JP2017001036A - 含油脂廃水処理における、微生物への負荷、余剰微生物生成量及び消費電力量の低減方法 - Google Patents

含油脂廃水処理における、微生物への負荷、余剰微生物生成量及び消費電力量の低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】含油脂排水の処理において、簡便かつ確実に、処理に用いる微生物への負荷を低減する方法及び余剰微生物生成量を低減する方法並びに消費電力量を低減する方法を提供する。【解決手段】含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法であって、含油脂排水の油脂を、油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段を用いて分解する油脂分解工程と、当該油脂分解工程で分解された排水を含む処理系内の排水を微生物を用いて処理をする微生物処理工程と、当該微生物処理工程で微生物を用いて処理された排水中の余剰微生物を分離する微生物分離工程と、を含むことを特徴とする含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法。【選択図】図1

Description

本発明は、含油脂排水の処理において、予め含油脂排水の油脂を分解することにより、分解された排水を含む処理系内における排水の微生物による処理後の微生物への負荷を低減する方法及び余剰微生物生成量を低減する方法並びに消費電力量を低減する方法に関する。
飲食店の厨房や食品工場などから排出される動植物油脂を含む含油脂排水は、活性汚泥により処理をする場合、油脂分がそのまま曝気槽や沈殿槽に流れ込み、活性汚泥への負荷を増加させて活性汚泥の不調を招き、含油脂排水を円滑に処理できないことがあった。また、油脂分が固化し処理施設の配管等を閉塞することがあった。
また、含油脂排水の処理による活性汚泥への負荷が増加することにより、増大した余剰活性汚泥は産業廃棄物として処理される。しかし、近年、産業廃棄物の埋め立て地の確保は困難になりつつあり、処理費用も年々高騰する傾向にある。また、含油脂排水の処理施設では、微生物処理での消費電力量が多く、処理施設の運用に多大な費用を要している。
このような状況下、活性汚泥への負荷の低減化、余剰汚泥の低減化及び消費電力量の低減化が求められていた。
上記の状況下、従来、含油脂排水を処理するための提案がある。動植物油を含有する高濃度の動植物油含有排水を前処理することなく直接生物処理し、負荷変動に強く、臭気及び余剰汚泥の発生を抑制できる動植物油含有排水の処理方法がある(特許文献1参照)。
また、廃水を予め油脂分と分離水に分離し、分離水を生物処理工程で処理し、油脂分は生物学的に分解する好気的分解工程で処理し、得られた分解工程の微生物含有液を分離水あるいは分離水の生物処理工程に注入して処理する油脂含有有機性廃水の処理方法及び装置がある(特許文献2参照)
特開2002−18458号公報 特開平4−235799号公報
しかし、特許文献1に記載の発明は、pHを調整する工程や余剰汚泥の発生を抑制するために散水濾床で処理する工程が不可欠で、工程が煩雑であり、また消費電力量を低減できることについての開示がない。特許文献2に記載の発明は、活性汚泥への負荷を低減できること及び余剰汚泥生成量を低減できること並びに消費電力量を低減できることについての開示がない。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、含油脂排水の処理において、簡便かつ確実に、処理に用いる微生物への負荷を低減する方法及び余剰微生物生成量を低減する方法並びに消費電力量を低減する方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法であって、含油脂排水の油脂を、油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段を用いて分解する油脂分解工程と、当該油脂分解工程で分解された排水を含む処理系内の排水を微生物を用いて処理をする微生物処理工程と、を含むことを特徴とする含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法を要旨とする。この発明において、微生物処理工程における微生物は、活性汚泥でもよい。
