JP4815827B2 - 有機性廃水の生物処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品工場や厨房廃水をはじめとした広い濃度範囲の油脂を含有する有機性廃水の生物処理方法に関するものである。詳しくは、本発明は、このような油脂含有廃水の処理水質を悪化させることなく、処理効率を向上させ、かつ余剰汚泥発生量の低減が可能な生物処理方法に関するものである。
有機性廃水を生物処理する場合に用いられる活性汚泥法は、処理水質が良好で、メンテナンスが容易であるなどの利点から、下水処理や産業廃水処理等に広く用いられている。しかしながら、活性汚泥法では、分解したBOD成分の約30%が菌体、すなわち汚泥へと変換されるため、大量の余剰汚泥処理が問題となっている。こうした余剰汚泥の発生量を低減するための汚泥減容化方法としては、これまで様々な手法が考案されているが、熱や電力等のエネルギーをかけない安価なプロセスとして、生態学的な食物連鎖を利用した原生動物による汚泥の捕食システムがある。
例えば、特開昭55−20649号公報では、有機性廃水をまず、第一処理槽で細菌処理して、廃水に含まれる有機物を酸化分解し、非凝集性の細菌(分散性細菌)の菌体に変換した後、第二処理槽で固着性原生動物に捕食除去させることで、余剰汚泥の減量化が可能になるとしている。さらに、この方法では高負荷運転が可能となり、活性汚泥法の処理効率も向上する。
こうした細菌の高位に位置する原生動物や後生動物の捕食を利用した廃水処理方法は、この他にも多数考案されている。
ところで、食品工場や厨房から排出される廃水は、多量の動植物油(トリグリセリド)を含有していることが多い。従来の油脂含有廃水の処理方法としては、廃水中の油脂をグリーストラップや加圧浮上により浮上分離させ、残部の有機物を活性汚泥処理により生物処理する方法が一般的である。しかし、分離された油脂は別途廃棄物として処理するため、労力や費用を要する。さらに、加圧浮上等の装置は設置に関する費用や場所を要し、更に、装置の清掃といったメンテナンスに関わる労力を要する。
そこで、油脂含有廃水を直接生物処理する方法が近年では検討されている。例えば、油脂分解酵素(特開平5−245479号公報)や、酵母(特開2003−227号公報)を原水や曝気槽などに投入することにより分解効率を促進する方法や、粒状の不繊布を槽表面に浮遊させたり(特開平8−182996号公報)、機械攪拌を行う(特開平11−57758号公報、特開平10−34180号公報)など曝気による油脂の浮上とスカム化を積極的に抑制する方法が考案されている。
このように、油脂含有廃水を直接生物処理する方法が検討されているが、油脂由来のBOD成分は菌体すなわち汚泥に変換されるため、余剰汚泥発生量が多くなる結果、やはり廃棄物処理が問題となる。
こうした問題点を解決するため、上述の汚泥捕食システムの油脂含有廃水への適用が期待されている。
特開昭55−20649号公報 特開平5−245479号公報 特開2003−227号公報 特開平8−182996号公報 特開平11−57758号公報 特開平10−34180号公報
従来の汚泥捕食システムを油脂含有廃水に適用して、油脂含有廃水をまず第一生物処理槽に通水して非凝集性細菌により生物処理した後、この第一生物処理槽からの非凝集性細菌を含む処理水を第二生物処理槽に導入して活性汚泥処理する多槽生物処理を行った場合、油脂含有廃水が高濃度の油脂を含有する廃水であると、可溶性BOD成分の方が微生物により容易に資化されるため、結果的に油脂が残留し、処理水質を悪化させる。しかも、こうした不溶性油脂の蓄積はスカム等の不溶塊の発生原因となることが知られているが、このような問題に対して効果的に対処する方法は、これまでに提案されていなかった。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、油脂含有廃水を汚泥捕食システムで浄化するに当たり、広い濃度範囲の有機性廃水を、処理水質を悪化させることなく効率的に処理すると共に余剰汚泥発生量の低減を図る生物処理方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の有機性廃水の生物処理方法は、有機性廃水を第一生物処理工程に導入して非凝集性細菌により生物処理し、該第一生物処理工程からの非凝集性細菌を含む処理水を第二生物処理工程に導入して活性汚泥処理する有機性廃水の生物処理方法において、該有機性廃水は油脂を含有する油脂含有廃水であり、該第一生物処理工程内の反応液を連続的又は間欠的に抜き出して乳化処理した後該第一生物処理工程に戻すことを特徴とする。
