JP4821075B2 - リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池用電極及びそのリチウム二次電池用電極を用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラや携帯型電話機等のコードレス電子機器の発達はめざましく、これら民生用途の電源として電池電圧が高く、高エネルギー密度を有したリチウム二次電池が注目され、実用化が進んでいる。
【0003】
上記リチウム二次電池の正極活物質としては主として4V程度の電池電圧を示し高容量(高エネルギー密度)なLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられ一部実用化されている。更には上記リチウム遷移金属複合酸化物と軽量かつ理論容量の高いポリアニリン等の高分子系活物質を複合した系(特開平10−188985等)も検討されている。尚、負極活物質としてはリチウムを電気化学的に吸蔵、放出し得る材料で、デンドライト状リチウムが発生しない炭素材料が主に用いられ、一部実用化されている。
【0004】
また民生用途とは別に、環境問題等を背景として自動車分野でも電気自動車やハイブリッド自動車の開発がなされており、車載用電源としてリチウム二次電池が注目され、検討されている。
【0005】
しかし車載用の電源として用いる場合、民生用途と比較して使用条件が厳しくなる。すなわち高エネルギー密度の要求に加えて、室温下での高出力特性、更には寒冷地でのエンジン始動の必要性から低温下(−30℃程度)での数秒間の高い出力特性まで要求される。
【0006】
これに対し、例えば室温での高出力化等の特性の改善を解決するために、電極薄膜化による低抵抗化等が試みられ、ある程度、特性改善したリチウム二次電池の提供が可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術のリチウム二次電池では、低温下においては、電池材料自体に起因した大きな内部抵抗増加(特に固液界面での電荷移動抵抗の増加が著しい)が生じるため、充分な短時間出力特性が得られず、要求される特性を満足することは非常に難しい。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡便かつ安価に、低温での短時間出力特性を満足するリチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池を提供することを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決する目的で鋭意研究を重ねた結果、リチウムイオンを吸蔵乃至は放出できる活物質と特定のキャパシタ材料とを特定の条件にて混在させることにより、簡便かつ安価に、低温での短時間出力特性(以後、低温出力と呼ぶ)を満足するリチウム二次電池用正極又は負極を見出した。以下説明する。
【0010】
リチウム二次電池を大電流で放電した場合、電池内部の抵抗により大きく電圧が降下する。特に−30℃程度の低温下では抵抗が著しく増加し、大電流で放電を開始した瞬間に電池の作動下限電圧まで電圧降下するため、ほとんど出力が得られない。
【0011】
活物質として正極にリチウム複合酸化物、負極に炭素材料を用いたリチウム二次電池を例に挙げると、充放電反応(電池反応)に伴い電解液中のリチウムイオンが活物質内外に吸蔵、脱離する。この吸蔵、脱離による反応はスピードが遅く、大電流で放電すると大きな反応抵抗を生じると考えられる。特に低温下では活物質の結晶格子の収縮や活物質への電解液の濡れ性の低下等の影響により抵抗増加が顕著となると考えられる。
【0012】
そこで低温出力向上の手段として、リチウム二次電池と充放電時の高速応答性に優れた反応抵抗が小さいと考えられるキャパシタとを混在させる方法に着目した。
【0013】
キャパシタと電池との併用については、低温下での電池の特性低下を改善する目的で検討されている(「大容量キャパシタ技術と材料」P144、シーエムシー)が、2つのデバイスで電源を構成した場合、部品点数の増加、電源質量や体積の増加等のため、限られたスペースの有効利用が必須である車載用電源としては好ましくなかった。
【0014】
そのために、リチウム二次電池内部で活物質とキャパシタ材料とを混在させる方法に着目した。この方法を採用すれば、電池材料による大きな反応抵抗と等価回路上で並列にキャパシタ成分が存在するため、大電流放電時における電圧過度応答特性が変化する。すなわち、キャパシタ容量の大きな材料を電極内に混在させれば、時定数増加に伴い電池電圧の降下スピードが鈍り、低温下での短時間出力が向上する。
