JP4822886B2 - 電源装置およびガスヒートポンプ式空気調和装置 - Google Patents

電源装置およびガスヒートポンプ式空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、三相交流電圧を直流電圧に変換して出力するコンバータ装置を備える電源装置に係り、特に、ガスヒートポンプ式空気調和装置に利用されて好適な電源装置に関するものである。
従来、空気調和装置の分野において、圧縮機の駆動源としてガスエンジンを利用し、更にガスエンジンの余力で交流発電機を駆動し、交流電力を発電するガスヒートポンプ式空気調和装置が知られている。
このようなガスヒートポンプ式の空気調和装置においては、ガスヒートポンプの負荷変動に伴いガスエンジンの回転数が変化するため、発電される出力周波数や出力電圧が変化するという問題が生ずる。そこで、このような変動を解消し、安定した出力電力を負荷に供給できる装置が開発されている(特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、ガスエンジンの余力で交流電力を発電する発電機からの三相交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータ装置と、コンバータ装置からの直流電力を三相交流電力に変換して負荷に供給するインバータ装置とを備える空気調和装置が開示されている。更に、この特許文献1では、上記コンバータ装置に、直流電力を降圧する降圧回路と、直流電力を昇圧する昇圧回路とを設け、目標電力に応じて前記降圧回路と昇圧回路とを制御することにより、インバータ装置へ供給する電力を安定させている。
また、上記特許文献1には、コンバータ装置の出力と商用電源とを接続し、負荷に対して商用電源からの電力供給も可能としている。
特開2004−147388号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている発明では、コンバータ装置が昇圧回路と降圧回路との双方を備えているため、装置全体が大型化するという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、安定した電力供給が実現できるとともに装置の小型化を図ることのできる電力電源装置およびガスヒートポンプ式空気調和装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、圧縮機の駆動源としてガスエンジンを利用するガスヒートポンプ式空気調和装置に用いられ、前記ガスエンジンの動力によって発電を行う発電機および商用電源を併用した負荷への電力供給を可能とする電源装置であって、前記発電機からの三相交流電圧を所定の値の直流電圧に変換して出力するコンバータ装置を備えるとともに、前記発電機は、最大発電電圧が前記商用電源の電圧と略同等となるように構成されている電源装置を提供する。
このような構成によれば、ガスエンジンの動力によって発電機が発電し、この発電電力である三相交流電圧がコンバータ装置に入力される。コンバータ装置は、三相交流電圧を直流電圧に変換して出力する。この場合において、発電機は、最大発電電圧が商用電源の電圧と略同等となるように構成されているので、発電機からの三相交流電圧は常に商用電源の電圧よりも低いこととなる。したがって、発電機からの電力を負荷に供給する際に、発電電圧を降圧する必要がなく、降圧回路を不要とすることができる。この結果、装置の構成を簡素化することができ、低コスト化、処理負担の低減を図ることが可能となる。
上記の電源装置において、前記コンバータ装置は、前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、前記整流部からの直流電圧を昇圧する昇圧部と、前記昇圧部の駆動制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、出力電圧を一定にするように前記昇圧部を駆動制御する第1のモード制御部を有し、前記発電機の発電電力が前記負荷の要求電力と予め設定されている余裕値とを加算した電力閾値以上である場合に、前記第1のモード制御部による駆動制御を行うこととしても良い。
このような構成によれば、発電機の発電電力が負荷の要求電力と予め設定されている余裕値とを加算した電力閾値以上である場合には、コンバータ装置の出力電圧が一定となるように昇圧部を駆動制御することにより、発電機の発電電力のみで負荷の電力供給を実現させることができる。これにより、発電機による発電電力を効率的に使用することができ、商用電源の電力の消費を抑制することができる。
上記の電源装置において、前記コンバータ装置は、前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、前記整流部からの出力電圧を昇圧する昇圧部と、前記昇圧部の駆動制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、出力電力または出力電流を一定にするべく前記昇圧部を駆動制御する第2のモード制御部を有し、前記発電機の発電電力が前記負荷の要求電力以下である場合に、前記第2のモード制御部による駆動制御を行うこととしても良い。
本発明の電源装置は、発電機の最大発電電圧を商用電源の電圧と略同等に抑えることから、降圧動作を必要とせず、昇圧動作のみによりコンバータ装置の出力電力を制御するものである。換言すると、本発明では、降圧回路を備えないことから、図9に示すように、発電機回転数が最大になる領域において、発電機電圧を商用電源(ここでは、200V)に一致させる必要がある。
ここで、降圧器と昇圧器とを備えている従来のコンバータ装置においては、回転数の低い領域、つまり発電電圧が目標電圧よりも低い領域においては昇圧を行い、回転数の高い領域、つまり、発電電圧が目標電圧よりも高い領域においては降圧を行うことができるので、昇圧と降圧とを組み合わせることにより決め細やかな制御を実現することが可能となる。一方、本発明の電源装置では、降圧器を備えないため、回転数がゼロから最大値をとるまでの全領域において、昇圧動作のみで対応する必要が生じ、このため、昇圧動作のみを用いた独自の制御モードを構築する必要がある。
