JP4822985B2 - 建築物 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物に関する。
従来、建築物は、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの種々の構造が採用されて構築されている。木造住宅では、枠組壁工法や在来軸組工法などが多く採用されている。
その中でも枠組壁工法は、柱を使用せず、根太で組まれた床の枠組に構造用合板あるいはその他これに類するものを打ち付けて形成した床組に、枠材で組まれた壁の枠組に構造用合板あるいはその他これに類するものを打ち付けて形成した壁組を釘および接合金物で接合し、この壁組を、負荷荷重を基礎に伝達する耐力壁として建て回し、箱状に建築物を構築する工法である。この枠組壁工法によれば、床組および壁組は、高価な材料を使用することなく規格品として大量に工場生産できるので、安価でかつ製品精度が高く、また、現場施工性に優れているといった利点が得られる。
その他には、新たな住宅建築物として、長期間の構造的耐久性を有しつつ、居住空間の可変性を有した、いわゆるスケルトン・インフィル住宅が、近年、注目されて、開発されている(例えば、特許文献1参照)。
スケルトンとは、住宅の柱や梁や床等の構造躯体部分を意味し、インフィルとは、スケルトンの内側の住宅間取り全体を含む内装・設備等を意味する。スケルトン・インフィル住宅は、スケルトンとインフィルとを構造的に分離した構成とし、スケルトンを高強度に構築して、長期間の耐久性を有するようにするとともに、間取りや内装・設備等を、可変性を有するように構成したものである。したがって、スケルトン・インフィル住宅は、長年に亘って居住することができ、かつ居住者のライフスタイルや家族構成の変化に応じて、あるいは居住者の多様なニーズに合わせて、比較的容易に改装することが可能である。
特開2002−174042号公報
しかし、前記した枠組壁工法や在来軸組工法を含む古くからの従来の構造では、床組は、柱あるいは耐力壁に構造的に固定されており、柱や梁、あるいは壁組等の耐力壁で、屋根や床等の上部構造の荷重や積載荷重を支持するように構成されている。そのため、柱や梁あるいは耐力壁には、多大な荷重がかかるため、必要な耐震性能を得るために部材寸法を一定以上にしなければならず、建築物は、重量が大きくコストの高いものとなっている。また、スケルトン・インフィル住宅においても、スケルトンには床も含まれており、積載荷重も柱や耐力壁等の構造体で支持することとなる上に、スケルトンは高強度に構築されるために、建築物は、全体として重量が大きくコストの高いものとなっている。
さらに、従来の建築物では、部屋の配置プランを変更するような改装は、間仕切りを変更する必要があるので、施工が非常に大変である。特に、間仕切壁を耐力壁で構成している場合には、その壁を移動させることができず、改装に大きな制限を受けてしまう。この点は、スケルトン・インフィル住宅においては、比較的改装を行いやすいように構成されているが、それでも、間仕切壁を移動させる改装には、内装工事や電気や水道の配線工事を行う必要があるので、非常に多くの手間を要していた。
一方、近年の住宅等の建築物においては、居住者の要求が多様化してきており、吹き抜け等の上下の階層に跨るダイナミックな空間が要求されることが多くなってきているが、吹き抜けを構築する場合には、構造計算を個別に行わなければならず、また、多くの施工手間を要していた。また、スケルトン・インフィル住宅においては、スケルトンに床が含まれており、単層階ごとに、インフィルを構築するのが一般的であるので、吹き抜け等の空間を形成することは困難であった。
そこで、本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、軽量かつ低コストで構築でき、上下の階層に跨るダイナミックな空間を容易に形成できるとともに、間仕切壁を移動させる大掛かりな改装を容易に行うことが可能な建築物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、複数階分の高さの外壁および屋根を備えた建築物の外部構造体を地盤上に構築し、居室を構成する内部ユニット体と階段を構成する内部ユニット体を含む複数の内部ユニット体のうち最下階の前記内部ユニット体を、前記地盤上に形成され前記外部構造体の内部の最下階に位置する床面上に前記外部構造体と構造的に分離して固定し、前記複数の内部ユニット体のうち上階の前記内部ユニット体を、その下階の前記内部ユニット体上に前記外部構造体と構造的に分離して固定するとともに、前記床面上に、前記内部ユニット体を非配置の部分を形成することを特徴とする建築物である。
