JP2004510451A - 酵素製品の生産プロセス及びその組成、並びに脂肪、タンパク質、及び/または炭水化物内容物を多く含む家庭廃水及び産業廃水の処理における酵素製品の使用方法 - Google Patents

酵素製品の生産プロセス及びその組成、並びに脂肪、タンパク質、及び/または炭水化物内容物を多く含む家庭廃水及び産業廃水の処理における酵素製品の使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、家庭及び産業からの液体、ペースト、及び半固体の廃棄物に用いる酵素製品の製造プロセス及びその組成に関連する。本発明に従って提案される酵素製品は、極めて低価格で手に入るアグリビジネス廃棄物から単離した糸状菌ペニシリウム属によって生産される。

Description

【0001】
本発明は、家庭及び産業からの液体、ペースト、及び半固体であって脂肪、タンパク質、及び/または炭水化物を多量に含む廃水に用いる酵素製品の製造プロセス及びその組成に関連する。本発明は、特に、家庭及び産業からの液体、ペースト、及び半固体の廃水に含まれる脂肪、タンパク質、及び/または炭水化物の酵素分解に用いられる、酵素分解に続く生物学的段階の分解を促進させると共にこのような廃棄物の処理効率を改善する酵素製品に関する。
【0002】
有機物の分解用微生物集合体を用いる生物学的処理は一般的である。用いられる微生物フローラによって2つの処理方法がある。1つは、好気性従属栄養細菌が優性である好気的生物学的プロセスであり、もう1つは、通性嫌気性細菌、及び主として嫌気性細菌が優性である嫌気的生物学的プロセスである。前者は、好気性細菌が呼吸して残渣を利用することができるように酸素を必要としている。後者は、全く酸素が存在しなくても残渣を精製することができる。
【0003】
生物学的プロセスには一連の利点がある。例えば、物理的プロセスまたは化学的プロセスに較べてコストを低減できること、廃水に含まれる有機物を無機物化すること(有機物を二酸化炭素及び水に変換する)がある。更に、プロセスに関与する媒介物、即ち微生物が、それ自身で触媒を生成するため、一旦、反応器でバイオマスが確立され、生存に理想的な条件が維持されると、バイオマスが無限の期間に亘って活性を維持する。また、大抵の生物学的反応器は、パラメータの厳密な制御や専門知識を有する人員を必要としない。これらの全ての利点から、家庭及び産業からの廃液処理に生物学的プロセスが頻繁に用いられている。
【0004】
これらの処理プロセスでは、細菌及び他の微生物が活性状態である保持タンク即ち容器が用いられる。細菌及び他の微生物のほとんどが自然発生し、容器では有機廃棄物が少なくとも部分的に分解されるか、或いは完全に分解される。
【0005】
廃棄物に関連する処理チェーンは様々であり、効果的に処理するためにそれぞれが異なった特有の条件が必要な様々な固有の処理部分を含む場合が多い。処理画分の一般的なチェーンには、洗浄及びすすぎに用いられた水が含まれる。このような水は、洗剤や食物に含まれる炭水化物、脂肪、及び或る種のタンパク質等の有機成分の量が比較的少ないため処理及び廃棄が容易である。
【0006】
別の処理画分として、適切に廃棄される前に十分な処理が必要な、人や動物の排泄物を含む水(家庭の下水)がある。
【0007】
別の成分としては、塗料、パルプ、紙、化学製品、製薬、食物、及び石油製品等の製造などの様々な産業的な活動により生じる廃液がある。このような廃液では、その中に含まれる様々な有機化合物及び非有機化合物(その多くが毒性を有する)を考慮した実制御が必要である。これらの廃液には、乳製品の加工、肉の加工、家禽、豚、及び牛屠殺場からの廃棄物、肉の梱包等のアグリビジネス関連活動により生じる廃棄物も含まれる。
【0008】
これらの廃液は、多量の脂肪及びタンパク質を含み、COD(化学的酸素要求量)の10〜40%を構成し得る。CODとは、廃棄物チェーンにおける有機物の量を示すパラメータのことである。廃棄物チェーンの残りの部分から分離された成分を含む廃棄物の場合は、このCODの値が極端に上昇する。組成に従って廃棄物チェーンを各成分に分離する傾向が強まっていること、また追加処理を殆んど或いは全くしないで再使用するために汚染の少ない部分を得る適切な処理に必要な処理の程度が高くなっていること、更に、汚染度がより高い部分を廃棄物処理プラントに送ることなどにより、このような濃縮された廃棄物の効率的な処理が不可欠となってきた。
【0009】
物理化学的な処理では、タンパク質及び脂肪と、硫酸アルミニウム、塩化第2鉄、及び硫酸第1鉄等の様々な化学組成物との沈降反応により、有機負荷を一部取り除くことができる。しかしながら、これらの試薬のコストが高く、可溶性CODが若干しか除去できないため、生物学的プロセスが頻繁に使用されるようになってきた。
【0010】
このような廃水に含まれる脂肪及びタンパク質は生物分解係数が低い。更に、脂肪は低い温度で固化して、反応器のバイオマスの閉塞や悪臭の発生等の運転レベルにおけるロスが生じることがある。
【0011】
脂肪の分解は極めて遅く、或る種の廃棄物及び一次処理システム(50%未満が保持されている)には脂肪が常に存在するため、脂肪がポンプ及び空気混和装置に問題を起こし、「バルキング(bulking)」と呼ばれる線維状細菌(Nocardia及びMycothrix細菌)の増殖が起こる。
【0012】
