以下、本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。
露光装置100は、いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。この露光装置100は、マスクとしてのレチクルRを露光用照明光(以下、「露光光」と呼ぶ)ILにより照明する照明系10、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出された露光光ILを基板としてのウエハ(図1ではウエハW1)上に投射する投影光学系PL、ウエハ(図1ではウエハW1)が載置され、そのウエハを保持してステージベース17の上面に沿ってXY平面内で自在に移動可能なウエハステージWST、所定の搬送経路に沿って交換位置(ローディングポジション)に対してウエハ(図1では、ウエハW2又はW1)を搬送するロードスライダ50を含む搬送系、及び上記各部を制御する制御系等を備えている。
上記の構成各部(照明系10の一部を除く)は、図1に示されるベース14がその底壁を構成する不図示のチャンバの内部に収容されている。ベース14は、クリーンルームの床面F上にほぼ水平に設置されている。
前記照明系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含んで構成されている。この照明系10では、前述のレチクルブラインドで規定され、回路パターン等が描かれたレチクルR上でX軸方向に細長く延びるスリット状の照明領域を露光光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、露光光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、露光光ILとして、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。なお、この照明系10を構成する光源及びレチクルブラインド等は、照明系制御装置11によって、ステージ制御装置21との連係のもとで制御される。
レチクルステージRSTは、照明系10の下方に配置されている。このレチクルステージRST上には、レチクルRが例えば真空吸着又は静電吸着等により吸着保持されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動系12によりXY面内で微小駆動(Z軸回りの回転(θz方向の回転)を含む)されるとともに、所定の走査方向(ここでは、図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に所定ストロークで駆動される。レチクルステージRSTのXY平面内での位置情報は、その一部に形成された(あるいは設けられた)反射面を介してレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」と略述する)19により、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出され、その位置情報がステージ制御装置21及びこれを介して主制御装置20に供給されるようになっている。ステージ制御装置21では、主制御装置20の管理下で、レチクル干渉計19からの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動系12を介してレチクルステージRSTを制御する。
投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。この投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/4又は1/5等)を有する屈折光学系が使用されている。このため、露光光ILによってレチクルR上の照明領域が照明されると、レチクルRを通過した露光光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分倒立像)が、その表面に感光剤(レジスト)が塗布されたウエハW上の前記照明領域と共役な露光光ILの投射領域(露光領域)に形成される。
前記ステージベース17は、前記ベース14上で不図示の防振機構を介して水平に支持されている。このステージベース17の上面は、平坦度が高く設定されたウエハステージWSTのガイド面とされており、このガイド面の上方にウエハステージWSTが不図示のエアベアリング等を介して浮上支持されている。ウエハステージWSTは、そのガイド面に沿って、リニアモータ及びボイスコイルモータ(VCM)等を含むウエハステージ駆動系22(図1では図示せず、図3参照)を介して駆動される。この場合、ウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動系22によってXY平面内(Z軸回りの回転(θz方向の回転)を含む)で自在に駆動されるとともに、Z軸方向及びXY平面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向))にも微小駆動可能となっている。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置(θz回転を含む)並びに傾斜方向(X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向))の位置は、その一部に形成された(あるいは設けられた)反射面を介してウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」と略述する)18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。このウエハ干渉計18によって検出されたウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置21及びこれを介して主制御装置20に供給されている。ステージ制御装置21は、主制御装置20の管理の下、ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)に基づいて、ウエハステージ駆動系22を介してウエハステージWSTの位置(又は速度)を制御する。
本実施形態では、ウエハステージWSTは、図1中に実線で示される投影光学系PL直下の位置と図1中に2点鎖線(仮想線)で示される交換位置LP(ローディングポジション)との間で少なくとも移動可能となっている。
ウエハステージWSTの中央部には、図1に示されるように、点線で示される第1のセンターテーブルCT1が設けられている。このセンターテーブルCT1は、センターテーブル駆動機構24(図1では不図示、図3参照)により上下方向(Z軸方向)及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に駆動可能となっている。また、センターテーブルCT1には、その先端にウエハWを真空吸着あるいは静電吸着する円板状の吸着部が設けられている。このセンターテーブルCT1は、ステージ制御装置21によって制御される。
投影光学系PLの−Y側の側面には、オフアクシス方式のアライメント検出系ASが設けられている。このアライメント系ASとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標(アライメント系AS内に設けられた指標板上の指標パターン)の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。なお、アライメント系ASとしては、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数の回折光、あるいは同方向に回折する回折光)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。このアライメント系ASの撮像結果は、ステージ制御装置21へ出力されている。
前記搬送系は、図1及び図2に示されるロードスライダ50、アンロードスライダ51及びアンロードロボット62、並びに図3に示されるロードロボット64等を備えている。
前記ロードスライダ50及び前記アンロードスライダ51は、図2に示されるように、X軸方向に延びるアーム部とY軸方向に延びる一対の指部を有する平面視F字状の形状を有している。
ロードスライダ50のアーム部の+X側の端部は、ベース14の+X側端部近傍の上方(図2における紙面手前側である+Z側)にY軸方向を長手方向として配置されたYガイド60に形成されたY軸方向の第1のガイド溝(不図示)に係合し、ロードスライダ駆動機構66(図2では不図示、図3参照)を介してその第1のガイド溝に沿ってY軸方向に駆動されるようになっている。
