JP2004273479A - 放熱フィン付パワー半導体モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】パワー半導体の金属ベースに直線型フィンを設ける構造において、低い製造コスト,高い放熱性,高信頼の構造を提供する。
【解決手段】パワー半導体素子、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板、該絶縁基板を接着する金属ベース、を有するパワー半導体モジュールにおいて、該金属ベース底面の前記絶縁基板下の領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属ベースよりも薄い金属板が接着され、いわゆるコルゲートフィンとなる。前記金属ベースと前記コルゲートフィンを接着するロー材の融点は、前記パワー半導体素子と前記絶縁基板、及び、前記絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材の融点よりも低い。以上より、フィンの剛性が小さく、かつ、前記フィンの接着時に、絶縁基板下はんだは再溶融することはないパワー半導体モジュールを実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】パワー半導体素子、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板、該絶縁基板を接着する金属ベース、を有するパワー半導体モジュールにおいて、該金属ベース底面の前記絶縁基板下の領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属ベースよりも薄い金属板が接着され、いわゆるコルゲートフィンとなる。前記金属ベースと前記コルゲートフィンを接着するロー材の融点は、前記パワー半導体素子と前記絶縁基板、及び、前記絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材の融点よりも低い。以上より、フィンの剛性が小さく、かつ、前記フィンの接着時に、絶縁基板下はんだは再溶融することはないパワー半導体モジュールを実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー半導体素子を有するパワー半導体モジュールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開2002−314037号公報に記載されている様に、ハイブリッド電気自動車用モータ等、大出力モータを制御するインバータには、IGBTモジュール等のパワー半導体モジュールが使用される。この自動車用インバータ中のIGBTモジュールの冷却は、水冷が一般的である。高発熱であるため大きな冷却能力が必要であるにもかかわらず、車載のため、インバータ体積の小さいことが要求されるためである。また、特開平11−163572号公報に記載されている様に、冷却性能を向上させるため、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設ける構造(直接水冷)も提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−314037号公報
【特許文献2】
特開平11−163572号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術で示した直接水冷用パワー半導体モジュールの構造は、冷却性能,信頼性、及び、製造コストの面で以下の問題がある。
【0005】
冷却水との接触面積、つまり、伝熱面積を増大して、熱伝達を大幅に向上させるためには、フィンの高さはある程度大きく、例えば数mm以上としなければならない。また、フィン付金属ベースの材質は銅であることが望まれる。アルミニウムの場合、銅と比べて、熱伝導率が小さいため、放熱性能が低く、さらには、線膨張係数が大きい為、セラミック基板を接着するはんだ層の歪みが大きくなり、信頼性が低下する為である。
【0006】
以上より、フィン付金属ベースは銅ベースであり、そのフィン高さも5mm程度であることが必要である。しかしながら、アルミニウムと異なり、銅の場合、押し出し加工は困難であり、圧延等の低製造コストで製造可能なフィン高さは1mm程度である。これでは、十分な冷却性能向上は実現できない。一方、冷却性能向上を優先して、フィン付銅ベースでフィン高さを数mm以上とする場合には、切削加工,鍛造等の高コストな製造方法が必要である。つまり、現状、大幅な熱伝達向上と、低い製造コストの両立は達成できていない。
【0007】
さらには、銅ベースにフィンが形製されている場合、セラミック基板を接着するはんだ層のボイド等を検査できない。セラミック基板下はんだ層の品質を確保することは、高信頼を確保するためには必須である。また、切削加工,鍛造、いずれの方法でもフィンの幅は小さくすることは困難である。切削時間が膨大になるため切削加工はコスト的に現実的でない、または、フィン強度が小さくなるため鍛造は困難な為である。すなわち、従来のフィン付銅ベースではフィンによるベースの剛性増大は避けられない。このことは、セラミック基板下はんだ層の歪み増大をもたらす。以上より、従来のフィン付銅ベースを有するパワー半導体モジュールの高信頼を確立することは困難であった。
【0008】
上記問題点を鑑みて、本発明は、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設けて低熱抵抗化を図る構造において、低い製造コスト、及び、高信頼性と大幅な熱伝達向上を実現できるパワー半導体モジュールを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明では、電流をスイッチングするパワー半導体素子と、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板と、該回路パターン付絶縁基板を接着する金属ベースを有し、該金属ベースの前記絶縁基板接着面の対向面の前記絶縁基板に対応する領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属板が接着され、該折り曲げられた金属板がフィンとなるパワー半導体モジュールにおいて、前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着するロー材として、前記パワー半導体素子と前記回路パターン付絶縁基板、及び、前記回路パターン付絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材の融点よりも低いロー材を用いるものである。
【0010】
つまり、フィンを形成する波型に折り曲げられた金属板は、例えば共晶はんだのような低融点はんだで金属ベースにはんだ接着されている。一方、回路パターン付絶縁基板は、共晶はんだよりも高い融点を有するはんだで接着されている。
この様な構造とすることで、いわゆるコルゲートフィンは、回路パターン付絶縁基板をはんだ接着後に形成することができる。つまり、コルゲートフィンをはんだ接着する際に、回路パターン付絶縁基板下のはんだ層の再溶融を避けることができる。このことは、再溶融によるはんだボイドの誘発等を避けられることを意味する。また、はんだ層を検査できる為に高信頼、かつ、製造コストも低い構造を実現できる。さらには、波型に折り曲げられた金属板の板厚は容易に薄くすることができるため、従来のフィンと異なり、剛性を容易に低減できる為、セラミック基板接着はんだ層の歪みを低減でき、高寿命化も実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を、以下図面を使用して詳細に説明する。
