JP4820657B2 - 現像ロールおよびその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、プリンター等に用いられる現像ロールおよびその製法に関するものである。
従来から、複写機,プリンター等の画像形成装置に用いられる現像ロールとしては、金属軸体の外周に導電性の弾性層を形成し、さらにその外周に、バインダー樹脂、導電剤、各種添加剤(例えば粗さ形成剤等)を含む樹脂層を形成したものが汎用されている。このような現像ロールには、優れたトナー帯電性およびトナー搬送性が要求され、ロール全体の硬度、電気特性はもちろんのこと、ロール最表面の物性が重要なポイントとなる。
特に、最近は、複写やプリントの高速化の要請から、画像を短時間で定着させるために、使用するトナーが、低融点化しており、同じく高速化に伴う機能部品間の摺動や、それに伴い発生する摩擦熱による融解によって、現像ロール表面に、トナーや外添剤が融着・堆積してフィルミングしやすい傾向がある。そして、上記フィルミングが発生すると、その部分において、トナーへの導電能力が低下するとともに表面粗度が上昇するため、画像不具合(かぶり、すじ、がさつき等)を引き起こすという問題がある。
そこで、より高品位の画像を提供することのできる現像ロールとして、最外層である樹脂層を、低分子量シリコーングラフトアクリル樹脂を含む特殊な組成の樹脂組成物で形成したもの(例えば特許文献1参照)が提案されている。また、優れた現像ロールを提供しうる電子写真機器用導電部材として、特定のシリコーン−アクリルブロック共重合体と、変性シリコーンオイルとを含む特殊な導電性組成物を用いたもの(例えば特許文献2参照)が提案されている。
特開2005−283912公報 特開2003−223027公報
しかしながら、上記特許文献1の現像ロールや、上記特許文献2の導電部材を表層に用いた現像ロールによっても、前記低融点タイプのトナーによるフィルミングの発生を完全に防止することはできず、さらなる改良が強く求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高速化された装置に組み込んでも、トナーフィルミングを発生せず、長期にわたって良好な画質の画像を提供することのできる、優れた現像ロールとその製法の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、軸体の外周に、直接もしくは他の層を介して弾性層が形成され、上記弾性層の外周に樹脂層が形成された現像ロールであって、上記樹脂層が、バインダー樹脂100重量部に対し、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイル1〜10重量部を含有する樹脂組成物を用いて形成され、その表面に紫外線照射処理が施されて、樹脂層最表面部の硬度が、樹脂層内部の硬度より高くなっている現像ロールを第1の要旨とする。
また、そのなかでも、特に、上記バインダー樹脂が、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂およびフッ素シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂である現像ロールを第2の要旨とし、上記紫外線照射処理における紫外線積算光量が、2000〜6000mJ/cm2 である現像ロールを第3の要旨とする。
さらに、本発明は、軸体の外周に、直接もしくは他の層を介して弾性層が形成され、上記弾性層の外周に樹脂層が形成された現像ロールの製法であって、上記樹脂層を形成するための樹脂組成物として、バインダー樹脂100重量部に対し、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイル1〜10重量部を含有する樹脂組成物を用い、形成された樹脂層の表面に、紫外線照射処理を施すことにより、樹脂層最表面部の硬度を、樹脂層内部の硬度より高くするようにした現像ロールの製法を第4の要旨とする。
そして、そのなかでも、特に、上記バインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂およびフッ素シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂を用いるようにした現像ロールの製法を第5の要旨とし、上記紫外線照射処理における紫外線積算光量が、2000〜6000mJ/cm2 となるよう紫外線照射を行うようにした現像ロールの製法を第6の要旨とする。
なお、本発明の現像ロールにおいて、「樹脂層最表面部の硬度が、樹脂層内部の硬度より高くなっている」状態とは、アスカーC硬度やMD−1硬度によっては、その違いが判別できなくても、微小な硬度の違いを特定することのできるマルテンス硬度を指標として用いた場合に、樹脂層最表面部の硬度の方が、樹脂層内部の硬度より高くなっている状態を含む趣旨である。
すなわち、本発明者らは、前記の課題を解決するために、現像ロール表面の物性を改善する方法について一連の研究を重ねた。その結果、現像ロールの最外層となる樹脂層を、バインダー樹脂に対し、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しない、特殊なシリコーンオイルを特定の割合で含有する樹脂組成物で形成し、その樹脂層表面に、さらに紫外線照射処理を施して、樹脂層最表面部の硬度を、樹脂層内部の硬度より高くすると、樹脂層最表面部が、トナーフィルミングを防止する上で最適な硬度と離型性を備えたものとなることを見いだし、本発明に到達した。
