JP4063091B2 - パワー半導体モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー半導体モジュールに関する。特に、Insulated Gate BipolarTransistor(IGBT)等のパワー半導体素子を有するパワー半導体モジュールの実装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド電気自動車用モータ等、大出力モータを制御するインバータには、IGBTモジュール等のパワー半導体モジュールが使用される。この自動車用インバータ中のIGBTモジュールの冷却は、水冷によるものが一般的である。高発熱であるため大きな冷却能力が必要にも関わらず、車載のため、インバータ体積の小さいことが要求されるためである。つまり、空冷では、ヒートシンク部体積が大きくなりすぎるため、空冷は許容されないのである。
【0003】
特開2001−177203号公報には、セラミック基板の少なくとも一方の面に形成した多孔質金属層を引っ張り応力が残留した金属層により被覆することが記載されている。
【0004】
冷却性能を向上させるため、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設け、フィン付金属ベースに直接冷却水を当てる構造(直接水冷)も提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−177203号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の水冷用パワー半導体モジュールの構造は、信頼性の面で以下の問題がある。
【0007】
パワー半導体モジュールは、IGBT,Free Wheeling Diode(FWD)等のパワー半導体チップを搭載した絶縁基板を、金属ベース上にはんだ接着等の手段で接着して構成される。
【0008】
動作により、パワー半導体チップは発熱,冷却を繰り返すため、モジュール中の各部材は、部材の線膨張係数に従い膨張収縮を繰り返す。一般に、金属ベースを構成するCu,Al等の金属と、絶縁基板を構成する、アルミナ,窒化アルミ等では、線膨張係数は大幅に異なる。従って、金属ベースと絶縁基板を接着するはんだ等の接着層は、大きな歪みが発生する。
【0009】
金属ベースにフィンを設けると、熱抵抗は大幅に低減できるため、動作により発熱,冷却を繰り返すパワー半導体モジュールの温度変化幅,ΔTを小さくできる。このことは、上記はんだ歪み低減につながる。しかしながら、一方で、従来平板であった金属ベースにフィンを設けると、金属ベースの剛性は増大する。剛性が増大すると、金属ベース変形による応力緩和の効果が低減するため、歪みは増大してしまう。つまり、熱抵抗を低減し、ΔTを低減しても、剛性増大により、歪みは低減しない、むしろ増大してしまう懸念もある。
【0010】
金属ベースの剛性を顕著に増大させないで、熱伝達面積を増大させる手段として、フィン形状をピンタイプとすることが考えられる。しかしながら、ピンフィンは、冷却水を通流したときの圧力損失が大きい、さらには、直線型フィンと比較して製造コストが高い、等のデメリットがある。
【0011】
本発明の目的は、パワー半導体モジュールの金属ベースに直線型フィンを設けて低熱抵抗化を図った構造において、絶縁基板と金属ベースの接着層の歪みを、フィンを設けない平板並みとできる、高信頼の構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、電流をスイッチングするパワー半導体素子,パワー半導体素子を接着する回路パターンを有する絶縁基板,絶縁基板を接着する金属ベースを少なくとも有するパワー半導体モジュールの金属ベースの絶縁基板の接着面に対する対向面には、絶縁基板下の領域に直線型のフィンを有し、該絶縁基板の形状は、直線型フィンのストライプ方向の長さが、垂直型フィンの垂直方向の長さより短いことを特徴とする。また、直線型フィンは、前記絶縁基板下の領域で分割されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