前記アンロードスライダ51のアーム部の+X側の端部は、Yガイド60の第1のガイド溝の下方に形成された第2のガイド溝に係合し、アンロードスライダ駆動機構(図2では不図示、図3参照)68を介してその第2のガイド溝に沿ってY軸方向に駆動されるようになっている。この場合、ロードスライダ50とアンロードスライダ51とは、それぞれの移動範囲の全域でお互いに干渉することがないようになっている。
前記ロードスライダ50は、ロードスライダ駆動機構66により、Yガイド60の−Y側端部近傍の受け渡し位置とローディングポジション(前述のローディングポジションにあるウエハステージWSTの上方の位置でセンターテーブルCT1にウエハを受け可能な位置で例えば図9(D)などに示される位置)との間で往復駆動可能となっている。
前記アンロードスライダ51は、図2に示される位置より所定距離−Y側の位置とアンロードポジション(上述のロードスライダ50のローディングポジションの真下の位置)との間で、少なくとも往復駆動可能となっている。
前記アンロードロボット62は、図2に示される位置にあるアンロードスライダ51からウエハを受けとり、そのウエハを前述の受け渡し部の近傍に設けられた不図示の受け渡し部に搬送する。
ステージベース17の−Y側に所定距離隔てた位置でアンロードロボット62の配置位置の近傍の位置であり、かつベース14上面のロードスライダ50によるウエハの搬送経路の途中の位置には、図2及び図1に示されるように、クールプレート52が設置されている。このクールプレート52は、ウエハステージWSTと同様に、その中央部近傍に、図1中に点線で示されるセンターテーブルCT2が設けられている。このセンターテーブルCT2は、センターテーブル駆動機構70(図1では不図示、図3参照)により少なくとも上下方向(Z軸方向)に駆動可能となっている。
また、クールプレート52の内部には、不図示の冷媒供給装置により所望の温度の冷媒(例えば、HFE等)が供給され、この冷媒とクールプレート52上に載置されたウエハとの間で熱交換が行なわれることで、所定時間(例えば7〜10秒間)以上の熱交換によりそのウエハが所望の温度、例えば約22℃に温度調整(冷却)されるようなっている。
ロードスライダ50及びアンロードスライダ51それぞれの一対の指部の上面には、ウエハ吸着するための吸着機構(不図示)がそれぞれ設けられ、一対の指部によりウエハの中心の+X側と−X側とをそれぞれ吸着保持した状態で、ウエハを安定保持して搬送できるようになっている。一対の指部の間隔は、クールプレート52及びウエハステージWSTのセンターテーブルCT1,CT2の円板状の吸着保持面の直径よりも大きくなるように、ロードスライダ50及びアンロードスライダ51の形状が予め定められている。勿論、指部の間隔を調整可能に構成しても良い。
上述したアンロードロボット62、ロードロボット64、ロードスライダ駆動機構66、アンロードスライダ駆動機構68及びセンターアップ駆動機構70は、主制御装置20の管理下にあるステージ制御装置21(図3参照)によって制御される。
ロードスライダ50の前記ローディングポジションの上方には、プリアライメント装置42が設けられている。このプリアライメント装置42は、ウエハの中心位置及び回転量を算出すべく、ウエハのノッチを含む少なくとも3箇所のエッジ位置を検出するために、ロードスライダ50上に保持されたウエハの外縁の一部を+Z側から撮像する。図2では、プリアライメント装置42によって撮像対象となるウエハの3つのエッジを含む領域が、それぞれ領域E1〜E3として示されている。すなわち、ウエハの中心に対して、−Y方向を6時方向とし、+X方向を3時方向とすると、6時(領域E2)、7時半(領域E1)、4時半(領域E3)の方向のウエハのエッジを含む領域が撮像対象の領域となる。なお、図2ではウエハWのノッチが6時方向であることを前提に撮像対象の領域E1〜E3を定めているが、ウエハWのノッチが3時方向である場合には、3時、4時半、1時半の3つの領域が撮像されるようになる。
プリアライメント装置42からの撮像信号は、不図示の信号処理装置を介してステージ制御装置21に供給されている。
図3には、露光装置100の制御系の主要部の構成がブロック図にて示されている。この制御系は、いわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含む主制御装置20と、この主制御装置20の配下にある照明系制御装置11及びステージ制御装置21等を含んで構成されている。主制御装置20には、外部記憶装置としてメモリ23が接続されている。
次に、上述のようにして構成された露光装置100で、1ロット(1ロットは、例えば25枚又は50枚)のウエハに対する露光処理を行う際におけるウエハの搬送制御動作を、主制御装置20内部のCPUの処理アルゴリズムを示す図4〜図8のフローチャートに基づいて、かつ適宜他の図面を参照しつつ説明する。前提として、後述するロット内のウエハの順番を示すカウンタのカウント値nは、1に初期化されているものとする。
まず、図4のステップ102において、第1モードが設定されているか否かをRAM内の所定の領域のデータを確認することで判断する。ここで、第1モードとは、第2のタイミング、すなわちクールプレート52からローディングポジションまでロードアーム50によりウエハを搬送する搬送動作の開始のタイミングを、プロセスプログラムファイルと呼ばれる露光条件の設定ファイルに基づいて決定するモードを意味する。本実施形態では、この第1モードと、後述する第2モードとの設定が可能であり、これらのモードの設定の入力は、オペレータにより不図示の入力装置を介して行われるようになっている。
そして、このステップ102における判断が肯定された場合には、ステップ104に進み、ステージ制御装置21に対して第n枚目(ここでは、第1枚目)のウエハのクールプレート52への搬入(ロード)を指示する。
次に、ステップ106において、前述のカウンタのカウント値nが2以上であるか否かを判断する。この場合、カウント値nは1であるから、ここでの判断は否定され、ステップ108の1枚目のウエハのロード処理を行うサブルーチンに移行する。
このサブルーチンでは、まず、図5のステップ132において、ロット内の第1枚目(ロット先頭)のウエハがクールプレート52へ搬入されるのを待つ。
このステップ132における待ち状態と並行して、上記ステップ104における指示を受けたステージ制御装置21では、以下のようにして、ロット先頭のウエハをクールプレート52へ搬入する。なお、実際には、ロードロボット64、ロードスライダ50、アンロードスライダ51、クールプレート52、ウエハステージWST、センターテーブルCT1,CT2などによるウエハの保持、受け渡し動作などの際には、各部によるバキュームのON・OFFなどがその都度行われるが、以下では、説明の複雑化を防止するため、各部によるバキュームのON・OFFについてはその説明を省略するものとする。
すなわち、ステージ制御装置21では、まず、ロードロボット64に対して、ウエハの搬入を指示する。この指示を受けたロードロボット64は、不図示のFOUP(フロント・オープニング・ユニファイド・ポット)と呼ばれる開閉型のウエハコンテナ(密閉型のウエハカセット)からウエハを取り出し、Yガイド60の−Y側端部近傍の上方の受け渡し位置に待機しているロードスライダ50に受け渡す。
次に、ステージ制御装置21は、ロードスライダ駆動機構66を介してウエハを保持しているロードスライダ50を+Y方向に駆動し、クールプレート52上方へ搬送する。図9(A)には、このようにしてロット先頭のウエハ(W1)が、クールプレート52上方へ搬送された状態が示されている。このとき、図9(A)に示されるように、アンロードスライダ51は、待機位置にあり、ウエハステージWSTは、ローディングポジション(交換位置)で待機しているものとする。
次に、ステージ制御装置21は、ロードスライダ52からクールプレート52へのウエハ(W1)の受け渡しを行なう。すなわち、ステージ制御装置21は、図9(A)に示されるように、ウエハ(W1)を吸着保持したロードスライダ50がクールプレート52の上方に静止した状態で、センターテーブル駆動機構70を介してセンターテーブルCT2を所定量上昇駆動する。
この上昇途中に、センターテーブルCT2がウエハ(W1)に下方から接触し、さらにセンターテーブルCT2が上昇することで、ウエハ(W1)がセンターテーブルCT2により下方から持ち上げられ、ロードスライダ50から離間する。図9(B)には、この直後の状態が示されている。
