JPH1066360A - 接合型アクチュエータ - Google Patents

接合型アクチュエータ

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JPH1066360A
JPH1066360A JP8220878A JP22087896A JPH1066360A JP H1066360 A JPH1066360 A JP H1066360A JP 8220878 A JP8220878 A JP 8220878A JP 22087896 A JP22087896 A JP 22087896A JP H1066360 A JPH1066360 A JP H1066360A
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JP
Japan
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layer
electrode layer
actuator
electrode
ceramic
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JP8220878A
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Etsuko Fujisawa
悦子 藤沢
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータを構成する層間の接着不良に
よる特性の低下をなくし、高い均質性と信頼性を付与し
た接合型アクチュエータを提供すること。 【解決手段】 基板2上に第1の電極層4と圧電/電歪
/相転移層5と、第2の電極層6とが順次積層せしめら
れてなる接合型アクチュエータにおいて、第1の電極層
4と圧電/電歪/相転移層5の間に応力緩和層3を設け
ストレスを吸収させる。この応力緩和層3は、アクチュ
エータのいずれの層間に設けてもよく、また複数設けて
もよい。また電極材料に接合相手の成分を混合し、その
組成比率を傾斜させるか、または、接合するセラミック
材料の格子定数に近い電極材料を選択し、層間の接着力
を高める。また、表面を粗面とした基板上の電極表面に
平滑化処理を施すことにより変位特性を維持しつつ層間
の接着力を高めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータに
関するものであり、例えば、インクジェットプリンタヘ
ッドに適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アクチュエータの基体内部に形成
した加圧室内の圧力を上昇させる機構の1つとして、加
圧壁に設けた圧電/電歪素子の変位によって、該加圧室
の体積を変化させるようにしたものが知られている。そ
して、そのような圧電/電歪アクチュエータは、例え
ば、インクジェットプリンタに使用されるプリントヘッ
ド等として利用されており、インクが供給され、充填さ
れた加圧室内の圧力を圧電/電歪素子の変位によって上
昇させることにより、加圧室に連通するノズル孔からイ
ンク粒子(液滴)を打ち出して、印字するようになって
いるものである。特開平3−128681号公報に開示
された「圧電/電歪膜型アクチュエータ」ではセラミッ
ク基板面上に電極膜と圧電/電歪膜とが順次層状に積層
されてなる構造を有する圧電/電歪膜型アクチュエータ
を、また特開平5−270912号公報に開示された
「圧電/電歪膜型素子」ではセラミック基板の結晶相お
よび基板表面粗さの特性を発明を構成する要件に挙げて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インクジェトプリンタ
ヘッドとして接合型アクチュエータをインクポンプとし
て用いた場合、数百μm間隔に並んだ微細で、かつ個別
駆動が可能な独立したアクチュエータを集積したマルチ
チャンネル集積化アクチュエータが要求される。その場
合、使用される接合型アクチュエータに要求される特性
は、電気−圧力変換特性が均一であることはもとより構
造的に微小な領域への接合がなされることが必須であ
る。このとき、接合面が微小なため、十分な接合強度が
確保できない上に、各アクチュエータ間のバラツキの発
生や、層の端部から接着剤のはみ出しによって生じるア
クチュエータの変形の発生等の問題を含んでいた。
【0004】これらの解決方法の1つとして、特開平6
−40035号公報に積層構成および一体焼成形成方法
によるアクチュエータが提案されている。しかし、この
ような一体焼成においては、材料の収縮や熱膨張係数差
に起因する残留歪みが圧電/電歪特性にバラツキを与え
てしまう問題がある。また、特開平5−270912号
公報に開示された圧電/電歪膜素子及び本発明者が先に
