本発明に係るクリーンルームシステムを図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
このクリーンルームシステムでは、図1に示すように、建物1内に、免震装置2を介して支持されたクリーンルーム3が備えられている。建物1内は、区画部4にて密閉又は略密閉状態の区画空間5が区画形成され、区画空間5内にクリーンルーム3が備えられている。
区画空間5には、区画部4の内周部とクリーンルーム3の外周部との間に免震クリアランス空間6が形成されている。これにより、クリーンルーム3の周囲に免震クリアランス空間6が形成され、地震等によりクリーンルーム3の水平方向での移動が許容されている。
免震装置2は、クリーンルーム3の床部3cの下方側に形成された免震クリアランス空間6に配置され、クリーンルーム3の床部3cを支持している。免震装置2としては、例えば、積層ゴム系、すべり系、積層ゴム系とすべり系とを組み合わせたもの等、各種の免震装置を適用可能である。
建物1内には、クリーンルーム3に隣接する第1隣室7a及び第2隣室7bが備えられている。区画空間5は、区画部4により第1隣室7aと第2隣室7bとの間に区画形成され、第2隣室7bとクリーンルーム3とが廊下8を通して接続されている。ちなみに、第1隣室7aは、一般室として構成することができ、第2隣室7bは、クリーンルームとして構成することができる。
クリーンルームシステムは、清浄化した清浄空気をクリーンルーム3及び免震クリアランス空間6に供給する清浄空気供給部9と、クリーンルーム3及び免震クリアランス空間6から外部に排気する排気部10とが備えられている。
清浄空気供給部9は、清浄化した清浄空気をクリーンルーム3に供給するクリーンルーム用清浄空気供給部11と、清浄化した清浄空気を免震クリアランス空間6に供給する免震クリアランス空間用清浄空気供給部12とが備えられている。クリーンルーム用清浄空気供給部11と免震クリアランス空間用清浄空気供給部12とは、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を通流させる共通の第1給気路R1を備えており、第1給気路R1に共通の空調装置13と共通の再熱部14とが備えられている。
空調装置13は、空気の通流方向の上流側から、空気を冷却する冷却部13a、空気を冷却又は加熱する冷却・加熱部13b、空気を加湿する加湿部13c、ファン13dを備えている。空調装置13は、冷却部13a、冷却・加熱部13b、加湿部13cによって供給される空気に対して空調処理を行い、例えば、所望湿度範囲及び所望温度範囲の空気に空調するようにしている。
再熱部14は、第1給気路R1を通流する空気を加熱自在に構成されている。空気の湿度を所望湿度範囲とするために、空調装置13による冷却除湿によって所望温度範囲よりも低い温度まで空気の温度が低下した場合には、再熱部14にて加熱することで、空気の温度を上昇させて、空気の温度を所望温度範囲としている。
クリーンルーム用清浄空気供給部11は、第1給気路R1に加えて、第1給気路R1から分岐してクリーンルーム3に接続された第2給気路R2が備えられている。第2給気路R2の途中には、所定の一定風量の空気を通流させる定風量装置Cが備えられ、第2給気路R2の下流側端部が、クリーンルーム3に空気を供給する第1給気口K1に接続されている。第1給気口K1は、クリーンルーム3の天井部3aに配置され、空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部12は、第1給気路R1に加えて、第1給気路R1から分岐して免震クリアランス空間6に接続された第3給気路R3が備えられている。第3給気路R3の途中には、所定の一定風量の空気を通流させる定風量装置Cが備えられ、第3給気路R3の下流側端部が、免震クリアランス空間6に空気を供給する第2給気口K2に接続されている。第2給気口K2は、区画空間5の天井部に配置され、空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部11は、空調装置13の作動により、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を空調装置13、再熱部14の順に通過させて所望の空調状態とし、第1給気口K1の清浄化フィルターFにて清浄化した清浄空気を所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。免震クリアランス空間用清浄空気供給部12も、空調装置13の作動により、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を空調装置13、再熱部14の順に通過させて所望の空調状態とし、第2給気口K2の清浄化フィルターFにて清浄化した清浄空気を所望の一定風量にて免震クリアランス空間6に供給している。
排気部10は、クリーンルーム3から外部に排気するクリーンルーム用排気部15と、免震クリアランス空間6から外部に排気する免震クリアランス空間用排気部16とが備えられている。
クリーンルーム用排気部15は、クリーンルーム3に接続された第1排気路E1が備えられている。第1排気路E1の上流側端部が、クリーンルーム3の天井部3aに配置された第1排気口G1に接続され、第1排気路E1の途中には、クリーンルーム3内の室圧を制御するための室圧制御ダンパDが備えられている。
免震クリアランス空間用排気部16は、免震クリアランス空間6に接続された第2排気路E2が備えられている。第2排気路E2の上流側端部が、区画空間5の天井部に配置された第2排気口G2に接続され、第2排気路E2の途中には、免震クリアランス空間6内の室圧を制御するための室圧制御ダンパDが備えられている。
クリーンルーム用排気部15と免震クリアランス空間用排気部16とは、第1排気路E1と第2排気路E2とが合流する第3排気路E3が備えられ、第3排気路E3の下流側端部に排気ファン17が備えられている。第3排気路E3から分岐して空調装置13に接続された第4排気路E4が備えられ、第3排気路E3の空気の一部が還気RAとして空調装置13に供給自在となっている。
クリーンルーム用排気部15は、排気ファン17の作動により、第1排気路E1及び第3排気路E3を通して、クリーンルーム3内の空気を第1排気路E1の室圧制御ダンパDにて制御された風量にて外部に排気している。免震クリアランス空間用排気部16も、排気ファン17の作動により、第2排気路E2及び第3排気路E3を通して、免震クリアランス空間6内の空気を第2排気路E2の室圧制御ダンパDにて制御された風量にて外部に排気している。また、クリーンルーム用排気部15と免震クリアランス空間用排気部16とは、第3排気路E3の空気の一部を空調装置13に供給自在としている。