具体的には、図9および図10に示すように、発電機電圧が低下する低回転領域では、所定の電力を得るために電流値が増加してしまうため、電流値が発電機の特性により決定する最大発電機電流(DC)ILmaxを超える領域が生ずる。したがって、低回転領域では、電流値をセンシングし、最大発電機電流(DC)ILmax以上にならないように昇圧部を制御する必要がある。つまり、低回転領域において電流値を最大発電機電流(DC)ILmax以下に抑える必要があることから、図11に示すように、低回転領域において、発電機の発電量を制限しなければならないこととなる。そうすると、負荷の要求電力に対して発電電力が不足するという事象が生ずる可能性がある。
このような事象に備えて、本発明の電源装置では、発電機の発電電力が負荷の要求電力以下である場合に、出力電力一定制御または出力電流一定制御を行う第2のモード制御部により昇圧部の駆動制御を行うことにより、図12に示すように、負荷の要求電力に対する発電電力の不足分を商用電源から供給することを可能としている。これにより、発電機と商用電源とを併用した電力供給を実現することができ、安定した電力を負荷に供給することが可能となる。
上記の電源装置において、前記第2のモード制御部は、前記整流部と前記昇圧部とを接続する直流電源ラインを流れる電流が、前記発電機の特性によって決まる最大発電機電流以上となる場合に、前記直流電源ラインを流れる電流を一定とする電流一定制御を行い、前記直流電源ラインを流れる電流が前記最大発電機電流未満である場合に、出力電力を一定とする出力一定制御を行うこととしても良い。
上記の電源装置において、前記コンバータ装置は、前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、前記整流部からの出力電圧を昇圧する昇圧部と、前記昇圧部の駆動制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記昇圧部の駆動を停止する第3のモード制御部を有し、前記発電機電圧が前記商用電源の電圧以上となる領域において、前記第3のモード制御部による駆動制御を行うこととしても良い。
本発明の電源装置は、発電機の最大発電電圧を商用電源の電圧と略同等に抑えるものであるが、例えば、定格電圧200Vの商用電源に対応して設計された発電機を、定格電圧180Vの商用電源と併用して用いるような場合、図13に示すように、高回転領域において発電機の電圧が商用電源の定格電圧180Vを超えてしまう領域が発生することから、この回転数領域では昇圧を行うことが不可能となる。
したがってこの領域については、第3のモード制御部を採用することにより、昇圧部の駆動制御を停止することとしている。これは、以下のような理由からである。
即ち、この領域では、発電機電圧が高いことから発電機電流は小さいので、発電機電流の細やかな制御を必要とせず、昇圧部の駆動を停止させることによる影響が小さい。また、この領域では、負荷に接続されるインバータ装置のPWM制御のみで発電機電圧の変動等に対応することが可能であるので、昇圧部の駆動を停止させることによる不具合を解消することができる。
また、本発明の電源装置において、前記制御部は、上述の第1のモード制御部、第2のモード制御部、第3のモード制御部を有し、更に、負荷の要求電力、前記発電機の出力、および前記コンバータ装置の出力に応じて、上記モード制御部を切り替えるモード切替部を有していても良い。
つまり、本発明の電源装置において、前記コンバータ装置は、前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、前記整流部からの出力電圧を昇圧する昇圧部と、
前記昇圧部の駆動制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、出力電圧を一定にするように前記昇圧部を駆動制御する第1のモード制御部と、出力電力または出力電流を一定にするべく前記昇圧部を駆動制御する第2のモード制御部と、前記昇圧部の駆動を停止する第3のモード制御部と、前記負荷の要求電力、前記発電機の出力、および前記コンバータ装置の出力に応じて、制御モードを切り替えるモード切替部とを備えていても良い。
上記の電源装置において、前記制御部は、前記発電機の出力電圧が変動した場合に、その電圧変動に応じて前記昇圧部の駆動制御を調整する駆動調整部を具備することとしても良い。
このような構成によれば、発電機の出力電圧が変動した場合に、この電圧変動を解消させるように昇圧部を駆動制御することが可能となるので、更に安定した電力供給を実現させることができる。
上記の電源装置において、前記発電機の出力電流または/および前記コンバータ装置部に設けられた放熱フィンの温度に基づいて、前記負荷の要求電力を修正する要求電力修正部を備えることとしても良い。
このような構成によれば、発電機の出力電流または/およびコンバータ装置に設けられた放熱フィンの温度に基づいて、負荷の要求電力が修正されるので、例えば、発電機の出力電流が発電機の特性に基づいて決定される最大出力電流以下となる範囲で、また、昇圧部に設けられた放熱フィンの温度を放熱フィンの特性によって決定される最大フィン温度以下となる範囲で、安定した電力供給を行うことができる。また、要求電力を直接的に修正することにより、処理を簡便化することが可能となる。
本発明は、上述の電源装置を備えるガスヒートポンプ式空気調和装置を提供する。
本発明によれば、安定した電力供給が実現できるとともに、装置の小型化を図ることができるという効果を奏する。
以下に、本発明の一実施形態に係る電源装置を有するガスヒートポンプ式空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和装置の冷媒系統の概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、ガスヒートポンプ式空気調和装置は、大きく室内機ユニット10および室外機ユニット20から構成されている。室内機ユニット10には、冷房運転時に低温低圧の液冷媒を蒸発気化させて室内の空気から熱を奪い、暖房運転時には高温高圧のガス冷媒を凝縮液化させて室内の空気を暖める室内熱交換器11と、室内の空気を循環させるファン12と、冷房時に液冷媒を減圧膨張させる室内機膨張弁13とが具備されている。
室外機ユニット20は、その内部でさらに冷媒回路を構成する冷媒回路部30と、ガスエンジン1を中心として、これに付随する機器を備えたガスエンジン部40の大きく二つの構成部分により構成されている。
