JP4820920B2 - 成形プレス用耐熱クッション材 - Google Patents

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Description

本発明は、成形プレス用耐熱クッション材(以下、クッション材と記載する場合がある。)にかかり、特に、優れた昇温速度と高いクッション性を有する耐熱性のクッション材に関する。
積層構造を有する製品(積層製品)は、たとえば、複数の熱盤の間に挟持され、これら熱盤による熱プレスで製造される。この方法で製造される積層製品の一例は、次の通りである。なお、積層製品には、下記に示す例のほかに多種多様な製品がある。
(1)プリント配線板の基板となる積層板:
この積層板としては、クラフト紙とフェノール樹脂とからなる紙フェノール積層板や、ガラス繊維の織布とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ積層板などがある。
(2)プリント配線板:
このプリント配線板としては、基板の片面に導体パターンを形成した片面プリント配線板や、基板の両面に導体パターンを形成した両面プリント配線板や、基板の外面だけでなく内部にも導体パターンを形成した多層プリント配線板などがある。
(3)フラットパネルディスプレイ:液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセンスなどがある。
(4)半導体パッケージ:チップとほぼ同サイズのチップサイズパッケージ(Chip Size Package(CSP))などがある。
これらの各種積層製品(被成形体)を成形プレス装置で製造する工程では、熱盤と積層製品との間にクッション材が介在される。このクッション材は、熱盤と積層製品とが直接接触しないようにクッション性を有するとともに、熱盤で発生する熱を積層製品の全面に均一に伝える機能を発揮する。
このクッション材の具体的使用例を、図1に基づいて説明する。図1は、両面プリント配線板の製造装置における、積層板の成形プレスの一例を示す断面図である。
図1に示す成形プレス装置1では、対向配置される一対の熱盤40と、一対の熱盤40より内方側に配置される一対のクッション材Cと、クッション材Cより内方側に配置される一対の鏡面板50と、銅箔60と、プリプレグ70とが使用される。
最終的には、プリプレグ70と銅箔60とにより、両面プリント配線板が形成される。プリプレグ70は、ガラスクロスにエポキシ樹脂が含浸され半キュアー状態とされている板材を、複数枚重ねることにより構成される。
熱盤40,40で熱と圧力を加えて、積層板を成形するのであるが、この時の成形条件は、エポキシ樹脂原料の配合などにより異なる。したがって、成形プレスの工程で使用されるクッション材Cの熱移動量(昇温速度:℃/min)を、前記成形条件に合致させる必要がある。
もし仮に、クッション材Cの熱移動量が、エポキシ樹脂の成形条件に合致していないと、積層製品に物性差が生ずる恐れがあった。たとえば、熱盤40,40のすぐ近くに位置する積層製品と、熱盤40,40間の中央に位置して熱盤40から離れた位置にある積層製品との間で、物性差が生ずる。さらに、一つの積層製品中においても、中央部と周辺部とで物性差が発生する恐れもあった。
その理由は、熱プレスにより、プリプレグ70中の樹脂の粘度が一旦下がって、樹脂が液状に戻った後、徐々に樹脂の硬化が進むという製造工程において、この工程中に、熱盤40のプレス圧を昇圧するタイミングがずれるためである。
すなわち、樹脂を移動させプリプレグ70同士の接着、プリプレグ70と銅箔60との接着、および樹脂中に含まれている空気の除去・細分吸収をさせるための、温度と圧力による成形プレスのタイミングが許容範囲を越えるからである。
たとえば、樹脂の粘度が低くなり過ぎた時にプリプレグ70に圧力が掛かると、樹脂が必要以上に流れて、積層板の中央部の板厚が厚くなり、周辺部厚が薄くなる。その結果、最終的に製造された積層製品の厚みが不均一になってしまうという不都合が発生する。
他方、樹脂の粘度が高くなり過ぎた時にプリプレグ70に圧力が掛かると、樹脂が十分に流れず、樹脂中に含まれている空気が消えないため、積層製品の絶縁性に課題を生ずる。したがって、クッション材Cは、優れた昇温速度を有することが要求される。
従来より、成形プレスでは、クッション材としてはクラフト紙等が多く使用されていた。しかし、近年においては、製造すべき積層製品の大型化や精密化が進んでいるため、さらに優れた特性を有するクッション材が要望されている。
このようなクッション材としては、無機繊維と耐熱性芳香族系重合体のパルプ状物を含むもの(特開昭59−192795号公報)、および、芳香族系ポリアミド繊維を含むもの(特開昭62−156100号公報)がある。しかし、いずれのクッション材も、クッション性を持続させるのが困難なので寿命が短かった。
たとえば、このようなクッション材として、図6に示すような成形プレス用耐熱クッション材C4がある。図6は、従来の成形プレス用耐熱クッション材C4の断面図である。
図6に示すクッション材C4は、基体11Bと、基体11Bの表面に積層されてニードルパンチされたステープルファイバーのフェルト材層11Aと、基体11Bの裏面に積層されてニードルパンチされたステープルファイバーのフェルト材層11Aとにより、構成されている。
このように、クッション材C4では、2層のフェルト材層11A,11Aが積層されている。フェルト材層11Aのステープルファイバーは、メタ系芳香族ポリアミドにより構成されている。基体11Bには、耐熱性繊維からなる経糸11B1と緯糸11B2とによる織布が使用されている。
このクッション材C4のフェルト材層11Aは、そのステープルファイバーがメタ系芳香族ポリアミドで構成されているため、昇温速度を容易に調整することができる。しかしその反面、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーは、クッション性を維持することが困難なので、クッション材C4の寿命が短かった。
そのため、クッション材C4のクッション性の維持を図るために、ステープルファイバーの目付けを大きくすることが考えられる。しかし、ステープルファイバーの目付けを大きくすれば、熱伝導速度が遅くなるため昇温速度の調整が困難になるとともに、クッション材C4が重くなって使用中の使い勝手が悪化する。
クッション材C4のこのような欠点を解消するために、図7に示す成形プレス用耐熱クッション材C5が開発された。図7は、他の従来の成形プレス用耐熱クッション材C5の断面図である。
