JP4015060B2 - 直接水冷型パワー半導体モジュール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)等のパワー半導体素子を有する、直接水冷型パワー半導体モジュール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド電気自動車用モータ等、大出力モータを制御するインバータには、IGBTモジュール等のパワー半導体モジュールが使用される。この自動車用インバータ中のIGBTモジュールの冷却は、水冷が一般的である。高発熱であるため大きな冷却能力が必要であるにもかかわらず、車載のため、小型であることが要求されるためである。ヒートシンク部体積が大きくなるため、一般に、空冷は許容されない。さらには、冷却性能を向上させるため、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設け、フィン付金属ベースに直接冷却水を当てる構造(直接水冷)も提案されている。
【0003】
本構造の断面摸式図を図2に示す。
【0004】
IGBTモジュール200と、アルミダイカスト製筐体205等IGBTモジュール200の冷却に関する部品のみを示している。フィン202をIGBTモジュール200の金属ベース201に形製(フィン付IGBTモジュール)し、筐体205の開口部206より筐体205の外へ出し、直接冷却水を当てている。即ち、冷却用水路203は、アルミダイカスト製水路カバー204と金属ベース201で形製される。本構造で、従来、金属ベースとヒートシンク間に存在した、金属と比べて2桁以上高熱抵抗の熱伝導グリースは削除でき、かつ、フィン202は熱伝導率の高い銅等の金属で形製されるため、フィン効率は高く、フィン無しの平板の場合と比べて、大幅な低熱抵抗化が図れる。
【0005】
なお、直接水冷型パワー半導体モジュール構造に関する従来技術は、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−308246号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の水冷用フィン付IGBTモジュールの構造は、冷却性能に関して以下の点で改善の余地がある。
【0008】
水冷用フィン付IGBTモジュールは、上述のように主として自動車用インバータに使用される。この場合、冷却水を循環させる電動ポンプの能力は極めて小さい。通常、吐出可能な最大流量は10L/min程度、最大吐出圧力は数十kPaである。インバータ同様、小型が要求されるとともに、燃費向上のために、低消費電力が要求されるためである。このため、インバータの冷却水路の圧力損失ΔPは、通常、数kPa以下と極めて小さくなければならない。ΔPと冷却性能、即ち、熱伝達率hは、トレードオフ関係にあるため、IGBTモジュールベースに単にフィンを設けて冷却しただけでは、十分大きな熱伝達率を得ることはできない。例えば、フィンの高さを大きくしすぎると、冷却水の速度が減少し、フィンを設けない場合と比べて、大きな熱伝達率を得ることができない場合もある。さらには、フィンをIGBTモジュールベースに製造する製造コストについても配慮しなければならない。
本発明の目的は、パワー半導体素子を有し、低熱抵抗化を図る直接水冷型パワー半導体モジュール構造の更なる高熱伝達率を達成し、冷却効果を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨を、図1,3,7,8を使用して、以下に説明する。
【0010】
図1(a)は、フィン付IGBTモジュール用銅ベース100裏面、即ち、フィン形製面の平面模式図であり、同(b),(c)は、同(a)のAA断面、及び、BB断面模式図である。図3は図1(c)の拡大模式図、図7は、本発明のフィン構造に冷却水を流した場合の冷却水流れの様子を模式的に示したものである。図8は、図7と異なり、本発明を適用しない場合の冷却水流れの摸式図である。
【0011】
ΔPを小さくし、かつ、高熱伝達を実現するためには、フィンの寸法を含む断面形状、フィン平面形状、フィン表面粗さについて考慮しなければならない。
【0012】
まず、フィン断面形状に関しての手段である。前述のように、ΔPの制約から、フィン101はストライプ状フィンとし、フィン101の断面形状は、図1(c)、及び、図3に示すように、フィン101の根元が広く、先端に向かって狭くなる台形とする。この形状とすることで、より熱伝達に寄与する、フィン101の根元で冷却水の流速を高流速とすることができるので、hを増大できる。一方、冷却流路となるフィン間の断面積は、フィン断面が矩形の場合と同じにできるため、ΔP決定の主因子である平均流速を増大させることがないため、ΔPを増大させることはない。さらに、フィンの断面形状は、図3に示すように、コーナーR304,305が形製されている。コーナーRが形製されておらず、角が存在すると、例えば冷却水のスケール等が堆積し易く、その部分で冷却水が滞り易い、さらには、熱伝達境界層が角の部分では厚くなり、熱伝達に悪影響を及ぼす。