【0012】
(実施例1)
図1,図2,図3を使用して第一の実施例について詳細に説明する。定格電圧/電流=600V/400Aクラスの直接水冷型コルゲートフィン付銅ベースを有する3相IGBTモジュールの実施例である。
【0013】
図2(a)はモジュール内観の平面模式図であり、モジュールの主端子,制御端子,ケース等を省略し、銅ベース12,IGBTチップ16,FWDチップ
17等をはんだ接着した銅貼り窒化アルミ基板14,主端子ワイヤボンディングパッド22(主端子用電極パッド),補助エミッタワイヤボンディングパッド
25(制御端子用電極パッド)等のみを表している。図2(b)は同図(a)のAA断面模式図である。断面模式図において、窒化アルミ基板14表面の銅製回路パターン、及び、はんだ接着用の裏面銅パターン、さらに、半導体チップと窒化アルミ基板14の銅製回路パターン,窒化アルミ基板14と銅ベース12の接着はんだ層は省略している。
【0014】
窒化アルミ基板14の大きさは2.6cm×5cm で、チップサイズ11mm□の
IGBTチップ16,チップサイズ6mm×9mmのFWDチップ17各2チップが、融点300℃以上の高融点はんだ15(高温はんだ)(図1参照)で接着されている。はんだ膜厚は0.1mm 程度である。各ペレットの電圧/電流定格は600V/200Aであり、2並列接続されることにより、定格600V/400Aのモジュールとなっている。さらに、窒化アルミ基板14には、IGBTを並列駆動する場合の共振防止用ゲート抵抗チップ27,温度検出用サーミスタ26がはんだ接着されている。IGBTチップ16,FWDチップ17と窒化アルミ基板14上銅パターン(エミッタ配線用銅パターン210,ゲート配線用銅パターン28)との接続は、アルミワイヤ(IGBTエミッタワイヤ21,アノードワイヤ211,IGBTゲートワイヤ20)で行う。本ワイヤの線経は300μmφである。アルミワイヤ(IGBTエミッタワイヤ21,アノードワイヤ211)は、全本数でなく、代表的なワイヤのみを表現している。パワー半導体搭載窒化アルミ基板14と銅ベース12は、融点240℃程度のはんだ13(図1参照)で接着されている。はんだ膜厚は約0.15mm である。このはんだ層については、後で詳述する。窒化アルミ基板14と主端子ワイヤボンディングパッド22,補助エミッタワイヤボンディングパッド25との接続も同じくアルミワイヤ18,補助エミッタワイヤ23で行われる。このワイヤの線経は500μmφである。
アルミワイヤ(IGBTエミッタワイヤ21,アノードワイヤ211,IGBTゲートワイヤ20)は、半導体ペレット表面にボンディングされるため、低ダメージに配慮する必要ある。従って、300μmと比較的細いワイヤを使用している。しかし、アルミワイヤ18,補助エミッタワイヤ23はダメージに配慮する必要ないため、ボンディング本数の低減、かつ、電気抵抗低減に配慮して、太いワイヤを使用している。アルミワイヤ18は、各接続において20本としている。3相モジュールの各アームは、一枚の窒化アルミ基板14から構成され、合計6枚の窒化アルミ基板14が大きさ10cm×23cm、銅ベース厚さ212が3mmの銅ベース12にはんだ接着されている。
【0015】
図1は、図2のBB断面模式図である。本図では、図2では省略したモジュールケース120,モジュール内部を封止するシリコーンゲル19,モジュール蓋124,IGBTチップ16,FWDチップ17,接着用の高融点はんだ15,窒化アルミ基板14,接着用のはんだ13等も表現している。但し、IGBTチップ16,FWDチップ17上のアルミワイヤは省略している。主端子122をインサート成型したインサートケース120を使用している。400Aという大電流を通電するモジュールであるため、主端子122への主配線取付けはボルト締めとするため、主配線取付けボルト用ナット121(M6ナット),主配線取付けボルト用空隙123(ボルト逃げ用空隙)が設けられている。
【0016】
コルゲートフィンを形製する波形に折り曲げられたコルゲートフィン10の厚さ125は1mmで、フィン間隔127,128は2mm、折り曲げ高さ126は4mmである。これらの寸法は、冷却水を流したときの流速、及び、フィン効率を考慮し、概略最大の熱伝達を実現できる形状とした。このコルゲートフィン10は、鉛(Pb)と錫(Sn)の重量組成比(wt%)40/60%の低融点はんだ
11で銅ベース12に接着されている。このはんだの融点は190℃程度である。尚、図1及び図2(b)では、低融点はんだ11厚さは誇張して表現しているが、はんだ膜厚は0.1mm 程度である。低融点はんだ11層の厚さは、安定して接着可能な限り、薄いことが望まれる。はんだ層の熱抵抗を小さくするためである。前述の窒化アルミ基板14を接着するはんだ13はPb/Sn=60/40wt%のはんだであり、融点は前述の通り、240℃程度である。従って、コルゲートフィン10を接着する際に再溶融することはない。つまり、再溶融によるはんだボイド発生等を懸念する必要なく、信頼性的に問題無い。IGBT,FWDチップ16,17を接着するはんだの融点は前述のように、さらに高いために同じく再溶融することはない。コルゲートフィン10(フィン部を構成する銅板)の長手方向長さ213は17cmであり、概略6枚の窒化アルミ基板14下領域全域に接着されている。
【0017】
本モジュールに、水路カバーを取付けた場合の実施例を図3に示す。図2(a)のCC断面模式図にアルミダイカスト製の水冷ジャケット34(水路カバー)を取付けた場合の模式図を示している。制御端子用パッド25は省略している。コルゲートフィン10の底面にAlダイカスト製の水冷ジャケット34(水路カバー)を接触させて水路を構成している。水路全体の幅は5cmである。水冷ジャケット34をコルゲートフィン10に接触させているのは、フィン間に冷却水を効率良く流し、熱伝達率を可能な限り向上させる為である。形製される冷却水路
31,32の形状は、高さ4mm,幅2mmであり、流路の本数は、両端の2本を含めて、17本である。冷却水のシールは、水冷ジャケット34の取付けをOリング33で行って実施している。Oリング取付け用に、水冷ジャケット34に溝
36を設けている。Oリング33の線径は1.9mmφ、溝36の深さは1.4mmである。また、モジュールはモジュール取付けボルト35で取付け、締付けトルクは2.45N・m とした。このトルクは、通常のモジュール取付けトルクと同程度である。
【0018】
以上の構成のモジュール、及び、水路に、エチレングリコール50vol.%の冷却水を、流量20L/min で通流し、冷却性能、及び、圧力損失を測定した。上記冷却流路構造より、冷却水の平均流速は、2.4m/s である。
【0019】
まず、冷却性能の指標である、冷却水からIGBTチップジャンクションまでの熱抵抗,Rth(j−w)を測定した。結果、冷却水温度60℃の場合、1アーム当たり0.12K/W となった。参考のため、コルゲートフィン10を削除した場合のモジュールも製造し、Rth(j−w)を測定した。この場合の冷却水路の形状は、深さ2mm,幅4cmであり、冷却水の平均流速は3.3m/s である。
