JP4815922B2 - 圧電薄膜振動子およびそれを用いた駆動装置および圧電モータ - Google Patents

圧電薄膜振動子およびそれを用いた駆動装置および圧電モータ Download PDF

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Description

本発明は、薄膜形成技術を用いて形成された圧電素子を備えた圧電薄膜振動子およびそれを用いた駆動装置および圧電モータに関する。
圧電素子の圧電効果を利用した圧電薄膜振動子は、超音波モータ(圧電モータ)や圧電アクチュエータなどに用いられている。圧電薄膜振動子は、レゾネータとレゾネータ上に形成された圧電素子とを有している。圧電素子は一般に、一対の電極と電極間に狭持された圧電薄膜とを有している。圧電素子は、蒸着装置やスパッタリング装置、あるいはCVD装置などを用いた薄膜形成技術で形成することができる。
ところで、圧電薄膜振動子で生じさせる振動の振幅を大きくするには、圧電薄膜の膜厚を相対的に厚くしたり、レゾネータの厚さを相対的に薄くしたりする必要がある。しかしながら、薄膜形成技術では、室温に比してはるかに高温でレゾネータ上に圧電素子を成膜するため、室温(例えば25℃)に戻すと、圧電薄膜振動子内にはレゾネータと圧電素子との線膨張係数の差に基づく内部応力が発生する。当該振動子の振動振幅を大きくさせようとして圧電薄膜の膜厚とレゾネータの板厚の差が大きくなると、当該内部応力により圧電薄膜振動子に反り等の変形が生じてしまう。圧電薄膜振動子に反りが生じてしまうと、当該振動子で発生させたたわみ進行波による回転力を十分に伝達できなくなってしまうという問題が生じる。
特開平9−223824号公報 特開2000−332568号公報
本発明の目的は、反りのない圧電薄膜振動子およびそれを用いた駆動装置および圧電モータを提供することにある。
上記目的は、進行波を発生させる薄板状のレゾネータと、前記レゾネータ表面に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された複数の第2の電極とを備えた圧電素子と、前記圧電素子に生じる内部応力を補償する応力補償膜とを有することを特徴とする圧電薄膜振動子によって達成される。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は、前記レゾネータの反りをなくすことを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は、前記レゾネータ表面側に形成されていることを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は、前記レゾネータ裏面側に形成されていることを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は、圧縮応力を生じることを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は、引張り応力を生じることを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は窒化物で形成されていることを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって、前記応力補償膜は酸化物で形成されていることを特徴とする。
上記本発明の圧電薄膜振動子であって前記圧電薄膜はエピタキシャル膜であることを特徴とする。
また、上記目的は、上記本発明の圧電薄膜振動子と、隣り合う前記複数の第2の電極に位相が半周期ずれた交流電圧を印加する交流電源とを有することを特徴とする駆動装置によって達成される。
また、上記目的は、上記本発明の駆動装置を備えたステータと、前記圧電薄膜振動子上に配置されたロータとを有することを特徴とする圧電モータによって達成される。
本発明によれば、反りのない圧電薄膜振動子およびそれを用いた駆動装置および圧電モータが実現できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子およびそれを用いた駆動装置および圧電モータについて図1乃至図8を用いて説明する。図1は本実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態による圧電薄膜振動子6の平面図である。また、図3は図2のA−A線で切断した断面図である。図4は図2のB−B線で切断した断面を模式的に示した図である。図1乃至図3に示すように本実施の形態による圧電薄膜振動子6は、たわみ進行波を発生させる薄板状のレゾネータ4と、レゾネータ4表面に形成された下部電極(第1の電極)3と、下部電極3上に形成された圧電薄膜2と、圧電薄膜2上に形成された複数の上部電極(第2の電極)1a〜1dおよび11a〜11dとを備えた圧電素子9と、圧電素子9に生じる内部応力を補償する応力補償膜8とを有している。