冷媒回路部30内には、室外熱交換器31、水熱交換器32、2台の圧縮機33a、33b、四方弁35、オイルセパレータ36、膨張弁37、水熱交換器膨張弁38、およびファン39が具備されている。室外熱交換器31は、冷房運転時に高温高圧のガス冷媒を凝縮液化させて屋外の空気に放熱し、逆に暖房運転時には低温低圧の液冷媒を蒸発気化させて屋外の空気から熱を奪う。つまり、冷暖房それぞれの運転時において、室外熱交換器31は、先の室内熱交換器11と逆の働きを行うことになる。
水熱交換器32は、後述するガスエンジン1の冷却水から冷媒が熱を回収するために設けられている。すなわち、暖房運転時において、冷媒はガスエンジン1の冷却水から熱を与えられることになるから、暖房運転の効果を高めることが可能となる。
圧縮機33a、33bは、室内熱交換器11または室外熱交換器31のいずれかより吸入されるガス冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒として吐出する。
また、四方弁35は、圧縮機33a、33bにおいて圧縮された高温高圧のガス冷媒を室内熱交換器11または室外熱交換器31のいずれかに選択的に送出するために設けられている。オイルセパレータ36は、冷媒中に含まれる油分を分離するものである。
膨張弁37は、冷房運転時に室外熱交換器31から送出される高温高圧の液冷媒を減圧、膨張させて低温低圧の液冷媒とするためのものである。また、ファン39は、屋外の空気を室外機ユニット20内部に導入し、室外熱交換器31および後述するラジエータ53に流通させるために設けられている。
一方、ガスエンジン部40にはガスエンジン1を中心として、冷却水系50、排気ガス系60、燃料および空気吸入系70、およびエンジンオイル系80の四つの系が具備されている。
冷却水系50は、水ポンプ51、リザーバタンク52、ラジエータ53を備え、これらと水熱交換器32により構成される回路を冷却水が巡ってガスエンジン1を冷却する系となっている。水ポンプ51は、ガスエンジン1の冷却水を回路に循環させるために設けられている。リザーバタンク52は、この回路を流れる冷却水において、その余剰分を一時貯蔵しておく、あるいは冷却水が回路に不足した場合にそれを供給するためのものである。ラジエータ53は、室外熱交換器31と一体的に構成されたものであって、冷却水がガスエンジン1から奪った熱を外気に放出するために設けられている。
冷却水系50には、上記した構成の他に排気ガス熱交換器54が設けられている。これは排気ガスの熱を冷却水に回収するために設けられているものである。また、冷却水系50には先に説明した水熱交換器32が備えられ、冷媒系30および冷却水系50の両系に跨るように配置されている。これらのことから、暖房運転時には、冷却水はガスエンジン1から熱を奪うだけでなく排気ガスからも熱を回収し、かつその回収された熱が、冷却水より水熱交換器32を通して冷媒に与えられる仕組みになっている。
さらに、冷却水系50には、水熱交換器32に流入する冷却水をバイパスさせるバイパス配管55が設けられている。また、水熱交換器32に冷却水を流通させる経路とバイパス配管55との分岐には、分配流量調整弁である第1水弁56が設けられている。さらに、水熱交換器32に冷却水を流通させる経路とラジエータ53に冷却水を流通させる経路との分岐には、第2水弁57が設けられている。第1水弁56は、冷却水の流路を第2水弁57側とバイパス配管55側とに切り換え、第2水弁57は、水熱交換器32側とラジエータ53側とに冷却水を分配する。
第1・第2水弁56、57は、水熱交換器32、ラジエータ53、ならびにバイパス配管55を流通する冷却水の流路を変更するためのものである。
排気ガス系60は、マフラ61、排気トップ62、ドレンフィルタ63を備え、ガスエンジン1から排出される排気ガスを外部へ導くための系である。マフラ61は、ガスエンジン1が排気ガスを排出するときに伴う騒音を吸収するために設けられている。排気トップ62は、排気ガスに含まれている水分を分離し、これを外部環境に飛散させることのないように設けられている。ドレンフィルタ63は、いま述べた排気トップ62から分離された水分を一時貯蔵しておくために設けられている。
燃料および空気吸入系70は、ガスレギュレータ71、電磁弁72、吸気ボックス73、エアクリーナ74を備え、ガスエンジン1に燃料および空気を供給するための系である。ガスレギュレータ71は、電磁弁72を介して室外ユニット20の外部から供給されるガスの送出圧力を調整するために設けられている。一方、吸気ボックス73は、室外ユニット20外部から空気を取り入れるために設けられている。また、吸気ボックス73は、吸気の際の騒音の発生を抑制する働きも担っている。エアクリーナ74は、このように吸入された空気から塵埃を取り除くために設けられている。
エンジンオイル系80はオイルサブタンク81を備え、ガスエンジン1に潤滑油を供給するために設けられている。ガスエンジン1下部には、エンジン摺動部に供給するオイルをためておくためのオイルパン41aが設けられている。
次に、上記の構成となるガスエンジン駆動式空気調和装置において、室内冷房および暖房のそれぞれの運転時の作用について説明する。まず、冷房運転時において、冷媒回路部30の四方弁35は、圧縮機33a及び33bと室外熱交換器31、室内熱交換器11がそれぞれ接続された状態となっている。この状態では、圧縮機33a、33bより吐出された高温高圧のガス冷媒は室外熱交換器31に送られる。
高温高圧のガス冷媒は室外熱交換器31で凝縮液化され、屋外の空気に放熱して高温高圧の液冷媒となる。さらにこの高温高圧の液冷媒は膨張弁37を通過する過程で減圧されて低温低圧の液冷媒となり、次いで室内熱交換器11で蒸発気化される。冷媒は室内の空気から熱を奪って冷却したのち低温低圧のガス冷媒となり、四方弁35を経て圧縮機33a、33bに吸入される。圧縮機33a、33bに吸入されたガス冷媒は圧縮機33a、33bの作動により圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって再び室外熱交換器31に送られる。