提案した相転移セラミックスアクチュエータ等に広く共
通したアクチュエータの構成である基板,電極層,セラ
ミックスアクチュエータ層,及び電極層の各層が接着剤
で貼り合わされた構成においては、前記各層間の接着不
良によってアクチュエータの特性が低下するという問題
が生じている。また、特開平5−270912号公報に
開示されたものは、セラミック基板の表面に表面粗さR
aが0.03〜0.9μmである凹凸を付けて、このセラ
ミック基板と圧電/電歪作動部(2つの電極層とそれら
電極層間に形成された膜状の圧電/電歪層から構成され
る)の接合強度(付着強度)を増加させているが、接合
強度をさらに上げるために表面粗さをこれ以上大きくす
ると、圧電/電歪作動部の平坦性が低下するために、圧
電/電歪層に作用する電界に不均一が生じ、素子特性を
低下させる。本発明は、上述の様な実情に鑑みてなされ
たもので、アクチュエータの層間の接着不良における特
性の低下をなくし、高い均質性と高い信頼性を付与した
接合型アクチュエータを提供することをその解決すべき
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
上に、第1の電極層と、圧電/電歪/相転移層からなる
セラミックスアクチュエータ層と、第2の電極層とが、
順次積層せしめられてなり、前記セラミックスアクチュ
エータ層に電界を印加して電界誘起歪を生じせしめ、前
記基板の少なくとも一部を変形させるようにした接合型
アクチュエータにおいて、前記基板と前記第1の電極層
間,該第1の電極層とセラミックスアクチュエータ層
間,該セラミックスアクチュエータ層と前記第2の電極
層間の少なくとも一つの位置に、駆動時の応力を緩和す
るための応力緩和層を設けるようにしたことを特徴と
し、層間の接着強度を高め、製造時、および駆動時の膜
剥がれや特性の低下を防ぎ、信頼性の高いアクチュエー
タを提供できるようにしたものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1記載の接合型
アクチュエータにおいて、前記第1の電極層及び/また
は前記第2の電極層を構成する電極材料は、接合相手の
成分を混合し、その組成比率を層厚方向に傾斜させるよ
うにしたことを特徴とし、製造時の熱膨張・収縮による
膜剥がれや特性の低下を防ぎ、信頼性の高いアクチュエ
ータを提供できるようにしたものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1記載の接合型
アクチュエータにおいて、前記第1の電極層及び/また
は前記第2の電極層を構成する電極材料は、前記セラミ
ックスアクチュエータ層を構成するセラミックス材料の
格子定数に近い格子定数の材料を選択するようにしたこ
とを特徴とし、セラミックスアクチュエータ層と電極層
との接着強度を高め、駆動時の膜剥がれや特性の低下を
防ぎ、信頼性の高いアクチュエータを提供できるように
したものである。
【0008】請求項4の発明は、前記基板の前記第1の
電極層側表面を粗面とした請求項1記載の接合型アクチ
ュエータにおいて、前記第1の電極層の前記セラミック
アクチュエータ層側の表面に平滑化処理が施されてなる
ことを特徴とし、基板と電極層との接着強度を高め、駆
動時の膜剥がれや特性の低下を防ぎ、信頼性の高いアク
チュエータを提供できるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による接合型アク
チュエータの実施形態を添付された図面を参照して説明
する。なお、実施形態を説明するための全図において、
同一機能を有するものには同一符号を付け、その繰り返
しの説明は省略する。図1は、本発明が適用される接合
型ユニモルフアクチュエータの一実施形態の構成を示す
図で、図中、2はセラミック基板、3は応力緩和層、4
は下部電極層、5は圧電/電歪/相転移層(セラミック
スアクチュエータ層)、6は上部電極層、4′,6′は
リード部である。図2は、本発明が適用される接合型ア
クチュエータの他の実施形態の構成を示す図で、図中、
7は第1電極層、8は第1セラミックスアクチュエータ
層、9は第2電極層、10は第2セラミックスアクチュ
エータ層、11は第3電極層、7′,9′,11′はリ
ード部である。図3は、本発明が適用される接合型アク
チュエータの他の実施形態の構成を示す図である。図4
は、本発明が適用される接合型アクチュエータの他の実
施形態を説明するための基板表面粗さと接着強度及び変
位特性の関係を表す図である。
【0010】図1に示すように、このアクチュエータ
は、セラミック基板2上に下部電極層4と応力緩和層
3,圧電/電歪/相転移層5(以後、セラミックスアク
チュエータ層と記す)と上部電極層6が順次積層されて
いる。なお、各電極層からリード部4′,6′が引き出
されており、これらを通じて、それぞれの電極層に通電