【0013】
次に、フィン平面形状、フィン表面粗さに関しての手段である。図8に、平面形状に対して本発明を適用していない場合のフィン付銅ベース裏面の平面拡大図を示す。フィン801の断面形状は、図3と同じ台形形状である。冷却水導入部のフィン先端804にもコーナーR803が形製されている。この場合、模式的に示した冷却水流れ802はスムーズなものになる。このような流れになると、冷却水の流れがすぐに発達してしまい、熱伝達境界層の厚さが厚くなり、冷却性能は悪化する。このことを改善したのが図7である。フィン長手方向先端108にコーナーRは設けていない。このため、冷却水流れ700は領域702のように激しく乱れ、熱伝達を促進させる。このように、コーナーRを持たないフィン先端形状701にするためには、切削加工が適した方法である。図1の領域107はこの切削加工を行った領域である。ΔPには、冷却水が接液する面の面粗さも影響するため、フィン101の表面、及び、銅ベース100裏面の面粗さは可能な限り小さくする。従って、領域107は切削加工を行うため、平均面粗さRaは、領域107以外と比べて大きくなることが本発明の特徴であり、領域107は、冷却水導入部でもあるため、面粗さを粗くすることにより、冷却水の乱流化を促進することができる。
【0014】
以上、本発明の特徴を述べた。上述以外の本発明の特徴は、以下の本発明実施例で明らかとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を、以下図面を使用して詳細に説明する。
(実施例1)
図1,3,5,6を使用して第一の実施例について詳細に説明する。50kWクラスの水冷3相インバータに適用される、3相IGBTモジュールの実施例である。
【0016】
図1はフィン付銅ベース100の構造のみを示したものであり、図3は図1(c)の一部を拡大した図である。平面形状100mm×210mmのフィン付銅ベース100の中央に、ストライプ状フィン101を12本形製している。銅ベース100の材質はタフピッチ銅(C1100)である。フィン101の長さ105は170mm、銅ベース100の平板部厚さ103は3mm、フィン101の高さ104は5mmである。平板部厚さ103は、IGBTモジュール組立て時の反り等が大きくならないように適度な剛性を持たせること、かつ、窒化アルミ基板を接着するはんだ層の歪みが大きくならないように剛性が大きくなりすぎないこと、等に配慮されて決定された。また、フィン101のピッチ106は4mmである。フィン高さ104、ピッチ106については後述する。
【0017】
フィン101の断面形状について、図3で詳細に説明する。フィン101断面形状はフィン根元から先端に向かって細くなる台形としている。根元の幅300は2mmで、先端の幅302は1mmとしている。従って、平均のフィン101の幅は1.5mmである。一方、フィン根元、及び、先端のフィン間隔301,303は、各々2mm,3mmとしており、平均フィン間隔は2.5mmである。また、フィン101断面の各コーナー304,305は、R=0.5mmで面取りされている。従って、フィン101の先端は、半径0.5mmの半円となっている。コーナーRの大きさは、例えばコーナー304を1mmとすると、フィン間隔、即ち、冷却水路幅の減少が無視できなくなる、かつ、例えば、0.2mmと小さいと上述した本発明の効果が顕著に期待できなくなる、等の理由で決定された。また、本実施例において、銅ベース100は押出し法で製造されており、その表面粗さRaは0.4以下である。つまり、本発明の特徴である、冷却水接液面の小さい面粗さが実現できている。図1の領域107は本発明の一つである、フィン先端108で乱流を促進する目的で、コーナーをシャープな形状にするために、フィン107を切削した領域である。このため、領域107の面粗さRaは1.6と、その他の領域よりも大きくなっている。この面荒さは、後述するように、Oリングで冷却水を封止する際に、封止性能を劣化させない範囲で、大きくしたものである。本実施例では、全体の冷却水路幅は5cmとし、冷却水の流量は10L/minを想定している。この場合、フィン101で構成される冷却水の平均流速は、1.0m/sである。ΔPの制約から、冷却水の流速は1.0m/s程度が上限であることが明らかになっている。一方、例えば、フィン高さ104を6mmと高くすると、伝熱面積は増大できるものの、平均流速は5mmの場合の83%と小さくなり、熱伝達率,hは流速に比例するため、結果として、冷却能力は若干低下する。ただし、この場合であっても、図2に示すこの種構造物に較べて熱伝達率を向上させることができる。