本発明の現像ロールによれば、ロール最表面部に限って、その硬度が内側より高くなっており、しかもその表面が優れた離型性を備えているため、通常の画像形成装置に用いた場合はもちろんのこと、より高速化された装置に組み込んた場合にも、トナーフィルミングを発生せず、長期にわたって良好な画質の画像を提供することができる。
また、上記現像ロールのなかでも、特に、上記バインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂およびフッ素シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂を用いたものは、より優れた効果を得ることができる。
さらに、上記現像ロールのなかでも、特に、上記紫外線照射処理における紫外線積算光量が、2000〜6000mJ/cm2 であるものは、ロール最表面部における硬度上昇が最適なものとなり、さらに優れた効果を得ることができる。
そして、本発明の現像ロールの製法によれば、樹脂層を形成するための樹脂組成物の組成を工夫し、その樹脂層表面に紫外線照射処理を行うだけで、従来得ることのできなかった、優れた品質の現像ロールを得ることができるという利点を有する。
また、上記製法のなかでも、特に、上記バインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂およびフッ素シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂を用いるようにすると、より優れた品質の現像ロールを得ることができるという利点を有する。
さらに、上記製法のなかでも、特に、上記紫外線照射処理における紫外線積算光量が、2000〜6000mJ/cm2 となるよう紫外線照射を行うようにすると、ロール最表面部における硬度上昇が最適なものとなり、さらに優れた品質の現像ロールを得ることができるという利点を有する。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の現像ロールの一実施の形態を図1に示す。この現像ロールは、軸体10と、この軸体10の外周に沿って形成された弾性層11と、この弾性層11の外周に形成された樹脂層12とを備えている。そして、上記樹脂層12の最表面部は、後述する紫外線照射処理によって、樹脂層12の内部よりもわずかに硬度が高く設定されている。
上記軸体10としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属製の中空体や中実体が用いられる。そして、その材質としては、ステンレス、アルミニウム等があげられる。そして、上記軸体10の外周面には、ゴム弾性層の接着性を高めるため、必要に応じて、接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
上記軸体10の外周に形成される弾性層11の形成用材料としては、例えばポリウレタン系エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、低硬度でへたりが少ないという点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。また、必要に応じて、カーボンブラック等の導電剤、ジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル、加硫剤、加硫促進剤、滑剤、助剤等を適宜に配合することができる。
一方、上記弾性層11の外周に形成される樹脂層12の形成用材料としては、バインダー樹脂に、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイルを、特定の割合で含有させた樹脂組成物が用いられる。
上記バインダー樹脂としては、特に限定するものではなく、例えば、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素シリコーン樹脂、アクリルフッ素シリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、トナーフィルミング防止の点で、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素シリコーン樹脂が好適に用いられる。なお、上記成分以外に、必要により、導電剤、帯電制御剤等を適宜に配合することができる。
また、上記バインダー樹脂に含有されるシリコーンオイルは、すでに述べたとおり、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイルでなければならない。ただし、上記「バインダー樹脂とは反応しない」とは、「紫外線照射によってバインダー樹脂と重合反応しうる二重結合を持たない」という趣旨である。
このようなシリコーンオイルとしては、片末端カルビノール変性シリコーンオイル、片末端エポキシ変性シリコーンオイル、片末端メタクリル変性シリコーンオイル、片末端ジオール変性シリコーンオイル等があげられる。上記シリコーンオイルの片末端の、官能基部分の具体例を以下に示す。
Figure 0004820657