前記構成によれば、外部構造体を内部ユニット体と構造的に分離して構築しているので、外部構造体にかかる荷重を低減することができ、さらに、それによって地震時に外部構造体にかかる水平力も低減できる。したがって、外部構造体の構成部材を低減でき、外部構造体および建築物全体の軽量化および低コスト化が達成できる。また、外部構造体内部で内部ユニット体を設けない部分は、吹き抜け空間となるので、上下の階層に跨るダイナミックな空間を容易に形成できる。さらに、居室を、間仕切壁や天井を一体的に形成した内部ユニット体で構成しているので、従来のように間仕切壁を構築し直す必要はなく、内部ユニット体を移動させるといった容易な施工によって、配置プランを変更する大掛かりな改装を行うことができる。また、内部ユニット体の荷重は床面を介して地盤面に逃がすことができるので、外部構造体に床荷重と間仕切壁の荷重は全くかからない。したがって、外部構造体の負担荷重(自重の鉛直荷重や地震時水平力)を大幅に低減することができる。
請求項2に係る発明は、前記外部構造体が、基礎梁と、この基礎梁上に立設された複数の柱と、隣り合う前記柱間に架け渡された上部梁とを剛接合して構成された一体フレームを備えたことを特徴とする請求項1に記載の建築物である。
前記構成によれば、外部構造体は、一体フレームを有しているので、効率的に剛性を高めることができ、さらなる軽量化および低コスト化を達成することができる。また、基礎梁は地盤に固定されるので、地盤の剛性を利用して外部構造体の剛性を高めることができる。
請求項3に係る発明は、前記基礎梁と前記上部梁とは、互いにねじれの位置関係になるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の建築物である。
前記構成によれば、柱と基礎梁とで構成されるラーメン構造と、柱と上部梁とで構成されるラーメン構造とが、互いに交差するように配置されるので、種々の方向にかかる水平力に効率的に対抗することができる。
請求項に係る発明は、前記内部ユニット体が、免震装置を介して前記外部構造体の内部に位置する床面に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の建築物である。
前記構成によれば、内部ユニット体上で免震効果を得ることができる。
請求項に係る発明は、前記内部ユニット体が、前記外部構造体との間に所定寸法以上のクリアランスを開けて配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の建築物である。
前記構成によれば、地震時に外部構造体に水平力がかかって揺れが生じても、内部ユニット体と干渉することはなく、各部位の損傷を防止できる。
請求項に係る発明は、前記一体フレームが、前記内部ユニット体の見付け面積よりも大きい開口部を備えて構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項のいずれか一項に記載の建築物である。
前記構成によれば、内部ユニット体を、外部構造体の内部に容易に搬入することができる。さらに、内部ユニット体は、分解することなく、完成状態で外部構造体の内部に搬入できるので、現場での施工手間を大幅に低減することができる。
本発明によれば、軽量かつ低コストで構築でき、上下の階層に跨るダイナミックな空間を容易に形成できるとともに、間仕切壁を移動させる大掛かりな改装を容易に行うことが可能な建築物を提供することができるといった優れた効果を発揮する。
[第一実施形態]
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明に係る建築物を実施するための最良の第一の形態を示した斜視図、図2は本発明に係る建築物を実施するための最良の第一の形態を示した分解斜視図、図3は本発明に係る建築物の一体フレームを示した斜視図、図4は本発明に係る建築物を示した外観斜視図である。
