JP4818624B2 - 電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、ドーパントでp型ドーピングされた導電性高分子とセパレータとの複合体である導電性セパレータが電解液で含浸され、陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサ用の電解液に関するものであり、特にエージング工程での電解コンデンサの等価直列抵抗(以下、ESRと略記)増加を抑制し、電解コンデンサのESR特性に優れた電解コンデンサ用電解液に関するものである。
従来から、電解コンデンサのエネルギー損失やESR特性を改善する為に、電導度の高い電解液の開発が盛んに行われている。これらの電解コンデンサの電解液としては、例えばアルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とする、いわゆるアミジン系電解液(例えば特許文献1)などが知られているが、電解液の高電導度化としては、未だ十分といえる性能に至っていない。
また、上記課題の要因としてはセパレータや電極間の抵抗が考えられ、セパレータや電極間を導電性高分子によって導電化することでESR特性を改良する電解コンデンサ(例えば特許文献2)などが知られているが、このコンデンサにアミジン系等の電解液を用いるとエージング工程における導電性高分子の劣化により電解コンデンサのESRが増加するという問題点があった。
国際公開第95/15572号パンフレット 特許第2571941号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、ドーパントでp型ドーピングされた導電性高分子とセパレータとの複合体である導電性セパレータが電解液で含浸され、陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサ用の電解液において、エージング工程での電解コンデンサのESR増加が少なく、電解コンデンサのESR特性が良好な電解液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、エージング工程でのESR増加が、陰極表面におけるp型ドーピングされた導電性高分子の還元劣化であることを見出した。さらに、電解液中の構成成分のいずれかの還元電位が−1.6V以上であることで、エージング工程でのp型ドーピングされた導電性高分子の還元劣化を抑制でき、エージング工程における電解コンデンサのESR増加を抑制できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ドーパント(F)でp型ドーピングされた導電性高分子(E)とセパレータ(G)との複合体である導電性セパレータ(D)が電解液で含浸され、かつ陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサ用の電解液であって、下記測定方法で測定される還元電位が−1.6V〜0Vである成分(A0)を含有することを特徴とする電解液、
還元電位の測定方法:支持電解質としてホウフッ化テトラエチルアンモニウム塩を0.23モル/L溶解させたγ−ブチロラクトンに、成分(A0)を0.1モル/Lで溶解させ、作用極にグラッシ−カーボン電極(φ1.0mm)、参照電極に(Ag/Ag)電極、対極に白金電極を用いた対流サイクリックボルタンメトリー測定法により電流が−0.2μA流れた時点の電位を測定する、
;及び該電解液を使用した電解コンデンサである。
本発明の電解液は、ドーパントでp型ドーピングされた導電性高分子とセパレータとの複合体である導電性セパレータが電解液で含浸され、陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサにおいて、p型ドーピングされている導電性高分子の陰極近傍における還元劣化を抑制することができ、エージング工程での電解コンデンサのESR増加を抑制することができる。
p型ドーピングされている導電性高分子は、アクセプタードーパントによって共役系の結合性Π軌道にある電子の一部が取り除かれ、導電性高分子内にカチオンのキャリアーをつくることで、導電性を発現している。
p型ドーピングされている導電性高分子のエージング工程における導電率の低下は、導電性高分子に陰極から電子が流れ込み、導電性高分子が還元反応を起こす事で、導電性高分子内のカチオンのキャリアーが無くなり導電率が低下していると考えられる。
本発明の電解液は、還元電位が−1.6V〜0Vである成分(A0)を含有することで、成分(A0)が導電性高分子より優先的に還元反応を起こす犠牲剤として働き、導電性高分子の還元反応を抑制することができる。
本発明の電解液は、上記成分(A0)を必須成分として含有する。
成分(A0)の還元電位は、対流サイクリックボルタンメトリー測定(以下、CV測定と略記)で行い、測定溶液は攪拌子によって攪拌しながら測定を行う。CV測定は、作用極、対極、参照電極の3極式セルを使用し、作用極にはグラッシ−カーボン電極(φ1.0mm)、対極には白金電極、参照電極には非水溶媒系(Ag/Ag)参照電極を用いる。測定溶液は、支持電解質としてホウフッ化テトラエチルアンモニウム塩を0.23モル/L溶解させたγ−ブチロラクトンに、試料として成分(A0)を0.1モル/Lで溶解させたものを使用する。
CV測定は、電位走査を始める電位(以下、初期電位と略記)を0V、初期電位から正側に電位走査を始め、正の折り返し電位を3V、負の折り返し電位を−3V、終了電位を0Vと設定することで測定を行う。また、電位走査速度は5mV/sとする。
正の折り返し電位から負側に電位走査を始め、電流が−0.2μA流れた時点の電位を還元電位として測定する。
成分(A0)の還元電位は、−1.6V〜0V、好ましくは−1.5V〜−0.1V、さらに好ましくは−1.4V〜−0.2V、特に好ましくは、−1.3V〜−0.3Vである。成分(A0)の還元電位が−1.6V未満では、成分(A0)が陰極近傍で導電性高分子より優先的に還元反応を起こす犠牲剤として働かず、導電性高分子の還元反応を抑制することができず、導電性高分子の導電率低下を引き起こす。成分(A0)の還元電位が0Vを超えると、電解液成分が導電性高分子を酸化劣化させてしまい、導電性高分子の導電率の低下を引き起こす。
成分(A0)の含有量は、電解液の体積に対して、好ましくは、0.05モル/L〜10モル/L、より好ましくは0.07モル/L〜5モル/L、更に好ましくは0.1モル/L〜3モル/L、特に好ましくは0.2モル/L〜2モル/Lである。成分(A0)の含有量は、導電性高分子の還元劣化の犠牲剤としての観点から0.05モル/L以上が好ましく、導電率の観点から10モル/L以下が好ましい。
化合物(A0)の具体例としては、クロム酸化合物、マンガン酸化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、ニトロ化合物、3価以上の多価カルボン酸化合物、1〜3級アンモニウム化合物、スルホキシド化合物、ハロゲン化合物、及びベンゾキノン化合物等が挙げられる。
(1)クロム酸化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
クロム酸、無水クロム酸、重クロム酸カリウム、クロム酸ナトリウム、クロム酸メチルエステル、クロム酸エチルエステル、クロム酸プロピルエステル、クロム酸イソプロピルエステル、クロム酸ブチルエステル、クロム酸イソブチルエステル、クロム酸−t−ブチルエステル、塩化クロミルなど。
