JP4820539B2 - スチルベン誘導体、その製造方法、および電子写真感光体 - Google Patents
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Description
このような有機感光体材料のうち、所定の電荷移動度を有する電荷輸送剤として、下記一般式(49)で表されるように、特定のトリフェニルアミン構造を有するスチルベン化合物およびそれを用いた電子写真感光体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、本発明の目的は、電子写真感光体等の電荷輸送剤として好適に用いることができる感度特性および耐溶剤性に優れたスチルベン誘導体、その製造方法、および、そのようなスチルベン誘導体を有する電子写真感光体を提供することにある。
すなわち、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体は、分子末端に所定の置換基を有するヒドラゾン基を導入することにより、スチルベン誘導体の極性が上がるため、低極性溶剤への耐溶剤性が向上するとともに、結着樹脂との相溶性が優れている。このような特長により、感光層中に均一に分散されるため、高い電荷移動度を示すことができる。また、湿式現像用電子写真感光体として、長時間使用した場合であっても、正孔輸送剤等の溶出量を著しく低下させるととともに、所定感度特性を維持することができる。
したがって、このようなスチルベン誘導体を電子写真感光体の電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、感度特性および耐溶剤性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
すなわち、このような構造を有するスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、優れた感度特性を有する電子写真感光体を提供することができる。また、このような構造であれば、比較的導入が容易であるため、所定のスチルベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
すなわち、このような置換基を有するスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、結着樹脂との相溶性が向上し、耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができる。また、ドナーとして作用するヒドラゾンの窒素原子が分子末端に配置されているため、正孔の分子間移動が起こりやすく、感度特性により優れた電子写真感光体を提供することができる。さらに、このような置換基であれば、比較的導入が容易であるため、所定のスチベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
すなわち、このような置換基を有するスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、感度特性に優れた電子写真感光体を提供することができる。さらに、このような置換基であれば、比較的導入が容易であるため、所定のスチルベン誘導体を比較的高い収率で生産することができる。
すなわち、このような置換基を有するスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、かかるスチルベン誘導体が感光層中に均一に分散されるため、感度特性により優れた電子写真感光体を提供することができる。また、このような置換基であれば、比較的導入が容易であるため、所定のスチルベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
第1の実施形態は、下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体である。
この理由は、一般式(1)中のAが、所定の芳香族環構造であることにより、分子内共役が広がり、電荷移動度が優れており、かかるスチルベン誘導体を電子写真感光体における電荷輸送剤として使用することにより、優れた感度特性を有した電子写真感光体を提供することができるためである。
この理由は、一般式(1)中のR 1 およびR 2 が所定のアルキル基であることにより、結着樹脂との相溶性がさらに優れており、かかるスチルベン誘導体を電子写真感光体における電荷輸送剤として使用することにより、感光層中で均一に分散されるため、感度特性にさらに優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
第2の実施形態は、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体の製造方法であって、下記反応式(1)に示すように、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体とを、触媒の存在下に反応させて、一般式(1)で表されるヒドラゾン基を有するスチルベン誘導体を得ることを特徴とするスチルベン誘導体の製造方法である。
なお、反応式(1)中のAおよびR1〜R7は、特に断りがない限り、第1の実施形態で示した一般式(1)中のAおよびR1〜R7と同様の内容である。
まず、反応式(1)を実施するための反応条件について詳細に説明する。
また、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体との反応は、反応温度を通常−20〜30℃で行うことが好ましく、その反応時間を10〜18時間の範囲内の値とすることが好ましい。
また、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体との反応に使用する好適な溶媒としては、当該反応に影響を及ぼさないものであれば良いが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
また、かかる反応に使用する触媒(塩基)としては、ナトリウムメトキシドやナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウムや水素化カリウム等の金属水素化物、あるいは、n−ブチルリチウム等の金属塩が好適なものとして挙げられる。
ここで、かかる触媒の添加量を、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体1モルに対して、1.1〜2モルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる触媒の添加量が1.1モル未満の値となると、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、の間の反応性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる触媒の添加量が2モルを超えると、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、の間の反応を制御することが著しく困難になる場合があるためである。