クリーンルームシステムには、クリーンルームシステムの動作を制御する制御部18が備えられている。制御部18は、空調装置13、再熱部14、定風量装置C、室圧制御ダンパD、排気ファン17等の各種の機器の作動状態を制御することで、クリーンルームシステムの動作を制御している。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、制御部18は、第2給気路R2の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定し、第1排気路E1の室圧制御ダンパDの開度を制御することで、クリーンルーム3内の室圧を制御することができる。同様に、制御部18は、第3給気路R3の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定し、第2排気路E2の室圧制御ダンパDの開度を制御することで、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
この第1実施形態では、制御部18(第1室圧調整部に相当する)が、クリーンルーム3内の室圧を陽圧(例えば、+20Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい陽圧(例えば、+数Pa)に調整している。
この第1実施形態では、図1に示すように、クリーンルーム3について、クリーンルーム用清浄空気供給部11が、第1給気路R1及び第2給気路R2を通して、所望の空調状態の清浄空気を所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。クリーンルーム用排気部15が、第1排気路E1及び第3排気路E3を通して、クリーンルーム3から室圧制御ダンパDにて制御された風量にて外部に排気している。これにより、クリーンルーム3に対して、外部の影響を受けずに、清浄空気を循環供給させることができ、クリーンルーム3における空気の清浄度を適切に保持することができる。
免震クリアランス空間6についても、免震クリアランス空間用清浄空気供給部12が、第1給気路R1及び第3給気路R3を通して、所望の空調状態の清浄空気を所定の一定風量にて免震クリアランス空間6に供給している。免震クリアランス空間用排気部16が、第2排気路E2及び第3排気路E3を通して、免震クリアランス空間6から室圧制御ダンパDにて制御された風量にて外部に排気している。これにより、免震クリアランス空間6に対して、外部の影響を受けずに、清浄空気を循環供給させることができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。
よって、例えば、クリーンルーム3の室圧の変動等により、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に空気が流入しても、清浄度が向上された空気が流入することになるので、クリーンルーム3内に汚染空気が流入するのを防止することができる。しかも、免震クリアランス空間6に清浄空気を通風させることができるので、その清浄空気の通風により、塵埃の滞留やカビ等の発生を防止することができる。
クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御について、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を免震クリアランス空間6の室圧(例えば、+数Pa)よりも大きい陽圧(例えば。+20Pa)に調整するので、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3への空気の流入を防止することができ、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止することができる。しかも、制御部18は、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧(例えば、+数Pa)に調整するので、免震クリアランス空間6への外部からの汚染空気等の流入を防止することができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、第1実施形態における清浄空気供給部9及び排気部10の別実施形態である。以下、図2に基づいて、第2実施形態における清浄空気供給部9及び排気部10について説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
清浄空気供給部9は、清浄化した清浄空気をクリーンルーム3に供給するクリーンルーム用清浄空気供給部19と、クリーンルーム3内の空気を吸引して清浄化フィルターFを通して免震クリアランス空間6に通風させる第1通風装置21とが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部19は、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を通流させる第4給気路R4を備えており、第4給気路R4がクリーンルーム3に接続されている。第4給気路R4には、空気の通流方向の上流側から、空調装置13、再熱部14、定風量装置Cが備えられている。第4給気路R4の下流側端部が、クリーンルーム3の天井部3aに配置された第1給気口K1に接続されている。第1給気口K1には、クリーンルーム3に給気する空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。
クリーンルーム3の側壁部3bの上方側部位には、クリーンルーム3内の空気を吸気する第1吸気口L1が備えられている。第1吸気口L1には、清浄化フィルターFが備えられ、第1給気口L1から吸気した空気を通流させる第1連通路M1が接続されている。第1連通路M1の下流側端部には、免震クリアランス空間6に空気を吹き出す第1吹出口N1が備えられている。第1連通路M1の途中には、第1通風装置21が備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部19は、空調装置13の作動により、第4給気路R4を通して、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を空調装置13、再熱部14の順に通過させて所望の空調状態とし、第1給気口K1の清浄化フィルターFにて清浄化した清浄空気を所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。第1通風装置21を作動することで、クリーンルーム3内の空気を第1吸気口L1から吸引して清浄化フィルターFを通して清浄空気として第1連通路M1に通流させ、第1連通路M1及び第1吹出口N1を通して清浄空気を免震クリアランス空間6に供給している。