(2)マンガン酸化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、マンガン酸カリウム、マンガン酸ナトリウム、二酸化マンガン、三価マンガンカリウム、三価マンガンナトリウムなど。
(3)有機過酸化物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
過安息香酸、過酢酸、過ギ酸、モノ過フタル酸、モノ過イソフタル酸、モノ過テレフタル酸、トリフルオロ過酢酸、過プロピオン酸、過酪酸、モノ過コハク酸等の過カルボン酸類;メタン過スルホン酸、エタン過スルホン酸、プロパン過スルホン酸、イソプロパン過スルホン酸、ベンゼン過スルホン酸、p−トルエン過スルホン酸、1−ナフタレン過スルホン酸、2−ナフタレン過スルホン酸等の過スルホン酸類など。
(4)無機過酸化物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
過酸化水素、オゾン、パーオキシジ硫酸、パーオキシモノ硫酸、モノパーオキシリン酸、ジパーオキシリン酸など。
(5)ニトロ化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、1−ニトロブタン、2−ニトロブタン、ニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸、3−ニトロフタル酸、4−ニトロフタル酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、o−ニトロ桂皮酸、ピクリン酸、o−ニトロトルエン、p−ニトロトルエン、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、酢酸p−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル酢酸、3−ブロモ−7−ニトロインダゾール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、n−ブチル−n−ブタノールニトロソアミン、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン、N−クロロメチル−4−ニトロフタルイミド、2−クロロ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−3−ニトロピリジン、2,3−ジクロロニトロベンゼン、ジイソプロパノールニトロソアミン、2,4−ジニトロアニソール、m−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、2−メチル−5−ニトロアニリン、4−メチル−2−ニトロアニリン、メトロニダゾール、o−ニトロアセトフェノン、p−ニトロアセトフェノン、o−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、5−ニトロベンゾトリアゾール、m−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロベンジルアルコール、4−(p−ニトロベンジル)ピリジン、4−ニトロカテコール、ニトロセルロースなど。
(6)3価以上の多価カルボン酸化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、プレーニト酸、メロファン酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸、四酢酸鉛など。
(7)1級アンモニウム化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、エチレンジアンモニウム、エチレンジアミンモノアンモニウム、1,2−ジアンモニウムプロパン、1,2−ジアミノプロパンモノアンモニウムなど。
(8)2級アンモニウム化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、メチルホルミルメチルアンモニウム、メチルホルミルエチルアンモニウム、ピロリジンアンモニウム、2−ピロリドンアンモニウム、ピペリジンアンモニウム、ピペコリンアンモニウム、ピペコリン酸アンモニウム、ピペラジンモノアンモニウム、ピペラジンジアンモニウム、ピペリドンアンモニウム、ピラゾリジンモノアンモニウム、ピラゾリジンジアンモニウム、2−ピラゾリンアンモニウム、ピラゾールアンモニウム、ピラゾロンモノアンモニウム、ピラゾロンジアンモニウムなど。
(9)3級アンモニウム化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルアンモニウム、メチルエチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルエチルアンモニウム、ジエチルホルミルメチルアンモニウム、ジエチルホルミルエチルアンモニウム、ジメチルメトキシカルボニルメチルアンモニウム、ジエチルメトキシカルボニルメチルアンモニウム、ジメチルシアノメチルアンモニウム、ジメチルシアノエチルアンモニウム、ジエチルシアノメチルアンモニウム、ジエチルシアノエチルアンモニウム、ジメチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルメトキシエチルアンモニウム、ジエチルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルメトキシエチルアンモニウム、ジメチルアセチルメチルアンモニウム、ジエチルアセチルメチルアンモニウム、ジメチルヒドロキシメチルアンモニウム、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルヒドロキシメチルアンモニウム、ジエチルヒドロキシエチルアンモニウム、ピリジンアンモニウム、ピリジルアンモニウム、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネンアンモニウムなど。
上記1級アンモニウム化合物、2級アンモニウム化合物及び3級アンモニウム化合物の対アニオンとしては、上記(1)記載のクロム酸、無水クロム酸のアニオン、上記(2)記載の過マンガン酸、マンガン酸のアニオン、上記(3)記載の有機過酸のアニオン、上記(4)記載の無機過酸のアニオン、上記(5)記載のニトロ基含有カルボン酸のアニオン、上記(6)記載の3価以上の多価カルボン酸のアニオン、下記(11)記載のハロゲン化無機酸のアニオン、及び下記に記載される電解質(B)を構成する酸のアニオン等が挙げられる。
(10)スルホキシド化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
スルホラン、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、2,3−ジメチルスルホラン、2−エチルスルホラン、3−エチルスルホラン、2,4−ジエチルスルホラン、2,3−ジエチルスルホラン、3−スルホレン、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルイソプロピルスルホン、メチルブチルスルホン、ジプロピルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなど。
(11)ハロゲン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