【0018】
以上、本発明の目的を達成するためのフィン形状について述べた。ここで、改めて各寸法について、その限界の値を含めて記述する。
【0019】
フィン幅/間隔/高さは、冷却水流量と密接に関係し、最適な値が決定される。冷却水流量は、一般に最大10L/min程度である。フィン幅を減少させると、フィン本数はある程度増大できるが、流速が減少し、熱伝達率が減少してしまう。検討結果、10L/min程度の条件のもとで、フィン幅は0.5mm以上でなければ良好な放熱を実現できないことが明らかとなった。フィン高さについては、高くすれば伝熱面積は増大できるが、フィン効率低減、及び、上述と同じ理由で流速低下が生じるため上限が存在する。検討結果、同じく10L/min程度の条件のもとで10mm以下とする必要があることが分かった。フィン間隔は圧力損失の制約で決定される。圧力損失は流速の約2乗に比例して増大する。高性能な電動ポンプを使用したとしても圧力損失は数10kPa以下でなければならず、この場合、フィン間隔は1mm以上でなければならないことが明らかとなった。
【0020】
また、コーナーRについては、故意に汚染された冷却水を流し、コーナー部の汚れ具合を観察した結果、R=0.3mm以上で、水垢堆積防止の効果があることが明らかとなった。つまり、本発明の効果を達成するためにはR≧0.3mmとすることが望ましい。
【0021】
さらに、圧力損失に関して、面粗さの影響を調べたところ、以下のことが明らかになった。
【0022】
紙やすりで故意に表面状態を荒くする事により面粗さ程度の影響を実験すると、Ra=0.8以上になると圧力損失は増大し出すことが分かった。つまり、圧力損失を増大させないためにはRa≦0.8とすることが望ましい。
【0023】
最後に金属ベースの硬度についての最適値である。金属ベースは、硬度(降伏応力)が低いと、使用時の温度履歴で変形してしまう問題が生じる。このことを避けるための硬度は、ビッカース硬度で評価すると、60程度以上であることが明らかとなった。
【0024】
図5は本発明フィン付銅ベース100をIGBTモジュールに適用した場合の構造例である。モジュールの主端子、制御端子、ケース等を省略し、銅ベース100、IGBT515,FWD514等をはんだ接着した銅貼り窒化アルミ基板501、主端子用電極パッド512、制御端子用電極パッド510等のみを表している。図5(a)は平面模式図、同(b),(c)は同(a)のAA,BB断面模式図である。断面摸式図において、絶縁基板501表面の回路パタン、及び、接着用の裏面金属パタン、さらに、半導体チップと絶縁基板501の回路パタン、絶縁基板と金属ベースの接着層は省略している。窒化アルミ基板501の大きさは2.6cm×5cmで、チップサイズ11mm□のIGBTペレット515、チップサイズ6mm×9mmのFWDペレット514各2チップが、融点300℃以上の高温はんだで接着されている。はんだ膜厚は0.1mm程度である。各ペレットの電圧/電流定格は600V/200Aであり、2並列接続されることにより、定格600V/400Aのモジュールとなっている。さらに、窒化アルミ基板501には、IGBTを並列駆動する場合の共振防止用ゲート抵抗ペレット505、温度検出用サーミスタ509がはんだ接着されている。IGBTペレット515、FWDペレット514と窒化アルミ基板501上銅パタン516,517との接続は、アルミワイヤ506,508,507で行う。本ワイヤの線経は400μmφである。アルミワイヤ507,508は、全本数でなく、代表的なワイヤのみを表現している。本パワー半導体搭載窒化アルミ基板501と銅ベース100は、融点180℃程度の低融点はんだである共晶はんだで接着されている。はんだ膜厚は約0.15mmである。低融点はんだを使用する目的は、IGBT515,FWD514接着はんだ層の再溶融を防ぐためである。窒化アルミ基板501と主端子、制御端子用電極パッド512,510との接続も、アルミワイヤ513,511で行われる。このワイヤの線経は500μmφである。アルミワイヤ506,508,507は、半導体ペレット表面にボンディングされるため、低ダメージに配慮する必要ある。従って、400μmと比較的細いワイヤを使用している。しかし、アルミワイヤ513,511はダメージに配慮する必要ないため、ボンディング本数の低減、かつ、電気抵抗低減に配慮して、太いワイヤを使用している。3相モジュールの各アームは、一枚の窒化アルミ基板501から構成され、合計6枚の基板501が大きさ10cm×21cm、平板部の厚さ3mmのフィン付銅ベース100にはんだ接着されている。前述したフィン101の本数は、発熱体である窒化アルミ基板501接着領域に設けられ、高効率で放熱できるように設計されている。窒化アルミ基板501領域以外にフィン101を設けても、冷却水の流速を低減させるのみで、放熱能力向上に寄与しないのである。