排気部10は、第1通風装置21によりクリーンルーム3から通風される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から外部に排気している。排気部10は、免震クリアランス空間6に接続された第5排気路E5が備えられている。第5排気路E5の上流側端部が、区画空間5の天井部に配置された第2排気口G2に接続され、第5排気路E5の途中には、室圧制御ダンパDが備えられている。排気部10は、排気ファン17の作動により、第5排気路E5を通して、クリーンルーム3から通風される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から室圧制御ダンパDにて制御された風量にて外部に排気している。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、第1通風装置21、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、制御部18は、第4給気路R4の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定し、第1通風装置21の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧を制御することができる。制御部18は、第1通風装置21の作動状態、及び、第5排気路E5の室圧制御ダンパDの開度を制御することで、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陽圧(例えば、+20Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい陽圧(例えば、+数Pa)に調整している。よって、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3への空気の流入を防止して、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止しながら、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。
この第2実施形態では、図2に示すように、クリーンルーム3について、クリーンルーム用清浄空気供給部19が、第4給気路R4を通して、所望の空調状態の清浄空気を所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。第1通風装置21の作動により、クリーンルーム3内の空気を、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6に第1連通路M1を通して通流させている。このようにして、クリーンルーム3に対して、清浄空気を循環供給させることができ、クリーンルーム3における空気の清浄度を適切に保持することができる。
第1通風装置21は、クリーンルーム3内の空気を吸引して清浄化フィルターFを通して免震クリアランス空間6に通流させるので、クリーンルーム3に供給された清浄空気を利用して、免震クリアランス空間6に清浄空気を供給することができる。これにより、構成の簡素化を図りながら、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。排気部10は、第1通風装置21によりクリーンルーム3から通風される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から外部に排気しているので、クリーンルーム3から外部に排気するための構成を備えなくてもよく、それだけ構成の簡素化を図ることができる。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、第2実施形態における清浄空気供給部9及び排気部10の別実施形態である。以下、図3に基づいて、第3実施形態における清浄空気供給部9及び排気部10について説明する。その他の構成については、第1実施形態や第2実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
清浄空気供給部9は、清浄化した清浄空気をクリーンルーム3に供給するクリーンルーム用清浄空気供給部19と、クリーンルーム3と免震クリアランス空間6とを連通してクリーンルーム3から清浄化フィルターFを通して免震クリアランス空間6への空気の供給を許容する第1連通部22とが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部19は、第2実施形態と同様の第4給気路R4を備えているので、クリーンルーム用清浄空気供給部19の説明は省略する。クリーンルーム3の側壁部3bの下方側部位には、複数の第1連通部22が備えられている。第1連通部22には、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6に供給される空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部19は、空調装置13の作動により、第4給気路R4を通して、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を空調装置13、再熱部14の順に通過させて所望の空調状態とし、第1給気口K1の清浄化フィルターFにて清浄化した清浄空気を所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。クリーンルーム3内の空気は、第1連通部22の清浄化フィルターFにて清浄化されて清浄空気となり、その清浄空気を第1連通部22を通してクリーンルーム3から免震クリアランス空間6に供給している。
排気部10は、第1連通部22を通してクリーンルーム3から供給される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から外部に排気している。排気部10は、第2実施形態と同様の第5排気路E5を備えているので、排気部10の説明は省略する。排気部10は、排気ファン17の作動により、第5排気路E5を通して、クリーンルーム3から供給される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から室圧制御ダンパDにて制御された風量にて外部に排気している。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、第1連通部22によるクリーンルーム3から免震クリアランス空間6への空気の供給量は、実験等により取得することができる。そこで、制御部18は、その取得した供給量等を用いて、第4給気路R4の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定し、第5排気路E5の室圧制御ダンパDの開度を制御することで、クリーンルーム3内の室圧、及び、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