本発明は、含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法であって、含油脂排水の油脂を、油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段を用いて分解する油脂分解工程と、当該油脂分解工程で分解された排水を含む処理系内の排水を微生物を用いて処理をする微生物処理工程と、当該微生物処理工程で微生物を用いて処理された排水中の余剰微生物を分離する微生物分離工程と、を含むことを特徴とする含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法を要旨とする。この発明において、微生物処理工程における微生物は、活性汚泥でもよい。また、これらの発明において、油脂分解工程は分離水と油脂分に分離した含油脂排水の油脂分を取り出し、当該油脂分の油脂を分解してもよい。
上記の含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法において、油脂分解工程における油脂の分解は、含油脂排水又は含油脂排水の油脂分を取入れる取入口と分解された排水の一部を残して排出可能に形成された排出口とを有する容器本体と、当該容器本体内に設けられ、容器本体内の前記含油脂排水又は前記含油脂排水の油脂分を撹拌する撹拌手段と、を備えてなる油脂分解装置を用い、前記容器本体内で油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段により行ってもよい。また、この発明において、流失を防止しつつ油脂を分解する物質を収容する前記含油脂排水又は前記含油脂排水の油脂分が通過自在なホルダーが前記容器本体内に設けられてなる油脂分解装置を用いて行ってもよい。
上記の含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法において、油脂分解工程で用いられる油脂を分解する物質は、固定化酵素又は固定化微生物でもよい。
本発明は、含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法であって、含油脂排水の油脂を、油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段を用いて分解する油脂分解工程と、当該油脂分解工程で分解された排水を含む処理系内の排水を微生物を用いて処理をする微生物処理工程と、を含むことを特徴とする含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法を要旨とする。この発明において、微生物処理工程における微生物は、活性汚泥でもよい。また、これらの発明において、油脂分解工程は分離水と油脂分に分離した含油脂排水の油脂分を取り出し、当該油脂分の油脂を分解してもよい。
上記の含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法において、前記油脂分解工程における油脂の分解は、含油脂排水又は含油脂排水の油脂分を取入れる取入口と分解された排水の一部を残して排出可能に形成された排出口とを有する容器本体と、当該容器本体内に設けられ、容器本体内の前記含油脂排水又は前記含油脂排水の油脂分を撹拌する撹拌手段と、を備えてなる油脂分解装置を用い、前記容器本体内で油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段により行ってもよい。また、この発明において、流失を防止しつつ油脂を分解する物質を収容する前記含油脂排水又は前記含油脂排水の油脂分が通過自在なホルダーを前記容器本体内に設けられてなる油脂分解装置を用いて行ってもよい。
上記の含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法において、油脂分解工程で用いられる油脂を分解する物質は、固定化酵素又は固定化微生物でもよい。
本発明の含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法によれば、処理に用いる微生物への負荷を低減し当該微生物の不調を防止でき、ひいては含油脂排水の円滑な処理を可能とする。本発明の含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法によれば、油脂が十分に分解され、産業廃棄物として油脂を搬出処分する必要がなく、含油脂排水の処理コストの節減ができる。また、本発明の含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法によれば、余剰微生物が低減し、産業廃棄物量の抑制ができ、ひいては産業廃棄物の埋め立て地不足の問題の解決に資すること及び産業廃棄物の処理費用の節減に資することができる。本発明の含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法によれば、含油脂排水の処理施設の運転コストを節減でき、ひいてはエネルギー消費を抑制できる。
