JP4816697B2 - 自動倉庫のラック - Google Patents

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本発明は、物品を搬送する搬送装置との間で物品が移載される自動倉庫のラックに関する。
物品を搬送する搬送装置であるスタッカークレーンと、スタッカークレーンが走行する軌道に沿って設けられたラックとを備える自動倉庫が広く実用化されている。このような自動倉庫においては、ラックに沿って自動走行するスタッカークレーンにより、ラックに設けられた棚に物品が載置され、またラックから物品が取り出される(例えば、特許文献1参照)。そして、従来、自動倉庫のラックには腐食防止のための塗装が施されている。
特開2007−297196号公報
しかしながら、塗装が施された従来の自動倉庫のラックでは、粉塵が発生するという問題がある。すなわち、スタッカークレーンとラックとの間で物品が移載される際に、ラックと当該物品とが接触することにより、ラックに施された塗装がはがれ、粉塵が発生する。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、粉塵の発生を抑制することができる自動倉庫のラックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る自動倉庫のラックは、物品を搬送する搬送装置との間で物品が移載される自動倉庫のラックであって、物品が載置される際に物品の荷重を受ける載置部と、前記載置部の側面から垂れ下がる一対の側面部とを備えた受け部と、前記受け部の載置部と側面部とを覆う保護カバーとを備え、前記保護カバーの側面部には、前記受け部の側面部に向けて突出した突起部が設けられ、前記受け部の側面部には、前記保護カバーを前記受け部の所定の位置に取り付けた際の前記突起部に対応する位置に、前記突起部と嵌合する嵌合孔が設けられる。
これによれば、受け部を保護カバーで覆うことにより、粉塵の発生を抑制することができる。つまり、受け部が保護カバーで覆われていなければ、物品が移載される際に、受け部の載置部と当該物品とが接触することにより、例えば、受け部の載置部に施されている塗装がはがれ、粉塵が発生する。このため、受け部を保護カバーで覆うことにより、物品が移載される際の塗装のはがれ等による粉塵の発生を抑制することができる。また、保護カバーの突起部と受け部の嵌合孔とが嵌合することで、保護カバーが受け部に取り付けられる。このため、保護カバーをネジ止めなどで受け部に取り付ける必要がなく、容易に取り付けることができる。
また、好ましくは、前記突起部は、前記保護カバーの側面部の上端部よりも下端部に近い位置に設けられる。
これによれば、保護カバーの側面部の下端部に近い位置に突起部が設けられているため、保護カバーの弾力性を利用して、容易に保護カバーを受け部に取り付けることができる。このため、容易な取り付けにより、粉塵の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記突起部は、前記嵌合孔と嵌合する方向に垂直の断面形状の外縁が前記保護カバーの側面部から離れるほど小さい円形になる突起であり、前記嵌合孔は、円形の孔であり、前記突起部は、前記嵌合孔の径よりも大きい外径の前記断面形状を備える。
これによれば、突起部が嵌合孔よりも大きい外径を有しているため、保護カバーを受け部に取り付けた際に、保護カバーが受け部に固定される。このため、物品が移載される際に、保護カバーが受け部に対して動くことがなく、粉塵の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記保護カバーは、ステンレスからなる板材を折り曲げることで一体に形成され、前記突起部は、押し出し加工により形成される。
これによれば、折り曲げ機でステンレスの板材を折り曲げることで、保護カバーを安価に製作することができる。また、このステンレスの板材を折り曲げるのと同時に、当該折り曲げ機で押し出し加工を行うことができるため、さらに保護カバーを安価に製作することができる。このため、安価な保護カバーにより、粉塵の発生を抑制することができる。
また、好ましくは、前記嵌合孔は、前記受け部の対向する一対の側面部のそれぞれに設けられる一対の孔であり、前記一対の孔は、前記一対の孔を結んだ線が前記受け部の側面部と垂直になるように設けられる。