結果、同じく1アーム当たりRth(j−w)=0.16K/W であった。つまり、フィンを形製することで、冷却性能は30%程度向上することができた。また、給排水管間の圧力損失は、9kPaであり、同じく、フィン無しの場合の11kPaと比べて、こちらも改善することができた。Rth(j−w)を30%低減できたことは、半導体チップの発熱が同じ場合、温度上昇を30%低減できることを意味する。このことは、銅ベース12にフィンを付与することによる剛性増大が、窒化アルミ基板14接着はんだ層へ顕著に影響を与えなければ、大幅に寿命が増大することを意味する。本実施例の場合、フィン厚さは1mmであり、銅ベース12の剛性を顕著に増大させることはなく、大幅な寿命向上が図れる。
【0020】
(実施例2)
第二の実施例を、図4を使用して説明する。図4は、図1と同様に、断面構造模式図を示している。
【0021】
実施例1と本実施例の違いは、コルゲートフィン40の形状である。前述のように、フィンを形製する銅板の板厚は、冷却性能を低下させない範囲で薄い方が望まれる。フィンの剛性を下げて、セラミック基板下はんだ層の歪み増大を小さくするためである。本実施例では、波形に折り曲げられたコルゲートフィン40の板厚125は0.5mm と実施例1の半分としている。つまり、実施例1よりも、さらに剛性低減を図った実施例である。フィン間隔128,127は実施例1と同じ2mmである。フィン間隔127,128は圧力損失を決定する重要なパラメータであり、もちろん間隔を小さくすれば冷却性能は向上するが、圧力損失も増大してしまい、許容する事はできない。折り曲げ高さ126は3mmとした。本高さは、板厚125、つまり、フィン幅,フィン間隔127,128(ライン部を構成する銅板の折り曲げ間隔)、冷却水流量からフィン効率を計算し、概略最大となる値とした。コルゲートフィン部の幅は52mmである。
【0022】
フィン部全体を実施例1と同様に水路カバーで覆い、流路を形製し、
Rth(j−w)、圧力損失を測定した。形製された流路の本数は、コルゲートフィン40の板厚125が薄くなったために実施例1よりも増大し、21本である。冷却水温度60℃,流量20L/min の場合、平均流速は2.6m/s であり、1アーム当たりRth(j−w)は0.12K/W 、圧力損失は9.5kPa であった。フィン効率は実施例1と同程度であるためRth(j−w)は等しく、圧力損失はフィン高さが減少し、水力直径が減少したため、わずかに上昇した。
【0023】
(実施例3)
第三の実施例を、図5を使用して説明する。図5は、水路カバーを含めて、これまでと同様に、断面構造模式図を示している。
【0024】
パワー半導体モジュールにおいて、モジュールの中央部は各IGBT,FWDチップからの熱が干渉するため、より高温となる。従って、モジュールの中央部の放熱性能を高め、より発熱が干渉しない両端については、放熱性能を高める必要がない。本実施例は、この考えを実現するための実施例である。実施例1,2では、コルゲートフィンを構成する銅板の折り曲げ形状は、モジュール中で均一であった。しかしながら、本実施例では、折り曲げ高さ126をモジュール中央で高くし、両端で低くしている。本構造で、伝熱面積は、中央部で大きく、両端で小さな構造となる。
【0025】
コルゲートフィン51の板厚は0.5mm 、モジュール冷却内水路53,54を形成するフィンの折り曲げ間隔は2mmである。折り曲げ高さ126はモジュール端から中央部へ向かって、1,2,3,4,5mmと高くなっている。水冷ジャケット50もこのフィン形状に合うような階段型の形状としている。例えば、水路カバーの形状を深さ5mm一定とすると、両端の流路抵抗が小さくなるため流れが集中し、中央部に流れにくくなる。すなわち、流れの偏流等が生じ、冷却性能の低下をもたらすためである。また、冷却性能を向上させるためには、伝熱面積の増大も重要であるが、同様に熱伝達率の向上も重要である。従って、冷却水の高流速にも配慮しなければならない。本実施例では平均折り曲げ高さを実施例3と等しく、つまり3mmになるようにしている。
【0026】
冷却水温度60℃,流量20L/minの場合、平均流速は2.6m/sであり、実施例2と同じである。1アーム当たりのRth(j−w)は0.11K/W と実施例2と比べてわずかではあるが低減することができた。圧力損失は10kPaとわずかに大きくなるものの、実施例2と同等であった。
【0027】
(実施例4)
第四の実施例を、図6を使用して説明する。これまでと同様に断面構造模式図を示している。
【0028】
これまでの実施例は、コルゲートフィンを形製する銅板の折り曲げ形状は直角としていた。しかしながら、製造コストを考慮すると、直角折り曲げは回避し、折り曲げ部個々の形状は、山型に折り曲げることが望まれる。波形に折り曲げられたコルゲートフィン70の板厚125,折り曲げ高さ126は、各々0.5mm ,3mmである。高さ3mmは、前述の通り、板厚0.5mm の時の最適高さである。
折り曲げ形状は、コルゲートフィン70先端の間隔72は1mm、コルゲートフィン70の根本の間隔は3mmとした。この寸法で、一本の水路の断面積は実施例2と同じ6mm2 であり、平均流速は実施例2と同様にできた。結果、冷却水条件を、60℃,20L/min とすると、Rth(j−w)、圧力損失とも実施例2とほぼ同じ値となった。
【0029】
(実施例5)
第五の実施例を、図7を使用して説明する。これまでと同様に断面構造模式図を示している。
【0030】
自動車用インバータは、駆動用,発電用の2モータ制御に対応した、2インバータが一般的である。つまり、インバータを構成するIGBTモジュールは、駆動用,発電用の2セット必要である。本実施例は、2モータ用インバータを、実装面積縮小を考慮した場合の実施例である。IGBTモジュールを水冷する場合、空冷と異なり、冷却フィンの高さは、これまで述べて来たように、高々数mmである。従って、冷却フィンの両サイドにIGBTモジュールを実装しても、インダクタンスが顕著に増大してしまう、等問題が発生することはなく、電気的な結線は可能である。図7において、コルゲートフィン80の形状は図1に示す実施例1の場合と同一である。また、このコルゲートフィン80をPb−Sn共晶低融点はんだ81,82で銅ベース12に接着することもこれまでの実施例と同様である。本構造で、コルゲートフィン80の両面に配置されたIGBTモジュール83,84の発熱は、コルゲートフィン80片面に配置された場合と同様に高効率で冷却される。すなわち、両者のRth(j−w)は、これまでの実施例と同じ冷却水条件で1アーム当たり0.12K/W と同程度であった。しかしながら、本実施例の場合、IGBTモジュール83,84の駆動する電力が同程度の場合、発熱量は2倍となるため、冷却水温度の上昇も、片面実装の場合と比べて2倍となる。従って、IGBT最高温度の設計等には注意を払わなければならない。
【0031】
(実施例6)
第六の実施例を、図9を使用して説明する。これまでと同様に断面構造模式図を示している。
【0032】
これまでの実施例は、コルゲートフィンを形製する銅板の折り曲げ間隔は一定としていた。例えば、2mm一定である。この場合、コルゲートフィンを接着するはんだ層の形状は、幅/間隔=3/2mmで、しかも、長さ17cmであった。このような狭ピッチで長い領域のはんだ接着はむずかしい。
【0033】