次いで、ステージ制御装置21では、ロードスライダ駆動機構66を介してロードスライダ50を図9(B)に示されるように−Y方向に駆動して、センターテーブルCT2の上方から退避させるとともに、その退避後センターテーブル駆動機構70を介してセンターテーブルCT2を下降駆動する。これにより、センターテーブルCT2に保持されたウエハ(W1)が、クールプレート52上面に載置される。
図9(C)には、このようにして、ウエハ(W1)がクールプレート52上にロードされた直後の状態が示されている。
上述のようにして、ウエハ(W1)がクールプレート52上にロードされ、その処理の終了をステージ制御装置21が主制御装置20に通知する。これにより、上記ステップ132の判断が肯定され、次のステップ134に進んで所定時間経過するのを待つ。ここで、この所定時間は、クールプレート52上に載置されたウエハと冷媒との間で行われる熱交換によりそのウエハが所望の温度、例えば約22℃に温度調整(冷却)されるのに必要時間であって、予め定められた時間(例えば7〜10秒間)である。なお、この時間の経過は、不図示のタイマーを用いて計測される。
そして、その所定時間を経過すると、ステップ136に進んでウエハステージWST上へのウエハのロードを、ステージ制御装置21に指示する。
次のステップ138で不図示のタイマーによる計時を開始し、次のステップ140に進んでロードアーム50がローディングポジションに到達するのを待つ。
上述したようにロードアーム50がローディングポジションに到達するのを待っている間に、上記ステップ136における指示を受けたステージ制御装置21では、次のようにしてウエハステージWST上へのウエハのロード動作を開始する。
まず、ステージ制御装置21では、ロードスライダ駆動機構66及びセンターテーブル駆動機構70を、それぞれ介して前述と逆の順序でほぼ逆の動きになるように、すなわち、センターテーブルCT2の上昇、ロードスライダ50の+Y方向への移動、センターテーブルCT2の下降の順序で、ロードスライダ50及びセンターテーブルCT2を駆動する。これにより、ウエハ(W1)がクールプレート52からロードスライダ50に受け渡される。そこで、これに引き続いて、ウエハ(W1)を保持したロードスライダ50を+Y方向へ駆動し、図9(D)に示されるように、待機位置で待機しているアンロードスライダ51を通り越して、ローディングポジションにあるウエハステージWSTの上方の受け渡し位置(ロードスライダ50のローディングポジション)へ位置させる。
上記のロードスライダ50の移動と並行して、ステージ制御装置21がセンターテーブル駆動機構24を介してセンターテーブルCT1を、図9(D)に示されるように、上昇駆動している。
これにより、ローディングポジションにあるウエハステージWST上にウエハ(W1)のロードが可能な状態となり、その旨が、ステージ制御装置21から主制御装置20に通知される。この通知により、上記ステップ140の待ち状態が解除され、ステップ142に進んで、タイマーによる計時をストップする。このとき、タイマーによって、図11(A)に示される、クールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロード動作の開始時点t1からローディングポジションにウエハが搬送され、ロードが可能となる時点t2までの時間(クールプレート52からローディングポジションまでのロードスライダの移動に要する時間)Taが計測され、メモリ23に記憶される。
その後、ステップ144に進んで、ウエハ(W1)のウエハステージWST上へのロードが完了するのを待つ。
上記ステップ144の待ち状態と並行して、ステージ制御装置21により、ウエハのロード動作が継続して行われている。すなわち、前述の如くローディングポジションにあるウエハステージWSTの上方の受け渡し位置へウエハ(W1)を保持したロードスライダ50が移動した後、ステージ制御装置21は、プリアライメント装置42を用いてロードスライダ50に保持されたウエハ(W1)の第1段(前段)のプリアライメント(外周縁の3箇所の撮像等)を行う。プリアライメント装置42の計測結果は、ステージ制御装置21に供給される。
この前段のプリアライメントは、センターテーブルCT1がさらに上昇するのと並行して行われる。ステージ制御装置21では、そのプリアライメントの結果に基づいて、例えばウエハステージWSTをXY面内で微小駆動することでロードスライダ50に保持されたウエハ(W1)の中心位置ずれを補正する。
上記のプリアライメント及び中心位置ずれ補正は、図10(A)に示されるように、センターテーブルCT1がウエハ(W1)に下方から当接するまでの間に終了する。そして、この時点で、ステージ制御装置21は、センターテーブルCT1を一旦停止し、プリアライメント装置42による、センターテーブルCT1に保持されたウエハ(W1)の第2段(後段)のプリアライメントを行う。ステージ制御装置21は、その後段のプリアライメントの結果に基づいて、センターテーブルCT1に保持されたウエハ(W1)の回転ずれを補正すべく、センターテーブルCT1をθz方向に回転駆動する。また、ステージ制御装置21は、後段のプリアライメントの結果として得られる、中心位置ずれを、オフセットとして内部メモリに記憶する。
次いで、ステージ制御装置21は、図10(B)に示されるように、センターテーブルCT1をさらに上昇駆動することで、ウエハ(W1)がセンターテーブルCT1によって持ち上げられる。次いで、ステージ制御装置21は、図10(C)に示されるように、ロードスライダ50をYガイド60の−Y側端部に向けて駆動する。そして、ロードスライダ50がウエハステージWST上から退避した後、ステージ制御装置21が、センターテーブルCT2を下降駆動することで、図10(D)に示されるように、ウエハ(W1)がウエハステージWST上にロードされる。
このようにしてウエハ(W1)のロードが完了すると、その旨がステージ制御装置21から主制御装置20に通知される。この通知により、前述のステップ144における待ち状態が解除され、ステップ108のサブルーチンの処理を終了して、図4のステップ110にリターンする。
ステップ110では、ステージ制御装置21に対して、プロセスプログラムファイル(以下、「P.P.」とも記述する)に従った露光処理シーケンスの開始を指示した後、ステップ118に移行する。上記の露光処理シーケンスの開始の指示に基づき、ステージ制御装置21及び照明系制御装置11等により、1ロットのウエハに対する一連の露光処理シーケンスが開始される。
ステップ118では、前述のカウンタのカウント値nが、N(Nは1ロットのウエハの総数)であるか否かを判断するが、ここではnは1であるから、ここでの判断は否定され、ステップ120に進んでカウント値nを1インクリメントした後、ステップ104に戻る。
このステップ104では、ステージ制御装置21に対して第n枚目(ここでは、第2枚目)のウエハのクールプレート52への搬入(ロード)を指示する。これにより、ステージ制御装置21により、前述の第1枚目と同様の第2枚目のウエハのクールプレートへの搬入動作が開始されることとなる。
次のステップ106では、カウント値nが2以上であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは2であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ112に移行する。このステップ112では、カウント値nが2であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは2であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ114の2枚目のウエハのロード処理のサブルーチンに移行する。
このサブルーチンでは、まず、図6のステップ152において、その時点でウエハステージWST上に保持されている1枚目のウエハ(W1)の露光が開始されるのを待つ。この露光の開始に先立って、ウエハ(W1)に対するサーチアライメント、ファインアライメントその他の準備作業が、主としてステージ制御装置21によって、通常のスキャニング・ステッパと同様に行われる。このような準備作業が行われるのと並行して、前述と同様にして第2枚目のウエハがクールプレート52上に搬入される。
すなわち、ステージ制御装置21の指示に応じ、ロードロボット64が、不図示のFOUPからウエハを取り出し、Yガイド60の−Y側端部近傍の上方に待機しているロードスライダ50に受け渡す。ステージ制御装置21の指示に応じ、ロードスライダ駆動機構66がロードスライダ50を駆動しウエハをクールプレート52上方へ搬送する。図12(A)には、このようにして2枚目のウエハ(W2)が、クールプレート52上方へ搬送された状態が示されている。このとき、図12(A)に示されるように、アンロードスライダ51は、待機位置にあるが、ウエハステージWSTは、ウエハ(W1)に対する前述の準備作業等のため投影光学系PLの下方にあるので、ローディングポジション(交換位置)には当然存在しない。