好気的反応器では、脂肪が空気混和タンクの表面に安定した泡を形成し、スラッジのフロキュレーション及び沈降が困難になり、生分解に不可欠な気体の入れ替わりがブロックされ、空気混和プールの中への酸素の移入が完全に遮断される。また、脂肪が、二次スラッジ綿状沈降物内に「凝集」即ち「ペレット」が生じ、沈降が困難になり、不快な悪臭が発生し、処理ステーションの効率が低下する。
【0013】
このような問題は、特に嫌気性生物学的反応器において深刻である。これらのプロセスにおける関心は、通気装置を必要としないこと、並びに好気的プロセスよりもスラッジが少なく、比較的省スペースで済むこととは別に、高い有機負荷での廃棄物の処理における利点により増大してきた。嫌気的反応器での、高レベルの脂肪及びタンパク質含有廃水の処理には、浮上分離、及び/または異なった物理特性を有しまた活性の低いスラッジの発生等といった一連の問題がある。スラッジの浮上分離は、反応器の出口からのバイオマス流出を引き起こすため、反応器内のバイオマスの量が減少して処理効率が低下してしまう。バイオマスのドラッグレート(drag rate)によっては、反応器が空になる「ウォッシュアウト」として知られる現象が起こることがある。嫌気性スラッジが表面で脂肪を吸収すると、バイオマスへの可溶性基質の輸送が制限され、それにより基質の変換速度が低下することがある。
【0014】
脂肪の存在によるこれらの問題を解消するためには、脂肪が反応器に入る前に脂肪を除去するための装置が必要である。このような装置の中には、通常は処理ステーション、水/油分離器、及び浮上分離ユニットの前に脂肪ボックスを設けてあるものもある。水/油分離器及び浮上分離ユニットはより精巧であって、脂肪の上昇速度が廃水の流れよりも速くなるように処理すべき廃水が安定化領域に導入されるようになっている。従って、この方式では脂肪の浮上分離ができ、分離した脂肪を手動或いは機械的にその表面から容易に擦り落とすことができる。
【0015】
浮上分離ユニットの場合は、脂肪を表面に浮上させるべく小さな気泡が底部から導入される。これらのユニットで採集できなかった脂肪は、溶存脂肪及び/または乳化脂肪として知られ、廃棄物に含まれて処理システムを進む。経験から、保持ユニットで採集されない脂肪が存在すると、様々な不都合が生じることが分かっている。
【0016】
従って、これらの問題を解消し、上述の不都合を回避するべく、本発明はこのような脂肪及び/またはタンパク質の酵素による加水分解ステージの実施を提案する。この時、生物学的処理段階の前に、これらの物質の部分的分解を許容し、その結果生物学的反応器での滞留時間並びに上述の運転上の問題を低減する、リパーゼ、プロテアーゼ、及び/またはアミラーゼを含む酵素製品を利用する。
【0017】
提案された方法は、廃水に含まれている有機物の大部分が、以下に示す構造式のトリグリセリド、
【0018】
【化1】
Figure 2004510451
で構成されているという事実を基にしている。
【0019】
同一或いは異なるラジカルR、R、Rは、鎖の長さがほぼ同じであって幾分のエチレン不飽和を許容する脂肪酸残基である。これらの脂肪酸の飽和が進めば進むほど、周囲温度において凝固する傾向が強い。本発明に従えば、トリグリセリドは、分解に酵素を用いる手段により処理され、続いて好気的または嫌気的な生物学的手段で処理される。
【0020】
ヒドロラーゼファミリーの酵素を合成及び放出し、かつC−O鎖を切断可能な、天然から単離された微生物か、及び/または実験室で遺伝子組換えされた微生物が存在する。しかしながら、このような微生物を処理システムへ導入すると上記した問題が生じる。トリグリセリドは、極めて遅く、しかも水と脂肪の境界においてのみ分解する。トリグリセリドの疎水性の性質及び貯蔵状態は本来、微生物分解のための十分な水の利用にとっては不都合である。
【0021】
pH及び温度が一定の条件下での水の存在下では、リパーゼがトリグリセリドに連続的に作用し、以下の反応式、
【0022】
【化2】
Figure 2004510451
のようになる。
【0023】
位置1及び3に結合している脂肪酸は攻撃されて遊離するが、
【0024】
【化3】
Figure 2004510451
の様に位置2に結合している脂肪酸は位置1に移る。
【0025】
次に、
【0026】
【化4】
Figure 2004510451
の様に、リパーゼが位置1に作用する。
【0027】
従って、4つの分子、即ちグリセロール(CHOH−CHO−CHOH)と3つの脂肪酸(R−COOH、R−COOH、R−COOH)が得られる。グリセロールは解糖によりピルビン酸に変換され、脂肪酸はβ酸化によりアセテートに変換される。従って、生成された分子はクレブス回路(Krebs Cycle)に入って、微生物に必要なエネルギーを生成し得る。
【0028】
本発明に従えば、糸状菌ペニシリウム属によって生成される固体(発酵廃棄物)または水性(発酵廃棄物から得られる酵素製品)組成物で酵素前処理することによって、廃水中のトリグリセリドを排除するかそのレベルを低下させることができる。この前処理により、続く好気的または嫌気的な生物学的処理段階において微生物集団の活性が良くなる。リパーゼとは別に、真菌は、プロテアーゼやアミラーゼなどの加水分解酵素を生成する。真菌によるこのような加水分解酵素の生成は、処理する廃棄物の特性、言い換えれば、発酵廃棄物中におけるプロテアーゼ濃度が高い必要があるようなタンパク質含有レベルの高い廃水であれば、プロテアーゼの濃度を高めることができる。一方、高炭水化物の廃水は、より高い濃度のアミラーゼ等が必要な場合がある。