一方、暖房運転時においては、四方弁35は圧縮機33a、33bと室内熱交換器11、水熱交換器32、圧縮機33a、33bとがそれぞれ接続された状態となっている。この状態では、圧縮機33a、33bより吐出された高温高圧のガス冷媒は室内機ユニット10の室内熱交換器11に送られる。高温高圧のガス冷媒は室内熱交換器11で凝縮液化され、室内の空気に放熱して暖めたのち、高温高圧の液冷媒となって水熱交換器32および室外熱交換器31の両方もしくはどちらか一方へと流入する。水熱交換器32においては、高温高圧の液冷媒はエンジン冷却水から熱を奪い蒸発気化して低温低圧のガス冷媒となる。室外熱交換器31においては室外空気から熱を奪い蒸発気化して低温低圧のガス冷媒となる。これらのガス冷媒は、圧縮機33a、33bに吸入される。圧縮機33a、33bに吸入されたガス冷媒は圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって再び室内熱交換器11に送られる。
ガスエンジン1は、冷房運転時、暖房運転時に関わらず圧縮機33a、33bに動力を伝達するために駆動状態にあり、冷却水系50では、排気ガス熱交換器54における排熱回収ならびにガスエンジンにおけるエンジン冷却が常時行われている。そして、排熱を回収した後ガスエンジンを通過して加熱された冷却水は、冷却水系50を構成する配管50aを通じてラジエータ53、水熱交換器32に流通される。
上述したガスヒートポンプ式空気調和装置において、ガスエンジン1の回転数、四方弁の切り替え、室外ファンの回転数および室外膨張弁の開度等は、ガスヒートポンプ式空気調和装置の制御装置(図示せず)により制御される。例えば、ガスエンジン1については、空調負荷に応じて回転数が制御される。つまり、空調負荷が低負荷状態であればガスエンジンの回転数を低下させる制御が行われ、空調負荷が高負荷状態であれば、ガスエンジンの回転数を増加させる制御が行われる。
次に、上述したガスヒートポンプ式空気調和装置の電源装置について図2を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和装置の電源装置を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る電源装置は、ガスエンジン1の動力によって発電を行う発電機100および商用電源200を併用した負荷への電力供給を可能とするものである。
ガスエンジン1には、フレキシブルカップリング等(図示略)を介して発電機100が接続されている。発電機100は3本の交流電源ラインによりコンバータ装置101に接続されている。一方、商用電源200は、3本の交流電源ラインにより変換機201に接続されている。コンバータ装置101から出力している2本の直流電源ラインL、L´は、変換機201から出力している直流電源ラインL1、L1´と各々接続している。接続後の直流電源ラインには、インバータ装置203が並列に接続されている。インバータ装置203は、インバータ制御部207により制御される。各インバータ装置203には、3本の交流電源ラインを介して負荷モータ204乃至206が接続されている。本実施形態において、負荷モータ204および205は、図1に示したガスヒートポンプ式空気調和装置を構成するファン39を駆動するための室外ファンモータであり、負荷モータ206は、冷却水系50に設けられた水ポンプ51を駆動するための水ポンプモータである。
上記発電機100は、例えば、同期モータであり、最大発電電圧が商用電源200の定格電圧と略同等となるように構成されている。具体的には、後述する発電機100の電圧の最大値が商用電源200の定格電圧と略同等となるように、発電機100が備えるステータの巻き線数が設計されている。
図3に、定格電圧200Vの商用電源200に対応して設計された発電機100の特性の一例を示す。図3において、横軸はモータ速度(r/min)であり、縦軸は、電圧および電流である。図3において無負荷端子電圧Vnはモータ速度と比例関係にあり、最大速度(=最大回転数)において商用電源200の定格電圧(=200V)となるように設計されている。また、短絡電流Isは、モータ速度が0から500[r/min]のあたりまで、急激に増加し、その後、42A程度で安定する特性を持つ。また、連続定格電流Irは、15A一定となっている。なお、周囲温度が70℃においては、12Aで一定となる。
図2に戻り、コンバータ装置101は、発電機100からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部104と、整流部104からの電圧を昇圧する昇圧部105とを主な構成要素として備えている。整流部104は、発電機100の出力側と3本の交流電源ラインを介して接続され、該交流電源ラインを介して入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して出力する整流器106と、整流器106の出力側に設けられた平滑コンデンサ107とを備えている。
整流器106は、例えば、ダイオードブリッジ等により構成されている。平滑コンデンサ107は、一端がハイレベルの直流電源ラインLに接続され、他端がローレベルの直流電源ラインL´に接続されている。
昇圧部105は、ハイレベルの直流電源ラインLに設けられたリアクタ108と、リアクタ108と直列に接続されるダイオード109とを備えている。このダイオード109は、リアクタ108側にアノードが接続されている。
更に昇圧部105は、一端がリアクタ108とダイオード109との接続点に接続され、他端がローレベルの直流電源ラインL´に接続されるとともに、リアクタ108の出力端を断続的に短絡させるスイッチング素子110と、このスイッチング素子110のオン/オフを制御する制御装置120を備えている。スイッチング素子110は、例えば、IGBT、MOSFET、トランジスタ等である。更に、昇圧部105のスイッチング素子110並びにダイオード109及び整流部104の整流器106の近傍には、放熱フィン111が設けられている。
変換器201は、商用電源200からの三相交流電圧のノイズを除去するノイズフィルタ210と、ノイズフィルタ210によりノイズが除去された三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部211と、整流部211から出力された直流電圧のリップルを除去するローパスフィルタ212とを備えている。ローパスフィルタ212を構成するコンデンサ213の両端には、コンバータ装置101からの直流電源ラインL、L´がそれぞれ接続されている。
