JP4601349B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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本発明は、分子末端のフェニルアミノ基に特定の置換基を有することにより、結着樹脂との相溶性が優れるとともに、長時間にわたって所定感度を有するスチルベン誘導体を含有した単層型の電子写真感光体に関する
従来、画像形成装置等の電子写真感光体として、電荷輸送剤、電荷発生剤、および結着樹脂(バインダー樹脂)等の有機感光体材料からなる有機感光体が使用されている。かかる有機感光体は、従来の無機感光体に比べて、製造が容易であるとともに、感光体材料の選択肢が多様であることから、構造設計の自由度が高いという利点がある。
このような有機感光体材料のうち、高い電荷移動度を有する電荷輸送剤として、下記一般式(76)で表されるスチルベン誘導体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
(上記一般式(76)中、B、C、D、E、FおよびGは、置換基を有してもよいベンゼン環を表わし、これらは互いに結合して複素環を形成してもよく、Xは、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素残基または置換基を有してもよい2価の複素環化合物残基を表わし、R8、R9、R10およびR11は、それぞれ、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表わし、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、n1およびn2は、それぞれ、1〜4の整数を表わし、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、X1およびX2は、それぞれ、下記一般式(77)および一般式(78)で示される基を表わし、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(上記一般式(77)および(78)中、n3は、0〜4の整数を表わし、n4は、1〜4の整数を表わし、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20およびR21は、それぞれ、水素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表わし、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、R15とR16からなる対およびR20とR21からなる対は、縮合して炭素環基または複素環基を形成していてもよく、また、これらの対のRのどちらか一方が水素原子のときは、もう一方はアリール基または複素環基である。)
また、高い電荷移動度を有する電荷輸送剤として、下記一般式(79)で表されるスチルベン誘導体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
(一般式(79)中のYは、置換または非置換のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、または下記式(80)であらわされる有機基であり、R22、R23、R24およびR25は、置換または非置換のアリール基であり、R22、R23、R24およびR25は、互いに結合してもよい。R26およびR27は、水素原子、置換または非置換のアルキル基またはアリール基を表す。)
(一般式(80)中のZは、酸素原子、硫黄原子、―CH=CH―、もしくは下記式(81)で表される有機基である。)
(一般式(81)中のR28およびR29は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、R28おおびR29は互いに結合してもよい。)
特開2000−66419号(特許請求の範囲) 特開平3−149560号(特許請求の範囲)
ここで、特許文献1に開示されたスチルベン誘導体は、一般式(76)においてベンゼン環B〜Gに少なくとも一つのアルキル基を有すると定義されている。しかしながら、具体例に記載されているスチルベン誘導体は、スチルベン誘導体の中心構造がパラ位に結合手を有する2価のフェニル基、相互にパラ位に結合手を有する2価のジフェニル基、または2価のチオフェン基であり、ベンゼン環Cにおける置換基はメタ位またはパラ位に位置しているものである。このため、特許文献1に開示されたスチルベン誘導体の具体例は、結着樹脂との相溶性が乏しく、感光層中に均一に分散されにくく、長時間使用した場合に、結晶化しやすいという問題が見られた。すなわち、開示されたスチルベン誘導体は、初期的には高い電荷移動度を有するにもかかわらず、電荷輸送剤として感光体に長時間使用した場合、その特性が十分に発揮されないという問題が見られた。
さらに、特開文献2に開示されたスチルベン誘導体は、分子末端にあるトリフェニルアミン構造のベンゼン環に一つも置換基を有していないため、結着樹脂との相溶性が乏しいという問題が見られた。したがって、感光層中に均一に分散されにくいばかりか、長期間使用した場合に、結晶化しやすいという問題が見られた。
そこで、本発明者らは、特定のスチルベン誘導体において、中心構造に特定の芳香族環構造を有し、分子末端のフェニルアミノ基にエテニル基を介した所定のアリール基と、所定の置換基を少なくとも1つ有することにより、結着樹脂との相溶性が優れ、感光層中に均一に分散されるため、長時間にわたって高い電荷移動度を示すとともに、結晶化を効果的に防ぐという事実を見出した。
本発明によれば、導電性基体上に単層型である感光層(表面層が電荷注入層である場合を除く)を設けた電子写真感光体であって、感光層が、結着樹脂と、電荷発生剤と、電子輸送剤と、下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体と、を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供され、上述した問題点を解決することができる。
(一般式(1)中の、Aは、下記式(2)で表される有機基であり、複数のR1〜R7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、アミノ基、あるいは、複数のR1〜R7のうち隣接するいずれか二つは、それぞれが結合または縮合して炭素環構造を形成しており、複数のAr1およびAr2は、それぞれ独立しており、炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数aおよびbはそれぞれ0〜4の整数であり、cは1〜3の整数である。ただし、R1〜R7のうち少なくとも一つは水素原子以外の前記置換基である。)
本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)中の複数のAr1およびAr2が、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましい。
本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)中の複数のR1〜R7のうち少なくとも一つが、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)中の複数のR1〜R5うち隣接するいずれか二つが、それぞれ結合して炭素数3〜6の炭素環構造を形成することが好ましい。
本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)中の複数の繰り返し数cが、それぞれ1であることが好ましい。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体が、下記反応式(1)で示されるスチルベン誘導体の製造方法であって、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体とを、触媒の存在下に反応させて、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を得るスチルベン誘導体の製造方法によって得られてなることが好ましい。

(一般式(1)中の、Aは、下記式(2)で表される有機基であり、複数のR1〜R7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、アミノ基、あるいは、複数のR1〜R7のうち隣接するいずれか二つは、それぞれが結合または縮合して炭素環構造を形成しており、複数のAr1およびAr2は、それぞれ独立しており、炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数aおよびbはそれぞれ0〜4の整数であり、cは1〜3の整数である。ただし、R1〜R7のうち少なくとも一つは水素原子以外の前記置換基である。)
