、n型単結晶SiGeC層29の成長時間が大幅に減少するため、SiGeCHBTを製造する際のスループットを向上できる。尚、本実施例はコレクタのn型単結晶SiGe層を設けた場合にも適用でき、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<実施例14>
図23は本願発明のHBTの第14の実施例を示すHBTのGeおよびC組成比分布である。実施例1との違いは、エミッタ、ベース、コレクタの少なくとも一部において、Ge組成比がC組成比と5から20までの比率を保ちながら変化することである。この比率の範囲では、単結晶Si層上に成長した単結晶SiGeC層の格子定数がSiに近い。これにより、n型単結晶Si層3とn型単結晶SiGeC層29の間に挟まれたn型単結晶SiGe層7の歪みが低減されることから、エミッタを形成するときの熱処理において、n型単結晶Si層3とn型単結晶SiGe層7のヘテロ界面において、転位や欠陥が発生しにくくなり、これらを介したリーク電流や不純物の拡散が抑制されることから、HBTの歩留まり向上、及び信頼性向上が実現可能である。又、本実施例によれば、単結晶SiGeC層の表面ラフネスは0.20nm以下となり、同じGe組成比を有する単結晶SiGe層の表面ラフネスとほぼ同等になる。これにより、実施例2の場合と比べ、高濃度p型単結晶SiGeC層9と外部ベース層26の界面に発生する隙間が小さくなり、接触面積が増加する。これにより、ベース抵抗が減少することから、HBTのより一層の高速動作が実現できる。
又、本実施例では、ラフネスが0.20nm以下であることにより、n型単結晶SiGeC層29、及びp型単結晶SiGeC層9の膜厚が均一となる。これにより、HBTの特性のバラつきが減少し、歩留まりが向上する。尚、本実施例はエミッタ、ベース、コレクタの少なくとも一部に単結晶SiGeC層を含んでいるHBTには全て適用でき、同様の効果が得られることは言うまでもない。
<本願発明の一般的特徴のまとめ>
本願発明によれば、コレクタのn型単結晶Si層とベースのp型単結晶SiGeC層の間に、コレクタの単結晶SiGe層を設ける場合、単結晶SiGe層とp型単結晶SiGeC層のヘテロ界面において、単結晶SiGe層のバンドギャップがp型単結晶SiGeC層以下とすることにより、コレクタ電流が増加した場合でも、ベースから近い位置にエネルギー障壁が形成されないため、電子の走行が阻害されない。これにより、高コレクタ電流時であっても、低コレクタ電流時と同様のHBTの高い動作速度を維持することができる。又、コレクタに単結晶SiGe層を設けることにより、同程度の膜厚を有するSiGeC層を設ける場合と比べ、真性部分の形成時間が短縮することから、HBTの製造コストを削減できる。更に、HBTの真性部分を選択エピタキシャル成長を用いて形成するとき、絶縁膜上に多結晶半導体層が形成されにくくなる。この結果、ベース、エミッタ等でのショートの発生が少なくなり、HBTの信頼性が向上する。真性部分に設けた単結晶SiGeC層のGeとCの比率を5から20までの間とし、GeとCの組成比を連動させることにより、単結晶SiGeC層の表面ラフネスが小さくなることから、真性ベースのp型単結晶SiGeC層と外部ベース層の接触面積が増加し、ベース抵抗が下がる。これにより、HBTの動作速度を高めることができる。
以下に本願発明の主な実施の諸形態を列挙する。
(1)第1導電型単結晶Si層上に設けられた第1導電型単結晶SiGe層からなるコレクタと、前記第1導電型単結晶SiGeC上に設けられた前記第1導電型と反対導電型の第2導電型単結晶SiGeC層からなるベースと、前記第2導電型単結晶SiGeC層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層からなるエミッタを有するヘテロ接合バイポーラトランジスタであって、前記第1導電型単結晶SiGe層の第2導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップが前記第2導電型単結晶SiGeC層の第1導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さい事を特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(2)前記第1導電型単結晶SiGe層と第2導電型単結晶SiGeC層の間に更にコレクタの一部となる第1導電型単結晶SiGeC層を有し、前記第1導電型単結晶SiGeC層の第1導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップが前記第1導電型単結晶SiGe層の第1導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きく、且つ、前記第1導電型単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップが前記第2導電型単結晶SiGeC層の第1導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さいことを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(3)第1導電型単結晶Si層上に設けられた第1導電型単結晶SiGeC層からなるコレクタと、前記第1導電型単結晶SiGeC上に設けられた前記第1導電型と反対導電型の第2導電型単結晶SiGe層からなるベースと、前記第2導電型単結晶SiGe層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層からなるエミッタを有するヘテロ接合バイポーラトランジスタであって、前記第1導電型単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップが前記第2導電型単結晶SiGe層の第1導