まず、本発明に係る建築物の構成について説明する。図1および図2に示すように、本実施の形態に係る建築物1は、二階あるいは三階程度(本実施の形態では二階)の比較的低層の建築物に適用されるものである。建築物1は、外壁11、屋根12(図4参照)などの外部構造体10を構築し、その外部構造体10の内部に、居室31や階段32などの内部ユニット体30を、外部構造体10と構造的に分離して収容したことを特徴とする。
外部構造体10は、複数階分(本実施の形態では二階分)の高さを有している。外部構造体10は、外壁11および屋根12を備えており、本実施の形態では平面視略正方形の箱状に形成されている。
図3に示すように、外部構造体10は、地盤(図示せず)上あるいは内部に設置される基礎梁13と、この基礎梁13上に立設された複数の柱14と、隣り合う柱14間に架け渡された上部梁15とを剛接合して構成された一体フレーム16を備えて構成されている。基礎梁13、柱14および上部梁15は、例えば集成材などの木材にて構成されており、一体フレーム16の高さやスパンに応じて、断面寸法が適宜決定されている。
基礎梁13は、互いに平行に配置されている。基礎梁13の長手方向両端には、柱14がそれぞれ立設されている。柱14は、所定の仕口構造(図示せず)および接合金物(図示せず)によって基礎梁13に剛接合され固定されている。なお、柱14と基礎梁13との固定は、仕口構造のみによる接合、あるいは接合金物のみによる接合によって行ってもよい。なお、基礎梁13は、地盤上に配置されて固定されているが、これに限られるものではなく、地盤に形成された基礎上に配置して固定してもよい。
柱14の上端には、別々の基礎梁13上に立設され、且つ隣り合う柱14との間に上部梁15が架け渡されている。上部梁15は、基礎梁13とは互いにねじれの位置関係となるように配置されている。具体的には、建築物の四辺のうち、基礎梁13が配置された二辺と直交する二辺の上方に上部梁15が配置されている。上部梁15は、所定の仕口構造(図示せず)および接合金物(図示せず)によって柱14に剛接合され固定されている。なお、上部梁15と柱14との固定は、仕口構造のみによる接合、あるいは接合金物のみによる接合によって行ってもよい。以上のように、本実施の形態では、柱14は、建築物1の四隅に立設されており、1スパンの上部梁15にて、壁面の一辺が構成されている。
以上のような構成によって、柱14と基礎梁13とで構成されるラーメン構造と、柱14と上部梁15とで構成されるラーメン構造とが、互いに直角に交差するように配置されることとなる。これら基礎梁13、柱14および上部梁15から構成される一体フレーム16は、内部ユニット体30の見付け面積よりも大きい開口部17を備えて構成されている。ここで、内部ユニット体30の見付け面積とは、内部ユニット体30の側部から見える部分の投影面積をいう。本実施の形態では、開口部17は、少なくとも、種々の方向から見た見付け面積のうち最も小さい見付け面積を有しており、外部構造体10の一体フレーム16の構築後に、内部ユニット体30を外部構造体10の内部に搬送できるように構成されている。
図1および図2に示すように、内部ユニット体30は、居室31や階段32をブロック状に形成したものである。居室31を構成する内部ユニット体30は、床面30a、壁面30bおよび天井面30cを有しており、箱状に一体形成されている。壁面30bには必要な採光面積、換気面積あるいは求められる出入口などに応じて適宜開口部30dが形成されている。壁面30bや天井面30cには、電気などの各種配線用のスペース(図示せず)が形成されている。なお、電気などの配線は予め行っておき、接続ジョイント(図示せず)を外部に接続可能に設けておくようにしてもよい。内部ユニット体30は、二階分の高さを有する外部構造体10の内部で、一段または二段(外部構造体の高さがさらに高い場合にはさらに多段)に積み上げられて配置されている。二段に積み上げられる場合の下部に設けられる内部ユニット体30は、上部に載置される内部ユニット体30の自重および想定される積載荷重を支持できる剛性を有するように構成されている。内部ユニット体30には、上下あるいは左右に隣接する内部ユニット体30と連結するためのフランジ(図示せず)が設けられており、図示しないボルト・ナットなどの連結手段により、内部ユニット体30同士が連結される。
外部構造体10の内部の中央には、キッチンや浴室を有する水周り室33を構成する内部ユニット体30が設けられている。この内部ユニット体30は、本実施の形態では、上部に他の内部ユニット体が載置されずに、その天井面30cが、二階の通路34の床面34aとして利用されている。通路34の周囲には手摺34bが取り付けられている。手摺34bは、内部ユニット体30の搬送、固定後に、取り付けられる。水周り室33は基本的に一階部分に配置され、その下部には水道などの各種配管が配設されている。