請求項2の有機性廃水の生物処理方法は、請求項1において、前記油脂含有廃水と第一生物処理工程から抜き出した反応液を乳化処理した後前記第一生物処理工程に送給することを特徴とする。
請求項の有機性廃水の生物処理方法は、請求項1又は2において、前記第一生物処理工程から抜き出した反応液、或いは前記油脂含有廃水第一生物処理工程から抜き出した反応液に界面活性剤を添加することにより乳化処理を行うことを特徴とする。
請求項の有機性廃水の生物処理方法は、請求項において、前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする。
請求項の有機性廃水の生物処理方法は、請求項において、前記ノニオン系界面活性剤が糖脂肪酸エステル類であることを特徴とする。
請求項の有機性廃水の生物処理方法は、請求項1ないしいずれか1項において、前記油脂含有廃水が油脂をn−ヘキサン抽出物濃度として100mg/L以上含有することを特徴とする。
請求項の有機性廃水の生物処理方法は、請求項1ないしのいずれか1項において、前記第一生物処理工程のpHを8.0以上とすることを特徴とする。
請求項の有機性廃水の生物処理方法は、請求項において、前記第二生物処理工程のpHを6〜8とすることを特徴とする。
請求項9の有機性廃水の生物処理方法は、請求項1ないし8のいずれか1項において、前記第二生物処理工程の処理水を固液分離する固液分離工程と、該固液分離工程の分離汚泥の少なくとも一部及び/又は第二生物処理工程から引き抜いた汚泥を処理する第三生物処理工程とを有することを特徴とする。
本発明の有機性廃水の生物処理方法によれば、油脂含有廃水を汚泥捕食システムで浄化するに当たり、広い濃度範囲の油脂含有廃水を、処理水質を悪化させることなく効率的に処理すると共に余剰汚泥発生量の低減を図ることができる。
即ち、本発明では、油脂含有廃水を、第一生物処理工程で非凝集性細菌により生物処理するに当たり、第一生物処理工程から引き抜いた反応液を乳化処理し、水に不溶の油脂を乳化分散させることで、微生物との接触面積を大きくさせる。こうすることにより、油脂含有廃水から予め油脂を分離することなく、油脂含有廃水中の油脂を含めて廃水中の有機性物質を分散性細菌へ変換することが可能となる。そして、第二生物処理工程において、かかる分散性細菌を固着性原生動物に捕食除去させることで余剰汚泥の減量化が可能になる。
なお、本発明においては、更に第一生物処理工程のpHを8以上として処理を行うことが好ましく、第一生物処理工程のpHを8以上のアルカリ域とすることにより、非凝集性細菌により廃水中の油脂及び有機物をより一層効率的に酸化分解することができるようになる。そして、この第一生物処理工程の処理水を必要に応じて酸で中和した後、第二生物処理工程に導入すると、この第二生物処理工程において、残存している有機成分の酸化分解、非凝集性細菌の自己分解及び微小動物の捕食による余剰汚泥の減量化がなされる。
以下、図面を参照して本発明の有機性排水の生物処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の有機性廃水の生物処理方法の実施の形態を示す系統図である。
図1の方法では、原水(油脂含有廃水)は、貯留槽1において、界面活性剤(界面活性剤を含有する水溶液)が添加された後、機械攪拌式乳化装置2で廃水中の油脂が乳化分散され、この乳化処理液は次いで第一生物処理槽3に導入される。第一生物処理槽3では、非凝集性細菌により廃水中の油脂及び有機物が酸化分解される。図1では、第一生物処理槽3内の反応液を抜き出して機械攪拌式乳化装置2に返送し、再度乳化処理して第一生物処理槽3に戻す。このようにすることにより、油脂の分散性をより一層高めることができる。この第一生物処理槽3の処理水は、次いで第二生物処理槽4に導入し、ここで、残存している有機成分の酸化分解、非凝集性細菌の自己分解及び微小動物の捕食による余剰汚泥の減量化が行われる。