【0029】
酵素或いは特異的酵素を産生する微生物培養物を用いる廃水及びスラッジの処理プロセスは、従来の方法と比較して処理時間及び安定化時間を短縮するべく何年にも亘って用いられてきた。
【0030】
微生物及び/または酵素により構成される生物学的組成物の使用により複雑な有機物(脂肪、タンパク質、澱粉、及びセルロース等)を分解するための様々な処理を開示した最新の特許が存在する。
【0031】
微生物スラッジの生分解性を改善するために酵素を使用することは、1976年8月2日に発行された英国特許第1565335号で提案されている。この特許では、脂肪、グリース、及び油を含むスラッジの粒子を粉砕し、水と混ぜて泥を作る。この泥を掻き混ぜて空気混和し、温度を摂氏50〜70度の間に保ち、その泥の中に含まれている好熱性微生物を活動化させる。最大5%(重量%)の酵素の添加により、この泥に含まれる有機物質の90%以上の分解が可能となる。1984年11月20に発行された英国特許第2167399Aには、有機物質及びバイオマスの酵素を用いる処理についてのプロセスが開示されている。この特徴は、(有機物質の乾燥重量に対して)0.01〜1%の範囲の加水分解酵素を含む有機物質が、摂氏30〜60度の温度で30分〜24時間攪拌反応器に入れられる。本発明の目的は、従来の安定化方法(腐敗/発酵、好気的安定化)と較べて水抽出能力及びエネルギー消費の点で不利な点のないように、酵素的に安定化したスラッジの水抽出(hydroextraction)特性を改善して、少量の外来酵素で高い分解効率を達成することである。
【0032】
1990年3月13日に発行されたフランス特許第2659645号は、生物学的手段により残った水に含まれる脂肪物質を分解するための方法に関する。この方法の特徴は、リパーゼ産生細菌を処理システムの脂肪ボックスの中に導入することである。細菌は、支持物質に固定され、脂肪ボックスの表面に近接して浸漬されている防腐材料からなるタイプのバッグ内に封入される。
【0033】
細菌分解プロセスの好気的段階において、Bacillus licheniformers由来の市販のアルカリ蛋白分解酵素を添加することにより、バイオマスの沈降を改善することは、1991年1月1日に発行された米国特許第4981592号に開示されている。0.001%〜0.05%(水溶性有機媒質の容量)の酵素を追加し、その媒質をpH6.5〜7.5の間に維持する。酵素の有利な効果は、摂氏30度〜60度の温度でより顕著である。酵素は、スラッジの沈降速度を速めるのに十分な時間、嫌気的に消化される材料と接触したままであり、これにより、より速く消化されより澄んだ処理水が得られる。1991年5月28日に発行された米国特許第5019267号に、液体有機物質及びバイオマス、特に家庭用廃水処理プラントからのスラッジのコンディショニングが開示されている。0.0001〜1.5%(有機物質の乾燥重量に対して)の割合のキレート剤と1或いは複数の酵素の使用して、有機物質を0.5〜20時間の間、摂氏30度〜60度の温度に保ちながら好気性反応器で分解する。
【0034】
1990年11月30日に発行されたフランス特許第2669916号では、グリースが除去された残存水の処理の後、活性化されたスラッジを含む分解バットにこれらの材料を入れて、脂肪及び脂肪の多い廃棄物を生物学的に分解する方法が提案されている。空気、窒素、及びリンが脂肪を含むバットに加えられ、静止状態で約10日間維持される。本発明に従えば、提案された方法では、95%以上の脂肪が除去され、それと同時にCOD及び固形物の量も低減される。しかしながら、これらの3つの利点にもかかわらず、滞留時間及び必要な空気混入率により、処理コストがかなり増大する。
【0035】
1991年12月10に発行されたフランス特許第2684664号では、高レベルの脂肪及び/またはデンプン材料(スターチ)を含む廃棄物の処理方法が提案されている。好気性発酵による生産におけるこの処理方法は、生物添加物(Aerobacter aerogenes、Bacillus subtilis、Cellulomonas biazotea、Nitrosomonas sp.、Nitrobacter winogradskyi、Pseudomonas denitrificans、P. stutzeri、及びRhodopseudomonas palustrisの株から構成される)を始め、ミネラル塩、基質及び水を含む微生物の豊富な培地を含み、この培地は酸素が制御され、発酵タンクの内容物が永久的リサイクルされる。このようにして得た培地を、内部に生物修復要素(biofixing element)含む空気混和脂肪ボックスに移し、発酵を妨害している生成物の除去を促進する。脂肪ボックス内の細菌の濃度は、発酵タンクからの流れにより制御され、酸素濃度が4〜8ppmの間の条件下で、12〜72時間の間、1ml当たりに付き約10〜1010個の細菌の範囲に概ね維持される。
【0036】