【0025】
本モジュールに、水路カバーを取り付けた場合の実施例を図6に示す。図5(a)のAA断面摸式図に水路カバーを取り付けた場合の摸式図を示している。フィン101の底面にアルミダイカスト製水路カバー601を接触させて水路を構成している。水路カバー601の肉厚は、強度を考慮し3mmとした。また、図5(a)のBB断面は図示していないが、水路カバー内側の幅、即ち、全体の冷却水路幅は5cmとしている。以上のように、水路カバー601をフィン101に接触させているのは、フィン間に冷却水を効率良く流し、hを可能な限り向上させるためである。冷却水のシールは、銅ベース100の筐体602への取付けをOリング600で行って実施している。Oリング挿入用に、アルミダイカスト製インバータ筐体602に溝603を設けている。筐体の肉厚は、水路カバーと同様3mmとした。Oリングの線径は1.9mmφ、溝603の深さは1.4mmである。また、モジュールはM6ボルトで取付け、締付けトルクは2.45N・mとした。このトルクは、通常のモジュール取付けトルクと同程度である。
【0026】
以上の構成のモジュール、及び水路に、エチレングリコールが主成分であるロングライフクーラント50vol.%の冷却水を、流量10L/min、温度75℃で給水口604から通流し、冷却性能を測定した。前記の通り、冷却水の平均流速は、1.0 m/sである。
【0027】
まず、冷却性能の指標である、冷却水からIGBTチップジャンクションまでの熱抵抗,Rth(j-w)を評価した。結果、0.125K/Wとなった。また、給排水管間の圧力損失は、2.5kPaであった。本IGBTモジュールが想定している最大損失は、IGBTについては、400W/アームである。従って、冷却水からの温度上昇は約50℃となる。即ち、IGBTチップの最大温度は125℃である。通常、IGBTの最大温度定格は150℃であり、余裕のある温度にできることが分かった。また、例えば、HEV用インバータの場合、モータ/ジェネレータ用、2つのインバータで1セットになることが一般的であり、要求されるΔPは、一般に、10kPa程度以下である。本実施例の場合、1インバータ(1IGBTモジュール)で2.5kPaであり、2インバータで5kPa程度となり、ΔPも余裕があることが分かった。本発明の効果を検証するため、本発明フィン形状でなく、フィン断面形状が長方形の場合についても、本実施例と同じモジュールを製造し、Rth(j-w)、ΔPを評価した。フィン断面の形状は、幅1.5mm、高さは同じ5mm、フィン間隔は2.5mmとした。つまり、フィン幅/間隔は、本実施例の平均距離としている。また、フィンは、全て切削で形製したため、銅ベースの平均荒さRaは0.8〜1.6になっている。測定結果、Rth(j-w)=0.13K/W、ΔP=3kPaとなった。本発明により、熱抵抗、ΔPいずれも性能向上していることが分かった。Rth(j-w)の低減効果は、上述の通り、フィン断面が台形形状、かつ、Ra=0.5mmとしているためであり、ΔP改善は、本発明の場合、表面面荒さが小さいためである。
(実施例2)
本発明の第二の実施例を、図4を利用して説明する。本実施例は、放熱能力向上を目的とした実施例である。図4は、図1のBB断面摸式図に相当するの部分の拡大図である。
【0028】
パワーチップの発熱は、チップから冷却水へと、基本的に放射状に拡散する。従って、本実施例では、フィン付銅ベース403の平板部400のフィン領域405を、領域404のように、フィン401先端に向かって緩やかに凸にしている。本形状とすることにより、放射状にフィン401先端に向かって拡散する熱は、より高効率で冷却水へと放熱できる。平板部400の厚さは実施例1と同様3mmである。領域404の厚さ402が重要である。即ち、大きくなるに従い、つまり、半円に近づくにつれ、フィン401へ熱は伝わり易くなるが、フィン401の高さが小さくなり、肝心の伝熱面積が小さくなってしまうのである。本実施例では、厚さ402は1mmとしている。
【0029】
このフィン付銅ベース403で、実施例1と同じIGBTモジュールを製造し、同じ冷却水条件でRth(j-w)を測定した。結果、0.12K/Wと実施例1に比べて5%程度低減させることができた。また、ΔPは、実施例と同様2.5kPaであった。
【0030】