本実施例は、コルゲートフィンのはんだ接着を容易にするための実施例である。図9において、コルゲートフィン100,低融点はんだ101以外は図4の場合と同一である。また、コルゲートフィン100の板厚125は0.5mm 、折り曲げ高さ126は4mmである。すなわち、フィン幅を0.5+0.5=1mmと見なし、フィン幅1mmの時の最適高さとした。フィン間隔102は冷却流路となる部分であり、これまで通り、2mmとした。一方、フィン間隔103は冷却流路とならず、冷却に寄与しない部分であり、可能な限り狭いことが望まれる。本実施例では製造し易さも考慮して、0.5mm とした。低融点はんだ101の形状は、幅55mm,長さ17cmであり、コルゲートフィン100裏面全体をはんだ接着する。つまり、はんだはフィン間隔103の領域中へも流れ込むが、何ら問題無い。
むしろ、フィンのすきまを充填するイメージであり、わずかながらも、熱伝達向上に寄与する。このように、本実施例の場合、コルゲートフィンは一枚ものの低融点はんだ101で接着可能なため、組立性が飛躍的に向上できる。冷却性能は、Rth(j−w)、圧力損失とも実施例1とほぼ同じ値となった。
【0034】
(実施例7)
これまでの実施例は、パワー半導体チップを搭載した窒化アルミ基板を銅ベースにはんだ接着した後に、コルゲートフィンを銅ベースに接着するため、基板接着はんだ層の融点は、コルゲートフィン接着はんだ層の融点よりも高い構造であった。この構造の利点は、基板接着時は銅ベースにフィンが形製されていないため、窒化アルミ基板下はんだ層の検査が可能であり、高品質なモジュールを実現可能なことであった。
【0035】
しかしながら、組立し易さ、その他の理由から、窒化アルミ基板下はんだの検査を犠牲にしても、コルゲートフィンを銅ベースにはんだ接着した後に窒化アルミ基板を接着する構造も実現可能である。図8に断面構造模式図を示す本実施例は、このことを実現した実施例である。
【0036】
低融点はんだ90,はんだ91を除いて、他のすべての構造は図1に示す構造と同一である。コルゲートフィン10を銅ベース12へ接着するはんだ層91はPb/Sn=60/40wt%のはんだであり、前述の通り、融点は240℃程度である。一方、窒化アルミ基板下低融点はんだ90はPb/Sn=40/60wt%であり、融点は190℃程度である。つまり、窒化アルミ基板接着時、コルゲートフィンを接着するはんだは溶融することなく、本構造で、コルゲートフィン10を基板よりも先に接着する構造を実現できる。
【0037】
以上説明した上記実施例において、波形に折り曲げた銅板を、窒化アルミ基板がはんだ接着されたモジュール銅ベースにはんだ接着することは、この銅板が、いわゆるコルゲートフィンの働きをする効果があり、冷却性能を大幅に増大させる効果がある。通常、銅ベースにフィンを形製することは、高い製造コストとなるが、本構造の場合、高さ数mm程度に折り曲げられた安価な銅板をはんだ接着するのみで良い為、製造コストの増大を抑制する効果がある。また、コルゲートフィンを構成する銅板の板厚は0.5mm 程度で十分であり、従来のフィンと異なり、モジュールベースの剛性を顕著に増大させないため、窒化アルミ基板下はんだ層の歪みを低減させるため、高寿命化させる効果もある。さらに、波形に折り曲げた銅板をモジュールベースに接着するはんだの融点を、窒化アルミ基板を接着するはんだの融点よりも低くすることは、フィンを形製する前に窒化アルミ基板下はんだの品質の検査を可能にする効果があり、IGBTモジュールの高品質を確立できる効果がある。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば低い製造コスト、及び、高信頼性と大幅な熱伝達向上を実現できるパワー半導体モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構造を示す断面模式図。
【図2】本発明の一実施例の平面模式図(a)、及び、断面模式図(b)。
【図3】本発明モジュールを水冷ジャケットに実装した実施例。
【図4】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図5】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図6】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図7】本発明の一実施例(両面実装の断面構造模式図)。
【図8】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図9】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【符号の説明】
10,40,51,70,80,100…コルゲートフィン、11,41,
52,71,81,82,90,101…低融点はんだ(Pb/Sn=40/
60wt%)、12…銅ベース、13,91…はんだ(Pb/Sn=60/40wt%)、14…窒化アルミ基板、15…高融点はんだ、16…IGBTチップ、17…FWDチップ、18…アルミワイヤ、19…シリコーンゲル、20…
IGBTゲートワイヤ、21…IGBTエミッタワイヤ、22…主端子ワイヤボンディングパッド、23…補助エミッタワイヤ、24…モジュール取付け穴、
25…補助エミッタワイヤボンディングパッド、26…サーミスタ、27…ゲート抵抗チップ、28…ゲート配線用銅パターン、29…コレクタ配線用銅パターン、31,32,53,54…モジュール冷却用水路、33…Oリング、34,50…水冷ジャケット、35…モジュール取付けボルト、36…Oリング用溝、60…フィン付銅ベース、61…フィン高さ、62…フィン間隔、63…フィン幅、64…フィン、72…フィン先端の折り曲げ間隔、73…フィン根本の折り曲げ間隔、83,84…IGBTモジュール、102,103,127,128…フィン間隔、120…モジュールケース、121…主配線取付けボルト用ナット、122…主端子、123…主配線取付けボルト用空隙、124…モジュール蓋、125…フィン部を構成する銅板の板厚、126…フィン部を構成する銅板の折り曲げ高さ、210…エミッタ配線用銅パターン、211…アノードワイヤ、212…銅ベース厚さ、213…フィン長手方向長さ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー半導体素子を有するパワー半導体モジュールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開2002−314037号公報に記載されている様に、ハイブリッド電気自動車用モータ等、大出力モータを制御するインバータには、IGBTモジュール等のパワー半導体モジュールが使用される。この自動車用インバータ中のIGBTモジュールの冷却は、水冷が一般的である。高発熱であるため大きな冷却能力が必要であるにもかかわらず、車載のため、インバータ体積の小さいことが要求されるためである。また、特開平11−163572号公報に記載されている様に、冷却性能を向上させるため、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設ける構造(直接水冷)も提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−314037号公報
【特許文献2】
特開平11−163572号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術で示した直接水冷用パワー半導体モジュールの構造は、冷却性能,信頼性、及び、製造コストの面で以下の問題がある。