次に、ステージ制御装置21により、センターテーブルCT2が所定量上昇駆動され、これにより、センターテーブルCT2がウエハ(W2)に下方から接触し、さらにセンターテーブルCT2が上昇することで、ウエハ(W2)がセンターテーブルCT2により下方から持ち上げられ、ロードスライダ50から離間する。図12(B)には、この直後の状態が示されている。
次いで、ステージ制御装置21により、図12(B)に示されるように、ロードスライダ50が−Y方向に駆動され、センターテーブルCT2の上方から退避され、その退避後センターテーブルが下降駆動される。これにより、図12(C)に示されるように、センターテーブルCT2に保持されたウエハ(W2)が、クールプレート52上にロードされる。
このようにして、ウエハ(W2)がクールプレート52上に搬入された後、ウエハステージWST上に保持されているウエハ(W1)に対する露光が開始され、前述のステップ152における待ち状態が解除され、ステップ154に進んでタイマーによる計時を開始する。
次のステップ156では、P.P.から求まる、ウエハ(W1)の露光終了後にウエハステージWSTが前述のローディングポジション(交換位置)に移動し、ウエハ交換が可能になるタイミング(第1のタイミング)と、先に第1枚目のウエハ(W1)のウエハステージWSTへのロードの際に得られた前述の時間Taとに基づいて求まる第2のタイミングになるのを待つ。
ここで、このステップ156における判断処理について、図11(A)〜同図(C)等を参照しつつ、更に説明する。P.P.の設定情報に基づいて、図11(B)に示される露光開始時点t0から露光終了時点t3までの時間Texが求められる。また、ウエハステージWSTの最高速度、最高加速度と、P.P.から求まる露光終了位置とローディングポジション(L.P.)との距離により、露光終了位置からローディングポジションにウエハステージWSTが移動するのに要する時間、すなわち図11(B)に示される時点t3から時点t4までの時間Tmが求められる。また、ウエハステージWSTがローディングポジションに到達後に行われる、アンロードスライダ51の待機位置からウエハステージWST上のアンロードポジションまでの移動時間、すなわち図11(B)に示される時点t4から時点t5までの時間Tsは既知である。従って、結果的にP.P.の設定情報に基づいて露光終了位置からウエハステージWSTがローディングポジションに移動してウエハ交換が可能となるまでに要する時間Tb=Tm+Tsを知ることができる。
また、P.P.の設定情報に基づいて算出した露光終了時点t3と、上記時間Tbとに基づいて、上記第1のタイミング、すなわちローディングポジションにあるウエハステージWST上のウエハをアンロードスライダ51がアンロードする直前の時点であって、ロードスライダ50によるウエハステージWST上へのウエハのロードが可能になる時点t5を知ることができる。また、このとき、クールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロード動作の開始時点からローディングポジションにウエハが搬送されるまでの時間、すなわち前述の時間Taは既知である(図11(a)参照)。
従って、図11(c)に示されるように、第1のタイミングt5を時間Ta、Tbの終了時点とすることで、時間Taと時間Tbとの差ΔT=Ta−Tbに基づき、露光終了時点t3のΔT前の時点t6=t3−ΔTを、クールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロード動作を開始すべき第2のタイミングとして逆算する。この第2のタイミングでクールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロード動作を開始すれば、ローディングポジションでのウエハ交換が可能となるとほぼ同時にロードスライダ50のローディングポジションへの移動を終了させることが、計算上可能となる。
この場合において、第2のタイミングになったかどうかの判断は、露光開始時点t0からの経過時間を例えばタイマーを用いて計時し、この計時時間が時間(Tex−ΔT)となった時点で、第2のタイミングになったと判断することができる。あるいは、P.P.の設定情報に基づいて、第2のタイミングに対応するウエハステージWSTのウエハステージ座標系上の座標値を予め求め、ウエハ干渉計18の計測値がその座標値になったときに第2のタイミングになったと判断することもできる。あるいは、その座標値に対応するウエハ上のショット領域の番号を予め求め、そのショット領域の露光が開始された時点で、第2のタイミングになったと判断することもできる。すなわち、このようにしてウエハの露光の進行状況を監視することで、第2のタイミングになったと判断することとすることもできる。
いずれにしても、第2のタイミングになったと判断した場合には、ステップ156の待ち状態が解除され、ステップ158に進んでクールプレート上のウエハ(W2)のウエハステージWST上へのロードを、ステージ制御装置21に指示した後、ステップ160に進んで、ウエハ(W2)の露光終了後、上記第1のタイミングになる、すなわちロードスライダ50によるウエハステージWST上へのウエハのロードが可能になるのを待つ。
このステップ160の待ち状態と並行して、上記ステップ158の指示を受けたステージ制御装置21によって、クールプレート52上のウエハ(W2)のウエハステージWST上へのロードが行われる。
すなわち、図12(C)の状態で、ステージ制御装置21により、センターテーブルCT2上昇、ロードスライダ50の+Y方向への移動、センターテーブルCT2の下降の順序で、ロードスライダ50及びセンターテーブルCT2が駆動される。これにより、ウエハ(W2)がクールプレート52からロードスライダ50に受け渡される。
そこで、これに引き続いて、ウエハ(W2)を保持したロードスライダ50をローディングポジションに移動すべく、+Y方向へ駆動する。
図12(D)には、このロードスライダ50のローディングポジションへ向けての移動が開始された直後の状態が示されており、このとき、ウエハ(W1)に対する露光が終了したウエハステージWSTがローディングポジションに向かって−Y方向へ移動している。なお、実際には、ウエハステージWSTは、仮想線(二点差線)で示されるローディングポジションからずっと離れた位置にあるが、図12(D)では、図示の都合からローディングポジションの近傍に位置した状態が示されている。
図12(D)の状態から所定時間経過すると、ウエハステージWSTがローディングポジションに到達する。ウエハステージWSTがローディングポジションへ到達すると、ステージ制御装置21により、センターテーブルCT1が所定量上昇駆動され、ウエハ(W1)のアンロードが可能な状態となる。このセンターテーブルCT1の上昇動作が完了するのと前後して、図13(A)に示されるように、ステージ制御装置21により待機位置で待機しているアンロードスライダ51がセンターテーブルCT1に保持されているが露光済みのウエハ(W1)の下方の位置に挿入される。
次いで、ステージ制御装置21により、センターテーブルCT1が下降駆動され、露光済みのウエハ(W1)がセンターテーブルCT1からアンロードスライダ51に渡されるのとほぼ同時(直前又は直後)に、図13(B)に示されるように、ウエハ(W2)を保持したロードスライダ50がアンロードスライダ51のほぼ真上のローディングポジションに到達する。
上記のセンターテーブルCT1からアンロードスライダ51へのウエハの受け渡しの終了(又はそれに先立つセンターテーブルCT1の上昇動作が完了)が、ステージ制御装置21から主制御装置20に通知されると、上記ステップ160の待ち状態が解除され、ステップ162に進んで、タイマーによる計時をストップした後、ステップ164に進む。このとき、タイマーによってウエハ(W1)の露光開始からその露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達し、ウエハのロードが可能なるまでの時間Tcが計測され、メモリ23に記憶される。
ステップ164では、計測した時間Tcとこれに対応するP.P.に設定された情報から求まる時間、すなわち前述の(Tex+Tb)との差ΔT’を算出し、使用中のP.P.と対応づけてメモリ23に記憶した後、ステップ166に進んでウエハ(W2)のロードが完了するのを待つ。なお、差ΔT’は、後述するステップ174で第2のタイミングを補正するのに用いられる。