圧電薄膜振動子6は薄板状に形成されて、円形状の外周を有している。圧電薄膜振動子6の中央部には中心が圧電薄膜振動子6の外周円6aの中心にほぼ一致する円形状の貫通孔5が形成されている。レゾネータ4は、例えばシリコン単結晶で形成され、厚さは数十μm〜1mm程度である。レゾネータ4表面に形成された下部電極3はエピタキシャル膜である。下部電極3上にはチタン酸ジルコン酸鉛などから構成されるエピタキシャル膜である圧電薄膜2が形成されている。
圧電薄膜2上には上部電極部1および11が形成されている。上部電極部1は同一形状の上部電極1a、1b、1c、1dを有している。同様に、上部電極部11は上部電極1a〜1dと同一形状の上部電極11a、11b、11c、11dを有している。上部電極1a、1b、1c、1dおよび上部電極11a、11b、11c、11dは圧電薄膜振動子6の外周円6a側がそれぞれ円弧状に形成された扇形の形状を有している。上部電極1a、1b、1c、1dおよび上部電極11a、11b、11c、11dはこの順に円周状に時計回りに配置されている。
上部電極1a〜1dの各隣接電極間には電極同士を絶縁するスリット17が形成されている。圧電薄膜振動子6の中心(図2中、外周円6aの中心)から半径方向に延びて上部電極1aを2等分する仮想直線と、上部電極1bを2等分する仮想直線とが成す角度θ1は、ほぼπ/5(rad)になっている。同様に上部電極1bを2等分する仮想直線と、上部電極1cを2等分する仮想直線との成す角度θ2は、ほぼπ/5になっている。また、上部電極1cを2等分する仮想直線と、上部電極1dを2等分する仮想直線との成す角度θ3もほぼπ/5になっている。
上部電極11a〜11dの各隣接電極間には、電極同士を絶縁するスリット17が形成されている。圧電薄膜振動子6の中心(図2中、外周円6aの中心)から半径方向に延びて上部電極11aを2等分する仮想直線と、上部電極11bを2等分する仮想直線とが成す角度θ5は、ほぼπ/5(rad)になっている。同様に上部電極11bを2等分する仮想直線と、上部電極11cを2等分する仮想直線との成す角度θ6は、ほぼπ/5になっている。また、上部電極11cを2等分する仮想直線と、上部電極11dを2等分する仮想直線との成す角度θ7もほぼπ/5になっている。
上部電極1dを2等分する仮想直線と、上部電極11aを2等分する仮想直線との成す角度θ4は、ほぼπ/2(rad)になっている。すなわち、角度θ4は角度θ1のほぼ2.5倍になっている。また、上部電極11dを2等分する仮想直線と、上部電極1aを2等分する仮想直線との成す角度θ8は、ほぼ3π/10(rad)になっている。すなわち、角度θ8は角度θ1のほぼ1.5倍になっている。
ところで、圧電素子9は、薄膜形成技術を用いて室温(25℃)よりはるかに高温でレゾネータ4表面に形成される。レゾネータ4と圧電素子9との線膨張係数は異なるため、高温状態で平面形状のレゾネータ4表面に圧電素子9を形成しても、室温に戻すと、圧電薄膜振動子6内にはレゾネータ4と圧電素子9との線膨張係数の差に基づく内部応力(曲げ応力)が発生する。一般に、圧電素子9の線膨張係数の方がレゾネータ4の線膨張係数よりも小さいため、圧電素子9には、全体として引張り応力が生じている。これにより、圧電薄膜振動子6には、レゾネータ4表面側が凸になり、レゾネータ4裏面側が凹になる反りが生じる。なお、線膨張係数差以外に内部応力が生じる原因としては、スパッタリング法による成膜時のガス打ち込みによる膜自身の応力(通常圧縮応力となる)や、格子定数の不一致により積層構造の界面および界面付近に生じる応力などがある。
上記の問題を解決するため、本実施の形態による圧電薄膜振動子6では、圧電素子9に生じる内部応力(引張り応力)を補償する応力補償膜8が、レゾネータ4の表面の、圧電薄膜2および上部電極1a〜1dおよび11a〜11d上のほぼ全面に形成されている。応力補償膜8には、圧電素子9に生じる内部応力と符号が反対となる圧縮応力が生じている。
応力補償膜8の膜厚を所望の膜厚とすることで、圧電素子9の内部応力が補償され、反りのない平坦な圧電薄膜振動子6を形成することができる。すなわち、応力補償膜8の膜厚を所望の膜厚とすることで、圧電薄膜振動子6全体の応力がほぼゼロになる。応力補償膜8が薄すぎる場合、十分な応力補償の効果が得られず圧電薄膜振動子6の反りはなくならない。また、応力補償膜8が厚すぎる場合、圧電薄膜振動子6には、逆にレゾネータ4表面側が凹になり、レゾネータ4裏面側が凸になる反りが生じてしまう。
応力補償膜8は、例えばSi(窒化シリコン)で形成されている。応力補償膜8の材料は、AlN(窒化アルミニウム)などの窒化物、Al(酸化アルミニウム)やSiO(二酸化珪素)などの酸化物、または金属酸化物であってもよい。その中でも特にSiやAlNなどの窒化物を応力補償膜として用いると、膜厚が薄くても十分な応力が得られ、膜厚が薄い応力補償膜8が実現できる。
