しかしながら、特許文献1の如く、ダミー画素の幅寸法を小さくすると、ダミー画素部を構成する蓄積容量や配線における容量や抵抗等が画素部のそれらと比べて変化する。そして、ダミー画素の幅寸法を小さくすればする程、ダミー画素における画素部を模擬するという本来の機能が低下してしまう技術的問題点がある。更に、幅寸法の小さいダミー画素を表示画素に隣接して設けた場合、幅寸法を小さくすればする程、ダミー画素と表示画素との電気的或いは光学的性質が不連続に変化してしまう。よって、ダミー画素の付近で、画質が不連続に変化しやすい状況を招くという技術的問題点もある。特に、シリアル−パラレル変換或いは相展開が施された画像信号を用いて、複数のデータ線を含んでなるデータ線群毎に同時にデータ線を駆動する場合には、ダミー画素領域に隣接するデータ線群により駆動される表示画素ブロックと、それに隣接する表示画素ブロックとの間に、ダミー画素と表示画素との間における電気的或いは光学的性質の不連続な変化に応じて、縞状或いはストライプ状の表示不良が起きやすくなるという実践上、非常に重大なる問題点が生じる。
他方で、伝統的な手法に従って、ダミー画素を表示画素と同一サイズで構築するのでは、ダミー画素の存在によって周囲領域の相対的な増大を招く。特に、シリアル−パラレル変換された複数の画像信号を用いてデータ線群毎に駆動する場合には、ダミー画素をデータ線に並べてパラレルな画像信号線の数だけ配列することが望ましいとされており、これに応じて、ダミー画素数も多くならざるを得ない。例えば、シリアル−パラレル変換に係る変換数或いは相展開数が、12、24、48、96、…であったとすれば、ダミー画素の占める領域が無視し得ない程度に肥大化することになる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えばダミー画素本来の機能を殆ど害することなく且つダミー画素が占める領域の増大を抑制可能である電気光学装置、及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の第1の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、第1方向に延在する走査線と、画素アレイ領域に、前記走査線と重なるように設けられた蓄積容量が付加された画素部と、前記基板上で平面的に見て前記画素アレイ領域の周囲に、前記走査線と重なるように設けられたダミー蓄積容量が付加されたダミー画素部とを備えており、前記ダミー画素部は、前記第1方向において、前記画素部の配列ピッチよりも小さいピッチで配列されており、前記ダミー蓄積容量は、前記画素部の蓄積容量の容量と等しくなるように、前記第1方向と交差する第2方向の幅が、前記画素部の蓄積容量の前記第2方向の幅よりも幅広に形成されてなることを特徴とする。
また、前記走査線と交差する複数本毎にブロック化された複数のデータ線を備え、前記画素部及び前記ダミー画素部に対応するデータ線は、それぞれ同一のブロックに属することを特徴とする。
本発明の第1の電気光学装置によれば、その動作時には、例えばデータ線、走査線等の配線を介して、画像信号、走査信号等が画素部に供給される。これら画像信号等が、画素部において、画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜“TFT”と呼ぶ)等のスイッチング素子から選択的に画素電極等の表示用電極に供給されることでアクティブマトリクス駆動が行われる。即ち、複数の画素部がマトリクス状に平面配列された画像アレイ領域における画像表示が行われる。この際、ダミー画素領域内においても、画素アレイ領域内と同様に、ダミー画素部に画像信号等が供給されることで、ダミー画素領域におけるアクティブマトリクス駆動が行われる。従って、アクティブマトリクス駆動における画素アレイ領域の縁付近で発生する、例えば液晶が不完全に駆動される部分など、不完全に駆動される画素部については、実際に表示される画素アレイ領域から殆ど又は実践的な意味で完全に除外される。よって、該画素アレイ領域の隅々まで良好な画像表示が可能とされる。
ここで本発明の第1の電気光学装置では特に、ダミー画素領域の配列ピッチは画素アレイ領域の配列ピッチより小さく、しかも、ダミー画素部は夫々、画素部に付加された容量を模擬する構造を有する。従って、ダミー画素領域の面積を小さく、しかも、ダミー画素領域に画素部が配列された場合と殆ど同等の効果を得ることができる。即ち、ダミー画素部によって不完全に駆動される画素部を画素アレイ領域から除外するというダミー画素部の本来の機能を殆ど害することなく、ダミー画素領域の増大を抑制すること或いはダミー画素領域を相対的に小さくすることができる。
ここに「ダミー画素領域の配列ピッチが小さい」とは、例えば行方向又は列方向など、平面的に見て少なくとも一方の方向についての幅や長さなどが小さい、即ち、ダミー画素領域の辺の長さや面積が、画素領域のそれらより小さいことを意味する。