これによれば、受け部の一対の孔が側面部と垂直の直線上に配置されることで、一対の孔の加工を1回の加工作業で行うことができる。このため、容易に加工ができる受け部により、粉塵の発生を抑制することができる。
本発明により、物品を搬送する搬送装置との間で物品が移載される自動倉庫のラックにおいて、ラックと当該物品とが接触することにより、ラックに施された塗装がはがれて粉塵が発生するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における自動倉庫10の一例を示す斜視図である。
自動倉庫10は、スタッカークレーンとラックとの間で物品の受け渡しを行う装置である。この自動倉庫10は、ラック100及びスタッカークレーン200を備えている。
ラック100は、複数の物品30を保管する保管庫であり、複数の物品30が載置されている。
スタッカークレーン200は、ラック100に沿って床面上に設けられる軌道上を走行し、物品30を搬送する。そして、ラック100との間で物品30の受け渡しを行う。
図2は、ラック100及びスタッカークレーン200の構成の一例を模式的に示す図である。
同図に示すように、スタッカークレーン200は、昇降台210を備えている。昇降台210は、物品30を載置して昇降する台である。
また、ラック100は、ラック柱110及びラック柱110に取り付けられた受け部120を備えている。
受け部120には、物品30が載置される。つまり、スタッカークレーン200がラック100に沿って走行し、物品30を載置した昇降台210が昇降することで、昇降台210とラック100との間で物品30の受け渡しが行われ、受け部120に物品30が載置される。
ここで、ラック100は、受け部120の他に、受け部120を保護する保護カバーを備えている。つまり、受け部120には、保護カバーが取り付けられている。
図3は、受け部120と保護カバー130の構成の一例を示す図である。なお、同図は、図2に示された2つの受け部120のうちの右側の受け部120と、当該受け部120に取り付けられる保護カバー130とを示す斜視図である。
同図に示すように、受け部120は、載置部121と一対の側面部122とを備えている。受け部120は、鉄など腐食性のある金属で製作されているため、表面に、錆止めなどの腐食防止のための塗装が施されている。つまり、載置部121と側面部122の表面には、塗装が施されている。
載置部121は、物品30が載置される際に物品の荷重を受ける部位である。
側面部122は、載置部121の側面から垂れ下がる部位である。つまり、側面部122は、受け部120の側面の部位である。
また、保護カバー130は、受け部120の載置部121と側面部122とを覆うカバーである。保護カバー130は、上面部131とカバー側面部132とを備えている。つまり、保護カバー130が受け部120に取り付けられた際に、上面部131は載置部121を覆う部位であり、カバー側面部132は側面部122を覆う部位である。
また、保護カバー130は、耐食性を有する材質であり、ここでは、ステンレスである。なお、保護カバー130は、耐食性を有すればよく、例えば、プラスチックやメッキ品であってもよい。
これにより、受け部120を保護カバー130で覆うことにより、粉塵の発生を抑制することができる。つまり、受け部120が保護カバー130で覆われていなければ、物品30が移載される際に、受け部120の載置部121と物品30とが接触することにより、受け部120の載置部121に施されている塗装がはがれ、粉塵が発生する。このため、受け部120を保護カバー130で覆うことにより、物品30が移載される際の塗装のはがれによる粉塵の発生を抑制することができる。
そして、保護カバー130のカバー側面部132には、受け部120の側面部122に向けて突出した複数の突起部132aが設けられている。
また、受け部120の側面部122には、突起部132aと嵌合する複数の嵌合孔122aが設けられている。
つまり、保護カバー130の突起部132aと受け部120の嵌合孔122aとが嵌合することで、保護カバー130が受け部120に取り付けられる。ここで、リベットやボルト・ナットによるネジ止めなどで、保護カバー130を受け部120に取り付ける場合、取り付け作業に非常に手間がかかる。