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さい事を特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(4)前記第1導電型単結晶Si層と第1導電型単結晶SiGeC層の間に更にコレクタの一部となる第1導電型単結晶SiGe層を有し、前記第1導電型単結晶SiGe層の第1導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップが前記第1導電型単結晶SiGeC層の第1導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップと略等しいかもしくは小さいことを特徴とする前項(3)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(5)前記第2導電型単結晶層と第2の第1導電型単結晶Si層の間に更にエミッタの一部となる第2の第1導電型単結晶SiGe層を有することを特徴とする前項(1)より(4)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(6)前記第2の第1導電型単結晶SiGe層の第2導電型単結晶層側のバンドギャップが前記第2導電型単結晶層の第2の第1導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きいことを特徴とする前記(5)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(7)前記第2導電型単結晶層と第2の第1導電型単結晶Si層の間に更にエミッタの一部となる第1導電型単結晶SiC層を有することを特徴とする前項(1)より(4)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(8)前記第1導電型単結晶SiC層の第2導電型単結晶層側のバンドギャップが前記第2導電型単結晶層の第1導電型単結晶SiC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きいことを特徴とする前記(7)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(9)前記第2導電型単結晶層と第2の第1導電型単結晶Si層の間に更にエミッタの一部となる第2の第1導電型単結晶SiGeC層を有することを特徴とする前項(1)より(4)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(10)前記第2の第1導電型単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶層側のバンドギャップが前記第2導電型単結晶層の第2の第1導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きいことを特徴とする前項(9)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(11)前記第2導電型単結晶層と第2の第1導電型単結晶Si層の間において、前記第2導電型単結晶層上に設けられたエミッタの一部となる第2の第1導電型単結晶SiGeC層と、前記第1導電型単結晶SiGeC層上に設けられたエミッタの一部となる第1導電型単結晶SiC層を有することを特徴とする前項(1)より(4)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(12)前記第2の第1導電型単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶層側のバンドギャップが第2導電型単結晶層の第2の第1導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きいことを特徴とする前項(11)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(13)前記第1導電型単結晶SiC層の第2導電型単結晶層側のバンドギャップが第2導電型単結晶層の第1導電型単結晶SiC層側のバンドギャップと略等しいかもしくは大きいことを特徴とする前項(11)又は(12)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(14)ベースとコレクタの少なくとも一部で、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が増加する領域を有することを特徴とする前項(1)より(13)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(15)前記第2の第1導電型単結晶SiGe層中の少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が増加する領域を有することを特徴とする前項(5)又は(6)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(16)前記第2の第1導電型単結晶SiGeC層中の少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が増加する領域を有することを特徴とする前項(9)より(13)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(17)コレクタの少なくとも一部において、エミッタ側からコレクタ側に向かってGe組成比が減少する領域を有することを特徴とする前項(1)より(16)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(18)エミッタの少なくとも一部に、エミッタ側からコレクタ側に向かってC組成比が増加する領域を有することを特徴とする前項(5)より(17