また、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、の間の反応を実施するにあたり、かかる添加割合を、モル比で2:1〜6:1の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ジリン酸エステル誘導体との添加割合が、2:1未満の値になると、中間体が生成しやすくなり、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ジリン酸エステル誘導体とが、適切に対応して反応することが困難になる場合があるためである。また、かかる添加割合が、6:1を超えると、未反応のホルミル化トリフェニルアミン誘導体が多く残留し、精製を困難にする場合があるためである。
したがって、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、の添加割合を、モル比で2:1〜4:1の範囲内の値とすることが好ましい。
まず、反応式(1)を実施するうえで、原料となる一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成方法について、第1工程および第2工程に分けて詳しく説明する。
一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体は、下記反応式(2)に示すように、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(6)で表されるヒドラジン誘導体とを、触媒の存在下に反応させて一般式(7)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体を得た後、フィルスマイヤー(Vilsmeier)法により、さらにホルミル化して合成することが好ましい。
なお、反応式(1)中のR1〜R7は特に断りがない限り、第1の実施形態で示した一般式(1)中のR1〜R7と同様の内容である。
第1工程は、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(6)で表されるヒドラジン誘導体と、を反応させて一般式(7)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体を合成する工程である。
この理由は、かかるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ヒドラジン誘導体との添加割合が、1:0.8未満の値になると、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の生成量が低下する場合があるためである。一方、かかるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ヒドラジン誘導体との添加割合が、1:5.0を超えると未反応のヒドラジン誘導体が多く残留するため、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の精製が困難になる場合があるためである。
この理由は、このような条件であれば、比較的簡易な製造設備を用いて、所望の反応を効率的に実施できるためである。
ここで、かかる触媒の添加量を、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体1モルに対して、0.001〜2.0モルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる触媒の添加量が0.001モル未満の値となると、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(6)で表されるヒドラジン誘導体と、の間の反応性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる触媒の添加量が2.0モルを超えると、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(6)で表されるヒドラジン誘導体と、の間の反応を制御することが著しく困難になる場合があるためである。
第2工程は、一般式(7)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体をフィルスマイヤー(Vilsmeier)法を用いてホルミル化して、一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体を合成する工程である。
(i)オキシ塩化リン、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン−臭素、ヘキサクロロトリホスファザトリエン等のハロゲン化剤
(ii)N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアニリド(MFA)、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、特に、本発明では、フィルスマイヤー試薬として、オキシ塩化リンと、溶媒としても使用できるDMFとの組み合わせが好適に用いられる。
さらに、フィルスマイヤー試薬の使用量に関して、一般式(7)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体1モルに対して、1〜20モル量の範囲内の値とすることが好ましく、1.2〜10モル量の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、フィルスマイヤー法における、一般式(7)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体のホルミル化の反応条件に関して、反応温度を通常130℃以下の温度で行い、反応時間を5〜360分間の範囲内の値とすることが好ましい。
次いで、反応式(2)を実施するうえで、原料となる一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成方法について、第1´工程および第2´工程に分けて詳しく説明する。
一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体は、下記反応式(3)に示すように、一般式(11)で表されるアニリン誘導体と、式(12)で表されるヨードベンゼンとを、反応させて一般式(13)で表されるトリフェニアミン誘導体を得た後、フィルスマイヤー(Vilsmeier)法でホルミル化して、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を合成する。
なお、反応式(3)中のR1〜R7は特に断りがない限り、第1の実施形態で示した一般式(1)中のR1〜R7と同様の内容である。
第1´工程は、一般式(11)で表されるアニリン誘導体と、一般式(12)で表されるヨードベンゼン誘導体とを反応させて一般式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導体を合成する工程である。