1994年11月21日に発行されたブラジル特許第9408267−7には、真菌セルラーゼと組み合わせたBacillus spp.(B. subtilis, B. licheniformesとB. megateriumとの混合物)から構成される組成物を用いる処理プロセスが開示されている。細菌の培地により産生される細胞外酵素と真菌セルラーゼとの組み合わせにより、セルロースを含む廃水が本発明の組成物と接触するとセルロースが共同分解される。本組成物は、セルロースはもちろん炭水化物、脂肪、及びタンパク質を分解できる幅広いシステムである。細菌を含む培地は、組成物1gmに付き少なくとも10個の胞子を蒔いて準備される。セルラーゼは真菌Aspergillus nigerから単離されたものであって、SigmaまたはNovo Nordiskが販売しており、組成物1gmに付き少なくとも100CUの活性が得られるように用いられる。
【0037】
1995年10月17日に発行された米国特許第5,459,066は、工業的装置の洗浄用水から油分を除去するための界面活性剤及び酵素(プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ)の混合物の使用に関する。酵素は、枯草菌(プロテアーゼ及びアミラーゼ)、及びアスペルギルスニガー(リパーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ)によって生成され、別の組み合わせ、又は市販(Applied Biochemists, Milwaukee, Wisより入手可能なAmerzyme−A−100)の混合物の形態で用いられる。酵素は、1〜200ppmの濃度で用いられる。
【0038】
1997年3月25日のブラジル特許出願番号9701478−8Aは、効果的活性化成分として特に酵素を用いる、浄化槽のメンテナンスのための水性混合物について記載している。前記成分は廃棄物処理システムにおいて固体の廃棄物質の分解を促進する。本発明の混合物には次の成分、酵素/バクテリアコンプレックス、有機溶媒、及び水が含まれる。また、処方された追加的オプション成分において、例えばシックナー、ピグメント、着色剤、芳香剤、バッファ薬剤、及びバクテリアのための栄養素が含まれても良い。酵素/バクテリアコンプレックスは、少なくとも1つの酵素及び/または加水分解酵素を生成することが可能な、少なくとも1つの微生物を含む。酵素内には、セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、及びリパーゼが存在する。
【0039】
1998年6月5日のフランス特許番号2,762,835は、連続活性化を提供可能とする残留水の浄化のための生物学的製品に関するものである。当該生物学的製品は、次に掲げるバクテリア種の少なくとも1つを含んだペレットのタイプに関するものであり、バクテリア種としては、バチルス−プミルス、バシラス−サチリス、バシラス−メガテリウム、バシラス−ポリミクサ、若しくはそれらの組合せ、少なくとも1つの酵素(アスペルギウス−オリーゼのリパーゼ、バチルス−amyloliquefaciensのアミラーゼ、及びバチルス−リケニフォルミスのプロテアーゼ)、栄養素物質(プロテイン、グリコシド、脂質、またはそれらの組み合わせ)、界面活性剤(LAS)、及び圧縮薬剤(PVCの混合物、エチルセリロース、及び澱粉)がある。後者は水に接触することで段階的に分解され、そのことがペレットに含まれる活性化成分の段階的連続的放出を可能とする。生物学的製品は、グラム当たり1.1×1011個の胞子密度を有する粉末に由来する生物学的種、0.5〜2.0%(重量当たり)を含み、リパーゼの60%、アミラーゼの20%、プロテアーゼの20%を有する酵素粉末の5%〜20%(重量当たり)を有する。
【0040】
廃水及び廃棄物の処理において純粋な微生物種または混合された特定の微生物を用いることの不利な点の1つは、用いられたそれらの培養とは総合的に異なった環境に直面する場合、それらの酵素的能力の迅速な変更または活性化の失活の観点から、反応タンクに対してそれら要素を連続的に加え続ける必要があることに存在する。処理ステーションで周期的に発生する多くの問題は、処理の効率を良くするためにしばしば添加される望ましい微生物種の損害に対して望ましくない微生物種の悪化増殖によるものである。この良い例としては、生物学的に好気性の処理ステーションにおける糸状スラッジの発生若しくは増加であり、スラッジの沈殿を妨げまた処理された廃水の質を下げる。この問題を回避する1つの様式は、当該微生物の刺激や、栄養素及び適合する成長ファクターの添加による所望でない微生物の除去であり、及び/または物質を阻害することによる除去である。
【0041】
1991年5月14日の米国特許第5,015,385は、脂肪を分解若しくは乳化させる能力を有する廃水中のバクテリアのための特定の成長ファクターの添加を提案するものであり、バクテリアに対して著しい栄養素ソース提供することのない、改善された細菌成長を促進する。前記成長ファクターは、各々リッター当たり15のアミノ酸と、0.5〜30mgの濃度までのカルボン酸との混合物からなり、更に高費用な処理プロセスを形成する。
【0042】
強調すべき別のポイントは、ここでふれられた特許発明の多くが、特定の、適用環境に対して非常に異質な微生物によって生成された市販のな酵素の使用を提案するものであり、かなり高額で販売されており、実際は、それらが常時の添加と高濃度を要求するという事実はともかく、効率面では期待はずれであると言う事実にある。
【0043】