また、本発明の一般式(1)で表されるスチルベン誘導体の製造方法を実施するにあたり、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体として、一般式(5)で表されるアニリン誘導体を原料とした、二段階のフィルスマイヤ−(Vilsmeier)法およびウィッティヒ(Wittig)法により得られたホルミル化トリフェニルアミン誘導体を使用することが好ましい。
(一般式(5)中のR1〜R5は、それぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、アミノ基、あるいは、複数のR1〜R5のうち隣接するいずれか二つは、それぞれが結合または縮合して炭素環構造を形成する。
本発明によれば、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を含むことにより、結着樹脂との相溶性に優れるとともに、所定感度を有する単層型の電子写真感光体を提供することができる。
すなわち、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体は、中心構造に特定の芳香族環構造およびオレフィン基を有し、分子末端のフェニルアミノ基にオレフィン基を介した所定のアリール基、および所定の置換基を有することにより、立体障害を生じるため結着樹脂との相溶性に優れており、長時間にわたって、電荷移動度が大きいとともに、結晶化を効果的に防ぐことができる。
したがって、このようなスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、優れた感度特性および耐久性を長時間にわたって有する単層型の電子写真感光体を提供することができる。
また感光層が、電荷発生剤および電子輸送剤を含有した単層型であることにより、構成や製造が容易であるにもかかわらず、所定感度を有する単層型の電子写真感光体を得ることができる。
また、本発明におけるスチルベン誘導体によれば、一般式(1)中のAr1およびAr2が、炭素数6〜14のアリール基であることにより、分子内共役が広がり、電荷移動度が優れるという特徴を有する。
したがって、このようなスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、優れた感度特性を有した単層型の電子写真感光体を提供することができる。また、このような構造であれば、比較的導入が容易であるため、所定のスチルベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
また、本発明におけるスチルベン誘導体によれば、一般式(1)中のR1〜R7のうち少なくとも一つが、所定のアルキル基であることにより、結着樹脂との相溶性にさらに優れており、長時間にわたって電荷移動度が大きいとともに、結晶化をより効果的に防ぐという特徴を有する。
したがって、このようなスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、長時間にわたってより優れた感度特性および耐久性を有する単層型の電子写真感光体を提供することができる。また、このような置換基であれば、比較的導入が容易であって所定のスチルベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
また、本発明におけるスチルベン誘導体によれば、一般式(1)中の複数のR1〜R5のうち隣接するいずれか二つが、それぞれ結合して炭素数3〜6の炭素環構造を形成することにより、分子内共役が広がり、電荷移動度が優れるという特徴を有する。
すなわち、このようなスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、優れた感度特性を有した単層型の電子写真感光体を提供することができる。また、このような構造であれば、比較的導入が容易であるため、所定のスチルベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
また、本発明におけるスチルベン誘導体によれば、一般式(1)中の複数の繰り返し数cが、それぞれ1であることにより、結着樹脂との相溶性が優れるという特徴を有する。
すなわち、このようなスチルベン誘導体を、電子写真感光体における電荷輸送剤(正孔輸送剤)として使用することにより、感光層中に均一に分散されるため、優れた感度特性および耐久性を有する単層型の電子写真感光体を提供することができる。また、このような置換基であれば、比較的導入が容易であって所定のスチルベン誘導体を、比較的高い収率で生産することができる。
また、本発明におけるスチルベン誘導体の製造方法によれば、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体とを、触媒の存在下に反応させ、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を製造することにより、結着樹脂との相溶性に優れ、長時間にわたって高い電荷移動度を示すとともに、結晶化を効果的に防ぐことができる所定のスチルベン誘導体を高い収率で得ることができる。
また、本発明におけるスチルベン誘導体の製造方法によれば、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体として、一般式(5)で表されるアニリン誘導体を原料とするとともに、二段階のフィルスマイヤー(Vilsmeier)法およびウィッチヒ(Wittig)反応により得られた化合物を使用することにより、所定構造のホルミル化トリフェニルアミン誘導体が効率的に得られ、結果として、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体をさらに効率的に得ることができる。
以下、本発明におけるスチルベン誘導体、その製造方法、および、単層型の電子写真感光体に関する実施の形態を、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本発明の単層型電子写真感光体における正孔輸送剤である下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体である。
(一般式(1)中の、Aは、下記式(2)で表される有機基であり、複数のR1〜R7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、アミノ基、あるいは、複数のR1〜R7のうち隣接するいずれか二つは、それぞれが結合または縮合して炭素環構造を形成しており、複数のAr1およびAr2は、それぞれ独立しており、炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数aおよびbはそれぞれ0〜4の整数であり、cは1〜3の整数である。ただし、R1〜R7のうち少なくとも一つは水素原子以外の前記置換基である。)
また、本発明におけるスチルベン誘導体を構成するにあたり、一般式(1)中のR1〜R7のうち少なくとも一つが炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
この理由は、一般式(1)中のR1〜R7のうち少なくともひとつが、所定のアルキル基であることにより、立体障害により正孔輸送剤の平面性が低下し、より効果的に結晶化を防ぐためである。また、結着樹脂との相溶性がさらに優れ、感光層中で均一に分散されるため、長時間にわたって感度特性に優れるという効果を提供することができるためである。
また、一般式(1)中の複数のR1〜R5の置換基を有するフェニル基の具体例として、下記式(6)で表されるフェニル基が挙げられる。なお、結合状態を明確にするため窒素原子をあわせて示した。
ここで、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体の一例として、下記式(7)〜(21)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A〜P)を示す。また、式(7)、(11)、(12)、(15)および(16)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A、E、F、I、J)のIRチャートを図1〜5にそれぞれ示す。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した一般式(1)で表されるスチルベン誘導体の製造方法であって、下記反応式(1)に示すように、下記一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体を、触媒の存在下に反応させることを特徴とする本発明の単層型電子写真感光体における正孔輸送剤であるスチルベン誘導体の製造方法である。
