JP4816501B2 - パワー半導体モジュール及びインバータ - Google Patents
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Description
BipolarTransistor(IGBT)等のパワー半導体素子を有するパワー半導体モジュールの実装構造に関する。
1)フィンにより金属ベースの剛性が増大しても、その影響を極力受けない基板構造及び基板配置にする、
2)フィンを形成しても、平板と比べて顕著に剛性が増大しないようなフィン形状にする、
3)剛性が増大しても、歪みが増大しない接着層の構造にする、等が考えられる。
(a)のAA,BB断面模式図である。断面模式図において、絶縁基板100表面の回路パターン、及び、接着用の裏面金属パターン、さらに、半導体チップと絶縁基板100の回路パターン,絶縁基板と金属ベースの接着層は省略している。金属ベース101の長手方向に、直線型のフィン114が形成されている。従って、金属ベース長手方向は、梁が形成されたような効果がある。つまり、フィン114のない平板ベースの場合と比べて、剛性が顕著に増大するのは、金属ベース101の長手方向である。短辺方向、つまり、フィン垂直方向は、図1(c)より明らかなように、フィンの存在しない部分で平板と同じように変形できるため、剛性は顕著に増大しない。
図1,図7,図8を使用して第一の実施例について詳細に説明する。50kWクラスの水冷3相インバータに適用される、3相IGBTモジュールの実施例である。
300℃以上の高温はんだで接着されている。はんだ膜厚は0.1mm 程度である。各ペレットの電圧/電流定格は600V/200Aであり、2並列接続されることにより、定格600V/400Aのモジュールとなっている。さらに、窒化アルミ基板100には、
IGBTを並列駆動する場合の共振防止用ゲート抵抗ペレット105,温度検出用サーミスタ109がはんだ接着されている。IGBTペレット103,FWDペレット104と窒化アルミ基板100上の銅パターンである回路パターン122,123との接続は、アルミワイヤ106,108,107で行う。本ワイヤの線経は300μmφである。アルミワイヤ107,108は、全本数でなく、代表的なワイヤのみを表現している。本パワー半導体搭載窒化アルミ基板100と銅ベース101は、融点180℃程度の低融点はんだである共晶はんだで接着されている。はんだ膜厚は約0.15mm である。窒化アルミ基板100と主端子,制御端子用電極パッド112,110との接続も同じくアルミワイヤ113,111で行われる。このワイヤの線経は500μmφである。アルミワイヤ106,108,107は、半導体ペレット表面にボンディングされるため、低ダメージに配慮する必要ある。従って、300μmと比較的細いワイヤを使用している。しかし、アルミワイヤ113,111はダメージに配慮する必要ないため、ボンディング本数の低減、かつ、電気抵抗低減に配慮して、太いワイヤを使用している。
AA断面模式図に水路カバーを取り付けた場合の模式図を示している。フィン114の底面にAlダイカスト製水路カバー801を接触させて水路を構成している。水路カバー
801の肉厚は、強度を考慮し3mmとした。また、図1(a)のBB断面は図示していないが、水路カバーの幅は全体のフィン幅4cmと同程度にしている。以上のように、水路カバー801をフィン114に接触させているのは、フィン間に冷却水を効率良く流し、熱伝達率を可能な限り向上させる為である。形成される冷却水路一本当たりの形状は、高さ5mm,幅2mmであり、流路の本数は、13本である。冷却水のシールは、水路カバー801の取り付けをOリング800で行って実施している。Oリング取り付け用に、Alダイカスト製インバータ筐体802に溝803を設けている。筐体の肉厚は、水路カバーと同様、3mmとした。Oリングの線径は1.9mmφ 、溝深さは1.4mm である。また、モジュールはM6ボルトで取り付け、締付けトルクは2.45N・m とした。このトルクは、通常のモジュール取り付けトルクと同程度である。
4.2m/s である。結果、Rth(j−w)=0.16K/W であった。つまり、フィンを形成することで、冷却性能は30%程度向上することができた。また、給排水管間の圧力損失は、9kPaであり、同じく、フィン無しの場合の11kPaと比べて、こちらも改善することができた。Rth(j−w)を30%低減できたことは、半導体チップの発熱が同じ場合、温度上昇を30%低減できることを意味する。このことは、銅ベース101にフィンを付与することによる剛性増大が、基板100接着はんだ層へ顕著に影響を与えなければ、大幅に寿命が増大することを意味する。はんだ接着層の歪みを実験的に直接測定するのは極めて困難である。
114方向を同じにした場合である。シミュレーション結果、歪みが顕著に発生するのは、いずれの場合も基板100長手方向の基板端である、二つの短辺近傍に集中した。本発明を採用しない(2)の場合、せん断歪み範囲は3.8% であり、(1)の3.5% と比べて10%程度増大した。一方、本発明構造である(3)の場合3.4% であり、基準である(1)の場合と同程度であった。以上より本発明の効果が明らかになり、上記フィン付による熱抵抗低減効果と併せて、大幅なはんだ寿命向上が期待できる。