階段32を構成する内部ユニット体30は、表面に階段部32aが形成された略三角柱状に形成されており、階段部32aの下部には、収納スペース(図示せず)などが形成されている。また、階段部32aあるいは側面には、手摺32bが取り付けられている。
これら内部ユニット体30は、外部構造体10の内部に位置する床面5に固定されており、外部構造体10とは、構造的に完全分離するように構成されている。一階部分に位置する内部ユニット体30は、公知の免震装置(図示せず)を介して床面5に固定されている。免震装置は、例えば、ベアリングとオイルダンパーを備えた構造となっており、その一方が地盤側に固定され、他方が床面5の裏側に固定されている。免震装置は、地震時の地盤(床面)の揺れを、免震層で吸収して、上部の床面5および内部ユニット体30に伝わる揺れを低減する。本実施の形態によれば、免震装置で支持する内部ユニット体30の荷重が比較的小さいので、免震装置の小型化が図れる。なお、二階部分に位置する内部ユニット体30は、下部の内部ユニット体30を介して床面5に固定されることとなる。
なお、床面5は、例えば、コンクリートスラブ(図示せず)などから構成されており、その上部に設けられた内部ユニット体30の荷重は、免震装置を介して地盤に伝達されることとなる。したがって、床面5に固定された内部ユニット体30の荷重が外部構造体10にかかることは全くない。また、内部ユニット体30の床面30aと床面5との段差は小さく、内部ユニット体30の入口部分に、スロープ状の部材を介設すれば、段差をなくすことも可能である。
内部ユニット体30は、外部構造体10との間に所定寸法以上のクリアランスを開けて配置されている。ここで所定寸法とは、外部構造体10の地震時の変位量と内部ユニット体30の地震時の移動量とをあわせた距離をいい、地震発生時に、外部構造体10と内部ユニット体30とが干渉しないように構成されている。外部構造体10と内部ユニット体30間のクリアランスが比較的小さい部分には、外部構造体10と内部ユニット体30との間には、エキスパンションジョイント4が介設されている。なお、外部構造体10と内部ユニット体30間に、緩衝材(図示せず)を設けるようにしてもよい。
外部構造体10の内部で、内部ユニット体30が配置されていない部分は、居間18として利用される。
なお、本実施の形態で説明した内部ユニット体30の形状や配置構成は、一例であって、これに限られるものではない。
次に、前記構成の建築物1の作用について説明する。かかる建築物1によれは、外部構造体10を内部ユニット体30と構造的に分離して構築しているので、外部構造体10にかかる荷重を低減することができる。特に、外部構造体10は、各階の床面を含んでいないので、外部構造体10が負担する荷重には、床の自重および積載荷重が含まれず、外壁11と屋根12の荷重を負担すればよい。これによって、床面も含む従来のスケルトン・インフィル住宅のスケルトンと比較すると、負担荷重が大幅に低減される。したがって、外部構造体10の構成部材を低減できるとともに、各部材のサイズダウンを図れるので、外部構造体10および建築物1全体の軽量化および低コスト化が達成できる。
また、外部構造体10にかかる荷重が小さいので、大面積の窓19などの開口部を容易に設けることができ、開放的な居室空間を提供することができる。さらに、外部構造体10は、複数の階層に亘って形成されているので、外部構造体10内部で内部ユニット体30を設けない部分は、自動的に吹き抜け空間となる。したがって、この部分にソファーやテーブルなどの家具6を配置すれば、上下の階層に跨るダイナミックな居間空間を容易に提供することができる。これによって、水平方向のみならず上下方向に広がりを有する立体的なプランを提案することができる。
さらに、居室31を、床面30a、壁面30bおよび天井面30cを一体的に形成した内部ユニット体30で構成しているので、配置プランを変更したり居室31を増設したりするような大掛かりな改装であっても、内部ユニット体30を移動させるか、あるいは他の内部ユニット体30を搬入して取り付ければよい。したがって、従来のように間仕切壁を構築し直す必要はなく、容易な施工によって改装を行うことができる。これによれば、居住者のライフスタイルや家族構成の変化に応じて、あるいは居住者の多様なニーズに合わせて、気軽に改装することが可能である。さらに、比較的サイズの小さい内部ユニット体30を住宅メーカーや建設会社が随時提供していけば、居住者は、家具を買い換える程度の手間で、改装が可能となる。