が行われるようになっている。また、図2に示すもの
は、図1に示した構成体を更に多層化させたもので、基
本的には接合型ユニモルフアクチュエータの電極/セラ
ミックアクチュエータ層/電極を繰り返し積層した構成
を有するものである。このアクチュエータは、セラミッ
ク基板2上に応力緩和層3,第1電極層7,第1セラミ
ックスアクチュエータ層8,第2電極層9,第2セラミ
ックスアクチュエータ層10,及び第3電極層11が順
次積層されている。なお、各電極からリード部7′,
9′,11′が引き出されており、これらを通じて、そ
れぞれの電極層に通電が行われるようになっている。
【0011】これらのアクチュエータは、振動板の如き
作用板となるセラミック基板2と、セラミックスアクチ
ュエータ層を含む振動部とを熱処理によって接合する
(ここで、前記の振動部は、下部電極層4+応力緩和層
3+セラミックスアクチュエータ層5+上部電極層6、
もしくは応力緩和層3+第1電極層7+第1セラミック
アクスチュエータ層8+第2電極層9+第2セラミック
スアクチュエータ層10+第3電極層11の層によって
構成される部分として表される)。また、各材料からな
る層3〜11をセラミック基板2に形成するには、周知
の膜形成技術を用い、例えば、スパッタリング,真空蒸
着,スクリーン印刷,メッキ等の膜形成技術が適宜に選
択される。
【0012】セラミック基板に用いる材料は加工性に優
れ、機械的強度とじん性が高く、熱処理が可能な絶縁体
が好ましく、一般的にはアルミナ,ジルコニアなどが挙
げられる。また、電極に用いる材料としては、熱処理温
度並びに焼成温度程度の高温酸化雰囲気に耐えられる導
体であれば、特に規制されるものではなく、例えば、金
属単体であっても合金であっても良く、また絶縁性セラ
ミックスやガラス等と金属や合金との混合物であっても
良く、更に、導電性セラミックスや超伝導材料であって
も、何等差し支えない。もっとも、好ましくは白金や白
金属元素(Pd,Rh,Ir,Ru)などの高融点貴金
属類、及びそれらの合金を主成分とする電極材料が用い
られるが、安定性の点から白金もしくはそれら合金が好
適である。
【0013】セラミックスアクチュエータ層(圧電/電
歪/相転移層)の電気−圧力変換セラミックスとしては
圧電効果を利用したジルコン酸チタン酸鉛(以後、PZ
Tと記す)を主成分とする材料,電歪効果を利用したマ
グネシアニオブ酸鉛を主成分とする材料、ニッケルニオ
ブ酸鉛を主成分とする材料、マンガンニオブ酸鉛を主成
分とする材料、アンチモンスズ酸鉛を主成分とする材
料、亜鉛ニオブ酸鉛を主成分とする材料、及びチタン酸
鉛を主成分とする材料、電界誘起強制相転移効果を利用
したスズ酸鉛を含む材料から適宜用いられ、さらにはこ
れらの複合材料を用いてもよい。また、この様な圧電/
電歪/相転移材料に周知の各種添加物として、ランタ
ン,バリウム,ニオブ,亜鉛,セリウム,クロム,コバ
ルト,ストロンチウム,イットリウム,タングステン,
ニッケル,マンガンなどの酸化物やそれらの他の化合物
を含有せしめた材料等を適宜に加えたものであっても何
等差し支えない。
【0014】次いで、図1に示した実施形態をより具体
的に説明する。部分安定化ジルコニアシート基板上に、
スクリーン印刷法にて、下部電極層4として白金電極層
を膜厚8μmで形成する。この上に応力緩和層4として
のグリーンシートを積層するが、このグリーンシートは
Pb0.99Nb0.02〔(Zr0.55Sn0.450.98Ti0.06
0.023(以後、PNZSTと記す)とポリメチルメタ
クリレイト(以後、PMMAと記す)2wt.%から調整
されるセラミックスにポリビニルブチラールをバインダ
ーとして、溶媒にトルエンを使用し、一般的な可塑剤を
添加したスラリーを原料としてドクターブレード装置や
リバースロールコーター装置等の一般的な装置を用いて
形成したものである。更に、このグリーンシートの片面
に上部電極6として白金パラジウム合金を塗布したセラ
ミックスアクチュエータ層をこの白金パラジウム合金層
が表層に出るようにして積層する。そして、この積層体
を100℃,75〜100kg/cm2の条件でプレスし、
鉛雰囲気中にて1000〜3000℃で焼結する。以上
の工程を経ることにより応力緩和層3を設けたアクチュ
エータが形成される。このようなPNZST+PMMA
からなる応力緩和層3は、上記の焼成工程を経ることに
よりPNZSTの粒子間に0.5〜5μmの気孔が生じ、
スポンジのような挙動を示すことによって電極層とセラ
ミックスアクチュエータ層間での製造時における熱膨張
・収縮によるストレス、および駆動時のストレスを緩和
し、アクチュエータを構成する各層の剥れや駆動特性の
低下というような問題をなくすことができるものであ
る。また、本実施形態では、電極層とセラミックスアク
チュエータ層間に応力緩和層を設けたが、この他にもセ