【0015】
高エネルギー密度、高サイクル特性達成の目的でリチウム二次電池内部でリチウム二次電池正極に電気二重層キャパシタの材料として用いられる活性炭を配合した系(特開2001−110418号公報)が検討されている。しかし、本来のリチウム二次電池の容量を低下させない範囲での電気二重層キャパシタ材料の配合ではキャパシタ容量の絶対値が低く、低温での短時間出力特性においては、若干の特性改善はみられるものの、充分な特性は得られていない。
【0016】
そこで、電極内に電池作動電圧範囲の一部又は全てにおいてキャパシタとして大きな容量をもつキャパシタ材料を含有するべく鋭意研究を重ねた結果、キャパシタ材料として疑似容量をもつ有機系キャパシタ材料を含有し、合材のBET表面積が含有する有機系キャパシタ材料の質量当り30m2/g以上である電極を用いることにより課題を解決できることを見出した。
【0017】
最も一般的なキャパシタ材料である活性炭は、電解質イオンの物理的な吸脱着に伴う電気二重層容量を利用したものである。これに対して有機系材料を用いたキャパシタは、レドックス反応により発現する容量(一般的に疑似容量又はレドックス容量と呼ばれる)を利用している。従って、物理的な吸脱着を利用する活性炭に比べ、大きな充放電容量(キャパシタ容量)をもつ材料として利用できる。
【0018】
また、レドックス反応という点では、電池の活物質の反応と同じであるが、吸蔵・脱離反応による通常の電池活物質に比べると、よりマイルドな現象(化学的な吸脱着等)を利用しているため、構成を工夫すれば活性炭並の高速な充放電が可能となる。検討の結果、合材のBET表面積が含有する有機系キャパシタ材料の質量を基準として30m2/g以上の電極を用いれば高容量なキャパシタとして充分に機能し、低温出力特性が向上することを見出した。これは、30m2/g以上とすることにより、高速なレドックス反応が可能な材料表面部が増加し、大きなキャパシタ容量が得られたためと考えられる。なお、本明細書において「疑似容量をもつ有機系キャパシタ材料」とは、リチウム二次電池の作動電圧内でレドックス反応が進行する材料である。
【0020】
そして、本発明の電極を負極に適用する場合は、活物質として1種以上の炭素材料を含有し、有機系キャパシタ材料として1種以上のN型導電性高分子(還元時にはそのエネルギー準位において最低空準位に電子が取りこまれ導電性高分子が負電荷を帯び、電荷を補償するためにカチオンが吸着する)を有することが好ましい(請求項)。導電性高分子は電解質イオンの吸脱着を利用するものであり高分子系キャパシタ材料の中でもレドックス反応速度が速く、さらにN型の材料を用いることにより炭素材料との作動電圧範囲のマッチングが容易なためである。
【0021】
また、有機系キャパシタ材料の少なくとも一部表面被覆する高比表面積な炭素材料を有することが好ましい(請求項2又は3)。高分子系キャパシタ材料を被覆できる高比表面積な炭素材料を有することで、合材のBET表面積を大きくすることが容易となる。この炭素材料は、BET比表面積が1000m2/g以上であり、合材質量に対して0.1質量%以上含有することでより効果的に非常に大きなキャパシタ容量が得られ、低温出力が向上できる(請求項4)。
【0022】
また、上記課題を解決する本発明のリチウム二次電池は、上述した電極を正極又は負極に適用したことを特徴とする(請求項)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のリチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池について実施形態に基づいて説明する。なお。本発明は、以下の実施形態により限定されるものではない。
【0024】
(リチウム二次電池用電極)
本実施形態のリチウム二次電池用電極は、活物質と有機キャパシタ材料とを含む合材と、その他必要に応じた要素とからなる。合材はBET比表面積が有機系キャパシタ材料の質量を基準として、30m2/g以上である。BET比表面積は窒素を用いて測定した値である。活物質はリチウムイオンを吸蔵乃至は放出できる物質である。本電極は活物質の種類を正極活物質とすると正極に、負極活物質とすると負極になる。以下、正極と負極とに分けてそれぞれ説明する。
【0025】
〈正極〉