図7に示すクッション材C5は、基体21Bと、基体21Bの表面に積層されてニードルパンチされたステープルファイバーのフェルト材層21Aと、基体21Bの裏面に積層されてニードルパンチされたステープルファイバーのフェルト材層21Aとにより、構成されている。すなわち、クッション材C5では、2層のフェルト材層21A,21Aが積層されている。
フェルト材層21Aのステープルファイバーは、ポリパラフェニレンテレフタラミドなどを主体とするパラ系芳香族ポリアミドにより構成されている。基体21Bには、耐熱性繊維からなる経糸21B1と緯糸21B2とを有する織布が使用されている。
このクッション材C5のフェルト材層21Aは、ステープルファイバーがパラ系芳香族ポリアミドで構成されているため、クッション性の維持は良好である。しかし、クッション材C5は、熱伝導率が高すぎるため、クッション材C5の昇温速度を調整することが困難であった。昇温速度を調整するには、ステープルファイバーの目付けを増加させる必要があるが、クッション材C5が重くなるので使用中の使い勝手が悪かった。
米国特許US5,945,358号公報には、良好なボイドボリューム(空隙、多孔性)と走行安定性と耐摩耗性を得るために、スパンボンド不織布を配置した抄紙用フェルトが開示されている。この抄紙用フェルトでは、スパンボンド不織布を抄紙用フェルトに固定するために、バット繊維がフェルトの厚み方向に配置された構成になっている。
しかしながら、この抄紙用フェルトは、走行して湿紙を加圧するのに使用されるが、熱盤などで加熱して使用するのではない。
したがって、この抄紙用フェルトには、耐熱性,昇温速度の調整およびクッション性の維持などの特性は要求されない。そのため、米国特許US5,945,358号公報には、本発明の作用効果であるこれらの特性に関する記載はない。
特開昭59−192795号公報 特開昭62−156100号公報 米国特許US5,945,358号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、昇温速度の調整が容易で、クッション性の維持に優れた成形プレス用耐熱クッション材を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる成形プレス用耐熱クッション材は、積層製品を成形プレス装置で製造するのに使用され、基体とフェルト材層とが積層された成形プレス用耐熱クッション材であって、
このクッション材は、耐熱性のステープルファイバーを含む前記フェルト材層を、前記基体の一方の面と他方の面に対してそれぞれ1層ずつまたは2層ずつ有し、
前記フェルト材層は、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーと、パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーとが混合された、複合ステープルファイバーにより構成されており、
ニードル針の最終バーブ(ポイントから見て一番遠い位置にあるバーブ)が前記基体を貫通する位置になるように、前記ニードル針を設定してニードルパンチングを行うことにより、
前記クッション材の内部には、1.0〜10.0dtexの繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体が、前記基体を貫通し、しかも前記クッション材の厚み方向に形成されて、前記基体に1層目の前記フェルト材層をそれぞれ連結しており、前記複数の立毛繊維体は、少なくとも3本の立毛繊維が集合して束状になっており、この束状の立毛繊維体が前記クッション材の平面視で少なくとも5束/cm 配置されていることにより、前記複数の立毛繊維体が前記クッション材の厚み方向に対してスプリングの作用を発揮するようにしている。
また、本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、積層製品(被成形体)を成形プレス装置で製造するのに使用され、基体とフェルト材層とが積層された成形プレス用耐熱クッション材である。このクッション材は、耐熱性のステープルファイバーを含むフェルト材層を、前記基体の一方の面と他方の面に対してそれぞれ少なくとも1層(すなわち、1層または2層以上)ずつ有している。前記クッション材の内部には、細繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体が、前記基体を貫通し、しかも前記クッション材の厚み方向に形成されて全ての前記フェルト材層を連結している。
これにより、クッション性を有し、且つ、昇温速度の調整が容易で、熱を積層製品の全面に均等に伝えることのできる、優れた特性を有する成形プレス用耐熱クッション材を得ることができる。
「耐熱性のステープルファイバーを含むフェルト材層」は、耐熱性のステープルファイバーと他のステープルファイバーとを混綿して構成され、耐熱性のステープルファイバーを、少なくとも50重量%以上含んでいる。
好ましくは、フェルト材層を構成する耐熱性のステープルファイバーは、メタ系芳香族ポリアミド、パラ系芳香族ポリアミドおよび耐炎火繊維からなる群から選択される1種又は複数種を含んでいる。
立毛繊維体は、ニードルパンチングによる繊維間の絡み合いで形成されている。立毛繊維体は、その繊度が1.0〜10.0dtex(デシテックス)で、耐熱性のステープルファイバーからなっている。この場合、立毛繊維体の繊度は、好ましくは1.0〜6.0dtex(さらに好ましくは、1.0〜3.0dtex)である。
クッション材の密度は、0.3g/cmないし0.5g/cmであるのが好ましい。また、好ましくは、クッション材の表面には表層材が積層されている。この表層材は、接合手段(たとえば、樹脂、プリプレグ、接合ステープルファイバーなど)によって、クッション材に接合されている。
「立毛繊維」は、この立毛繊維のステープルファイバーの軸線が、クッション材の厚み方向に配向している繊維を言う。「立毛繊維体」とは、少なくとも3本の前記立毛繊維が集合して束状になっているものを言う。
この束状の立毛繊維体は、クッション材の平面視での単位面積(1cm)当たり少なくとも5束(すなわち、5束/cm)配置されているのが好ましい。なお、クッション材における立毛繊維体の束数の上限としては、クッション材の平面視での単位面積のほとんど全部または全部が束状の立毛繊維体で占められている場合である。上述のような立毛繊維体の態様は、顕微鏡によって確認することができる(図4参照)。