上記コンバータ装置101において、発電機100と整流器106とを接続する3本の交流電流ラインのうちの1本には、発電機100のAC電流Ig(平均値)を検出するための電流センサが設けられている。また、平滑コンデンサ107の両端には、発電機100のDC電圧Vgを検出するための電圧センサが設けられている。また、ハイレベルの直流電源ラインLには、発電機100のDC電流(瞬時値)ILを検出するための電流センサが設けられている。また、放熱フィン111には、放熱フィンの温度Tfを検出する温度センサが設けられている。
上記変換器201において、商用電源200とノイズフィルタ210とを接続する3本の交流電圧ラインには、商用電源の三相交流電圧のDC電圧(=線間ピーク電圧)Vsを検出するための電圧センサが設けられている。また、ローパスフィルタ212を構成するコンデンサ213の両端には、コンバータ装置101の出力電圧Vcを検出するための電圧センサが設けられている。
上述した電流センサ、電圧センサ、温度センサによる検出値Ig、Vg、IL、Tf、Vs、Vcは、制御装置120へ入力され、後述するコンバータ装置101の昇圧部105の制御等に用いられる。
このような構成を備える電源装置においては、ガスエンジン1の動力により発電機100にて発電された三相交流電圧は、コンバータ装置101の整流器により直流電圧に変換され、更に平滑コンデンサ107の作用により、リップル成分が除去され、昇圧部105に入力される。昇圧部105では、後述する制御装置120により、スイッチング素子110が所定のデューティ比でオン/オフ駆動されることにより、整流器104からの直流電圧が一定の値に制御される。昇圧部105の出力は、コンバータ装置101の出力として商用電源200との連携箇所を経由して各インバータ装置203に供給される。インバータ装置203に供給された直流電圧は、負荷モータ204、205、206に応じた周波数の三相交流電圧に変換されて、負荷モータ204、205、206にそれぞれ供給される。
次に、上記昇圧部120のスイッチング素子110の駆動制御を行う制御装置120について詳しく説明する。
制御装置120は、コンバータ装置101の出力電圧Vcを一定に制御するべく昇圧部105を駆動制御する第1のモード制御部121と、コンバータ装置101の出力電力または出力電流を一定にするべく昇圧部105を駆動制御する第2のモード制御部122と、昇圧部105の駆動を停止する第3のモード制御部123と、負荷の要求電力、発電機100の出力、およびコンバータ装置101の出力に応じて、制御モードを切り替えるモード切替部124とを備えている。更に、制御装置120は、発電機100の出力電圧Vgが変動した場合に、その電圧変動に応じて昇圧部105の駆動制御を調整する駆動調整部125、ならびに、発電機100のAC電流Igおよびフィン温度Tfに基づいて、負荷の要求電力を修正する要求電力修正部126を備えている。
上記第1のモード制御部121は、図4に示すように、商用電源200のDC電圧Vsと目標電圧差ΔVとが入力され、これらの値を加算する加算器130と、加算器130の出力から出力電圧Vcを減算する減算器131と、減算器131の出力に対して比例積分制御を行い、算出結果をスイッチング素子110のデューティ比として出力するPI制御器132とを備えている。
上記目標電圧差ΔVは、コンバータ装置101の目標出力電圧から商用電源の電圧を減算した値であり、例えば、0Vよりも大きい値(例えば、10Vなど)に設定される。また、デューティ比とは、図5に示すように、スイッチング素子110のオフ時間TOFFとオン時間TONとの比率である。
第2のモード制御部122は、図6に示すように、発電機100のDC電圧Vgと上位の制御装置から入力される要求電力Wcとに基づいて要求電流Icを決定する要求電流決定部134と、発電機100のDC電流ILと要求電流決定部134によって決定された要求電流Icとが入力され、発電機100のDC電流ILから要求電流Icを減算する減算器135と、減算器135の出力に対して比例積分制御を行い、算出結果をスイッチング素子110のデューティ比として出力するPI制御器136とを備えている。
上記要求電流決定部134は、例えば、上位の制御装置から入力される要求電力Wcを発電機のDC電圧Vgで割ることによって仮要求電流Ic´を算出し、この仮要求電流Ic´が発電機100の特性により決定される最大発電機DC電流ILmax(図10参照)よりも大きかった場合に、要求電流Icを最大発電機DC電流ILmaxとし、この仮要求電流Ic´が最大発電機電流ILmax以下であった場合に、仮要求電流Ic´を要求電流Icとする。
これにより、仮要求電流Ic´が発電機の最大発電機DC電流ILmaxよりも大きかった場合には、発電機のDC電流を最大発電機DC電流ILmaxで一定とする電流一定制御が行われ、また、仮要求電流Ic´が最大発電機電流ILmax以下であった場合には、コンバータ装置101の出力電力を一定とする出力電力一定制御が行われることとなる。
第3のモード制御部123は、スイッチング素子110をオフとする制御であり、これによりコンバータ装置110の昇圧動作を停止させる制御を行う。
駆動調整部125は、図7に示すように、上記第1のモード制御部121または第2のモード制御部122により決定されたデューティ比が入力され、このデューティ比を発電機100のDC電圧Vgの変動値ΔVgに基づいて調整する制御部である。具体的には、発電機100のDC電圧Vgの変動値ΔVgを求める電圧変動演算部140と、電圧変動演算部140により求められた変動値ΔVgを比例積分制御し、制御結果をデューティ比として出力するPI制御器141と、PI制御器141からのデューティ比と、第1のモード制御部121または第2のモード制御部122からのデューティ比とが入力され、これらのデューティ比の差分を算出する減算器142とを備えている。
このような構成を備える駆動調整部125を設けることにより、発電機100のDC電圧Vgに急峻な電圧変動が発生した場合に、その変動に速やかに追従した好適な昇圧制御を実現することが可能となる。この結果、更に安定した電力をコンバータ装置101からインバータ装置203に供給することができる。
