JP6953859B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明は、半導体素子と該半導体素子による熱を放熱するヒートスプレッダとを樹脂封止して一体構造とした半導体モジュールを備えた半導体装置に関する。
従来、特許文献1において、半導体パワー素子などの発熱体を駆動させた際の熱を放熱するヒートシンクを備える冷却構造体が開示されている。この冷却構造体は、発熱体と、ヒートシンクと、発熱体とヒートシンクとを接続する絶縁接着層と、ヒートシンクの一部および発熱体を覆うモールド樹脂と、水などの冷却流体が流れる流路を有する冷却流体通流容器とを備える。そして、この冷却構造体は、ヒートシンクのうちモールド樹脂から露出する部分が冷却流体に接して配置されることで、発熱体の熱がヒートシンクに伝導され、当該ヒートシンクが冷却流体により冷却される構造とされている。
特開2009−135524号公報
しかしながら、この冷却構造体は、発熱体とヒートシンクとの間に絶縁接着層が介在しているため、発熱体から生じる熱がヒートシンクに伝わりにくく、熱抵抗が大きい構造、すなわち放熱性が低い構造となっている。放熱性を高めるためには、ヒートシンクとしてDBA(Direct Bonded Aluminum)基板やDBC(Direct Bonded Copper)基板などを用いることも考えられるが、この場合、熱抵抗を下げることができるものの、コストが高くなってしまう。
また、水などの冷却流体がヒートシンクとの接触面側からヒートシンクとモールド樹脂との界面に侵入した場合には、発熱体や絶縁接着層の劣化を引き起こし、絶縁不良や熱抵抗の増大などの不具合が生じるおそれがあり、信頼性向上の観点から改良の余地がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、半導体素子などの発熱体、ヒートスプレッダおよびこれらを覆う樹脂部材を備え、放熱性および信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の半導体装置は、表裏の関係にある一面(10a)および他面(10b)を有する第1ヒートスプレッダ(10)と、一面上に搭載された半導体素子(20)と、半導体素子および第1ヒートスプレッダの一部を覆うモールド樹脂(30)と、第1ヒートスプレッダの表面のうち他面を含む一部の領域に形成された第1絶縁層(40)と、を備える。このような構成において、第1ヒートスプレッダは、他面がモールド樹脂より露出すると共に、他面に凹凸形状とされた第1フィン部(11)が形成されており、第1絶縁層は、第1フィン部を覆うと共に、第1ヒートスプレッダのうち一面と他面とを繋ぐ面を側面(10c)として、側面のうちモールド樹脂との界面領域であって、一面側の端部と他面側の端部との間の少なくとも一部の領域において、一面に対する法線方向から見て第1ヒートスプレッダを取り囲む閉環状に形成されており、半導体素子を挟んで第1ヒートスプレッダと対向配置されると共に、半導体素子と熱的に接続された第2ヒートスプレッダ(50)を備え、第2ヒートスプレッダは、第1ヒートスプレッダ側の面の反対面(50b)がモールド樹脂から露出すると共に、反対面に凹凸形状とされた第2フィン部(51)が形成されており、第2フィン部は、第2絶縁層(52)により覆われており、第2絶縁層のうち反対面側を覆う部分は、表面保護層(53)により覆われている。
これにより、ヒートスプレッダの一面上に搭載された半導体素子から生じる熱がヒートスプレッダの一面側から冷却部であるフィン部が形成された他面側へ拡散された後、熱が伝わったフィン部が絶縁層を介して冷却流体に晒されることで冷却される構造となる。また、絶縁層は、フィン部を含む他面を覆うと共に、ヒートスプレッダのうち一面と他面とを繋ぐ面である側面のうちモールド樹脂との界面領域において一面に対する法線方向から見てヒートスプレッダを取り囲む閉環状に形成されている。そのため、ヒートスプレッダの側面の一部が絶縁層を介してモールド樹脂に覆われることでモールド樹脂との密着性が向上し、ヒートスプレッダの側面とモールド樹脂との間に水などの冷却流体が侵入することによる不具合が抑制される構造となる。よって、半導体素子から生じる熱が効率的に放熱されると共に、ヒートスプレッダとモールド樹脂との界面に水などの冷却流体が侵入することによる不具合が抑制され、従来に比べて、放熱性および信頼性の高い半導体装置となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の半導体装置を示す平面模式図である。 図1中の一点鎖線II−II間の断面を示す断面図である。 第1実施形態の半導体装置のうちフィン部を示す図であり、(a)はヒートスプレッダの他面側から見た平面模式図であり、(b)は、(a)中の二点鎖線IIIb-IIIb間の断面を示す断面図である。 冷却流体を流す流路を備える冷却器に第1実施形態の半導体装置を装着した様子を示す図である。 半導体装置における絶縁層の配置例を示す断面図である。 半導体装置における絶縁層の配置と熱抵抗との関係を示す図である。 第2実施形態の半導体装置を示す断面図である。 第3実施形態の半導体装置を示す断面図である。 第4実施形態の半導体装置を示す斜視図である。 図9に示す半導体装置の断面図である。 第5実施形態の半導体装置を示す図であり、(a)は第5実施形態の半導体装置の斜視図であり、(b)は(a)中のXIB-XIB間の第5実施形態の半導体装置の断面図である。 他の実施形態の半導体装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の半導体装置S1について、図1〜図5を参照して述べる。本実施形態の半導体装置S1は、例えば自動車などの車両などに搭載される半導体装置などに用いられる。