本発明において、処理される有機性廃水は、動植物油脂を含有する油脂含有廃水であり、n−ヘキサン抽出物濃度として100mg/L以上、より好ましくは100〜1000mg/Lの範囲で油脂を含有する油脂含有廃水が好適である。
油脂含有廃水中の油脂の乳化処理方法としては特に制限はないが、界面活性剤を添加して攪拌処理する方法が挙げられる。
油脂含有廃水中の油脂を乳化させるための界面活性剤としては、O/W型の安定したエマルジョンを作るために適したものであれば良いが、望ましくは生分解性に富むものが良く、また、曝気槽である第一生物処理槽3での発泡性の低いものが望ましい。また、槽内に存在する微生物に対する溶菌作用や殺菌作用が非常に弱いものが望ましい。こうした界面活性剤としては「ツイーン(アトラス社商標)」や「スパン(アトラス社商標)」等の糖脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、十分な油脂分散効果を得る観点からは対象水中に含有される油脂重量に対して0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上の重量割合で添加することが好ましい。一方、費用対効果の観点からは10重量%以下、好ましくは2%以下とすることが好ましい。
油脂を乳化分散するための機械攪拌式乳化装置2としては、ホモジナイザー、超音波式、高圧噴射式攪拌機等が挙げられる。廃水は界面活性剤と共に攪拌機で予備攪拌した後、前述の機械攪拌式乳化装置2に導入することが好ましい。従って、貯留槽1では攪拌を行うことが好ましい。攪拌は仕様に応じて連続式あるいは間欠式のいずれも可能である。
油脂含有廃水中の油脂を乳化分散させるための、界面活性剤の添加濃度と機械攪拌式乳化装置2の攪拌条件としては、廃水中の油脂の平均粒径が1〜10μm程度、あるいはそれ以下となるような条件とすることが好ましい。
図1では、第一生物処理槽3内の反応液を抜き出して貯留槽1からの界面活性剤添加油脂含有廃水と共に機械攪拌式乳化装置2で乳化処理を行うが、油脂含有廃水はそのまま第一生物処理槽3に導入して、第一生物処理槽3から抜き出した反応液のみを乳化処理しても良い。微生物が産生する酵素によって油脂の分解の過程で生じた脂肪酸が蓄積した場合、不溶化物となるので、図1に示す如く、第一生物処理槽3の反応液を連続あるいは間欠的に引き抜き、界面活性剤の存在下に機械攪拌を行った後、第一生物処理槽3に戻すようにすることが好ましい。この不溶化物は水面に浮上しやすいので、水面付近の反応液を引き抜くことがより効果的である。図1に示す如く、油脂含有廃水と第一生物処理槽3の反応液の両方を乳化処理することにより、乳化処理による分散効果で効率的な生物処理を行える。なお、第一生物処理槽3の反応液を抜き出して乳化処理する場合、その抜き出し量は、同時に油脂含有廃水の乳化処理を行うか否かによっても異なるが、第一生物処理槽3の滞留時間内に、少なくとも処理槽3内の容量を処理できる仕様が望ましい。例えば、第一生物処理槽3の容積が100m、HRTが6時間である場合は280L/minで連続処理することが望ましい。油脂が不溶化等により濃縮されている場合は、該当部分だけを滞留時間内に1回以上処理することが望ましい。なお、第一生物処理槽3から抜き出した反応液は貯留槽1に返送しても良い。
第一生物処理槽3へのBOD容積負荷は1kg/m/d以上、例えば1〜20kg/m/d、HRT24h以下、例えば1〜24hとすることで、非凝集性細菌が優占化した処理水を得ることができる。また、HRTを短くすることでBOD濃度の薄い廃水を高負荷で処理することができる。
また、第一生物処理槽3のpH条件は8以上であることが好ましい。即ち、動植物油脂(トリグリセリド)は、最初に第一生物処理槽3内に存在する細菌が産生する菌体外酵素(リパーゼ)により脂肪酸とグリセリンに加水分解される。脂肪酸のpKaはおおむね8前後の弱アルカリ域であるため、中性域あるいは酸性域では非水溶性の遊離脂肪酸として存在し、微生物による分解性は悪化する。さらに蓄積によって脂肪酸を主体とするスカムの発生が起こる。しかし、この第一生物処理槽3のpHを8.0以上のアルカリ側に保つことで、動植物油脂を可溶性の脂肪酸塩に加水分解することができるので、微生物による分解効率は向上し、スカムの発生も抑制することができる。