なお、反応式(1)中のA、R1〜R7、Ar1、Ar2、a、bおよびcは、特に断りがない限り、既に説明した内容である。
1.一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成
まず、反応式(1)を実施するうえで、原料となる一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成方法について詳しく説明する。
(1)反応式
一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体は、下記反応式(2)に示すように、第1工程および第3工程としての二段階のフィルスマイヤー(Vilsmeier)法と、第2工程としてのウィッティヒ(Wittig)反応とを用いて、合成することが好ましい。
なお、反応式(2)中のA、R1〜R7、Ar1、Ar2、aおよびbは、特に断りがない限り、反応式(1)中のA、R1〜R7、Ar1、Ar2、aおよびbの内容と同様である。
(2)第1工程
まず、一般式(5)で表されるアニリン誘導体を原料として、それに一般式(22)および(23)で表される2種類のヨードベンゼン誘導体と、を反応させて、一般式(24)で表されるトリフェニルアミン誘導体を得た後、第一段階のフィルスマイヤー(Vilsmeier)法によりホルミル化して、一般式(25)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を合成する。
なお、一般式(24)で表されるトリフェニルアミン誘導体の合成する際、一般式(5)で表されるアニリン誘導体を構成するアミノ基の一つの水素を予めアセチル基で置換することが好ましい。すなわち、アセチル基でアニリン誘導体の一部を保護した後、一種類のヨードベンゼン誘導体と反応させる。次いで、得られたアセチル化ジフェニールアミン誘導体のアセチル基をはずすと同時に水素を付与し、さらに、もう一種類のヨードベンゼン誘導体と反応させることが好ましい。
ここで、一般式(24)で表されるトリフェニルアミン誘導体を合成するにあたり、一般式(5)で表されるアニリン誘導体と、一般式(22)および(23)で表される2種類のヨードベンゼン誘導体(合計量)との添加割合を、モル比で1:2〜1:20の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるアニリン誘導体と、2種類のヨードベンゼン誘導体との添加割合が、1:2未満の値になると、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の生成量が低下する場合があるためである。一方、かかるアニリン誘導体と、2種類のヨードベンゼン誘導体との添加割合が、1:20を超えると、未反応のヨードベンゼン誘導体が多く残留するため、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の精製が困難になる場合があるためである。
なお、一般式(22)および(23)で表されるヨードベンゼン誘導体の添加割合をモル比で約1:1の値にすることが好ましい。
また、一般式(5)で表されるアニリン誘導体と、一般式(22)および(23)で表される2種類のヨードベンゼンとを反応させるにあたり、反応温度を、通常160〜260℃の範囲内の値とするとともに、反応時間を2〜30時間の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような反応条件であれば、比較的簡易な製造設備を用いて、所望の反応を効率的に実施できるためである。
さらに、フィルスマイヤー法に使用するフィルスマイヤー試薬(Vilsmeier試薬)としては、以下の化合物(i)および(ii)の組合せであることが好ましい。
(i)オキシ塩化リン、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン−臭素、ヘキサクロロトリホスファザトリエン等のハロゲン化剤
(ii)N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアニリド(MFA)、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジイソプロピルホルムアミド
特に、本発明では、フィルスマイヤー試薬として、オキシ塩化リンと、溶媒としても使用できるDMFとの組み合わせが好適に用いられる。
さらに、触媒量の塩化亜鉛等を添加することにより、フィルスマイヤー法を促進させることができる。
また、フィルスマイヤー試薬の調製において、化合物(i)と(ii)との使用割合は、通常モル比で、1:1〜1:20の範囲内の値とすることが好ましく、1:1〜1:5の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、フィルスマイヤー試薬の使用量に関して、一般式(24)で表されるトリフェニルアミン誘導体1モルに対して、1〜5倍モル量の範囲内の値とすることが好ましく、1〜3倍モル量の範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、フィルスマイヤー法における、トリフェニルアミン誘導体のホルミル化の反応条件に関して、通常130℃以下の温度で行い、反応時間を5〜240分間の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、第二段階のフィルスマイヤー法の実施にあたっても、第一段階のフィルスマイヤー法の条件に準じて実施することができる。
(3)第2工程
次いで、ウィッティヒ(Wittig)反応により、一般式(27)で表されるトリフェニルアミン誘導体を合成する。すなわち、一般式(25)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(26)で表されるリンイリド誘導体と、触媒としてのn−ブチルリチウム等の存在化に反応させるものである。
ここで、一般式(25)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(26)で表されるリンイリド誘導体との添加割合を、モル比で1:1〜1:3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、リンイリド誘導体との添加割合が、1:1未満の値になると、一般式(27)で表されるトリフェニルアミン誘導体の生成量が低下する場合があるためである。一方、かかるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、リンイリド誘導体との添加割合が、1:3を超えると、未反応のリンイリド誘導体が多く残留するため、一般式(27)で表されるトリフェニルアミン誘導体の精製が困難になる場合があるためである。
したがって、一般式(25)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(26)で表されるリンイリド誘導体との添加割合を、モル比で1:1.2〜1:2の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、一般式(25)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(26)で表されるリンイリド誘導体とを反応させるにあたり、反応温度を、通常−30〜20℃の範囲内の値とするとともに、反応温度を5〜120分間の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような反応条件であれば、比較的簡易な製造設備を用いて、所望の反応を効率的に実施できるためである。
なお、ウィッティヒ法で使用する試薬としては、例えば、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシドやナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド;水素化ナトリウムや水素化カリウム、ナトリウ5水素化カリウム等の金属水素化物等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
(4)第3工程
次いで、一般式(27)で表されるトリフェニルアミン誘導体を、第二段階のフィルスマイヤー(Vilsmeier)法によりホルミル化して、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を得る。
なお、第3工程における第二段階のフィルスマイヤー法の反応条件等については、第1工程における第一段階のフィルスマイヤー法に準じて行うことが好ましい。
2.ジリン酸エステル誘導体
