JP4816263B2 - ニキビ治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ニキビ治療用外用製剤に関し、特に、ニキビ、ふきでもの等の皮膚疾患に対して好適に使用されるニキビ治療用外用製剤に関するものである。
「ニキビ」とは、毛包脂腺系の異常を伴う皮膚状態を指す総称である。顔面、首、胸部、背部および肩部などに発生し、思春期に非常によく見られる皮膚状態を指す。長い間、事実上疾患ではないと考えられていたが、ニキビは外見を極めて悪くし、また多くの人々に関係する事柄である。最近になり、ニキビの発生メカニズムについてより詳しく理解されてきている。
ニキビは、2段階からなる毛包炎である。(1)ケラチン化の異常が引き起こす毛包の閉塞、および皮脂の過剰分泌という2つのメカニズムによる黒ニキビの形成。後者は遺伝的な理由によって起こるものと推測され、多くの場合アンドロゲンが主な原因である。(2)炎症性反応:丘疹、膿疱および大嚢胞の原因となる。細菌叢(Propionic-bacterium)顆粒層走化因子を産生することに関与している。これに関与する正確なメカニズムは非常に複雑で、未だに完全に解明されていない。しかし、病原性ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌)および非病原性ブドウ球菌(表皮ブドウ球菌および桿菌)がニキビの病理学の炎症段階における決定的な要因であることは明らかにされている。従って、皮膚細菌を破壊または抑制し得る有効成分の利用は、ニキビ炎症反応を抑制する上で、また症状の緩和の上で非常に効果的な方法である。
我々人間の皮膚の毛胞または毛穴は、各々が小さな毛を包んでおり、複数の耳たぶ系の嚢の形をした皮脂腺につながっている。毛髪および皮膚を滑らかにする油性の物質、皮脂を産生する。また、毛胞内の皮膚細胞は徐々に押し出され、皮膚表面には死細胞と皮脂が同時に排出される。多くの場合、皮脂腺は適切な量の皮脂を産生し、毛穴に問題は起こらない。しかしながら、ニキビの場合、過度の刺激を受けた皮脂腺から皮脂が過剰に産生される。過剰な皮脂が死細胞と混合すると、毛胞内に腺が形成される。皮脂と死細胞は、角栓を形成し、皮脂の分泌と皮膚細胞の角化は継続する。その結果、常在菌の増殖と蓄積が起きて、毛穴の周りが腫れ上がり、ニキビの発生につながる。
ニキビの病理学において最も深刻な段階は、炎症を直接引き起こす、微生物による過剰な皮膚汚染である。一般的な医療行為では、抗炎症剤である抗生物質を投与するが、治療は医師による徹底した監視を必要とする。この種の治療はさほど特異的なものではない。抗生物質は全ての細菌及び菌類(皮膚常在菌叢を含む)を殺してしまうため、皮膚における細菌の生態系を完全に破壊し、病原種の侵入を非常に容易にしてしまう。したがって、極めて魅力的な解決策として、有用な細菌叢を維持しながら、Propionibacterium acnes(桿菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Staphylococcus epidermidis(皮膚ブドウ球菌)を除去することができる有効成分が考えられる。特に尋常性ニビキには好気性菌Staphylococcus epidermidis(皮膚ブドウ球菌)及び嫌気性菌プロピオニバクテリウムアクネスPropionibacterium acnes(桿菌)が多く検出され、これらの菌、特に嫌気性菌プロピオニバクテリウム アクネスはニビキを悪化させるものであることが報告されている(非特許文献1)。 ウンデシレン酸、及びそのナトリウム塩、亜鉛塩は、水虫を引き起こす足白癬菌の成長と戦う目的で、医薬品業界で急速に利用が高まり、当時は多くの臨床研究が行われた。しかし、ウンデシレン酸は極めて強い臭いがあり、外用剤としては使いにくい欠点があった。一方、アルブチンウンデシレン酸については美白作用については知られていたが、抗アクネ作用については知られていなかった。これまでニキビの治療には、一般に使用される活性剤は、サリチル酸やレゾルシンが殺菌や角質剥離の作用を有する有効成分として化粧料に配合されている。(特許文献1及び特許文献2)また、医薬品としては、上記サリチル酸の他、ステロイド等が皮膚外用剤に配合された外用製剤が知られている。
皮膚臨床,23,〔6〕特:21,499〜505(1981) 特許第3037110号公報 特公昭62−043969号公報