ラミック基板と電極層間に設けてもよく、また複数の応
力緩和層を設けても、何等問題はない。
【0015】次いで、電極層の組成比率を層厚方向で傾
斜させるようにした接合型アクチュエータの一実施形態
を図3を参照して説明する。基板2上には、下部電極層
4と、セラミックスアクチュエータ層5と上部電極層6
が順次積層されていて、各電極層4,6からリード部
4′,6′が引き出されており、これらを通じて、それ
ぞれの電極層に通電が行われるようになっている。基板
2は、予め焼結された酸化ジルコニウムであり、この表
面に白金インクにSiO2,ZrO2,PbOをそれぞれ
1wt.%,15wt.%,5wt.%混合した液をスクリーン
印刷にて2μmの膜厚で形成する。次にこの上にSi
2,ZrO,PbOをそれぞれ0.8wt.%,10w
t.%,8wt.%混合した白金インクを、更に同様に0.5
wt.%,8wt.%,11wt.%混合した白金インクを、最
後に0.3wt.%,5wt.%,15wt.%混合した白金イン
クを各2μm厚で印刷し、4層構成でその組成比率が段
階的に傾斜している下部電極層4を形成させる。次に、
PZTからなるグリーンシートの片面に上記電極6とし
て白金パラジウム合金を塗布したセラミックスアクチュ
エータ層5のシートを前記白金パラジウムが表層に出る
ようにして積層する。そしてこの積層体を100℃にて
75〜100kg/cm2の加圧力でプレスし、さらに鉛雰
囲気中にて1000〜1300℃で焼結する。また、本
実施形態では電極層の組成比率を段階的に傾斜させた
が、セラミックスアクチュエータ層,基板の組成比率を
同様に傾斜させても、何等問題はない。
【0016】次いで、セラミックスアクチュエータ層の
格子定数に近い格子定数の電極層の材料を選択するよう
にした接合型アクチュエータの一実施形態を説明する。
一般に、薄膜の形成過程における一種の方位成長が起こ
るとき、この現象はエピタキシーと呼ばれ、単結晶基板
で他の物質上が特定の方位をもった成長をすることであ
る。このとき基板の結晶格子定数をl1、薄膜物質の格
子定数をl2とすると、 m=(l2−l1)/l1 で表されるmがミスフィットといわれる値であり、これ
が小さいほどエピタキシーを起こしやすく、一方、基板
と薄膜の格子間にミスフィットが大きければ転位が生じ
やすいと考えられる。圧電/電歪/相転移材料として単
結晶チタン酸鉛の場合、正方晶の結晶構造ではa,b軸
の格子定数は3.899Å、c軸は4.153Åである。
単体金属の場合、白金の格子定数は3.913Å、Re
は2.760Åおよび1.158Å、Niは3.524
Å、Moは3.141Å、Taは3.291Å、Wは3.
159Åである。セラミックスアクチュエータ層の電極
との接合界面がc軸に平行もしくは垂直であっても、格
子定数は4.153Åと3.899Åにより近い白金を電
極材料として選択する。この時の電極形成は、真空蒸着
法にて行ない、エピタキシーを発生させるべく好ましく
は700℃以上の基板温度で10Å/s以下の蒸着速度
で成膜する。
【0017】次いで、基板表面を粗面として電極層との
接合強度を上げ、かつ電極層表面を平滑化して駆動安定
性を高めるようにしたアクチュエータの一実施形態を図
4を参照して説明する。平滑化させる処理法の1例とし
て、セラミック基板上にパラジウムを該セラミック基板
の表面粗さ以上、好ましくは5μm以上の厚さにスクリ
ーン印刷により成膜し、0.01Pa前後の真空槽の中
に入れ、ヒータで1500℃,5分間加熱保持する。こ
のような操作により液状化したパラジウム層表面を平滑
化させることができる。その後、十分に冷却された後、
Pb0.98La0.02〔Zr0.45Sn0.42Ti0.130.995
3(以後、PLZSTと記す)の厚さ50μmのグリー
ンシートを乗せ加熱プレスを行い、ここに銀ペーストを
塗り、1300℃で4時間焼結する。
【0018】図4は、接触式表面粗さ計(デックタッ
ク)にて1mmスキャンさせたときの基板の表面粗さRa
と、引っかき法にて測定した接合強度、及び電界誘起歪
み特性の相関を示すものである。上記の平滑化工程にお
ける電極の処理時間,処理温度および冷却速度を変化さ
せ、各種の表面粗さを有する基板に対して、表面を平滑
化させたパラジウム電極層を準備し、基板の表面粗さR
aと接着強度の関係を求めた。接着強度については、表
面粗さ0.1μmの時の接着強度を1としたときの相対強
度を示したものであり、また、変位特性は上記の基板と
平滑化した電極層を用いてアクチュエータを構成したと
きの40kV/cm印加時のセラミックスアクチュエータ
層の歪み△lを膜厚lで割ったものである。基板表面粗
さRaが0.1〜1.4μm間では、接着強度は更に向上
し、このときの変位特性は表面粗さRaが0.1μmのと
きと同様に安定した高い値を維持している。故に接着強
度が高く、駆動特性が低下することのない領域中で0.