また、こうしたpH条件下で処理を行うことで、反応液中の細菌の種類は限定され、Pseudomonas属細菌やBacillus属細菌等のアルカリ域で優占的に生育する細菌が占有するようになる。このため、酵母や糸状真菌、糸状性バルキングの原因となる糸状性細菌、あるいは細菌を捕食する微小動物類の繁殖は制限され、非凝集性細菌を成長させるために適した環境となる。
第一生物処理槽3の適切なpH範囲としては、pH8.0から好気性従属栄養微生物の成育限界であるpH12であり、さらに最適なpH範囲としてはpH8.5〜9.0である。このようなpH値に維持するための方法としては、処理槽3内の溶液のpHを連続的あるいは間欠的に測定し、その変動を補正するように水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ成分を添加する方法が挙げられる。
本発明では、油脂含有廃水及び/又は第一生物処理槽3内の反応液を乳化処理すると共に、第一生物処理槽3のpH条件を8.0以上、好ましくは8.5〜9.0とすることにより、これらの相乗効果で著しく良好な分解効率を得ることができ、第一生物処理槽3においては、有機成分80%以上、望ましくは90%以上が酸化分解されると共に、前述のような油脂濃度の油脂含有廃水中の油脂分をn−ヘキサン抽出物濃度100mg/L以下、望ましくは30mg/L以下にまで分解することができる。
本発明において、第一生物処理槽3の微生物量を維持するために、市販の微生物製剤やその培養物あるいは活性汚泥を第一生物処理槽3に適宜投入することは可能である。あるいは、微生物担体を投入することもできる。添加する担体の形状は、球状、ペレット状、中空筒状、糸状等の任意であり、大きさも0.1〜10mm程度の径で良い。また、担体の材料は天然素材、無機素材、高分子素材等任意であり、ゲル状物質を用いても良い。第一生物処理槽3では、さらに油脂の分解を促進させる公知の方法、例えば、油脂分解細菌、油脂分解真菌、リパーゼ等の油脂分解酵素、界面活性剤等を別途添加することもでき、また、機械的攪拌等で油脂の分散を促進する方法を採用することもできる。このようにすることでBOD容積負荷5kg/m/d以上の高負荷処理も可能となる。
第一生物処理槽3を経た処理水は、pH8.0以上の条件で処理した場合は、必要に応じて酸によって中和後、第二生物処理槽4に送ることが望ましい。あるいは、第一生物処理槽3を経た処理水を受け入れることにより上昇した第二生物処理槽4のpHを酸によって適宜補正することもできる。かかる操作によって、第二生物処理槽4のpHは6以上8以下、特に6.5〜7.0に維持することが望ましく、このpH調整に用いる酸としては、塩酸、硫酸等を利用することができる。
この第二生物処理槽4では、残存している有機成分の酸化分解、非凝集性細菌の自己分解及び微小動物による捕食による余剰汚泥の減量化が行われる。第二生物処理槽4では細菌に比べ増殖速度の遅い微小動物の働きと細菌の自己分解を利用するため、微小動物と細菌が系内に留まるような運転条件及び処理装置を用いなければならない。そこで第二生物処理槽4には、図1に示すような汚泥返送を行う活性汚泥法又は膜分離式活性汚泥法を用いることが望ましい。さらに望ましくは曝気槽内に担体を添加することで微小動物の槽内保持量を高めることができる。
また、微小動物汚泥(第二生物処理槽汚泥)を定期的に入れ替える、即ち、微小動物や糞を間引くため、第二生物処理槽4は、SRTを40日以下、望ましくは30日以下、さらに望ましくは10日以上30日以下の範囲内で一定に制御することが望ましい。この第二生物処理槽4には、微小動物の成育を促進するための、液糖、米糠、ビールの絞り粕、植物性油の絞り粕、甜菜粕、貝殻粉、卵殻、野菜エキス、魚肉エキス、各種アミノ酸、リン脂質、各種ビタミン等の後生動物の増殖促進に効果のある栄養剤を1種を単独で又は2種以上を混合して添加することもできる。