この理由は、かかるアニリン誘導体と、ヨードベンゼン誘導体との添加割合が、1:0.5未満の値になると、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の生成量が低下する場合があるためである。一方、かかるアニリン誘導体と、ヨードベンゼン誘導体との添加割合が、1:20を超えると、未反応のヨードベンゼン誘導体が多く残留するため、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の精製が困難になる場合があるためである。
この理由は、このような反応条件であれば、比較的簡易な製造設備を用いて、所望の反応を効率的に実施できるためである。
第2´工程は、一般式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導体をフィルスマイヤー(Vismeier)法でホルミル化して、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を合成する工程である。
さらに、フィルスマイヤー試薬の使用量に関して、一般式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導体1モルに対して、1〜20モル量の範囲内の値とすることが好ましく、1.2〜10モル量の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、フィルスマイヤー法における、一般式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導体のホルミル化の反応条件に関して、反応温度を通常130℃以下の温度で行い、反応時間を5〜360分間の範囲内の値とすることが好ましい。
次いで、反応式(1)を実施するうえで、原料となる一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体の合成方法について詳しく説明する。
一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体は、下記反応式(4)に示すように、一般式(14)で表されるハロゲン化メチル誘導体と、亜リン酸トリエチルとを、反応させて合成する。
さらに、かかる反応温度を、通常80〜150℃の範囲内の値とし、反応時間を0.5〜10時間の範囲内の値とすることが好ましい。
また、かかるジリン酸エステル誘導体の合成を実施するにあたり、例えば、一般式(14)で表されるジクロロエチレン誘導体に対して、亜リン酸トリエチルを無溶媒または適当な溶媒中に添加して、反応させることが好ましい。この理由は、このように反応させることにより、反応式(1)の出発原料の一つであるジリン酸エステル誘導体(4)を高い収率で得ることができるためである。
かかるジリン酸エステル誘導体を合成する際に用いる溶媒としては、合成反応に影響を及ぼさないものであれば良いが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド等が、好適例として挙げられる。
また、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体を合成するうえで、一般式(14)で表されるハロゲンメチル誘導体1モルに対して、亜リン酸トリエチルの使用割合を、少なくとも2モルとすることが好ましく、2〜10モル量の範囲内の値とすることがより好ましい。
第3の実施形態は、導電性基体上に感光体層を設けた電子写真感光体であって、感光体層に、一般式(1)で表されるヒドラゾン基を有するスチルベン誘導体を含有する電子写真感光体である。
ここで、電子写真感光体には、主として単層型感光体と積層型感光体とがあるが、本発明のスチルベン誘導体は、いずれのタイプにも適用可能である。
ただし、特に正負いずれの帯電型感光体に使用できること、構造が簡単であって、製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を効果的に抑制できること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上させやすい等の理由から、単層型感光体に適用することが好ましい。
(1) 基本的構成
図1(a)に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
この感光体層は、例えば、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)と、電荷発生剤と、結着樹脂と、さらに必要に応じて電子輸送剤を適当な溶媒に溶解または分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。かかる単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性に優れているという特徴がある。
また、得られた単層型感光体は、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を含んでいることから、残留電位が低下しているとともに、所定感度を有しているという特徴がある。
さらに、単層型感光体の感光体層に、電子輸送剤を含有させる場合には、電荷発生剤と正孔輸送剤との電子の授受が効率よく行われるようになり、感度等がより安定する傾向が見られる。
(2)−1 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはX型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(15)〜(18)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−A〜CGM−D)を使用することがより好ましい。
一方、ハロゲンランプ等の白色の光源を備えた静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置に使用する場合には、可視領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えばペリレン系顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
この理由は、かかる電荷発生剤(CGM−B)と分散補助剤(C.IPigmentOrange16)をあわせて用いることにより、塗工溶液中でのCGM−Bの分散性を向上させ、塗工溶液のポットライフを長くすることができるためである。
なお、式(19)で表される分散補助剤を使用する場合、その添加量を、全電荷発生剤100重量部に対して、30〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の添加量が30重量部未満の値になると、CGM−Bの塗工溶液中での分散性が不十分になり、感光体として適正な膜か製造されないためである。一方、かかる分散補助剤が200重量部を超えると、かかる電荷発生剤の量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができなくなるためである。
本発明の電子写真感光体においては、正孔輸送剤である本発明のスチルベン誘導体とともに、従来公知の他の正孔輸送剤を感光体層に含有させることも好ましい。