次いで、反応式(1)を実施するうえで、原料となる一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体の合成方法について詳しく説明する。
一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体は、下記反応式(3)に示すように、合成することができる。なお、反応式(3)中のAは、一般式(1)中のAと同様の内容であり、Xはハロゲン原子であり、例えば、塩素原子、臭素原子である。
かかるジリン酸エステル誘導体の合成反応を実施するにあたり、例えば、ハロゲン化メチル誘導体に対して、亜リン酸トリエチルを無溶媒または適当な溶媒中に添加して、反応させることが好ましい。この理由は、このように反応させることにより、反応式(1)に使用する一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体を高い収率で得ることができるためである。
ここで、合成反応を生じさせるに際して、ハロゲン化メチル誘導体1モルに対して、亜リン酸トリエチルの使用割合を、少なくとも2モルとすることが好ましく、2〜10モルの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、かかる反応温度を、通常80〜150℃の範囲内の値とし、反応時間を2〜10時間の範囲内の値とすることが好ましい。
また、ジリン酸エステル誘導体を合成する際に用いる溶媒としては、かかる反応に影響を及ぼさないものであれば良いが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド等が、好適例として挙げられる。
また、ジリン酸エステル誘導体を合成する際に、所定量の第三級アミンを添加することも好ましい。この理由は、第三級アミンによって、反応系からハロゲン化アルキルが除去されるため、ジリン酸エステル誘導体の合成反応を促進できるためである。好適な第三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
3.反応条件
次いで、反応式(1)を実施する際の反応条件について詳細に説明する。
すなわち、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体は、上述した反応式(1)に従って、後述する反応条件に基づいて合成することができる。
(1) 反応温度と反応時間
一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体との反応は、通常−10〜30℃で行うことが好ましく、その反応時間を1〜12時間の範囲内の値とすることが好ましい。
(2) 溶媒
一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体との反応に使用する好適な溶媒としては、当該反応に影響を及ぼさないものであればよいが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
(3) 触媒
また、かかる反応に使用する触媒としては、ナトリウムメトキシドやナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウムや水素化カリウム等の金属水素化物、あるいは、n−ブチルリチウム等の金属塩が好適なものとして挙げられる。
ここで、かかる触媒の添加量を、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体1モルに対して、1.0〜1.5モルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる触媒の添加量が1.0モル未満の値となると、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、の間の反応性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる触媒の添加量が1.5モルを超えると、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、の間の反応を制御することが著しく困難になる場合があるためである。
(4) 添加割合
一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、の間の反応を実施するにあたり、添加割合を、モル比で1:2〜1:3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ジリン酸エステル誘導体との添加割合が、1:2未満の値になると、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ジリン酸エステル誘導体とが1:1で対応して反応しやすくなるためである。また、かかる添加割合が、1:3を超えると、未反応のホルミル化トリフェニルアミン誘導体が精製を困難にする場合があるためである。
したがって、一般式(4)で表されるジリン酸エステル誘導体と、一般式(3)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体との添加割合を、モル比で1:2.2〜1:2.5の範囲内の値とすることがより好ましい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体であって、感光体層(表面層が電荷注入層である場合を除く)が、結着樹脂、電荷発生剤および電子輸送剤を含有した単層型であるとともに、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
本発明の電子写真感光体は、特に正負いずれの帯電型にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、層を形成する際の被膜欠陥を抑制できること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の観点から、単層型に適用することを特徴とする。
1.単層型感光体
(1) 基本的構成
図6(a)に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光層14を設けたものである。
この感光層は、例えば、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体(正孔輸送剤)と、電荷発生剤と、結着樹脂と、さらに必要に応じて電子輸送剤を適当な溶媒に溶解または分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。かかる単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性に優れているという特徴がある。
また、得られた単層型感光体は、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を含んでいることから、残留電位が低下しており、所定感度を有しているという特徴がある。
さらに、単層型感光体の感光層に、電子輸送剤を含有させる場合には、電荷発生剤と正孔輸送剤との電子の授受が効率よく行われるようになり、感度等がより安定する傾向が見られる。
(2) 電荷発生剤
本発明に用いられる電荷発生剤としては、例えば、無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンタやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば、無金属フタロシアニンやオキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。
一方、ハロゲンランプ等の白色の光源を使用した静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置には、可視領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば、ペリレン顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
(3) 正孔輸送剤
本発明の電子写真感光体においては、正孔輸送剤である本発明のスチルベン誘導体とともに、従来公知の他の正孔輸送剤を感光層に含有させることも好ましい。
このような正孔輸送剤としては、高い正孔輸送能を有する種々の化合物、例えば下記式(29)〜(41)で表される化合物 (HTM−1〜HTM−13)があげられる。
(式中、Rh1、Rh2、Rh3、Rh4、Rh5およびRh6は互いに独立しており、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示す。aおよびbは、同一または異なっていても良い0〜4の整数を示し、c、d、eおよびfは同一または異なっていても良い0〜5の整数を示す。ただし、a、b、c、d、eまたはfが2以上のとき、各Rh1、Rh2、Rh3、Rh4、Rh5およびRh6は異なっていても良い。)