実施の形態に係る含油脂排水の処理工程を模式的に示す説明図である。 実施の形態に係る含油脂排水の処理に用いる油脂分解装置の模式的な断面図である。 実施例に係る含油脂排水の処理工程を模式的に示す説明図である。 実施例に係る含油脂排水の処理に用いる油脂分解装置の断面図である。 実施例に係る含油脂排水の処理に用いる油脂分解装置の平面図である。 実施例に係る含油脂排水の処理施設内の酵素活性とノルマルヘキサン濃度の関係を示すグラフである。 実施例に係る含油脂排水の処理施設内の処理水量とBOD・ノルマルヘキサン濃度との関係を示すグラフである。 実施例に係る含油脂排水の処理施設内の処理水量当たりの汚泥量を示すグラフである。 実施例に係る「活性汚泥+サラダ油」と「活性汚泥+サラダ油+固定化リパーゼ」をそれぞれ24時間培養した後の浮遊する活性汚泥の沈殿の経時的な変化を示す写真像である。 実施例に係る含油脂排水の処理施設内の曝気槽における油脂分解用ブロワの稼働台数と曝気用ブロワの稼働台数の経時的な変化を示すグラフである。 実施例に係るサンプルを24時間培養した後静置した培養液の様子を示す写真像及び各種データを示す。 実施例に係るサンプルを48時間培養した後静置した培養液の様子を示す写真像及び各種データを示す。 実施例に係るサンプルを72時間培養した後静置した培養液の様子を示す写真像及び各種データを示す。 実施例に係る24、48、72時間培養したサンプルのサンプル消費量の推移を示すグラフである。 実施例に係る24、48、72時間培養したサンプルの菌体乾燥重量の推移を示すグラフである。 実施例に係る0、72時間培養したサンプルの菌体重量とn-Hex抽出物量を示すグラフである。 実施例に係るサンプルを2時間撹拌し静置後の上層の様子を示す写真像及び各種データを示す。 実施例に係るサンプルを2時間撹拌し静置後の菌体重量と抽出物重量を示すグラフである。 実施例に係るサンプルを2時間撹拌し静置後の菌体重量と排水中分散油分(抽出物重量)と菌体付着油分(抽出物重量)を示すグラフである。
次いで、図面を参照しながら、本発明を実施の形態により説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る含油脂排水の処理工程を模式的に示す説明図である。本発明の実施の形態に係る含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法は、油脂分解工程Aと、微生物処理工程Bと、を含む。また、本発明の実施の形態に係る含油脂排水の処理における余剰微生物生成量の低減方法は、油脂分解工程Aと、微生物処理工程Bと、微生物分離工程Cと、を含む。
厨房や食品工場などから排出される含油脂排水の油脂は、油脂分解工程Aにより脂肪酸とグリセリンに分解される。油脂の分解は、油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段により行う。油脂を分解する物質は、油脂を脂肪酸とグリセリンに分解する作用を有する物質であれば特に限定がない。このような物質として、酵素、固定化酵素、微生物、固定化微生物、酸、アルカリなどを例示できる。また、酵素はリパーゼを例示できる。リパーゼの起源は特に限定されないが、カンジダ(Candida)、シュードモナス(Pseudomonas)、バチルス(Bacillus)、エンテロバクター(Enterobacter)、アシネトバクター(Acinetobacter)などの油脂分解菌の生産するリパーゼを例示できる。また、酵素の固定化は、公知の方法で行うことができ、担体結合法、架橋法、包括法などを例示できる。油脂を分解する手段は、油脂を脂肪酸とグリセリンに分解する手段であれば特に限定されず、例えば加熱処理を例示できる。含油脂排水の油脂は、主として動植物油脂である。
油脂分解工程Aは、予め含油脂排水を重力沈降により油脂分と分離水に分離し、油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段により分離した油脂分の油脂を分解してもよい。これにより、油脂の分解率を高めることができる。
油脂分解工程Aにおける油脂の分解は、図2に示す、含油脂排水又は含油脂排水の油脂分を取入れる取入口1と分解した排水の一部を残して排出可能に形成された排出口2とを有する容器本体3と、当該容器本体3内に設けられ、容器本体3内の含油脂排水又は含油脂排水の油脂分を撹拌する撹拌手段4と、を備える油脂分解装置10を用い、当該油脂分解装置10の容器本体3内で油脂を分解する物質又は油脂を分解する手段により行ってもよい。これにより、油脂と油脂を分解する物質の接触が増加し、油脂の分解を高めることができ、ひいては処理に用いる微生物への負荷を低減させ、余剰微生物の生成量の低減に資することができる。また、撹拌手段4は、駆動源によりブレードを回転させる構成を例示できる。また、油脂分解装置10に流失を防止しつつ油脂を分解する物質を収容する含油脂排水又は含油脂排水の油脂分が通過自在なホルダー5を容器本体3内に設けてもよい。ホルダー5は、流失を防止しつつ油脂を分解する物質を収容でき、かつ含油脂排水又は含油脂排水の油脂分が通過自在である限り、特に構成に限定はない。このようなホルダー5として、ネット体や油脂を分解する物質ごとワンタッチで交換が可能な油脂を分解する物質が収容される多孔性の容器を例示できる。これにより、油脂を分解する物質の喪失を防ぐことができ、ひいては油脂の分解率を高めかつ経済性を高めることができる。