また、本発明によれば、内部ユニット体30を追加していくことも可能であるので、新築時には、外部構造体10と少ない内部ユニット体30で建築物1を構成することで、建築コストを抑えておき、その後、居住者のライフスタイルに応じて、必要なときに内部ユニット体30を増やしていく、といった全く新しい建築スタイルの提案をすることもできる。
一方、外部構造体10は、一体フレーム16を有しているので、効率的に剛性を高めることができ、さらなる軽量化および低コスト化を達成することができる。
そして、本実施の形態に係る一体フレーム16は、基礎梁13と上部梁15とは、互いにねじれの位置関係になるように配置されており、柱14と基礎梁13とで構成されるラーメン構造と、柱14と上部梁15とで構成されるラーメン構造とが、互いに直交するように配置されているので、種々の方向にかかる水平力は、x方向とy方向に分割されて、各ラーメン構造によって、効率的に水平力に対抗することができる。
また、内部ユニット体30は、外部構造体10の内部に位置する床面5に固定されているので、内部ユニット体30の荷重は床面5を介して地盤に逃がすことができる。したがって、外部構造体10に床荷重と間仕切壁の荷重は全くかからないこととなるので、外部構造体10の負担荷重(自重の鉛直荷重や地震時水平力)を大幅に低減することができる。したがって、外部構造体10の部材の断面を小さくすることができ、その軽量化および低コスト化を図ることができる。
さらに、内部ユニット体30は、外部構造体10との間に所定寸法以上のクリアランスを開けて配置されているので、地震時に外部構造体10に水平力がかかって揺れが生じても、内部ユニット体30と干渉することはなく、各部位の損傷を防止できる。クリアランスに、エキスパンションジョイント4を設ければ、外部構造体10と内部ユニット体30との相対移動を許容しつつ、隙間を塞ぐことができる。
また、内部ユニット体30と床面5を、免震装置を介して基礎(地盤)に固定しているので、床面5および内部ユニット体30上で免震効果を得ることができ、居住性が向上する。
一体フレーム16は、内部ユニット体30の見付け面積よりも大きい開口部17を備えて構成されているので、内部ユニット体30を、外部構造体10の内部に容易に搬入することができる。さらに、内部ユニット体30は、分解することなく、完成状態で外部構造体10の内部に搬入できるので、現場での施工手間を大幅に低減することができる。具体的に説明すると、新築時には、一体フレーム16を構築した後に、外壁11の構築と、内部ユニット体30の搬送を同時に行うようにすれば、施工効率が良くて好ましい。このとき、一体フレーム16は、上部梁15が互いに対向する平行な二辺上にのみ形成されているので、これら二辺と直交する二辺の上方は、上部梁15が設けられずに開放されていることとなる。これによって、非常に大きい開口部17を得ることができ、内部ユニット体30の搬入が、より行いやすくなる。
一方、改装時には、大開口の窓19や扉のサッシを外すなどして、内部ユニット体30を搬入あるいは搬出する。なお、内部ユニット体30を搬入あるいは搬出できる開口がない場合には、外壁11の一部を取り外して、内部ユニット体30の搬入あるいは搬出を行ってもよいし、内部ユニット体30を分解して、扉などから搬入して、内部で組に立ててもよい。前記したいずれの場合においても、一体フレーム16は、変形、加工されることはないので、外部構造体10に必要な剛性は常に保持されている。したがって、補強工事などを行う必要はなく、施工手間および施工コストを抑えることができる。
さらに、本実施の形態では、基礎梁13を地盤上あるいは地盤中に設けているので、建築物の外周部に基礎の立上り部がなく、建築物への出入口(図示せず)の高さを低くすることができる。これによって、出入口と道路面(図示せず)との高低差を小さくすることができ、道路からのアプローチの段差をなくして傾斜角度を小さくすることができる。したがって、使用者が歩行しやすくなるといった効果や、建築物内の車庫等を形成した場合に車両の出入りを行いやすくなるといった効果を得ることができる。