このため、保護カバー130をリベットやボルト・ナットによるネジ止めなどで受け部120に取り付ける必要がなく、保護カバー130を受け部120に容易に取り付けることができる。
次に、この突起部132a及び嵌合孔122aの構成を具体的に説明する。
図4は、突起部132a及び嵌合孔122aの構成を具体的に説明する図である。
同図は、受け部120に保護カバー130が取り付けられた状態で、受け部120及び保護カバー130を切断した断面図を示している。なお、同図は、突起部132a及び嵌合孔122aの嵌合の状態が分かるように、突起部132a及び嵌合孔122aの位置で切断された断面図である。
同図に示すように、突起部132aは、カバー側面部132のそれぞれに設けられている。そして、受け部120の側面部122には、保護カバー130を受け部120の所定の位置に取り付けた際の突起部132aに対応する位置に、突起部132aと嵌合する嵌合孔122aが設けられている。
また、突起部132aは、カバー側面部132の上端部よりも下端部に近い位置に設けられている。つまり、突起部132aは、カバー側面部132の下端部近傍に設けられている。
このため、保護カバー130の弾力性を利用して、容易に保護カバー130を受け部120に取り付けることができる。突起部132aの位置がカバー側面部132の下端部に近いほど、保護カバー130の弾力性を利用することができる。
また、突起部132aは、嵌合孔122aと嵌合する方向に垂直の断面形状の外縁が保護カバー130のカバー側面部132から離れるほど小さい円形になる突起である。つまり、突起部132aは、外形が略円錐形状の突起である。
そして、嵌合孔122aは、円形の孔であり、突起部132aは、嵌合孔122aの径よりも大きい外径の断面形状を備えている。つまり、突起部132aのカバー側面部132側の外形は嵌合孔122aよりも大きく、突起部132aの先端部が嵌合孔122aに嵌合する。
このため、保護カバー130を受け部120に取り付けた際に、保護カバー130が受け部120に固定される。このため、物品30が移載される際に、保護カバーが受け部120に対して動くことがなく、粉塵の発生を抑制することができる。
また、嵌合孔122aは、受け部120の対向する一対の側面部122のそれぞれに設けられる一対の孔であり、嵌合孔122aは、当該一対の孔を結んだ線が受け部120の側面部122と垂直になるように設けられている。つまり、嵌合孔122aの一対の孔は、側面部122と垂直の直線上に設けられている。
このため、受け部120の側面部122と垂直の直線上に沿って、穴あけ加工を行うことで、当該一対の孔の加工を1回の加工作業で行うことができる。これにより、受け部120の嵌合孔122aを容易に加工することができる。
さらに、保護カバー130は、ステンレスからなる板材を折り曲げることで一体に形成され、突起部132aは、押し出し加工により形成される。つまり、保護カバー130は、1枚のステンレスからなる板材が折り曲げられることによって、製作される。
このため、折り曲げ機でステンレスの板材を折り曲げることで、保護カバー130を安価に製作することができる。また、このステンレスの板材を折り曲げるのと同時に、当該折り曲げ機で押し出し加工を行うことができるため、さらに保護カバー130を安価に製作することができる。
以上のように、本発明に係る自動倉庫10のラック100は、安価に製造され、保護カバーの取り付けが容易であり、粉塵の発生を抑制することができる。
以上、本発明に係る自動倉庫10のラック100について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、本実施の形態では、保護カバー130は、耐食性を有する材質であることとしたが、保護カバー130は、例えば鉄などの耐食性を有する材質でなくてもよい。この場合、保護カバー130を定期的に取り替えることで、保護カバー130が腐食して粉塵が発生するのを抑制することができる。
また、本実施の形態では、受け部120は腐食性のある金属に塗装が施されたものであり、保護カバー130はステンレスであることとした。しかし、受け部120は柔らかい材質であり、保護カバー130は硬い材質であることにしてもよい。また、受け部120は表面が粗い材質であり、保護カバー130は表面が滑らかで磨耗が発生しにくい材質であることにしてもよい。