上記のような従来の外用製剤を用いても、ニキビが出来て赤みや黒化してしまった患部はなかなかそのニキビ跡が消えないのが現状である。本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、ニキビ治療用外用製剤に関し、特に、ニキビ、ふきでもの等の皮膚疾患に対して好適に使用される糖及び糖質関連化合物ウンデシレン酸を配合した製剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.下記一般式(I)のウンデシレン酸エステルを有効成分として含有することを特徴とするニキビ治療剤。
Figure 0004816263
〔式中、S−(OH)q−1は糖質からそれに結合するq(q:1以上の整数)個の水酸基のうちの1つを除いた糖質残基を示す〕
2.S−(OH)q−1がアルブチンのグルコース残基であることを特徴とする1のニキビ治療剤。
3.ウンデシレン酸エステルが下記一般式(II)で示されるアルブチンウンデシレン酸であることを特徴とする1のニキビ治療剤。
Figure 0004816263
本発明により、糖及び糖質関連化合物ウンデシレン酸を配合した製剤が患部のニキビのあとを回復することができる。より詳しくは、糖及び糖質関連化合物ウンデシレン酸は皮膚常在菌の中で有用菌であるLactobacillus pentosusには影響を与えず、ニキビの原因となる菌類であるPropionibacterium acnes(桿菌)、Staphylococcus aures(黄色ブドウ球菌)、Staphylococcus epidermidis(皮膚ブドウ球菌)の生育を抑制することができる。しかも糖及び糖質関連化合物ウンデシレン酸にすることにより、ウンデシレン酸特有の臭いがなくなる。また皮膚常在菌の分泌するリパーゼにより加水分解され、糖とウンデシレン酸を生じ静菌作用が発現され、皮膚における細菌の生態系を良好に維持することができる。
以下、本発明を詳述する。
すなわち本発明は、美白作用を有してなることを特徴とするニキビ治療用外用製剤である。
本願発明のウンデシレン酸エステルは糖質又はその誘導体とウンデシレン酸をエステル結合して得られる。糖質又はその誘導体とウンデシレン酸を合成するエステル化反応は、酵素触媒存在下又は化学触媒存在下で行うことが好ましい。酵素触媒としては、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼ等、従来公知のものを使用することができる。より具体的には、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)由来のリパーゼ、シュードザイマアンタクティカ(Pseudozyma anterctica)由来のリパーゼ、バチルスサブチリス(Bacillus subtillis)由来のプロテアーゼやストレプトマイセスエスピー(Streptomyces sp.) 由来のプロテアーゼ等を挙げることができる。このうち特にシュードザイマアンタクティカ(Pseudozyma anterctica)由来のリパーゼ、バチルスサブチリス(Bacillus subtillis)由来のプロテアーゼを用いることが好ましい。
化学触媒としては、例えば、酸、アルカリ、ピリジン誘導体等の従来公知のものを使用することもできる。より具体的には、p−トルエンスルホン酸、ナトリウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド、ジメチルアミノピリジン、塩酸、硫酸、酢酸亜鉛、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ジシクロヘキシルカルバミン等を挙げることができる。上記の方法においては、酵素触媒存在下にエステル化反応させる方法が、アルブチンの6位に対する選択性に優れる点から、好適である。特にシュードザイマアンタクティカ(Pseudozyma anterctica)由来のリパーゼやバチルスサブチリス(Bacillus subtillis)由来のプロテアーゼを用いる反応が好ましい。
前記のような酵素触媒を用いて糖質及びそのウンデシレン酸エステルを製造する場合、反応温度は0〜100℃、好ましくは30〜50℃である。反応時間は、1〜340時間、好ましくは24〜170時間である。溶媒としては、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、2―ブタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトン、ジオキサン等を単独または2種類以上組み合わせて用いることができるが、酵素反応が可能な溶媒であればなんら限定されない。また、原料となるウンデシレン酸自体を溶媒として使用することも可能である。