ステップ166の待ち状態と並行して、ステージ制御装置21により、ウエハ(W1)のアンロード動作が継続されており、図13(C)に示されるように、アンロードスライダ51が待機位置よりやや−Y側の位置へ向けて駆動されることで、露光済みのウエハ(W1)のウエハステージWSTからのアンロードが終了する。このウエハ(W1)のアンロード動作と並行して、ステージ制御装置21により、プリアライメント装置42を用いてロードスライダ50に保持されたウエハ(W2)の前段のプリアライメントが終了し、そのプリアライメントの結果に基づいて、ロードスライダ50に保持されたウエハ(W2)の中心位置ずれが補正される。
このようにしてウエハ(W2)のプリアライメント及び位置ずれ補正が行われている間に、露光済みのウエハ(W1)は、アンロードロボット62によってアンロードスライダ51から受け取られ、不図示の受け渡し部に受け渡され、ロードロボット64によって、FOUP内に戻される。
上記の前段のプリアライメント及び位置ずれ補正中、ステージ制御装置21により、図13(D)のように、センターテーブルCT1は上昇駆動されており、これにより、ウエハ(W1)がロードスライダ50からセンターテーブルCT1に受け渡される。その直後にセンターテーブルCT1が停止し、後段のプリアライメントが行われる。この後段のプリアライメントの後、その結果に基づいて、センターテーブルCT1に保持されたウエハ(W2)の回転ずれを補正すべく、センターテーブルCT1がθz方向に回転駆動されるとともに、中心位置ずれの計測結果が、オフセットとして内部メモリに記憶される。
その後、ステージ制御装置21によりセンターテーブルCT1がさらに上昇駆動されることで、ウエハ(W1)がセンターテーブルCT1により下方から持ち上げられ、ロードスライダ50から離間する。
次いで、図14(A)に示されるように、ステージ制御装置21により、ロードスライダ50が−Y側端部に向けて駆動される。そして、ロードスライダ50がウエハステージWST上から退避した後、ステージ制御装置21が、センターテーブルCT2を下降駆動することで、ウエハ(W2)がウエハステージWST上にロードされる(図14(B)参照)。
このようにしてウエハ(W2)のロードが完了すると、その旨がステージ制御装置21から主制御装置20に通知される。この通知により、前述のステップ166における待ち状態が解除され、ステップ114のサブルーチンの処理を終了して、図4のステップ118にリターンする。
ステップ118では、前述のカウンタのカウント値nが、Nであるか否かを判断するが、ここではnは2であるから、ここでの判断は否定され、ステップ120に進んでカウント値nを1インクリメントした後、ステップ104に戻る。
このステップ104では、ステージ制御装置21に対して第n枚目(ここでは、第3枚目)のウエハのクールプレート52への搬入(ロード)を指示する。これにより、ステージ制御装置21により、前述と同様の第3枚目のウエハのクールプレートへの搬入動作が開始されることとなる。
次のステップ106では、カウント値nが2以上であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは3であるから、ここでの判断は否定され、ステップ112に移行する。このステップ112では、カウント値nが2であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは3であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ116の第n枚目(n≧3)のウエハのロード処理のサブルーチンに移行する。
このサブルーチンでは、まず、図7のステップ172において、その時点でウエハステージWST上にある(n−1)枚目(ここでは第2枚目)のウエハ(W2)の露光が開始されるのを待つ。この露光の開始に先立って、そのウエハ(W2)に対するサーチアライメント、ファインアライメントその他の準備作業が、主としてステージ制御装置21によって、通常のスキャニング・ステッパと同様に行われる。このような準備作業が行われるのと並行して、前述と同様にして第n枚目(ここでは第3枚目)のウエハが前述と同様にしてクールプレート52上に搬入される。
そして、第n枚目(ここでは第3枚目)のウエハがクールプレート52上に搬入された後、ウエハステージWST上に保持されている第(n−1)枚目(ここでは、第2枚目)のウエハ(W2)に対する露光が開始され、前述のステップ172における待ち状態が解除され、ステップ174に進む。
ステップ174では、前述のステップ156と同様にして算出した第2のタイミングを、前述のステップ164で算出した差ΔT’だけ補正した、補正後の第2のタイミングになるのを待つ。この場合も、前述と同様に、露光開始からの経過時間、ウエハ干渉計18の計測値、あるいは特定のショット領域の露光が開始されたか否かに、基づいて、補正後の第2のタイミングになったと判断する。
ここで、第n枚目のウエハのロードに際して、P.P.の設定情報から求まる第2のタイミングを、差ΔT’だけ補正するのは、次の理由による。
差ΔT’は、第1枚目のウエハについて得られた実測値、すなわち露光開始から露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達し、ウエハのロードが可能になるまでの実際の時間Tcと、これに対応する計算値(P.P.の設定情報に基づいて算出される値)、すなわち(Tex+Tb)との差であるから、実際の時間の計算値からのずれに相当する。この場合、この計算値(Tex+Tb)に基づいて算出された第1のタイミングを基準として(図11(C)参照)逆算された計算上の第2のタイミングもそのずれ(ΔT’)分だけずれている。従って、これを補正することで、その補正後の第2のタイミングにクールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロードのための動作が開始されるようにすることで、ウエハステージWSTに対してウエハのロードの可能となる時点とほぼ同時にローディングポジションへのロードスライダ50の移動を完了させることが可能になるからである。これにより、クールプレート52上からのウエハの搬出を可能な限り遅らせ、かつ極力無駄時間がない状態でのウエハ交換(ウエハステージWST上へのウエハのロード)が可能となる。
上記ステップ174において、補正後の第2のタイミングになったと判断した場合には、ステップ174の待ち状態が解除され、ステップ176に進んでクールプレート上の第n枚目(ここでは、第3枚目)のウエハのウエハステージWST上へのロードを、ステージ制御装置21に指示した後、ステップ178に進んで第n枚目(ここでは、第3枚目)ウエハのロードが完了するのを待つ。
このステップ178の待ち状態と並行して、上記ステップ176の指示を受けたステージ制御装置21によって、前述のウエハ(W2)のロードのときと同様の手順で、クールプレート52上の第n枚目(ここでは、第3枚目)のウエハを搬出してウエハステージWST上へロードするまでの一連の処理が行われる。
この一連の処理の過程で、ウエハステージWSTがローディングポジションに到達し、(n−1)枚目のウエハがアンロードされる直前の時点で、n枚目のウエハを保持したロードスライダ50のローディングポジションへの移動が丁度終了するようになっている。これは、上述の如く、補正後の第2のタイミングになった時点で、クールプレート52からウエハステージへのウエハの搬入のための一連の処理を開始しているからである。
そして、第n枚目(ここでは、第3枚目)のウエハのロードが完了すると、その旨がステージ制御装置21から主制御装置20に通知され、この通知により、前述のステップ178における待ち状態が解除され、ステップ116のサブルーチンの処理を終了して、図4のステップ118にリターンする。
ステップ118では、カウント値nが、Nであるか否かが判断され、ここではnは3であるから、ここでの判断は否定は否定され、ステップ120に進んでカウント値nを1インクリメントした後、ステップ104に戻り、以降、ステップ118における判断が肯定されるまで、ステップ104→106→112→116→118→120のループの処理が繰り返し行われる。これにより、ロット内の第4枚目〜第N枚目のウエハのロードのための一連の動作が繰り返し行われることとなる。
この一方、前述のステップ102における判断が否定された場合、すなわち第2モードが設定されている場合には、ステップ122の第2モードの処理を行うサブルーチンに移行する。ここで、第2モードとは、クールプレート52からローディングポジションまでロードアーム50によりウエハを搬送する搬送動作の開始のタイミングを、ロット内の第3枚目以降のウエハについて、ロット先頭のウエハの処理に際して計測された実測値に基づいて決定するモードを意味する。