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そして、これら特殊のシリコーンオイルは、前記バインダー樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対し、1〜10部の割合で含有されていなければならない。すなわち、上記シリコーンオイルの含有割合が、バインダー樹脂100部に対し1部未満では、フィルミング改善効果が見られないのであり、逆に、バインダー樹脂100部に対し10部を超えると、表面に未反応のシリコーンオイルが残留し、フィルミング改善効果を損なうからである。
なお、前記バインダー樹脂と特殊なシリコーンオイルを用いた樹脂組成物は、有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、メチルエチルケトンを用いることが、上記形成用材料に対する溶解性の点で好ましい。このようなコーティング液は、粘度を0.02〜0.10Pa・sにすることが、塗工性、ロール表面における粗さのばらつきに与える影響等の点で好ましい。
本発明の現像ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。
すなわち、まず、前記弾性層11用の形成用材料をニーダー等の混練機で混練して調製する。そして、軸体10となる芯金をセットした成形用金型内に、上記弾性層11用の形成材料を充填し、所定の条件(例えば、150〜200℃×5〜60分)で加熱架橋させて成形した後、脱型することにより、軸体10の外周に沿って弾性層11が形成されたベースロールを得る。
一方、樹脂層12の形成用材料を有機溶剤に溶解させて、樹脂層12形成用のコーティング液を作製する。
そして、上記弾性層11の外周に、上記樹脂層12形成用のコーティング液を塗工する。塗工法は特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の従来の方法が適用できる。そして、塗工後、乾燥および加熱処理(加硫処理、条件:120〜200℃×20〜90分)を行うことにより、上記塗工されたコーティング液の溶液中の溶剤の除去を行い、樹脂層12を形成する。
そして、得られたロール体を、回転治具によって周方向に回転(10〜60rpm)させながら紫外線照射処理を行い、上記樹脂層12の最表面部の硬度を高める。これにより、図1に示すような二層構造の現像ロールを作製することができる。
上記紫外線照射処理によれば、現像ロールの最外層である樹脂層12の最表面部では、この樹脂層12に含有される前記特殊なシリコーンオイル(片末端に官能基を有しバインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイル)が、その官能基同士で架橋するため、架橋された部分の硬度が高くなると考えられる。
すなわち、上記特殊なシリコーンオイルは、図2に模式的に示すように、樹脂層12内において、両末端に官能基を有するものに比べて自由度が大きいため、シロキサン結合からなる主鎖部分15が、樹脂層12の最表面から外側に向いた配置で並びやすい。そして、官能基16がある部分は、樹脂層12の最表面部において、互いに接近して並びやすい。このため、上記紫外線照射による官能基16同士の架橋が、樹脂層12の最表面部で集中的に行われ、この部分に限って硬度が上昇すると考えられる。したがって、現像ロール最表面部に限って適度な硬度を付与することができ、現像ロールに摺接されるクリーニングブレードやトナー供給ロールによるトナー掻き取り効果を高めることができる。
また、上記特殊なシリコーンオイルの主鎖部分15は、離型効果に優れているため、ロール表面の摩擦抵抗が低減し、トナーや外添剤の離型性が向上し、それらのフィルミングを軽減することができる。そして、現像ロールに摺接する各部材との摺動ストレスを緩和することができるため、トナー性能の劣化進行を抑制することができる。
なお、上記シリコーンオイルの官能基16同士の架橋による硬度上昇は、アスカーC硬度やMD−1硬度等を指標とする場合、数値に差異が表れにくい。一方、微小な硬度の違いを特定することのできるマルテンス硬度を指標として用いた場合には、上記硬度上昇を、数値の差異として捉えることができる。
ちなみに、上記マルテンス硬度を指標として、樹脂層12の最表面部の硬度(H)と内部の硬度(H′)を測定した場合、その数値の比率(H′/H)が、2.5以上となる場合、効果の上で、特に好適である。
樹脂層12の最表面部において、このような硬度上昇を得るには、前記紫外線照射処理における積算照射量を、2000〜6000mJ/cm2 に設定することが好適である。すなわち、積算照射量が2000mJ/cm2 未満では、前記特殊なシリコーンオイルを充分に含有する樹脂層12であっても、紫外線処理が不充分となり、優れた効果が得られにくいからである。また、積算照射量が6000mJ/cm2 を超えても、それ以上の効果を期待することができず、逆にロール表面の物性を損なうおそれがあり、好ましくない。
このようにして得られる本発明の現像ロールは、すでに述べたように、その最外層である樹脂層12の最表面部の硬度が内側より高くなっており、しかもその表面が優れた離型性を備えているため、通常の画像形成装置に用いた場合はもちろんのこと、より高速化された装置に組み込んだ場合にも、トナーフィルミング等の不具合を発生せず、長期にわたって良好な画質の画像を提供することができる。