応力補償膜8の所望の膜厚は、レゾネータ4の厚さや圧電薄膜2等の膜厚、および応力補償膜8の材料や成膜方法等に依存する。レゾネータ4の厚さが50μm、圧電薄膜2の膜厚が2.5μm、応力補償膜8の形成材料がSiである場合には、応力補償膜8の膜厚を例えば150nm程度にすると、反りのない圧電薄膜振動子6が実現できる。
圧電薄膜振動子6の反り量の許容範囲は、圧電薄膜振動子6の用途やレゾネータ4の外径によって変わるが、一般的に100μmより小さいことが好ましく、0〜50μmであることがより好ましい。また、レゾネータ4の外径に対して、1%以下の大きさの反り量であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
一例を挙げると、レゾネータ4の外径寸法が約1インチ(25.4mm)で、厚さが100μmの場合、応力補償膜8が形成されていない従来の圧電薄膜振動子6の反り量は約300μmとなる。反り量は、圧電薄膜振動子6の中心を水平盤に接触させ、水平盤から最も離れた圧電薄膜振動子6の点と水平盤との距離を計測して求めている。一方、本実施の形態による応力補償膜8が形成されている圧電薄膜振動子6の反り量は約30μmとなる。応力補償膜8が形成されている圧電薄膜振動子6では、反り量が大幅に減少される効果が得られる。
上部電極1dと上部電極11aとの間隙には、応力補償膜8上に電極端子55a、55b、55c、55dおよび電極端子57が形成されている。下部電極3上の圧電薄膜2を開口してコンタクトホール24が形成され、電極端子57がコンタクトホール24を介して下部電極3に電気的に接続されている。下部電極3は電極端子57を介してグランドに接続されている。
上部電極1a、1cは貫通孔5周囲近傍に形成された引き出し電極53aに電気的に接続されている。引き出し電極53aは電極端子55aに電気的に接続されている。上部電極1b、1dは外周側に形成された引き出し電極53bに電気的に接続されている。引き出し電極53bは電極端子55bに電気的に接続されている。
上部電極11a、11cは外周側に形成された引き出し電極53dに電気的に接続されている。引き出し電極53dは電極端子55dに電気的に接続されている。上部電極11b、11dは貫通孔5周囲近傍に形成された引き出し電極53cに電気的に接続されている。引き出し電極53cは電極端子55cに電気的に接続されている。
ところで、エピタキシャル成長により形成される薄膜の結晶方位は下地の結晶方位と特定の関係にある方位に揃う。下部電極3はレゾネータ4であるシリコン単結晶基板の表面の(100)面上にエピタキシャル成長により形成されている。下部電極3は<100>方向に配向している。そして、下部電極3上に圧電薄膜2がエピタキシャル成長により形成されている。圧電薄膜2は<001>方向に優先的に配向している。従って、圧電薄膜2の分極方向は圧電薄膜振動子6の基板面法線方向に揃っている(図4中、分極方向を矢の先端が下を向いている複数の矢印で模式的に示す)。圧電薄膜2の分極方向が所定の方向に揃っているため、良好な圧電特性の圧電薄膜2が得られるとともに、分極処理が不要になるので圧電素子9の製造工程が簡素になり、低コストで高歩留まりで良好な圧電特性を備えた圧電薄膜振動子6が得られる。
図4に示すように、下部電極3をグランド電位に維持して、上部電極1a、1cに正極性電圧(図4中、「+」で示す)を印加すると、上部電極1a、1cと下部電極3との間の圧電薄膜2a、2cには、図4であって矢の先端が向き合う2つの矢印で示すように圧縮力が生じる。これにより、レゾネータ4の圧電薄膜2a、2c近傍は図4の下方に凸状に反る。一方、上部電極1b、1dに負極性電圧(図4中、「−」で示す)を印加すると、上部電極1b、1dと下部電極3との間の圧電薄膜2b、2dには、図4であって矢の先端が互いに逆方向を向く2つの矢印で示すように伸張力が生じる。これにより、レゾネータ4の圧電薄膜2b、2d近傍は図4の上方に凸状に反る。
逆に、上部電極1a、1cに負極性電圧を印加すると、上部電極1a、1cと下部電極3との間に形成された圧電薄膜2a、2cに伸張力が生じる。これにより、レゾネータ4の圧電薄膜2a、2c近傍は図4の上方に凸状に反る。また、上部電極1b、1dに正極性電圧を印加すると、上部電極1b、1dと下部電極3との間に形成された圧電薄膜2b、2dには圧縮力が生じる。これにより、レゾネータ4の圧電薄膜2b、2d近傍は図4の下方に凸状に反る。
円弧状に並ぶ上部電極1a、1b、1c、1dに上述のように上部電極1a、1cと、上部電極1b、1dとに互いに逆極性の電圧を印加することにより、レゾネータ4の上部電極1a、1b、1c、1dに対応する領域には凹凸状のたわみが発生する。