[第二実施形態]
図5は本発明に係る建築物を実施するための最良の第二の形態の一体フレームおよび屋根形状を示した斜視図である。
図5に示すように、本実施の形態に係る建築物1は、平面視L字状に構築されている。この建築物1の一体フレーム16は、互いに平行に配置された三列の基礎梁13と、この基礎梁13と直交する方向に沿って設けられた上部梁15とを有している。この一体フレーム16は、建築物1の出隅部分と入隅部分に柱14が設けられている。具体的には、基礎梁13は、互いに同じ長さの第一基礎梁13a、第二基礎梁13bと、これらより長さが短い第三基礎梁13cとで構成されている。第一基礎梁13a、第二基礎梁13bおよび第三基礎梁13cの両端上面には、柱14がそれぞれ立設されている。三本の基礎梁13のうち、内側に位置する第二基礎梁13bには、両端以外の内側上面にも柱14が立設されている。この第二基礎梁13bの内側上面に設けられた柱14は、一端の柱14との距離が、第三基礎梁13cの両端上面の柱14間の距離と同等となるように配置されている。各柱14は、同じ高さに形成されている。第一基礎梁13aの両端上面の柱14,14と、これに対応する第二基礎梁13bの両端上面の柱14,14間に、上部梁15が架け渡されている。また、第二基礎梁13bの一端上面の柱14と、それに対応する第三基礎梁13cの端部上面の柱14間に、上部梁15が架け渡されている。さらに、第二基礎梁13bの内側上面の柱14と、それに対応する第三基礎梁13cの端部上面の柱14間にも、上部梁15が架け渡されている。
以上のような構成の一体フレーム16の上部には、図中、破線にて示すような切妻形状の屋根12が形成されている。具体的には、屋根12は、第一基礎梁13aを含む面と第三基礎梁13cを含む面とがそれぞれ妻側面となるように形成され、棟12aが上部梁15に沿って延出するように構成された第一切妻部12bを有している。第一切妻部12bの棟12aと直交する方向に延出する棟12cを有する第二切妻部12dが、この第一切妻部12bの傾斜面に当接するように形成されている。第二切妻部12dは、第一基礎梁13aを含む面と第二基礎梁13bを含む面とがそれぞれ第二切妻部12dの平側面となるように構成されている。
本実施の形態によれば、前記第一の実施の形態と同様の作用効果を得られる上に、より広い空間を提供できるとともに、敷地形状に合わせた形状の建築物1を提供できる。
[第三実施形態]
図6は本発明に係る建築物を実施するための最良の第三の形態の一体フレームおよび屋根形状を示した斜視図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る建築物1は、図5の実施の形態と同様に、平面視L字状に構築されている。本実施の形態では、第一基礎梁13aの両端上面に立設される柱14aが、低く形成されている。そして、この柱14aの上端と、第二基礎梁13bの両端上面に立設された柱14の側面との間に、上部梁15aが架け渡されている。この上部梁15aは、第二基礎梁13b上に立設された柱14と第三基礎梁13c上に立設された柱14間に架け渡された上部梁15よりも低い位置に形成されている。なお、一体フレーム16のその他の構成については、図5の実施の形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
以上のような構成の一体フレーム16の上部には、図中、破線にて示すような一方の勾配面12fが他方の勾配面12gより長く形成された招き屋根形状の屋根12が形成されている。具体的には、屋根12は、第二基礎梁13bと第三基礎梁13cとの中間部に、第一乃至第三基礎梁13a,13b,13cに沿って延出する棟12eを有しており、第一基礎梁13aに向かって長い勾配面12fを有するように構成されている。
本実施の形態によれば、前記第一および第二の実施の形態と同様の作用効果を得られる上に、天井高さが場所によって大きく異なる変化に富んだ空間を提供することができる。
なお、一体フレーム16の形状は、前記した形状に限られるものではなく、敷地の形状などに合わせて自由に形成することができる。また、屋根12の形状は、前記した形状に限られるものではなく、寄棟、片流れ、入母屋など、他の形態であってもよいのは、勿論である。
[第四実施形態]