本実施例構造は、前記放熱能力向上以外にも以下の効果がある。フィン付銅ベースの製造方法として、押出し成型は一つの有効な製法である。この場合、フィンは銅ベース長手方向全領域に渡って形製される。従って、IGBTモジュールに適用するためには、図6に示すように、Oリング600等で冷却水を封止するため、図1の領域107のフィンを削除する必要がある。この場合、フィン領域405とその他の領域406を平坦にしなければならない。フィン領域405に凸部か形成されていると、この凸部はなだらかに領域406とつながっているので、凸部を切削するのみで容易に平坦にできる。凸部が形製されていない、もしくは、フィン部の平板部が凹になっていると、領域406の切削も必要になり、平坦化するのが容易ではない。
【0031】
さらに、本実施例において、平板のコーナー407にもコーナーRを形製している。R=1mmと、フィン401のコーナーよりも大きくしている。IGBTモジュール製造において、銅ベースと樹脂ケースの接着は、重要な工程の一つである。IGBT,FWDペレットを封止するゲルを樹脂ケースに注入する際に、このゲルを、ケース外へ漏れ出すことのないようにするために重要なのである。コーナー407に、本実施例のように大きなコーナーRが形製されていると、樹脂ケースをベースに勘合し易く、密着性を高めることができる。
(実施例3)
本発明の第三の実施例を、図9を利用して説明する。本実施例も、実施例2と同様、放熱能力向上を目的とした実施例である。
【0032】
図7で説明したように、フィン長手方向の先端108で冷却水は激しく乱され、熱伝達境界層は薄くなるため、hは増大し、冷却能力は向上する。しかしながら、この場合でも、長手方向を流れて行くに従い、冷却水流れは発達し、次第に境界層が厚くなり、若干とはいえ冷却能力が減少する。そこで、本実施例では、フィン付銅ベース900のフィンを複数分割(図では3分割)し、フィン902,903,904としている。フィンの幅、高さ、間隔等断面形状は全て実施例と同じである。分割する領域は、窒化アルミ基板501間の領域としている。フィン分割領域の幅は5mmとし、全体のフィン長さ905は、実施例1と同じ170mmとしている。このフィン構成で、例えば、図9の左手から右手へ冷却水を流した場合、実施例1,2では、窒化アルミ基板907のRth(j-w)は、窒化アルミ基板906のRth(j-w)よりも5%程度増加影響するが、本実施例では、同程度にすることができた。
【0033】
本実施例によれば、直線型フィンのフィン長手方向に対して垂直断面(断面A)の各コーナーにR面取りを設け、かつ、フィン長手方向に対して平行断面(断面B)のコーナーには面取りを設けない。断面AにコーナーRを設けず、角が存在すると、例えば冷却水のスケール等が堆積し易く、その部分で冷却水が滞り易いく、さらには、境界層が角の部分では厚くなり、熱伝達に悪影響を及ぼすからであり、一方、断面BにコーナーRが存在しないと、その部分で冷却水の乱流効果が大きくなり、熱伝達が促進されるからである。
【0034】
ΔPには、冷却水が接液する面の面粗さも影響するため、フィンの表面、及び、銅ベース裏面の面粗さは可能な限り小さくすることが望ましい。しかしながら、断面Bの両端、及び、その近傍は、乱流効果を促進させるため、面粗さは荒いことが望まれる。従って、断面Bの両端、及び、その近傍の面荒さをその他の領域よりも大きくすることは、低ΔP、高熱伝達を両立させる効果がある。
【0035】
さらに、断面Aの形状を、フィン根元が広く、先端に向かって狭くなる台形としている。この形状とすることで、より熱伝達に寄与するフィン101の根元で冷却水の流速を高流速とすることができるので、熱伝達率を増大できるにもかかわらず、冷却流路となるフィン間の断面積は、断面Aが矩形の場合と同じにできるため、圧力損失,ΔP決定の主因子である平均流速を増大させることないため、ΔPを増大させない効果がある。
【0036】
また、ストライプ状の冷却フィンを、その長手方向に複数に分割することにより、全ての基板のRth(j-w)を同程度にすることができ、冷却能力の減少を抑えることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、パワー半導体素子を有し、低熱抵抗化を図る直接水冷型パワー半導体モジュール構造の更なる高熱伝達率を達成し、冷却効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構造を示すIGBTモジュール銅ベースの模式図で、(a)は平面構造、(b),(c)は断面構造を示す。
【図2】従来水冷インバータの断面模式図である。
【図3】本発明フィン付銅ベースの断面構造の拡大図である。
【図4】本発明の一実施例の断面構造模式図である。
【図5】本発明銅ベースを適用したIGBTモジュールの平面構造模式図である。
【図6】水路カバーを含んだ実施例を示す図である。
【図7】本発明を適用したフィン構造の場合の冷却水の流れを示す図である。
【図8】本発明を適用しない場合の冷却水の流れを示す図である。
【図9】本発明の一実施例の断面構造模式図である。