画素部に対して「容量が付加された」とは、画素部を構成する、例えば画素電極等の表示用電極、例えばデータ線、走査線、容量線等の配線、例えばスイッチング素子、蓄積容量等の電子素子など、画素部の構成要素のうち少なくとも一つ或いは少なくとも一部に対して容量が付加されているという意味である。即ち、「付加された容量」は、例えば、配線容量、液晶容量等である。或いは、これに加えて又は代えて、例えば、画素電極に接続されたキャパシタ或いはコンデンサ構造を持つ蓄積容量等である。いずれにせよ、「付加された容量」を有する画素部を、ダミー画素部は模擬する。ここに「画素部を模擬する」とは、ダミー画素領域にダミー画素部が存在しない場合と比較して、ダミー画素領域にダミー画素部が存在する場合の方が、ダミー画素領域の電気的な或いは光学的な性質が多少なりともダミー画素領域に画素部が存在すると仮定した場合に近くなるように、当該ダミー画素部を構築することを意味する。即ち、狭義には、画素部と同一又は類似の構造をダミー領域に作り込むことを意味するが、広義には、このようにダミー領域にダミー画素部が存在しない場合に比べてダミー領域に画素部が存在する場合に近い状況が構築されるように、ダミー画素部を作り込むことを意味する。
このようなダミー画素領域は、画素アレイ領域の周囲に一行ずつ且つ一列ずつ存在すれば、上述した本発明による独自の効果は、得られる。但し、例えば、画素アレイ領域の周囲に2行或いは3行以上ずつ且つ2列或いは3列以上ずつ存在するように、即ちダミー画素領域を幅広に構成しても、上述した本発明による独自の効果は、より顕著に得られる。特に、シリアル−パラレル変換或いは相展開された画像信号を取り扱う場合には、変換後における画像信号の数或いはそれ以上の数の列ずつ画素アレイ領域の左右に存在するように構成すると、上述した本発明による独自の効果は、顕著に得られる。逆に言えば、シリアル−パラレル変換の場合には特に、例えば数十列など複数列だけ必要となるダミー画素部が占める領域がむやみに増大するのを、その配列ピッチを小さくすることで回避できる。
以上のように、本発明の第1の電気光学装置によれば、ダミー画素部の本来の機能を殆ど害することなく且つダミー画素領域の増大を抑制し、基板上の領域の有効利用を図ることが可能となる。
本発明の第1の電気光学装置の一態様では、前記ダミー画素部は夫々、前記所定値に一致する値の容量を模擬する構造を有する。
この態様によれば、ダミー画素領域に所定値の容量が付加された画素部が配列されたのと殆ど同等の効果を得ることができる。即ち、ダミー画素部の本来の機能を殆ど害することなく且つダミー画素領域の増大を抑制することができる。ここに「所定値に一致する」とは、文字通りの一致の他、ダミー画素部の本来の機能が得られる程度に一致、即ち、殆ど又は実践的な意味で一致することも含む趣旨である。
本発明の第1の電気光学装置の他の態様では、前記ダミー画素部は夫々、前記画素部と同一の積層構造を有する。
この態様によれば、ダミー画素部は夫々、画素部と同一の積層構造を有する。ここで「同一の積層構造」は、各層の積層の順序が同一であることを意味する。画素部及びダミー画素部を夫々構成する例えば蓄積容量等の電子素子の、基板上平面的に見た形状は異なっていてもよい。このため、ダミー画素部は、画素部を容易に模擬することができる。
本発明の第1の電気光学装置の他の態様では、前記画素部は夫々、画素電極と該画素電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一方とを有し、前記ダミー画素部は夫々、前記画素電極を有さない。
この態様によれば、ダミー画素部は夫々、画素電極を有していないので、ダミー画素部における配線及び電子素子を、画素電極の存在による制限なく、配置することができる。例えば、個々のダミー画素部のサイズを小さくすることも容易となる。従って、ダミー画素部によって、所定値の容量が付加された画素部を容易に模擬することが可能となる。
上述した画素電極を有さない態様では、前記画素部は夫々、前記電子素子として前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量を有し、前記ダミー画素部は夫々、前記蓄積容量を模擬するダミー蓄積容量を有してもよい。
この場合には、ダミー蓄積容量は、画素部の蓄積容量を模擬するので、ダミー画素部によって、画素部を模擬することができる。ここに「蓄積容量を模擬する」とは、ダミー画素部にダミー蓄積容量が存在しない場合と比較して、ダミー画素部にダミー蓄積容量が存在する場合の方が、ダミー画素部の本来の機能が得られるように、ダミー蓄積容量を形成することを意味する。即ち、狭義には、蓄積容量と同程度の保持容量を有するダミー蓄積容量をダミー画素部に形成することを意味するが、広義には、このようにダミー画素部にダミー蓄積容量が存在しない場合に比べてダミー画素部に蓄積容量が存在する場合に近い状況が構築されるように、ダミー蓄積容量を形成することを意味する。
従って、ダミー画素部によって不完全に駆動される画素部を画素アレイ領域から除外するというダミー画素部の本来の機能を殆ど害することなく、ダミー画素領域の増大を抑制することができる。
上述したダミー蓄積容量を有する態様では、基板上平面的に見て、前記ダミー蓄積容量の形状は、前記蓄積容量の形状を模擬してもよい。
この場合には、基板上平面的に見て、ダミー蓄積容量の形状は、蓄積容量の形状を模擬する。ここで、「形状を模擬する」は、ダミー画素部の電気的な或いは光学的な性質が多少なりとも画素部と近くなるように、基板上平面的に見て、ダミー蓄積容量の形状が蓄積容量の形状に類似することを意味する。即ち、狭義には、ダミー蓄積容量の形状が、蓄積容量の形状と同一或いは相似であること意味するが、広義には、ダミー蓄積容量が蓄積容量と近い状態になるように、ダミー蓄積容量の形状を蓄積容量の形状に近付けることを意味する。従って、ダミー蓄積容量によって、蓄積容量を容易に模擬することができる。
