JP2000282707A - 免震室 - Google Patents

免震室

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JP2000282707A
JP2000282707A JP11090262A JP9026299A JP2000282707A JP 2000282707 A JP2000282707 A JP 2000282707A JP 11090262 A JP11090262 A JP 11090262A JP 9026299 A JP9026299 A JP 9026299A JP 2000282707 A JP2000282707 A JP 2000282707A
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JP
Japan
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seismic isolation
rail
room
floor slab
mounting plate
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JP11090262A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kurabayashi
浩 倉林
Toshio Komi
俊夫 小見
Hiroyuki Oishi
裕之 大石
Takeshi Aoki
剛 青木
Kazuhiko Maebayashi
和彦 前林
Haruhisa Inoue
晴久 井上
Naoto Tashiro
直人 田代
Shinji Horiguchi
真嗣 堀口
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Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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  • Vibration Prevention Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な免震機能を有し、しかも、十分な階高
を確保することができる免震室を提供することを課題と
している。 【解決手段】 既設の建物のスラブ1上に、所定数の免
震装置3を介して床版2を設置する構成とした。さら
に、床版2上に壁体20と天井体21とを一体に設け、
ルームユニット22を構成するようにした。そして、免
震装置3は、円弧状のスライド部を有したXレールおよ
びYレールと、これらを相対移動自在に連結する連結ブ
ロックとを備えてユニット化するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震性能が要求さ
れる室内空間を形成するとき等に用いて好適な免震室に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば生産用、医療用、ある
いは展示用等、種々の施設において、地震時の揺れか
ら、室内に置かれる機器や人命、空間等を安全に守るこ
とが求められている。このため、建物全体を免震構造と
する技術が多種多様に提案されているが、これ以外にも
床自体に免震機能を付加する技術がある。
【0003】このような技術は、建物の躯体を構成する
スラブ上に免震装置を複数設置し、これら免震装置上
に、室内空間の床面を形成する床版を設けるようになっ
ている。免震装置としては、鋼板とゴム等の弾性材料と
が交互に複数層にわたって積層された、いわゆる免震ゴ
ム(積層ゴム)が用いられる。また、床版は、躯体に対
し縁切りが成されており、地震時には躯体に対して独立
して挙動するようになっている。このような構造の免震
床においては、地震時に躯体が振動すると、免震装置に
よってその振動が吸収され、床版への伝達を抑えるよう
になっているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな免震床においては、免震装置として免震ゴムを用い
ているため、例えば、免震装置だけで500mmといっ
た高さが必要である。したがって、特に既存の建物内に
この免震床を設置する場合には、床版よりも上方の有効
階高(床版と上階のスラブとの間隔)が小さくなり、室
内空間として十分な階高が確保できないことがあった。
本発明は以上のような点を考慮してなされたもので、十
分な免震機能を有し、しかも、十分な階高を確保するこ
とができる免震室を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
室内空間の床を形成する床版が、底盤上に設置された免
震装置を介して、前記底盤に対して移動可能に支持され
た構成とされ、前記免震装置が、前記底盤側に固定さ
れ、中央が低く両端が高い略円弧状のスライド部を上面
に有した少なくとも2本のXレールと、前記Xレールの
上方で前記床版側に固定され、かつ前記Xレールに対し
て直交して延在し、中央が高く両端が低い円弧状のスラ
イド部を下面に有した少なくとも2本のYレールと、前
記Xレールと前記Yレールの双方のスライド部に沿って
移動自在に連結された連結ブロックと、を備えて構成さ
れていることを特徴としている。
【0006】このような構成では、免震装置は床版の重