図1では、後述するヒートスプレッダ10の一面10a側から本実施形態の半導体装置S1を見たときの平面レイアウトの一例を示しており、後述するモールド樹脂30の外郭線を破線で示している。図2では、構成を分かり易くするために、後述する絶縁層40および表面保護層41の厚みを誇張して示している。図3(a)では、後述するフィン部11を他面10b側から見た様子を示しており、便宜的に図3(a)中の左右方向をx軸方向とし、紙面上においてx軸に対する垂直方向をy軸方向とし、xy平面に対する法線方向をz軸方向としている。また、図3(a)では、後述するピン12の配置を分かり易くするために、ピン12のx軸方向およびy軸方向に沿った中心線を一点鎖線で示し、ピン12の径を表すための補助線を破線で示している。図3(b)では、図3(b)中の左右方向をx軸方向とし、紙面上においてx軸に対する垂直方向をz軸方向とし、xz平面に対する法線方向をy軸方向としており、ピン12の高さを表すための補助線を破線で示している。図5では、後述するヒートスプレッダ10を便宜的に3つの領域、すなわち導体部101、熱拡散部102および冷却部103に区分した際におけるこれらの境界線を破線で示している。
本実施形態の半導体装置S1は、図1もしくは図2に示すように、ヒートスプレッダ10と、リード部14、15と、半導体素子20と、リード部14、15と半導体素子20とを電気的に接続する配線部材23、24と、これらを覆うモールド樹脂30とを備える。そして、ヒートスプレッダ10は、表裏の関係にある一面10aと他面10bとを有し、他面10bには凹凸形状とされたフィン部11が形成されている。
ヒートスプレッダ10は、例えばCu、Alなどの熱伝導率が高く、電気抵抗が低い金属材料により構成され、半導体素子20から生じる熱を拡散する役割と、半導体素子20の電流経路としての役割を果たす。ヒートスプレッダ10は、例えば、略四角板にて構成され、その四角板の一辺から張り出すリード部13を備えている。リード部13は、その一部がモールド樹脂30から露出すると共に、ヒートスプレッダ10のうちリード部13以外の部分よりも板厚が薄くされており、配線部材としての役割を果たす。
ヒートスプレッダ10は、図2に示すように、他面10bがモールド樹脂30より露出している。ヒートスプレッダ10の他面10bには、凹凸形状とされたフィン部11が形成されている。
フィン部11は、例えば図3(b)もしくは図4に示すように、ヒートスプレッダ10の他面10bから突き出した柱状のピン12が複数形成されることにより、凹凸形状とされている。フィン部11は、後述する絶縁層40を介して、例えば水や空気などの冷却流体に晒されることで、半導体素子20から生じる熱を冷却流体に向けて放出し、半導体装置S1の温度を下げる冷却部としての役割を果たす。
ピン12は、例えば図3(a)に示すように、図3中のx軸方向およびy軸方向に沿って直線的かつ規則的に配列されている。本実施形態では、ピン12は、x軸方向に沿って隣接する他のピン12との距離と、y軸方向に沿って隣接する別の他のピン12との距離とが同じとなるように配置されている。ピン12は、例えば図3(b)に示すように、他面10bに対する法線方向のうち一面10aから他面10bに向かう方向を上方向として、他面10bから上方向へ垂直に突き出す円柱形状とされている。
ピン12は、例えば、図3(a)もしくは図3(b)に示すように、x軸方向に沿って隣接する他のピン12との間隔をXとし、y軸方向に沿って隣接する他のピン12との間隔をYとし、高さをHとして、それぞれ4mmとされている。また、図3(a)に示すようにピン12の直径をDとすると、ピン12の直径Dは、例えば、2mmとされている。
なお、ピン12は、上記の配列例だけでなく、x軸方向に沿って直線的に配列された一列のピン12と、当該一列のピン12とy軸方向に沿って隣接する他の一列ピン12とがx軸方向におけるピン12の位置を交互にずらした千鳥配列や他の配列とされてもよい。また、ピン12は、円柱形状だけでなく、多角柱形状や他の形状とされてもよいし、他面10bから上方向に垂直方向に突き出すだけでなく、他の方向に傾いて突き出す形状とされてもよい。さらに、ピン12同士の間隔X、Y、ピン12の直径Dや高さHなどについても、適宜変更されてもよい。
半導体素子20は、例えばIGBT(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)などの半導体パワー素子であり、図2に示すように、ヒートスプレッダ10の一面10a上に図示しないはんだなどの接合材を介して搭載されている。