【0005】
冷却水との接触面積、つまり、伝熱面積を増大して、熱伝達を大幅に向上させるためには、フィンの高さはある程度大きく、例えば数mm以上としなければならない。また、フィン付金属ベースの材質は銅であることが望まれる。アルミニウムの場合、銅と比べて、熱伝導率が小さいため、放熱性能が低く、さらには、線膨張係数が大きい為、セラミック基板を接着するはんだ層の歪みが大きくなり、信頼性が低下する為である。
【0006】
以上より、フィン付金属ベースは銅ベースであり、そのフィン高さも5mm程度であることが必要である。しかしながら、アルミニウムと異なり、銅の場合、押し出し加工は困難であり、圧延等の低製造コストで製造可能なフィン高さは1mm程度である。これでは、十分な冷却性能向上は実現できない。一方、冷却性能向上を優先して、フィン付銅ベースでフィン高さを数mm以上とする場合には、切削加工,鍛造等の高コストな製造方法が必要である。つまり、現状、大幅な熱伝達向上と、低い製造コストの両立は達成できていない。
【0007】
さらには、銅ベースにフィンが形製されている場合、セラミック基板を接着するはんだ層のボイド等を検査できない。セラミック基板下はんだ層の品質を確保することは、高信頼を確保するためには必須である。また、切削加工,鍛造、いずれの方法でもフィンの幅は小さくすることは困難である。切削時間が膨大になるため切削加工はコスト的に現実的でない、または、フィン強度が小さくなるため鍛造は困難な為である。すなわち、従来のフィン付銅ベースではフィンによるベースの剛性増大は避けられない。このことは、セラミック基板下はんだ層の歪み増大をもたらす。以上より、従来のフィン付銅ベースを有するパワー半導体モジュールの高信頼を確立することは困難であった。
【0008】
上記問題点を鑑みて、本発明は、パワー半導体モジュールの金属ベースにフィンを設けて低熱抵抗化を図る構造において、低い製造コスト、及び、高信頼性と大幅な熱伝達向上を実現できるパワー半導体モジュールを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明では、電流をスイッチングするパワー半導体素子と、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板と、該回路パターン付絶縁基板を接着する金属ベースを有し、該金属ベースの前記絶縁基板接着面の対向面の前記絶縁基板に対応する領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属板が接着され、該折り曲げられた金属板がフィンとなるパワー半導体モジュールにおいて、前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着するロー材として、前記パワー半導体素子と前記回路パターン付絶縁基板、及び、前記回路パターン付絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材の融点よりも低いロー材を用いるものである。
【0010】
つまり、フィンを形成する波型に折り曲げられた金属板は、例えば共晶はんだのような低融点はんだで金属ベースにはんだ接着されている。一方、回路パターン付絶縁基板は、共晶はんだよりも高い融点を有するはんだで接着されている。
この様な構造とすることで、いわゆるコルゲートフィンは、回路パターン付絶縁基板をはんだ接着後に形成することができる。つまり、コルゲートフィンをはんだ接着する際に、回路パターン付絶縁基板下のはんだ層の再溶融を避けることができる。このことは、再溶融によるはんだボイドの誘発等を避けられることを意味する。また、はんだ層を検査できる為に高信頼、かつ、製造コストも低い構造を実現できる。さらには、波型に折り曲げられた金属板の板厚は容易に薄くすることができるため、従来のフィンと異なり、剛性を容易に低減できる為、セラミック基板接着はんだ層の歪みを低減でき、高寿命化も実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を、以下図面を使用して詳細に説明する。
【0012】
(実施例1)
図1,図2,図3を使用して第一の実施例について詳細に説明する。定格電圧/電流=600V/400Aクラスの直接水冷型コルゲートフィン付銅ベースを有する3相IGBTモジュールの実施例である。
【0013】
図2(a)はモジュール内観の平面模式図であり、モジュールの主端子,制御端子,ケース等を省略し、銅ベース12,IGBTチップ16,FWDチップ
17等をはんだ接着した銅貼り窒化アルミ基板14,主端子ワイヤボンディングパッド22(主端子用電極パッド),補助エミッタワイヤボンディングパッド
25(制御端子用電極パッド)等のみを表している。図2(b)は同図(a)のAA断面模式図である。断面模式図において、窒化アルミ基板14表面の銅製回路パターン、及び、はんだ接着用の裏面銅パターン、さらに、半導体チップと窒化アルミ基板14の銅製回路パターン,窒化アルミ基板14と銅ベース12の接着はんだ層は省略している。
【0014】
窒化アルミ基板14の大きさは2.6cm×5cm で、チップサイズ11mm□の
IGBTチップ16,チップサイズ6mm×9mmのFWDチップ17各2チップが、融点300℃以上の高融点はんだ15(高温はんだ)(図1参照)で接着されている。はんだ膜厚は0.1mm 程度である。各ペレットの電圧/電流定格は600V/200Aであり、2並列接続されることにより、定格600V/400Aのモジュールとなっている。さらに、窒化アルミ基板14には、IGBTを並列駆動する場合の共振防止用ゲート抵抗チップ27,温度検出用サーミスタ26がはんだ接着されている。IGBTチップ16,FWDチップ17と窒化アルミ基板14上銅パターン(エミッタ配線用銅パターン210,ゲート配線用銅パターン28)との接続は、アルミワイヤ(IGBTエミッタワイヤ21,アノードワイヤ211,IGBTゲートワイヤ20)で行う。本ワイヤの線経は300μmφである。アルミワイヤ(IGBTエミッタワイヤ21,アノードワイヤ211)は、全本数でなく、代表的なワイヤのみを表現している。パワー半導体搭載窒化アルミ基板14と銅ベース12は、融点240℃程度のはんだ13(図1参照)で接着されている。はんだ膜厚は約0.15mm である。このはんだ層については、後で詳述する。窒化アルミ基板14と主端子ワイヤボンディングパッド22,補助エミッタワイヤボンディングパッド25との接続も同じくアルミワイヤ18,補助エミッタワイヤ23で行われる。このワイヤの線経は500μmφである。
アルミワイヤ(IGBTエミッタワイヤ21,アノードワイヤ211,IGBTゲートワイヤ20)は、半導体ペレット表面にボンディングされるため、低ダメージに配慮する必要ある。従って、300μmと比較的細いワイヤを使用している。しかし、アルミワイヤ18,補助エミッタワイヤ23はダメージに配慮する必要ないため、ボンディング本数の低減、かつ、電気抵抗低減に配慮して、太いワイヤを使用している。アルミワイヤ18は、各接続において20本としている。3相モジュールの各アームは、一枚の窒化アルミ基板14から構成され、合計6枚の窒化アルミ基板14が大きさ10cm×23cm、銅ベース厚さ212が3mmの銅ベース12にはんだ接着されている。
【0015】