上述したダミー蓄積容量を有する態様では、基板上平面的に見て、前記ダミー画素部における前記ダミー蓄積容量の配置は、前記画素部における前記画素部の配置を模擬してもよい。
この場合には、基板上平面的に見て、ダミー画素部におけるダミー蓄積容量の配置は、画素部における画素部の配置を模擬する。ここで、「配置を模擬する」は、ダミー画素部の電気的な或いは光学的な性質が多少なりとも画素部と近くなるように、基板上平面的に見て、ダミー画素部におけるダミー蓄積容量の配置が、画素部における画素部の配置と類似することを意味する。即ち、狭義には、ダミー画素部におけるダミー蓄積容量の配置が、画素部における画素部の配置と同一であることを意味するが、広義には、ダミー蓄積容量が蓄積容量と近い状態になるように、ダミー画素部におけるダミー蓄積容量の配置を画素部における画素部の配置に近付けることを意味する。従って、ダミー蓄積容量によって、蓄積容量を容易に模擬することができる。
本発明の第2の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、画素アレイ領域に配置された画素部と、前記基板上で平面的に見て前記画素アレイ領域の周囲に配置されており、前記画素部の構造を夫々模擬するダミー画素部とを備えており、前記ダミー画素部は、前記画素部の配列ピッチよりも小さいピッチで配列されており、前記ダミー画素部の配列ピッチは、前記画素アレイ領域から離れるに従って徐々に小さくなることを特徴とする。
本発明の第2の電気光学装置によれば、その動作時には、例えばデータ線、走査線等の配線を介して、画像信号、走査信号等が画素部に供給される。これら画像信号等が、画素部において、画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜“TFT”と呼ぶ)等のスイッチング素子から選択的に画素電極等の表示用電極に供給されることでアクティブマトリクス駆動が行われる。即ち、複数の画素部がマトリクス状に平面配列された画像アレイ領域における画像表示が行われる。この際、ダミー画素領域内においても、画素アレイ領域内と同様に、画素部の構造を模擬するダミー画素部に画像信号等が供給されることで、ダミー画素領域におけるアクティブマトリクス駆動が行われる。従って、アクティブマトリクス駆動における画素アレイ領域の縁付近で発生する、例えば液晶が不完全に駆動される部分など、不完全に駆動される画素部については、実際に表示される画素アレイ領域から除外される。よって、該画素アレイ領域の隅々まで良好な画像表示が可能とされる。ここで、「画素部の構造を模擬する」は、ダミー画素部の電気的な或いは光学的な性質が多少なりとも画素部と近くなるように、基板上平面的に見て、ダミー画素部の構造が画素部の構造に類似することを意味する。即ち、狭義には、ダミー画素部の構造が、画素部の構造と同一であることを意味するが、広義には、ダミー画素部が画素部と近い状態になるように、ダミー画素部の構造を画素部の構造に近付けることを意味する。例えば、ダミー画素部の積層構造が画素部の積層構造の一部と同じ部分を含むこと、或いは、ダミー画素部が画素部の有する電子素子と同種の電子素子を有することを意味する。従って、ダミー画素部によって、画素部を容易に模擬することができる。
ここで本発明の第2の電気光学装置では特に、ダミー画素領域の配列ピッチは、画素領域の配列ピッチより小さく、しかも、ダミー画素領域の配列ピッチは、画素アレイ領域の一辺から離れるに従って徐々に小さくなる。よって、ダミー画素領域の面積を小さく、しかも、ダミー画素部と画素部との電気的或いは光学的性質が不連続に変化することを防止することができる。即ち、ダミー画素部と画素部との境界付近で、画質が不連続に変化することを防止することができると共に、ダミー画素領域の増大を抑制することができる。
特に、シリアル−パラレル変換或いは相展開された画像信号を取り扱う場合に、ダミー画素領域に隣接するデータ線群により駆動される画素部ブロックと、それに隣接する画素部ブロックとの間に、ダミー画素部と画素部との間における電気的或いは光学的性質の不連続な変化に応じて、縞状或いはストライプ状の表示不良が生じることを防止することができる。
ここに「徐々に小さくなる」とは、連続的又は断続的或いは段階的に小さくなることを意味する。言い換えれば、前記一辺から離れるに従って、ダミー画素領域の前記一辺に交差する方向の幅Wi(i=1、…、n(但し、nは3以上の自然数)が、W1≦W2≦…≦Wnなる関係を満たすように変化することを意味する。従って、本発明に係るダミー画素領域は、典型的には、前記一辺に交差する方向に3つ以上配列されている。言い換えれば、ダミー画素領域は、前記一辺に沿って3行或いは3列以上配列されている。
以上のように、本発明の第2の電気光学装置によれば、ダミー画素部と画素部との境界付近で、画質が不連続に変化を防止することが可能となると共に、ダミー画素領域の増大を抑制し、基板上の領域の有効利用を図ることが可能となる。