要求電力修正部126は、図8に示すように、発電機100のAC電流Igから第1の電力調整値Wgを求める第1の調整値算出部145と、フィン温度Tfから第2の電力調整値Wfを求める第2の調整値算出部146と、上記第1の電力調整値Wgと、第2の電力調整値Wfと、上位の制御装置から入力される要求電力Wcとを用いて、上位の制御装置から入力される要求電力Wcを修正し、修正後の要求電力Wcを出力する修正部147とを備えている。但し、調整値算出部145、146及び修正部147の制御周期は、制御の実施内容が反映されるのに時間を要するため、モード制御部が数msの周期であるのに対し、数sの周期にする必要がある。
上記第1の調整値算出部145は、発電機100のAC電流Igが発電機100の最大AC電流Igmaxに基づいて決められる第1の閾値Ih1よりも大きい場合に実行することが発生し、初期値を0とした電力値Wg´に、所定量ΔWを加算した値を第1の電力調整値Wgとして出力する。ここで、第1の閾値Ih1は、例えば、発電機100の最大AC電流Igmaxに設定されている。また、所定量ΔWは、予め設定されている値であり、任意の値をとりうる。
また、第1の調整値算出部145は、発電機100のAC電流Igが上記第1の閾値Ih1以下であって、かつ、発電機100の最大AC電流Igmaxに基づいて決められるとともに、上記第1の閾値Ih1よりも小さい値である第2の閾値Ih2よりも大きい場合には、電力値Wg´を補正することなく第1の電力調整値Wgとしてそのまま出力する。
ここで、第2の閾値Ih2は、例えば、発電機100の最大AC電流Igmaxから1[A]減算した値に設定されている。なお、上記第1の閾値Ih1、第2の閾値Ih2は、一例であり、他の値を採用することが可能である。本制御は、上述したように制御周期が遅い為、瞬時値の発電機DC電流ILでなく、平均値の発電機AC電流Igを使っている。
また、第1の調整値算出部145は、発電機100のAC電流Igが上記第2の閾値Ih2以下であった場合には、電力値Wg´に所定量ΔWを減算した値を第1の電力調整値Wgとして出力する。従って、第1の調整値算出部145は、電力値Wg´が0より大きい間、実行されるもので、0になると中止され、その後、発電機100のAC電流Igが第1の閾値Ih1より大きくなった場合、再度実行させるものである。
上記第2の調整値算出部146は、フィン温度Tfが放熱フィン111の特性によって決定される最大温度Tfmaxに基づいて決められる第1の閾値Th1よりも大きい場合に実行することが発生し、初期値0とした電力値Wf´に、所定量ΔWを加算した値を第2の電力調整値Wfとして出力する。ここで、第1の閾値Th1は、例えば、放熱フィン111の最大温度Tfmaxに設定されている。また、所定量ΔWは、予め設定されている値であり、任意の値をとりうる。この所定量ΔWは、上述の第1の調整値算出部145で用いられる所定量ΔWと同一の値としても良いし、異なる値としても良い。
また、上記第2の調整値算出部146は、フィン温度Tfが上記第1の閾値Th1以下であって、かつ、放熱フィン111の特性によって決定される最大温度Tfmaxに基づいて決められるとともに、上記第1の閾値Th1よりも小さい値である第2の閾値Th2よりも大きい場合には、電力値Wf´を補正することなく、第2の電力調整値Wfとしてそのまま出力する。
ここで、第2の閾値Th2は、例えば、放熱フィン111の最大温度Tfから5[℃]低い値に設定されている。なお、上記第1の閾値Th1、第2の閾値Th2は、一例であり、他の値を採用することが可能である。
また、上記第2の調整値算出部146は、フィン温度Tfが上記第2の閾値Th2以下であった場合には、電力値Wf´に所定量ΔWを減算した値を第2の電力調整値Wfとして出力する。従って、第2の調整値算出部146は、電力値Wf´が0より大きい間、実行されるもので、0になると中止され、その後、フィン温度Tfが第1の閾値Th1より大きくなった場合、再度実行させるものである。
修正部147は、上位の制御装置から入力される要求電力Wcから上記第1の電力調整値Wgと第2の電力調整値Wfとを減算することにより、上位の制御装置から入力される要求電力Wcを修正し、修正後の要求電力Wcを上述した第1のモード制御部121、第2のモード制御部および後述するモード切替部124に出力する。これにより、修正後の要求電力Wcに基づく出力電圧一定制御や出力電力一定制御、出力電流一定制御等が行われることとなる。
このように、要求電力Wcを発電機100のAC電流Igやフィン温度Tfに基づいて修正することにより、発電機100のAC電流Igが発電機100の特性に基づいて決定される最大AC電流Igmax以下となる範囲で、また、コンバータ装置内に設けられた放熱フィン111の温度Tfを放熱フィン111の特性によって決定される最大温度Tfmax以下となる範囲に抑制しながら、安定した電力供給を行うことができる。更に、要求電力Wcを直接的に修正することにより、電流値等を修正する場合に比べて修正処理を簡便化することが可能となる。
次に、モード切替部124について説明する。
モード切替部124は、上位の制御装置から入力される要求電力Wc、発電機100の出力、およびコンバータ装置101の出力に応じて、上記モード制御部121乃至123を切り替える。具体的には、以下の条件に基づいて、適切なモード制御部を選択する。
Figure 0004822886
次に、本実施形態に係る電源装置の動作内容について説明する。
まず、発電機100の起動時においては、モード切替部124によって第2の制御部122が選択されることとなる。
この状態において、上位の制御装置からの要求電力Wcが制御装置120に入力されるとともに、コンバータ装置101および変換器201に設けられている各種センサにより電圧値、電流値、温度がそれぞれ検出され、検出値Ig、Vg、IL、Tf、Vs、Vcが制御装置120に入力される。
制御装置120において、上位の制御装置からの要求電力Wcは、要求電力修正部126に入力される。要求電力修正部126では、各種センサの検出値に基づいて第1の電力調整値Wgおよび第2の電力調整値Wfが求められ、これらの電力調整値を用いて上位装置からの要求電力Wcが修正される。修正後の要求電力Wcは、第2のモード制御部122に出力される。