図1は、図2のBB断面模式図である。本図では、図2では省略したモジュールケース120,モジュール内部を封止するシリコーンゲル19,モジュール蓋124,IGBTチップ16,FWDチップ17,接着用の高融点はんだ15,窒化アルミ基板14,接着用のはんだ13等も表現している。但し、IGBTチップ16,FWDチップ17上のアルミワイヤは省略している。主端子122をインサート成型したインサートケース120を使用している。400Aという大電流を通電するモジュールであるため、主端子122への主配線取付けはボルト締めとするため、主配線取付けボルト用ナット121(M6ナット),主配線取付けボルト用空隙123(ボルト逃げ用空隙)が設けられている。
【0016】
コルゲートフィンを形製する波形に折り曲げられたコルゲートフィン10の厚さ125は1mmで、フィン間隔127,128は2mm、折り曲げ高さ126は4mmである。これらの寸法は、冷却水を流したときの流速、及び、フィン効率を考慮し、概略最大の熱伝達を実現できる形状とした。このコルゲートフィン10は、鉛(Pb)と錫(Sn)の重量組成比(wt%)40/60%の低融点はんだ
11で銅ベース12に接着されている。このはんだの融点は190℃程度である。尚、図1及び図2(b)では、低融点はんだ11厚さは誇張して表現しているが、はんだ膜厚は0.1mm 程度である。低融点はんだ11層の厚さは、安定して接着可能な限り、薄いことが望まれる。はんだ層の熱抵抗を小さくするためである。前述の窒化アルミ基板14を接着するはんだ13はPb/Sn=60/40wt%のはんだであり、融点は前述の通り、240℃程度である。従って、コルゲートフィン10を接着する際に再溶融することはない。つまり、再溶融によるはんだボイド発生等を懸念する必要なく、信頼性的に問題無い。IGBT,FWDチップ16,17を接着するはんだの融点は前述のように、さらに高いために同じく再溶融することはない。コルゲートフィン10(フィン部を構成する銅板)の長手方向長さ213は17cmであり、概略6枚の窒化アルミ基板14下領域全域に接着されている。
【0017】
本モジュールに、水路カバーを取付けた場合の実施例を図3に示す。図2(a)のCC断面模式図にアルミダイカスト製の水冷ジャケット34(水路カバー)を取付けた場合の模式図を示している。制御端子用パッド25は省略している。コルゲートフィン10の底面にAlダイカスト製の水冷ジャケット34(水路カバー)を接触させて水路を構成している。水路全体の幅は5cmである。水冷ジャケット34をコルゲートフィン10に接触させているのは、フィン間に冷却水を効率良く流し、熱伝達率を可能な限り向上させる為である。形製される冷却水路
31,32の形状は、高さ4mm,幅2mmであり、流路の本数は、両端の2本を含めて、17本である。冷却水のシールは、水冷ジャケット34の取付けをOリング33で行って実施している。Oリング取付け用に、水冷ジャケット34に溝
36を設けている。Oリング33の線径は1.9mmφ、溝36の深さは1.4mmである。また、モジュールはモジュール取付けボルト35で取付け、締付けトルクは2.45N・m とした。このトルクは、通常のモジュール取付けトルクと同程度である。
【0018】
以上の構成のモジュール、及び、水路に、エチレングリコール50vol.%の冷却水を、流量20L/min で通流し、冷却性能、及び、圧力損失を測定した。上記冷却流路構造より、冷却水の平均流速は、2.4m/s である。
【0019】
まず、冷却性能の指標である、冷却水からIGBTチップジャンクションまでの熱抵抗,Rth(j−w)を測定した。結果、冷却水温度60℃の場合、1アーム当たり0.12K/W となった。参考のため、コルゲートフィン10を削除した場合のモジュールも製造し、Rth(j−w)を測定した。この場合の冷却水路の形状は、深さ2mm,幅4cmであり、冷却水の平均流速は3.3m/s である。
結果、同じく1アーム当たりRth(j−w)=0.16K/W であった。つまり、フィンを形製することで、冷却性能は30%程度向上することができた。また、給排水管間の圧力損失は、9kPaであり、同じく、フィン無しの場合の11kPaと比べて、こちらも改善することができた。Rth(j−w)を30%低減できたことは、半導体チップの発熱が同じ場合、温度上昇を30%低減できることを意味する。このことは、銅ベース12にフィンを付与することによる剛性増大が、窒化アルミ基板14接着はんだ層へ顕著に影響を与えなければ、大幅に寿命が増大することを意味する。本実施例の場合、フィン厚さは1mmであり、銅ベース12の剛性を顕著に増大させることはなく、大幅な寿命向上が図れる。
【0020】
(実施例2)
第二の実施例を、図4を使用して説明する。図4は、図1と同様に、断面構造模式図を示している。
【0021】
実施例1と本実施例の違いは、コルゲートフィン40の形状である。前述のように、フィンを形製する銅板の板厚は、冷却性能を低下させない範囲で薄い方が望まれる。フィンの剛性を下げて、セラミック基板下はんだ層の歪み増大を小さくするためである。本実施例では、波形に折り曲げられたコルゲートフィン40の板厚125は0.5mm と実施例1の半分としている。つまり、実施例1よりも、さらに剛性低減を図った実施例である。フィン間隔128,127は実施例1と同じ2mmである。フィン間隔127,128は圧力損失を決定する重要なパラメータであり、もちろん間隔を小さくすれば冷却性能は向上するが、圧力損失も増大してしまい、許容する事はできない。折り曲げ高さ126は3mmとした。本高さは、板厚125、つまり、フィン幅,フィン間隔127,128(ライン部を構成する銅板の折り曲げ間隔)、冷却水流量からフィン効率を計算し、概略最大となる値とした。コルゲートフィン部の幅は52mmである。
【0022】
フィン部全体を実施例1と同様に水路カバーで覆い、流路を形製し、
Rth(j−w)、圧力損失を測定した。形製された流路の本数は、コルゲートフィン40の板厚125が薄くなったために実施例1よりも増大し、21本である。冷却水温度60℃,流量20L/min の場合、平均流速は2.6m/s であり、1アーム当たりRth(j−w)は0.12K/W 、圧力損失は9.5kPa であった。フィン効率は実施例1と同程度であるためRth(j−w)は等しく、圧力損失はフィン高さが減少し、水力直径が減少したため、わずかに上昇した。
【0023】
(実施例3)
第三の実施例を、図5を使用して説明する。図5は、水路カバーを含めて、これまでと同様に、断面構造模式図を示している。
【0024】
パワー半導体モジュールにおいて、モジュールの中央部は各IGBT,FWDチップからの熱が干渉するため、より高温となる。従って、モジュールの中央部の放熱性能を高め、より発熱が干渉しない両端については、放熱性能を高める必要がない。本実施例は、この考えを実現するための実施例である。実施例1,2では、コルゲートフィンを構成する銅板の折り曲げ形状は、モジュール中で均一であった。しかしながら、本実施例では、折り曲げ高さ126をモジュール中央で高くし、両端で低くしている。本構造で、伝熱面積は、中央部で大きく、両端で小さな構造となる。
【0025】