第二生物処理槽4の処理水は沈殿槽5で固液分離され、分離水は処理水として系外へ排出される。また、分離汚泥の一部は余剰汚泥として系外へ排出され、一部は第二生物処理槽4に返送され、残部は第三生物処理槽6に送給される。分離汚泥の第二生物処理槽4と第三生物処理槽6への汚泥返送比率は、以下の第三生物処理槽6での汚泥滞留時間を維持できれば良く、発生汚泥量にあわせて任意に変化させることができる。
図1の方法では、微小動物が分散菌の捕食を行っている第二生物処理槽4内の汚泥を固液分離して得られる汚泥の少なくとも一部を第三生物処理槽6に導入して、好気性硝化を行うことにより、更に減容化する。この汚泥の好気性硝化は第二生物処理槽4内汚泥に対して行っても良く、従って、第三生物処理槽6へは、沈殿槽5の分離汚泥ではなく、第二生物処理槽4から引き抜いた汚泥を導入しても良い。また、沈殿槽5の分離汚泥と第二生物処理槽4から引き抜いた汚泥の両方を第三生物処理槽6に導入しても良い。
また、この第三生物処理槽6にも沈殿槽を設けて汚泥返送を行う好気処理法、或いは担体を添加した流動床又は膜分離式好気処理法とすることで汚泥滞留時間を長くしても良い。第三生物処理槽6からの汚泥の一部又は全部は第二生物処理槽4に返送しても良いし、固液分離し、処理水は第一生物処理槽3及び/又は第二生物処理槽4へ、固形分は第二生物処理槽4へと返送しても良い。また、固形分を返送せずに、余剰汚泥として引き抜いても良い。
図1の方法は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示の方法に限定されるものではない。
例えば、第一生物処理槽3は、高負荷処理のために、後段の沈殿槽5の分離汚泥の一部を返送する他、前述の如く、担体を添加した流動床方式としたり、2槽以上の生物処理槽を直列に設けて多段処理を行っても良い。特に、担体の添加により、高負荷処理も可能となり、好ましい。また、第二生物処理槽4では、前述の如く、細菌に比べ増殖速度の遅い微小動物の働きと細菌の自己分解を利用するため、微小動物と細菌が系内に留まるような運転条件及び処理装置を採用することが重要であり、このために、第二生物処理槽4は、図1に示すように、汚泥の返送を行う汚泥返送式生物処理を行う他、槽内に分離膜を浸漬して膜分離式活性汚泥処理を行うことも望ましい。更に望ましくは、曝気槽内に担体を添加することで微小動物の槽内保持量を高めることができる。この場合の担体としては、第一生物処理槽3に添加する担体として前述したものと同様のものを用いることができる。
また、第三生物処理槽6は必ずしも必要とされず、沈殿槽5の分離汚泥の一部を余剰汚泥として系外へ排出し、残部を第二生物処理槽4に返送するようにしても良い。更に第三生物処理槽6を多槽化して嫌気性処理と好気性処理を組み合わせるようにしても良い。
以下に、実験例を挙げて本発明の効果を示す。
実験例1
実効容積が4Lの培養槽装置を用いて、本発明の生物処理方法における第一生物処理工程を模擬した実験を行った。培養形態は、8h培養後に培養槽より培養液を1L/分の流速で2L引抜き、その後新たな原水を同じ流速で2L添加する流れを1サイクルとし、このサイクルを8h毎に繰り返す運転方式(SBR(シークエンシング・バッチ・リアクター)方式)とした。pHは7.5、温度25℃、通気量1vvmとした。
被処理水(培地)の組成は下記表1の通りであり、いずれも肉エキス、魚肉エキス、液糖、無機塩類は脱塩素水道水に予め溶解し、オリーブ油は1サイクル当たり800mgを別途添加した。
Figure 0004815827
乳化方式では、予めオリーブ油を50g/Lとなるように水に溶解し、さらに1L当たり0.5gとなるように「ツイン80(アトラス社商標)」を添加した後、添加直前にホモジナイザー(IKAウルトラタックスT18:IKAジャパン株式会社)を用い14000rpm、2分間の条件で乳化させたもの(乳化オリーブ油)を16mL滴下した。一方、直接添加方式ではオリーブ油を原水添加時に800mg直接滴下した。
最初に両方の培養槽に、2Lの脱塩素水と2Lの原水及び5重量%濃度乳化オリーブ油を16mL加え、市販の油脂分解用微生物製剤2種類をそれぞれ4gずつ投入し、上記培養条件で16時間培養した。その後2日間、乳化オリーブ油を含む培地を用いて8hサイクルのSBR方式で馴養を行った後、比較試験を開始した。