本発明によれば、計画された酵素の調整は、非常に低コストで固体媒体中の発酵プロセスにより獲得された加水分解酵素の生成と共に、アグリビジネス廃棄物より単離されたペニシリウム属の真菌によって生成される。この微生物を生成する加水分解酵素の培養のための媒体は、非常にコストが低く抑えられた、アグリビジネスよりの廃棄物を含む。加水分解酵素が、この廃棄物の真菌発酵過程の結果、生成される。真菌菌糸の浸透は、この廃棄物に存在する別の栄養素へのアクセスを可能とし、異なった加水分解酵素(リパーゼ、プロテアーゼ、及びアミラーゼ)を生成する。
【0044】
糸状菌によって生成された、異なる加水分解酵素比率は、発酵時間は勿論のこと、炭素及び窒素廃棄物に対する異なるサプリメントによって制御される。下の表1には、廃棄物(ケーキと呼ぶ)に対する異なった発酵時間で得られる最大の加水分解活性の、加水分解酵素比における異なったサプリメントの効果が示されている。ここでRTSGは脂肪分離タンク(RFST)よりの残余を示すものである
【0045】
【表1】
Figure 2004510451
【0046】
生成された酵素の活性は次の規則、
a)リパーゼ活性:1ユニットのリパーゼ活性は、アッセイ状況下の、分毎に1マイクロモルの脂肪酸を開放する酵素量
b)プロテアーゼ活性:1ユニットのプロテアーゼ活性は、アッセイ状況下の、反応盲検(blank)とサンプルとの間の、分毎の吸収ユニタリ差を生成する酵素量
c)アミラーゼ活性:1ユニットのアミラーゼ活性は、アッセイ状況下の、分毎に減少される1マイクロモルの糖を生成する酵素量
に則って定義された。
【0047】
そのようなわけで、異なるサプリメント及び発酵のコンディションによれば、酵素試料は、発酵した廃棄物中グラムあたり4〜28ユニットの酵素活性を示すリパーゼと、発酵した廃棄物中グラムあたり5〜30ユニットの酵素活性を示すプロテアーゼと、発酵した廃棄物中グラムあたり17〜99ユニットの酵素活性を示すアミラーゼを含んでも良い。
【0048】
微生物のコンビネーション若しくは高価な市販の液体酵素試薬の使用が提案されている最新の技術で既知であるかは別にしても、本発明は、化学的試薬と比較して、共に低コストであるグランド固体形態若しくは発酵廃棄物より抽出された酵素形態での発酵廃棄物の使用を提案しており、以下のような利点を有している。
【0049】
固体状態での酵素試薬の使用することで、水分が除かれることでの輸送費用の削減、一般的に液体酵素試薬の使用で用いられる安定化剤及び/又は保存剤の必要の軽減及び/又は除去、そして異なるクラスの酵素における破壊的相互作用を有する問題の減少と言ったことで、液体状態の酵素抽出及び回収コストを削減することが可能である。
【0050】
しかし、とりわけ家庭廃水の処理及び浄化槽の洗浄のためには、消費者の一部には、液体酵素試薬がより頻繁に受け入れられている。この方式では、培地を調整することで酵素製剤の組成が修正可能であり、酵素の異なるクラスで破壊的相互作用問題を最小化する。本発明の目的とする酵素試薬は、試薬の発酵及び回収の状況を単に変更することにより、最も多様なアプリケーションにおいて採用されうる方法で、液体で提供され得る。選択された溶媒量は勿論のこと、温度(30−60度)及び抽出時間(5−60分)が、連続処理プロセスで要求された加水分解酵素割合の関数である。これらパラメータの変動させることで、生成された酵素試薬が、酵素試薬1リットル中890〜6220ユニットの酵素活性を有するリパーゼ、酵素試薬1リットル中1110〜6670ユニットの酵素活性を有するプロテアーゼ、酵素試薬1リットル中3780〜22000ユニットの酵素活性を有するアミラーゼを含み得る。
【0051】
本発明による酵素試薬物質は、固体媒体でグラムあたり約10胞子の糸状菌ペニシリウム属播種を通して生成される。播種されたケーキは、湿度の高い空気を注入されたインキュベータ内で、発酵の間ずっと40%〜70%の間でケーキ湿度を維持するようにして、温度30度でインキュベートされる。ケーキは、連続して要求された加水分解酵素の濃度割合に応じて、24時間から72時間の間の任意の発酵時間で発酵する。その後、発酵した廃棄物は、湿度を下げるためにグランド(ground)され処理される。そして、要求されたレベル(ケーキのリパーゼ、プロテアーゼ及び/又はアミラーゼのUI)で酵素活性を有する固体状態の試薬が得られる。もし、試薬が液体状態を要求されるならば、バッファーの液体溶媒が加えられ、固体から液体の加水分解酵素の抽出が行われる。
【0052】
デモンストレーションのために、本発明の実施例を以下に掲げる。
【0053】
(実施例1)
本実施例は、高レベルの脂肪及びタンパク質を含む廃液処理に関するもので、表2、3、及び図1に結果が記載されている。
【0054】
典型的には、酪農業より生じる廃水には、有機ロード(load)が多く含まれている。牛乳に含まれるラクトース、脂質、及びタンパク質が、それら廃水内に有機ロードを増加させるのに貢献する主たる物質である。これら要素とは別に、酪農業よりの廃水には、各々の工業プラントで採取される汚水及び雨水も含まれる。乳清(チーズ製造)及びバターミルク(バター製造)の様な副生成物は、用いられない場合でも、主に副生成物中の脂質及びタンパク質によって有機ロードの顕著な増加に貢献する。
【0055】