このステップ122のサブルーチンでは、まず、図8のステップ182において、ステージ制御装置21に対して第n枚目(ここでは、第1枚目)のウエハのクールプレート52への搬入(ロード)を指示する。
次に、ステップ184において、前述のカウンタのカウント値nが2以上であるか否かを判断する。この場合、カウント値nは1であるから、ここでの判断は否定され、ステップ186の1枚目のウエハのロード処理を行うサブルーチンに移行する。
このステップ186のサブルーチンでは、前述の第1モード時のステップ108と同様の処理を行う。これにより、クールプレート52からウエハステージWSTに対するロット先頭(第1枚目)のウエハのロード動作の開始時点からローディングポジションにそのウエハが搬送され、ロードが可能となる時点までの時間(クールプレート52からローディングポジションまでのロードスライダの移動に要する時間)Taが計測され、メモリ23に記憶されるとともに、ロット先頭のウエハがウエハステージWST上にロードされる。
次のステップ188では、そのロードの完了後に、ステージ制御装置21に対して、P.P.に従った露光処理シーケンスの開始を指示した後、ステップ224に移行する、これにより、ステージ制御装置21及び照明系制御装置11等により、1ロットのウエハに対する一連の露光処理シーケンスが開始される。
その後、ステップ224では、前述のカウンタのカウント値nが、N(Nは1ロットのウエハの総数)であるか否かを判断するが、ここではnは1であるから、ここでの判断は否定され、ステップ226に進んでカウント値nを1インクリメントした後、ステップ182に戻る。
このステップ182では、ステージ制御装置21に対して第n枚目(ここでは、第2枚目)のウエハのクールプレート52への搬入(ロード)を指示する。これにより、ステージ制御装置21により、前述の第1枚目と同様の第2枚目のウエハのクールプレートへの搬入動作が開始されることとなる。
次のステップ184では、カウント値nが2以上であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは2であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ190に移行する。このステップ190では、カウント値nが2であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは2であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ192に進む。
ステップ192では、その時点でウエハステージWST上にロードされている1枚目のウエハ(W1)の露光が開始されるのを待つ。この露光の開始に先立って、ウエハ(W1)に対するサーチアライメント、ファインアライメントその他の準備作業が、主としてステージ制御装置21によって、通常のスキャニング・ステッパと同様に行われる。このような準備作業が行われるのと並行して、前述と同様にして第2枚目のウエハ(W2)がクールプレート52上に搬入される。第2枚目のウエハ(W2)がクールプレート52上に搬入された後、ウエハステージWST上に保持されているウエハ(W1)に対する露光が開始され、前述のステップ192における待ち状態が解除され、ステップ194に進んでタイマーによる前述の時間Tcの計時を開始する。
次のステップ196で、クールプレート52上のウエハ(W2)のウエハステージWST上へのロードを、ステージ制御装置21に指示した後、ステップ198に進んで、第1枚目のウエハ(W1)の露光が終了するのを待つ。
そして、ウエハ(W1)の露光が終了すると、ステップ200に進んで、別のタイマーにより露光終了位置からローディングポジションにウエハステージWSTが移動してウエハ交換が可能となるまでに要する実際の時間Tb’(前述の計算値Tbに対応する実測値)の計時を開始した後、ステップ202に進んでロードスライダ50によるウエハステージWST上へのウエハのロードが可能になるのを待つ。
上記ステップ198の待ち状態、ステップ200の処理及びステップ202の待ち状態の一部と並行して、上記ステップ196の指示を受けたステージ制御装置21によって、クールプレート52上のウエハ(W2)のウエハステージWST上へのロード動作のための一連の動作の一部、すなわちローディングポジションへのロードスライダ50によるウエハ(W2)の搬送が、前述と同様にして行われる。
そして、ウエハステージWSTがローディングポジションに到達すると、ステージ制御装置21により、前述と同様の手順でウエハ(W1)のアンロード動作が開始され、そのアンロード動作の途中で露光済みのウエハ(W1)がセンターテーブルCT1からアンロードスライダ51に渡される。これとほぼ同時(直前又は直後)に、ウエハ(W2)を保持したロードスライダ50がアンロードスライダ51のほぼ真上のローディングポジションに到達するように、ステージ制御装置21によりロードスライダ50が制御される。この場合、ロードスライダ50は、遅くともローディングポジションに移動されるの先立って、前述したアンロードスライダ51の待機位置の上方に達しているように、ステージ制御装置21により制御されているものとする。
上記のセンターテーブルCT1からアンロードスライダ51へのウエハの受け渡しの終了が、ステージ制御装置21から主制御装置20に通知されると、上記ステップ202の待ち状態が解除され、ステップ204に進んで、前記2つのタイマーによる計時を同時に終了した後、ステップ206に進み、ウエハ(W2)のロードが完了するのを待つ。このとき、ぞれぞれのタイマーによってウエハ(W1)の露光開始からその露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達してウエハ交換が可能となるまでの時間Tc(この時間Tcは、第1枚目のウエハについて計測されたので以下では適宜時間Tc1とも記述する)、及び露光終了位置からローディングポジションにウエハステージWSTが到達してウエハ交換が可能となるまでに要する実際の時間Tb’が計測され、メモリ23に記憶される。
ステップ206の待ち状態と並行して、ステージ制御装置21により、ウエハ(W1)の残りのアンロード動作、プリアライメント装置42を用いたウエハ(W2)の前段のプリアライメント動作、その前段のプリアライメントの結果に基づくウエハ(W2)の中心位置ずれ補正、後段のプリアライメント、その後段のプリアライメントの結果に基づくウエハ(W2)の回転ずれ補正(及び中心位置ずれのオフセットとしての記憶)、並びにウエハ(W2)の残りのロード動作が、前述と同様の手順で行われる。
そして、ウエハ(W2)のロードが完了すると、その旨がステージ制御装置21から主制御装置20に通知される。この通知により、前述のステップ206における待ち状態が解除され、ステップ224に移行する。ステップ224では、前述のカウンタのカウント値nが、Nであるか否かを判断するが、ここではnは2であるから、ここでの判断は否定は否定され、ステップ226に進んでカウント値nを1インクリメントした後、ステップ182に戻る。
このステップ182では、ステージ制御装置21に対して第n枚目(ここでは、第3枚目)のウエハのクールプレート52への搬入(ロード)を指示する。これにより、ステージ制御装置21により、前述の第1枚目と同様の第3枚目のウエハのクールプレートへの搬入動作が開始されることとなる。
次のステップ184では、カウント値nが2以上であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは3であるから、ここでの判断は肯定され、ステップ190に移行する。このステップ190では、カウント値nが2であるか否かを判断するが、この場合、カウント値nは3であるから、ここでの判断は否定され、ステップ208に進む。
ステップ208では、その時点でウエハステージWST上にある(n−1)枚目(ここでは第2枚目)のウエハ(W2)の露光が開始されるのを待つ。この露光の開始に先立って、そのウエハ(W2)に対するサーチアライメント、ファインアライメントその他の準備作業が、主としてステージ制御装置21によって、通常のスキャニング・ステッパと同様に行われる。このような準備作業が行われるのと並行して、前述と同様にして第n枚目(ここでは第3枚目)のウエハが前述の第2枚目のウエハ(W2)と同様にしてクールプレート52上に搬入される。
そして、第n枚目(ここでは第3枚目)のウエハがクールプレート52上に搬入された後、ウエハステージWST上に保持されている第(n−1)枚目(ここでは、第2枚目)のウエハ(W2)に対する露光が開始され、前述のステップ208における待ち状態が解除され、ステップ210に進む。