冷却性能を向上させるため、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設け、フィン付金属ベースに直接冷却水を当てる構造(直接水冷)について、以下に説明する。本構造の模式図を図2に示す。フィン202をIGBTモジュール200の金属ベース201に形成し、Alダイカストインバータケース209の開口部211よりケース209の外へ出し、直接冷却水を当てている。即ち、冷却用水路203は、Alダイカスト製水路カバー207と金属ベース201で形成される。本構造で、従来、金属ベースとヒートシンク間に存在した、金属と比べて高熱抵抗の熱伝導グリースは削除でき、かつ、フィン202は熱伝導率の高い銅等の金属で形成されるため、フィン効率は高く、フィン無しの平板の場合と比べて、大幅な低熱抵抗化が図れる。
【0014】
本発明について、図1,図3,図4,図5を使用して、以下説明する。
【0015】
フィンを金属ベースに形成しても、絶縁基板接着層の歪みを増大させない為には、
1)フィンにより金属ベースの剛性が増大しても、その影響を極力受けない基板構造及び基板配置にする、
2)フィンを形成しても、平板と比べて顕著に剛性が増大しないようなフィン形状にする、
3)剛性が増大しても、歪みが増大しない接着層の構造にする、等が考えられる。
【0016】
各々について、以下、説明する。
【0017】
図1は上記1)の構造説明図である。図1(a)は平面模式図、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図である。断面模式図において、絶縁基板100表面の回路パターン、及び、接着用の裏面金属パターン、さらに、半導体チップと絶縁基板100の回路パターン,絶縁基板と金属ベースの接着層は省略している。金属ベース101の長手方向に、直線型のフィン114が形成されている。従って、金属ベース長手方向は、梁が形成されたような効果がある。つまり、フィン114のない平板ベースの場合と比べて、剛性が顕著に増大するのは、金属ベース101の長手方向である。短辺方向、つまり、フィン垂直方向は、図1(c)より明らかなように、フィンの存在しない部分で平板と同じように変形できるため、剛性は顕著に増大しない。
【0018】
一方、長方形絶縁基板100の接着層の応力は、基板長手方向の基板端、つまり、短辺に集中する。従って、接着層の応力、つまり、歪みの大小に影響を与えるのは、絶縁基板100長辺方向の金属ベースの剛性である。
【0019】
従って、図1に示すように絶縁基板100の長辺を、金属ベースの長手方向と概略垂直に配置すれば、前述のようにフィン垂直方向の剛性は顕著に増大しないため、接着層の応力,歪みも増大することはない。
【0020】
次に、図3は、上記2)の説明図である。図1と同じく、図3(a)は平面模式図、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図である。上述の場合と異なり、長方形絶縁基板100の長手方向と、フィン方向は同じである。つまり、フィン301による金属ベース300の剛性増大は、そのままでは絶縁基板100接着層の歪みを増大させてしまう。そこで、フィン301の中央部にスリット302を形成し、フィン301による剛性増大を低減させている。スリット302部でベース300は変形できるためである。この効果を顕著にするため、スリット302は、絶縁基板100の概略中央部に存在しなければならない。
【0021】
最後に、図4,図5は、上記3)の説明図である。図1と同じく、図4(a)は平面模式図、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図、図5は図4(c)の絶縁基板100接着部の拡大図である。絶縁基板100と金属ベース401を、はんだ500で接着した場合である。上記図3の場合と同じく、長方形絶縁基板100の長手方向と、フィン400の方向は同じであるため、このままでは絶縁基板100の短辺のはんだ層に、平板の場合と比べて、大きな歪みが発生してしまう。そこで、基板接着のはんだ層500の膜厚を、基板100中央で薄く、両端に向かって、つまり、フィン400方向にそって、厚くなるようにしている。この構造とすることで、はんだ層の厚みは、応力が大きい部分で厚くできるため歪みは小さくでき、かつ、厚くする必要ない部分、つまり、基板中央部は薄いままなので、熱抵抗の増大を極力低減することができる。
【0022】
本発明の実施例を、以下図面を使用して詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)
図1,図7,図8を使用して第一の実施例について詳細に説明する。50kWクラスの水冷3相インバータに適用される、3相IGBTモジュールの実施例である。
【0024】