反応溶媒中の糖質又はその誘導体の濃度は1〜40重量%、好ましくは1〜10重量%である。また、酵素の使用割合は、反応溶媒に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜1重量%である。また、糖質又はその誘導体1モルに対して、ウンデシレン酸を0.5〜10モル、好ましくは、1〜5モル程度使用するのが好ましい。
一方、化学触媒を用いて糖質又はその誘導体のウンデシレン酸エステルを製造する場合、反応温度は0〜100℃、好ましくは40〜50℃である。反応時間は、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。溶媒としては、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、2―ブタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトン、ジオキサンを単独または2種類以上組み合わせて用いることができるが、エステル反応が可能な溶媒であればなんら限定されない。
反応溶媒中の糖質又はその誘導体の濃度は1〜40重量%、好ましくは1〜10重量%である。また、化学触媒の使用割合は、反応溶媒に対して、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%である。また、糖質又はその誘導体1モルに対して、ウンデシレン酸を0.5〜10モル、特に、1〜5モル程度使用するのが好ましい。
ウンデシレン酸またはその塩、あるいはそのウンデシレン酸エステルまたはその塩は公知物質である。ウンデシレン酸の塩としては、ウンデシレン酸のナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、銅、ジエタノールアミン、アンモニウム、ジメチルアミン、トリメチルアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ステアリルジメチルアミンなどの塩が挙げられる。これらの塩は、ウンデシレン酸とアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、その他の金属酸化物ないし各種アミンを、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなど)、アセトン、2−ブタノン、THF、エーテル、アセトニトリルなどから選ばれる1種以上の溶媒中で混合することにより調製することができる。
一般式(I)において、S−(OH)q−1は、q個の水酸基が結合している糖質S−(OH)qからその1つの水酸基を除いた糖質残基を示す。糖質に結合する水酸基の数qは、特に制約されないが、通常、1以上であり、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10である。糖質S−(OH)qには単糖類、ヌクレオシド、オリゴ糖類、多糖類及びその部分加水分解物ならびにそれらの誘導体(糖アルコール、ウロン酸、ヌクレオチド、アスコルビン酸等)、アミノ糖、ヌクレオチド類、配糖体等が挙げられる。
Figure 0004816263
例えば、単糖類としてはグルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、フコース、ラムノース等のヘキソースやアラビノース、キシロース、リボース、リキソース等のペントースが例示できる。オリゴ糖類としては、スークロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、トレハロース等の二糖類、ラフィノース、マルトトリオース等の三糖類、マルトテトラオース、マルトペンタオース、サイクロデキストリン等が例示できる。多糖類およびその部分加水分解物としては、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン、マンナン、プルラン、ガードラン、キシラン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、デキストラン、ヒアルロン酸等の多糖およびそれらの部分加水分解物(例えば、デキストリン)などが挙げられる。