本発明の第1及び第2の電気光学装置の他の態様では、前記画素部は夫々、前記画素領域に、表示に寄与する光が出射される開口領域と前記光が出射されない非開口領域とを有し、前記ダミー画素部は夫々、前記ダミー画素領域に前記非開口領域を有する。
この態様によれば、ダミー画素部は夫々、ダミー画素領域に非開口領域を有しているので、ダミー画素領域に開口領域を殆ど又は全く有していないように構成すれば、ダミー画素領域から、表示に寄与する光が出射されないようにできる。ここで、画素アレイ領域においては、例えば、透過又は反射によって開口領域からは、表示に寄与する光が出射される。逆に、ダミー画素領域では、開口領域を殆ど又は全く有していないように構成すれば、このような透過や反射は起きることはない。従って、画素アレイ領域の周囲に沿って光り抜けが発生するなどの、ダミー画素部による表示画像への悪影響を小さくすることが可能となる。
本発明の第1及び第2の電気光学装置の他の態様では、前記周囲領域を遮光する遮光膜を更に備える。
この態様によれば、ダミー画素領域が含まれる周囲領域は、遮光膜により遮光されており、表示画像に影響しない。従って、ダミー画素部については、表示画像への影響を考慮することなく、各種材料や構造等を導入することで、画素部をダミーするというダミー画素本来の機能を高めることが可能となる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた装置としてDLP(Digital Light Processing)等を実現することも可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る液晶装置について、図1から図6を参照して説明する。
先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、説明する。ここに図1は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H’線での断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。ここで、画像表示領域10aは、本発明に係る「画素アレイ領域」の一例である。
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
TFTアレイ基板10上には、外部回接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に画素電極9aが設けられている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。そして、遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成される。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
次に、図3を参照して、本実施形態の電気的な構成について説明する。ここに図3は、画素部及びダミー画素部における各種素子、配線等の等価回路を、その周辺駆動回路と共に示した回路図である。
図3において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素部93には夫々、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。走査信号が供給される走査線113aが、TFT30のゲートに電気的に接続されている。画素電極9a及び蓄積容量70が、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
電気光学装置は、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104及びサンプリング回路7を備えて構成されている。データ線駆動回路101は、サンプリング回路駆動信号線114を介して、サンプリング回路駆動信号をサンプリング回路7に順次供給するように構成されている。サンプリング回路7は、サンプリング用の、即ちサンプリングスイッチとしての片チャネル型TFT302を複数備える。各片チャネル型TFT302は、画像信号線115からの引き出し線116にそのソースが接続され、データ線6aにそのドレインが接続され、サンプリング回路駆動信号線114にそのゲートが接続されている。そして、データ線駆動回路101から供給されるサンプリング回路駆動信号のタイミングで、画像信号線115上の画像信号VID1〜VID6を同時にサンプリングし、6本のデータ線に対して同時に供給する。これにより、画像信号S1、S2、…、Snとして、6本のデータ線6aのグループ別に、順次に書き込むように構成されている。他方、走査線駆動回路104は、パルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、所定のタイミングでこの順に線順次で、走査線113aに供給するように構成されている。