このような正孔輸送剤としては、高い正孔輸送能を有する種々の化合物、例えば下記一般式(20)〜(32)で表される化合物(HTM−1〜HTM−13)等があげられる。
い0〜4の整数を示し、c、d、eおよびfは同一または異なっていても良い0〜5の整
数を示す。ただし、a、b、c、d、eまたはfが2以上のとき、各Rh1、Rh2、Rh3、Rh4、Rh5およびRh6は異なっていても良い。)
(4)−1 種類
電子輸送剤の種類としては、キノン誘導体を含むことが好ましい。例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アゾキノン誘導体等が挙げられる。
この理由は、電子輸送剤として、特定の化合物を使用することにより、電子受容性に優れており、また電荷発生剤との相溶性が優れていることから、感度特性や耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
また、電子輸送剤の具体例として、下記式(34)〜(36)で表される化合物(ETM−A〜ETM−C)が挙げられる。
また、これらの電子輸送剤のうち、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である化合物がより好ましい。
(5)−1 種類
電荷発生剤等を分散させるための結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型、ビスフェノールA型等のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが使用可能である。
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用しても良い。
本発明の電子写真感光体が単層型の感光体である場合、電荷発生剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すれば良い。また、本発明の一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)は、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好ましくは30〜200重量部の割合で配合すれば良い。電子輸送剤を含有させる場合、電子輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部とするのが適当である。
また、本発明の電子写真感光体が積層型の感光体である場合、電荷発生層を構成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用することができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部の割合で配合するのが適当である。さらに、電荷発生層に正孔輸送剤を含有させる場合は、正孔輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部、好ましくは50〜200重量部とするのが適当である。
また、単層型感光体における感光体層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。そして、このような感光体層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
分散液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光体層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用しても良い。
図2(a)に示すように、積層型感光体20は、導電性基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)の少なくとも1種と結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製される。
また、上記構造とは逆に、図2(b)に示すように、導電性基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成しても良い。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
なお、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、結着剤等については、単層型感光体と同様の内容とすることができる。
そして、本発明の積層型電子写真感光体は、感光体の残留電位が低下するとともに、所定感度を有しているという特徴がある。
なお、積層型感光体における感光体層の厚さは、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
(1)スチルベン誘導体の合成
(1)−1 トリフェニルアミン誘導体の合成
下記式(38)で表されるトリフェニルアミン誘導体の合成を、下記の反応式(5)に沿って実施した。
すなわち、容量500mlの2つ口フラスコ内に、無水炭酸カリウム152.0g(1.10mol)、および粉末銅銅9.5g(0.15mol)を加え、2時間加熱して、均一になるまで攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、下記式(37)で表されるアニリン化合物67.6g(0.5mol)と、ヨードベンゼン68.9g(0.34mol)とを添加した後、220℃に再加熱し、2.5時間反応させた。その後、室温まで冷却した後、100mlのトルエンを添加し、ろ過処理をした。得られた残渣をトルエンで溶解し、活性白土を用いて乾燥させた。その後、残渣をトルエンで溶解し、さらにメタノールを添加して晶析させた。その後、もう一度、残渣をトルエンで溶解し、さらにメタノールを添加して晶析させ、得られた結晶をろ別して、乾燥した。その後、得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/へキサン溶媒)を用いて精製し、式(38)で表されるトリフェニルアミン誘導体79.3gを得た(収率55.2%)。
次いで、式(39)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成を、下記の反応式(6)に沿って実施した。
すなわち、500mlのフラスコ内に、式(38)で表されるトリフェニルアミン誘導体60g(0.21mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)450mlと、オキシ塩化リン酸41.8g(0.27mol)と、を収容し、85℃以上で、3時間撹拌した。反応後、反応液をイオン交換水600ml中に滴下し、析出した固体をろ別した。得られた固体はイオン交換水にて撹拌洗浄した。その後、固体をトルエンに溶解させ、有機層をイオン交換水にて5回洗浄を行った。その後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を加え、乾燥および吸着処理を行った。その後、トルエンを減圧留去し、残渣を200mlのトルエンに溶解させ、メタノールより晶析させ、式(39)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体51.4gを得た(収率77.6%)。