次亜塩素酸、塩素酸、次亜臭素酸、臭素酸、パラ過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、HF、HPF、HBF、HAsF、HSbF、HAlF、HTaF、HNbF、HSiF、HCl、HPCl、HBCl、HAsCl、HSbCl、HAlCl、HTaCl、HNbCl、HSiCl、HBr、HPBr、HBBr、HAsBr、HSbBr、HAlBr、HTaBr、HNbBr、HSiBr、HClOなど。
(12)ベンゾキノン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、2−メチルベンゾキノン、2,5−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3,5−トリメチルベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチルベンゾキノンなど。
上記成分(A0)は、一種または二種以上を併用しても良い。
これらのうち、さらに好ましいものは、有機過酸化物、1級アンモニウム化合物、2級アンモニウム化合物、3級アンモニウム化合物、3価以上の多価カルボン酸化合物、ニトロ化合物、及びベンゾキノン化合物であり、特に好ましいのは、過安息香酸、モノ過フタル酸、ジメチルエチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ジエチルメチルアンモニウム塩、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、p−ニトロ安息香酸、3−ニトロフタル酸、p−ベンゾキノンである。
また、上記成分(A0)は、酸性化合物である場合は塩基性化合物と、塩基性化合物である場合は酸性化合物と電解質塩を形成して本発明の電解液に含有されていても良い。上記成分(A0)と電解質塩を形成する塩基性化合物や酸性化合物としては、後述の電解質(B)のカチオン(C)やアニオンの酸等が挙げられる。また、電解質塩を形成する酸性化合物と塩基性化合物が、ともに成分(A0)であってもよい。
好ましい具体例としては、ニトロ化合物の酸と塩基性化合物との塩[例えば、トリエチルアンモニウム・3−ニトロフタル酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・p−ニトロ安息香酸等]、3価以上の多価カルボン酸化合物と塩基性化合物との塩[例えば、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩、ジエチルメチルアンモニウム・ピロメリト酸塩等]、3級アンモニウム化合物の酸性化合物との塩[ジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩等]が挙げられる。
本発明の電解液のpHは、好ましくは2〜7、更に好ましくは2.5〜6.8、特に好ましくは3〜6.6、最も好ましくは4.0〜6.3である。電解液のpHは、電解液に含浸された導電性セパレータのうち、p型にドーピングされた導電性高分子からドーパントが抜け出す脱ドープ現象の抑制の観点から7以下が好ましく、陽極化成箔の溶解による腐食の観点から2以上が好ましい。
本発明の電解液のpHは、水等の他の溶媒を加えずに直接pHメーターで測定した値である。
本発明の電解液は成分(A0)に加えてさらに電解質(B)を含有してなることが好ましい。但し、電解質(B)は上記成分(A0)以外のものである。
電解質(B)のカチオン(C)としては、例えばオニウムカチオンが挙げられる。これらのなかでカチオン(C)がアミジニウムカチオン(C1)及び/またはグアニジニウムカチオン(C2)である電解質(B)が好ましい。
アミジニウムカチオン(C1)としては下記のものが挙げられる。
(1)イミダゾリニウム類
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
(2)イミダゾリウム類
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
(3)テトラヒドロピリミジニウム類
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
(4)ジヒドロピリミジニウム類
1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウムなど。
グアニジニウムカチオン(C2)としては、下記のものが挙げられる。
(1)イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
(2)イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
(3)テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
(4)ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムなど。
上記アミジニウムカチオン(C1)およびグアニジニウムカチオン(C2)は一種または二種以上を併用してもよい。
これらのうち、アミジニウムカチオン(C1)として好ましいものは、イミダゾリニウム類であり、特に好ましいものは、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムである。
グアニジニウムカチオン(C2)として好ましいものは、イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウム類であり、特に好ましいものは、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムである。
本発明において、電解質(B)を構成するアニオンの酸としては、好ましくは、有機カルボン酸、モノおよびジアルキルリン酸エステル、フェノール類、トリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物、有機スルホン酸、フルオロカルボン酸、ホウ素錯体等が挙げられる。
有機カルボン酸の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
(1)炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデンカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸など]等。
(2)炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸など]等;
(3)炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデンカン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香酸、第2ブチル安息香酸、第3ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、イソブトキシ安息香酸、第2ブトキシ安息香酸、第3ブトキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N−メチルアミノ安息香酸、N−エチルアミノ安息香酸、N−プロピルアミノ安息香酸、N−イソプロピルアミノ安息香酸、N−ブチルアミノ安息香酸、N−イソブチルアミノ安息香酸、N−第2ブチルアミノ安息香酸、N−第3ブチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジエチルアミノ安息香酸など]等。