画像表示領域10a内では、TFT30のゲートに、走査線駆動回路104から走査線113aを介して走査信号G1、G2、…、Gmが線順次で印加される。画素電極9aには、画素スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して液晶層50(図2参照)に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向電極21(図2参照)との間で一定期間保持される。液晶層50は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。蓄積容量70は、後に詳述する如く、画素電極9aに接続された画素電位側容量電極と、これに誘電体膜を挟んで対向配置された固定電位側容量電極とを含んでなる。走査線113aと並んで配列された固定電位の容量線300の一部が、このような固定電位側容量電極とされている。
容量線300は、画素電極9aが配列された画像表示領域10a外で容量線電位供給端子303に電気的に接続されている。これにより、全ての容量線300は、容量線電位供給端子303から供給される安定した固定電位又は反転する所定電位とされ、蓄積容量70において良好な電位保持特性が得られる。このような電位源としては、TFT30を駆動するための走査信号を走査線113aに供給するための走査線駆動回路やデータ線駆動回路に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。
更に、図1中、画像表示領域10aには、白四角で夫々図示された画素電極9aが配列されており、その周辺に額縁状に広がるダミー画素領域には、黒四角で夫々図示されたダミー画素電極9dが配列されている。画素電極9aとダミー画素電極9dとは概ね同一構成を有している。更に、画素電極9a、画素スイッチング用TFT30及び蓄積容量70を含んでなる画素部93と、ダミー画素電極9d、画素スイッチング用TFT30及びダミー蓄積容量70dを含んでなるダミー画素部93とは、概ね同一構成を有する。ダミー画素部93の構成については、後で詳述する。図1では、より具体的には、画像表示領域10aの周辺2列及び周辺2行が、ダミー画素部93dとされており、ダミー画素領域では、画像表示領域10aにおけると同様にアクティブマトリクス駆動が行われるので、アクティブマトリクス駆動における画像表示領域10aの縁付近で発生する、液晶が不完全に駆動される部分については、実際に表示される画像表示領域10aから除外される。これにより、画像表示領域10aの隅々まで良好な画像表示が可能とされる。
次に、図4及び図5を参照して、画素部及びダミー画素部の具体的な構成について説明する。図4は、相隣接する画素部及びダミー画素部の平面図である。図5は、図4のA−A’の断面図である。
図4において、電気光学装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線113aが設けられている。
ダミー画素領域には、画像表示領域10aにおける画素電極9aと同様に、複数の透明なダミー画素電極9dが設けられており、ダミー画素電極9dの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線113aが設けられている。但し、ダミー電極9dは、透明でなくてもよい。
図4及び図5において、半導体層1aのうちチャネル領域1a’に対向するように走査線113aが配置されており、走査線113aはゲート電極として機能する。走査線113aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線113aがゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
図5において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線113a、当該走査線113aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線113aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
図4及び図5に示すように、容量線300は、走査線113a上に形成されている。容量線300は、平面的に見て走査線113aに沿ってストライプ状に伸びる本線部と、走査線113a及びデータ線6aの交点における該本線部からデータ線6aに沿って図4中上下に突出した突出部とを含んでなる。
容量線300は、例えば金属又は合金を含む導電性の遮光膜からなり上側遮光膜の一例を構成すると共に固定電位側容量電極としても機能する。容量線300は、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。容量線300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)等の他の金属を含んでもよい。或いは、容量線300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持ってもよい。
他方、容量線300に対して、誘電体膜75を介して対向配置される中継層71は、蓄積容量70の画素電位側容量電極としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する中間導電層としての機能を持つ。
このように、蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての中継層71と、固定電位側容量電極としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより構築されている。