この第3実施形態では、第1実施形態と同様に、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陽圧(例えば、+20Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい陽圧(例えば、+数Pa)に調整している。よって、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3への空気の流入を防止して、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止しながら、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。
この第3実施形態では、図3に示すように、クリーンルーム3について、クリーンルーム用清浄空気供給部19が、第4給気路R4を通して、所望の空調状態の清浄空気を所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。第1連通部22により、クリーンルーム3内の空気を清浄化して、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6に供給している。このようにして、クリーンルーム3に対して、清浄空気を循環供給させることができ、クリーンルーム3における空気の清浄度を適切に保持することができる。
第1連通部22は、クリーンルーム3内の空気を清浄化して免震クリアランス空間6に供給するので、クリーンルーム3に供給された清浄空気を利用して、免震クリアランス空間6に清浄空気を供給することができる。これにより、構成の簡素化を図りながら、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。排気部10は、第1連通部22によりクリーンルーム3から供給される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から外部に排気しているので、クリーンルーム3から外部に排気するための構成を備えなくてもよく、それだけ構成の簡素化を図ることができる。
〔第4実施形態〕
この第4実施形態は、第3実施形態における第1連通部22の配置位置の別実施形態を示すものである。以下、図4に基づいて、第4実施形態における第1連通部22の配置位置について説明する。その他の構成については、第1〜第3実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
第1連通部22は、第3実施形態と同様に、クリーンルーム3と免震クリアランス空間6とを連通して、クリーンルーム3から清浄化フィルターFを通して免震クリアランス空間6への空気の供給を許容している。複数の第1連通部22は、図4に示すように、クリーンルーム3の床部3cに配置されている。
第1連通部22は、免震装置2にて支持されるクリーンルーム3の床部3cに備えられているので、免震装置2が備えられて塵埃が溜まり易い箇所に、第1連通部22を通して清浄空気を通風させることができる。これにより、塵埃の滞留を適切に防止することができ、免震クリアランス空間6の清掃が行い易いものとなって、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を保持し易いものとなる。
〔第5実施形態〕
この第5実施形態は、第1実施形態におけるクリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御についての別実施形態である。以下、図5に基づいて、第5実施形態におけるクリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御について説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
第1実施形態では、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陽圧(例えば、+20Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい陽圧(例えば、+数Pa)に調整している。それに対して、この第5実施形態では、制御部18(第2室圧調整部に相当する)が、クリーンルーム3内の室圧を陰圧(例えば、−5Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい圧力の陰圧(例えば、−20Pa)に調整している。
第5実施形態では、第1実施形態と比較して、定風量装置C、室圧制御ダンパD、清浄化フィルターFの配置位置が異なっている。図5に示すように、クリーンルーム3に空気を給気する第2給気路R2、及び、免震クリアランス空間6に空気を給気する第3給気路R3の夫々に、室圧制御ダンパDが備えられている。クリーンルーム3から排気する第1排気路E1、及び、免震クリアランス空間6から排気する第2排気路E2の夫々に、定風量装置Cが備えられている。クリーンルーム3への第1給気口K1、免震クリアランス空間6への第2給気口K2、クリーンルーム3からの第1排気口G1の夫々に、清浄化フィルターFが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部11が、第1給気路R1及び第2給気路R2を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にてクリーンルーム3に供給している。クリーンルーム用排気部15が、第1排気路E1及び第3排気路E3を通して、クリーンルーム3から所定の一定風量にて外部に排気している。このとき、クリーンルーム用排気部15が、第1排気口G1の清浄化フィルターFにてクリーンルーム3内の空気を清浄化して外部に排気しているので、クリーンルーム3内の汚染物質が外部に流出されるのを防止することができる。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部12が、第1給気路R1及び第3給気路R3を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にて免震クリアランス空間6に供給している。免震クリアランス空間用排気部16が、第2排気路E2及び第3排気路E3を通して、免震クリアランス空間6から所定の一定風量にて外部に排気している。これにより、免震クリアランス空間6に清浄空気を循環供給することができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、制御部18は、第2給気路R2の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第1排気路E1の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、クリーンルーム3内の室圧を制御することができる。同様に、制御部18は、第3給気路R3の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第2排気路E2の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