モノおよびジアルキルリン酸エステルとして、下記の一般式(1)で示されるモノおよびジアルキルリン酸エステルが挙げられる。R及びRは水素又は炭素数1〜10のアルキル基であり、かつ少なくとも1つはアルキル基である。R及びRの炭素数はインピーダンス特性と耐電圧特性の観点から1〜10が好ましい。さらに好ましくは3〜8である。
Figure 0004818624
具体的な例としては、モノメチルリン酸エステル、ジメチルリン酸エステル、モノエチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、モノプロピルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル、モノイソプロピルリン酸エステル、ジイソプロピルリン酸エステル、モノブチルリン酸エステル、ジブチルリン酸エステル、モノペンチルリン酸エステル、ジペンチルリン酸エステル、モノヘキシルリン酸エステル、ジヘキシルリン酸エステル、モノヘプチルリン酸エステル、ジヘプチルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル、モノ−2−エチルヘキシルリン酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルリン酸エステル、モノノニルリン酸エステル、ジノニルリン酸エステル、モノデシルリン酸エステル、ジデシルリン酸エステル、モノイソデシルリン酸エステル、ジイソデシルリン酸エステルなどが挙げられる。
フェノール類の具体例として下記の化合物が挙げられる。
・1価フェノール類(フェノール類、ナフトール類を含む):フェノール、アルキル(炭素数1〜15)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−もしくはイソプロピルフェノール、イソドデシルフェノールなど)、メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど)、α−ナフトール、β−ナフトール、シクロヘキシルフェノールなど;
・多価フェノール類:カテコール、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど。
上記フェノール類としては、炭素数6〜20のものが好ましい。
トリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物の具体例として下記の化合物が挙げられる。
1−H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸、3−メルカプト−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾールなど。
上記化合物としては、炭素数6〜20のものが好ましい。
有機スルホン酸の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
(1)炭素数1〜30またはそれ以上の飽和および不飽和脂肪族スルホン酸:[1価の飽和脂肪族スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、イソプロピルスルホン酸、ブタンスルホン酸、イソブチルスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、ペンタンスルホン酸、イソペンチルスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、トリデカンスルホン酸、テトラデカンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、セチルスルホン酸など)、1価の不飽和脂肪族スルホン酸(エチレンスルホン酸、1−プロペン−1−スルホン酸など)、2価以上の脂肪族スルホン酸(メチオン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、ポリビニルスルホン酸など)、オキシ脂肪族スルホン酸(イセチオン酸、3−オキシ−プロパンスルホン酸など)、スルホ脂肪族カルボン酸(スルホ酢酸、スルホコハク酸など)、スルホ脂肪族カルボン酸エステル(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸など)]
(2)フルオロスルホン酸RfSOH、(Rfは炭素数1〜30のフルオロアルキル基):(トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロイソプロピルスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロイソブチルスルホン酸、パーフルオロt−ブチルスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸、パーフルオロイソペンチルスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロノナンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロウンデカンスルホン酸、パーフルオロドデカンスルホン酸、パーフルオロトリデカンスルホン酸、パーフルオロテトラデカンスルホン酸、パーフルオロn−オクチルスルホン酸、パーフルオロセチルスルホン酸など)
(3)炭素数6〜30またはそれ以上の芳香族スルホン酸:[1価の芳香族スルホン酸(ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、o−キシレン−4−スルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、4−プロピルベンゼンスルホン酸、4−ブチルベンゼンスルホン酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、t−ブチルナフタレンスルホン酸、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸、ベンジルスルホン酸、フェニルエタンスルホン酸など)、2価以上の芳香族スルホン酸(m−ベンゼンジスルホン酸、1,4−ナフタレンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、スルホン化ポリスチレンなど)、オキシ芳香族スルホン酸(フェノール−2−スルホン酸、フェノール−3−スルホン酸、フェノール−4−スルホン酸、アニソール−o−スルホン酸、アニソール−m−スルホン酸、フェネトール−o−スルホン酸、フェネトール−m−スルホン酸、フェノール−2,4−ジスルホン酸、フェノール−2,4,6−トリスルホン酸、アニソール−2,4−ジスルホン酸、フェネトール−2,5−ジスルホン酸、2−オキシトルエン−4−スルホン酸、ピロカテキン−4−スルホン酸、ベラトロール−4−スルホン酸、レゾルシン−4−スルホン酸、2−オキシ−1−メトキシベンゼン−4−スルホン酸、1,2−ジオキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸、レゾルシン−4,6−ジスルホン酸、ヒドロキノンスルホン酸、ヒドロキノン−2,5−ジスルホン酸、1,2,3−トリオキシベンゼン−4−スルホン酸など)、スルホ芳香族カルボン酸(o−スルホ安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、2,4−ジスルホ安息香酸、3−スルホフタル酸、3,5−ジスルホフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、2−メチル−4−