半導体素子20は、例えば図1に示すように四角形板状とされ、ヒートスプレッダ10側の面に図示しない第1電極が形成され、ヒートスプレッダ10側の反対面に第2電極21、第3電極22が形成されている。本実施形態では、例えば、半導体素子20がIGBTである場合には、第1電極はコレクタ、第2電極21はエミッタ、第3電極22はゲートとされている。なお、半導体素子20は、通常の半導体プロセスにより形成される。
なお、上記では、半導体素子20がIGBTとされた例について説明したが、FWD(フリーホイールダイオード)などの半導体素子とされてもよいし、IGBTとFWDとが形成された半導体素子とされてもよい。
第1電極は、本実施形態では、はんだなどを介してヒートスプレッダ10と電気的に接続されている。第2電極21は、図示しないはんだなどを介して例えば銅などによりなる配線部材23が接続され、配線部材23を介して銅などによりなるリード部14と電気的に接続されている。第3電極22は、例えばアルミニウムなどによりなるワイヤ24がワイヤボンディングされ、ワイヤ24を介して銅などによりなるリード部15と電気的に接続されている。リード部14、15は、リード部13と同様に、ヒートスプレッダ10のうちリード部13以外の板厚よりも薄くされ、配線部材としての役割を果たす。
モールド樹脂30は、図1もしくは図2に示すように、例えば熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などの樹脂材料で構成され、ヒートスプレッダ10のうち他面10bと異なる部分、リード部14、15の一部、半導体素子20および配線部材23、24を覆っている。
絶縁層40は、本実施形態では、ヒートスプレッダ10のうちフィン部11を含む他面10b、および一面10aと他面10bとを繋ぐ側面10cの一部の領域に形成されている。絶縁層40は、側面10cのうちモールド樹脂30との界面領域であって、少なくとも一面10a側の端部と他面10b側の端部との間の一部の領域において、他面10bに対する法線方向から見てヒートスプレッダ10を取り囲む閉環状となるように形成されている。この理由については、後ほど説明する。
絶縁層40は、例えば図4に示すように、冷却流体が流れる流路201を備える冷却器200にフィン部11側を向けて半導体装置S1を図示しないOリングなどを用いてセットした際に、冷却器200と該半導体装置との絶縁を確保するための絶縁部材である。
なお、冷却器200は、例えばアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料によりなり、半導体装置S1をセットして該半導体装置S1のうちフィン部11を流路201に露出させるための開口部202が形成されており、必要に応じて任意の形状とされる。また、半導体装置S1を冷却器200にセットする際には、フィン部11が冷却器200の流路201の内壁面に接触するように配置されることが冷却効率の向上の観点から好ましい。さらに、図4では、冷却器200の開口部202とヒートスプレッダ10との隙間を極力少なくする観点から、他面10b側に段差10dが形成されている例について示している。このように、半導体装置S1は、他面10b側の形状が必要に応じて適宜変更されてもよい。
絶縁層40は、例えば、樹脂材料やセラミック材料などにより構成され、溶射、スピンコート、加熱圧着や真空圧着などの手法により形成される。絶縁層40は、絶縁性や信頼性の確保の観点から、使用する材料の熱伝導率(W/mK)にもよるが、当該絶縁層が形成される他面10bもしくは側面10cに対する積層方向における厚みが10〜650μmの範囲内とすることが好ましい。また、絶縁層40は、放熱性確保の観点から熱伝導率が0.01〜100W/mKの範囲内の樹脂材料もしくはセラミック材料により構成されることが好ましい。
絶縁層40のうちフィン部11を含む他面10b側の部分は、本実施形態では、図2に示すように、表面保護層41により覆われている。
表面保護層41は、絶縁層40の保護や放熱性の向上の観点から、絶縁層40のうち他面10b側の部分を覆うように形成されている。表面保護層41は、特に冷却流体として水やLLCを使用する場合などに、絶縁層40を保護する役割を果たす。より具体的には、表面保護層41は、特に冷却流体として水を用いる場合、防錆防食機能を果たす。
表面保護層41は、例えばCu、Al、Ni、Ti、W、Mo、Co、Zn、Au、Agからなる群のいずれか1つを主成分とする金属もしくは当該金属の酸化物により構成される。また、表面保護層41は、例えば、上記群のうち2つ以上の金属を有してなる合金もしくは当該合金の酸化物またはフッ素系樹脂により構成されてもよい。例えば、表面保護層41は、上記群の金属のうちAlが用いられる場合であれば、Alの酸化物としてアルマイトにより構成される。
表面保護層41は、例えばメッキ、スパッタリング、蒸着や金属箔溶接などの手法により絶縁層40上に積層される。表面保護層41は、特に絶縁層40の保護の観点から、積層方向における厚みが0.02〜100μmの範囲内とされることが好ましい。