9μm以上の表面粗さRaを有するようにすることが好
ましい。この実施形態においては、電極層表面を平滑化
する処理を行うことにより、セラミックスアクチュエー
タ層に作用する電界の不均一性を考慮することなく、基
板表面を十分な接着強度を得る0.9μm以上の表面粗さ
を確保できる。
【0019】
【発明の効果】上述した本発明により、以下の効果が得
られる。 請求項1の効果:本発明に従う構造を有する接合型ユニ
モルフアクチュエータにおいて、応力緩和層を設けるこ
とによって層間の接着強度を高め、製造時、および駆動
時のアクチュエータ構成層の剥がれや駆動特性の低下を
防ぎ信頼性の高いアクチュエータを提供することが出来
る。 請求項2の効果:電極層の組成比率を傾斜させるように
したことにより、製造時の熱膨張・収縮によるアクチュ
エータ構成層の剥がれや駆動の低下を防ぎ、信頼性の高
いアクチュエータを提供することが出来る。 請求項3の効果:請求項3において、セラミックアクチ
ュエータ層の格子定数に近い格子定数を有する電極材料
を選択することにより、セラミックアクチュエータ層と
電極層との接着強度を高め、駆動時のアクチュエータ構
成層の剥がれや駆動特性の低下を防ぎ、信頼性の高いア
クチュエータを提供することが出来る。 請求項4の効果:表面を粗面とした基板上の電極層表面
を平滑に処理することにより、基板と電極層との接着強
度を高め、かつ駆動時に膜剥がれや特性の低下を防ぎ、
信頼性の高いアクチュエータを提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される接合型ユニモルフアクチ
ュエータの一実施形態の構成を示す図である。
【図2】 本発明が適用される接合型アクチュエータの
他の実施形態の構成を示す図である。
【図3】 本発明が適用される接合型アクチュエータの
他の実施形態の構成を示す図である。
【図4】 本発明が適用される接合型アクチュエータの
他の実施形態を説明するための基板表面粗さと接着強度
及び変位特性の関係を表す図である。
【符号の説明】
2…セラミック基板、3…応力緩和層、4…下部電極
層、5…圧電/電歪相転移層(セラミックスアクチュエ
ータ層)、6…上部電極層、4′,6′…リード部、7
…第1電極層、8…第1セラミックスアクチュエータ
層、9…第2電極層、10…第2セラミックスアクチュ
エータ層、11…第3電極層、7′,9′,11′…リ
ード部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、第1の電極層と、圧電/電歪
    /相転移層からなるセラミックスアクチュエータ層と、
    第2の電極層とが、順次積層せしめられてなり、前記セ
    ラミックスアクチュエータ層に電界を印加して電界誘起
    歪を生じせしめ、前記基板の少なくとも一部を変形させ
    るようにした接合型アクチュエータにおいて、前記基板
    と前記第1の電極層間,該第1の電極層とセラミックス
    アクチュエータ層間,該セラミックスアクチュエータ層
    と前記第2の電極層間の少なくとも一つの位置に、駆動
    時の応力を緩和するための応力緩和層を設けるようにし
    たことを特徴とする接合型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接合型アクチュエータに
    おいて、前記第1の電極層及び/または前記第2の電極
    層を構成する電極材料は、接合相手の成分を混合し、そ
    の組成比率を層厚方向に傾斜させるようにしたことを特
    徴とする接合型アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の接合型アクチュエータに
    おいて、前記第1の電極層及び/または前記第2の電極
    層を構成する電極材料は、前記セラミックスアクチュエ
    ータ層を構成するセラミックス材料の格子定数に近い格
    子定数の材料を選択するようにしたことを特徴とする接
    合型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記基板の前記第1の電極層側表面を粗
    面とした請求項1記載の接合型アクチュエータにおい
    て、前記第1の電極層の前記セラミックアクチュエータ
    層側の表面に平滑化処理が施されてなることを特徴とす
    る接合型アクチュエータ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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