モジュールの主端子,制御端子,ケース等を省略し、銅ベース101,IGBTペレット103,FWDペレット104等をはんだ接着した銅貼り窒化アルミ基板100,主端子用電極パッド112,制御端子用電極パッド110等のみを表している。図1(a)は平面模式図、同図(b)(c)は同図(a)のAA,BB断面模式図である。断面模式図において、絶縁基板100表面の回路パターン、及び、接着用の裏面金属パターン、さらに、半導体チップと絶縁基板100の回路パターン,絶縁基板と金属ベースの接着層は省略している。
【0025】
窒化アルミ基板100の大きさは2.6cm×5cm で、チップサイズ11mm□のIGBTペレット103,チップサイズ6mm×9mmのFWDペレット104各2チップが、融点300℃以上の高温はんだで接着されている。はんだ膜厚は0.1mm程度である。各ペレットの電圧/電流定格は600V/200Aであり、2並列接続されることにより、定格600V/400Aのモジュールとなっている。さらに、窒化アルミ基板100には、IGBTを並列駆動する場合の共振防止用ゲート抵抗ペレット105,温度検出用サーミスタ109がはんだ接着されている。IGBTペレット103,FWDペレット104と窒化アルミ基板100上の銅パターンである回路パターン122,123との接続は、アルミワイヤ106,108,107で行う。本ワイヤの線経は300μmφである。アルミワイヤ107,108は、全本数でなく、代表的なワイヤのみを表現している。本パワー半導体搭載窒化アルミ基板100と銅ベース101は、融点180℃程度の低融点はんだである共晶はんだで接着されている。はんだ膜厚は約0.15mm である。窒化アルミ基板100と主端子,制御端子用電極パッド112,110との接続も同じくアルミワイヤ113,111で行われる。このワイヤの線経は500μmφである。アルミワイヤ106,108,107は、半導体ペレット表面にボンディングされるため、低ダメージに配慮する必要ある。従って、300μmと比較的細いワイヤを使用している。しかし、アルミワイヤ113,111はダメージに配慮する必要ないため、ボンディング本数の低減、かつ、電気抵抗低減に配慮して、太いワイヤを使用している。
【0026】
3相モジュールの各アームは、一枚の窒化アルミ基板100から構成され、合計6枚の基板100が大きさ10cm×23cm、平板部の厚さ3mmのフィン付銅ベース101にはんだ接着されている。フィン114の幅115,間隔116,高さ118は各々1mm,2mm,5mmである。また、長さ120は16cmである。フィン114の本数は14本であり、全体のフィンの幅121は4cmである。フィン114は、もちろん窒化アルミ基板100下の領域に配置される。フィン114の形状は、冷却水を流したときの流速、及び、フィン効率を考慮し、最大の熱伝達を実現できる形状とした。
【0027】
本モジュールに、水路カバーを取り付けた場合の実施例を図8に示す。図1(a)のAA断面模式図に水路カバーを取り付けた場合の模式図を示している。フィン114の底面にAlダイカスト製水路カバー801を接触させて水路を構成している。水路カバー801の肉厚は、強度を考慮し3mmとした。また、図1(a)のBB断面は図示していないが、水路カバーの幅は全体のフィン幅4cmと同程度にしている。以上のように、水路カバー801をフィン114に接触させているのは、フィン間に冷却水を効率良く流し、熱伝達率を可能な限り向上させる為である。形成される冷却水路一本当たりの形状は、高さ5mm,幅2mmであり、流路の本数は、13本である。冷却水のシールは、水路カバー801の取り付けをOリング800で行って実施している。Oリング取り付け用に、Alダイカスト製インバータ筐体802に溝803を設けている。筐体の肉厚は、水路カバーと同様、3mmとした。Oリングの線径は1.9mmφ 、溝深さは1.4mm である。また、モジュールはM6ボルトで取り付け、締付けトルクは2.45N・m とした。このトルクは、通常のモジュール取り付けトルクと同程度である。
【0028】
以上の構成のモジュール、及び水路に、エチレングリコール50vol.%の冷却水を、流量20L/min で給水口804から通流し、冷却性能を測定した。上記冷却流路構造より、冷却水の平均流速は、2.6m/s である。
【0029】