)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(19)ベースとコレクタの少なくとも一部に、エミッタ側からコレクタ側に向かってC組成比が減少する領域を有することを特徴とする前項(2)より(18)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(20)GeとCを共に含む単結晶層におけるGe組成のC組成に対する比が5以上20以下であることを特徴とする前項(1)より(2)及び(5)より(19)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(21)単結晶基板上に設けられた開口部を有する絶縁膜と、前記絶縁膜の開口部内に設けられたコレクタとなる第1導電型単結晶SiGe層と、前記第1導電型単結晶SiGe層上に設けられた第2導電型単結晶SiGeC層と、前記第2導電型単結晶SiGeC層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層を有することを特徴とする前項(1)より(2)及び(5)より(20)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(22)単結晶基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を設ける工程と、前記開口部内のみにコレクタとなる第1導電型単結晶SiGe層を選択エピタキシャル成長により形成する工程と、前記開口部内のみに前記第1導電型単結晶SiGe層上に第2導電型単結晶SiGeC層を選択エピタキシャル成長により形成することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
(23)単結晶基板上に設けられた開口部を有する絶縁膜と、前記絶縁膜の開口部内に設けられたコレクタとなる第1導電型単結晶SiGeC層と、前記第1導電型単結晶SiGeC層上に設けられた第2導電型単結晶SiGe層と、前記第2導電型単結晶SiGe層上に設けられた第2の第1導電型単結晶Si層を有することを特徴とする前項(3)より(20)に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
(24)単結晶基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を設ける工程と、前記開口部内のみにコレクタとなる第1導電型単結晶SiGeC層を選択エピタキシャル成長により形成する工程と、前記開口部内のみに前記第1導電型単結晶SiGeC層上に第2導電型単結晶SiGe層を選択エピタキシャル成長により形成することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
以上詳細に説明したように、本願発明によれば、コレクタのn型単結晶Si層とベースのp型単結晶SiGeC層との間に、コレクタの単結晶SiGe層を設ける場合、単結晶SiGe層とp型単結晶SiGeC層のヘテロ界面において、単結晶SiGe層のバンドギャップがp型単結晶SiGeC層以下とすることにより、コレクタ電流が増加した場合でも、ベースから近い位置にエネルギー障壁が形成されないため、電子の走行が阻害されない。これにより、高コレクタ電流時であっても、低コレクタ電流時と同様のHBTの高い動作速度を維持することができる。
又、コレクタに単結晶SiGe層を設けることにより、同程度の膜厚を有するSiGeC層を設ける場合と比べ、真性部分の形成時間が短縮することから、HBTの製造コストを削減できる。
更に、HBTの真性部分を選択エピタキシャル成長を用いて形成するとき、絶縁膜上に多結晶半導体層が形成されにくくなる。この結果、ベース、エミッタ等でのショートの発生が少なくなり、HBTの信頼性が向上する。真性部分に設けた単結晶SiGeC層のGeとCの比率を5から20までの間とし、GeとCの組成比を連動させることにより、単結晶SiGeC層の表面ラフネスが小さくなることから、真性ベースのp型単結晶SiGeC層と外部ベース層の接触面積が増加し、ベース抵抗が下がる。これにより、HBTの動作速度を高めることができる。
図1は、本願発明の第1の実施形態の真性領域の断面図である。 図2は、図1に示した真性部分を有するHBTの縦断面構造図である。 図3は、図2に示した本願発明のHBTの製造方法を工程順に示したHBTの部分断面図である。 図4は、図1に示した半導体多層膜が形成された直後のGe、C組成比および不純物濃度プロファイルを示す図である。 図5は、図4で示したGeおよびC組成比分布と不純物分布をもつ半導体多層膜に、エミッタ形成のためのアニールを行い、HBTの真性部分を形成したときのGeおよびC組成比分布と不純物分布を示す図である。 図6は、HBTが通常の動作状態であるときと、コレクタ電流が大きくなり、中性ベースがコレクタ側に延びたときのエネルギーバンド構造を示す図である。 図7は、選択エピタキシャル成長を用いてHBTの真性部分を形成する、本願発明の第2の実施形態の断面図である。 図8は、図7に示した本願発明のHBTの製造方法を工程順に示したHBTの部分断面図である。 図9は、以降の製造方法を工程順に示したHBTの部分断面図である。 図10は、本願発明の第3の実施形態のHBTの真性領域の断面図である。 図11は、本願発明の第4の実施の形態の真性領域の断面図である。 図12は、本願発明の第5の実施形態の真性領域の断面図である。 図13は、本願発明の第6の実施形態の真性領域の断面図である。 図14は、本願発明のHBTの第6の実施形態でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図15は、本願発明の第7の実施形態の真性領域の断面図である。 図16は、本願発明の第8の実施形態の真性領域の断面図である。 