【符号の説明】
100,400,900,800…IGBTモジュール銅ベース、101,401,902,903,904,802…直線型フィン、102…IGBTモジュール取付け穴、103…IGBTモジュール銅ベース平板部厚さ、104…フィン高さ、105…フィンの長さ、106…フィンピッチ、107…表面粗さの粗い領域、200…パワー半導体モジュール、201…金属ベース、202…フィン、203…冷却水路、204,601…冷却水路カバー、205,602…筐体、206…モジュール取付け用開口部、300,302…フィン幅、301,303…フィン間隔、304…フィン根元コーナーR、305…フィン先端コーナーR、402…フィン領域凸部厚さ、403…銅ベース平板部コーナーR、404…フィン領域凸部、405…銅ベース平板部のフィン領域、406…銅ベース平板部のフィン部以外の領域、407…銅ベース平板部コーナーR、501,906,907…窒化アルミ基板、505…ゲート抵抗チップ、506…ゲートワイヤ、507…エミッタワイヤ、508…カソードワイヤ、509…サーミスタ、510…制御端子用電極、511…制御配線ワイヤ、512…主端子用電極、513…主配線ワイヤ、514…FWDペレット、515…IGBTペレット、516…ゲート配線パタン、516…エミッタ配線パタン、600…Oリング、603…Oリング用溝、604…給水口、605…排水口、700,802…冷却水の流れ、108,804…フィン長手方向先端(冷却水導入部)、702…冷却水の流れが乱れる領域、803…フィン長手方向先端コーナーR、905…全体のフィン長さ。
Claims (9)
- 少なくとも電流をスイッチングするパワー半導体素子を搭載し、前記パワー半導体素子搭載面の対向面にストライプ状の冷却フィンが設けられた金属ベースを有する直接水冷型パワー半導体モジュール構造において、
前記冷却フィンのフィン長手方向に対して略垂直な断面の形状が、フィンの根元が広く、フィンの先端に向かって狭くなる台形であり、
前記冷却フィンのフィン長手方向に対して略垂直な断面のフィン根元およびフィン先端のコーナーにR面取り部を有し、
前記金属ベースの前記冷却フィンが設けられた面のフィン長手方向両端に冷却フィンのない領域を有し、その領域の表面粗さが、それ以外の領域の表面粗さに比べて大きいことを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。 - 請求項1において、前記冷却フィンがフィン長手方向に複数個に分割されていることを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1または2において、切削加工を行うことにより、前記冷却フィンのフィン長手方向に対して平行断面のコーナーにR面取り部を有しないことを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、前記金属ベースのパワー半導体素子を搭載する平板部のフィン領域は、フィン長手方向に対して略垂直方向の断面形状がフィン先端方向に向かって凸形状に厚くなっており、かつ、フィン長手方向両端で該凸形状に厚くなっている部分が削除され、周囲の平板部と段差を有することを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、前記金属ベースの材質が銅または銅合金であり、フィン長手方向に対して略垂直な断面における平均フィン幅、平均フィン間隔、フィン高さ、コーナーRの各寸法が、各々、0.5mm以上、1mm以上、10mm以下、0.3mm以上であることを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、前記金属ベースのパワー半導体素子を搭載する平板部のフィン長手方向に対して略垂直断面の4箇所のコ−ナーが面取りされ、そのコーナーRがフィン断面のコーナーRよりも大きいことを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、前記金属ベースのビッカース硬度が60以上であることを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1において、前記金属ベースの前記冷却フィンが設けられた面における冷却フィンのない領域の平均表面粗さRaが0.8μm以上、それ以外の領域の平均表面粗さRaが0.8μmより小さいことを特徴とする直接水冷型パワー半導体モジュール構造。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の直接水冷型パワー半導体モジュール構造を備えたインバータ。
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