(式中、Rh7、Rh8、Rh9、Rh10 およびRh11は互いに独立しており、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示す。g、h、iおよびjは、同一または異なっていても良い0〜5の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。ただし、g、h、i、jまたはkが2以上のとき、各Rh7、Rh8、Rh9、Rh10およびRh11は異なっていても良い。)
(式中、Rh12、Rh13、Rh14およびRh15は互いに独立しており、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示し、Rh16はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、または置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示す。m、n、oおよびpは、同一または異なっていても良い0〜5の整数を示し、qは、0〜6の整数を示す。ただし、m、n、o、pまたはqが2以上のとき、各Rh12、Rh13、Rh14、Rh15およびRh16は異なっていても良い。)
(式中、Rh17、Rh18、Rh19およびRh20は互いに独立しており、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示。r、s、tおよびuは、同一または異なっていても良い、0〜5の整数を示す。ただし、r、s、tまたはuが2以上のとき、各Rh17、Rh18、Rh19およびRh20は異なっていても良い。)
(式中、Rh21およびRh22は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。Rh23、Rh24、Rh25およびRh26は互いに独立しており、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜40のアリール基を示す。)
(式中、Rh27、Rh28およびRh29は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh30、Rh31、Rh32およびRh33は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh34、Rh35、Rh36、Rh37およびRh38は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh39は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示し、Rh40、Rh41およびRh42は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh43、Rh44およびRh45は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh46およびRh47は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示す。)
(式中、Rh50、Rh51、Rh52、Rh53、Rh54およびRh55は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示す。また、αは1〜10の整数を示し、v、w、x、y、zおよびβは同一または異なっていても良い0〜2の整数を示す。ただし、v、w、x、y、zまたはβが2のとき、各Rh50、Rh51、Rh52、Rh53、Rh54およびRh55は異なっていても良い。)
(式中、Rh56、Rh57、Rh58およびRh59は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示し、Φは下式(44)のいずれかで表される基である。)
また、本発明においては、上記例示の正孔輸送剤HTM−1〜HTM−13等とともに、従来公知の正孔輸送物質、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等の1種単独または2種以上の組み合わせが挙げられる。
(4) 電子輸送剤
本発明に用いられる電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物、例えば下記一般式(43)〜(59)で表される化合物 (ETM−1〜ETM−17)等があげられる。
(式中、Re1、Re2、Re3、Re4およびRe5は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基、置換または非置換のフェノキシ基を示す。)
(式中、Re6は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、Re7は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基、ハロゲン原子、またはハロゲン化アルキル基を示す。γは0〜5の整数を示す。ただし、γが2以上のとき、各Re7は互いに異なっていてもよ良い。)
(式中、Re8およびRe9は互いに独立しており、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示す。δは1〜4の整数を示し、εは0〜4の整数を示す。ただし、δおよびεが2以上のとき、各Re8およびRe9は異なっていても良い。)
(式中、Re10は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基、ハロゲン化アルキル基、またはハロゲン原子を示す。ζは0〜4、ηは0〜5の整数を示す。ただし、ηが2以上のとき、各Re10は異なっていても良い。)
(式中、Re11は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示し、σは1〜4の整数を示す。ただし、σが2以上のとき、各Re11は異なっていても良い。)
(式中、Re12およびRe13は互いに独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基、アラルキルオキシカルボニル基、水酸基、ニトロ基、またはシアノ基を示す。Xは酸素原子、=N−CN基または=C(CN)2 基を示す。)
(式中、Re14は水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示し、Re15はハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基、アルコキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、シアノ基、またはニトロ基を示す。λは0〜3の整数を示す。ただし、λが2以上のとき、各Re15は互いに異なっていても良い。)
(式中、θは1〜2の整数を示す。)
(式中、Re16およびRe17は互いに独立しており、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基を示す。νおよびξは0〜3の整数を示す。ただし、νまたはξが2以上のとき、各Re16およびRe17は互いに異なっていても良い。)
(式中、Re18およびRe19は互いに独立しており、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基、縮合多環式基または複素環式基を示し、これらの基は置換基を有していても良い。)
(式中、Re20はアミノ基、ジアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコシキ基、または置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示し、πは1〜2の整数を示す。ただし、πが2のとき、各Re20は互いに異なっていても良い。)
(式中、Re21は水素原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基を示す。)
(式中、Re22は、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基、アルコキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、シアノ基、またはニトロ基を示す。μは0〜3の整数を示す。ただし、μが2以上のとき、各Re22は互いに異なっていても良い。)