即ち、装置Aには乳化オリーブ油を継続して供し、装置Bにはオリーブ油を直接添加する方式とした。また、装置Aでは原水投入2時間後に水面付近より培養液を400mL引抜き、0.1重量%ツイン80水溶液を0.8mL添加してホモジナイザーで14000rpm、1分間の条件で乳化した後、第一培養槽に再び戻す処理を行った。
以上の試験条件において、処理水のn−ヘキサン抽出物濃度の測定と培養状況の観察を行い、結果を図2及び表2に示した。
Figure 0004815827
図2及び表2より次のことが分かる。
即ち、装置Aでは約2週間にわたり処理水中のn−ヘキサン抽出物濃度は20mg/L以下で、油脂の凝集塊(スカム)の発生も見られなかった。培養液中の菌体も顕微鏡観察の結果、80〜90%が分散性の細菌であった。しかし、装置Bでは、試験開始10日目よりスカムの発生がおこり、処理水中のn−ヘキサン抽出物濃度も高く、また不安定であった。培養液中の分散性の細菌の割合は60〜70%であり、長さ10〜20μmのフィラメント状の細菌や糸状性細菌が多く観察された。
本発明の有機性廃水の生物処理方法は、食品工場や厨房廃水をはじめとした広い濃度範囲の油脂を含有する油脂含有廃水の処理に利用することができる。
本発明の有機性廃水の生物処理方法の実施の形態を示す系統図である。 実験例1における処理水のn−ヘキサン抽出物濃度の経時変化を示すグラフである。
1 貯留槽
2 機械攪拌式乳化装置
3 第一生物処理槽
4 第二生物処理槽
5 沈殿槽
6 第三生物処理槽

Claims (9)

  1. 有機性廃水を第一生物処理工程に導入して非凝集性細菌により生物処理し、該第一生物処理工程からの非凝集性細菌を含む処理水を第二生物処理工程に導入して活性汚泥処理する有機性廃水の生物処理方法において、
    該有機性廃水は油脂を含有する油脂含有廃水であり、
    該第一生物処理工程内の反応液を連続的又は間欠的に抜き出して乳化処理した後該第一生物処理工程に戻すことを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  2. 請求項1において、前記油脂含有廃水と第一生物処理工程から抜き出した反応液を乳化処理した後前記第一生物処理工程に送給することを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記第一生物処理工程から抜き出した反応液、或いは前記油脂含有廃水第一生物処理工程から抜き出した反応液に界面活性剤を添加することにより乳化処理を行うことを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  4. 請求項において、前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  5. 請求項において、前記ノニオン系界面活性剤が糖脂肪酸エステル類であることを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  6. 請求項1ないしいずれか1項において、前記油脂含有廃水が油脂をn−ヘキサン抽出物濃度として100mg/L以上含有することを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記第一生物処理工程のpHを8.0以上とすることを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  8. 請求項において、前記第二生物処理工程のpHを6〜8とすることを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記第二生物処理工程の処理水を固液分離する固液分離工程と、該固液分離工程の分離汚泥の少なくとも一部及び/又は第二生物処理工程から引き抜いた汚泥を処理する第三生物処理工程とを有することを特徴とする有機性廃水の生物処理方法。
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