なお、表面保護層41は、上記群から選ばれる1つの金属もしくは2つ以上の金属を有してなる合金を主成分とする構成とされているが、他の金属や不可避の不純物などが含まれていてもよい。また、「主成分」とは、表面保護層41全体のうち例えば85〜99.99vol%を占める成分をいう。
以上が本実施形態の半導体装置S1の構成であり、通常の半導体実装プロセスにより製造される。
次に、絶縁層40がヒートスプレッダ10のフィン部11を含む他面10b側に形成された構成とされることによる効果について、図5、図6を参照して説明する。
本発明者らは、半導体パワー素子がヒートスプレッダ上に搭載された構成の半導体装置における放熱性の向上について鋭意検討を行った。その結果、絶縁層40の配置により、半導体装置の放熱性が大きく変わることを突き止めた。
具体的には、本発明者らは、図5(a)〜(c)に示すように、絶縁層40の配置が異なる3つの半導体装置をモデルとして、これらの半導体装置における熱抵抗をシミュレーションにより試算した。
シミュレーションにおいては、ヒートスプレッダ10を便宜的に3つの領域、すなわち導体部101、熱拡散部102および冷却部103の領域に区分した。具体的には、導体部101は、ヒートスプレッダ10のうち半導体素子20が搭載された一面10aを含む領域である。熱拡散部102は、ヒートスプレッダ10のうちフィン部11が形成された他面10bを含む領域を冷却部103として、導体部101と冷却部103とに挟まれた領域である。
図5(a)に示す半導体装置は、導体部101と熱拡散部102との間に絶縁層40が形成されたものである。図5(b)に示す半導体装置は、熱拡散部102と冷却部103との間に絶縁層40が形成されたものである。図5(c)に示す半導体装置は、冷却部103上に絶縁層40が形成されたものであり、本実施形態の半導体装置S1の絶縁層40配置に相当する構造とされている。
また、図6中の横軸の絶縁層の配置A、B、Cは、それぞれ図5(a)、図5(b)、図5(c)に記載の半導体装置に対応しており、配置A、B、Cの順に絶縁層40が半導体素子20から離れた位置に形成された構成とされる。
なお、図5に示す半導体装置における導体部101、熱拡散部102および冷却部103の板厚は、それぞれ0.3mm、2.0mm、1.0mmとした。冷却部103の板厚は、フィン部と異なる部分のものである。また、熱抵抗の試算にあたっては、絶縁層40を構成する材料の熱伝導率を1W/mKとし、絶縁層40の配置以外の条件については同一とした。
シミュレーションによれば、図6に示すように、絶縁層40がヒートスプレッダ10のうち半導体素子20が搭載された一面10aから遠い位置に形成された構成ほどその熱抵抗が下がることが判明した。具体的には、配置Aの半導体装置の熱抵抗を1とした場合、配置Bの半導体装置の熱抵抗については0.35、配置Cの半導体装置の熱抵抗については0.24であった。つまり、図6に示す結果は、本実施形態の半導体装置に相当する配置Cとすることで、配置Aの半導体装置に対してその熱抵抗を約76%低減できることを示唆している。また、このシミュレーションは、絶縁層40が金属材料に比べて熱伝導率が1〜2桁小さい材料で構成された場合の試算であるため、熱伝導率が低い材料を絶縁層40として用いても、半導体装置の放熱性が向上することを示している。
絶縁層40が半導体素子20から遠くに配置されるほど熱抵抗が下がる理由については、半導体素子20で生じた熱が拡散された後に冷却部103から放熱されることとなるためであると考えられる。
次に、ヒートスプレッダ10の側面10cにおける絶縁層40の配置について説明する。
絶縁層40は、側面10cのうちモールド樹脂30との界面領域において、一面10aもしくは他面10bに対する法線方向から見て、ヒートスプレッダ10を取り囲む閉環状となるように形成されている。このように側面10cが絶縁層40を介してモールド樹脂30に覆われることで、ヒートスプレッダ10とモールド樹脂30との線膨張係数差が緩和され、ヒートスプレッダ10とモールド樹脂30との間の側面10cにおける密着性が向上する。
このように密着性が向上すると、図4に示すように、水などの冷却流体に他面10bの一部およびフィン部11が晒された際に、冷却流体がヒートスプレッダ10とモールド樹脂30との間に侵入しにくくなる。そのため、冷却流体が半導体装置S1内に侵入することによる絶縁層40や半導体素子20の劣化などの不具合が抑制され、信頼性が向上する構造となる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、側面10cの全域に絶縁層40が形成された例を示したが、絶縁層40は、側面10cにおいてヒートスプレッダ10を取り囲む閉環状とされていればよく、必ずしも側面10cの全域に形成されていなくてもよい。絶縁層40は、側面10cのうち他面10b側の端部の領域、言い換えると冷却流体の侵入経路となりうる領域を含む領域に形成されていることが好ましい。
本実施形態によれば、絶縁層40がヒートスプレッダ10のうち半導体素子20から遠い他面10b側に配置され、ヒートスプレッダ10の側面10cに閉環状に形成されるため、従来に比べて、放熱性および信頼性の高い半導体装置となる。
(第2実施形態)
第2実施形態の半導体装置S2について、図7を参照して述べる。図7では、本実施形態の半導体装置の断面であって、上記第1実施形態で説明した図2に相当する位置における断面を示している。