上述の如く、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を免震クリアランス空間6内の室圧(例えば、−20Pa)よりも大きい圧力の陰圧(例えば、−5Pa)に調整するので、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3への空気の流入を防止することができ、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止することができる。しかも、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を陰圧に調整するので、クリーンルーム3から外部への汚染物質等の流出を防止することができる。仮に、クリーンルーム3内の室圧変動等により、クリーンルーム3から汚染物質等が流出しても、免震クリアランス空間6内の室圧がクリーンルーム3内の室圧(例えば、−5Pa)よりも小さい圧力の陰圧(例えば、−20Pa)であるので、汚染物質等の流出を免震クリアランス空間6にて留めることができ、免震クリアランス空間6よりも外部の第2隣室7b等に汚染物質等が流出するのを防止することができる。
この第5実施形態では、免震クリアランス空間6への第2給気口K2に清浄化フィルターFを備えているが、第2給気口K2に清浄化フィルターFを備えずに実施することもできる。この場合でも、上述の如く、免震クリアランス空間6内の室圧がクリーンルーム3内の室圧(例えば、−5Pa)よりも小さい圧力の陰圧(例えば、−20Pa)に調整することで、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止できるとともに、仮に、クリーンルーム3から汚染物質等が流出しても、汚染物質等の流出を免震クリアランス空間6にて留めることができ、第2隣室7b等への汚染物質等の流出を防止することができる。
〔第6実施形態〕
この第6実施形態は、第2実施形態におけるクリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御についての別実施形態である。以下、図6に基づいて、第6実施形態におけるクリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御について説明する。その他の構成については、第2実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
第2実施形態では、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陽圧(例えば、+20Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい陽圧(例えば、+数Pa)に調整している。それに対して、この第6実施形態では、第5実施形態と同様に、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陰圧(例えば、−5Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい圧力の陰圧(例えば、−20Pa)に調整している。
第6実施形態では、第2実施形態と比較して、定風量装置C、室圧制御ダンパDの配置位置が異なっている。図6に示すように、クリーンルーム3に空気を給気する第4給気路R4に、室圧制御ダンパDが備えられている。免震クリアランス空間6から排気する第5排気路E5に、定風量装置Cが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部19が、第4給気路R4を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にてクリーンルーム3に供給している。第1通風装置21の作動により、クリーンルーム3内の空気を、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6に第1連通路M1を通して通流させている。このとき、クリーンルーム3内の空気が、清浄化フィルターFにて清浄化された後、免震クリアランス空間6に通流される。よって、クリーンルーム3の汚染物質が免震クリアランス空間6に流出するのを防止しながら、免震クリアランス空間6に清浄空気を供給することができる。これにより、構成の簡素化を図りながら、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。
排気部10は、第1通風装置21によりクリーンルーム3から通風される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から外部に排気しているので、クリーンルーム3から外部に排気するための構成を備えなくてもよく、それだけ構成の簡素化を図ることができる。排気部10は、排気ファン17の作動により、第5排気路E5を通して、クリーンルーム3から通風される清浄空気も含めて免震クリアランス空間6から定風量装置Cにより所定の一定風量にて外部に排気している。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、第1通風装置21、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、制御部18は、第4給気路R4の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第1通風装置21の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧を制御することができる。