上部電極1a、1cと下部電極3との間に実効値3.3Vの交流電圧V1=Asin(ωt)(V)(ここで、Aは最大振幅、ωは角振動数、tは時間)を印加し、上部電極1b、1dと下部電極3との間に交流電圧V2=Asin(ωt+π)(V)を印加すると、圧電薄膜2a、2cには伸張力と圧縮力とが周波数f1=ω/2π(Hz)で繰り返されるたわみ振動が発生する。一方、圧電薄膜2b、2dには圧電薄膜2a、2cでのたわみ振動と同じ周波数f1で位相がπ(半周期)だけずれたたわみ振動が発生する。
これらのたわみ振動はレゾネータ4全体に伝播して、周波数f1=ω/2π(Hz)で圧電薄膜振動子6の基板面法線方向に振動する定在波となる。このとき、圧電薄膜振動子6の外周円6aにおける定在波の波長は、外周円6aの長さの1/5である。
一方、上部電極11a、11cと下部電極3との間に実効値3.3Vの交流電圧V3=Asin{ωt−(π/2)}(V)を印加し、上部電極11b、11dと下部電極3との間にV4=Asin{ωt+(π/2)}(V)を印加すると、上部電極11a〜11dと下部電極3との間の圧電薄膜2には周波数f1=ω/2π(Hz)で繰り返されるたわみ振動と、当該たわみ振動と同じ周波数f1で位相がπだけずれたたわみ振動が発生する。
これらのたわみ振動はレゾネータ4全体に伝播して、周波数f1=ω/2π(Hz)で圧電薄膜振動子6の基板面法線方向に振動する定在波となる。このとき、圧電薄膜振動子6の外周円6aにおける定在波の波長は、外周円6aの長さの1/5である。
上部電極部1に印加される交流電圧で発生する定在波の位相と上部電極部11に印加される交流電圧で発生する定在波の位相とはπ/2異なっている。位相がπ/2異なる2つの定在波の干渉により圧電薄膜振動子6全体にたわみ進行波が発生する。たわみ進行波の進行方向は圧電振動子6の円周方向(図2中、外周円6aの半径方向と垂直な方向)である。本実施の形態によれば、圧電薄膜振動子6は応力補償膜8を有しているので、電圧無印加時には反りがなく平坦であり、電圧印加時に発生するたわみ進行波も平坦な面に形成される。
次に、本実施の形態による圧電薄膜振動子の製造方法について図5および図6を参照して説明する。なお、図5および図6では図3に示した圧電薄膜振動子6の断面の右半分を示している。
圧電薄膜振動子6の作製には、以下に説明する蒸着法およびスパッタリング法を用いるのが好ましい。まず、不図示の蒸着装置のホルダに、Si単結晶基板14を(100)面が露出するようにセットする(図5(a)を参照。)。ここで、基板表面14aは、鏡面仕上げのウエハを用い基板表面14aをエッチング洗浄しておくことが好ましい。具体的には、40%フッ化アンモニウム水溶液等によりエッチング洗浄する。また、清浄化されたSi単結晶基板14は極めて反応性が高いため、所定の表面処理を施して、汚染などから保護することが好ましい。
次に、Si単結晶基板14の基板表面14aに、厚さ0.01μmのZrO膜及び厚さ0.04μmのY膜を蒸着法により順次エピタキシャル成長して酸化物膜(バッファ層)を形成する(図5では不図示)。ここで、ZrO膜は、酸化ジルコニウム(ZrO)で構成されたエピタキシャル膜であり、Y膜は、酸化イットリウム(Y)で構成されたエピタキシャル膜である。より具体的には、400℃以上に加熱されたSi単結晶基板14の表面14aに、ガス供給装置によって得られる酸素雰囲気下で、Zr蒸発部からZrを供給して厚さ0.01μmのZrO膜をエピタキシャル成長させ、次いで、Y蒸発部からYを供給して、厚さ0.04μmのY膜をエピタキシャル成長させる。このようにしてエピタキシャル成長されたZrO膜の膜面は(001)面となり、Y膜の膜面は(100)面となる。
なお、基板面積が10cm以上、たとえば直径2インチの大きな単結晶基板面積に成膜する場合には、複数の吹き出し口を有するガス供給装置を用いて酸素ガスを基板付近に供給しながら、Si単結晶基板14をモータで回転させることにより、高酸素分圧を基板全面に供給することができ、大面積での均一な膜作製が可能となる。このとき、基板の回転数は、10rpm以上であることが望ましい。回転数が遅いと基板面内で膜厚の分布が生じるためである。この基板の回転数の上限は特にないが、通常は真空装置の機構上120rpm程度である。
次に、Y膜上に厚さ0.1から0.3μmの金属薄膜をエピタキシャル成長させ、下部電極(第1の電極)3を形成する(図5(b)参照)。より具体的には、酸素プラズマ環境下で、上記Yエピタキシャル膜が形成されたSi単結晶基板14の上面に、Pt蒸発部からPtを供給して、Ptで構成される厚さ0.01から0.1μmの金属薄膜を蒸着法を用いてエピタキシャル成長させ、その上にさらにスパッタリング法を用いてPtで構成される厚さ0.1から0.2μmの金属薄膜をエピタキシャル成長させ、金属薄膜を成膜する。このようにしてエピタキシャル成長されたPt金属薄膜は<100>方向に配向している。