本発明による、酪農業よりもたらされる脂質を多く含む廃水の酵素試薬を用いた分解結果は、0.01%から5.0%(湿重量/廃水体積)の濃度の固体試薬、若しくは基準(0.04−1.9 UI/mLの廃水)リパーゼと同一濃度の緩衝液と共に抽出されたブロスを用いて観察されうる。
【0056】
酪農業よりの廃水は、固体媒体中で発酵された10%(v/v)の原酵素ブロスで処理される。予備的な処理として、30〜35度の間で、2〜12時間にわたり廃水の加水分解を行った。4種類の廃水がテストされ、各々初期濃度は、180、450、900、及び1200mg/リットルであった。より強い生物分解性を有するユニット(トリグリセリドのケースでは脂肪酸)を形成する生物学的ポリマーの量は、液体酵素試薬を用いる処理を行わなかった廃水と比較すると3倍である。
【0057】
酵素的な前処理を行う廃水の嫌気的生物分解性、または行わない廃水の嫌気的生物分解性は、生成されたガスを収集するために水で満たされたガソメータに接続された、120mLの運用値を有する、シールされたガラスフラスコ内処理実験で検証される。これらフラスコは適合スラッジ(30mL)と、処理されていない廃水若しくは酵素前処理された廃水(90mL)とを受容する。多数の操作反応器が、4日で満たされる。この間も、サンプルはpH及びCOD解析にかけられる。有機物質除去(CODとして計量される)の動的プロファイルの比較が、嫌気性処理効率における廃液の酵素的前処理効果の評価を可能とする。異なる濃度の脂質を有する廃液の酵素的前処理によって、以下の表2に記載されているように、結果としてCODの著しい減少によって確認される生物分解性の多大な増加がもたらされる。表2は、96時間の反応の後、研究された脂質の異なる初期濃度でのCODの除去結果をしめすものである。
【0058】
【表2】
Figure 2004510451
【0059】
さらには、酵素による事前の加水分解は、表3に示されているように処理時間の著しい短縮という結果をもたらした。表3は、研究された脂質の初期レベルの、反応時間(効率的な80%の除去)を示すものである。高レベルの脂質(1200mg/L)を含む廃水処理の間のCOD減少に関しては、実際、表1に記載されている。
【0060】
【表3】
Figure 2004510451
【0061】
(実施例2)
脂質の多い廃水の処理で用いられる嫌気性反応器の回復
3.0リットルのUASB型嫌気性反応器の取り除きは、上述されたような酪農廃水で反応器を満たすことでチェックされた。反応器は、摂氏35度、一日あたり4.0kg COD/mの容量測定有機ロードの条件下で4ヶ月にわたって動作しており、そのことは約800mg/Lの脂肪レベルを含む約4000mg/LのCODに対応している。廃液内に存在する脂肪は、反応器内部に徐々に蓄積され、スラッジのdragを引き起こし、混濁度を増加させ、懸濁液内の個体比率を増加させ、また質の劣悪な処理廃液を結果として生じてしまう。本発明によって、脂質のおかげで完全に詰まりやすかった嫌気性反応器の状態を元の良い状態に戻すことを可能となった。そのためには、例えば約3日間通常のリパーゼ活性を用いて、キログラムあたり約700UIほどの割合の反応器スラッジで、酵素試薬を再循環させる必要があった。この操作のち、完全に詰まって効果を失っていたリアクタは通常に機能し始めた。詰まりを取り除いた後に評価されたパラメータは、混濁度の著しい減少を示した(リアクタに対する酵素試薬の添加前の廃液中を比較して58%少ない)。また、処理廃液内の混濁した揮発性の個体(SVS)(73%より少ないの比率)減少も示した。それらは、スラッジの塊における脂肪及びガスの集積によって引き起こされたdragによるもので、より活性的な粒状体の形成、及び最終的には廃水CODの減少(55%より少ない)に帰する。
【0062】
(実施例3)
脂質の多い廃液処理に於ける好気性反応器の再コンディショニング
とりわけ酪農廃液のような脂肪分の多い廃液の生物分解における計画された酵素前処理の効果は、in naturaな廃液を受容し、本発明による前処理により加水分解された1.0リットルの好気的生物学的反応器で評価された。反応器は、最初に、24時間の滞留時間で、3000mg/LのCOD及び約400mg/Lのレベルの脂肪分を含む、先に述べたin naturaな廃液を投入することで動作した。反応器は、2500mg SVS/Lの初期濃度のため、家庭の汚水処理で得られた活性化スラッジを用いて播種された。リアクタに対する廃液の連続的な送出は、CODの除去効率の段階的なロスとなってしまい、処理廃液の質をますます悪化させ、またスラッジの滞積許容量の減少となってしまった。週1回から3回、リアクタの動作体積あたり、100から1000UIの割合で酵素試薬が添加され始めると、スラッジの堆積速度が速くて混濁度が低く、より良い質の処理廃液が得られたのは勿論のこと、CODの除去に関しかなりの改善が見られた。このことで、有機リードや脂肪分の蓄積除去のため、効率の低い好気性リアクタの再コンディショニングを行う能力が確認される。
【0063】
(実施例4)
セパレータユニット中の蓄積脂肪分の処理及び回収