そして、図4中縦方向に夫々伸びるデータ線6aと図4中横方向に夫々伸びる容量線300とが相交差して形成されることにより、TFTアレイ基板10上におけるTFT30の上側に、平面的に見て格子状の上側遮光膜が構成されており、各画素の開口領域を規定している。
図4及び図5に示すように、画素電極9aは、中継層71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。
他方、データ線6aは、コンタクトホール81を介して、例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。尚、データ線6aと高濃度ソース領域1aとを中継層により中継接続することも可能である。
図5において、TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
図5に示すように、TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
走査線113a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
第1層間絶縁膜41上には中継層71及び容量線300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及びコンタクトホール85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
第2層間絶縁膜42上にはデータ線6aが形成されており、これらの上には、中継層71へ通じるコンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
他方、対向基板20には、その対向面の全面に対向電極21が設けられており、更にその上(図5では対向電極21の下側)に配向膜22が設けられている。対向電極21は、画素電極9aと同様、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。尚、対向基板20と対向電極21の間には、TFT30における光リーク電流の発生等を防止するため、少なくともTFT30と正対する領域を覆うように遮光膜23が設けられている。
このように構成されたTFTアレイ基板10と対向基板20の間には、液晶層50が設けられている。液晶層50は、基板10及び20の周縁部をシール材により封止して形成した空間に液晶を封入して形成される。液晶層50は、画素電極9aと対向電極21との間に電界が印加されていない状態において、ラビング処理等の配向処理が施された配向膜16及び配向膜22によって、所定の配向状態をとるようになっている。
図4において、本実施形態では特に、ダミー画素領域の配列ピッチDdは画素領域の配列ピッチDaより小さい。更に、ダミー画素部93dは夫々、画素部93に付加された蓄積容量70を模擬する構造を有している。具体的には、TFTアレイ基板10上で平面的に見た場合、ダミー蓄積容量の幅Wd(即ち、ダミー画素領域における容量配線300、誘電体膜75及び中継層71の幅)は、画素領域における蓄積容量300の幅Wa(即ち、画素領域における容量配線300、誘電体膜75及び中継層71の幅)より広くなっている。これにより、ダミー蓄積容量の容量は、蓄積容量70の容量の所定値に等しくなるように調整されている。例えば、画素領域において、画素電極9a、液晶層50及び対向電極21で構築される液晶容量とこれに並列接続された蓄積容量70との合計容量に近い容量値が、ダミー領域でも得られるように、ダミー蓄積容量の容量値は、ダミー領域における液晶容量が小さい分だけ蓄積容量70の容量値よりも大きく設定される。
従って、ダミー画素領域の面積を小さく、しかも、ダミー画素領域に画素部93が配列された場合と殆ど同等の効果を得ることができる。即ち、ダミー画素部によって不完全に駆動される画素部93を画像表示領域9aから除外するというダミー画素部93dの本来の機能を殆ど害することなく、ダミー画素領域の増大を抑制すること或いはダミー画素領域を相対的に小さくすることができる。
尚、本実施形態では、ダミー画素領域は、画像表示領域9aの周囲に2行ずつ且つ2列ずつ形成されているが、1行或いは3行以上ずつ且つ1列或いは3列以上ずつ存在するようにしてもよい。
次に、図6を参照して、本実施形態の変形例について説明する。図6は、変形例における図4と同趣旨の平面図である
図6において、本実施形態の変形例では特に、ダミー画素部93dは夫々、画素電極を有していない。このため、ダミー画素部93における配線及び電子素子を、画素電極の存在による制限なく、配置することができる。例えば、画素領域において、液晶容量とこれに並列接続された蓄積容量70との合計容量に近い容量値が、ダミー領域でも得られるように、ダミー蓄積容量の容量値は、ダミー領域に液晶容量がない分だけ蓄積容量70の容量値よりも大きく設定される。
従って、図6に示すように、ダミー画素領域の配列ピッチDd2は、図5に示した配列ピッチDdよりも更に小さくすると共に、ダミー蓄積容量の幅Wd2を、図5に示した配列ピッチWdよりも更に広くすることができる。この結果、個々のダミー画素部93dのサイズを小さく、且つダミー画素部93dによって、蓄積容量70が付加された画素部93を容易に模擬することができる。