第二の実施例を、図3を使用して説明する。図3(a)は平面模式図を、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図を表している。基板上の搭載部品を含め、銅貼り窒化アルミ基板100の構造は、実施例1と同じである。また、銅ベース300の形状,平板部の板厚も実施例1と同じである。さらに、銅ベース300上の基板100の配置,基板100接着用はんだの種類,膜厚も全く同じである。実施例1と異なるのは、フィン301の構造である。実施例1は、モジュールの長手方向に直線型のフィン114を配置した場合の実施例であった。この場合の特長は、冷却流路を直線型にでき単純にできるため、圧力損失が小さい等である。しかしながら、IGBTモジュールを水冷インバータに使用する場合、インバータの形状の要求から、給排水管を実施例1のように、IGBTモジュール長手方向両端の位置に配置できるとは限らない。本実施例は、この場合に対処した実施例である。
第三の実施例を、図4,図5を使用して説明する。図4(a)は平面模式図を、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図を表している。また、図5は図4(c)基板接着部の拡大図である。
第四の実施例を、図6を使用して説明する。図6(a)は平面模式図を、同(b)は同(a)のAA断面模式図を表している。これまでの実施例は、3相モジュール一台について、そのモジュール構造、及び、冷却系の実施例であった。水冷インバータの使用される対象、例えば、電気自動車用インバータによっては、二つのインバータ機能を一つのケーシングとすることも要求されることがある。例えば、モータ駆動用と発電機用である。本実施例は、この場合に対応した実施例である。
0.15K/W となり、ΔPは、6kPaと大幅に低減できた。
Claims (6)
- スイッチング動作により電流を制御するパワー半導体素子と、
前記パワー半導体素子と電気的に接続される回路パターンを実装する絶縁基板と、
前記絶縁基板を搭載し、かつ当該絶縁基板の搭載面とは反対側の面に直線型フィンを形成する金属ベースと、
前記絶縁基板と前記金属ベースの間に設けられ、かつ当該絶縁基板と当該金属ベースを接合するためのはんだ材と、を有するパワー半導体モジュールであって、
前記絶縁基板は、前記直線型フィンのストライプ方向における当該絶縁基板の長さが当該直線型フィンのストライプ方向の垂直方向における当該絶縁基板の長さより長くなるように形成され、
前記金属ベースは、前記直線型フィンのストライプ方向において、前記絶縁基板の中央部近傍と対向する部分が前記絶縁基板の端部近傍と対向する部分よりも高くなるように形成され、
前記はんだ材は、前記絶縁基板の端部近傍の当該はんだ材の厚さが前記絶縁基板の中央部近傍の当該はんだ材の厚さよりも大きくなるように設けられ、
さらに、前記金属ベースは、長辺と短辺を有する長方形の形状をなし、
前記直線型フィンは、当該直線型フィンのストライプ方向が前記金属ベースの短辺と平行になるように形成され、
前記絶縁基板は複数備えられ、かつ当該複数の絶縁基板は、当該絶縁基板の短辺が前記金属ベースの長辺に沿うように当該金属ベース上に並べて配置されるパワー半導体モジュール。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールであって、
前記金属ベースは、前記絶縁基板の中央部と対向する部分がなだらかに上に凸の形状となるように形成されるパワー半導体モジュール。 - 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記パワー半導体素子は複数備えられ、かつ当該複数のパワー半導体素子は、前記電流を制御するための各アーム毎に一の絶縁基板の上に形成されていることを特徴とするパワー半導体モジュール。 - スイッチング動作により電流を制御するパワー半導体素子と、前記パワー半導体素子と電気的に接続される回路パターンを実装する絶縁基板と、前記絶縁基板を搭載し、かつ当該絶縁基板の搭載面とは反対側の面に直線型フィンを形成する金属ベースと、前記絶縁基板と前記金属ベースの間に設けられ、かつ当該絶縁基板と当該金属ベースを接合するためのはんだ材と、を有するパワー半導体モジュールと、
冷媒を流す為の流路を形成するための流路形成体と、を備えるインバータであって、
前記絶縁基板は、前記直線型フィンのストライプ方向における当該絶縁基板の長さが当該直線型フィンのストライプ方向の垂直方向における当該絶縁基板の長さより長くなるように形成され、
前記金属ベースは、前記直線型フィンのストライプ方向において、前記絶縁基板の中央部近傍と対向する部分が前記絶縁基板の端部近傍と対向する部分よりも高くなるように形成され、かつ当該金属ベースの前記直線型フィンが形成された面には前記冷媒が直接接触され、
前記はんだ材は、前記絶縁基板の端部近傍の当該はんだ材の厚さが前記絶縁基板の中央部近傍の当該はんだ材の厚さよりも大きくなるように設けられ、
さらに、前記金属ベースは、長辺と短辺を有する長方形の形状をなし、
前記直線型フィンは、当該直線型フィンのストライプ方向が前記金属ベースの短辺と平行になるように形成され、
前記絶縁基板は複数備えられ、かつ当該複数の絶縁基板は、当該絶縁基板の短辺が前記金属ベースの長辺に沿うように当該金属ベース上に並べて配置されるインバータ。 - 請求項4に記載のインバータであって、
前記金属ベースは、前記絶縁基板の中央部と対向する部分がなだらかに上に凸の形状となるように形成されるインバータ。 - 請求項4記載のインバータにおいて、
前記パワー半導体素子は複数備えられ、かつ当該複数のパワー半導体素子は、前記電流を制御するための各アーム毎に一の絶縁基板の上に形成されていることを特徴とするインバータ。
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