油脂分解工程Aで分解された排水を含む処理系内の排水は、微生物処理工程Bに進み、微生物の作用により嫌気的あるいは好気的に有機物が分解される。微生物により好気的に有機物を分解する場合、曝気が行われる。微生物処理工程Bで用いる微生物は、有機物を分解する微生物であれば特に限定されず、例えば活性汚泥あるいは膜やシート等に有機物を分解する微生物を取り込み固定化したものを挙げられる。
微生物処理工程Bで微生物により処理された排水は微生物分離工程Cに進み、排水中の余剰微生物が分離される。余剰微生物とは、一定の微生物濃度に調整する場合、過剰に増加した分の微生物をいい、微生物が活性汚泥であれば余剰汚泥と呼ぶ。分離された余剰微生物の一部は処理系外へ排出される。また、分離された余剰微生物の一部は微生物処理工程Bに戻され、処理系内の排水の微生物による処理が繰り返されることがある。微生物分離工程Cにおける余剰微生物を分離する方法は、微生物で処理された排水中の余剰微生物を分離できる限り特に限定されない。例えば、処理系内の排水の流速を緩め固液分離により浮遊する余剰微生物を沈殿させて分離しても、また、分離膜を用いて分離してもよい。
上記のように構成される工程を含む含油脂排水の処理によれば、処理に用いる微生物への負荷を低減化でき、また余剰微生物を低減化できる。
なお、微生物処理工程Bで処理に用いる微生物として、膜やシート等に微生物を取り込み固定化したものを用いる場合は微生物分離工程Cは不要となる。
本発明の含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法は、上記の実施の形態に限定されず、油脂分解工程と、微生物処理工程と、を含む限り、他の工程を更に含んでもよい。このような工程として、微生物処理工程で微生物により処理された排水から余剰微生物を分離する微生物分離工程、処理系内の排水の固形物を除去するスクリーン工程及び油脂分解工程で処理系内の排水の水量・負荷を調整する調整工程を例示できる。また、本発明の含油脂排水の処理における余剰微生物の低減方法は、上記の実施の形態に限定されず、油脂分解工程と、微生物処理工程と、微生物分離工程と、を含む限り、更に他の工程を含んでもよい。このような工程として、処理系内の排水の固形物を除去するスクリーン工程や油脂分解工程で処理系内の排水の水量・負荷を調整する調整工程を例示できる。また、本発明の含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法及び含油脂排水の処理における余剰微生物の低減方法において、油脂分解工程及び微生物処理工程をそれぞれ複数含むこともできる。例えば、油脂分解工程と微生物処理工程の間に油脂分解工程で生成した脂肪酸を資化する微生物により脂肪酸を分解する微生物処理工程を含ませることができる。これにより油脂の分解や微生物による処理を促進でき、ひいては処理に用いる微生物への負荷を一段と低減でき、また余剰微生物生成量を一段と低減できる。
本発明の含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法は、上記の含油脂排水の処理における処理に用いる微生物への負荷の低減方法と同様の工程により構成される。含油脂排水の処理における消費電力量の低減方法は、油脂分解工程と、微生物処理工程と、を含む限り、既述の他の工程を含んでも、また油脂分解工程及び微生物処理工程をそれぞれ複数含んでもよい。この構成により、微生物処理工程における消費電力量を低減できる。
次いで、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕(処理施設内の油脂の状況の検討)
図3に示す処理工程からなる処理施設において、食品工場から排出される含油脂排水の処理を行った。当該処理施設は、原水槽20と図4、図5に示す油脂分解装置100と曝気槽21と沈殿槽22とから構成される。