まず、冷却性能の指標である、冷却水からIGBTチップジャンクションまでの熱抵抗,Rth(j−w)を評価した。結果、冷却水温度60℃の場合、0.12K/Wとなった。参考のため、フィン114を削除した場合のモジュールも製造し、Rth(j−w)を測定した。この場合の冷却水路の形状は、深さ2mm,幅4cmであり、冷却水の平均流速は4.2m/s である。結果、Rth(j−w)=0.16K/W であった。つまり、フィンを形成することで、冷却性能は30%程度向上することができた。また、給排水管間の圧力損失は、9kPaであり、同じく、フィン無しの場合の11kPaと比べて、こちらも改善することができた。Rth(j−w)を30%低減できたことは、半導体チップの発熱が同じ場合、温度上昇を30%低減できることを意味する。このことは、銅ベース101にフィンを付与することによる剛性増大が、基板100接着はんだ層へ顕著に影響を与えなければ、大幅に寿命が増大することを意味する。はんだ接着層の歪みを実験的に直接測定するのは極めて困難である。
【0030】
そこで、3次元シミュレーションにより、基板100接着はんだ層の歪みを評価した。結果を図7に示す。温度を100℃から30℃へ変化させた場合のせん断歪みをシミュレーションした結果である。図中▲1▼は、基準となるフィンが無い平板場合(板厚3mm)の結果、▲3▼が本発明構造の結果、▲2▼は参考の為、基板100長手方向とフィン114方向を同じにした場合である。シミュレーション結果、歪みが顕著に発生するのは、いずれの場合も基板100長手方向の基板端である、二つの短辺近傍に集中した。本発明を採用しない▲2▼の場合、せん断歪み範囲は3.8% であり、▲1▼の3.5% と比べて10%程度増大した。一方、本発明構造である▲3▼の場合3.4% であり、基準である▲1▼の場合と同程度であった。以上より本発明の効果が明らかになり、上記フィン付による熱抵抗低減効果と併せて、大幅なはんだ寿命向上が期待できる。
【0031】
本実施例の場合より、さらにはんだ歪みを低減させる手法として、基板接着はんだ層の膜厚を、基板中央部で薄く、基板長手方向,両端に向かって厚くすることがある。短辺方向基板端に比べて、長編方向基板端の応力が顕著に大きい為、膜厚を増大して、応力を低減するのである。
【0032】
(実施例2)
第二の実施例を、図3を使用して説明する。図3(a)は平面模式図を、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図を表している。基板上の搭載部品を含め、銅貼り窒化アルミ基板100の構造は、実施例1と同じである。また、銅ベース300の形状,平板部の板厚も実施例1と同じである。さらに、銅ベース300上の基板100の配置,基板100接着用はんだの種類,膜厚も全く同じである。実施例1と異なるのは、フィン301の構造である。実施例1は、モジュールの長手方向に直線型のフィン114を配置した場合の実施例であった。この場合の特長は、冷却流路を直線型にでき単純にできるため、圧力損失が小さい等である。しかしながら、IGBTモジュールを水冷インバータに使用する場合、インバータの形状の要求から、給排水管を実施例1のように、IGBTモジュール長手方向両端の位置に配置できるとは限らない。本実施例は、この場合に対処した実施例である。
【0033】
本実施例は、給排水管をモジュール長手方向の垂直方向に配置した場合である。従って、フィン301は銅ベース300短辺方向に平行な直線型フィンとしなければならない。フィン高さ,幅,間隔は実施例1と同じであり、長さ303は5cmである。このフィン構成の場合、基板100の長手方向とフィン301の方向は一致してしまう。従って、実施例1のメカニズムによるはんだ歪み低減は実現できず、基板下はんだ歪みは、フィンによる銅ベース剛性増大の影響を顕著に受けてしまう。そこで、基板100の概略中央でフィンにスリット302を設け、2分割している。スリット302の幅は1mmとしている。この幅は加工の許す範囲で小さいことが望まれる。フィンの効果を可能な限り低減させない為である。このスリット302でフィン301を2分割することにより、基板100に与えるフィンの影響は顕著に低減できる。スリット302部で銅ベース300は変形できるためである。
【0034】
全体流路について、以下説明する。実施例1と同じく直線型の水路とすると、水路幅は16cm程度になってしまい、冷却性能向上に必要な高流速を実現することはできない。例えば、実施例1と比べて、1/4程度になってしまう。これでは、高熱伝達は全く期待できず、高熱伝達を達成する、というフィンを形成する目的に反する。そこで、流路を流路α,β,γの3分割とし、全体をS字型流路として接続している。この水路形状とすることにより、流量20L/min の場合、平均流速は2m/sとなり、実施例1と比べて、遜色ない流速とすることができた。本流量で、Rth(j−w),ΔPを測定すると、0.13K/W ,14kPaであった。Rth(j−w)は実施例1と比べて流速が若干低減した為増大し、ΔPは、直線型水路と異なり、S字型水路の為、フィンへの出入りの拡大・縮小圧力損失、及び、曲げ圧力損失が追加され、顕著に増大した。