次に、下部電極3上に、厚さ0.02μmのPLT膜及び厚さ2.5μmのPZT膜をスパッタリング法を用いて順次エピタキシャル成長して圧電薄膜2を成膜する(図5(c)参照)。ここで、PLT膜は、Laをドープしたチタン酸鉛(PLT)で構成されたエピタキシャル膜であり、PZT膜は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で構成されたエピタキシャル膜である。これらのPLT膜及びPZT膜はいずれもペロブスカイト型結晶構造を有しており、その成長方向(厚さ方向)が<001>方向の、c面単一配向エピタキシャル膜であるか、または<001>方向のドメインと<100>方向のドメインが混在するドメイン構造のエピタキシャル膜で<001>方向のドメインが優勢な膜である。こうして形成されたPZT/PLT/Pt/Y/ZrO/Si構造のエピタキシャル膜の方位関係は、一例としてPZTとPLTが共にc面単一配向の場合は、膜面に垂直な方向においてPZT<001>/PLT<001>/Pt<100>/Y2O3<100>/ZrO2<001>/Si<100>を有し、面内方向においてPZT<100>//PLT<100>//Pt<100>//Y2O3<100>//ZrO2<100>//Si<100>を有する。PZTやPLTがドメイン構造を有する場合には、PZTとPLTの<100>の一部が<001>に置き換わり、<001>の一部が<100>に置き換わった方位関係となる(//は方位の平行関係を示す)。
次に、圧電薄膜2上に厚さ0.2μmの金属薄膜41をスパッタリング法を用いて形成する(図5(d)参照)。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて金属薄膜41を所定の形状にパターニングして上部電極部1および上部電極部11を形成する(図5(e)参照。図5(e)では上部電極1cのみ図示してある。)。より具体的には、金属薄膜41上の全面にポジ型フォトレジストを塗布する。次いで、レジストをパターニングしてレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして金属薄膜41をエッチングし、上部電極部1および上部電極部11を形成する。上部電極部1および上部電極部11は円周状に配置される。
次に、圧電薄膜2および上部電極1および11上に厚さ150nmのSi膜を成膜して応力補償膜8を形成する(図6(a)参照)。応力補償膜8の形成には、スパッタリング法、またはCVD法を用いるのが好ましい。蒸着法は、応力の制御が難しいため、応力補償膜8の形成には適さない。次に、中心部をサンドブラスト法またはフォトリソグラフィ法により研削して貫通孔5を形成する。さらに、応力補償膜8形成面を表面が平坦なガラスやSiなどの基板に貼り付け、シリコン単結晶基板14の裏面をサンドブラスト法または研磨法、もしくはエッチング法により研削してシリコン単結晶基板14の厚さを50μm〜100μm、好適には50μmまで薄くしてレゾネータ4を形成する(図6(b)参照)。以上のようにして、レゾネータ4上に、下部電極3、圧電薄膜2、上部電極部1と上部電極部11、および応力補償膜8がこの順に順次積層された圧電薄膜振動子6の製造が完了する。
次に、本実施の形態による駆動装置について図7を用いて説明する。図7は本実施の形態による駆動装置の構成を示している。図7に示すように本実施の形態による駆動装置は圧電薄膜振動子6と交流電源部51とを有している。交流電源部51は交流電源51a、51b、51c、51dを有している。
交流電源51aは電極端子55aを介して上部電極1a、1cに電気的に接続されている。交流電源51bは電極端子55bを介して上部電極1b、1dに電気的に接続されている。交流電源51dは電極端子55dを介して上部電極11a、11cに電気的に接続されている。交流電源51cは電極端子55cを介して上部電極11b、11dに電気的に接続されている。
本実施の形態による駆動装置は後述する圧電モータに用いられるだけでなく、圧電薄膜振動子6上に液体または気体(たとえば空気)の流体を介して着脱式の回転式記録メディアを取り付け、流体の介在によって非接触で当該メディアを回転させる駆動力を付与することもできる。流体はたわみ進行波の進行方向と逆方向に移動し、当該メディアは流体の回転移動方向に倣って回転する。本実施の形態によれば、圧電薄膜振動子6は応力補償膜8を有しているので、反りがなく平坦である。従って、圧電薄膜振動子6と当該メディアとの距離を所望の値に保持することができる。
次に、本実施の形態による圧電モータについて図8を用いて説明する。図8は本実施の形態による圧電モータの構成を示す斜視図である。図8に示すように本実施の形態による圧電モータは本実施の形態による駆動装置(図8では圧電薄膜振動子6のみを図示してある)を備えたステータと、圧電薄膜振動子6上に配置されたロータ7とを有している。