本実施形態の半導体装置S2は、図7に示すように、上記第1実施形態の半導体装置S1に加えて、さらにもう1つのヒートスプレッダ50を備えた構成とされている。本実施形態の半導体装置S2は、第1ヒートスプレッダ10と第2ヒートスプレッダ50とを備え、半導体素子20から生じた熱がこれらのヒートスプレッダ10、50により放熱される両面放熱構造とされている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
なお、第2ヒートスプレッダ50の構成要素を第1ヒートスプレッダ10の構成要素と区別しやすくするため、以下の説明においては、便宜的に、第1ヒートスプレッダ10の絶縁層40を第1絶縁層とし、表面保護層41を第1表面保護層とする。
第2ヒートスプレッダ50は、図7に示すように、一面50aが図示しないはんだなどを介して半導体素子20と熱的に接続されている。第2ヒートスプレッダ50は、一面50aの反対の他面50bに第2フィン部51が形成されている。
第2ヒートスプレッダ50は、図7に示すように、第1ヒートスプレッダ10と同様に、第2フィン部51を含む他面50bがモールド樹脂30より露出し、他面50b、および一面50aと他面50bとを繋ぐ側面50cに第2絶縁層52が形成されている。第2ヒートスプレッダ50は、第2絶縁層52のうち第2フィン部51を含む他面50b側の領域が第2表面保護層53により覆われている。
なお、第2ヒートスプレッダ50、第2絶縁層52、第2表面保護層53は、それぞれ第1ヒートスプレッダ10、第1絶縁層、第1表面保護層と同様の材料により構成される。また、第2絶縁層52のうち他面50b側に形成されている部分は、第2表面保護層53により覆われている。さらに、上記第1実施形態におけるリード部14および配線部材23、もしくはリード部15および配線部材24に替えて、第2ヒートスプレッダ50を用いることで、第2ヒートスプレッダ50は、電流回路および放熱部材として機能する。
また、上記第1実施形態と同様に、例えば半導体素子20のうちゲート電極として機能する電極などにワイヤボンディングを施す場合には、ワイヤとヒートスプレッダとの接触防止の観点から、図示しないスペーサ部材を用いてもよい。具体的には、例えば、半導体素子20と第2ヒートスプレッダ50との間に、銅などの金属によりなり、これらの両部材を電気的、熱的に接続するスペーサ部材が挿入された構成とされていてもよい。
本実施形態によれば、半導体素子20から生じた熱が2つのヒートスプレッダ10、50により両面に放熱される構造となるため、上記第1実施形態の効果に加えて、さらに放熱性が高い半導体装置となる。
(第3実施形態)
第3実施形態の半導体装置S3について、図8を参照して述べる。図8では、本実施形態の半導体装置S3の断面であって、上記第1実施形態で説明した図2に相当する位置における断面を示している。
本実施形態の半導体装置S3は、ヒートスプレッダ10、50、60、70および2つの半導体素子20、80を備える。このような構成において、ヒートスプレッダ10、50および半導体素子20を備えるグループ、およびヒートスプレッダ60、70および半導体素子80を備えるグループは、それぞれ1つの半導体回路として機能する。そして、2つの半導体素子20、80およびヒートスプレッダ10、50、60、70の一部がモールド樹脂30より封止されると共に、ヒートスプレッダ50とヒートスプレッダ60とが電気的に接続されている。このように本実施形態の半導体装置S3は、いわゆる2in1構造とされている点において、上記第2実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
第1ヒートスプレッダ10は、図8に示すように、一面10a上に半導体素子20が搭載されている。第1ヒートスプレッダ10は、他面10bのうち半導体素子20が搭載された位置に対応する部分にフィン部11が形成されている。他面10bおよび側面10cは、上記第1実施形態と同様に、絶縁層40により覆われている。他面10b側は、フィン部11を含めて表面保護層41により覆われている。
第2ヒートスプレッダ50は、図8に示すように、第1ヒートスプレッダ10と半導体素子20を隔てて向き合うと共に、一面50a側が半導体素子20と熱的に接続されている。第2ヒートスプレッダ50は、一面50aの反対の他面50bのうち半導体素子20が搭載された位置に対応する部分にフィン部51が形成されている。他面50bおよび側面50cは、上記第1実施形態と同様に、絶縁層40により覆われている。他面10b側に形成された絶縁層40は、フィン部11を含めて表面保護層41により覆われている。
第2ヒートスプレッダ50は、第3ヒートスプレッダ60と電気的に接続され、電流経路として用いられる突起部54が形成されている。突起部54は、はんだなどの導電性の接合材65を介して後述する第3ヒートスプレッダ60に形成された突起部64と電気的に接続されている。