図17は、本願発明のHBTの第8の実施形態でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図18は、本願発明の第9の実施形態の真性領域の断面図である。 図19は、本願発明のHBTの第10の実施例でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図20は、本願発明のHBTの第11の実施例でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図21は、本願発明のHBTの第12の実施例でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図22は、本願発明のHBTの第13の実施例でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図23は、本願発明のHBTの第14の実施例でのGe及びC組成比プロファイルを示す図である。 図24は、従来例のHBTの真性部分における断面図である。 図25は、従来例のHBTのGe、C組成比及び不純物濃度のプロファイルを示す図である。 図26は、図25に示した不純物濃度のプロファイルを有する従来例のHBTのエネルギーバンド構造を示した図である。 図27は、従来例のHBTの真性部分における断面図である。
符号の説明
1…Si基板、2…高濃度n型単結晶Si層、3…コレクタn型単結晶Si層、4、21、22…コレクタ・ベース分離絶縁膜、5、20…絶縁膜、6…コレクタ引き出し層(高濃度n型単結晶Si層)、7…コレクタn型単結晶SiGe層、8…n型多結晶SiGe層、9…ベース・高濃度p型単結晶SiGeC層、10…高濃度p型多結晶SiGeC層、11…エミッタn型単結晶Si層、12…n型多結晶SiGe層、13、24、27、28…エミッタ・ベース分離絶縁膜、14…エミッタ引き出し層(高濃度n型多結晶Si層)、15…エミッタ、16…層間絶縁膜、17…エミッタ電極、18…ベース電極、19…コレクタ電極、23…ベース引き出し層(高濃度p型多結晶Si層)、25…コレクタ・高濃度n型単結晶Si層、26…外部ベース層(高濃度p型多結晶SiGeC層、SiGe層)、29…コレクタn型単結晶SiGeC層、30…ベースp型単結晶SiGe層、31…エミッタn型単結晶SiGe層、32…エミッタn型単結晶SiC層、33…エミッタn型単結晶SiGeC層。

Claims (4)

  1. 第1導電型の単結晶Si層上に設けられた第1導電型の単結晶SiGe層からなるコレクタと、前記第1導電型の単結晶SiGe層上に設けられた前記第1導電型と反対導電型の第2導電型の単結晶SiGeC層からなるベースと、前記第2導電型の単結晶SiGeC層上に設けられた第1導電型のエミッタとを有し、且つ、前記単結晶SiGeC層を構成するCの成分が前記ベースと前記コレクタとのヘテロ界面近傍で前記ベース側から前記コレクタ側に向かって減少していることによって前記第1導電型の単結晶SiGe層の前記第2導電型の単結晶SiGeC層側のバンドギャップが前記第2導電型の単結晶SiGeC層の第1導電型の単結晶SiGe層側のバンドギャップと等しいかもしくは小さく、
    前記第1導電型の単結晶SiGe層と前記第2導電型の単結晶SiGeC層との間に、コレクタの一部となる第1導電型の単結晶SiGeC層を有し、前記第1導電型の単結晶SiGeC層の第1導電型の単結晶SiGe層側のバンドギャップが、前記第1導電型の単結晶SiGe層の第1導電型の単結晶SiGeC層側のバンドギャップと等しいかもしくは大きく、且つ、前記第1導電型の単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶SiGeC層側のバンドギャップが、前記第2導電型の単結晶SiGeC層の第1導電型の単結晶SiGeC層側のバンドギャップと等しいか、もしくは小さいことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  2. 第1導電型の単結晶Si層上に設けられた第1導電型の単結晶SiGeC層からなるコレクタと、前記第1導電型の単結晶SiGeC層上に設けられた前記第1導電型と反対導電型の第2導電型の単結晶SiGe層からなるベースと、前記第2導電型の単結晶SiGe層上に設けられた第1導電型のエミッタとを有し、且つ、前記単結晶SiGeC層を構成するCの成分が前記ベースと前記コレクタとのヘテロ界面近傍で前記コレクタ側から前記ベース側に向かって減少していることによって前記第1導電型の単結晶SiGeC層の第2導電型単結晶SiGe層側のバンドギャップが、前記第2導電型の単結晶SiGe層の第1導電型の単結晶SiGeC層側のバンドギャップと等しいか、もしくは小さいを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  3. 請求項2において、
    前記第1導電型の単結晶Si層と第1導電型の単結晶SiGeC層の間にコレクタの一部となる第1導電型の単結晶SiGe層を有し、前記第1導電型の単結晶SiGe層の第導電型の単結晶SiGe層側のバンドギャップが、前記第導電型の単結晶SiGe層の第1導電型の単結晶SiGe層側のバンドギャップと等しいか、もしくは小さいことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  4. 請求項2又は3において、
    単結晶基板上に設けられた開口部を有する絶縁膜と、前記絶縁膜の開口部内に設けられたコレクタとなる第1導電型の単結晶SiGeC層と、前記第1導電型の単結晶SiGeC層上に設けられた第2導電型の単結晶SiGe層と、前記第2導電型の単結晶SiGe層上に設けられた第1導電型のエミッタを有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
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