「クッション材の厚み方向に形成されている」とは、立毛繊維のステープルファイバーの軸線がクッション材の基体に対してほぼ垂直方向を向いて形成されていることである。本発明では、立毛繊維のステープルファイバーの軸線が、基体がなす二次元の面に対して、45度ないし135度の範囲内、および225度ないし315度の範囲内に、それぞれ配向しているクッション材も、「立毛繊維体が、クッション材の厚み方向に形成されている」構成に包含される。なお、「基体がなす二次元の面」は、たとえば、後述する図2,図3に示すように、経糸の延びるZ方向と、緯糸の延びるX方向とがなす、X,Z平面のことである。
本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、ステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体が、基体を貫通し、しかもクッション材の厚み方向に形成されてフェルト材層を連結して、クッション材の厚み方向にスプリング効果を発揮するので、クッション材のクッション性が向上する
両面プリント配線板の製造装置における、積層板の成形プレスの一例を示す断面図である。 本発明の一実施態様にかかる成形プレス用耐熱クッション材の断面図である。 本発明の他の実施態様にかかる成形プレス用耐熱クッション材の断面図である。 図2に示す成形プレス用耐熱クッション材の拡大断面図である。 クッション材のサンプルの諸物性と性能を示す表である。 従来の成形プレス用耐熱クッション材の断面図である。 従来の成形プレス用耐熱クッション材の断面図である。
本発明にかかる成形プレス用耐熱クッション材の基本構成は、積層製品を成形プレス装置で製造するのに使用されるクッション材であり、基体とフェルト材層とが積層されている。このクッション材は、耐熱性のステープルファイバーを含むフェルト材層を、基体の一方の面(表面)と他方の面(裏面)に対してそれぞれ少なくとも1層(すなわち、1層または2層以上)ずつ有している。クッション材の内部には、細繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体が、基体を貫通し、しかもクッション材の厚み方向に形成されて全てのフェルト材層を連結している。
特に、このクッション材において、フェルト材層を構成する耐熱性のステープルファイバーは、メタ系芳香族ポリアミド(コーネックス;商品名/帝人株式会社製、ノーメックス;商品名/デュポン社製)、パラ系芳香族ポリアミド(ケブラー;商品名/デュポン社製、トアロン;商品名/帝人株式会社製)および耐炎火繊維からなる群から選択される1種または複数種を含んでいるのが好ましい。
たとえば、フェルト材層は、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーと、パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーとが混合された、複合ステープルファイバーにより構成された場合であってもよい。
より具体的には、クッション材は、積層製品を成形プレス装置で製造するのに使用され、基体とフェルト材層とが積層された成形プレス用耐熱クッション材である。このクッション材は、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーを含む一のフェルト材層と、パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーを含む他のフェルト材層とを、前記基体の一方の面(表面)と他方の面(裏面)に対してそれぞれ少なくとも1層(すなわち、1層または2層以上)ずつ有している。
前記クッション材の内部には、細繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体が、前記基体を貫通し、しかも前記クッション材の厚み方向に形成されて全てのフェルト材層を連結している。
これらのクッション材において、好ましくは、立毛繊維体は、繊度1.0〜6.0dtex(デシテックス)の耐熱性のステープルファイバーで、ニードルパンチングによる繊維間の絡み合いで形成されたものである。さらに好ましくは、クッション材の密度は0.3g/cmないし0.5g/cmである。
太繊度のステープルファイバーでは繊維間の絡み合いが弱いから、密度の高い立毛繊維体が形成され難い。そこで、本発明では、立毛繊維体は、細繊度の耐熱性のステープルファイバーを有している。つまり、細繊度の耐熱性のステープルファイバーを用いて、ニードルパンチングによる繊維間の絡み合いで、密度の高い立毛繊維体が形成される。
そして、このような細繊度のステープルファイバーからなる多数の立毛繊維体が、クッション材の内部に、前記基体を貫通し、しかもクッション材の厚み方向に形成されて全てのフェルト材層を連結している。こうすれば、密度の高い多数の立毛繊維体が、クッション材の厚み方向に対してスプリングの作用を発揮する。したがって、クッション材は、昇温速度の調整が容易であるとともに、クッション性の持続性に優れている。
ところで、立毛繊維体が、前記クッション材の基体を貫通せずに前記クッション材の厚み方向に形成されている場合には、立毛繊維体がスプリングの作用を発揮するものの、クッション材の昇温速度の調整が悪くなる。その理由は、細繊度のステープルファイバーからなる立毛繊維体が、クッション材の基体を貫通していないので、クッション材の厚み方向の熱伝導性が悪くなるからである。
また、クッション材は、その密度が0.3g/cmないし0.5g/cmであれば、高密度化に伴うクッション材の弾性向上と、立毛繊維体のクッション性とが相乗効果として作用するため、クッション性がさらに向上する。
クッション材の表面には、表層材が積層されているのが好ましい。こうすれば、積層製品(被成形体)を加熱プレス成形する際に、表層材の表面が積層製品の凹凸面の形状に従って従属的に変形する。その結果、表層材が積層製品と密着するので、該積層製品の凹凸面に対してクッション材が容易に密着できる。したがって、熱盤は、クッション材を介して積層製品に対して均等に押圧力を伝えることができる。
表層材としては、カバーレイフィルムや金属箔、または、熱盤に対して離形性を有する耐熱性樹脂が好ましい。
カバーレイフィルムとしては、プレス成形用フィルムであるポリアミド樹脂やポリスチレン樹脂の他に、ポリオレフィン樹脂を使用することができる。また、カバーレイフィルムとしては、ポリメタフェニレンイソフタルアミドを主体とした繊維からなる、ノーメックス(商品名/デュポン社製)ペーパー等を採用することもできる。