正極として作用する本リチウム二次電池用電極は、活物質としての正極活物質と有機キャパシタ材料とを含む合材を有する。
【0026】
正極活物質としては、少なくとも1種以上のリチウム含有複合酸化物が好ましい。リチウム含有複合酸化物は、電子とリチウムイオンの拡散性能にすぐれるなど活物質としての性能に優れる。そのため、このようなリチウムおよび遷移金属の複合酸化物を正極の活物質に用いれば、高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られる。
【0027】
正極活物質としては、1種以上の層状構造のリチウム含有複合酸化物であることがさらに好ましい。層状構造のリチウムニッケルコバルトアルミ含有複合酸化物、リチウムマンガンアルミ含有複合酸化物またはリチウムマンガンクロム含有複合酸化物を含むことが好ましい。
【0028】
これは、一定電圧回路(例えば、4.2V〜3V)で充放電を行う場合、スピネル構造のリチウムマンガン含有複合酸化物等は充放電電圧が高電位側に偏っているため(平均充放電電圧:約4V)、放電により高出力密度は得られるものの、充電による回生密度が小さくなってしまうのに対して、層状構造の材料を用いると、充放電時の構造変化の影響と考えられるが、充放電による電圧の偏りが少なく(平均電圧:約3.8V以下)、バランスよく高出力密度および高回生密度を得ることができる。また、層状構造のリチウムニッケル含有複合酸化物、リチウムマンガン含有複合酸化物は、その組成の一部をアルミやクロム等の他元素で置換することがより好ましい。活物質内部の電子状態が変化し結晶構造が強化される高温環境下での無機正極活物質の劣化が小さくなるからである。
【0029】
また、その他にも必要に応じて一般的なリチウム含有複合酸化物を1種以上、混合して用いることもできる。例えば、Li(1-X)NiO2、Li(1-X)MnO2、Li(1-X)CoO2や、各々にLi、Al、Crなどの金属を添加または置換した材料等である。この正極活物質の例示におけるxは0〜1の数を示す。なお、これらの正極活物質は単独で用いるばかりでなくこれらの正極活物質を複数混合してもよい。
【0030】
正極活物質にはBET比表面積が1.5m2/g以下、好ましくは1.0m2/g以下であることが好ましい。一定以下の比表面積にすることにより、正極活物質と電解液による副反応を抑制することができるため、長寿命化が可能となる。正極活物質の比表面積の制御方法としては特に制限されるものではないが、比表面積は原材料の比表面積に大きく影響を受けるため、所定の条件で原材料を粉砕及び/又は分級し制御することが好ましい。なお、焼成し作製した後に粉砕および/又は分級してもよい。
【0031】
有機系キャパシタ材料としては、1種以上のP型導電性高分子を含有することが好ましい。P型導電性高分子として、ポリアニリン、ポリパラフェニリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリチオフェン、ポリピロールおよびそれらの誘導体が例示できる。有機キャパシタ材料は高比表面積炭素材料に被覆されている。高比表面積な炭素材料は、BET比表面積が1000m2/g以上であることが好ましい。高比表面積な炭素材料の含有量は合材質量に対して0.1質量%以上が好ましい。
【0032】
正極は、正極活物質、有機系キャパシタ材料及び高比表面積な炭素材料と、必要に応じて加えられる導電助材及び結着材とを混合して得られたペースト状の正極合材を金属箔製等からなる集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。なお、適正な有機系キャパシタ材料を選択することによって、導電助材および/又は結着材をある程度またはすべてを代替することができる。正極合材が、少なくとも有機溶剤又は水に可溶な高分子系キャパシタ材料、活物質、高比表面積な炭素材料を含有したペーストを塗布した電極が好ましい。
【0033】
尚、可溶性の高分子系キャパシタ材料としては、容易に可溶化できるポリアニリンやポリチオフェン及びそれらの誘導体が好ましい。
【0034】
〈負極〉
負極として作用する本リチウム二次電池用電極は、活物質としての負極活物質と有機キャパシタ材料とを含む合材を有する。
【0035】