アミノ糖としては、グルコサミン、ガラクトサミンやノイラミン酸等のシアル酸等が、配糖体としては、アルブチン、サリシン、ポプリン等が挙げられる。ヌクレオシド類としてはアデノシン、グアノシン、ウリジン、シチジン、チミンリボシド、2’−デオキシアデノシン、2’−デオキシグアノシン、2’−デオキシウリジン、2’−デオキシシチジン、2’−デオキシチミジン等が例示できる。
ヌクレオチド類としてはアデノシン5’−リン酸、グアノシン5’−リン酸、シチジン5’−リン酸、ウリジン5’−リン酸、デオキシアデノシン5’−リン酸、デオキシグアノシン5’−リン酸、デオキシシチジン5’−リン酸、デオキシチミジン5’−リン酸、アデノシン5’−二リン酸、グアノシン5’−二リン酸、シチジン5’−二リン酸、ウリジン5’−二リン酸、デオキシアデノシン5’−二リン酸、デオキシグアノシン5’−二リン酸、デオキシシチジン5’−二リン酸、デオキシチミジン5’−二リン酸、アデノシン5’−三リン酸、グアノシン5’−三リン酸、シチジン5’−三リン酸、ウリジン5’−三リン酸、デオキシアデノシン5’−三リン酸、デオキシグアノシン5’−三リン酸、デオキシシチジン5’−三リン酸、デオキシチミジン5’−三リン酸等が例示できる。
S−(OH)q−1を与える好ましい糖質は、配糖体、単糖類や二糖類である。より好ましくはグルコース、マンノース、ガラクトース、スークロース、マルトース、トレハロース、ウリジン、チミンリボシドである。さらに、より好ましくはアルブチンである。
本発明のニキビ治療剤に最も好ましく用いられるウンデシレン酸エステルは、式(II)に示されるアルブチンウンデシレン酸である。
Figure 0004816263
上記のようにして得られる糖質又はその誘導体のウンデシレン酸エステルを有効成分として用いることによりニキビ治療用外用製剤を得ることができる。該ニキビ治療用外用製剤において、糖質又はその誘導体のウンデシレン酸エステルは、1種単独で用いてもよく、また2種以上の混合物として用いてもよい。ニキビ治療用外用製剤は、糖質又はその誘導体のウンデシレン酸エステルをそのまま用いて又は適当な担体と混合して、公知の方法に従って製剤化することにより得ることができる。本発明のニキビ治療用外用製剤は、化粧料、皮膚外用剤、医薬等に配合することができる。例えば化粧料に配合してニキビ治療を有する化粧品とすることができる。また、該ニキビ治療用外用製剤を含有させて外用剤とすることもできる。特に、皮膚外用剤として好適に用いることができる。
本発明の皮膚外用剤においては、上述の糖質又はその誘導体のウンデシレン酸エステルを1種単独で又は2種以上混合して配合することができる。外用剤は、上記ニキビ治療用外用製剤を適当な担体と混合し、公知の方法に従って製造することにより得ることができる。外用剤には、他に一般に用いられる各種成分、例えば、水性成分、粉末成分、保湿剤、界面活性剤、防腐剤、増粘剤、紫外線吸収剤及び香料等を配合することができる。外用剤の剤型としては、例えば、軟膏剤、クリーム、乳液、リニメント剤及びローション剤等を挙げることができる。
上記皮膚外用剤のクリーム組成としては、例えば、6.0% プロピレングリコール、19.0%フタル酸ジブチル 、5.0% ステアリン酸 、5.0% モノステアリン酸グリセリン 、12.0% モノステアリン酸ソルビタン 、38.0% モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン 、0.03% エデト酸ナトリウム 、5.0% アルブチンウンデシレン酸であるが、アルブチンウンデシレン酸が抗ニキビ作用を有する組成であればなんら限定されない。
上記外用剤において、糖質又はその誘導体のウンデシレン酸エステルの含有割合は、静菌作用を奏する有効量程度である。その含有割合は、外用剤全体に対し、0.1〜25%重量%程度、好ましくは、0.5〜15重量%程度、より好ましくは1.0%〜7.5%程度である。
外用剤の適用方法は、例えば、顔、首、腕、背部、肩部及び手等のニキビ、ふきでもの等のでき易い部位もしくは患部に、1日1回〜数回、適当量塗布すれば良い。
本発明のニキビ治療用外用製剤には又はその誘導体のウンデシレン酸エステルの他にさらに薬物を配合することができる。用いられる薬物としては、皮膚に適用されうるものであれば特に限定されないが、例えば抗炎症剤、消炎鎮痛剤、局所麻酔薬、抗ヒスタミン薬、酸化亜鉛のような皮脂抑制剤、血行促進剤、湿潤剤があげられる。
本発明のニキビ治療用外用製剤には、この他必要に応じて上記成分以外の油分、湿潤剤、清涼剤、粘稠剤、抗酸化剤、キレート剤、吸収促進剤、界面活性剤、防腐剤、香料、色剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することが出来る。