なお、上記現像ロールにおいて、弾性層11の厚みは1〜10mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜6mmである。また、樹脂層12の厚みは1〜30μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜15μmである。なお、上記弾性層11の厚み、樹脂層12の厚みは、現像ロールの軸方向に対し垂直な断面試料を採取し、これの顕微鏡写真に基づき測定して得ることができる。
また、上記現像ロールは、図1に示す二層構造のものに限るものではない。例えば、ロールの用途や要求される特性等に応じて、軸体10と弾性層11との間に、適宜の数の中間層を形成して三層以上の層構造とすることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例1〕
まず、芯金となる軸体として、直径12mmの中実円柱状鉄棒を準備し、上記芯金の外周面に接着剤を塗布した。そして、弾性層の形成用材料として、導電剤が配合された液状シリコーンゴム(信越化学工業社製、X−34−264A/B)を用い、前述の製法に従い、成形用金型を用いて加熱成形(190℃×30分)を行い、脱型することにより、軸体の外周面に沿って弾性層(厚み2mm)が一体的に形成されたベースロールを得た。
つぎに、下記の組成からなる樹脂層の形成用材料を、有機溶剤(メチルエチルケトン)に溶解させて濃度20重量%のコーティング液とした後、上記弾性層の外周面に、ロールコート法により塗工し、乾燥処理(180℃×60分)を行うことにより樹脂層(厚み10μm)を形成した。
〔樹脂層の形成用材料の組成〕
バインダー樹脂:ウレタン樹脂(ニッポラン5199、日本ポリウレタン工業社製)
100 部
架橋剤:イソシアネートMDI(コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)
43 〃
導電剤:カーボンブラック(ダイアブラック♯3030、三菱化学社製)70 〃
片末端カルビノール変性シリコーンオイル(X−22−176DX、信越化学工業社製 ) 5 〃
そして、上記樹脂層が形成されたロールを、回転治具を用いて回転させながら、その表面に、紫外線照射機器(UB031−2A/B、岩崎電気社製)を用いて、照度110mW/cm2 、積算照射量3000mJ/cm2 の紫外線照射処理を施すことにより、目的とする現像ロールを得た。
〔実施例2〜13、比較例1〜17〕
後記の表1〜表7に示すように、樹脂層の形成用材料の組成と、紫外線照射処理における処理条件を代えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして、12種類の実施例と17種類の比較例にかかる現像ロールを得た。
ただし、後記の表1〜表7に示す各材料の商品名と製造社名は、下記のとおりである。
*1:ニッポラン(日本ポリウレタン工業社製)
*2:X−22−2756(信越化学工業社製)
*3:サーモラックSU28(綜研化学社製)
*4:特開2005−283912の実施例に用いられているシリコーングラフトアクリ ル樹脂bと同一品
*5:X−24−7890(信越化学工業社製)
*6:コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)
*7:ダイアブラック♯3030(三菱化学社製)
*8:X−22−176DX(片末端型、信越化学工業社製)
*9:X−22−170DX(片末端型、信越化学工業社製)
*10:X−22−173DX(片末端型、信越化学工業社製)
*11:X−22−174DX(片末端型、信越化学工業社製)
*12:KF6003(両末端型、信越化学工業社製)
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このようにして得られた各現像ロールの体積抵抗、表面抵抗、アスカーC硬度、マルテンス硬度、耐久後表面粗度、画質評価(かぶり濃度)、画像評価(フィルミングレベル)の各項目について、下記の方法に従って測定もしくは評価した。これらの結果を、後記の表8〜表14に併せて示す。
〔体積抵抗〕
図3(a)に示すように、水平に並べられた2本のステンレス製ロール21、22の上に、試料である現像ロール23を接触させ(接触圧9.8N)、現像ロールの一端に−50VDCの電圧を印加した。そして、この状態で、上記現像ロール23を左方向に、60rpmで回転させ、その体積抵抗(Ω)を測定した。
〔表面抵抗〕
図3(b)に示すように、水平に並べられた2本のステンレス製ロール21、22の上に、試料である現像ロール23を接触させ(接触圧9.8N)、現像ロールの一端に−200VDCの電圧を印加した。そして、この状態で、上記現像ロール23を左方向に、60rpmで回転させ、その表面抵抗(Ω)を測定した。
〔アスカーC硬度〕
測定機器として、ASKER TYPE C(高分子計器社製)を用い、図4(a)に示すように、試料である現像ロール23の軸方向の3個所(鎖線で囲う中心部と左右両端部近傍)のそれぞれにおいて、図4(b)に示すように、周方向の3個所(矢印で示す)を測定点とした(3×3=9点)。そして、この9点におけるアスカーC硬度を測定し、その平均値を求めた。
〔マルテンス硬度〕
現像ロールの樹脂層を形成するために調製したものと同一のコーティング液を、離型ポリエステルシート上に、膜厚が一定となるようバーコートし、180℃×60分の加熱処理を行うことにより、樹脂層と同一形態の樹脂シート(厚み30μm)を得た。そして、紫外線照射処理を行うものについては、図5に矢印で示すように、シート30の表面に、現像ロールの樹脂層に与えたと同一の照射条件で、紫外線照射処理を施した。そして、裏面側の離型ポリエステルシート40を剥がし、シート30の表側と裏側のマルテンス硬度(N/mm2 )を、フィッシャースコープ H100(Fischer社製)を用いて測定した。なお、上記測定時における押し込み条件は、5秒間かけて2mNまで荷重をかけて押し込み、その後、5秒間かけて0mNまで荷重を解除することとした。