また、本実施の形態では、突起部132aは一対のカバー側面部132にそれぞれ設けられ、嵌合孔122aは、側面部122にそれぞれ設けられることとした。しかし、突起部132aは一方のカバー側面部132に設けられ、嵌合孔122aは、当該カバー側面部132に対応する一方の側面部122に設けられることにしてもよい。
また、本実施の形態では、突起部132aは略円錐形状の突起であり、嵌合孔122aは円形の孔であることとした。しかし、突起部132a及び嵌合孔122aの形状は、突起部132aと嵌合孔122aとが嵌合する形状であれば、どのような形状であってもよい。
また、本実施の形態では、突起部132aのカバー側面部132側の外形は嵌合孔122aよりも大きいこととした。しかし、突起部132aの外形は、カバー側面部132側であっても嵌合孔122aよりも小さいことにしてもよい。
また、本実施の形態では、突起部132aは、カバー側面部132の下端部近傍に設けられていることとした。しかし、突起部132aは、例えば、カバー側面部132の上端部と下端部との中心位置など、どのような位置に設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、保護カバー130は、ステンレスからなる板材を折り曲げることで一体に形成されることとした。しかし、保護カバー130の製作方法はどのようなものであってもよく、例えば、上面部131にカバー側面部132が溶接接合されることにより形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、嵌合孔122aの一対の孔は、側面部122と垂直の直線上に設けられていることとした。しかし、嵌合孔122aの一対の孔は、側面部122と垂直の直線上に設けられていなくてもよい。
本発明は、自動倉庫のラックとして、特に、粉塵の発生を抑制することができる自動倉庫のラックとして、利用することができる。
本発明の実施の形態における自動倉庫の一例を示す斜視図である。 ラック及びスタッカークレーンの構成の一例を模式的に示す図である。 受け部と保護カバーの構成の一例を示す図である。 突起部及び嵌合孔の構成を具体的に説明する図である。
符号の説明
10 自動倉庫
30 物品
100 ラック
110 ラック柱
120 受け部
121 載置部
122 側面部
122a 嵌合孔
130 保護カバー
131 上面部
132 カバー側面部
132a 突起部
200 スタッカークレーン
210 昇降台

Claims (1)

  1. 物品を搬送する搬送装置との間で物品が移載される自動倉庫のラックであって、
    物品が載置される際に前記物品の荷重を受ける長尺状の載置部と、前記載置部の両側面から垂れ下がる一対の長尺状の側面部とを備えた棒状の受け部を前記物品の底面両端部に対応して2つ備えるとともに、
    前記受け部の載置部と両側面部とを覆う長尺状の保護カバーを2つの前記受け部に対応して2つ備え、
    前記保護カバーの両側面部のそれぞれの側面部には、前記受け部の両側面部のそれぞれの側面部に向けて突出した突起部が設けられ、
    前記受け部の両側面部には、前記保護カバーを前記受け部の所定の位置に取り付けた際の前記突起部に対応する位置に、前記突起部と嵌合する嵌合孔が設けられ
    前記嵌合孔は、前記受け部の対向する一対の側面部のそれぞれに設けられる一対の円形の孔であり、
    前記一対の円形の孔は、前記一対の円形の孔を結んだ線が前記受け部の側面部と垂直になるように設けられ、
    前記突起部は、押し出し加工により形成され、前記保護カバーの側面部の上端部よりも下端部に近い位置に設けられ、前記嵌合孔と嵌合する方向に垂直の断面形状の外縁が前記保護カバーの側面部から離れるほど小さい円形になるとともに前記嵌合孔の径よりも大きい外径の前記断面形状を備える突起であり、
    前記保護カバーは、ステンレスからなる板材を折り曲げることで一体に形成されている
    自動倉庫のラック。
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