本発明のニキビ治療用外用製剤は、主として皮膚疾患に用いられるため、液剤、軟膏剤、クリーム剤、乳液性ローション剤、 パップ剤、テープ剤、ゲル剤、パック剤のような剤型として塗布される。
また、本発明のニキビ治療用外用製剤の基剤に関しても特に限定するものではない。
本発明のニキビ治療用外用製剤の製法については特に限定するものではないが、例えば、ホモミクサー、ディスパーミクサーのような攪拌混合機を用いて調製することができる。
次に本発明のニキビ治療用外用製剤の実施例、比較例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、これらはなんら本発明を限定するものではない。なお、以下の例において「%」は特にことわらない限り「重量%」を示し、組成の表中の数値も重量%を示す。
実施例.1 アルブチンウンデシレン酸の合成
三角フラスコにアルブチン10g、ウンデシレン酸30mlを90mlの1,4−ジオキサンに溶解し、次いで活性化したモレキュラーシーブス4Aを9g入れた後、シュードザイマアンタクティカ(Pseudozyma anterctica)由来の固定化リパーゼ(ノボザイムズ社製)2.4gを添加し、35℃、130rpmにて3日間撹拌した。なお、モレキュラーシーブス4Aの活性化は電子レンジで1分ほど加熱し、直後に、真空ポンプで減圧下室温まで放冷し、この操作を3回繰り返した。 酵素反応生成物をTLCで調べたところモノエステルのみが生成していることが分かった。酵素反応液を濾過して、酵素とモレキュラーシーブスを除去した後、反応液を減圧濃縮した。これに200ml酢酸エチルと300mlの水を加え、さらにヘキサン100mlを添加して未反応のウンデシレン酸をヘキサン層に抽出した。ヘキサンによる抽出操作を6回繰り返した後、水層をエバポレーターにて濃縮した。この濃縮液に300mLの水を添加して白色沈殿を生じさせた後、遠心分離によって上清を廃棄した。この水抽出操作を3回繰り返して未反応のアルブチン、およびDMSOを除去した。回収した白色沈殿物を減圧乾燥し、12.3gの粉体を得た。
実施例.2 アルブチンウンデシレン酸の静菌作用
試験紙調製:それぞれ50mg/mlとなるようにアルブチン、ウンデシレン酸、アルブチンウンデシレン酸をエタノールに溶解した。上記で調製した20μlの溶液を抗生物質検定用濾紙AAディスク(直径6mm、Whatman社製)に染みこませ、37℃で5時間風乾した。ネガティブコントロールとしてエタノールのみを染みこませたものも作製した。
静菌作用の確認:Staphylococcus epidermidis(JCM2414)、Staphylococcus aureus(IFO3060)のL乾燥アンプルに300μlのNB液体培地(0.5% Peptone、0.3% Beef extraxct、0.5% NaCl、pH7.0)を加え、得られた懸濁液30μlを3ml NB液体培地/18ml容試験管に加え300rpm 30℃で一晩培養した。得られた培養液0.2mlを0.6% NB top Agar(0.5% Peptone、0.3% Beef extraxct、0.5% NaCl、0.6% agar1、pH7.0)に懸濁し、NB寒天培地(0.5% Peptone、0.3% Beef extraxct、0.5% NaCl、0.6% agar、pH7.0)上に均一になるように広げ、10分間放置した。均一に広げたNB top agarの上に上記で調製した検定用濾紙をそれぞれ置き30℃で一晩培養し阻止円の有無を調べた。
Propionibacterium acnes(JCM6425)も同様に、L乾燥アンプルに300μlのGAM液体培地(0.59% GAM broth Nissui社製)を加え、得られた懸濁液30μlを3ml GAM液体培地/18ml容試験管に加え37℃で三日間培養した。得られた培養液0.2mlを0.6% GAM top Agar(0.59% GAM broth、0.6% agar)に懸濁し、GAM寒天培地(0.59% GAM broth、0.6% agar)上に均一になるように広げ、10分間放置した。均一に広げたGAM top agarの上に上記で調製した検定用濾紙をそれぞれ置き37℃で一晩培養し阻止円の有無を調べた。