金属箔としては、アルミ合金箔やステンレス箔などを使用できる。耐熱性樹脂は、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群から選択される。
そして、クッション材の表面に表層材を積層(配置)するためには、樹脂、プリプレグまたは接合繊維を使用する。
樹脂としては、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂を使用でき、また、フッ素フィルム等の熱溶着性樹脂なども使用できる。プリプレグとしては、ガラスエポキシのプリプレグシート等を使用できる。接合繊維としては、未延伸コーネックス繊維や全芳香族ポリエステル繊維(ベクトラン;商品名)を使用できる。
本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、積層製品を成形プレス装置1で製造するのに使用され、基体10Bとフェルト材層1A,1B,1C,1Dとが積層された成形プレス用耐熱クッション材10,20であって、このクッション材10,20は、耐熱性のステープルファイバーを含む前記フェルト材層1A,1B,1C,1Dを、前記基体10Bの一方の面と他方の面に対してそれぞれ少なくとも1層ずつ有し、ニードル針の最終バーブ(ポイントから見て一番遠い位置にあるバーブ)が前記基体10Bを貫通する位置になるように、前記ニードル針を設定してニードルパンチングを行うことにより、前記クッション材10,20の内部には、1.0〜10.0dtexの繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体30が、前記基体10Bを貫通し、しかも前記クッション材10,20の厚み方向に形成されて前記フェルト材層を連結している。
前記フェルト材層1A,1B,1C,1Dを構成する前記耐熱性のステープルファイバーは、メタ系芳香族ポリアミド、パラ系芳香族ポリアミドおよび耐炎火繊維からなる群から選択されるのが好ましい。
前記フェルト材層1A,1B,1C,1Dは、前記メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーと、前記パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーとが混合された、複合ステープルファイバーにより構成されているのが好ましい。
本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、積層製品を成形プレス装置1で製造するのに使用され、基体10Bとフェルト材層1A,1B,1C,1Dとが積層された成形プレス用耐熱クッション材10,20であって、このクッション材10,20は、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーを含む一のフェルト材層と、パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーを含む他のフェルト材層とを、前記基体10Bの一方の面と他方の面に対してそれぞれ少なくとも1層ずつ有し、ニードル針の最終バーブ(ポイントから見て一番遠い位置にあるバーブ)が前記基体10Bを貫通する位置になるように、前記ニードル針を設定してニードルパンチングを行うことにより、前記クッション材10,20の内部には、1.0〜10.0dtexの繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体30が、前記基体10Bを貫通し、しかも前記クッション材10,20の厚み方向に形成されて前記フェルト材層を連結している。
前記立毛繊維体30は、繊度1.0〜6.0dtexの耐熱性のステープルファイバーで、ニードルパンチングによる繊維間の絡み合いで形成されているのが好ましい。
前記クッション材10,20の密度は0.3g/cm ないし0.5g/cm であるのが好ましい。
前記クッション材20の表面には表層材1Eが積層されているのが好ましい。
前記表層材1Eは、カバーレイフィルム、金属箔、または、離形性を有する耐熱性樹脂であるのが好ましい。
また、本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、積層製品を成形プレス装置1で製造するのに使用され、基体10Bとフェルト材層1A,1B,1C,1Dとが積層された成形プレス用耐熱クッション材10,20であって、このクッション材10,20は、耐熱性のステープルファイバーを含む前記フェルト材層1A,1B,1C,1Dを、前記基体10Bの一方の面と他方の面に対してそれぞれ少なくとも1層ずつ有し、前記クッション材10,20の厚み方向に対してスプリングの作用を発揮するように、このクッション材10,20の内部には、1.0〜10.0dtexの繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体30が、前記基体10Bを貫通し、しかも前記クッション材10,20の厚み方向に形成されて前記フェルト材層を連結している。
また、本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、積層製品を成形プレス装置1で製造するのに使用され、基体10Bとフェルト材層1A,1B,1C,1Dとが積層された成形プレス用耐熱クッション材10,20であって、このクッション材10,20は、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーを含む一のフェルト材層と、パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーを含む他のフェルト材層とを、前記基体10Bの一方の面と他方の面に対してそれぞれ少なくとも1層ずつ有し、前記クッション材10,20の厚み方向に対してスプリングの作用を発揮するように、このクッション材10,20の内部には、1.0〜10.0dtexの繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体30が、前記基体10Bを貫通し、しかも前記クッション材10,20の厚み方向に形成されて前記フェルト材層を連結している。
これにより、本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、昇温速度の調整が容易であるとともに、クッション性の維持に優れている。