制御部18は、第1通風装置21の作動状態、及び、第5排気路E5の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を免震クリアランス空間6内の室圧(例えば、−20Pa)よりも大きい圧力の陰圧(例えば、−5Pa)に調整するので、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3への空気の流入を防止することができ、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止することができる。しかも、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を陰圧に調整するので、クリーンルーム3から外部への汚染物質等の流出を防止することができる。仮に、クリーンルーム3内の室圧変動等により、クリーンルーム3から汚染物質等が流出しても、免震クリアランス空間6内の室圧がクリーンルーム3内の室圧(例えば、−5Pa)よりも小さい圧力の陰圧(例えば、−20Pa)であるので、汚染物質等の流出を免震クリアランス空間6にて留めることができ、免震クリアランス空間6よりも外部の第2隣室7b等に汚染物質等が流出するのを防止することができる。
〔第7実施形態〕
この第7実施形態は、第1実施形態におけるクリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御についての別実施形態である。以下、図7に基づいて、第7実施形態におけるクリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御について説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
第1実施形態では、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陽圧(例えば、+20Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧をクリーンルーム3内の室圧よりも小さい陽圧(例えば、+数Pa)に調整している。それに対して、この第7実施形態では、制御部18(第3室圧調整部に相当する)が、クリーンルーム3内の室圧を陰圧(例えば、−5Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧(例えば、+10Pa)に調整している。
第7実施形態では、第1実施形態と比較して、定風量装置C、室圧制御ダンパD、清浄化フィルターFの配置位置が異なっている。図7に示すように、クリーンルーム3に空気を給気する第2給気路R2、及び、免震クリアランス空間6に空気を給気する第3給気路R3の夫々に、室圧制御ダンパDが備えられている。クリーンルーム3から排気する第1排気路E1、及び、免震クリアランス空間6から排気する第2排気路E2の夫々に、定風量装置Cが備えられている。クリーンルーム3への第1給気口K1、免震クリアランス空間6への第2給気口K2、クリーンルーム3からの第1排気口G1、免震クリアランス空間6からの第2排気口G2の夫々に、清浄化フィルターFが備えられている。
クリーンルーム用清浄空気供給部11が、第1給気路R1及び第2給気路R2を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にてクリーンルーム3に供給している。クリーンルーム用排気部15が、第1排気路E1及び第3排気路E3を通して、クリーンルーム3から所定の一定風量にて外部に排気している。このとき、クリーンルーム用排気部15が、第1排気口G1の清浄化フィルターFにてクリーンルーム3内の空気を清浄化して外部に排気しているので、クリーンルーム3内の汚染物質が外部に流出されるのを防止することができる。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部12が、第1給気路R1及び第3給気路R3を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にて免震クリアランス空間6に供給している。これにより、免震クリアランス空間6に清浄空気を循環供給することができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。免震クリアランス空間用排気部16が、第2排気路E2及び第3排気路E3を通して、免震クリアランス空間6から所定の一定風量にて外部に排気している。このとき、免震クリアランス空間用排気部16が、第2排気口G2の清浄化フィルターFにて免震クリアランス空間6内の空気を清浄化して外部に排気しているので、免震クリアランス空間6内の汚染物質が外部に流出されるのを防止することができる。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、制御部18は、第2給気路R2の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第1排気路E1の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、クリーンルーム3内の室圧を制御することができる。同様に、制御部18は、第3給気路R3の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第2排気路E2の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
制御部18が、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧に調整するので、免震クリアランス空間6への外部からの汚染空気等の流入を防止することができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。よって、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に空気が流入しても、清浄空気が流入されることになり、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止することができる。しかも、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を陰圧に調整するだけでなく、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧に調整するので、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6への汚染物質等の流出を適切に防止することができ、免震クリアランス空間6よりも外部の第2隣室7b等に汚染物質等が流出するのを適切に防止することができる。