すなわち、食品工場から排水された含油脂排水は原水槽20に集積される。原水槽20内の含油脂排水の分離水と分離した油脂分は、上記の油脂分解装置100の容器本体60内に取り入れられ、固定化リパーゼ(天野エンザイム株式会社製)の作用により油脂が分解される。分解で生じた脂肪酸とグリセリンを含む排水は一部を残して原水槽20に排出される。当該排水を含む処理系内の排水は、曝気槽21に進み活性汚泥により微生物処理される。曝気槽21で活性汚泥により微生物処理された排水は沈殿槽22に進み、浮遊する活性汚泥は固液分離され余剰汚泥として沈殿する。余剰汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽21に戻される(図示省略)。また、余剰汚泥の一部は処理系外に除去され、産業廃棄物として処理される。沈殿槽22の上澄みは、放流水として処理される。
次いで、油脂分解装置100を詳述する。油脂分解装置100は、図示しない吸引ポンプにより原水槽20内で重力沈降により分離水と分離した油脂分を取入れる取入口61と分解された排水の一部を残して排出可能に形成された排出口62とを有する容器本体60と、当該容器本体60内に設けられ、流失を防止しつつ固定化リパーゼを収容する油脂分が通過自在なホルダー70と、容器本体60内の油脂分を撹拌する撹拌装置75と、エアレーション装置80と、ヒーター83と、を備えている。
容器本体60は、上部が開口する有底円筒状の容器から構成される。容器本体60の上方には、原水槽20から取り出された油脂分を取入れるための取入口61が形成され、容器本体60の下端近傍に分解された排水を排出するための排出口62が形成される。排出口62は、電磁弁63により開閉が制御される。容器本体60の上部の開口には、中央部に貫通孔を有する蓋体64が着脱自在に取り付けられる。また、容器本体60の内部は、断熱材が内設され、ステンレス板が内張される。なお、電磁弁63の開閉を調整することなく、開いた状態のままで連続的に油脂を分解することもできる。
ホルダー70は、ステンレス製の円筒状のネット体で構成される。ネット体の網目の大きさは10メッシュに形成される。ネット体の網目の大きさは、含油脂排水が自在に通過でき、かつ投入される固定化リパーゼの流失を防ぐことができれば10メッシュに限定されない。また、固定化リパーゼの嵩比重は、0.15〜0.2が好ましく、0.16〜0.18がより好ましい。固定化リパーゼの嵩比重が0.15より小さいと固定化リパーゼがホルダー70の上部に偏在して浮遊することが多くなり、油脂分との接触が悪くなるおそれがある。また、固定化リパーゼの嵩比重が0.2より大きいと固定化リパーゼがホルダー70の下部に偏在して浮遊することが多くなり、やはり油脂分との接触が悪くなるおそれがある。ホルダー70は、その上部に形成されたフランジが蓋体64の下面に着脱可能に取り付けられる。
撹拌装置75の撹拌棒76を駆動する直交モータ77は、蓋体64の上面側に取り付けられる。当該撹拌棒76は、蓋板64に形成された貫通孔に挿通され、ホルダー70内で回転できるようになっている。また、撹拌棒76には、その上部と下部の2箇所に撹拌羽根78が設けられる。
油脂分解装置100には、エアレーション装置80が設けられる。エアレーション装置80は、エアーポンプ81とこれに接続されるエアー排出管82とから構成される。エアー排出管82は容器本体60の下部に設けられ、エアーを供給する。エアー排出管82の近傍には、ヒーター83が設けられ、温度の制御は温度センサー85により行われる。また、油脂分解装置100は、原水槽20から取り出される油脂分を制御するために液面センサー84が設けられる。
排出口62の下方には、ドレーンバルブで開閉自在なメンテナンス用排出口65が形成される。容器本体60の底部は、このメンテナンス用排出口65に向けて次第に下がるテーパーが形成される。また、容器本体60の上部には、取り出された油脂分のオーバーフローに対応する非常用排出口66が形成される。
油脂分解装置100内には、有機物を資化する微生物が含まれる。このような微生物は、好気性の微生物、嫌気性の微生物、複数の微生物を混在したもの、あるいは市販される微生物製剤でも良い。
ヒーター83による加温は、微生物の増殖・活性化及びリパーゼの活性化のために行われる。
上記の構成の油脂分解装置100を用いれば、固定化リパーゼに好適な温度下、撹拌装置75により油脂分と固定化リパーゼとの接触が十分に高められので、油脂の分解反応が促進され、油脂を高い分解率で分解することが可能となる。
上記で説明した処理施設内の油脂の状況を以下のように検討した。すなわち、2008年12月〜2009年9月に亘り、油脂分解装置100を作動させることなく含油脂排水の処理を行い(以下、「実験前」という)、曝気槽21入口と曝気槽21出口における油脂の状況、すなわちトリグリセリド量、脂肪酸量及びノルマルヘキサン濃度(トリグリセリド量+脂肪酸量)を不定期に複数回測定し、その平均値を表1に示した。
また、2010年4月〜2010年7月に亘り、油脂分解装置100を作動させて含油脂排水の分解を行い(以下、「実験後」という)、同様にトリグリセリド量、脂肪酸量及びノルマルヘキサン濃度(トリグリセリド量+脂肪酸量)を不定期に複数回測定し、その平均値を表2に示した。