量を受けて押さえ付けられた状態となっている。この状
態で、免震装置の連結ブロックが、略円弧状のスライド
部を有したXレールあるいはYレールに対し、スライド
部の端部側に相対移動しようとすると、連結ブロックが
接している部分におけるXレールとYレールとの間隔が
狭まる。したがって連結ブロックの相対移動に対する抵
抗力が増大して、ダンパー効果を発揮し、これにより床
版と底盤との相対変位を抑えることができる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載の免
震室であって、前記床版に、壁体と天井体とが一体に設
けられ、これら床版、壁体、および天井体によってルー
ムユニットが構成されていることを特徴としている。
【0008】床版に壁体と天井体とを設けてルームユニ
ットを構成することにより、このルームユニット内の空
間を免震機能を有したものとすることができる。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項2記載の免
震室であって、前記ルームユニットには、少なくとも、
前記ルームユニット内の空気を循環させる送風機と、該
送風機による循環空気中の微粒子を除去するフィルタと
が備えられていることを特徴としている。
【0010】ルームユニットに少なくとも送風機とフィ
ルターとが備えられているので、ルームユニット内をク
リーンな環境とすることができる。さらに、送風機やフ
ィルターをルームユニットの壁体または天井体に備える
ことにより、ルームユニット自体にこれらの設備が装備
されることになり、これらを別の場所に設置する必要が
なくなる。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の免震室であって、前記免震装置には、
前記Xレールを前記底盤側に固定するための下部取付板
と、前記Yレールを前記床版側に固定するための上部取
付板とが備えられ、かつ、前記Xレール、前記Yレー
ル、前記連結ブロック、前記上部取付板、および前記下
部取付板が、一体にユニット化されたものであることを
特徴としている。
【0012】免震装置に下部取付板と上部取付板とが備
えられて免震装置がユニット化されることにより、施工
時には、底盤上に所定数の免震装置を設置し、その上に
床版を載せれば良い。
【0013】請求項5に係る発明は、請求項1から4の
いずれかに記載の免震室であって、前記床版側と前記底
盤側との相対移動を減衰するダンパーが前記免震装置に
備えられていることを特徴としている。
【0014】これにより、床版側と底盤側の相対移動が
より効果的に減衰される。
【0015】請求項6に係る発明は、請求項1から5の
いずれかに記載の免震室であって、前記底盤が、既存建
物のスラブであることを特徴としている。
【0016】これにより、既存の建物内に、免震装置に
支持された床版が設置される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る免震室の第一
および第二の実施の形態について、図1ないし図10を
参照して説明する。
【0018】[第一の実施の形態]図1において、符号
1は既存建物のスラブ(底盤)、2は免震室の床を形成
する床版、3はスラブ1上に所定数設置された免震装置
である。
【0019】スラブ1は、例えばプレキャストコンクリ
ート造の床パネル4等が、所定枚数、H鋼やCチャンネ
ル材等の支持部材5上に敷設されることによって構成さ
れている。
【0020】図2に示すように、免震装置3は、スラブ
1(図1参照)側に固定される下部取付板6と、支持部
材5(図1参照)側に固定される上部取付板7と、これ
らの間に備えられた減衰装置本体8とから構成されてい
る。
【0021】減衰装置本体8は、互いに直交するXレー
ル10およびYレール11と、これらXレール10およ
びYレール11を連結する連結ブロック12とを備えて
構成されている。Xレール10,Yレール11は、それ
ぞれ、所定間隔を隔てて二組敷設されており、これによ
り全体として井桁状を成し、各組においては、Xレール
10あるいはYレール11が、一方向に沿って2本直列
に配置されている。
【0022】図3に示すように、Xレール10は、その
上面側にスライド部10aが形成されている。Xレール
10のスライド部10aは長さ方向において中央部が低
く、両端部が高く形成された略円弧状を成している。
【0023】図4に示すように、Yレール11は、その
下面側にスライド部11aが形成されている。Yレール
11のスライド部11aは、長さ方向において中央部が
高く、両端部が低い略円弧状を成している。
【0024】図2に示したように、計4組のXレール1
0とYレール11とは、それぞれ、双方のスライド部1
0a,11aどうしを対向させた状態で連結ブロック1
2を介して連結されている。連結ブロック12は、Xレ
ール10のスライド部10aとYレール11のスライド
部11aに沿って、それぞれボールベアリング等を介在
させて移動自在に連結されている。これにより、互いに
直交する各組のXレール10とYレール11とは、連結
ブロック12を介して互いに相対移動自在に連結された
構成となっている。
【0025】さらに、図5に示すように、連結ブロック
12はその上部と下部とが二分割されており、上部ブロ
ック12aと下部ブロック12bとの間には、これらを
上下方向に互いに離間させるよう付勢する、皿バネ、ス
プリング等の弾性部材13が備えられている。