ステップ210では、第(n−1)枚目(ここでは、第2枚目)のウエハについての時間Tcn-1(そのウエハの露光開始からその露光終了後にウエハステージWSTがローディングポジションに到達してウエハ交換が可能となるまでの時間)のタイマーによる計時を開始する。
次のステップ212では、そのときの露光対象のウエハ(第(n−1)枚目のウエハ)の前ウエハ、すなわち第(n−2)枚目のウエハについて計測した、そのウエハの露光開始からその露光終了後にウエハステージWSTがローディングポジションに到達しウエハ交換が可能となるまでの時間Tcn-2から第1枚目のウエハについて計測した対応する時間Tc1(=Tc)を減じた両者の差ΔT”=Tcn-2−Tc1を算出する。ここで、n=3の場合には、Tcn-2=Tc1=Tcが成立する結果、ΔT”=0となる。
次のステップ214では、ステップ186において、前述の第1モードのときと同様に、第1枚目のウエハのロードの際に計測した時間Taと、第1枚目のウエハの露光終了後にステップ200〜204で計測した時間Tb’との差(Ta−Tb’)に基づき、第1のタイミングを時間Ta、Tb’の終了時点とすることで、逆算される露光終了時点の(Ta−Tb’)前の時点、すなわちクールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロード動作を開始すべき第2のタイミングを、上記ステップ212で算出した差ΔT”(この場合ΔT”=0)だけ補正した、補正後の第2のタイミングになるのを待つ。この場合も、前述と同様に、露光開始からの経過時間、ウエハ干渉計18の計測値、あるいは特定のショット領域の露光が開始されたか否かに、基づいて、補正後の第2のタイミングになったと判断する。
ここで、第2のタイミングを、差ΔT”だけ補正するのは、次の理由による。すなわち、差ΔT”は、(n−2)枚目のウエハについて得られた露光開始から露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達してウエハのロードが可能になるまでの実際の時間Tcn-2と、第1枚目のウエハについて得られた対応する時間Tc1=Tcとの差であり、nが4以上の場合にそのときの露光対象である(n−1)枚目のウエハとその前ウエハとの露光開始から露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達してウエハのロードが可能になるまでの実際の時間の差に相当する。
この場合、第1のタイミングを基準として上述のようにして逆算された第2のタイミングもその差だけずれているので、これを補正することで、その補正後の第2のタイミングにクールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロードのための動作を開始することで、ウエハステージWSTに対してウエハのロードの可能となる時点とほぼ同時にローディングポジションへのロードスライダ50の移動を完了させることが可能になるからである。これにより、ウエハ毎に露光開始から露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達してウエハのロードが可能になるまでの実際の時間が変動している場合であっても、ロット内の4枚目以降については、ロット先頭のウエハについて実測した時間を基準として、前ウエハについて実測した時間のずれに応じてクールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロードのための動作を開始する時間を補正することが可能となる。また、クールプレート52上からのウエハの搬出を可能な限り遅らせ、かつ極力無駄時間がない状態でのウエハ交換(ウエハステージWST上へのウエハのロード)が可能となる。
補正後の第2のタイミングになったと判断した場合には、ステップ214の待ち状態が解除され、ステップ216に進んでクールプレート上の第n枚目のウエハのウエハステージWST上へのロードを、ステージ制御装置21に指示した後、ステップ218に進んで、ロードスライダ50によるウエハステージWST上へのウエハのロードが可能になるのを待つ。
このステップ218の待ち状態と並行して、上記ステップ216の指示を受けたステージ制御装置21によって、クールプレート52上のウエハのウエハステージWST上へのロード動作のための一連の動作の一部、すなわちローディングポジションへのロードスライダ50によるそのウエハの搬送が、前述と同様にして行われる。
そして、その搬送の途中で、ウエハステージWSTがローディングポジションに到達し、ステージ制御装置21により、前述と同様の手順でウエハのアンロード動作が開始され、そのアンロード動作の途中で露光済みのウエハがセンターテーブルCT1からアンロードスライダ51に渡されるのとほぼ同時(直前又は直後)に、ウエハを保持したロードスライダ50がアンロードスライダ51のほぼ真上のローディングポジションに到達する。
上記のセンターテーブルCT1からアンロードスライダ51へのウエハの受け渡しの終了が、ステージ制御装置21から主制御装置20に通知されると、上記ステップ218の待ち状態が解除され、ステップ220に進んで、タイマーによる計時を終了した後、ステップ222に進み、ウエハのロードが完了するのを待つ。このとき、タイマーによってウエハ(W2)の露光開始からその露光が終了してウエハステージWSTがローディングポジションに到達してウエハ交換が可能となるまでの時間Tcn-1、この場合Tc2が計測され、メモリ23に記憶される。
ステップ222の待ち状態と並行して、ステージ制御装置21により、ウエハ(W2)の残りのアンロード動作、プリアライメント装置42を用いた第3枚目のウエハの前段のプリアライメント動作、その前段のプリアライメントの結果に基づくウエハの中心位置ずれ補正、後段のプリアライメント、その後段のプリアライメントの結果に基づくウエハの回転ずれ補正(及び中心位置ずれのオフセットとしての記憶)、並びにウエハの残りのロード動作が、前述と同様の手順で行われる。
そして、その第3枚目のウエハのロードが完了すると、その旨がステージ制御装置21から主制御装置20に通知される。この通知により、前述のステップ222における待ち状態が解除され、ステップ224に移行する。ステップ224では、前述のカウンタのカウント値nが、Nであるか否かを判断するが、ここではnは3であるから、ここでの判断は否定は否定され、ステップ226に進んでカウント値nを1インクリメントした後、ステップ182に戻り、以降、ステップ224における判断が肯定されるまで、ステップ182→184→190→208→210→212→214→216→218→220→222→224→226のループの処理が繰り返し行われる。これにより、ロット内の第4枚目〜第N枚目のウエハのロードのための一連の動作が繰り返し行われることとなる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置100によると、主制御装置20により、ウエハWに対する露光処理が終了した後にローディングポジション(ウエハ交換位置)でウエハ交換が可能になる第1のタイミングを考慮して、露光処理中の第2のタイミングでロードスライダ50によるウエハ交換のための一連の作業がクールプレート52で開始されるように、ウエハの搬送系が制御される。このため、ロードスライダ50によるローディングポジションへのウエハの搬送が、ウエハに対する露光処理が終了しウエハステージWSTがローディングポジションに移動してその位置でウエハ交換が可能となる時点にほぼ終了するようにすることが可能となる。従って、クールプレート52上におけるウエハの温度を極力維持した状態でウエハ交換を開始させることが可能となる。従って、本実施形態の露光装置100によると、ウエハ交換に伴い露光対象のウエハに、補正が困難な焼付けに対する非線形な誤差成分が生じるのを極力抑制することができ、結果的に、高精度な重ね合わせ露光が可能となる。また、本実施形態の露光装置100によると、ウエハ交換に伴う無駄時間を極力低下させることができるので、スループットも極力高く維持することが可能となる。