ロータ7は薄板状に形成されて円形状の外周を有している。ロータ7の中央部にはロータ7の外周円7aと中心がほぼ一致する円形状の貫通孔15が形成されている。貫通孔5および貫通孔15を不図示の円柱形状の軸(シャフト)が貫通し、ロータ7の回転軸は圧電薄膜振動子6の中心軸にほぼ一致している(図中、一点鎖線で示している)。本実施の形態による圧電モータでは圧電薄膜振動子6の上部電極部1形成面がロータ7と対向しているが、レゾネータ4形成面がロータ7と対向してもよい。
上述のように、位相がπ/2(rad)異なる2つの定在波が干渉しあうことにより圧電薄膜振動子6全体にたわみ進行波が発生する。たわみ進行波の進行方向は圧電振動子6の円周方向(図8中、基板面内で外周円6aの半径方向に直交する方向)である。圧電薄膜振動子6とロータ7とを圧接すると、ロータ7は摩擦により圧電薄膜振動子6に発生するたわみ進行波の進行方向と反対の方向に回転する。本実施の形態によれば、圧電薄膜振動子6は応力補償膜8を有しているので、反りがなく平坦である。従って、圧電薄膜振動子6で発生させたたわみ進行波による回転力(トルク)を十分にロータ7に伝達することができる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態による圧電薄膜振動子16について図9および図10を用いて説明する。図9は本実施の形態による圧電薄膜振動子16の構成を示す平面図であり、図10は図9のA−A線で切断した断面図である。なお、本実施の形態による圧電薄膜振動子16等の説明において、第1の実施の形態と同一の機能、作用を奏する構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
圧電薄膜振動子16は、たわみ進行波を発生させる薄板状のレゾネータ4と、レゾネータ4表面に形成された下部電極(第1の電極)3と、下部電極3上に形成された圧電薄膜2と、圧電薄膜2上に形成された複数の上部電極(第2の電極)1a〜1dおよび11a〜11dとを備えた圧電素子9と、圧電素子9に生じる内部応力を補償する応力補償膜18と有している。
第1の実施の形態による圧電薄膜振動子6では応力補償膜8がレゾネータ4表面側に形成されているが、本実施の形態による圧電薄膜振動子16では、図9および図10に示すように、レゾネータ4裏面側に応力補償膜18が形成されている。応力補償膜18は、例えばAlN(窒化アルミニウム)で形成されている。応力補償膜18には、圧電素子9に生じる内部応力と符号が同じとなる引張り応力が生じている。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、応力補償膜18の膜厚を所望の膜厚とすることで、圧電素子9の内部応力が補償され、反りのない平坦な圧電薄膜振動子16を形成することができる。すなわち、応力補償膜18の膜厚を所望の膜厚とすることで、圧電薄膜振動子16全体の応力がほぼゼロになる。応力補償膜18が薄すぎる場合、十分な応力補償の効果が得られず圧電薄膜振動子16の反りはなくならない。また、応力補償膜18が厚すぎる場合、圧電薄膜振動子16には、逆にレゾネータ4表面側が凹になり、レゾネータ4裏面側が凸になる反りが生じてしまう。
応力補償膜18の材料は、AlNの他にSi(窒化シリコン)などの窒化物、Al(酸化アルミニウム)やSiO(2酸化珪素)などの酸化物、またはその他の金属酸化物、あるいは圧電薄膜2と同一の材料であるチタン酸ジルコン酸鉛であってもよい。その中でも、AlNで形成された応力補償膜18は、膜厚が薄くても十分な応力が得られ、膜厚が薄い応力補償膜18が実現できる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、スパッタリング法、またはCVD法を用いて応力補償膜8を形成したが、本発明はこれに限らず、ECR(Electron Cyclotron Resonance;電子サイクロトロン共鳴)スパッタリング装置を用いて応力補償膜8を形成することももちろん可能である。
また、上記実施の形態では、圧電素子9に引張り応力が生じ、これによりレゾネータ4表面側が凸になり、レゾネータ4裏面側が凹になる反りが生じる圧電薄膜振動子6を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、圧電素子9に圧縮応力が生じ、これによりレゾネータ4表面側が凹になり、レゾネータ4裏面側が凸になる反りが生じる圧電薄膜振動子6にももちろん適応できる。この場合にも、引張り応力を生じる応力補償膜8を用いて、応力補償膜8の膜厚を所望の膜厚とすることで、圧電素子9の内部応力が補償され、反りのない圧電薄膜振動子6を形成することができる。
また、上記実施の形態では、図11(a)に示す扇形の形状の上部電極1a〜1dおよび上部電極11a〜11dを例に挙げたが、本発明はこれに限らず、図11(b)に示す台形状の上部電極21および図11(c)に示す矩形状の上部電極31を用いた場合にももちろん適用できる。