〔耐久後表面粗度〕
試料である現像ロールを、レーザプリンタ(HP CLJ−3700、ヒューレットパッカード社製)に組み込み、1万枚の画像印刷を行った後(耐久後)、その表面粗度(Ra)および(Rz)を、JIS B0601(1994)に従って求めた。なお、測定には、接触式表面粗さ計(サーフコム1400D、東京精密社製)を用い、前述のアスカーC硬度測定時と同様、ロール表面の9点(図4参照)を測定して、その平均値を求めた。
〔画質評価(かぶり濃度)〕
32.5℃×85%RH環境下において、上記耐久後のトナーカートリッジを装填したレーザプリンタを用い、白紙の画像印刷を行った。そして、この印刷時(途中)の感光ドラムの中央部に透明テープ(メンディングテープ)を貼付し、感光ドラム上に付着しているトナーを上記透明テープに転写させた後、白紙の紙に貼り替えて、その色濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。ただし、−50VDCに印加した場合と、−200VDCに印加した場合の2種類について測定した。
〔画像評価(フィルミングレベル)〕
40℃×95%RH環境下において、現像ロールをトナーカートリッジごと評価機(空回転治具、東海ゴム社製)に取り付けて24時間回転耐久させた。そして、耐久後のロール表面と、画出しした画像とを目視により観察し、以下のとおり、7段階で評価した。
◎ …ロール表面に全くトナー付着がなく、画像に全く影響がない。
○ …ロール表面に薄い濃度でトナーが付着しているが、画像に全く影響がない。
○−…ロール表面にややトナーが付着しているが、画像に全く影響がない。
△ …ロール表面にトナーが付着しており、画像に薄い縦すじが発生している。
△−…ロール表面にトナーが付着しており、画像に縦すじが発生している。
× …ロール周方向にすじ状にトナーが付着しており、画像に明確な縦すじが発生して いる。
××…ロール周方向に濃くすじ状にトナーが付着しており、画像に明確な縦すじとがさ つきが発生している。
Figure 0004820657
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上記の結果から、実施例品は、耐久後の表面粗度、画質評価、画像評価のいずれについても概ね良好であるのに対し、比較例品は耐久後の各評価のいずれかが悪く、装置高速化に伴う高品質化の要求に応えることができないものであることがわかる。
本発明の現像ロールの一実施例を示す断面図である。 上記実施例の樹脂層最表面部を模式的に示す説明図である。 (a)は現像ロールの体積抵抗値の測定方法の説明図、(b)は同じく表面抵抗値の測定方法の説明図である。 (a)は現像ロールのアスカーC硬度の求め方の説明図、(b)はその測定点の説明図である。 紫外線照射処理による効果を評価するための方法の説明図である。
符号の説明
10 軸体
11 弾性層
12 樹脂層

Claims (6)

  1. 軸体の外周に、直接もしくは他の層を介して弾性層が形成され、上記弾性層の外周に樹脂層が形成された現像ロールであって、上記樹脂層が、バインダー樹脂100重量部に対し、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイル1〜10重量部を含有する樹脂組成物を用いて形成され、その表面に紫外線照射処理が施されて、樹脂層最表面部の硬度が、樹脂層内部の硬度より高くなっていることを特徴とする現像ロール。
  2. 上記バインダー樹脂が、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂およびフッ素シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂である請求項1記載の現像ロール。
  3. 上記紫外線照射処理における紫外線積算光量が、2000〜6000mJ/cm2 である請求項1または2記載の現像ロール。
  4. 軸体の外周に、直接もしくは他の層を介して弾性層が形成され、上記弾性層の外周に樹脂層が形成された現像ロールの製法であって、上記樹脂層を形成するための樹脂組成物として、バインダー樹脂100重量部に対し、片末端に官能基を有し上記バインダー樹脂とは反応しないシリコーンオイル1〜10重量部を含有する樹脂組成物を用い、形成された樹脂層の表面に、紫外線照射処理を施すことにより、樹脂層最表面部の硬度を、樹脂層内部の硬度より高くするようにしたことを特徴とする現像ロールの製法。
  5. 上記バインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂およびフッ素シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂を用いるようにした請求項4記載の現像ロールの製法。
  6. 上記紫外線照射処理における紫外線積算光量が、2000〜6000mJ/cm2 となるよう紫外線照射を行うようにした請求項4または5記載の現像ロールの製法。
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