提案された酵素試薬は、実験的な酪農廃液処理ユニット内の脂肪ボックスの表面より取り除かれた脂肪分上でテストされた。温度30から35度の間で10分から200分間に亘る、標準リパーゼ活性に対する脂肪分が15UI/gから50UI/gの濃度である酵素試薬の添加は、脂肪分の溶解及び遊離脂肪酸濃度の顕著な増加をもたらす。その事は、例えば、脂肪分ボックス、水−油セパレータ、及びフローティングユニットのような処理ユニットの異なるセパレータユニットに集積した脂肪分を処理、回収するための本発明の能力を示す。高い汚染可能性を有する固体廃棄物を構成するこれらの脂肪分は、アミノ酸及び遊離脂肪酸プールへと形質転換され、それは工場オーナーなどにとっては環境的、経済的利点を有しており、飼料サプリメントとして市販されうる。
【0064】
(実施例5)
屠殺場、食肉パッキング工場、及び食肉処理工場よりの廃水処理
屠殺場及び食肉パッキング工場は、大量の廃水を発生させ、定期的に非効率的な方法で水を用いる。
【0065】
動物及び各々作業工程によりよって変化するが、殺された動物あたりの水消費量は、概ね1.0から8.3mとなる。食肉パッキング工場からの残余水には、多くの生物分解性有機物質が含まれ、通常は、1100から2400mg/LのBOD、溶解率は40から60%の間で変化する。非溶解性の分留物は、脂肪分、タンパク質、セルロースの形で懸濁液中にコロイド状物質によって形成されており、生物学的反応器内でゆっくりと分解されうる。固体形態での酵素試薬の添加の効果は、食肉パッキング工場の廃水を処理する7.2リットルのUASB型嫌気性反応器内で評価された。反応器は、2000から6200mg/LのCOD、300から1300mg/Lのタンパク質レベル、40から600mg/Lの脂肪レベルの食肉パッキング工場の廃液処理を行うものである。反応器は、80日間、14時間から22時間に亘って水圧を固定して処理された。この間に、スラッジの粒状体にかかる脂肪分の段階的な集積が、電子顕微鏡で確認された。0.1%濃度(湿性重量/廃液体積)の固体酵素試薬の添加が、結果として粒状体表面上の白いスポットを消失させた。このケースでは、酵素試薬は表1に示されているように、リパーゼの損害(detriment)に対し大量のプロテアーゼを含む方法で製造された。
【0066】
(実施例6)
浄化槽の洗浄
住宅の浄化層で行われたテストによれば、酵素試薬がそれらタンクの処理を改善する為の添加物として用いられても良い。タンクの処理体積あたり0.5から5.0mlの割合の液体状態酵素試薬の添加は、結果として浮きかすの形成を少なくし、それで浮きかすの除去を可能として、洗浄処理間隔を長くできる。
【0067】
(実施例7)
住居及び商用施設脂肪ボックスの洗浄
住居の脂肪ボックスの洗浄は、基準リパーゼ活性としてボックスの処理体積のリッターあたり0.5から5mLの酵素試薬の添加の後に非常に促進された。
【0068】
(実施例8)
酵素試薬と市販製品との酵素加水分解の比較
1200mg/Lの脂肪を有する酪農廃水に関する加水分解を比較すると、本発明の酵素試薬の加水分解能力は市販品の約10倍は優れており、即ち10分の1の濃度で、後の生化学処理においてより容易に吸収される単量体ユニット(遊離酸)の構成に対して同様の効果を獲得可能である。ここに含まれた図2は、各々が異なる濃度で添加された本発明の酵素試薬及び輸入市販薬品の、加水分解時間による単量体ユニット(遊離酸)の構成を示すものである。
【0069】
固体(発酵廃棄物)若しくは液体(酵素抽出物)酵素試薬を用いた経験より、高いレベルの脂肪分、タンパク質、及び/又は炭水化物を有する廃液、特に高レベルの脂肪分を有する廃液の前処理が極めて効果的であると結論づけることが出来る。このケースでは、次のような添加方法が推奨される。
【0070】
a)固体酵素試薬の場合
摂氏30から35度、初期pH7.0の、約150から4000mg/Lの脂肪レベルについて、グラムあたり10から28ユニットのリパーゼを含む0.1から5.0%(湿性重量/廃水体積)の発酵廃棄物の添加。
【0071】
b)液体酵素試薬の場合
摂氏30から35度、初期pH7.0の、約150から4000mg/Lの脂肪レベルについて、グラムあたり2220から6220ユニットのリパーゼを含む2から30%(体積/廃水体積)の発酵廃棄物の添加。
【0072】
酵素試薬はまた、長期にわたって高レベルの脂肪分を含む一般的廃棄物を有する反応器、脂肪ボックス、及び浄化槽を効果的に洗浄除去する目的も有する。これら設備の洗浄除去は、以下の規則で酵素試薬を添加することにより効果的方法で成されうる。
【0073】
a)固体酵素試薬
摂氏30から35度で、脂肪のグラムあたり15から50ユニットに等しい、蓄積脂肪のグラムあたり0.5から1.5グラムの固体試薬(発酵廃棄物、グラムあたり10から28ユニットのリパーゼを含む)の添加。
【0074】
b)液体酵素試薬
摂氏30から35度で、脂肪分グラムあたり15から50ユニットに等しい、蓄積脂肪のグラムあたり2.5から25.0グラムの液体試薬(発酵廃棄物、グラムあたり2220から6220ユニットのリパーゼを含む)の添加。
【図面の簡単な説明】
【図1】
COD/COD初期値の時間変化を示すブラフである。
【図2】
異なる濃度で添加された本発明の酵素試薬と市販薬品に関する、遊離酸の時間変化を示すグラフである。

Claims (20)

  1. 高いレベルで、脂肪、タンパク質、及び炭水化物を含む工業廃水及び家庭廃水の処理のために酵素試薬を製造する過程であって、
    前記酵素試薬が、糸状菌ペニシリウム属(fungus Penicillium restrictum)によって生成され、また固体状態発酵過程により得られることを特徴とする過程。