さらに、本実施形態の露光装置100によると、主制御装置20が、前述の第2のタイミング、補正後の第2のタイミングの到来を、第2のタイミングに対応するウエハステージWSTのウエハステージ座標系上の座標値を予め求め、ウエハ干渉計18の計測値がその座標値になったときに第2のタイミングになったと判断する、あるいは、その座標値に対応するウエハ上のショット領域の番号を予め求め、そのショット領域の露光が開始された時点で、第2のタイミングになったと判断する、すなわち、このようにしてウエハの露光の進行状況を監視することで、第2のタイミングになったと判断することもできる。かかる場合には、ウエハステージWST上のウエハに対する露光処理の進行状況を考慮して、そのウエハに対する露光処理中にロードスライダ50によるウエハ交換のための一連の作業がクールプレート52で開始されるように、搬送系が制御される。このため、ウエハステージWST上のウエハに対する露光処理の進行状況を特に考慮することなく、ウエハ交換のための一連の作業を行っていたときに生じていた種々の不都合を回避することが可能となる。
また、本実施形態の露光装置100によると、前述のステップ164で算出された差ΔT’が、使用中のP.P.と対応づけてメモリ23に記憶されているので、次に同一のP.P.が使用されるときには、前述のステップ156において第2のタイミングとしてそのメモリ23に記憶されているΔT’分だけ、P.P.に基づいて算出される第2のタイミングを補正した補正後のタイミングを、第2のタイミングとしても良い。勿論、前述のステップ174で用いられる補正後の第2のタイミングを、使用中のP.P.と対応づけてメモリ23に記憶しておいても良い。かかる場合には、次に同一のP.P.が使用されるときには、第2のタイミングとしてそのメモリ23に記憶されている補正後の第2のタイミングを、前述のステップ156において第2のタイミングとして用いても良い。いずれの場合にも、第2枚目のウエハのロードのときから、ウエハを保持したロードスライダ50のローディングポジションへの到達のタイミングとセンターテーブルCT1から露光済みのウエハがアンロードされる直前のタイミングとをほぼ正確に一致させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、第1モードと第2モードの設定が可能で、設定されたモードの処理が行われるものとしたが、モード設定はできず、いずれか一方のモードに対応する処理のみが行われるものとしても良い。また、特に前述の第1モードが設定された場合には、1枚目のウエハのロード処理サブルーチンにおいて、クールプレート52からウエハステージWSTに対するウエハのロード動作の開始時点からローディングポジションにウエハが搬送され、ロードが可能となる時点までの時間(クールプレート52からローディングポジションまでのロードスライダの移動に要する時間)Taを計測するものとしたが、この時間Taは、予め計測しておいても良いし、Taに相当する設計値を用いても良い。
また、上記実施形態では、第1モードの処理において、計測した時間Tcとこれに対応するP.P.に設定された情報から求まる時間、すなわち前述の(Tex+Tb)との差ΔT’を算出し、第3枚目以降のウエハのロードの都度第2のタイミングをその差ΔT’を用いて補正するものとしたが、これに限らず、前述の第2モードの処理の場合と同様に、時間Tcを各ウエハについて実測し、差ΔT’を更新し、更新された差ΔT’を用いて第2のタイミングをその都度補正することとしても良い。
また、上記実施形態では、第2モードの処理において、前述の差ΔT”を前ウエハについて計測された時間Tcを用いて順次更新するものとしたが、これに限らず、1枚目のウエハと2枚目のウエハとについてのみ時間Tcを計測し、両者の差を用いて、4枚目以降のウエハのロードの際に第2のタイミングを補正することとしても良い。また、2枚目のウエハについても前述の第1モードにおける2枚目のウエハの処理(ステップ114の処理)と同様に、P.P.に基づいて、クールプレートからローディングポジションまでロードアームでウエハを搬送する搬送動作の開始タイミングを決定するようにしても良い。また、P.P.から得られる値をTc1として用いるようにすれば、2枚目のウエハについて計測したTc2との差、Tc2−Tc1を用いることで、第3枚目のウエハのロードの際の第2のタイミングを補正することが可能となる。
なお、上記実施形態において、第1モード及び第2モードの少なくとも一方で第2のタイミングの補正を一切行わないようにしても構わない。
なお、上記実施形態では露光用照明光として波長が100nm以上の紫外光、具体的はKrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光あるいはg線、i線などのKrFエキシマレーザと同じ遠紫外域に属する遠紫外(DUV)光などを用いる場合ついて説明したが、これに限らず、YAGレーザの高調波などを用いても良い。
さらに、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。なお、単一波長発振レーザとしては例えばイッテルビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
また、本発明の露光装置において、露光光としては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことは勿論である。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行なわれている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明の適用範囲に含まれるものである。
また、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも本発明を適用することができる。例えば電子線露光装置として、例えばマスク上で互いに分離した250nm角程度の多数のサブフィールドに回路パターンを分解して形成し、マスク上で電子線を第1方向に順次シフトさせるとともに、第1方向と直交する第2方向にマスクを移動するのに同期して、分解パターンを縮小投影する電子光学系に対してウエハを相対移動し、ウエハ上で分解パターンの縮小像を繋ぎ合せて合成パターンを形成するマスク投影方式の露光装置を用いることができる。
ところで、上記実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(スキャニング・ステッパ)に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも本発明を好適に適用することができる。さらに、投影光学系を持たないタイプの露光装置、例えば、プロキシミティ型露光装置や干渉縞をウエハ上に形成することによってウエハを露光する二光束干渉型の露光装置にも本発明を適用することができる。また、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系とウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置に本発明を適用することもできる。
また、投影光学系は縮小系だけでなく等倍系、又は拡大系(例えば液晶ディスプレイ製造用露光装置など)を用いても良い。さらに、投影光学系は屈折系、反射系、及び反射屈折系のいずれであっても良い。
さらに、本発明は、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、角型のガラスプレート上に液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、プラズマディスプレイや有機ELなどの表示装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置、さらにはマスク又はレチクルの製造に用いられる露光装置などにも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、プロキシミティ方式のX線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
また、露光装置に限らず、複数枚の基板に対して所定の処理を行う基板処理装置であって、基板が載置され、該基板に対する前記処理が行われる領域と基板交換が行われる交換位置とを含む所定範囲の領域内で移動可能な移動体と、所定の搬送経路に沿って前記交換位置に対して基板を搬送する搬送部材を含む搬送系とを備える装置であれば、コータ・デベロッパその他の基板処理装置であっても本発明は適用が可能である。かかる基板処理装置に本発明を適用すると、所定位置における基板の状態、具体的には、基板の温度や、基板表面に塗布されているレジストの状態などを、極力維持した状態で基板交換を開始させることが可能となる。また、この場合にも、無駄時間を極力低下させることができるので、スループットも極力高く維持することが可能となる。
20…主制御装置、21…ステージ制御装置、23…メモリ、50…ロードスライダ、52…クールプレート、100…露光装置、W1,W2…ウエハ(基板)、WST…ウエハステージ。