スルホ安息香酸、2−メチル−3、5−ジスルホ安息香酸、4−プロピル−3−スルホ安息香酸、2,4,6−トリメチル−3−スルホ安息香酸、2−メチル−5−スルホテレフタル酸、5−スルホサリチル酸、3−オキシ−4−スルホ安息香酸等)、チオ芳香族スルホン酸(チオフェノールスルホン酸、チオアニソール−4−スルホン酸、チオフェネトール−4−スルホン酸等)、その他官能基を有する芳香族スルホン酸(ベンズアルデヒド−o−スルホン酸、ベンズアルデヒド−2,4−ジスルホン酸、アセトフェノン−o−スルホン酸、アセトフェノン−2,4−ジスルホン酸、ベンゾフェノン−o−スルホン酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸、4−アミノフェノール−3−スルホン酸、アントラキノン−1−スルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、アントラキノン−1,8−ジスルホン酸、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸、2−メチルアントラキノン−1−スルホン酸等)]
フルオロカルボン酸の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
フルオロカルボン酸RfCOOH、(Rfは炭素数1〜30のフルオロアルキル基):(トリフルオロ酢酸、パーフルオロプロピオン酸、パーフルオロイソプロピオン酸、パーフルオロ酪酸、パーフルオロ吉草酸、パーフルオロカプロン酸、パーフルオロペラルゴン酸、パーフルオロカプリン酸、パーフルオロウンデシル酸、パーフルオロトリデカン酸、パーフルオロテトラデカン酸、パーフルオロn−オクタン酸、パーフルオロラウリン酸、パーフルオロパルミチン酸など)
ホウ素錯体の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
(1)ホウ酸のアルコール性水酸基含有化合物錯体;
ホウ酸エチレングリコール錯体、ホウ酸トリメチレングリコール錯体等;
(2)ホウ酸のカルボキシル基含有化合物エステル錯体;
ボロジシュウ酸エステル錯体、ボロジグリコール酸エステル錯体;
(3)ホウ酸のリン酸および/またはリン酸エステル錯体;
ホウ酸メチルホスフェート錯体、ホウ酸エチルホスフェート錯体等;
ホウ素錯体の詳細としては特許2966451号公報に記載してあるものが使用できる。
これらの酸は1種または2種以上を用いても良い。
これらのうち、好ましいのは、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族不飽和ポリカルボン酸、さらに好ましいのは、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、マレイン酸である。
電解質(B)として好ましい例は、カチオンがアミジニウムカチオン(C1)及び/またはグアニジニウムカチオン(C2)である電解質であって、さらに好ましいものはカチオンがイミダゾリニウムカチオン又はイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムである電解質であり、特に好ましいものは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・サリチル酸塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・サリチル酸塩、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム・サリチル酸塩である。
本発明の電解液は、成分(A0)と電解質(B)が溶剤に溶解した溶液からなることが好ましい。本発明の電解液中の電解質(B)の重量は電気電導度と溶剤への溶解度の観点から電解液の重量に基づいて、好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは15〜40重量%である。
成分(A0)と電解質(B)を溶解する溶剤としては以下に記載の有機溶剤を用いることが好ましい。但し、上記溶剤は上記成分(A0)以外のものである。有機溶剤の具体例は以下のとおりであり、2種以上を併用することもできる。
(1)アルコール類
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など;
(2)エーテル類
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など;
(3)アミド類
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン類(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど;
(4)オキサゾリジノン類
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど;
(5)ラクトン類
γ−ブチロラクトン(以下、GBLと記す。)、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど;
(6)ニトリル類
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど;
(7)カーボネート類
エチレンカーボネート、プロピオンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど;
(8)その他の有機溶剤
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)パラフィン系溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など;
有機溶剤としては、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜15のものがより好ましい。上記有機溶剤のうち更に好ましくは、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−オキサゾリジノン、アセトニトリル、エチレンカーボネート、プロピオンカーボネート、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
本発明における電解液は、ドーパント(F)でp型ドーピングされた導電性高分子(E)とセパレータ(G)との複合体である導電性セパレータ(D)が電解液で含浸され、陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサ用の電解液に使用される。
導電性高分子(E)は、共役二重結合を有するポリマーにドーパント(F)をp型ドーピングして得られる化合物であることが好ましい。
ポリマーは共役二重結合ポリマーを形成するモノマーの1種または2種以上の重合物である。モノマーとしては炭素数2〜30またはそれ以上の下記の化合物(1)〜(4)が挙げられる。
(1)脂肪族系三重結合化合物;アセチレン、1,6−ヘプタジイン等;
(2)芳香族共役化合物;ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等;
(3)含ヘテロ原子共役化合物;ピロール、チオフェン、フラン、エチレンジオキシチオフェン等の複素環式化合物;アニリン、スルホン化アニリン、ジフェニルスルフィド等の非複素環式化合物。