表1及び表2から、曝気槽21入口のノルマルヘキサン濃度は、実験前と実験後で差異がなかった。しかし、実験後の曝気槽21入口の脂肪酸量及び酸価分解率は、実験前の数値より約3倍高く、油脂は油脂分解装置100により十分に分解されていた。実験後の曝気槽21出口のノルマルヘキサン濃度は、実験前の数値の約1/3と低かった。以上の結果から、油脂を分解して減少させれば、活性汚泥に対する負荷を低減させることができ、これにより余剰汚泥の生成量を低減できることが分かった。実際、沈殿槽22で処理された実験後の余剰汚泥の生成量は、実験前と比べ十分に低減していた(図8参照)。
〔実施例2〕(酵素活性とノルマルヘキサン濃度の関係の検討)
実施例1で説明した処理施設で同様に含油脂排水の処理を行い、2009年4月〜2010年7月に亘り曝気槽21入口と曝気槽21出口におけるノルマルヘキサン濃度(油脂)を不定期に複数回調べた。結果は、図6に示した。図6の実験開始時期は、油脂分解装置100を作動させ、油脂の分解を開始した時期である。
図6の結果から、実験実施前は曝気槽21出口のノルマルヘキサン濃度が高く、油脂はほとんど分解されず、活性汚泥に吸着されていたと考えられる。実験開始(連続運転)後約1ヶ月で処理施設内の活性汚泥が入れ替わり、2010年6月以降、固定化リパーゼを取り替えた効果もあり、曝気槽21出口におけるノルマルヘキサン濃度は顕著に減少していた。しかし、酵素活性が低下するとノルマルヘキサン濃度は上昇傾向にあった。2010年7月後半のノルマルヘキサン濃度の上昇は、酵素活性低下に加え、処理水量の増加と汚泥負荷の上昇にも起因すると考えられる。よって、酵素活性を適正に維持しさえすれば油脂を確実に分解して減少させ、活性汚泥に対する負荷を低減することが可能であると考えられる。
〔実施例3〕(処理水量とBOD・ノルマルヘキサン濃度の関係の検討)
実施例1で説明した処理施設で同様に含油脂排水の処理を行い、2009年4月〜2010年7月に亘り処理水量と汚濁負荷(BOD、ノルマルヘキサン濃度)を毎月調べた。
結果は、図7に示した。図7の実験期間においては、油脂分解装置100を作動させ油脂の分解を行った。
図7の結果から、実験期間当初は処理水量と汚濁負荷共に低い状態で推移していたが、実験後半は処理水量が増加したことから汚濁負荷の総量も高まるものと予想された。しかし、実験期間中は実験期間以前に比べ、処理水量の増加の割に汚濁負荷が低減されていることが分かった。したがって、油脂を分解して減少させれば処理水量が増加しても汚濁負荷(BOD、ノルマルヘキサン濃度)を低減させることが可能であると考えられる。
〔実施例4〕(処理水量当たりの汚泥量の検討)
実施例1で説明した処理施設で同様に含油脂排水の処理を行い、2009年4月〜2010年7月に亘り処理水量当たりの汚泥量を毎月調べた。結果は、図8に示した。図8の実験期間は、油脂分解装置100を作動させ油脂の分解を行った。
図8の結果から、実験期間以前、実験期間当初においては、処理水量の増加に伴い汚泥量も増加する傾向が見られる。これに対し、実験期間中盤以降では、処理水量が増加しているにも拘わらず、汚泥量が低減している。これは、処理施設内の油脂が分解されて減少した結果、活性汚泥に取り込まれていた油脂が減り、汚泥に転換される油脂が減ったためであると考えられる。また、油脂に阻害されていた活性汚泥の能力が改善された結果であると考えられる。したがって、油脂を分解して減少させれば、活性汚泥への負荷を低減し、また余剰汚泥の生成量を低減することが可能であると考えられる。
〔実施例5〕(余剰汚泥の沈降性の検討)
図9に示すように、「活性汚泥+サラダ油+固定化リパーゼ」は「活性汚泥+サラダ油」に比べ、汚泥の沈殿が早いことが分かった(48時間保存参照)。すなわち、含油脂排水の油脂を固定化リパーゼで分解し、活性汚泥で処理すれば、浮遊する汚泥の沈殿が早くなり、ひいては余剰汚泥の脱水処理の迅速化や凝集剤の節減が可能であると考えられる。
〔実施例6〕(消費電力量の検討)
実施例1で説明した処理施設で同様に油脂分解装置100を作動させて含油脂排水の処理を行った2010年2月1日〜2010年10月31日に亘り、曝気槽21における油脂分解用ブロワの稼働台数と曝気用ブロワの稼働台数を図10に示した。油脂分解装置100を作動させることなく含油脂排水の処理を行った場合、油脂分解用ブロワの稼働台数は常時4台で曝気用ブロワの台数は常時3台であったが(図示せず)、油脂分解装置100を作動させて含油脂排水の処理を行った場合、前者は長期的に3台、後者は短期的に2台の稼働で含油脂排水の処理ができた。この結果、油脂分解装置100を作動させて含油脂排水の処理を行えば、消費電力量を低減化することが可能であると考えられる。なお、油脂分解用ブロワとは、曝気槽21において活性汚泥により油脂を分解するためにエアレーションするブロワである。