【0026】また、図2に示したように、Xレール1
0,Yレール11のそれぞれには、端部の所定位置に緩
衝器14が設けられている。この緩衝器14は、Xレー
ル10あるいはYレール11に対し連結ブロック12が
相対移動したときに、予め設定された移動範囲の端部に
設置された緩衝器14に連結ブロック12が衝突して、
その変位を制限するとともに、衝突時の衝撃を緩和する
ようになっている。
【0027】さらに、このような減衰装置本体8には、
全体として井桁状に組まれたXレール10およびYレー
ル11の中心部に、一端が上部取付板7側に接続され、
他端が下部取付板6側に接続されて、これら上部取付板
7と下部取付板6との略水平方向に沿った相対移動を減
衰する摩擦ダンパー(ダンパー)15が備えられてい
る。
【0028】このような免震装置3は、Xレール10、
Yレール11、連結ブロック12、摩擦ダンパー15、
上部取付板7、下部取付板6が予め工場等で一体化さ
れ、ユニット化されている。
【0029】免震装置3は、連結ブロック12がXレー
ル10,Yレール11のスライド部10a,11aに沿
って略水平移動自在となっているが、免震装置3上の支
持部材5およびスラブ2等の重量により上方から押さえ
付けられている。したがって、図6に示すように、連結
ブロック12がXレール10あるいはYレール11(図
6ではXレール10を例として示す)の端部側に相対移
動しようとすると、スライド部10aあるいは11aが
略円弧状をなしているので、連結ブロック12が連結さ
れている部分におけるスライド部10a、11a間の間
隔が漸次狭まることになる。その結果、連結ブロック1
2のXレール10あるいはYレール11に沿っての相対
移動に対して抵抗力が生じ、したがって相対変位を抑え
るダンパー効果が発揮されることになる。そして、前記
相対移動のエネルギーが減少すれば、連結ブロック12
がXレール10あるいはYレール11の中央の低い部分
に自然に戻るようになっている。
【0030】このような免震装置3では、円弧状のスラ
イド部10a,11aを有したXレール10およびYレ
ール11によるダンパー効果と、摩擦ダンパー15によ
る減衰力とによって、下部取付板6が固定されたスラブ
1と、上部取付板7が固定された床版2とが地震等によ
り略水平方向に相対移動しようとしたときに、その変位
を減衰させるダンパー効果を発揮する構成となっている
のである。
【0031】さらに、連結ブロック12に備えられた弾
性部材13により、上部ブロック12aと下部ブロック
12bとは上下方向に互いに離間するよう付勢されてお
り、これによって、床版2とスラブ1との上下方向の振
動を抑制するようになっている。
【0032】このような免震装置3を、スラブ1の例え
ば四隅に配置し、その上に支持部材5を介して床版2を
設置することにより、地震時に既設建物のスラブ1が振
動してもその振動が免震装置3によって減衰され、床版
2が振動するのを抑えることができるのである。これに
よって、床版2上に形成される室内空間(免震室)は免
震機能を有したものとなる。
【0033】しかも免震装置3は、Xレール10とYレ
ール11、連結ブロック12、および上部取付板7と下
部取付板6等から構成されているので、例えば100m
m程度の高さに抑えることができ、免震ゴム等に比較し
て薄型とすることができる。したがって、既存の建物の
空間内においても、有効階高を従来よりも大きく確保す
ることができ、十分な階高を有した室内空間を形成する
ことが可能となる。
【0034】また、このようにXレール10、Yレール
11、連結ブロック12、摩擦ダンパー15、上部取付
板7、下部取付板6等から構成される免震装置3は、予
め工場生産されてユニット化したものを用いることがで
きる。これにより、現場では、スラブ1を免震装置3の
ユニットを所定数設置するだけでよく、したがって、免
震装置3を有した床版2を簡便に施工、設置することが
でき、したがって、低コスト化および短工期化を実現す
ることができる。
【0035】なお、上記第一の実施の形態では、支持部
材5上に床版2を形成する構成としたが、これに限るも
のではなく、例えば図7(a)に示すように、支持部材
5上に所定の高さを有した支柱16等を設け、この支柱
16上に床パネル4を敷設して床版2を形成し、床版2
の下方を配線等のためのスペース17とする、いわゆる
フリーアクセスフロアとすることも可能である。さらに
は、図7(b)に示すように、免震装置3上に床パネル
4を直接設置するようにしてもよい。
【0036】また、免震装置3は、上記したような、計
4組のXレール10およびYレール11を井桁状に組む
ものだけでなく、例えば、図8に示す免震装置3’のよ
うに、X字状に配置した計4本のXレール10に対し、
それぞれ直交するYレール11を組み合わせたような配
置とすることも可能である。これにより免震装置3’の
コンパクト化が図られる。
【0037】また、免震装置3の設置数については何ら
限定するものではなく、床版2の大きさに応じ、4箇所
に限らずそれ以上の数としてもよいし、また床版2が小
さい場合等には、大型の一台の免震装置3で床版2を支
持することも可能である。
【0038】さらに、免震装置3を、上部取付板7と下
部取付板6とを備えてユニット化する構成としたが、こ
れに限るものではなく、Xレール10をスラブ1に直接
固定し、Yレール11を床版2側に直接固定して、上部
取付板7および下部取付板6については省略した構成と
することも可能である。