負極活物質については、リチウムイオンを吸蔵・放出することができれば、特に限定されるものではない。公知の材料を用いることができる。例えば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等である。そして、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出し得るインターカレート材料で形成された電極、特に炭素材料が好ましい。負極活物質としては、比表面積が比較的大きく、吸蔵・放出速度が速いため特に室温での出力・回生密度に対して良好となる。
【0036】
負極活物質はBET比表面積が3.5m2/g以下、好ましくは3.0m2/g以下であることが好ましい。一定以下の比表面積にすることにより、負極活物質と電解液による副反応を抑制することができるため、長寿命化が可能となる。 負極活物質の比表面積の制御方法としては特に制限されるものではないが、比表面積は原材料の比表面積に大きく影響を受けるため、所定の条件で原材料を粉砕及び/又は分級し制御することが好ましい。なお、焼成し作製した後に粉砕および/又は分級してもよい。
【0037】
有機系キャパシタ材料としては、1種以上のN型導電性高分子を含有することが好ましい。N型導電性高分子として、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリアズレンおよびそれらの誘導体が例示できる。有機キャパシタ材料は高比表面積炭素材料に被覆されていることが好ましい。高比表面積な炭素材料は、BET比表面積が1000m2/g以上であることが好ましい。高比表面積な炭素材料の含有量は合材質量に対して0.1質量%以上が好ましい。
【0038】
負極は、活物質、有機系キャパシタ材料、必要に応じて導電助材や結着材を混合して得られたペースト状の負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。なお、適正な有機系キャパシタ材料を選択することによって、導電助材および/又は結着材をある程度またはすべてを代替することができる。負極合材が、少なくとも有機溶剤又は水に可溶な高分子系キャパシタ材料、活物質、高比表面積な炭素材料を含有したペーストを塗布した電極が好ましい。
【0039】
尚、可溶性の高分子系キャパシタ材料としては、容易に可溶化できるポリチオフェン及びその誘導体が好ましい。
(1)活物質が1種以上の炭素材料を含有し、有機系キャパシタ材料が1種以上のN型導電性高分子を含有する。
(2)有機系キャパシタ材料の少なくとも一部表面被覆する高比表面積な炭素材料を有する。
負極は、(1)か、(2)か、(1)および(2)のいずれかである。
【0040】
(リチウム電池)
本実施形態のリチウム二次電池用電極は、少なくとも一方が本実施形態の電極である正極及び負極と、電解液等その他必要に応じた要素とからなる。本実施形態のリチウム二次電池は、特にその形状に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。本実施形態では、円筒型のリチウム二次電池に基づいて説明を行う。
【0041】
本実施形態のリチウム二次電池は、正極および負極をシート形状として両者をセパレ−タを介して積層し渦巻き型に多数回巻き回した巻回体を空隙を満たす電解液とともに所定の円筒状ケース内に収納したものである。正極と正極端子部とについて、そして負極と負極端子部とについては、それぞれ電気的に接合されている。
【0042】
正極又は/及び負極は前述した本実施形態の電極を用いる。正極のみ上記形態の電極を用いる場合、負極は一般的なリチウム二次電池の公知の材料及び構成を用いることができる。また、負極のみ上記形態の電極を用いる場合、正極は一般的なリチウム二次電池の公知の材料および構成を用いることができる。
【0043】
電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。
【0044】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えばカーボネート類、ハロゲン炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート等及びそれらの混合溶媒が適当である。
【0045】
例に挙げたこれらの有機溶媒のうち、特にカーボネート類、エーテル類からなる群より選ばれた1種以上の非水溶媒を用いることにより、電解質の溶解性、誘導率および粘度が優れ、電池の充放電効率が高くなるので好ましい。
【0046】