上部電極に矩形状の上部電極31を用いる場合、上部電極31に印加される電圧によって発生する定在波の腹が矩形状の上部電極31の内部に形成されることが好ましい。より好適には、定在波の腹が矩形状の上部電極31の中心と一致することが好ましい。
さらに上記実施の形態では、上部電極部1および上部電極部11が分離して形成された圧電薄膜振動子6を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、さらに圧電薄膜2が分離して形成された圧電薄膜振動子6にももちろん適用できる。
また、上記実施の形態では円板状のレゾネータで回転するたわみ進行波を発生させているが、本発明はこれに限られない、たとえば、薄板長方形状のレゾネータの一表面にエピタキシャル成長させた下部電極および圧電薄膜を形成し、その上に直線状に離散的に並ぶ上部電極を設けてもよい。こうすることにより、直線状に進行するたわみ進行波を発生させたリニア駆動を実現できる。
さらに、上記実施の形態ではレゾネータ4がシリコン単結晶基板で形成された圧電薄膜振動子を例に説明したが、本発明はこれに限らず、Siとは異なる材料からなる単結晶基板で形成されたレゾネータ4を備えた圧電薄膜振動子にももちろん適用できる。
さらに、上記実施の形態では上部電極部1、11および下部電極3の材料としてPtが用いられた圧電薄膜振動子6を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えばAu、Ir、Pd、Rh、CuおよびAgからなる金属材料群のうち少なくとも1種類を含むものであってもいい。
さらに、上記実施の形態では圧電薄膜2としてLaをドープしたチタン酸鉛(PLT)で構成されたエピタキシャル膜上にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で構成されたエピタキシャル膜が形成された薄膜を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、PMN−PTなどに代表されるリラクサー系材料、LiNbOやKTaO、チタン酸バリウムストロンチウムや、チタン酸鉛、ZnOやAlNを主成分とするウルツァイト型圧電体材料で構成されたエピタキシャル膜であってもいい。
さらに、上記実施の形態では、上部電極1a、1cは引き出し電極53aに電気的に接続され、上部電極1b、1dは引き出し電極53bに電気的に接続され、上部電極11a、11cは引き出し電極53dに電気的に接続され、上部電極11b、11dは引き出し電極53cに電気的に接続されているが、本発明はこれに限らない。例えば、応力補償膜8上の全面に絶縁膜を形成し、上部電極部1および11のそれぞれの電極上の絶縁膜を開口してコンタクトホールを形成し、絶縁膜上に第1乃至第4の引き出し電極を形成し、上部電極1aと1cとが第1の引き出し電極に、上部電極1bと1dとが第2の引き出し電極に、上部電極11aと11cとが第3の引き出し電極に、上部電極11bと11dとが第4の引き出し電極にそれぞれコンタクトホールを介して電気的に接続されてもよい。
また、上部電極部1および11と同層に形成された引き出し電極と、絶縁膜上に形成された引き出し電極とを併用してもよい。例えば、上部電極1a、1cおよび上部電極11b、11dは上記実施の形態と同様に同層に形成された引き出し電極55a、55cに電気的に接続され、上部電極1b、1dは絶縁膜上の貫通孔5近傍に形成された第1の引き出し電極に電気的に接続され、上部電極11a、11cは絶縁膜上の貫通孔5近傍に形成された第2の引き出し電極にコンタクトホールを介して電気的に接続されてもよい。
本実施の形態では電極(下部電極3と上部電極部1および11)、および圧電体薄膜2の成膜方法として蒸着法およびスパッタリング法を例に挙げたが、成膜方法はこれらに限定されず、物理的気相成長法(蒸着法、スパッタリング法、MBE法など)、化学気相成長法(MO−CVD、プラズマCVDなど)、液相・固相成長法(ゾルゲル法など)などでも圧電薄膜振動子が作製可能であるため、これらの中から各層ごとに適宜選択して用いることができる。
本明細書において「エピタキシャル成長する」とは、対象となる膜の結晶が、直接接触している下地の膜の結晶に対して、面内および面に垂直な方向において共に特定の方位関係を持って成長していることを表す。また、「エピタキシャル膜」および「エピタキシャル成長した膜」とは、その膜が直接接触する下地の膜に対してエピタキシャル成長した膜であることを表す。
圧電体薄膜がPZTなどのように正方晶のペロブスカイト構造である場合には、(001)と(100)に配向したドメイン構造のPZT膜がしばしば得られるが、この場合でも(001)ドメインと(100)ドメインがそれぞれ下地の結晶(Ptなど)と面内および面垂直方向とも特定の方位関係を持っていればエピタキシャル膜であるといえる。これは、PZTをキュリー温度より高温の600℃で成膜する場合、成膜温度では立方晶としてエピタキシャル成長しても、成膜後の基板温度降下中にPZT膜は立方晶から正方晶へと相転移し、基板からの応力によって(001)配向ドメインと(100)配向ドメインが発生するためである。