(式中、Re23は、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基または置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示し、Re24は、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基または置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基、または−O−Re24で表される基を示す。上記基中のRe24は、上述した置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基または置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基を示す。)
(式中、Re25、Re26、Re27、Re28、Re29、Re30およびRe31は互いに独立しており、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基、ハロゲン原子、またはハロゲン化アルキル基を示す。χおよびφは同一または異なっていても良い0〜4の整数を示す。)
(式中、Re32およびRe33は互いに独立しており、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基、ハロゲン原子、またはハロゲン化アルキル基を示す。τおよびΨは同一または異なっていても良い0〜4の整数を示す。)
(式中、Re34、Re35、Re36およびRe37は互いに独立しており、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基またはアラルキル基、シクロアルキル基またはアミノ基を示す。ただし、Re34 、Re35 、Re36 およびRe37 のうち少なくとも2つは、水素原子でない同一の基である。)
また、本発明においては、上記例示のほかに従来公知の電子輸送物質、すなわち例えばベンゾキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の1種単独または2種以上の組み合わせが挙げられる。
(5) 結着樹脂
各成分を分散させるための結着樹脂は、従来より感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
特に、ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性に優れているばかりか、機械的特性や正孔輸送剤との相溶性にも優れていることから好ましい結着樹脂である。
(6) 添加剤
また、感光層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
(7) 配合割合および厚さ
本発明の電子写真感光体が単層型の感光体である場合、電荷発生剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよい。本発明のスチルベン誘導体(正孔輸送剤)は、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好ましくは30〜200重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤を含有させる場合、電子輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部とするのが適当である。
また、本発明の電子写真感光体が積層型の感光体である場合、電荷発生層を構成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で使用することができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部の割合で配合するのが適当である。電荷発生層に正孔輸送剤を含有させる場合は、正孔輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部、好ましくは50〜200重量部とするのが適当である。
電荷輸送層を構成する正孔輸送剤と、結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しない範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に対して、本発明のスチルベン誘導体 (正孔輸送剤)を10〜500重量部、好ましくは25〜200樹脂の割合で配合するのが適当である。電荷輸送層に電子輸送剤を含有させる場合は、電子輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部とするのが適当である。
(8) 構造
また、単層型感光体における感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
そして、このような感光層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
また、導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。前記感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
また、単層型の構成に関して、図6(b)に示すように、導電性基体12と感光層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されている感光体10´でもよい。また、図6(c)に示すように、感光層14の表面には、保護層18が形成されている感光体10´´でもよい。
(9) 製造方法
本発明の電子写真感光体の製造方法は特に制限されるものではないが、まず、塗布液を作成することが好ましい。そして、得られた塗布液を、公知の製造方法に準じて、例えば、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、所定膜厚の感光層を有する電子写真感光体を得ることができる。
なお、かかる塗布液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
参考例1]
(1)スチルベン誘導体の合成
(1)−1 トリフェニルアミン誘導体の合成
下記式(61)で表されるトリフェニルアミン誘導体の合成を、下記の反応式(4)に沿って実施した。
すなわち、容量500mlの2つ口フラスコ内に、無水炭酸カリウム152.0g(1.10mol)、および粉末銅9.5g(0.15mol)を加え、2時間加熱して、均一になるまで攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、下記式(60)で表されるアニリン化合物67.6g(0.5mol)と、ヨードベンゼン305.9g(1.5mol)とを添加した後、220℃に再加熱し、2.5時間反応させた。その後、室温まで冷却した後、100mlのトルエンを添加し、ろ過処理をした。得られた残渣をトルエンで溶解し、活性白土を用いて乾燥させた。その後、残渣をトルエンで溶解し、さらにメタノールを添加して晶析させた。その後、得られた結晶をろ別して、乾燥した。その後、得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/へキサン溶媒)を用いて精製し、式(61)で表されるトリフェニルアミン誘導体84.1gを得た(収率58.5%)。
(1)−2 ホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成
次いで、式(62)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成を、下記の反応式(5)に沿って実施した。
すなわち、500mlのフラスコ内に、式(61)で表されるトリフェニルアミン誘導体60g(0.21mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)450mlと、オキシ塩化リン酸41.8g(0.27mol)と、を収容し、85℃以上で、3時間撹拌した。反応後、反応液をイオン交換水600ml中に滴下し、析出した固体をろ別した。得られた固体はイオン交換水にて撹拌洗浄した。その後、固体をトルエンに溶解させ、有機層をイオン交換水にて5回洗浄を行った。その後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を加え、乾燥および吸着処理を行った。その後、トルエンを減圧留去し、残渣を200mlのトルエンに溶解させ、メタノールより晶析させ、式(62)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体50.2gを得た(収率75.8%)。
(1)−3 リンイリドの合成
次いで、式(63)で表されるリンイリドの合成を、下記の反応式(6)に沿って実施した。