次に、本発明の実施態様を、図1ないし図5に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施態様にかかる成形プレス用耐熱クッション材の断面図、図3は、他の実施態様にかかる成形プレス用耐熱クッション材の断面図、図4は、図2に示す成形プレス用耐熱クッション材の拡大断面図である。
図2,図4において、第1のクッション材10は、基体10Bと、基体10Bの一方側(一方の熱盤40側)の面(表面)に積層される1層目のフェルト材層である第1のフェルト材層1Aと、基体10Bの他方側の面(裏面)に積層される1層目のフェルト材層である第2のフェルト材層1Bと、第1のフェルト材層1Aの表面に積層される2層目のフェルト材層である第3のフェルト材層1Cと、第2のフェルト材層1Bの表面に積層される2層目のフェルト材層である第4のフェルト材層1Dとにより、構成されている。
第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bは、基体10Bの表面と裏面に、ニードルパンチングによりそれぞれ取付けられている。第3のフェルト材層1Cは、第1のフェルト材層1Aに、ニードルパンチングにより取付けられている。第4のフェルト材層1Dは、第2のフェルト材層1Bに、ニードルパンチングにより取付けられている。
細繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体30が、基体10Bを貫通し、しかもクッション材10の厚み方向に形成されて全てのフェルト材層1A,1B,1C,1Dを連結している。
図2に示す第1のクッション材10では、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bと第3のフェルト材層1Cと第4のフェルト材層1Dが、それぞれ、メタ系芳香族ポリアミドとパラ系芳香族ポリアミドのうち一方または両方を含んでいる。
たとえば、第3のフェルト材層1Cと第4のフェルト材層1Dは、熱伝導率の低いステープルファイバー(ここでは、メタ系芳香族ポリアミド)のフェルト材からなっている。こうすれば、熱盤40における熱ムラが緩和される。
そして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bは、熱伝導率の高いステープルファイバー(ここでは、パラ系芳香族ポリアミド)のフェルト材からなっている。こうすれば、クッション性が高まるので、クッション材10の全体として、昇温速度の調整とクッション性とをバランスよく設定することができる。
図3に示す第2のクッション材20は、第1のクッション材10(図2)の表面(ここでは、一方の面と他方の面の両方)に、表層材1Eが積層された構成になっている。すなわち、第3のフェルト材層1Cの表面に、表層材1Eが接合手段Pにより接着されている。第4のフェルト材層1Dの表面にも、表層材1Eが接合手段Pにより接着されている。
第2のクッション材20においても、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bと第3のフェルト材層1Cと第4のフェルト材層1Dは、それぞれ、メタ系芳香族ポリアミドとパラ系芳香族ポリアミドのうち一方または両方を含んでいる。
第1のクッション材10と第2のクッション材20において、基体10Bは、耐熱性繊維からなる経糸10B1と緯糸10B2とを織製してなる、織布により構成されている。この耐熱性繊維は、メタ系芳香族ポリアミド、パラ系芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維およびステンレス繊維からなる群から選択される。
基体10Bは、上述のような経糸10B1と緯糸10B2とを織製した織布が強度上望ましいが、この織布の代わりに、経糸と緯糸を単に重ね合わせた構成であってもよい。
このように、基体10Bは、経糸10B1と緯糸10B2とを有し、多数の立毛繊維体30が、基体10Bを貫通してクッション材10,20の厚み方向に形成されている。したがって、Z方向に延びる経糸10B1と、X方向に延びる緯糸10B2と、Y方向(クッション材10,20の厚み方向)に延びる立毛繊維体30は、互いにほぼ直交して三次元的に配置される(すなわち、X,Y,Z直交座標系)。しかも、立毛繊維体30が基体10Bを貫通しているので、立毛繊維体30の途中部分が、基体10Bにしっかりと保持される(図2〜図4)。
その結果、多数の立毛繊維体30が、クッション材10,20の厚み方向にスプリング効果を発揮するので、クッション材10,20のクッション性が向上する。
基体10Bの一方の面(表面)と他方の面(裏面)には、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bとが、ニードルパンチングによりそれぞれ取付けられる。第1のフェルト材層1Aの表面には、第3のフェルト材層1Cがニードルパンチングにより取付けられる。第2のフェルト材層1Bの表面には、第4のフェルト材層1Dがニードルパンチングにより取付けられる。
こうして形成された第3のフェルト材層1Cの表面と、第4のフェルト材層1Dの表面に、接合手段Pをそれぞれ配置する。接合手段Pは、たとえば、未延伸コーネックスのステープルファイバーで坪量の少ないフェルト材である。
そして、この接合手段Pの表面に表層材1Eを配置して積層した状態で、全体を熱プレスすると、接合手段Pは溶融する。その結果、溶融した接合手段Pを介して、第3のフェルト材層1Cと表層材1Eとが、強固に接合(接着)される。また、溶融した接合手段Pを介して、第4のフェルト材層1Dと表層材1Eとが強固に接合(接着)される。
ここで、立毛繊維体30が基体10Bを貫通するように、クッション材10,20の厚み方向に複数の立毛繊維体30を形成するための方法について説明する。
(手順1)
まず最初に、基体10Bとして織布を用意する。この織布の表面と裏面に、カーディングしたステープルファイバーのウエッブをそれぞれ積層する。そして、ニードルパンチングを行なって、織布(基体10B)にステープルファイバーを絡合処理する。これにより、織布(基体10B)の一方の面(表面)と他方の面(裏面)に、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ積層する。