(4)前記(1)〜(3)の水素原子が、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル、ラウリル、ステアリル基等)、炭素数6〜26のアリール基(フェニル、ナフチル基等)等に置換された化合物。
これらのモノマーは一種または二種以上を用いてもよい。これらのうち好ましいのは(3)の含ヘテロ原子共役化合物であり、さらに好ましいものは複素環式化合物及びアニリンであり、特に好ましいものはピロール、チオフェン、エチレンジオキシチオフェン及びアニリンである。
導電性高分子(E)の好ましい例としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン及びポリアニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
通常、共役二重結合ポリマーは、ドーパント(F)をp型又はn型ドーピングして用いられる。ドーピング(またはドープという)とは、共役二重結合ポリマーとセパレータ(G)の間に電荷移動を発生させ、共役二重結合ポリマーの導電性を高めるものである。ドーパントとは共役二重結合ポリマーに導電性を付与する電子受容性または電子供与性の化合物である。例えば、共役二重結合ポリマーに電子受容性ドーパントをp型ドーピングすることで、共役系の結合性π軌道にある電子の一部を取り除くことでキャリアーが発生し、導電性を高める。
本発明において、ドーパント(F)としては、電子受容性化合物である有機スルホン酸、フルオロカルボン酸、ホウ素錯体、ハロゲン化無機酸等が挙げられる。有機スルホン酸、フルオロカルボン酸及びホウ素錯体の具体例としては、上記電解質(B)のアニオンの酸として例示したものが挙げられる。
ハロゲン化無機酸の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
HF、HPF、HBF、HAsF、HSbF、HAlF、HTaF、HNbF、HSiF、HCl、HPCl、HBCl、HAsCl、HSbCl、HAlCl、HTaCl、HNbCl、HSiCl、HBr、HPBr、HBBr、HAsBr、HSbBr、HAlBr、HTaBr、HNbBr、HSiBr、HClOなど。
ドーパント(F)は、一種または二種以上を併用してもよい。
これらのうち、好ましいものは、メタンスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、4−ブチルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、o−スルホ安息香酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロ酪酸、ボロジシュウ酸エステル錯体、ボロジグリコール酸エステル錯体、HBF、HAlF、HBCl、HBBrであり、更に好ましくは、t−ブチルスルホン酸、ペンタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、4−ブチルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸である。
導電性高分子(E)で複合化されるセパレータ(G)は、通常、マニラ紙、クラフト紙、布、不織布あるいは高分子フィルム等シート状絶縁体が使用される。
導電性セパレータ(D)は、セパレータ(G)の表面、及び空孔を導電性高分子(E)で覆うことで導電化しているため、セパレータ(G)の持つ抵抗を下げることができる。
導電性高分子(E)とセパレータ(G)の複合体である導電性セパレータ(D)は、(E)が溶解、または分散された液を(G)に塗布、またはその液に(G)を含浸後、液媒体を揮散させることにより作製することができる。
また、導電性セパレータ(D)は、セパレータ(G)の存在下で重合性モノマーを適当な手段を用いてその場重合を行い、(G)に導電性高分子(E)を複合化した(D)を作製することもできる。
その場重合手段は、重合酸化剤を用いた化学重合手段であることが望ましい。その際、酸化剤を重合性モノマー溶液媒体と共存させておき一液の処理液を用いることができ、またモノマー溶液とは別に酸化剤溶液を用意しておき、セパレータ(G)を順次浸漬処理して導電性高分子(E)を複合化することができる。
また、セパレータ(G)に予め酸化剤を付着させておきモノマー溶液で処理して導電性高分子(E)を複合化させることもできる。
また、セパレータ(G)に予め酸化剤を付着させておきモノマー蒸気を接触させて導電性高分子(E)を複合化させることもできる。
ドーパント(F)を、共役二重結合を有するポリマーにp型ドーピングする方法としては特に限定されず、例えば、共役二重結合を有するポリマーとセパレータ(G)が複合化したものを、上記ドーパント(F)の溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。
導電性セパレータ(D)を陽極化成箔と陰極箔の間に介在させてなるコンデンサ素子に、本発明の電解液を駆動用電解液として含浸し、前記コンデンサ素子を、例えば、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口剤で密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。この電解コンデンサによれば、電解コンデンサの抵抗成分であるセパレータを導電性高分子で導電化することで、セパレータの抵抗を著しく減少させることができ、その結果ESR特性の優れた電解コンデンサが容易に得られると同時に、電解液に−1.6V〜0Vの還元電位を有する成分を含有させることでエージングにおける導電性高分子の還元劣化を抑制でき、エージング工程でのESR増加を抑制した電解コンデンサを提供することができる。
本発明における陽極化成箔はエッチングされたアルミニウム箔の表面に酸化皮膜が形成された電極であって、陰極箔はエッチングされたアルミニウム箔の電極である。
本発明の電解液は、ドーパント(F)でp型ドーピングされた導電性高分子(E)とセパレータ(G)との複合体である導電性セパレータ(D)が電解液で含浸され、かつ陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサにおいて、エージング工程における電解コンデンサのESR増加を抑制できる電解液である。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
電解液中の構成成分の還元電位は、上記で記載した成分(A0)の還元電位を測定する方法に準じて行った。
実施例1
ジメチルカーボネート(0.2mol)のメタノール溶液(74%)に2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩を生成した。
フタル酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩(0.1mol)溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。収率は99%であった。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.12モル/Lのp−ニトロ安息香酸と0.12モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、6.6であった。
導電性セパレータは、6.0mm×180mmのマニラ紙セパレータ(厚さ40μm、密度0.4g/cm)を用意した。上記セパレータを、0.1Mピロール水溶液と0.03Mのp−トルエンスルホン酸を含む水溶液に大気圧室温下で順次浸漬し、p−トルエンスルホン酸がドープされたポリピロールが複合された導電性セパレータを得た。