【0035】
実施例と同じ手法で基板下はんだのせん断歪みを評価した。結果、スリット302が無い場合は3.8%であった歪みは、スリット302により、3.6%まで低減した。この値は、平板の場合の3.5% と同等であり、本発明の効果が確認できた。
【0036】
(実施例3)
第三の実施例を、図4,図5を使用して説明する。図4(a)は平面模式図を、同(b)(c)は同(a)のAA,BB断面模式図を表している。また、図5は図4(c)基板接着部の拡大図である。
【0037】
本実施例は実施例2と同じ構成の場合の実施例である。即ち、直線型のフィン400の方向と銅貼り窒化アルミ基板100の長手方向が一致している場合である。つまり、対策無しでは、フィンによる銅ベース剛性増大で、板下はんだ歪みは顕著に増大してしまう。本実施例では、対策として基板接着はんだ層の膜厚を制御している。はんだ接着部の拡大図である図5で説明する。
【0038】
前述のように、はんだ歪みが集中するのは、基板100の長手方向の端である、短辺近傍である。そこで、基板100下の銅ベース401を、基板中央部でなだらかに上に凸の形状としている。凸部の高さは約0.1mm である。銅ベース401の形状を、本形状とすることにより、はんだ層500は基板100中央部で薄く、基板端に向かって厚くできる。本実施例では、基板中央部の膜厚は約0.1mm で、両端の膜厚は0.2mm となるようにはんだ量を制御している。この構造で、応力が集中する基板端の膜厚を増大できるため、はんだ歪みを大幅に低減できる。単に膜厚全体を0.2mm としても、はんだ歪み低減効果は同様、あるいはそれ以上であるが、全体を厚くすると、熱抵抗が増大してしまい、フィン付与による熱抵抗低減効果が減少してしまう。
【0039】
全体流路は、実施例2と同一である。冷却水流量20L/minで、Rth(j−w)を測定した。結果、0.135K/W と実施例2と比べてわずかに増大した。圧力損失,ΔPは実施例と全く同じ14kPaであった。一方、はんだ歪みをシミュレーションすると、3.3% と、フィンの無い平板の場合よりも低減できた。以上より、本構造で、大幅な寿命増大が期待できる。
【0040】
(実施例4)
第四の実施例を、図6を使用して説明する。図6(a)は平面模式図を、同(b)は同(a)のAA断面模式図を表している。これまでの実施例は、3相モジュール一台について、そのモジュール構造、及び、冷却系の実施例であった。水冷インバータの使用される対象、例えば、電気自動車用インバータによっては、二つのインバータ機能を一つのケーシングとすることも要求されることがある。例えば、モータ駆動用と発電機用である。本実施例は、この場合に対応した実施例である。
【0041】
銅ベース601にパワー半導体ペレット等を搭載した銅貼り窒化アルミ基板100、及び、600を搭載している。銅ベース601の大きさは、20cm×23cmである。平板部の厚さは3mmとしたが、基板下はんだ歪みの許す限り厚くすることが望まれる。IGBTモジュール組立過程での反り等を可能な限り低減させる為である。6枚の基板100で3相モジュールAを、同じく6枚の基板600で3相モジュールBを構成している。両者とも電圧/電流定格は、600V/400Aの場合を示している。しかしながら、もちろん、どちらかあるいは両者とも電流定格を低減させることはIGBTペレット103,FWDペレット104を取り替えることにより対応できる。フィン603,604の形状は、実施例1のフィン114と同一構造であり、各々、基板100,600の下に配置される。なお、フィン603,604はパワー半導体ペレットの発熱量によって変えることは可能である。例えば、3相モジュールBの損失が同Aと比べて小さい場合、フィン604の本数をフィン603の本数比べて少なくする、等の変更が考えられる。
【0042】
フィン603,604をコの字型の水路カバーで覆い、一つの流路とし、冷却水を通流して、Rth(j−w),ΔPを測定した。冷却水の流量は10L/min である。これまでの実施例と異なり、二つのモジュールを冷却するため、冷却部、即ち、フィン部の長さが長い為、その部分の損失が大きい為である。Rth(j−w)は流量低減により増大し、0.15K/W となり、ΔPは、6kPaと大幅に低減できた。
【0043】