第3ヒートスプレッダ60は、図8に示すように、一面60a上に半導体素子80が搭載されている。第3ヒートスプレッダ60は、他面60bのうち半導体素子80が搭載された位置に対応する部分にフィン部61が形成されている。他面60bおよび側面60cは、上記第1実施形態と同様に、絶縁層62により覆われている。他面60b側に形成された絶縁層62は、フィン部61を含めて表面保護層63により覆われている。
第3ヒートスプレッダ60は、第2ヒートスプレッダ50と電気的に接続され、電流経路として用いられる突起部64が形成されている。突起部64は、接合材65を介して突起部54と電気的に接続されている。
第4ヒートスプレッダ70は、図8に示すように、第3ヒートスプレッダ60と半導体素子80を隔てて向き合うと共に、一面70a側が半導体素子80と熱的に接続されている。第4ヒートスプレッダ70は、一面70aの反対の他面70bのうち半導体素子80が搭載された位置に対応する部分にフィン部71が形成されている。他面70bおよび側面70cは、上記第1実施形態と同様に、絶縁層72により覆われている。他面70b側は、フィン部71を含めて表面保護層73により覆われている。
半導体素子80は、半導体素子20と同様に、IGBTやFWDなどを備える素子である。
なお、フィン部61、71は、例えば、上記第1実施形態と同様に、複数のピンが設けられることで凹凸形状とされた領域であるが、その形状が適宜変更されてもよい。また、上記第2実施形態と同様に、必要に応じて図示しないスペーサ材が用いられた構成とされてもよい。
本実施形態によれば、2つの半導体素子20、80を駆動させることができ、放熱性および信頼性が高い半導体装置となる。
(第4実施形態)
第4実施形態の半導体装置S4について、図9、図10を参照して述べる。図10は、図9中の冷却流体導入ポート2c、冷却流体排出ポート2dの2つの延設方向を通る平面で本実施形態の半導体装置S4を切断した場合の断面に相当する。また、図10では、見やすくするために後述する半導体モジュールS3における絶縁層40、表面保護層41、突起部54、64および接合材65を省略している。
本実施形態の半導体装置S4は、図9に示すように、上記第3実施形態の半導体装置S3(以下の説明においては、「半導体モジュールS3」という)を複数備え、冷却機構2を有するインバータに適用した例である。本実施形態では、半導体モジュールS3以外の特徴部分について主に説明する。
このインバータは、プレート状とされた3つの半導体モジュールS3と、冷却機構2とを備え、外部の直流電源に基づいて図示しない負荷(例えばモータなど)を駆動するためのものである。負荷を駆動するための回路構成については、任意のインバータの回路構成を採用できるため、ここではその説明を省略する。
冷却機構2は、熱伝導率の高いアルミなどの金属にて形成され、図10に示すように複数のプレート2a、フィン2b、冷却流体導入ポート2c、冷却流体排出ポート2d等によって構成されている。複数のプレート2aおよびフィン2bは、2枚のプレート2aおよび1枚のフィン2bを一組として、2枚のプレート2aによって1枚のフィン2bを挟み込んだ状態でろう付けもしくは溶接などによって接合されている。これにより、複数のプレート2aおよびフィン2bは、その内部に冷却水などの冷却流体を流す冷却流体通路2eを構成している。
複数のプレート2aは、半導体モジュールS3を嵌め込み、半導体モジュールS3に形成されたフィン部11、51、61、71を冷却流体通路2eに露出させるための開口部2aaが形成されている。フィン2bは、例えば図10の紙面垂直方向において波打った形状のウェーブフィンとされている。フィン2bは、波打ったフィン2bの山および谷の部分がフィン2bを挟み込む2枚のプレート2aに接触することで、紙面左右方向に伸びる冷却流体通路2eが複数本形成されている。
各プレート2aおよびフィン2bのうち冷却流体導入ポート2cおよび冷却流体排出ポート2dと交差する部分には連通孔が形成されている。そして、各プレート2aおよびフィン2bによって形成される各冷却流体通路2eは、冷却流体導入ポート2cおよび冷却流体排出ポート2dによって繋がれている。このため、冷却流体導入ポート2cから導入された冷却流体が図9中矢印に示したように各冷却流体通路2eを通過したのち冷却流体排出ポート2dを通じて排出されるようになっている。
このように構成された冷却機構2における2枚のプレート2aおよび1枚のフィン2bで構成される各組の間には隙間が設けられており、この隙間に各半導体モジュールS3が挟み込まれ、絶縁部材などを介して固定されている。例えば、2枚のプレート2aおよび1枚のフィン2bを接合して1つの冷却流体通路2eを構成した後、プレート2aの開口部2aaに半導体モジュールS3のフィン部11、61もしくはフィン部51、71を嵌め込む。その後、別の2枚のプレート2aおよび1枚のフィン2bを用意し、一方のプレート2aを半導体モジュールS3のうち冷却流体通路2eから露出するフィン部11、61もしくはフィン部51、71に開口部2aaを嵌め込む。次いで、この状態で半導体モジュールS3に嵌め込んだ一方のプレート2aと他方のプレート2aおよびフィン2bとを接合する。これを繰り返すことにより、冷却機構2に半導体モジュールS3が固定される。このようにして、3つの半導体モジュールS3が備えられたインバータ1が構成される。