〔実施例7〕油脂及び油脂固定化酵素分解物が活性汚泥に及ぼす影響の検討(1)
排水処理施設の好気処理槽の排水を使用し、油脂及び当該油脂の固定化酵素分解物が活性汚泥に及ぼす影響を検討した。
(実験方法)
1.培養
サラダ油(日清オイリオグループ株式会社製)及びサラダ油固定化酵素分解物(サラダ油1gと水100mLと固定化リパーゼ0.1gを40℃で撹拌し得られた脂肪酸割合約95%の油脂固定化酵素分解物、以下、単に「サラダ油分解物」又は「分解物」ということがある)のそれぞれ約1gを食品工場の好気処理槽の排水約100mL(活性汚泥中のノルマルヘキサン抽出物量(以下、「n-Hex抽出物量」という):0.024g)に添加したものを坂口フラスコに入れ、以下の条件で振盪培養を行った。
培養温度:30℃、攪拌:約140rpm、培養時間:24、48、72時間
2.静置観察
培養停止した各培養液を分液ロートに移し入れ、室温で14〜16時間経過後の状態を観察した。
3.抽出
静置観察後、分液ロート内で分離した培養液の菌体を含まない部分(以下、「上層」という)と菌体を含む部分(以下、「下層」という)に分け、それぞれn-ヘキサンで抽出した。
4.菌体乾燥重量測定
下層を抽出後、分液ロートに残った菌体を回収し、105℃、2時間乾燥後の重量を測定した。
結果は、図11〜図16及び表3〜表5に示した。表3は、図11〜図13のデータに基づきサンプル消費量を纏めたものである。図14は、表3のデータをグラフにしたものである。また、表4は、図11〜図13のデータに基づき菌体乾燥重量を纏めたものである。表中の0時間の値(0.609)は、無添加で72時間培養した値である。図15は、表4のデータをグラフにしたものである。図11〜図13及び表3に示されるサンプル消費量は、以下の計算式で求めた。なお、サンプル消費量とは、添加したサラダ油又はサラダ油分解物の消費量をいう。
サンプル消費量=添加量+0.024−n-Hex抽出物量(0.024は、活性汚泥中のn-Hex抽出物量)
表5に0、72時間の培養における菌体重量、n-Hex抽出物量及び菌体付着n-Hex抽出物量を図11〜図13のデータに基づき纏めた。表5に記載のn-Hex抽出物量は、上層と下層の合計量である。また、表5の菌体付着n-Hex抽出物量は、以下の計算式で求めた。
菌体付着n-Hex抽出物量(g)=下層のn-Hex抽出物量(g)−上層のn-Hex抽出物濃度(g/mL)×下層液量(mL)
図16は、表5の菌体重量とn-Hex抽出物量の合計をグラフにしたものである。
図11〜図13に示すように、分液ロートでの菌体の沈殿状態を比較すると、サラダ油を添加したサンプルに比べサラダ油分解物を添加したサンプルの方が沈殿していた。この結果は、排水中の油脂を酵素分解することによって、菌体を沈みやすくする効果がある可能性を示唆している。このように、サラダ油分解物はサラダ油に比べ菌体が沈みやすいことから、実際の排水処理で使用される凝集剤を減らす効果が期待でき、添加する凝集剤分の汚泥が減少すると考えられる。
図14に示すように、サラダ油分解物を添加したサンプルは、サラダ油を添加したサンプルに比べサンプル消費量が経時的に増加している。また、図15に示すように、サラダ油分解物を添加したサンプルは、サラダ油を添加したサンプルに比べ菌体乾燥重量が経時的に増加している。この結果は、サラダ油を酵素分解することで活性汚泥の微生物が消費しやすくなり、サラダ油分解物をエネルギー源として増殖し菌体量が増加したものと考えられる。
表5に示すように、n-Hex抽出物量は、サラダ油を添加したサンプルが9%ほどの減少率に留まったが、サラダ油分解物を添加したサンプルが57%も減少していた。この結果は、サラダ油を酵素分解したことで活性汚泥の微生物によって消費されやすくなり、n-Hex抽出物量は顕著に減少したことによると考えられる。
また、表5に示すように、菌体重量はサラダ油を添加したサンプルが5%程度増加し、サラダ油分解物を添加したサンプルが41%増加していた。この結果は、サラダ油分解物を消費することにより菌体重量が増加したためと考えられる。
図16に示すように、菌体重量+n-Hex抽出物量は、サラダ油を添加したサンプルが4%程度の減少に比べ、サラダ油分解物を添加したサンプルが20%も減少していた。サラダ油分解物を添加したサンプルの場合、固定化リパーゼでサラダ油を分解することによって菌体が消費しやすくなり、増殖によって菌体重量は増加するが、菌体重量の増加分以上にサラダ油分解物を消費するため、菌体重量とn-Hex抽出物量の合計数値が20%も減少したと考えられる。サラダ油分解物を添加した場合、菌体の増加量に対しサラダ油分解物の消費量が多いことから、菌体とその付着物及び水分からなる搬出される余剰汚泥の総量はサラダ油を添加した場合に比べ減少すると考えられる。