〔第8実施形態〕
この第8実施形態は、第1実施形態における清浄空気供給部9、排気部10、及び、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御についての別実施形態である。以下、図8に基づいて、第8実施形態における清浄空気供給部9、排気部10、及び、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御について説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
清浄空気供給部9は、清浄化した清浄空気を免震クリアランス空間6に供給する免震クリアランス空間用清浄空気供給部20と、免震クリアランス空間6内の空気を吸引して清浄化フィルターFを通してクリーンルーム3に通風させる第2通風装置23とが備えられている。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部20は、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を通流させる第5給気路R5を備えており、第5給気路R5が免震クリアランス空間6に接続されている。第5給気路R5には、空気の通流方向の上流側から、空調装置13、再熱部14、室圧制御ダンパDが備えられている。第5給気路R5の下流側端部が、区画空間5の天井部に配置された第2給気口K2に接続されている。第2給気口K2には、免震クリアランス空間6に給気する空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。
免震クリアランス空間6の下方側部位には、免震クリアランス空間6内の空気を吸気する第2吸気口L2が備えられ、第2吸気口L2には第2連通路M2が接続されている。第2連通路M2の下流側端部には、クリーンルーム3に空気を吹き出す第2吹出口N2が備えられている。第2吹出口N2は、クリーンルーム3の側壁部3bの上方側部位に配置され、空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。第2連通路M2の途中には、定風量装置C、第2通風装置23が備えられている。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部20は、空調装置13の作動により、第5給気路R5を通して、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を空調装置13、再熱部14の順に通過させて所望の空調状態とし、第2給気口K2の清浄化フィルターFにて清浄化した清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にて免震クリアランス空間6に供給している。第2通風装置23を作動することで、免震クリアランス空間6内の空気を第2吸気口L2から吸引して第2連通路M2に通流させ、第2吹出口N2の清浄化フィルターFにて清浄空気として所定の一定風量にてクリーンルーム3に供給している。
排気部10は、第2通風装置23により免震クリアランス空間6から通風される清浄空気も含めてクリーンルーム3から外部に排気している。排気部10は、クリーンルーム3に接続された第6排気路E6が備えられている。第6排気路E6の上流側端部が、クリーンルーム3の天井部3aに配置された第1排気口G1に接続され、第1排気口G1には、清浄化フィルターFが備えられている。第6排気路E6の途中には、定風量装置Cが備えられている。排気部10は、排気ファン17の作動により、第6排気路E6を通して、免震クリアランス空間6から通風される清浄空気も含めてクリーンルーム3から所定の一定風量にて外部に排気している。
免震クリアランス空間6について、免震クリアランス空間用清浄空気供給部20が、第5給気路R5を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にて免震クリアランス空間6に供給している。第2通風装置23の作動により、免震クリアランス空間6内の空気を、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に第2連通路M2を通して通流させている。このようにして、免震クリアランス空間6に対して、清浄空気を循環供給させることができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。
第2通風装置23は、免震クリアランス空間6内の空気を吸引して清浄化フィルターFを通してクリーンルーム3に通風させるので、免震クリアランス空間6に供給された清浄空気を利用して、構成の簡素化を図りながら、クリーンルーム3に清浄空気を供給することができる。しかも、排気部10は、第2通風装置23により免震クリアランス空間6から通風される清浄空気も含めてクリーンルーム3から外部に排気しているので、免震クリアランス空間6から外部に排気するための構成を備えなくてもよく、それだけ構成の簡素化を図ることができる。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、制御部18は、第5給気路R5の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第2連通路M2の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。制御部18は、第2通風装置23の作動状態、及び、第6排気路E6の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、クリーンルーム3内の室圧を制御することができる。
クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧の制御について、この第8実施形態では、第7実施形態と同様に、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陰圧(例えば、−5Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧(例えば、+10Pa)に調整している。よって、免震クリアランス空間6への外部からの汚染空気等の流入を防止することができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。仮に、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に空気が流入しても、清浄空気が流入されることになり、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止することができる。しかも、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を陰圧に調整するだけでなく、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧に調整するので、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6への汚染物質等の流出を適切に防止することができ、免震クリアランス空間6よりも外部の第2隣室7b等に汚染物質等が流出するのを適切に防止することができる。