なお、膜がエピタキシャル膜かどうかということは、その膜およびその下地膜が単結晶であるか多結晶であるかということには依存しない。また、結晶粒の大きさや、ドメインの大きさによって限定されるものではない。例えば、表面が熱酸化SiO膜で覆われたSi(100)基板上に(100)配向の多結晶のPt膜を作製し、この上にPZT多結晶膜を形成した場合、Pt膜中の結晶粒の面内方向とその上に形成されているPZT膜の結晶粒の結晶方位が、面内方向および面に垂直な方向に共に特定の方位関係を持っていれば、それぞれの結晶粒の大きさによらず、このPZT膜はエピタキシャル成長した膜であるといえる。さらに、PZT膜が(001)配向と(100)配向のドメイン構造からなっていても、各ドメインに対して下地結晶と特定の方位関係が成り立てば、エピタキシャル成長した膜であるといえる。
本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子の製造方法を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による圧電薄膜振動子の製造方法を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による駆動装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態による圧電モータの構成を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態による圧電薄膜振動子の構成を示す断面図である。 圧電薄膜振動子の上部電極の形状を示す図である。
符号の説明
1、11 上部電極部
1a、1b、1c、1d、11a、11b、11c、11d 上部電極
2、2a、2b、2c、2d、2e 圧電薄膜
3 下部電極
4 レゾネータ
5 貫通孔
6、16 圧電薄膜振動子
6a、16a 圧電薄膜振動子の外周円
7 ロータ
7a ロータの外周円
8,18 応力補償膜
9 圧電素子
14 シリコン単結晶基板
14a シリコン単結晶基板表面
17 スリット
21 台形状の上部電極
31 矩形状の上部電極
41 金属薄膜
51 交流電源部
51a、51b、51c、51d 交流電源
53a、53b、53c、53d 引き出し電極
55a、55b、55c、55d、57 電極端子

Claims (9)

  1. 進行波を発生させる薄板状のレゾネータと、
    前記レゾネータ表面に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された複数の第2の電極とを備えた圧電素子と、
    前記複数の第2電極上又は前記レゾネータ裏面のいずれか一方に形成され、前記圧電素子に生じる内部応力を補償する応力補償膜と
    を有することを特徴とする圧電薄膜振動子。
  2. 請求項1記載の圧電薄膜振動子であって、
    前記応力補償膜は、前記レゾネータの反りをなくすこと
    を特徴とする圧電薄膜振動子。
  3. 請求項1又は2に記載の圧電薄膜振動子であって、
    前記応力補償膜は、圧縮応力を生じること
    を特徴とする圧電薄膜振動子。
  4. 請求項1又は2に記載の圧電薄膜振動子であって、
    前記応力補償膜は、引張り応力を生じること
    を特徴とする圧電薄膜振動子。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧電薄膜振動子であって、
    前記応力補償膜は窒化物で形成されていること
    を特徴とする圧電薄膜振動子。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧電薄膜振動子であって、
    前記応力補償膜は酸化物で形成されていること
    を特徴とする圧電薄膜振動子。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧電薄膜振動子であって
    前記圧電薄膜はエピタキシャル膜であること
    を特徴とする圧電薄膜振動子。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧電薄膜振動子と、
    隣り合う前記複数の第2の電極に位相が半周期ずれた交流電圧を印加する交流電源と
    を有することを特徴とする駆動装置。
  9. 請求項記載の駆動装置を備えたステータと、
    前記圧電薄膜振動子上に配置されたロータと
    を有することを特徴とする圧電モータ。
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