各半導体モジュールS3は、図10に示すように、フィン部11、51、61、71が冷却流体通路2eに露出しつつ、該フィン部11、51、61、71が冷却流体通路2eの内壁面に接触する状態とされている。これにより、各半導体モジュールS3は、冷却機構2に導入された冷却流体によりヒートスプレッダ10、50、60、70のうち冷却流体通路2eへの露出面から冷却される。
なお、各半導体モジュールS3は、冷却機構2に嵌め込むために、ヒートスプレッダ10、50、60、70のうちフィン部11、51、61、71が形成された面に、該フィン部11、51、61、71が冷却流体通路2eへ突き出るように段差が形成されている。具体的には、ヒートスプレッダ10、50、60、70それぞれの他面側に、段差10d、50d、60d、70dが形成されている。また、上記第1実施形態で述べたのと同様に、ヒートスプレッダ10、50、60、70のうちフィン部11、51、61、71が形成される面の形状は、図10に示す例に限られず、適宜変更されてもよい。
本実施形態のように、インバータに適用された場合、従来に比べて、放熱性および信頼性が高い半導体モジュールを使用するため、放熱性および信頼性が高いインバータとなる。
(第5実施形態)
第5実施形態の半導体装置S5について、図11を参照して述べる。図11では、上記第4実施形態における各半導体モジュールS3の配置を変更した例を示しているが、構成を分かり易くするために、冷却機構2のうち各半導体モジュールS3のヒートスプレッダ50、70側を覆う流路を省略している。また、図11では、図10と同様に、見やすくするために、半導体モジュールS3における絶縁層40、表面保護層41、突起部54、64および接合材65を省略している。
本実施形態の半導体装置S5は、上記第4実施形態と同様にインバータとされたものであるが、3つの半導体モジュールS3が一方向に積み重ねるように配置されておらず、冷却機構2を構成するプレート2aの一面のなす平面方向に並べて配置されている。そして、本実施形態における冷却機構2の構成が、半導体モジュールS3の配置変更に伴って、上記第4実施形態で説明した構成から変更されている。上記の点で本実施形態の半導体装置S5は、上記第4実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点を主に説明する。
図11に示すように、3つの半導体モジュールS3は、冷却機構2を構成するプレート2aの一面のなす平面方向に沿って並べて配置されている。言い換えると、上記第4実施形態における半導体モジュールS3の配置を積み置きとした場合、本実施形態では、半導体モジュールS3は、一平面上に平置きされている。
冷却機構2は、本実施形態では、平置きされた3つの半導体モジュールS3を挟持するように2つの冷却流体通路2eが形成された構成とされ、1つの冷却流体通路2eが、3つの半導体モジュールS3を冷却するための流路として共通化された構成とされている。つまり、冷却機構2は、2つの冷却流体通路2eにより3つの半導体モジュールS3を両面から冷却する構造とされている。
なお、冷却流体通路2eは、上記第4実施形態では、2枚のプレート2aと1枚のフィン2bにより構成されていたが、本実施形態では、2枚のプレート2aで構成されている。
本実施形態によれば、半導体モジュールS3を平置きすることで、インバータを構成する冷却機構2の厚みが上記第4実施形態よりも薄くなるため、放熱性および信頼性を高めつつ、より薄型化されたインバータとなる。
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態に示した半導体装置は、本発明の半導体装置の一例を示したものであり、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、絶縁層40のうち他面10b側の部分が表面保護層41で覆われた構造とされた例について説明した。しかし、冷却流体として空気を用いる場合や冷却流体として水やLLCを用いるが、絶縁層40が耐水性の高い材料により構成される場合などにおいては、表面保護層41のない構成の半導体装置とされてもよい。
上記各実施形態では、ヒートスプレッダ10の他面10bおよび側面10cに絶縁層40が形成された例について説明したが、絶縁層40は、図12に示すように、ヒートスプレッダ10の表面のうちモールド樹脂30との界面全域を覆うように形成されてもよい。また、絶縁層40は、半導体素子20とモールド樹脂30との界面に形成されてもよい。
これにより、絶縁層40がヒートスプレッダ10および半導体素子20とモールド樹脂30との界面全域を連続的に覆うことで、モールド樹脂30との密着性が向上するため、上記各実施形態よりもさらに信頼性の高い半導体装置となる。
なお、図12では、上記第1実施形態の半導体装置S1において、絶縁層40をヒートスプレッダ10とモールド樹脂30との界面全域に形成した例について示したが、第1実施形態以外の上記各実施形態においても、同様の絶縁層形成がなされてもよい。具体的には、上記第1実施形態以外の実施形態において、絶縁層がヒートスプレッダ10、50、60、70および半導体素子20、80とモールド樹脂30との界面全域に形成された構造とされてもよい。