次いで、式(41)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体の合成を、下記反応式(7)に沿って実施した。
すなわち、500mlの二つ口フラスコ内に、式(39)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体10g(0.032mol)と、トルエン100mlと、塩化亜鉛5.2g(0.038mol)と、を収容した。さらに、トルエン10mlに溶解した1,1−ジメチルヒドラジン2.3g(0.038mol)を添加して、2時間還流をおこなった。得られた反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水400ml中に滴下した。得られたトルエン層をイオン交換水にて洗浄し、その後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウム、および活性白土を加え、乾燥および吸着処理をおこなった。次いで、トルエンを減圧留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム溶媒)を用いて精製をし、式(41)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体を9.4g得た(収率82%)。
次いで、式(42)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成を、下記反応式(8)に沿って実施した。
すなわち、200mlのフラスコ内に、式(41)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体9.2g(0.026mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)50mlと、ジメチルホルムアミド10mlに溶解したオキシ塩化リン酸(POCl3)4.7g(0.031mol)と、を収容し、85℃で、2時間撹拌した。得られた反応液を、イオン交換水400mlおよびトルエン100mlからなる混合液中に滴下した後、生成したトルエン層をイオン交換水にて洗浄した。その後、得られた有機層に無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を加え、乾燥および吸着処理を行った。次いで、トルエンを減圧留去して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム溶媒)を用いて精製し、式(42)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体8.2gを得た(収率82%)。
次いで、式(44)で表されるジリン酸エステル誘導体の合成を、下記反応式(9)に沿って実施した。
すなわち、500mlのフラスコ内に、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン52.5g(0.3mol)と、亜リン酸トリエチル130g(0.78mol)と、を収容して、8時間以上還流した。その後、室温まで冷却して、析出結晶をろ別した。さらに、結晶をn−へキサンを用いて洗浄をおこなって、クロロホルムーn−ヘキサンを用いて再結晶させ、式(44)で表されるジリン酸エステル誘導体98.1gを得た(収率86.4%)。
次いで、式(8)で表されるスチルベン誘導体の作成を、下記の反応式(10)に沿って実施した。
すなわち、200mlのフラスコ内に、(1)−5で得られた式(44)で表されるジリン酸エステル3.9g(0.01mol)を添加し、0℃に保持した状態で、アルゴン置換した後、乾燥済みのTHF50mlと、28%NaOMe4.9g(0.025mol)と、を収容し、30分攪拌した。次いで、この容器内に、THF20mlに溶解した式(42)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体8g(0.021mol)を収容し、室温で約12時間撹拌した。次いで、反応液をイオン交換水500mlに注ぎ、トルエン抽出をおこなった後、得られた有機層をイオン交換水にて5回洗浄した。さらに、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム溶媒)で精製して、式(8)で表されるスチルベン誘導体6.7gを得た(収率80%)。
(2)−1 初期帯電電位、初期感度および半減露光量測定
得られたスチルベン誘導体(HTM−A)を正孔輸送剤として、単層型の電子写真感光体を作成して、初期帯電電位、初期感度および半減露光量を測定した。
すなわち、容器内に、正孔輸送剤として、式(8)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A)を60重量部と、電荷発生剤として、式(15)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を5重量部と、結着樹脂として、式(45)で表される粘度平均分子量50,000のポリカーボネート樹脂(Resin−A)100重量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部に対して添加した。次いで、ボールミルを用いて50時間混合分散して、単層型感光体層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて基材外面全域に塗布し、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型の電子写真感光体を得た。
得られた電子写真感光体における初期帯電電位、初期感度および半減露光量を測定した。すなわち、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、700Vになるように帯電させた状態で電位を測定し、初期帯電電位(Vo)とした。次いで、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.5μJ/cm2)を感光体表面に照射した。照射後、表面電位が1/2になるのに要した時間を測定し、感度特性の指標としての半減露光量(E1/2)を測定した。さらに、照射後、330msec経過した後の電位を測定し、初期感度(Vr)とした。得られた結果を表1に示す。
また、得られた単層型電子写真感光体を、その感光層の全面が浸るように、現像液として使用される炭化水素系溶剤であるアイソパーH500mlに、温度25℃、2000時間の条件で浸漬した。その後、現像液から電子写真感光体を取り出して、(2)−1で記載した初期感度測定と同様の方法で、感度を測定した。次いで、現像液に浸漬した後の感度から、初期感度を引いた値を算出し、浸漬後感度変化(Vr2000)とした。得られた結果を表1に示す。
実施例2〜4においては、実施例1の塗布液中に、電子輸送剤として、式(34)〜(36)で表される電子輸送剤(ETM−A〜C)をそれぞれ20重量部添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体層を作成して、評価した。