【0039】加えて、摩擦ダンパー15を備える構成と
したが、床版2側と底盤3側との相対移動を減衰できる
のであれば、他の種のダンパーを用いても良い。さらに
は、略円弧状のスライド部10a,11aを有したXレ
ール10およびYレール11のみで所要のダンパー効果
を得ることができるのであれば、摩擦ダンパー15を省
略することも可能である。
【0040】[第二の実施の形態]以下に説明する第二
の実施の形態で示す例は、上記第一の実施の形態で示し
た床版2上に、壁体や天井を一体に設けてユニット化す
るものであり、免震装置3によってスラブ1上に支持さ
れる床版2自体については同様の構成であるので、上記
第一の実施の形態と共通する構成については同一の符号
を付し、その説明を省略する。
【0041】図9に示すように、既設の建物のスラブ1
上には、所定数の免震装置3を介して床版2が設置され
ている。
【0042】そして、床版2上には壁体20と天井体2
1とが一体に設けられており、これら床版2と壁体2
0、天井体21とによってルームユニット(免震室)2
2が構成されている。
【0043】図10に示すように、壁体20や天井体2
1には、空調機25や出入口26等が一体に備えられて
いる。なお、空調機25は壁体20に一体に埋め込まれ
るような形で設けられている。
【0044】空調機25は、ルームユニット22内の空
間の空気を循環させる送風機(図示なし)が備えられ、
さらに暖房、冷房、加除湿、外気導入等が行えるととも
に、空気を濾過して空気中の微粒子等を除去するHEP
Aフィルター(フィルター;図示なし)等が内蔵され
て、室内空間をクラス100〜10万程度のクリーン度
に維持できるようになっている。
【0045】また、壁体20や天井体21には、空調機
25からの風を送り出す送風口27が適宜選択的に設置
される。
【0046】このようなクリーンユニット22を、例え
ば手術室として用いる場合には、壁体20に医療器材棚
28、薬品棚、保温庫やシャウカステン29、時計等種
々の機器を一体に備えるようにする。
【0047】このような構成によれば、床版2と一体に
壁体20および天井体21が設けられてルームユニット
22が構成されているので、このルームユニット22自
体が免震機能を有したものとなり、手術室等として適し
たものとなる。そして、このようなルームユニット22
を既設の建物内に設置することにより、既設の建物であ
っても、免震機能を有した室内空間を簡便に提供するこ
とができるのである。
【0048】さらに、このルームユニット22には、壁
体20や天井体21に空調機25等が一体に組み込まれ
ているので、別室に空調機25を設置したり、この空調
機25との間のダクト等を天井裏に配置する必要がなく
なり、室内空間を有効利用することが可能となる。
【0049】なお、上記第二の実施の形態において、ル
ームユニット22の形状や、壁体20や天井体21の構
造、および壁体20や天井体21に備える装備類等につ
いては何ら限定する意図はなく、ルームユニット22の
用途等や設置場所等に応じて適宜決定すればよい。
【0050】例えば、ルームユニット22を構成する床
版2,壁体20,天井体21を、電磁波を遮断する物質
を備えて構成するようにしてもよい。これによってルー
ムユニット22を電磁波シールド機能を有した室内空間
とすることが可能となる。
【0051】また、上記第一および第二の実施の形態に
おいて、床版2を備えて構成される室あるいはルームユ
ニット22に、空気・水・電気・ガス等の供給あるいは
排出を行うためのダクト・配管・配線・ケーブル等は、
地震時の変形や変位に追従させるため、フレキシブルな
ものを用いたり、配線やケーブル等については変位量に
対応した余長を確保するのは言うまでもない。
【0052】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る免
震室によれば、免震装置は、床版と底盤とが相対変位し
ようとしたときにダンパー効果を発揮し、これにより、
地震時に、底盤側が振動しても床版が揺れるのを防止す
ることができる。その結果、床版上の室内空間を免震機
能を有した空間とすることができ、生産施設や医療施
設、展示施設等種々の施設において、室内に置かれる機
器や人命、空間等を安全に守ることが可能となる。ま
た、このような免震装置は、XレールとYレールとを交
差させて連結ブロックで連結したのみの構成であり、し
たがって免震装置が非常に薄型のものとなるので、十分
な階高を確保することができる。
【0054】請求項2に係る免震室によれば、床版に壁
体と天井体とを設けてルームユニットを構成することに
より、このルームユニット内の空間を免震機能を有した
ものとすることができる。したがって、このルームユニ
ットを、例えば特に生産施設や医療施設等のために好適
に用いることができる。
【0055】請求項3に係る免震室によれば、ルームユ
ニットに少なくとも送風機とフィルターとが備えられて
いるので、ルームユニット内をクリーンな環境とし、ク
リーンルームとして使用することができる。さらに、送
風機やフィルターをルームユニットの壁体または天井体
に備えることにより、ルームユニット自体にこれらの設
備が装備されることになり、これらを別の場所に設置す
る必要がなくなる。したがって、建物内の空間の有効利
用を図ることが可能となるのである。
【0056】請求項4に係る免震室によれば、免震装置
がユニット化されることにより、施工時には、底盤上に
所定数の免震装置を設置し、その上に床版を載せれば良