コルゲートフィン51の板厚は0.5mm 、モジュール冷却内水路53,54を形成するフィンの折り曲げ間隔は2mmである。折り曲げ高さ126はモジュール端から中央部へ向かって、1,2,3,4,5mmと高くなっている。水冷ジャケット50もこのフィン形状に合うような階段型の形状としている。例えば、水路カバーの形状を深さ5mm一定とすると、両端の流路抵抗が小さくなるため流れが集中し、中央部に流れにくくなる。すなわち、流れの偏流等が生じ、冷却性能の低下をもたらすためである。また、冷却性能を向上させるためには、伝熱面積の増大も重要であるが、同様に熱伝達率の向上も重要である。従って、冷却水の高流速にも配慮しなければならない。本実施例では平均折り曲げ高さを実施例3と等しく、つまり3mmになるようにしている。
【0026】
冷却水温度60℃,流量20L/minの場合、平均流速は2.6m/sであり、実施例2と同じである。1アーム当たりのRth(j−w)は0.11K/W と実施例2と比べてわずかではあるが低減することができた。圧力損失は10kPaとわずかに大きくなるものの、実施例2と同等であった。
【0027】
(実施例4)
第四の実施例を、図6を使用して説明する。これまでと同様に断面構造模式図を示している。
【0028】
これまでの実施例は、コルゲートフィンを形製する銅板の折り曲げ形状は直角としていた。しかしながら、製造コストを考慮すると、直角折り曲げは回避し、折り曲げ部個々の形状は、山型に折り曲げることが望まれる。波形に折り曲げられたコルゲートフィン70の板厚125,折り曲げ高さ126は、各々0.5mm ,3mmである。高さ3mmは、前述の通り、板厚0.5mm の時の最適高さである。
折り曲げ形状は、コルゲートフィン70先端の間隔72は1mm、コルゲートフィン70の根本の間隔は3mmとした。この寸法で、一本の水路の断面積は実施例2と同じ6mm2 であり、平均流速は実施例2と同様にできた。結果、冷却水条件を、60℃,20L/min とすると、Rth(j−w)、圧力損失とも実施例2とほぼ同じ値となった。
【0029】
(実施例5)
第五の実施例を、図7を使用して説明する。これまでと同様に断面構造模式図を示している。
【0030】
自動車用インバータは、駆動用,発電用の2モータ制御に対応した、2インバータが一般的である。つまり、インバータを構成するIGBTモジュールは、駆動用,発電用の2セット必要である。本実施例は、2モータ用インバータを、実装面積縮小を考慮した場合の実施例である。IGBTモジュールを水冷する場合、空冷と異なり、冷却フィンの高さは、これまで述べて来たように、高々数mmである。従って、冷却フィンの両サイドにIGBTモジュールを実装しても、インダクタンスが顕著に増大してしまう、等問題が発生することはなく、電気的な結線は可能である。図7において、コルゲートフィン80の形状は図1に示す実施例1の場合と同一である。また、このコルゲートフィン80をPb−Sn共晶低融点はんだ81,82で銅ベース12に接着することもこれまでの実施例と同様である。本構造で、コルゲートフィン80の両面に配置されたIGBTモジュール83,84の発熱は、コルゲートフィン80片面に配置された場合と同様に高効率で冷却される。すなわち、両者のRth(j−w)は、これまでの実施例と同じ冷却水条件で1アーム当たり0.12K/W と同程度であった。しかしながら、本実施例の場合、IGBTモジュール83,84の駆動する電力が同程度の場合、発熱量は2倍となるため、冷却水温度の上昇も、片面実装の場合と比べて2倍となる。従って、IGBT最高温度の設計等には注意を払わなければならない。
【0031】
(実施例6)
第六の実施例を、図9を使用して説明する。これまでと同様に断面構造模式図を示している。
【0032】
これまでの実施例は、コルゲートフィンを形製する銅板の折り曲げ間隔は一定としていた。例えば、2mm一定である。この場合、コルゲートフィンを接着するはんだ層の形状は、幅/間隔=3/2mmで、しかも、長さ17cmであった。このような狭ピッチで長い領域のはんだ接着はむずかしい。
【0033】
本実施例は、コルゲートフィンのはんだ接着を容易にするための実施例である。図9において、コルゲートフィン100,低融点はんだ101以外は図4の場合と同一である。また、コルゲートフィン100の板厚125は0.5mm 、折り曲げ高さ126は4mmである。すなわち、フィン幅を0.5+0.5=1mmと見なし、フィン幅1mmの時の最適高さとした。フィン間隔102は冷却流路となる部分であり、これまで通り、2mmとした。一方、フィン間隔103は冷却流路とならず、冷却に寄与しない部分であり、可能な限り狭いことが望まれる。本実施例では製造し易さも考慮して、0.5mm とした。低融点はんだ101の形状は、幅55mm,長さ17cmであり、コルゲートフィン100裏面全体をはんだ接着する。つまり、はんだはフィン間隔103の領域中へも流れ込むが、何ら問題無い。
むしろ、フィンのすきまを充填するイメージであり、わずかながらも、熱伝達向上に寄与する。このように、本実施例の場合、コルゲートフィンは一枚ものの低融点はんだ101で接着可能なため、組立性が飛躍的に向上できる。冷却性能は、Rth(j−w)、圧力損失とも実施例1とほぼ同じ値となった。
【0034】
(実施例7)
これまでの実施例は、パワー半導体チップを搭載した窒化アルミ基板を銅ベースにはんだ接着した後に、コルゲートフィンを銅ベースに接着するため、基板接着はんだ層の融点は、コルゲートフィン接着はんだ層の融点よりも高い構造であった。この構造の利点は、基板接着時は銅ベースにフィンが形製されていないため、窒化アルミ基板下はんだ層の検査が可能であり、高品質なモジュールを実現可能なことであった。
【0035】
しかしながら、組立し易さ、その他の理由から、窒化アルミ基板下はんだの検査を犠牲にしても、コルゲートフィンを銅ベースにはんだ接着した後に窒化アルミ基板を接着する構造も実現可能である。図8に断面構造模式図を示す本実施例は、このことを実現した実施例である。
【0036】
低融点はんだ90,はんだ91を除いて、他のすべての構造は図1に示す構造と同一である。コルゲートフィン10を銅ベース12へ接着するはんだ層91はPb/Sn=60/40wt%のはんだであり、前述の通り、融点は240℃程度である。一方、窒化アルミ基板下低融点はんだ90はPb/Sn=40/60wt%であり、融点は190℃程度である。つまり、窒化アルミ基板接着時、コルゲートフィンを接着するはんだは溶融することなく、本構造で、コルゲートフィン10を基板よりも先に接着する構造を実現できる。
【0037】
以上説明した上記実施例において、波形に折り曲げた銅板を、窒化アルミ基板がはんだ接着されたモジュール銅ベースにはんだ接着することは、この銅板が、いわゆるコルゲートフィンの働きをする効果があり、冷却性能を大幅に増大させる効果がある。通常、銅ベースにフィンを形製することは、高い製造コストとなるが、本構造の場合、高さ数mm程度に折り曲げられた安価な銅板をはんだ接着するのみで良い為、製造コストの増大を抑制する効果がある。また、コルゲートフィンを構成する銅板の板厚は0.5mm 程度で十分であり、従来のフィンと異なり、モジュールベースの剛性を顕著に増大させないため、窒化アルミ基板下はんだ層の歪みを低減させるため、高寿命化させる効果もある。さらに、波形に折り曲げた銅板をモジュールベースに接着するはんだの融点を、窒化アルミ基板を接着するはんだの融点よりも低くすることは、フィンを形製する前に窒化アルミ基板下はんだの品質の検査を可能にする効果があり、IGBTモジュールの高品質を確立できる効果がある。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば低い製造コスト、及び、高信頼性と大幅な熱伝達向上を実現できるパワー半導体モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構造を示す断面模式図。