  2. 前記固体状態発酵のための培地が、アグリビジネスより得られた半固体若しくは固体生成物、又は廃棄物であることを特徴とする請求項1の過程。
  3. 前記酵素試薬が固体若しくは液体であることを特徴とする請求項1の過程。
  4. 前記発酵過程が、廃棄物1グラムあたり約107胞子の前記糸状菌ペニシリウム属を有する前記アグリビジネス生成物若しくは廃棄物の播種を含み、
    後者は、発酵の間に40%から70%の廃棄物湿度を維持するように、湿った空気を注入されたインキュベータ内で摂氏30度で播種、培養され、
    24時間から72時間の発酵時間で発酵され、
    その後グランド(ground)発酵生成物若しくは廃棄物が処理され、所望の酵素活性を有する固体形態の前記試薬を得るような方法でその湿度割合が減少されることを特徴とする請求項1に記載の過程。
  5. 抽出時間は5分から60分、抽出温度は摂氏30度から60度で、発酵個体より加水分解酵素を抽出するためのバッファー水溶媒を添加することを特徴とする請求項1に記載の過程。
  6. 高レベルの脂肪、タンパク質、および/または炭水化物を含む工場排水および家庭排水の処理のための酵素試薬の組成であって、前記酵素試薬が加水分解酵素を含むことを特徴とする組成。
  7. 前記酵素試薬がリパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼを含むことを特徴とする請求項5に記載の組成。
  8. 前記酵素試薬が個体または液体であることを特徴とする請求項5に記載の組成。
  9. 前記固体試薬が前記発酵生成物または廃棄物のグラムあたり4から28ユニットの酵素活性を有するリパーゼを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成。
  10. 前記個体試薬が前記発酵生成物または廃棄物のグラムあたり5から30ユニットの酵素活性を有するプロテアーゼを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成。
  11. 前記固体試薬が前記発酵生成物または廃棄物のグラムあたり17から99ユニットの酵素活性を有するアミラーゼを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成。
  12. 前記液体試薬が前記酵素試薬リットルあたり890から6220ユニットの酵素活性を有するリパーゼを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成。
  13. 前記液体試薬が前記酵素試薬リットルあたり1110から6670ユニットの酵素活性を有するプロテアーゼを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成。
  14. 前記液体試薬が前記酵素試薬リットルあたり3780から22000ユニットの酵素活性を有するプロテアーゼを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成。
  15. 高いレベルで脂肪、タンパク質、および/または炭水化物を含む、液体、ペースト状、および半固体の工業廃水および家庭廃水を処理するための過程であって、
    生物学的処理段階の前にリパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼを含む固体もしくは液体酵素試薬を用いる酵素加水分解段階を含むことを特徴とする過程。
  16. 前記処理過程が、温度は摂氏30度から35度、初期pHは7.0で、約150から4000mg/Lの脂肪レベルのために、グラムあたり10から28ユニットのリパーゼを含む前記固体酵素試薬の0.01%から5.0%(湿重量/廃液体積)を添加する過程を含むことを特徴とする請求項14に記載の過程。
  17. 前記処理過程が、温度は摂氏30度から35度、初期pHは7.0で、約150から4000mg−Lの脂肪レベルのために、リットルあたり2220から6220ユニットのリパーゼを含む前記液体酵素試薬の2%から30%(体積/廃液体積)の添加を含むことを特徴とする請求項14に記載の過程。
  18. 高いレベルの脂肪、タンパク質、および炭水化物を連続的に用いることで生じる、詰まった生物学的反応器、脂肪ボックス、および浄化槽の修復のための過程であって、
    リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼを有する加水分解酵素を含む固体もしくは液体酵素試薬を用いることを特徴とする過程。
  19. 温度が摂氏30度から35度で、脂肪グラムあたり15から50ユニットのリパーゼに等しい、蓄積脂肪グラムあたり0.05から1.5グラムの前記固体酵素試薬(前記発酵生成物もしくは廃棄物のグラムあたり10から28ユニットのリパーゼを含む)を添加する過程を含むことを特徴とする請求項17に記載の過程。
  20. 温度が摂氏30度から35度で、脂肪グラムあたり15から50ユニットのリパーゼに等しい、蓄積脂肪グラムあたり2.5から25.0mLの前記液体酵素試薬(リットルあたり2220から6220ユニットのリパーゼを含む)を添加する過程を含むことを特徴とする請求項17に記載の過程。
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