このニードルパンチングでは、1稜当たり6バーブ(刺)以下のニードルパンチ用針(以下、ニードル針と言う)を使用する。ニードルパンチング回数は50回/cm以下である。さらに、ニードル針の第1バーブ(ポイントからみて一番近い位置にあるバーブ)が織布表面に接する位置に設定されて、ニードルパンチングが行なわれる。
このような絡合処理によって、ステープルファイバーの軸線方向は織布に対して平行になる。
(手順2)
第1のフェルト材1Aと第2のフェルト材1Bがそれぞれ所定の坪量に達するまで、前記積層作業を繰り返す。やがて、第1のフェルト材1Aと第2のフェルト材1Bが所定の坪量に達したら、立毛繊維体30を形成するための手順に移行する。
(手順3)
この手順では、前記絡合処理で使用したニードル針よりも多数のバーブ(刺)を有するニードル針(たとえば、1稜当たり8バーブ以上の針)を使用する。そして、このニードル針により、複数の立毛繊維体30がクッション材10,20の厚み方向に形成されるようにする。
たとえば、2稜18バーブの針を使用し、ニードルパンチング回数を80回/cm以上とする。ニードル針の最終バーブ(ポイントから見て一番遠い位置にあるバーブ)が織布を貫通する位置になるように、ニードル針を設定する。
この状態で、ニードルパンチングを行えば、複数の立毛繊維体30が、織布(基体10B)を貫通し、しかもクッション材10,20の厚み方向に形成されて全てのフェルト材層を連結する。こうして、複数の立毛繊維体30を有するクッション材10,20が完成する。
ステープルファイバーの細繊度が1.0dtex未満の場合には、ニードルパンチングによってステープルファイバーが毛玉になり易く、立毛繊維体30を形成し難くなる。他方、ステープルファイバーの細繊度が6.0dtexを越える場合には、ステープルファイバー間の絡み合いが弱いから、密度の高い立毛繊維体30が形成され難くなり、クッション材のクッション性が弱くなる。
したがって、本発明のクッション材10,20では、立毛繊維体30のステープルファイバーの繊度は1.0〜6.0dtexの範囲が好ましい。こうすれば、ニードルパンチングによってステープルファイバーが毛玉になり難いので、立毛繊維体30を形成し易くなる。また、ステープルファイバー間の絡み合いが強くなるので、密度の高い立毛繊維体30が形成されやすくなり、クッション材10,20のクッション性が強くなる。
なお、本発明では、細繊度が1.0〜3.0dtexの耐熱性ステープルファイバーの使用が最も好ましい。
このように、本発明では、クッション材10,20の内部には、複数の立毛繊維体30が、基体10Bを貫通し、しかもクッション材10,20の厚み方向に形成されて、基体10Bに1層目のフェルト材層(すなわち、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1B)をそれぞれ連結する。複数の立毛繊維体30は、少なくとも3本の立毛繊維が集合して束状になっており、この束状の立毛繊維体がクッション材の平面視で少なくとも5束/cm 配置されている。その結果、複数の立毛繊維体30が、クッション材10,20の厚み方向に対してスプリングの作用を発揮することになる。
上述の構成を有するクッション材10,20は、たとえば、図1に示す両面プリント配線板の製造装置における積層板の成形プレス装置1に適用される。この図1では、両面プリント配線板の基板となる積層板が、積層製品である場合を示している。
以下、本発明の成形プレス用耐熱クッション材について、実施例を用いてさらに詳しく説明する。なお、下記の実施例は本発明を何ら限定するものではない。
実施例および比較例において、次の構成は全て共通のものを使用した。
(1)クッション材の基体:
クッション材の基体には、メタ系芳香族ポリアミドのスパン糸を織製した織布を使用した。この織布の繊維は、コーネックス(商品名/帝人株式会社製)である。
(2)ニードルパンチングの条件:
(a)絡合処理の条件;
1稜当たり6バーブの針を使用し、ニードルパンチング回数を50回/cmとし、ニードル針の第1バーブを、織布表面に接触する位置に設定した。
(b)立毛繊維体の形成条件;
実施例では、絡合処理の後に、2稜当たり18バーブの針を使用し、ニードルパンチング回数を80回/cmとし、ニードル針の最終バーブを、織布を貫通する位置に設定した。
比較例では、立毛繊維体が形成されないように、絡合処理の後に、2稜当たり18バーブの針を使用し、ニードルパンチング回数を80回/cmとし、ニードル針の第1バーブを、織布表面に接触する位置に設定した。
(1)フェルト材を構成するステープルファイバーについては、実施例1〜9、比較例1〜5では、以下のものを使用した。
(a)メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーには、コーネックス(商品名/帝人株式会社製)2dtexの50mmカット長の短繊維を使用した。
(b)パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーには、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(ケブラー;商品名/デュポン社製)2dtexの50mmカット長の短繊維を使用した。
(2)フェルト材を構成するステープルファイバーについては、実施例10〜12、比較例6,7では、以下のものを使用した。
(a)メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーには、コーネックス(商品名/帝人株式会社製)6dtexの50mmカット長の短繊維を使用した。
(b)パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーには、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(ケブラー;商品名/デュポン社製)5dtexの50mmカット長の短繊維を使用した。
(実施例1)
織布の表面と裏面に、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、カーディングウエッブとしてそれぞれ積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例1にかかるクッション材を作製した。
(実施例2)
織布の表面と裏面に、コーネックスのステープルファイバーを、カーディングウエッブとしてそれぞれ積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例2にかかるクッション材を作製した。