実施例5〜8においては、実施例1〜4で使用したスチルベン誘導体(HTM−A)の代わりに、式(9)で表されるスチルベン誘導体(HTM−B)を使用したほかは、実施例1〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
実施例9〜12においては、実施例1〜4で使用したスチルベン誘導体(HTM−A)の代わりに、式(10)で表されるスチルベン誘導体(HTM−C)を使用したほかは、実施例1〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
比較例1〜4においては、実施例1〜4で使用したスチルベン誘導体(HTM−A)の代わりに、式(46)で表されるスチルベン誘導体(HTM−D)を使用したほかは、実施例1〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
比較例5〜8においては、実施例1〜4で使用したスチルベン誘導体(HTM−A)の代わりに、式(47)で表されるスチルベン誘導体(HTM−E)を使用したほかは、実施例1〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
比較例9〜12においては、実施例1〜4で使用したスチルベン誘導体(HTM−A)の代わりに、式(48)で表されるスチルベン誘導体(HTM−F)を使用したほかは、実施例1〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
また、本発明のスチルベン誘導体の製造方法によれば、結着樹脂への相溶性が優れており、高い電荷輸送剤能および耐溶剤性を有している一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を高い収率で得ることができる。
さらに、本発明の電子写真感光体は、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を正孔輸送剤として用いることから、所定の感度特性や耐溶剤性を有している。したがって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置の高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
12:導電性基体
14:感光体層
16:バリア層
18:保護層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表されることを特徴とするスチルベン誘導体。
(一般式(1)中のAは、下記式(2)で表される2価の有機基であり、複数のR1およびR2は、それぞれ独立した炭素数1〜5の置換または非置換のアルキル基であり、複数のR3〜R7は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換または非置換のアラルキル基、あるいは置換または非置換のアミノ基であり、R 3 およびR 7 のうち少なくとも一つは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基である。)
(一般式(2)中のR 8 〜R 13 は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基である。) - 前記一般式(1)中の複数のR3〜R7が、水素原子または炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のスチルベン誘導体。
- 下記反応式(1)で表されるスチルベン誘導体の製造方法であって、一般式(3)で表わされるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表わされるジリン酸エステル誘導体とを、触媒の存在下に反応させて、一般式(1)で表わされるスチルベン誘導体を得ることを特徴とするスチルベン誘導体の製造方法。
(反応式(1)中のAは、下記式(2)で表される2価の有機基であり、複数のR1およびR2は、それぞれ独立した炭素数1〜5の置換または非置換のアルキル基であり、複数のR3〜R7は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換または非置換のアラルキル基、あるいは置換または非置換のアミノ基であり、R 3 およびR 7 のうち少なくとも一つは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基である。)
(一般式(2)中のR 8 〜R 13 は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基である。) - 前記一般式(3)で表されるヒドラゾン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体として、下記反応式(2)で示されるように、一般式(5)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(6)で表されるヒドラジン誘導体とを、触媒の存在下に反応させて一般式(7)で表されるヒドラゾン基を有するトリフェニルアミン誘導体を得た後、フィルスマイヤー(Vilsmeier)法により、さらにホルミル化して得られたヒドラジン基を有するホルミル化トリフェニルアミン誘導体を使用することを特徴とする請求項3に記載のスチルベン誘導体の製造方法。
(反応式(2)中の複数のR1およびR2は、それぞれ独立した炭素数1〜5の置換または非置換のアルキル基であり、複数のR3〜R7は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換または非置換のアラルキル基、あるいは置換または非置換のアミノ基であり、R 3 およびR 7 のうち少なくとも一つは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基である。) - 導電性基体上に感光体層を設けた電子写真感光体であって、当該感光体層が、下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(一般式(1)中のAは、下記式(2)で表わされる2価の有機基であり、複数のR1およびR2は、それぞれ独立した炭素数1〜5の置換または非置換のアルキル基であり、複数のR3〜R7は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換または非置換のアラルキル基、あるいは置換または非置換のアミノ基であり、R 3 およびR 7 のうち少なくとも一つは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基である。)
(一般式(2)中のR 8 〜R 13 は、それぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基である。) - 前記感光体層が、電荷発生剤および電子輸送剤をさらに含有した単層型であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
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