更に、本実施形態の変形例では、ダミー画素領域に開口領域全く有していない。このため、ダミー画素領域から、表示に寄与する光が出射されない。ここで、画像表示領域9aにおいては、透過又は反射によって開口領域からは、表示に寄与する光が出射される。逆に、ダミー画素領域では、開口領域を全く有していないので、このような透過や反射は起きない。従って、画像表示領域9aの周囲に沿って光り抜けが発生するなどの、ダミー画素部による表示画像への悪影響を小さくすることが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電気光学装置について、図7及び図8を参照して説明する。ここに図7は、第2実施形態における図4と同趣旨の平面図である。図8は、図7のB−B’の断面図である。尚、図7及び図8において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図7及び図8おいて、第2実施形態では特に、蓄積容量70を模擬するための模擬容量膜77を有している。具体的には、模擬容量膜77は、容量線300の上層側に第1層間絶縁膜41を介して積層されており、その上にはデータ線6aが第2層間絶縁膜42を介して積層されている。従って、模擬容量膜77によって容量を保持することができる。模擬容量膜77としては、透過率を考慮せずに、誘電率が高い酸化ハフニューム(HFO2)膜、アルミナ(Al2O3)膜、窒化シリコン(Si3N4)膜等を利用できる。このため、ダミー画素領域の配列ピッチDdが画像表示領域の配列ピッチDaよりも小さくなることによって、ダミー画素部の保持する容量が、画素部の保持する容量よりも小さくなることを防止することができる。即ち、模擬容量膜77を形成することにより、蓄積容量70を模擬することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る電気光学装置について、図9を参照して説明する。ここに図9は、第3実施形態における図4と同趣旨の平面図である。尚、図9において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図9において、第3実施形態では特に、ダミー画素領域は、画像表示領域10aの一辺に沿って3列配列されている。更に、ダミー画素領域の配列ピッチD1、D2及びD3は、画素領域の配列ピッチDaより小さく、しかも、ダミー画素領域の配列ピッチD1、D2及びD3は、画像表示領域10aの一辺から離れるに従って徐々に小さくなる。即ちDa>D1>D2>D3の関係となっている。よって、ダミー画素領域の面積を小さく、しかも、ダミー画素部93dと画素部93との電気的或いは光学的性質が不連続に変化することを防止することができる。即ち、ダミー画素部93dと画素部93との境界付近で、画質が不連続に変化することを防止することができると共に、ダミー画素領域の増大を抑制することができる。
特に、シリアル−パラレル変換或いは相展開された画像信号を取り扱う場合に、ダミー画素領域に隣接するデータ線群により駆動される画素部ブロックと、それに隣接する画素部ブロックとの間に、ダミー画素部と画素部との間における電気的或いは光学的性質の不連続な変化に応じて、縞状或いはストライプ状の表示不良が生じることを防止することができる。
(電子機器)
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図10は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図10に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図11は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図11において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図12は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図12において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図10から図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また本発明は、上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
6a…データ線、9a…画素電極、9d…ダミー画素電極、7…サンプリング回路、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、21…対向電極、23…遮光膜、30…TFT、50…液晶層、52…シール材、53…額縁遮光膜、70…蓄積容量、71…中継層、77…模擬容量膜、81、83、85、86…コンタクトホール、101…データ線駆動回路、104…走査線駆動回路、113a…走査線、93…画素部、93d…ダミー画素部、300…容量線、Da、Dd、Dd2、D1、D2、D3…配列ピッチ、Wa、Wd、Wd2…幅