(実施例3)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)にポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)にコーネックスのステープルファイバーを、それぞれウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例3にかかるクッション材を作製した。
(実施例4)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)に、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバー50重量%とカーボン繊維50重量%とを混綿処理したものを、ウエッブとして積層する。織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)に、コーネックスのステープルファイバー50重量%とカーボン繊維50重量%を混綿処理したものを、ウエッブとして積層する。
そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例4にかかるクッション材を作製した。
(実施例5)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)にコーネックスのステープルファイバーを、織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)にポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、それぞれウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例5にかかるクッション材を作製した
(実施例6)
織布の表面と裏面に、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、カーディングウエッブとしてそれぞれ積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例6にかかるクッション材を作製した。この実施例6では、実施例1と比較して、ステープルファイバーの目付けを増加させた。
(実施例7)
実施例1で作製したクッション材の表面に、さらに、コーネックスのステープルファイバーをウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングし、第3のフェルト材層1Cと第4のフェルト材層1Dをそれぞれ形成して、実施例7にかかるクッション材を作製した。
(実施例8)
実施例2で作製したクッション材の表面に、さらに、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、ウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングし、第3のフェルト材層1Cと第4のフェルト材層1Dをそれぞれ形成して、実施例8にかかるクッション材を作製した。
(実施例9)
実施例7で作製したクッション材の表面に、さらに、ガラスエポキシのプリプレグシートを介してETFEフィルムを接合して、実施例9にかかるクッション材を作製した。
(実施例10)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)にポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)にコーネックスのステープルファイバーを、それぞれウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングし、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例10にかかるクッション材を作製した。
(実施例11)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)に、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバー50重量%とカーボン繊維50重量%を混綿処理したものを、ウエッブとして積層した。織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)に、コーネックスのステープルファイバー50重量%とカーボン繊維50重量%を混綿処理したものを、ウエッブとして積層した。
そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、実施例11にかかるクッション材を作製した。
(実施例12)
実施例10で製作したクッション材の表面に、さらに、ガラスエポキシのプリプレグシートを介してETFEフィルムを接合して、実施例12にかかるクッション材を作製した。
(比較例1)
織布の表面と裏面に、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、カーディングウエッブとしてそれぞれ積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、比較例1にかかるクッション材を作製した。
(比較例2)
織布の表面と裏面に、コーネックスのステープルファイバーを、カーディングウエッブとしてそれぞれ積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、比較例2にかかるクッション材を作製した。
(比較例3)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)にポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)にコーネックスのステープルファイバーを、それぞれウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、比較例3にかかるクッション材を作製した。
(比較例4)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)に、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバー50重量%とカーボン繊維50重量%を混綿処理したものを、ウエッブとして積層した。織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)に、コーネックスのステープルファイバー50重量%とカーボン繊維50重量%を混綿処理したものを、ウエッブとして積層した。
そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、比較例4にかかるクッション材を作製した。
(比較例5)
比較例3で作製したクッション材の表面に、さらに、ガラスエポキシのプリプレグシートを介してETFEフィルムを接合して、比較例5にかかるクッション材を作製した。
(比較例6)
織布の表面(一方の熱盤40側の面)にポリパラフェニレンテレフタルアミドのステープルファイバーを、織布の裏面(一方の熱盤40とは反対側の面)にコーネックスのステープルファイバーを、それぞれウエッブとして積層した。そして、ニードルパンチングして、第1のフェルト材層1Aと第2のフェルト材層1Bをそれぞれ形成して、比較例6にかかるクッション材を作製した。
(比較例7)
比較例6で作製したクッション材の表面に、さらに、ガラスエポキシのプリプレグシートを介してETFEフィルムを接合して、比較例7にかかるクッション材を作製した。
これらの実施例と比較例でそれぞれ作製したクッション材のサンプルについて、図1に示す成形プレス装置1と同様の構造を有する試験装置を用いて試験を行なった。これにより、各クッション材の性能を測定した。
クッション材のサンプルに関しては、「温度190℃、加圧40kg/cmを60分維持し、その後、水冷15分、加圧開放15分」という一連の手順を1サイクルとする。そして、サンプルに関して、この一連の手順を300サイクル繰り返すことにより、サンプルを300回繰り返して加圧した後に、下記に示す項目の測定を実施した。
(1)昇温速度(℃/min)の測定:
クッション材のサンプルが90℃から140℃になるまでの時間を測定し、昇温速度(℃/min)を得た。
昇温速度の評価としては、サンプルの昇温速度が1.8℃/minを超えて、2.2℃/min以下を「◎」、1.5℃/minを超えて、1.8℃/min以下、および2.2℃/minを超えて、2.5℃/min以下を「○」、それ以外を「×」とした(図5)。
(2)クッション変位量(μm)の測定:
クッション材のサンプルを、180℃に加熱した状態において、0.2kgで成形プレスした場合と、50kgで成形プレスした場合の、クッション材サンプルの厚みを測定した。そして、50kgで成形プレス時の厚みと、0.2kgで成形プレス時の厚みとの差を求め、この差をクッション変位量(μm)とした。
クッション変位量の評価としては、サンプルのクッション変位量が500μm以上を「◎」、400μm以上、500μm未満を「○」、400μm未満を「×」とした(図5)。
図5は、実施例および比較例で作製したクッション材のサンプルの諸物性と、上記試験装置で測定したクッション材のサンプルの性能とを示す表である。
図5から分かるように、本発明の実施例にかかるサンプルは、比較例にかかるサンプルと比べて、昇温速度の評価とクッション変位量の評価がともに良好である。したがって、本発明にかかるクッション材は、昇温速度の調整が容易であるとともに、クッション性の維持に優れていることが確認された。
また、本発明の各種実施例におけるクッション材の密度に関しては、実施例11では最小値(0.30g/cm)で、実施例9では最大値(0.49g/cm)となっている。したがって、本発明のクッション材の密度は、0.3g/cmないし0.5g/cmが好ましいことが分かる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
本発明の成形プレス用耐熱クッション材は、プリント配線板の基板、プリント配線板、フラットパネルディスプレイおよび半導体パッケージなどの製造工程に適用可能である。

Claims (5)

  1. 積層製品を成形プレス装置(1)で製造するのに使用され、基体(10B)とフェルト材層(1A,1B,1C,1D)とが積層された成形プレス用耐熱クッション材(10,20)であって、
    このクッション材(10,20)は、耐熱性のステープルファイバーを含む前記フェルト材層(1A,1B,1C,1D)を、前記基体(10B)の一方の面と他方の面に対してそれぞれ1層ずつまたは2層ずつ有し、
    前記フェルト材層(1A,1B,1C,1D)は、メタ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーと、パラ系芳香族ポリアミドのステープルファイバーとが混合された、複合ステープルファイバーにより構成されており、
    ニードル針の最終バーブ(ポイントから見て一番遠い位置にあるバーブ)が前記基体(10B)を貫通する位置になるように、前記ニードル針を設定してニードルパンチングを行うことにより、
    前記クッション材(10,20)の内部には、1.0〜10.0dtexの繊度のステープルファイバーからなる複数の立毛繊維体(30)が、前記基体(10B)を貫通し、しかも前記クッション材(10,20)の厚み方向に形成されて、前記基体(10B)に1層目の前記フェルト材層(1A,1B)をそれぞれ連結しており、前記複数の立毛繊維体(30)は、少なくとも3本の立毛繊維が集合して束状になっており、この束状の立毛繊維体が前記クッション材の平面視で少なくとも5束/cm 配置されていることにより、前記複数の立毛繊維体(30)が前記クッション材(10,20)の厚み方向に対してスプリングの作用を発揮するようにしたことを特徴とする成形プレス用耐熱クッション材。
  2. 請求項1に記載の成形プレス用耐熱クッション材(10,20)であって、
    前記立毛繊維体(30)は、繊度1.0〜6.0dtexの耐熱性のステープルファイバーで、ニードルパンチングによる繊維間の絡み合いで形成されている。
  3. 請求項1に記載の成形プレス用耐熱クッション材(10,20)であって、このクッション材(10,20)の密度は0.3g/cmないし0.5g/cmである。
  4. 請求項1に記載の成形プレス用耐熱クッション材(20)であって、このクッション材(20)の表面には表層材(1E)が積層されている。
  5. 請求項4に記載の成形プレス用耐熱クッション材(20)であって、前記表層材(1E)は、カバーレイフィルム、金属箔、または、離形性を有する耐熱性樹脂である。
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