電解質は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、その無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32及びLiN(SO2CF32、LiN(SO2268、LiN(SO2CF3)(SO249)等から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも一種であることが望ましい。
【0047】
この電解質により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。
【0048】
電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類を考慮して適正に選択することが好ましい。
【0049】
セパレ−タは、正極および負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いれば良い。なおセパレ−タは、正極と負極との絶縁を担保するため、正極および負極よりもさらに大きいものとするのが好ましい。
【0050】
ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。
【0051】
ガスケットは、ケースと正極の両端子部の間の電気的な絶縁と、ケース内の密閉性とを担保するものである。例えば、電解液にたいして、化学的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子等から構成できる。
【0052】
実施例
以下に本発明のリチウム二次電池用正極、負極およびリチウム二次電池について実施例にもとづいて説明する。以下に示す「%」とは特に断りのない限り質量百分率である。
(リチウム二次電池の作製)
〈正極〉各試験例において、表1及び表2で示す組成比で、正極活物質としてのリチウム含有複合酸化物である層状構造のLiNi0.5Co0.4Al0.12(平均BET比表面積1.5m2/g)、有機キャパシタ材料としてのN−メチル−2−ピロリドンに対して可溶なポリアニリン、炭素材料(平均BET比表面積30m2/g及び平均BET比表面積1000m2/gの2種類)、高比表面積な炭素材料としての活性炭(平均BET比表面積2000m2/g)、結着材としてのPVDFを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン中に溶解乃至は懸濁させてペーストを作製し、このペーストをAl箔集電体上に所定の質量、膜厚で塗布し、乾燥後直径14mmの円板状に打ち抜き、加圧成形した後、真空乾燥することで正極を作製した。
【0053】
〈負極〉
各試験例において、表1及び表2で示す組成比で、負極活物質としてのメソフェーズ系カーボン(平均BET比表面積3.5m2/g)、有機キャパシタ材料としてのN−メチル−2−ピロリドンに対して可溶なポリアルキルチオフェン、高比表面積な炭素材料としての炭素材料(平均BET比表面積30m2/g)、キャパシタ材としての活性炭(平均BET比表面積2000m2/g)及び結着材としてのPVDFを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン中に溶解乃至は懸濁させてペーストを作製し、このペーストをCu箔集電体上に所定の質量、膜厚で塗布し、乾燥後直径15mmの円板状に打ち抜き、加圧成形した後、真空乾燥することで負極を作製した。
【0054】
〈非水電解液〉
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比3:7の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解させた電解液を調制した。
【0055】
〈電池の組み立て〉
上記の各試験例の正極、負極及び電解液を使用して、直径20mm、厚み約3mmの偏平形の本発明電池を組み立てた。尚、セパレ−タにはポリエチレン製の微多孔膜を使用した。
(正極活物質の特性評価及びリチウム二次電池の高温特性評価)
〈合材の比表面積測定〉
試験例にて得られた正極および負極合材の比表面積を評価した。
【0056】
比表面積は、作製した正極、負極の電極から合材のみを剥がして、N2吸着によるBET法をもちいて測定した。表1及び表2に測定結果(含有するポリアニリン又はポリアルキルチオフェンの質量に対する合材の比表面積)を示す。
【0057】
〈充放電容量評価〉