反応残渣を洗浄し乾燥後、このセパレータのシート抵抗は5×10−1Ωであった。
上記導電性セパレータを、誘電体酸化皮膜を有する陽極箔と陰極箔の間に介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ素子に上記電解液を含浸して面実装タイプのアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧10V−静電容量470μF、サイズ;φ10mm・L10.5mm)を作製した。封口ゴムには、過酸化物加硫のブチルゴムを使用した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、p−ニトロ安息香酸が−1.1Vである。
実施例2
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.10モル/Lの3−ニトロフタル酸と0.12モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、6.2であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、3−ニトロフタル酸が−1.1Vである。
実施例3
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.20モル/Lのp−ベンゾキノンと0.12モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.7であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、p−ベンゾキノンが−0.8Vである。
実施例4
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.20モル/Lの3−ニトロフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、6.3であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、3−ニトロフタル酸が−1.1Vである。
実施例5
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.12モル/Lのピロメリト酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、6.1であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、ピロメリト酸が−1.5Vである。
実施例6
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.16モル/Lのピロメリト酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、5.8であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、ピロメリト酸が−1.5Vである。
実施例7
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.09モル/Lの3−ニトロフタル酸と0.08モル/Lのピロメリト酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、6.0であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、3−ニトロフタル酸が−1.1V、ピロメリト酸が−1.5Vである。
実施例8
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、0.18モル/Lのp−ベンゾキノンと0.08モル/Lのピロメリト酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは、6.0であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、p−ベンゾキノンが−0.8V、ピロメリト酸が−1.5Vである。
実施例9
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
また、フタル酸(0.1mol)のメタノール溶液に、ジメチルエチルアミン(0.1mol)を加えることで、ジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、ジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩を得た。収率は98%であった。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、更に0.20モル/Lのジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩と0.12モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.4であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、ジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩が−1.5Vである。
実施例10
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
また、3−ニトロフタル酸(0.1mol)のメタノール溶液に、ジメチルエチルアミン(0.1mol)を加えることで、ジメチルエチルアンモニウム・3−ニトロフタル酸塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、ジメチルエチルアンモニウム・3−ニトロフタル酸塩を得た。収率は98%であった。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、更に0.10モル/Lのジメチルエチルアンモニウム・3−ニトロフタル酸塩と0.12モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.2であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、ジメチルエチルアンモニウム・3−ニトロフタル酸塩が−1.1Vである。
実施例11
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
3−ニトロフタル酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩(0.1mol)溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・3−ニトロフタル酸塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・3−ニトロフタル酸塩を得た。収率は99%であった。
30gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を70gのGBLで溶解させ、更に0.40モル/Lの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・3−ニトロフタル酸塩と0.12モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.1であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・3−ニトロフタル酸塩が−1.1Vである。