すなわち、α−ブロモジフェニルメタン150g(0.61mol)と、トリエタノールリン酸121g(0.72mol)とを添加して、210℃で加熱し、1時間撹拌した。 その後、室温まで冷却した後、真空蒸留にて精製を実施した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル溶媒)を用いて精製し、式(63)で表されるリンイリド168.4gを得た(収率90.7%)。
(1)−4 トリフェニルアミン誘導体の合成
次いで、下記式(64)で表されるトリフェニルアミン誘導体の合成を、下記の反応式(7)に沿って実施した。
すなわち、1000mlの四つ口フラスコ内に、式(63)で表されるリンイリド25g(0.082mol)を加えた後、アルゴンガス置換をおこない、さらにTHF100mlを収容して、5℃以下で反応させた。その後、n−BuLi(ヘキサン溶液中で1.6M)51.2mlを滴下して、7℃以下で30分間撹拌した。さらに、式(62)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体18g(0.057mol)をTHF45mlに溶解したものを滴下し、6℃以下で30分間撹拌した。この反応液をイオン交換水500mlに加え、トルエン抽出を行った。さらにその有機層をイオン交換水を用いて、5回洗浄をしたあと、有機層を無水硫酸マグネシウムおよび活性白土を用いて、乾燥および吸着処理をおこなった。その後、有機溶媒を留去して、常温で2日間放置し、析出した固体を石油エーテルを用いてろ別し、得たれた固体を減圧乾燥した。得られた固体は、カラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/へキサン溶媒)にて精製をして、式(64)で表されるトリフェニルアミン誘導体22.9gを得た(収率86.3%)。
(1)−5 ホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成
次いで、下記式(65)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を、下記の反応式(8)に沿って実施した。
すなわち、500mlのフラスコ内に、式(64)で表されるトリフェニルアミン誘導体20g(0.043mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)300mlと、オキシ塩化リン酸8.6g(0.06mol)と、を収容して、95℃で、3時間攪拌させた。その後、反応液をイオン交換水500mlに注ぎ、析出した結晶をろ別した。得られた固体をイオン交換水にて2回撹拌洗浄した。さらに、得られた結晶をトルエンに溶解させて、有機層をイオン交換水を用いて5回洗浄した。さらに、有機層を無水硫酸マグネシウム、および活性白土を加え、乾燥および吸着処理をした後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム溶媒)にて精製し、式(65)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体16.6gを得た(収率78.2%)。
(1)−6 ジリン酸エステル誘導体の合成
式(66)で表されるジリン酸エステル誘導体の合成を、下記の反応式(9)に沿って合成した。すなわち、500mlのフラスコ内に、1,3−ビス(クロロメチル)ベンゼン80g(0.457mol)と、亜リン酸トリエチル228g(1.37mol)と、を収容して、8時間以上還流した。その後、冷却して、析出結晶をろ別した。さらに、結晶をn−へキサンを用いて洗浄をおこない、式(66)で表されるジリン酸エステル誘導体(146)gを得た(収率84.7%)。
(1)−7 スチルベン誘導体の合成
次いで、式(7)で表されるスチルベン誘導体の合成を、下記の反応式(10)に沿って実施した。
すなわち、500mlの2つ口フラスコ内に、(1)−6で得られた式(66)で表されるジリン酸エステル4.47g(0.0118mol)を添加し、アルゴン置換した後、THF50mlと、NaOMe5.48g(0.0284mol)/THF30mlと、を収容し、30分攪拌した。次いで、この容器内に、上述した式(65)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体14g(0.0284mol)を溶解させた後、室温で約12時間撹拌した。次いで、反応液をイオン交換水500mlに注ぎ、希塩酸を用いて、水層を中性から弱酸性にした。さらに、トルエン抽出をおこなって、有機層をイオン交換水にて5回洗浄した。その後、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥して、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン)で精製して、式(6)で表されるスチルベン誘導体7.81gを得た(収率62.6 %)。
(2)評価
(2)−1 初期表面電位、半減露光量および残留電位の測定
得られたスチルベン誘導体を正孔輸送剤として、単層型の電子写真感光体を作成して、初期表面電位、半減露光量および残留電位を測定した。すなわち、正孔輸送剤として、得られたスチルベン誘導体(HTM−A)を60重量部と、電荷発生剤として、下記式(67)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を5重量部と、結着樹脂として、下記式(68)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−A)を100重量部と、を溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部に対して添加した。次いで、ボールミルを用いて50時間混合分散して、単層型感光層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
次いで、得られた電子写真感光体における初期電気特性、すなわち、初期帯電電位(V0)半減露光量(E1/2)および残留電位(VR)を測定した。まず、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、表面電位が710Vになるように帯電させた。なお、半減露光量(E1/2)については、ハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光強度:1.5μJ/cm2)を露光して、表面電位が1/2になるまでに要した時間を測定した。さらに、残留電位(VR)については、露光開始から330msec経過した時点での表面電位を測定し、それを残留電位とした。
それぞれ得られた結果を、表1に示す。
(2)−2 結晶性評価
また、感光層を塗布後、熱風乾燥前に1時間自然乾燥した電子写真感光体の外観を目視にて観察し、下記基準に準じて結晶性評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
◎:結晶化が全く見られない。
○:結晶化はほとんど見られない。
△:わずかな結晶化が見られる。
×:顕著な結晶化が見られる。
(2)−3 繰り返し帯電特性評価
また、(2)−1で作成した電子写真感光体を静電式プリンタ〔京セラ(株)製FS-1000+改造機〕に搭載して、表面電位を約450Vに設定した。その後、5000枚の連続印刷を行った後、表面電位を再度測定し、印刷後表面電位とした。得られた印刷後表面電位と、初期測定値450Vとの差を帯電変化量とした。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
参考例1の塗布液中に、電子輸送材料として、下記式(69)で表されるキノン誘導体(ETM−A)をさらに30重量部添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
[実施例3]
参考例1における塗布液中に、電子輸送材料として、下記式(70)で表される別のキノン誘導体(ETM−B)をさらに30重量部添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
[実施例4]
参考例1における塗布液中に、電子輸送材料として、下記式(71)で表される別のキノン誘導体(ETM−C)をさらに30重量部添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
参考例5、実施例6〜8]
参考例1、実施例2〜4におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送材料として、式(8)で表されるスチルベン誘導体(HTM−B)を用いたほかは、参考例1、実施例2〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
参考例9、実施例10〜12]