10 ヒートスプレッダ
11 フィン部
12 ピン
20 半導体素子
30 モールド樹脂
40 絶縁層
41 表面保護層

Claims (9)

  1. 表裏の関係にある一面(10a)および他面(10b)を有する第1ヒートスプレッダ(10)と、
    前記一面上に搭載された半導体素子(20)と、
    前記半導体素子および前記第1ヒートスプレッダの一部を覆うモールド樹脂(30)と、
    前記第1ヒートスプレッダの表面のうち前記他面を含む一部の領域に形成された第1絶縁層(40)と、を備え、
    前記第1ヒートスプレッダは、前記他面が前記モールド樹脂より露出すると共に、前記他面に凹凸形状とされた第1フィン部(11)が形成されており、
    前記第1絶縁層は、前記第1フィン部を覆うと共に、前記第1ヒートスプレッダのうち前記一面と前記他面とを繋ぐ面を側面(10c)として、前記側面のうち前記モールド樹脂との界面領域であって、前記一面側の端部と前記他面側の端部との間の少なくとも一部の領域において、前記一面に対する法線方向から見て前記第1ヒートスプレッダを取り囲む閉環状に形成されており、
    前記半導体素子を挟んで前記第1ヒートスプレッダと対向配置されると共に、前記半導体素子と熱的に接続された第2ヒートスプレッダ(50)を備え、
    前記第2ヒートスプレッダは、前記第1ヒートスプレッダ側の面の反対面(50b)が前記モールド樹脂から露出すると共に、前記反対面に凹凸形状とされた第2フィン部(51)が形成されており、
    前記第2フィン部は、第2絶縁層(52)により覆われており、
    前記第2絶縁層のうち前記反対面側を覆う部分は、表面保護層(53)により覆われている半導体装置。
  2. 前記第1絶縁層は、前記側面のうち少なくとも前記他面側の端部を含む領域に形成されている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1絶縁層は、前記表面のうち前記モールド樹脂との界面全域に形成されている請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1絶縁層は、熱伝導率が0.01〜100W/mKの範囲内である樹脂材料もしくはセラミック材料により構成されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記第1絶縁層は、前記表面のうち該第1絶縁層が形成された面に対する法線方向における厚みが10〜650μmの範囲内である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記表面保護層を第1表面保護層として、前記第1絶縁層のうち前記第1フィン部を覆う部分は、防錆防食機能を有する第2表面保護層(41)により覆われている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記第1表面保護層および前記第2表面保護層は、Cu、Al、Ni、Ti、W、Mo、Co、Zn、Au、Agからなる群のいずれか1つを主成分とする金属もしくは当該金属の酸化物もしくは前記群のうち2つ以上の金属を有してなる合金もしくは当該合金の酸化物またはフッ素系樹脂によりなる請求項に記載の半導体装置。
  8. 前記第1フィン部は、前記他面から突き出す複数のピン(12)が互いに離れて配置されることで凹凸形状とされている請求項1ないしのいずれか1つに記載の半導体装置。
  9. 前記半導体素子を第1半導体素子として、第2半導体素子(80)と、第3ヒートスプレッダ(60)と、第4ヒートスプレッダ(70)とをさらに備え、
    前記第2半導体素子は、前記第3ヒートスプレッダの一面(60a)上に搭載され、
    前記第3ヒートスプレッダは、前記一面の反対側の他面(60b)に凹凸形状とされた第3フィン部(61)が形成されており、
    前記第4ヒートスプレッダは、前記第3ヒートスプレッダと前記第2半導体素子を挟んで向き合って配置され、前記第2半導体素子と熱的に接続されると共に、前記第2半導体素子の反対側の他面(70b)に凹凸形状とされた第4フィン部(71)が形成されており、
    前記第3ヒートスプレッダの前記他面と前記第4ヒートスプレッダの前記他面は、前記モールド樹脂より露出しており、
    前記第3ヒートスプレッダの前記他面は、前記第3フィン部と共に、第3絶縁層(62)、表面保護層(63)の順に覆われており、
    前記第4ヒートスプレッダの前記他面は、前記第4フィン部と共に、第4絶縁層(72)、表面保護層(73)の順に覆われており、
    前記第1半導体素子、前記第1ヒートスプレッダおよび前記第2ヒートスプレッダを第1のモジュールとし、前記第2半導体素子、前記第3ヒートスプレッダおよび前記第4ヒートスプレッダを第2のモジュールとして、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは、電気的に接続されると共に、一部が前記モールド樹脂により覆われている請求項1ないし8のいずれか1つに記載の半導体装置。
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