図7は本発明に係る建築物を実施するための最良の第四の形態の一体フレームを示した斜視図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る建築物1の一体フレーム16は、平面視矩形状に形成された基礎梁13の各辺上に、柱14と上部梁15とが一体形成されたコ字状フレーム16aを四面配置して、隣り合う柱14,14同士を固定したものである。これによって、一体フレーム16は、箱状に形成され剛性を効率的に得ることができる。なお、必要に応じて、コ字状フレーム16aに面材(図示せず)を貼り付けたり、筋違(図示せず)を設けたりして補強するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、より強固な一体フレーム16を提供することができ、スパンを大きくすることができ、より大きな開口を得られるとともに、一体フレーム16を構成する個々の部材の断面を小さくすることができるので好ましい。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本実施の形態では一体フレーム16は木材で構成しているが、これに限られるものではなく、鉄骨や鉄筋コンクリートなどの他の部材であってもよいのは勿論である。
また、前記の実施の形態では、本発明に係る建築物1を、住宅を例に挙げて説明したが、他の用途の建築物として適用してもよい。特に、オフィスビルとしてかかる建築物を利用すれば、入居するテナントの要望に合わせて、容易にプランを変更できるとともに、水平方向のみならず上下方向に広がりを有する立体的なオフィス空間を提供することができるので好ましい。
本発明に係る建築物を実施するための最良の第一の形態を示した斜視図である。 本発明に係る建築物を実施するための最良の第一の形態を示した分解斜視図である。 本発明に係る建築物の一体フレームを示した斜視図である。 本発明に係る建築物を示した外観斜視図である。 本発明に係る建築物を実施するための最良の第二の形態の一体フレームおよび屋根形状を示した斜視図である。 本発明に係る建築物を実施するための最良の第三の形態の一体フレームおよび屋根形状を示した斜視図である。 本発明に係る建築物を実施するための最良の第四の形態の一体フレームを示した斜視図である。
符号の説明
1 建築物
5 床面
10 外部構造体
11 外壁
12 屋根
16 一体フレーム
17 (一体フレームの)開口部
30 内部ユニット体
31 居室
32 階段

Claims (6)

  1. 複数階分の高さの外壁および屋根を備えた建築物の外部構造体を地盤上に構築し、
    居室を構成する内部ユニット体と階段を構成する内部ユニット体を含む複数の内部ユニット体のうち最下階の前記内部ユニット体を、前記地盤上に形成され前記外部構造体の内部の最下階に位置する床面上に前記外部構造体と構造的に分離して固定し、前記複数の内部ユニット体のうち上階の前記内部ユニット体を、その下階の前記内部ユニット体上に前記外部構造体と構造的に分離して固定するとともに、
    前記床面上に、前記内部ユニット体を非配置の部分を形成する
    ことを特徴とする建築物。
  2. 前記外部構造体は、基礎梁と、この基礎梁上に立設された複数の柱と、隣り合う前記柱間に架け渡された上部梁とを剛接合して構成された一体フレームを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の建築物。
  3. 前記基礎梁と前記上部梁とは、互いにねじれの位置関係になるように配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の建築物。
  4. 前記内部ユニット体は、免震装置を介して前記外部構造体の内部に位置する床面に固定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の建築物。
  5. 前記内部ユニット体は、前記外部構造体との間に所定寸法以上のクリアランスを開けて配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の建築物。
  6. 前記一体フレームは、前記内部ユニット体の見付け面積よりも大きい開口部を備えて構成されている
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の建築物。
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