基板下はんだ歪みは、実施例1と同じ基板配置構造、即ち、直線型フィンと基板長手方向が垂直なため、低く抑えられている。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、フィンを金属ベースに形成しても、直線型フィンのフィン方向と、絶縁基板の長手方向を垂直に配置する為、絶縁基板下はんだの歪みは、フィンのない平板と比べて増大しない。基板下はんだ歪みは、基板長手方向の基板端に集中し、この方向のフィン付金属ベースの剛性は、フィンの無い部分で変形できる為、顕著に増大しない為である。また、直線型フィン方向と、絶縁基板長手方向を一致させた場合でも、基板の概略中央部でフィンにスリットをいれて分割すれば、この部分で変形し易くなり、やはり、剛性は低減する効果がある為、はんだ歪みは増大しない。さらには、同じく、直線型フィン方向と、絶縁基板長手方向が一致した場合、基板長手方向のはんだ層を基板中央部で薄く、基板端に向かって厚くなる形状にすれば、基板端はんだの膜厚増大により、応力が低減し、はんだ歪みは低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構造を示す、(a)平面構造模式図、(b)(c)断面構造模式図。
【図2】従来水冷インバータの断面模式図。
【図3】本発明の一実施例の(a)平面構造模式図、(b)(c)断面構造模式図。
【図4】本発明の一実施例の(a)平面構造模式図、(b)(c)断面構造模式図。
【図5】図5に示す実施例の断面拡大図。
【図6】本発明の一実施例の平面構造模式図。
【図7】はんだ歪み計算結果の一例。
【図8】水路カバーを含んだ実施例。
【符号の説明】
100,600…銅貼り絶縁基板、101,201,300,401,601…金属ベース、102…モジュール取付穴、103…IGBTペレット、104…FWDぺレット、105…抵抗ペレット、106…ゲートワイヤ、107…エミッタワイヤ、108…カソードワイヤ、109…サーミスタ、110…制御端子用電極(パッド)、111…制御配線ワイヤ、112,602,605,606…主端子用電極(パッド)、113…主配線ワイヤ、114,301,400,603,604…フィン、115…フィン幅、116…フィン間隔、117…ベース厚さ、118…フィン高さ、119…絶縁基板長さ、120,303…フィン長さ、121…全体のフィン幅、122,123…回路パターン、200…パワー半導体モジュール、202…フィン、203…冷却水路、204…モジュール取付ボルト、205…インバータカバー、206…インバータカバー取付ボルト、207,801…水路カバー、208…水路カバー取付ボルト、209,802…インバータケース、210,800…Oリング、211…モジュール取付用開口部、302…直線フィンスリット、500…はんだ(層)、803…Oリング用溝、804…給水口、805…排水口。
Claims (4)
- スイッチング動作により電流を制御する複数のパワー半導体素子と、
回路パターンを備え、前記複数のパワー半導体素子が接着された複数の絶縁基板と、
前記絶縁基板が接着され、該絶縁基板の接着面とは反対側の面において直線型フィンを備えた金属ベースと、
前記金属ベースに直接冷却水が当たるように構成され、該金属ベースの向かい合う短辺のうち一辺側に該冷却水を導入するために設けられた給水口、及び、該金属ベースの向かい合う短辺のうち他辺側に該冷却水を排出するために設けられた排水口を備えた冷却水路と、を有し、
前記複数の絶縁基板は全て、前記金属ベースの長辺に沿って一列に並んでおり、
前記金属ベースの長辺に沿って延びた前記直線型フィンのストライプ方向における前記絶縁基板の長さは、前記直線型フィンの垂直方向における前記絶縁基板の長さより短く、
一つの3相交流電流を出力するために6アームで構成された3相モジュールの各アーム毎に、前記複数のパワー半導体素子は、一の絶縁基板の上に形成されており、
前記パワー半導体素子はIGBTであり、
前記一の絶縁基板の上には複数のIGBTが接着されており、
前記複数のIGBTは、全て、前記直線型フィンの垂直方向に配置されていることを特徴とするインバータ。 - 請求項1記載のインバータにおいて、
前記直線型フィンは、前記絶縁基板の略中央で分割されることを特徴とするインバータ。 - 請求項2記載のインバータにおいて、
前記絶縁基板はセラミック基板、前記金属ベースは銅ベースであり、前記パワー半導体素子と前記セラミック基板、前記セラミック基板と前記銅ベースは、各々はんだ接着されることを特徴とするインバータ。 - 請求項3記載のインバータにおいて、
前記セラミック基板は窒化アルミ基板であることを特徴とするインバータ。
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