参考例1、実施例2〜4におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送材料として、式(9)で表されるスチルベン誘導体(HTM−C)を用いたほかは、参考例1、実施例2〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
[実施例13]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(10)で表されるスチルベン誘導体(HTM−D)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例14]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(11)で表されるスチルベン誘導体(HTM−E)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例15]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(12)で表されるスチルベン誘導体(HTM−F)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例16]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(13)で表されるスチルベン誘導体(HTM−G)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例17]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(14)で表されるスチルベン誘導体(HTM−H)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例18]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(15)表されるスチルベン誘導体(HTM−I)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例19]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(17)で表されるスチルベン誘導体(HTM−K)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例20]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(18)表されるスチルベン誘導体(HTM−L)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例21]
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、下記式(72)表されるスチルベン誘導体(HTM−P)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
その結果、実施例2と同様に結着樹脂との相溶性に優れており、残留電子が低く、長時間に使用時においても帯電変化量か少ないことが確認された。
[比較例1〜4]
実施例1〜4におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送材料として、下記式(73)で表されるスチルベン誘導体(HTM−Q)を用いたほかは、参考例1、実施例2〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
[比較例5〜8]
実施例1〜4におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送材料として、下記式(74)で表されるスチルベン誘導体(HTM−R)を用いたほかは、参考例1、実施例2〜4と同様に単層型感光層を作成して、評価した。
比較例9
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(75)で表されるスチルベン誘導体(HTM−S)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
比較例10
実施例2におけるスチルベン誘導体(HTM−A)のかわりに、正孔輸送剤として、式(76)で表されるスチルベン誘導体(HTM−T)を用いたほかは、参考例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
以上詳述したように、本発明におけるスチルベン誘導体は、中心に特定の芳香族環構造、および分子末端にオレフィン基を介した所定のアリール基と、少なくとも1つの所定の置換基を有していることから、結着樹脂との相溶性が優れ、かつ高い電荷輸送能(正孔輸送能)を有している。すなわち、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体は、高い正孔輸送能を有することから、単層型電子写真感光体における正孔輸送剤として好適に使用されるほか、太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子等の種々の分野での利用が可能である。
また、本発明におけるスチルベン誘導体の製造方法は、所定のホルミル化トリフェニルアミン誘導体と所定のジリン酸エステル誘導体とを、反応させることにより、結着樹脂との相溶性に優れ、かつ高い電荷輸送剤能を有している一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を高い収率で得ることができる。
さらに、本発明の単層型の電子写真感光体は、一般式(1)で表されるスチルベン誘導体を正孔輸送剤として用いることから、所定の感度特性や耐久性を有している。したがって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置の高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
式(6)で表されるスチルベン誘導体の赤外分光(IR)チャートを説明するために供する図である。 式(10)で表されるスチルベン誘導体の赤外分光(IR)チャートを説明するために供する図である。 式(11)で表されるスチルベン誘導体の赤外分光(IR)チャートを説明するために供する図である。 式(14)で表されるスチルベン誘導体の赤外分光(IR)チャートを説明するために供する図である。 式(15)で表されるスチルベン誘導体の赤外分光(IR)チャートを説明するために供する図である。 (a)〜(c)は、単層型感光体の基本構造および変形構造を説明するために供する図である。
10:単層型感光体
10´:単層型感光体
10´´:単層型感光体
12:導電性基体
14:感光層
16:バリア層
18:保護層

Claims (5)

  1. 導電性基体上に単層型である感光層(表面層が電荷注入層である場合を除く)を設けた電子写真感光体であって、
    前記感光層が、結着樹脂と、電荷発生剤と、電子輸送剤と、下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体と、を含有することを特徴とする電子写真感光体。



    (一般式(1)中の、Aは、下記式(2)で表される有機基であり、複数のR1〜R7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、アミノ基、あるいは、複数のR1〜R7のうち隣接するいずれか二つは、それぞれが結合または縮合して炭素環構造を形成しており、複数のAr1およびAr2は、それぞれ独立しており、炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数aおよびbはそれぞれ0〜4の整数であり、cは1〜3の整数である。ただし、R1〜R7のうち少なくとも一つは水素原子以外の前記置換基である。)

  2. 前記一般式(1)中の複数のAr1およびAr2が、炭素数6〜14のアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体
  3. 前記一般式(1)中の複数のR1〜R7のうち少なくとも一つが、炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体
  4. 前記一般式(1)中の複数のR1〜R5のうち隣接するいずれか二つが、それぞれ結合して炭素数3〜6の炭素環構造を形成することを特徴とする請求項1〜3に記載の電子写真感光体
  5. 前記一般式(1)中の複数の繰り返し数cが、それぞれ1であることを特徴とする請求項1〜4に記載の電子写真感光体
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