第2のモード制御部122では、図6に示したように、要求電流決定部134により要求電流Icが決定され、この要求電流Icと発電機100のDC電流ILとの差分が減算器135により算出され、この減算器135の算出結果に対して比例積分制御がPI制御器136においてなされる。そして、PI制御器136からの出力に応じたデューティ比が決定されて出力される。
第2のモード制御部122から出力されたデューティ比は、図7に示す駆動調整部125に入力される。駆動調整部125では、電圧変動演算部140によりDC電圧Vgの変動値ΔVgが求められ、この変動値Vgに対して比例積分制御がPI制御器141により行われ、この結果が減算器142に入力される。減算器142では、第2のモード制御部122により決定されたデューディ比からPI制御器141の出力を減算することにより、デューティ比が調整され、調整後のデューティ比に基づいてコンバータ装置101のスイッチング素子110が駆動されることとなる。
この結果、コンバータ装置101の昇圧部105は、コンバータ装置101の出力電力または出力電流が一定となるように駆動制御され、電力一定の出力、または、電流一定の出力が2本の直流電源ラインL、L´を介してインバータ装置203へ供給されることとなる。この場合において、負荷の要求電力よりもコンバータ装置101の出力電力が小さく、電力に不足分が生じていた場合には、その不足分が商用電源200からの電力供給により補われることとなる。これにより、例えば、発電機100の機動時における電力供給不足を解消することが可能となる。
次に、発電機100の起動開始からある程度時間が経過することにより、Vc>Vs+α,かつ,IL<Icの条件を満たすと、モード切替部124により第1のモード制御部121が選択されることとなる。これにより、電圧一定制御が実現されることとなる。
具体的には、図4に示した第1のモード制御部121の加算器130によりDC電圧Vsと目標電圧差ΔVとが加算され、この加算器130の出力とコンバータ装置101の出力電圧Vcとの差分が減算器131により算出される。減算器131の算出結果はPI制御器132に入力されることにより比例積分制御が行われ、この制御結果がデューティ比として出力される。このデューティ比は、駆動調整部125に入力されて、現在の発電機100のDC電圧の変動に応じた調整が施され、調整後のデューティ比に基づいて昇圧部105のスイッチング素子110が駆動されることとなる。これにより、コンバータ装置の出力電圧を一定とする制御が実現され、電圧値一定の出力が各インバータ装置203へ供給されることとなる。
このような制御が行われている間にも、モード切替部124により上述した表1に示した条件を満たすか否かが判断され、コンバータ装置101の動作状態、上位の制御装置からの要求電力などに応じてモード制御部の切り替えが行われる。この結果、好ましいタイミングで電圧一定制御、電力一定制御、電流一定制御の切り替えが行われ、安定した電力をインバータ装置203を介してモータ負荷204乃至206に供給することが可能となる。
また、モード切替部124は、上位の制御装置からの要求電力Wcがゼロになった場合、或いは、図示していない保護回路が作動することにより、保護停止指令が出された場合には、第3のモード制御部123を選択することにより、昇圧部105の駆動を停止する。
以上説明してきたように、本実施形態に係る電源装置によれば、発電機100の最大発電電圧が商用電源の定格電圧と略同等となるように、発電機100のステータの巻線数が設計されているので、コンバータ装置101の降圧器を不要とすることができる。これにより、コンバータ装置101の構成を簡素化することができ、低コスト化、処理負担の低減を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係る電源装置によれば、第1のモード制御部121、第2のモード制御部122、第3のモード制御部123を備えるとともに、これらを適切なタイミングで切り替えるモード切替部124を備えているので、降圧器を不要としたことによる、さまざまな問題点、例えば、発電機のDC電圧Vgの変動、発電機のAC電流Ig、DC電流ILの増加、負荷変動、スイッチング素子の電流増加に伴う放熱フィン111の温度上昇を解消することが可能となる。これにより、安定した電力をモータ負荷204乃至206に供給することができる。
また、本実施形態に係る電源装置によれば、制御装置120が発電機100の出力電圧が変動した場合に、その電圧変動に応じて昇圧部105の駆動制御を調整する駆動調整部125を備えているので、発電機100のDC電圧Vgが変動した場合に、この電圧変動ΔVgを解消させるように昇圧部105を駆動制御することが可能となるので、更に安定した電力供給を実現させることができる。
また、本実施形態に係る電源装置によれば、制御装置120が発電機100のAC電流Igおよび昇圧部105に設けられた放熱フィン111の温度Tfに基づいて、負荷の要求電力Wcを修正する要求電力修正部126を備えているので、発電機100のAC電流Igおよび放熱フィン111の温度Tfに基づいて、負荷の要求電力Wcを修正することが可能となり、発電機100のAC電流Igが最大AC電流Igmax以下となる範囲内に抑えるとともに、放熱フィン111の温度Tfを放熱フィン111の最大温度Tfmax以下の範囲に抑えながら、安定した電力供給を行うことができる。
なお、上述した実施形態に係る電源装置においては、定格200Vの商用電源に対応して設計された発電機100と、定格200Vの商用電源とを併用して負荷へ電力供給を行う場合について述べたが、例えば、上記発電機100と定格180Vの商用電源とを併用して負荷へ電力供給を行う場合には、図13に示すように、高回転領域において発電機100の電圧が商用電源の定格電圧180Vを超えてしまうこととなる。
このような場合には、昇圧が不可能となるため、制御装置120のモード切替部124が、発電機100のDC電圧Vgが商用電源のDC電圧Vs以上となる領域において、第3のモード制御部123を選択することにより、昇圧部105の駆動制御を停止することとする。これは以下のような理由からである。
即ち、この領域では、発電機電圧が高いことから発電機電流は小さいので、発電機電流の細やかな制御を必要とせず、昇圧部の駆動を停止させることによる影響が小さい。また、この領域では、負荷に接続されるインバータ装置のPWM制御のみで発電機電圧の変動等に対応することが可能であるので、昇圧部の駆動を停止させることによる不具合を解消することができる。