【図2】本発明の一実施例の平面模式図(a)、及び、断面模式図(b)。
【図3】本発明モジュールを水冷ジャケットに実装した実施例。
【図4】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図5】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図6】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図7】本発明の一実施例(両面実装の断面構造模式図)。
【図8】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【図9】本発明の一実施例の断面構造模式図。
【符号の説明】
10,40,51,70,80,100…コルゲートフィン、11,41,
52,71,81,82,90,101…低融点はんだ(Pb/Sn=40/
60wt%)、12…銅ベース、13,91…はんだ(Pb/Sn=60/40wt%)、14…窒化アルミ基板、15…高融点はんだ、16…IGBTチップ、17…FWDチップ、18…アルミワイヤ、19…シリコーンゲル、20…
IGBTゲートワイヤ、21…IGBTエミッタワイヤ、22…主端子ワイヤボンディングパッド、23…補助エミッタワイヤ、24…モジュール取付け穴、
25…補助エミッタワイヤボンディングパッド、26…サーミスタ、27…ゲート抵抗チップ、28…ゲート配線用銅パターン、29…コレクタ配線用銅パターン、31,32,53,54…モジュール冷却用水路、33…Oリング、34,50…水冷ジャケット、35…モジュール取付けボルト、36…Oリング用溝、60…フィン付銅ベース、61…フィン高さ、62…フィン間隔、63…フィン幅、64…フィン、72…フィン先端の折り曲げ間隔、73…フィン根本の折り曲げ間隔、83,84…IGBTモジュール、102,103,127,128…フィン間隔、120…モジュールケース、121…主配線取付けボルト用ナット、122…主端子、123…主配線取付けボルト用空隙、124…モジュール蓋、125…フィン部を構成する銅板の板厚、126…フィン部を構成する銅板の折り曲げ高さ、210…エミッタ配線用銅パターン、211…アノードワイヤ、212…銅ベース厚さ、213…フィン長手方向長さ。
Claims (11)
- 電流をスイッチングするパワー半導体素子と、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板と、該回路パターン付絶縁基板を接着する金属ベースを有し、該金属ベースの前記絶縁基板接着面の対向面の前記絶縁基板に対応する領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属板が接着され、該折り曲げられた金属板がフィンとなるパワー半導体モジュールにおいて、
前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着するロー材として、前記パワー半導体素子と前記回路パターン付絶縁基板、及び、前記回路パターン付絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材の融点よりも低いロー材を用いたことを特徴としたパワー半導体モジュール。 - 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記金属ベース、及び、前記フィンを構成する金属板の材質は銅であり、前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着するロー材の材質は鉛と錫を主成分とするはんだであることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記金属ベースと前記回路パターン付絶縁基板を接着する第1のはんだと、前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着する第2のはんだ中の鉛と錫の割合の大小が、前記第1のはんだと前記第2のはんだとで逆転していることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記金属ベースの表面はニッケルメッキ処理されていることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記フィンを構成する金属板の折り曲げ高さは、フィンストライプと垂直方向で、前記金属ベースの中央部で高く、両端に向かって小さくなることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記フィンを構成する金属板は、折り曲げ部の間隔が、先端に向かって狭くなることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記フィンを構成する金属板の板厚は、前記金属ベースの板厚の1/3以下であることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記フィンを構成する金属板の両側に前記金属ベースを接着し、前記フィンを構成する金属板の両面に配置されたパワー半導体チップの放熱を行うことを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 請求項1記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記フィンを構成する金属板の折り曲げ間隔は大小2種類存在し、小さい間隔の隣同士の金属板はフィンとなり、大きい間隔の領域は冷却水が通流する領域となるように前記金属ベースへ接着されることを特徴としたパワー半導体モジュール。
- 電流をスイッチングするパワー半導体素子と、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板と、該絶縁基板を接着する金属ベースを有し、該金属ベースの前記絶縁基板接着面の対向面には、前記絶縁基板下の領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属板が接着され、該金属板がフィンとなるパワー半導体モジュールにおいて、
前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着するロー材と、前記回路パターン付絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材は、同じ主成分からなることを特徴としたパワー半導体モジュール。 - 電流をスイッチングするパワー半導体素子と、該パワー半導体素子を接着する回路パターン付絶縁基板と、該絶縁基板を接着する金属ベースを有し、該金属ベースの前記絶縁基板接着面の対向面には、前記絶縁基板下の領域に、断面が凸凹になるように折り曲げられた金属板が接着され、該金属板がフィンとなるパワー半導体モジュールにおいて、
前記金属ベースと前記フィンを構成する金属板を接着するロー材の融点は、前記回路パターン付絶縁基板と前記金属ベースを接着するロー材の融点よりも高いことを特徴としたパワー半導体モジュール。
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