試験例にて得られた電池の充放電容量を評価した。条件としては、室温にて充電を1.1mA/cm2の一定電流で4.1Vまで行い、その後、4.1Vの定電圧で合計4時間行った。そして放電は0.3mA/cm2の一定電流で3Vまで行った。この充放電を5サイクル繰り返した。表1及び表2に5サイクル目の放電容量を示した。
【0058】
〈低温出力密度評価〉
試験例にて得られた電池を用い、低温での出力特性の評価をおこなった。
【0059】
まず、室温にて充電を1.1mA/cm2の一定電流で行い、電池の充電状態をSOC40%(SOC:State of Charge)に調製した。−30℃一定に保った恒温槽内に電池をセットした。そして電池の作動下限電圧を3Vとし、電池の放電電流を変化させ、それぞれ10秒間のパルス放電を行った。2秒目の電流−電圧直線を求め、そこから低温出力密度を算出した。表1及び表2には試験例2に対する低温出力密度の比率を示した。
(リチウム二次電池の特性評価結果)
キャパシタ材料を含有しない試験例1〜3は、炭素材料(平均BET比表面積が30m2/g:従来の導電材に相当)の配合が変化しても、低温出力特性はほとんど変化しない。以下、試験例2の電池を基準として評価する。
【0060】
電気二重層キャパシタ材として作用する活性炭を含有した試験例4、5は、含有しない系に対し低温出力特性が若干向上するのみである。
【0061】
試験例6〜14の結果から、正極合材のBET表面積が含有するポリアニリンの質量当り30m2/g以上(試験例7、8、10、11、13、14)であると、低温出力特性が非常に大きく向上することを確認でき、それ以下の比表面積では試験例2の電池と大差なかった。
【0062】
試験例15〜23の結果から、負極合材のBET表面積が含有するポリアルキルチオフェンの質量当り30m2/g以上(試験例16、17、19、20、22、23)であると、低温出力が非常に大きく向上することを確認できた。
【0063】
試験例24に正極、負極ともにキャパシタ材を含有した電極を用いて評価した。その結果、正極または負極のみにキャパシタ材を含有した場合に比べて、さらに低温出力が向上する(試験例2の電池に対して2.53倍)ことを確認できた。
【0064】
試験例25、26に高比表面積な炭素材料としてのBET比表面積が1000m2/g以上の炭素材料を微量に含有させた結果を示すが、合材質量比0.1質量%以上含有することで、さらに低温特性が向上することを確認できた。
【0065】
【表1】
Figure 0004821075
【0066】
【表2】
Figure 0004821075
【0067】
【発明の効果】
本発明のリチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池によると、簡便かつ安価に、低温での短時間出力特性を満足することができるという効果を有する。

Claims (5)

  1. 1種以上の炭素材料を含有し、リチウムイオンを吸蔵乃至は放出できる活物質と、1種以上のN型導電性高分子を含有し、電池作動電圧範囲の一部又は全てにおいてキャパシタとしての疑似容量をもつ有機系キャパシタ材料と、を含み、BET比表面積が該有機系キャパシタ材料の質量を基準として、30m2/g以上である合材をもつことを特徴とするリチウム二次電池用電極。
  2. さらに、前記有機系キャパシタ材料の少なくとも一部表面被覆する高比表面積な炭素材料を有する請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
  3. リチウムイオンを吸蔵乃至は放出できる活物質と、電池作動電圧範囲の一部又は全てにおいてキャパシタとしての疑似容量をもつ有機系キャパシタ材料と、を含み、BET比表面積が該有機系キャパシタ材料の質量を基準として、30m2/g以上である合材をもち、さらに、前記有機系キャパシタ材料の少なくとも一部表面被覆する高比表面積な炭素材料を有することを特徴とするリチウム二次電池用電極。
  4. 前記高比表面積な炭素材料は、BET比表面積が1000m2/g以上であり、前記合材の質量を基準としてを0.1%以上含有する請求項2又は3に記載のリチウム二次電池用電極。
  5. リチウムイオンを吸蔵乃至は放出できる電極を有するリチウム二次電池であって、前記電極は、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極であるリチウム二次電池。
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