い。したがって、施工を容易に行うことができ、免震機
能を有した免震室を低コストかつ短工期で設置すること
が可能となる。
【0057】請求項5に係る免震室によれば、床版側と
底盤側の相対移動が、より効果的に減衰される。その結
果、前記請求項1に係る効果を一層有効なものとするこ
とができる。
【0058】請求項6に係る免震室によれば、底盤が、
既存建物のスラブである構成となっている。これによ
り、既存の建物内に免震機能を有した空間を簡便に装備
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る免震室の第一の実施の形態を示
す立断面図である。
【図2】 前記免震室に備えた免震装置を示す斜視図で
ある。
【図3】 同免震装置の正断面図である。
【図4】 図3の側断面図である。
【図5】 前記免震装置に備えた連結ブロックの構造を
示す立断面図である。
【図6】 同免震装置において、底盤側と床版側とが相
対変位した状態を示す立断面図である。
【図7】 本発明に係る免震室の他の例を示す立断面図
である。
【図8】 前記免震装置の他の例を示す斜視図である。
【図9】 本発明に係る免震室の第二の実施の形態を示
す立断面図である。
【図10】 前記免震室で構成したルームユニットを示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 スラブ(底盤) 2 床版 3 免震装置 6 下部取付板 7 上部取付板 10 Xレール 10a,11a スライド部 11 Yレール 12 連結ブロック 15 摩擦ダンパー(ダンパー) 20 壁体 21 天井体 22 ルームユニット(免震室)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小見 俊夫 東京都江東区辰巳3−5−3 三菱製鋼株 式会社環境エンジニアリング事業部内 (72)発明者 大石 裕之 東京都江東区辰巳3−5−3 三菱製鋼株 式会社環境エンジニアリング事業部内 (72)発明者 青木 剛 東京都江東区辰巳3−5−3 三菱製鋼株 式会社環境エンジニアリング事業部内 (72)発明者 前林 和彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 井上 晴久 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 田代 直人 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 堀口 真嗣 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA07 BG01 DA01 EA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内空間の床を形成する床版が、底盤上
    に設置された免震装置を介して、前記底盤に対して移動
    可能に支持された構成とされ、 前記免震装置が、 前記底盤側に固定され、中央が低く両端が高い略円弧状
    のスライド部を上面に有した少なくとも2本のXレール
    と、 前記Xレールの上方で前記床版側に固定され、かつ前記
    Xレールに対して直交して延在し、中央が高く両端が低
    い円弧状のスライド部を下面に有した少なくとも2本の
    Yレールと、 前記Xレールと前記Yレールの双方のスライド部に沿っ
    て移動自在に連結された連結ブロックと、を備えて構成
    されていることを特徴とする免震室。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震室であって、前記床
    版に、壁体と天井体とが一体に設けられ、これら床版、
    壁体、および天井体によってルームユニットが構成され
    ていることを特徴とする免震室。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の免震室であって、前記ル
    ームユニットには、少なくとも、前記ルームユニット内
    の空気を循環させる送風機と、該送風機による循環空気
    中の微粒子を除去するフィルタとが備えられていること
    を特徴とする免震室。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の免震
    室であって、前記免震装置には、前記Xレールを前記底
    盤側に固定するための下部取付板と、前記Yレールを前
    記床版側に固定するための上部取付板とが備えられ、 かつ、前記Xレール、前記Yレール、前記連結ブロッ
    ク、前記上部取付板、および前記下部取付板が、一体に
    ユニット化されたものであることを特徴とする免震室。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の免震
    室であって、前記床版側と前記底盤側との相対移動を減
    衰するダンパーが前記免震装置に備えられていることを
    特徴とする免震室。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の免震
    室であって、前記底盤が、既存建物のスラブであること
    を特徴とする免震室。
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