また、上述した実施形態では、制御装置120としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、各センサからの検出信号に基づいて別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、制御装置120は、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、CPUが上記記憶媒体に記録されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の故障診断装置と同様の処理を実現させる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の一実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和装置の冷媒系統の概略構成を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和装置の電源装置を示す図である。 本発明の一実施形態に係る発電機の特性を示した図である。 図2に示した第1のモード制御部の概略構成を示す図である。 デューティ比について説明するための図である。 図2に示した第2のモード制御部の概略構成を示す図である。 図2に示した駆動調整部125の概略構成を示す図である。 図2に示した要求電力修正部126の概略構成を示す図である。 本発明に係る発電機の回転数−電圧特性と従来の発電機の回転数−電圧特性とを比較して示した図である。 本発明に係る発電機の回転数−電流特性と従来の発電機の回転数−電流特性とを比較して示した図である。 本発明に係る発電機の回転数−発電量特性を示した図である。 本発明に係る電源装置における負荷の電力要求に対する発電量の充足量を示した図である。 定格電圧200Vの商用電源に対応して設計された発電機を定格電圧200Vの商用電源と併用して使用する場合の回転数−DC電圧特性と、定格電圧200Vの商用電源に対応して設計された発電機を定格電圧180Vの商用電源と併用して使用する場合の回転数−DC電圧特性とを比較して示した図である。
符号の説明
1 ガスエンジン
100 発電機
101 コンバータ装置
104 整流部
105 昇圧部
108 リアクタ
109 ダイオード
110 スイッチング素子
111 放熱フィン
120 制御装置
121 第1のモード制御部
122 第2のモード制御部
123 第3のモード制御部
124 モード切替部
125 駆動調整部
126 要求電力修正部
200 商用電源
201 変換器
203 インバータ装置

Claims (8)

  1. 圧縮機の駆動源としてガスエンジンを利用するガスヒートポンプ式空気調和装置に用いられ、前記ガスエンジンの動力によって発電を行う発電機および商用電源を併用した負荷への電力供給を可能とする電源装置であって、
    前記発電機からの三相交流電圧を所定の値の直流電圧に変換して出力するコンバータ装置を備えるとともに、前記発電機の最大発電電圧が前記商用電源の電圧と略同等となるように、前記発電機が構成されている電源装置。
  2. 前記コンバータ装置は、
    前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、
    前記整流部からの直流電圧を昇圧する昇圧部と、
    前記昇圧部の駆動制御を行う制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、出力電圧を一定にするように前記昇圧部を駆動制御する第1のモード制御部を有し、前記発電機の発電電力が前記負荷の要求電力と予め設定されている余裕値とを加算した電力閾値以上である場合に、前記第1のモード制御部による駆動制御を行う請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記コンバータ装置は、
    前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、
    前記整流部からの出力電圧を昇圧する昇圧部と、
    前記昇圧部の駆動制御を行う制御部と
    を備え、
    前記制御部は、出力電力または出力電流を一定にするべく前記昇圧部を駆動制御する第2のモード制御部を有し、前記発電機の発電電力が前記負荷の要求電力以下である場合に、前記第2のモード制御部による駆動制御を行う請求項1に記載の電源装置。
  4. 前記第2のモード制御部は、前記整流部と前記昇圧部とを接続する直流電源ラインを流れる電流が、前記発電機の特性によって決まる最大発電機電流以上となる場合に、前記直流電源ラインを流れる電流を一定とする電流一定制御を行い、前記直流電源ラインを流れる電流が前記最大発電機電流未満である場合に、出力電力を一定とする出力一定制御を行う請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記コンバータ装置は、
    前記発電機からの三相交流電圧を直流電圧に変換する整流部と、
    前記整流部からの出力電圧を昇圧する昇圧部と、
    前記昇圧部の駆動制御を行う制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記昇圧部の駆動を停止する第3のモード制御部を有し、前記発電機電圧が前記商用電源の電圧以上となる領域において、前記第3のモード制御部による駆動制御を行う請求項1に記載の電源装置。
  6. 前記制御部は、前記発電機の出力電圧が変動した場合に、その電圧変動に応じて前記昇圧部の駆動制御を調整する駆動調整部を具備する請求項1から請求項5のいずれかに記載の電源装置。
  7. 前記発電機の出力電流または/および前記コンバータ装置が備えるフィンの温度に基づいて、前記負荷の要求電力を修正する要求電力修正部を備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の電源装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電源装置を備えるガスヒートポンプ式空気調和装置。
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