〔実施例8〕油脂及び油脂固定化酵素分解物が活性汚泥に及ぼす影響の検討(2)
活性汚泥に対し油脂と油脂固定化酵素分解物で微生物への付着状態に違いがあるかを検討した。
(実施方法)
(1)坂口フラスコに食品工場の好気処理槽の排水100mLを量り入れた(×4本)。
(2)サラダ油(日清オイリオグループ株式会社製)1g、サラダ油固定化酵素分解物(サラダ油1gと水100mLと固定化リパーゼ0.1gを40℃で撹拌し得られた脂肪酸割合約89%の油脂固定化酵素分解物)1gをそれぞれ(1)の排水に添加した。サラダ油を添加したものをサンプル2、サラダ油分解物を添加したものをサンプル3、何も添加しないものをサンプル1とした。
(3)各サンプルを往復振盪機で約2時間攪拌(40℃、140rpm)
(4)室温で1時間放置
(5)各フラスコから分液ロートにデカンテーションで移した。
(6)1.5時間静置
(7)分液ロートで静置後、下層(沈殿物)を対応する坂口フラスコに移した。
(8)分液ロートに残った上層をn-Hexで抽出した。
(9)下層をn-Hexで抽出した。
(10)抽出終了後の菌体をろ紙(No.2)で回収し、110℃、2.5時間乾燥後の重量を測定した。
結果は、図17〜図19及び表6に示した。
図18は、図17のデータに基づき作成した。図17の上層抽出物の状況から、排水中に分散して存在する油分(油脂+脂肪酸、n-Hex抽出物量)と菌体に付着して存在すると考えられる油分を概算した結果を表6に示した。油分の概算は、菌体体積は考慮せず、排水液量は100mLとした。表中の菌体付着油分(菌体付着n-Hex抽出物量)を実施例7と同様に求めた。排水中分散油分の抽出物量(g)は、図17の抽出物合計から菌体付着油分を差し引いて求めた。図17〜図19及び表6の抽出物は、n-Hex抽出物であり、菌体重量は菌体乾燥重量である。また、図17〜図19及び表6の脂肪酸量(g)及び油脂量(g)は、それぞれ以下の計算式で求めた。
脂肪酸量(g)=脂肪酸割合(%)(n-Hex抽出物の酸価を測定して算出)×n-Hex抽出物量(g)
油脂量(g)=n-Hex抽出物量(g)−脂肪酸量(g)
図19は、表6のデータに基づき作成した。
図18、図19に示すように、菌体とn-Hex抽出物重量を合計した重量は、サンプル2のサラダ油に比べ、サンプル3のサラダ油分解物の方が少なくなる傾向が認められた。この結果は、サラダ油分解物をある程度含んでいる場合の菌体重量が増加する傾向が認められることから、脂肪酸が菌体内に取り込まれたか、あるいは増殖に利用された可能性が考えられる。また、菌体への油分の付着は、サラダ油に比べ、サラダ油分解物を与えた方が少なくなる可能性が高いと考えられる。
表6及び図19から、サンプル3のサラダ油分解物は、サンプル2のサラダ油に比べて菌体に付着しないと考えられ、図17の写真像の状態からサラダ油が菌に付着したことで、菌体が沈みにくくなったことが示唆される。
本発明は、余剰微生物生成量を低減させ含油脂排水を処理できるので、環境事業分野に適用できる。
A 油脂分解工程
B 微生物処理工程
C 微生物分離工程
E 固定化リパーゼ
1 取入口
2 排出口
3 容器本体
4 撹拌手段
5 ホルダー
10 油脂分解装置
20 原水槽
21 曝気槽
22 沈殿槽
60 容器本体
61 取入口
62 排出口
64 蓋体
70 ホルダー
75 撹拌装置
76 撹拌棒
77 直交モータ
80 エアレーション装置
81 エアーポンプ
82 エアー排出管
83 ヒーター
100 油脂分解装置

Claims (4)

  1. 含油脂排水を油脂分と分離水に分離する油脂分離工程と、
    含油脂排水又は含油脂排水の油脂分を取入れる取入口と分解した排水の一部を残して排出可能に形成された排出口とを有する容器本体と、当該容器本体内に設けられ、容器本体内の含油脂排水又は含油脂排水の油脂分を撹拌する撹拌手段と、を備える油脂分解装置を用いて、前記油脂分離工程で分離した油脂分をリパーゼにより分解する油脂分解工程と、
    前記油脂分解工程で分解された排水を含む処理系内の排水を微生物を用いて処理をする微生物処理工程と、
    前記微生物処理工程で微生物を用いて処理された排水中の余剰微生物を分離する微生物分離工程と、
    を含むことを特徴とする含油脂排水の処理方法。
  2. 前記微生物処理工程における微生物が活性汚泥である、請求項1に記載の含油脂排水の処理方法。
  3. 前記微生物分離工程が、余剰微生物を沈殿させて分離する方法で行われる、請求項1又は2に記載の含油脂排水の処理方法。
  4. 前記油脂分解工程において使用されるリパーゼが、固定化リパーゼである、請求項1〜3のいずれかに記載の含油脂排水の処理方法。


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