実施例12
ピロメリト酸(0.05mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩(0.1mol)溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩(酸のモル数/塩基のモル数=0.5)を得た。収率は99%であった。
30gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩を70gのGBLで溶解させ、更に0.03モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.0であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩が−1.5V、フタル酸が−1.7Vである。
実施例13
上記実施例12と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩を得た。
また、上記実施例9と同様の手法で、ジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩を得た。
30gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩を70gのGBLで溶解させ(0.59モル/L)、更に0.20モル/Lのジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.0であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ピロメリト酸塩が−1.5V、ジメチルエチルアンモニウム・フタル酸塩が−1.5Vである。
比較例1
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させることで電解液を得た。電解液のpHは8.7であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V以下である。
比較例2
上記実施例1と同様の手法で、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を得た。
35gの1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩を65gのGBLで溶解させ、更に0.24モル/Lのフタル酸を添加することで電解液を得た。電解液のpHは6.2であった。
上記実施例1と同様の手法で、アルミニウム電解コンデンサを作製した。
電解液中の構成成分の還元電位は、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩が−1.7V以下である。
本発明の実施例1〜13、及び比較例1〜2の電解液について、以下の方法で、電解コンデンサ組み立て後のESR、及びエージング後のESR、および105℃雰囲気下、6.3V負荷試験における1000時間、2000時間後のESRを測定し、結果を表1に示した。表1中の「ESR増加量(1)」は、ESR増加量(1)=(エージング後のESR)−(組み立て後のESR)を表し、「ESR増加量(2)」は、ESR増加量(2)=(1000時間後ESR)−(エージング後のESR)を表し、「ESR増加量(3)」は、ESR増加量(3)=(2000時間後ESR)−(1000時間後ESR)を表す。
Figure 0004818624
<電解コンデンサ組み立て後のESR>
導電性セパレータを、誘電体酸化皮膜を有する陽極箔と陰極箔の間に介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ素子に電解液を含浸し、過酸化物加硫のブチルゴムで封口した面実装タイプのアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧10V−静電容量470μF、サイズ;φ10mm・L10.5mm)を作製し、試験法は主にJIS C 5102により定められているアルミ電解コンデンサの試験法に順ずる。ESRは、以下の測定装置、条件により測定を実施した。
HEWLETT PACKARD製PRECISION LCR METER 4284Aを用いてESR測定を行った。測定回路は、交流ブリッジ法である。測定条件は、周波数100kH・電圧0.5Vrmsである。
<エージング後のESR>
組み立てたアルミ電解コンデンサは仕上げ工程としてエージングが施される。該エージング工程として、105℃、8.0Vの電圧負荷を1時間行い、以下の測定装置、条件によりESR測定を実施した。
HEWLETT PACKARD製PRECISION LCR METER 4284Aを用いてESR測定を行った。測定回路は、交流ブリッジ法である。測定条件は、周波数100kH・電圧0.5Vrmsである。
<6.3V負荷試験1000時間後のESR、6.3V負荷試験2000時間後のESR>
エージングが施されたアルミ電解コンデンサを105℃の恒温槽に入れ、6.3Vの電圧を1000時間かけた後のESRを測定した。同コンデンサーをにさらに105℃の恒温槽に入れ、6.3Vの電圧を1000時間かけ、合計2000時間かけた後のESRを測定した。ESRの測定装置、条件は初期ESR測定と同様である。
表1より、比較例に比べ、実施例のエージング後、負荷試験1000時間後及び負荷試験2000時間後の各ESR増加が小さく、経時的なインピーダンス特性の劣化が少ないことが判った。
本発明の電解液は、エージング工程における電解コンデンサのESR増加を抑制できることで電解コンデンサの更なる低ESR化が可能となり、コンデンサの小型化、大容量化が求められるデジタル機器用途のアルミ電解コンデンサの電解液として有用である。

Claims (4)

  1. ドーパント(F)でp型ドーピングされた導電性高分子(E)とセパレータ(G)との複合体である導電性セパレータ(D)が電解液で含浸され、かつ陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサ用の電解液であって、下記測定方法で測定される還元電位が−1.6V〜0Vである成分(A0)を含有し、前記(A0)が3−ニトロフタル酸又は3−ニトロフタル酸と塩基性化合物の塩であり、
    さらに、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩からなる電解質(B)を含有してなることを特徴とする電解液。
    還元電位の測定方法:支持電解質としてホウフッ化テトラエチルアンモニウム塩を0.23モル/L溶解させたγ−ブチロラクトンに、成分(A0)を0.1モル/Lで溶解させ、作用極にグラッシ−カーボン電極(φ1.0mm)、参照電極に(Ag/Ag)電極、対極に白金電極を用いた対流サイクリックボルタンメトリー測定法により電流が−0.2μA流れた時点の電位を測定する。
  2. 前記成分(A0)の含有量が0.05モル/L〜10モル/Lであることを特徴とする請求項1記載の電解液。
  3. pHが2〜7であることを特徴とする請求項1または2記載の電解液。
  4. 導電性セパレータ(D)が請求項1〜3いずれか1項に記載の電解液で含浸され、陽極化成箔と陰極箔の間に介在することにより構成された電解コンデンサ。
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