Lactobacillus pentosus(JCM8339)も同様に、L乾燥アンプルに300μlのMRS液体培地(1% Casein pentone、1% Meat extract、1% Yeast extract、0.5% Glucose、0.1% Tween80、0.2% K2HPO4、0.5% Sodium acetate、0.2% Trisodium Citrate、0.02% MgSO4・7H2O、0.005% MnCl2・4H2O、pH6.5)を加え、得られた懸濁液30μlを3ml MRS液体培地/18ml容試験管に加え300rpm 37℃で一晩培養した。得られた培養液0.2mlを0.6% MRS top Agar(1% Casein pentone、1% Meat extract、1% Yeast extract、0.5% Glucose、0.1% Tween80、0.2% K2HPO4、0.5% Sodium acetate、0.2% Trisodium Citrate、0.02% MgSO4・7H2O、0.005% MnCl2・4H2O、0.6% agar、pH6.5)に懸濁し、MRS寒天培地(1% Casein pentone、1% Meat extract、1% Yeast extract、0.5% Glucose、0.1% Tween80、0.2% K2HPO4、0.5% Sodium acetate、0.2% Trisodium Citrate、0.02% MgSO4・7H2O、0.005% MnCl2・4H2O、0.6% agar、pH6.5)上に均一になるように広げ、10分間放置した。均一に広げたMRS top agarの上に上記で調製した検定用濾紙をそれぞれ置き37℃で一晩培養し阻止円の有無を調べた。
〔実験結果〕、S.epidermidis、S.aureus及びP.acnesのウンデシレン酸及びアルブチンウンデシレン酸を染みこませた試験紙の周りで阻止円を確認することができた。一方、皮膚常在菌のなかで有用菌であるLactobacillus pentosusにおいてはウンデシレン酸を染みこませた試験紙の周りでは阻止円を確認することができたが、アルブチンウンデシレン酸を染みこませた試験紙の周りには阻止円は形成されなかった。
Figure 0004816263
実施例.3 アルブチンウンデシレン酸を含むクリームの製造
以下に示す組成のクリームを常法により製造した。コントロールとして、アルブチンウンデシレン酸を含まないクリームも常法により製造した。
(組成) (重量%)
プロピレングリコール 6.0
フタル酸ジブチル 19.0
ステアリン酸 5.0
モノステアリン酸グリセリン 5.0
モノステアリン酸ソルビタン 12.0
モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン 38.0
エデト酸ナトリウム 0.03
アルブチンウンデシレン酸 5.0
精製水 全体で100となる量
実施例.4 ニキビの跡の改善効果試験
顔面にニキビ 症状を有する25〜35才の健常男子7人に対し、顔面右部に実施例又は比較例のニキビ改善剤を、顔面左部に対照品を、1日2回朝夕、2週間塗布した。その後、ニキビ症患部の改善効果を、コントロールとの比較により以下の基準で判定した。その結果を7人の平均値で示した。
3点:コントロールと比較して明らかに改善している。
2点:コントロールと比較して改善している。
1点:コントロールと比較してわずかに改善が認められる。
0点:改善 していない。
結果、2.35点となった。
本発明のニキビ治療用外用製剤は、皮膚常在菌の中で有用菌であるLactobacillus pentosusには影響を与えず、ニキビの原因となる菌類であるPropionibacterium acnes(桿菌)、Staphylococcus aures(黄色ブドウ球菌)、Staphylococcus epidermidis(皮膚ブドウ球菌)の生育を抑制することができる。しかも糖及び糖質関連化合物ウンデシレン酸にすることにより、ウンデシレン酸特有の臭いがなくなる。また皮膚常在菌の分泌するリパーゼにより加水分解され、糖とウンデシレン酸を生じ静菌作用が発現され、皮膚における細菌の生態系を良好に維持することができ、従来の製剤よりニキビの跡の改善効果に優れ、かつ使用時の違和感や刺激性がないことが確認されたことからも、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (1)

  1. 下記一般式(II)のアルブチンウンデシレン酸を有効成分として含有することを特徴とするニキビ治療剤。
    Figure 0004816263
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