〔第9実施形態〕
この第9実施形態は、第8実施形態における清浄空気供給部9及び排気部10の別実施形態である。以下、図9に基づいて、第9実施形態における清浄空気供給部9及び排気部10について説明する。その他の構成については、第8実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
清浄空気供給部9は、清浄化した清浄空気を免震クリアランス空間6に供給する免震クリアランス空間用清浄空気供給部20と、免震クリアランス空間6とクリーンルーム3とを連通して免震クリアランス空間6から清浄化フィルターFを通してクリーンルーム3への空気の供給を許容する第2連通部24が備えられている。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部20は、第8実施形態と同様の第5給気路R5を備えているので、免震クリアランス空間用清浄空気供給部20の説明は省略する。クリーンルーム3の側壁部3bの下方側部位には、第2連通部24が備えられている。第2連通部24には、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に供給される空気を清浄化するための清浄化フィルターFが備えられている。
免震クリアランス空間用清浄空気供給部20は、空調装置13の作動により、第5給気路R5を通して、外気OA(又は外気OAと還気RAとの混合気)を空調装置13、再熱部14の順に通過させて所望の空調状態とし、第2給気口K2の清浄化フィルターFにて清浄化した清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にて免震クリアランス空間6に供給している。免震クリアランス空間6内の空気は、第2連通部24の清浄化フィルターFにて清浄化されて清浄空気となり、その清浄空気を第2連通部24を通して免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に供給している。
排気部10は、第2連通部24を通して免震クリアランス空間6から供給される清浄空気も含めてクリーンルーム3から外部に排気している。排気部10は、第8実施形態と同様の第6排気路E6を備えているので、排気部10の説明は省略する。排気部10は、排気ファン17の作動により、クリーンルーム3内の空気が第1排気口G1の清浄化フィルターFにて清浄化された後、第6排気路E6を通して、所定の一定風量にて外部に排気している。
この第9実施形態では、図9に示すように、免震クリアランス空間6について、免震クリアランス空間用清浄空気供給部20が、第5給気路R5を通して、所望の空調状態の清浄空気を室圧制御ダンパDにて制御された風量にて免震クリアランス空間6に供給している。第2連通部24により、免震クリアランス空間6内の空気を清浄化して、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に供給している。このようにして、免震クリアランス空間6に対して、清浄空気を循環供給させることができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を向上することができる。
第2連通部24は、免震クリアランス空間6内の空気を清浄化してクリーンルーム3に供給するので、免震クリアランス空間6に供給された清浄空気を利用して、構成の簡素化を図りながら、クリーンルーム3に清浄空気を供給することができる。排気部10は、第2連通部24により免震クリアランス空間6から供給される清浄空気も含めてクリーンルーム3から外部に排気しているので、免震クリアランス空間6から外部に排気するための構成を備えなくてもよく、それだけ構成の簡素化を図ることができる。
制御部18は、図示省略の室圧センサや室間差圧センサ等のセンサ情報に基づいて、定風量装置C、及び、室圧制御ダンパD等の作動状態を制御することで、クリーンルーム3内の室圧及び免震クリアランス空間6内の室圧を制御している。例えば、第2連通部24による免震クリアランス空間6からクリーンルーム3への空気の供給量は、実験等により取得することができる。そこで、制御部18は、その取得した供給量等を用いて、第5給気路R5の室圧制御ダンパDの開度を制御し、第6排気路E6の定風量装置Cにて通流させる一定風量をどのような風量とするかを設定することで、クリーンルーム3内の室圧、及び、免震クリアランス空間6内の室圧を制御することができる。
この第9実施形態では、第7実施形態と同様に、制御部18が、制御部18が、クリーンルーム3内の室圧を陰圧(例えば、−5Pa)に調整し、且つ、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧(例えば、+10Pa)に調整している。よって、免震クリアランス空間6への外部からの汚染空気等の流入を防止することができ、免震クリアランス空間6における空気の清浄度を適切に保持することができる。仮に、免震クリアランス空間6からクリーンルーム3に空気が流入しても、清浄空気が流入されることになり、クリーンルーム3内への汚染空気の流入を防止することができる。しかも、制御部18は、クリーンルーム3内の室圧を陰圧に調整するだけでなく、免震クリアランス空間6内の室圧を陽圧に調整するので、クリーンルーム3から免震クリアランス空間6への汚染物質等の流出を適切に防止することができ、免震クリアランス空間6よりも外部の第2隣室7b等に汚染物質等が流出するのを適切に防止することができる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、空調装置13として、冷却部13a、冷却・加熱部13b、加湿部13cを備えたものを例示したが、その他、各種の空調装置を適用することができる。
(2)上記実施形態では、免震装置2をクリーンルーム3の床部3cに備え、免震装置2にてクリーンルーム3の床部3cを支持するものを例示したが、例えば、建物1の柱に支持架台を取り付け、支持架台から上下に防振ゴム等の免震装置を取り付けた吊り材にてクリーンルーム3を支持する吊り免震構造を採用することもできる。